JP4004599B2 - 導光板および平面照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、側端面から導入した光を表面から放射する導光板およびこの導光板を用いた平面照明装置に関し、特に液晶表示面の照明に利用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレィのいわゆるバックライト光源として使用される平面照明装置は、光源ランプからの光を透明な導光板の側端面からこの導光板内に導き、導光板内での光の反射を利用して導光板の表面全域からこの光を均一に出射させるようにしたものである。平面照明装置が使用される液晶ディスプレィの特性を考慮した場合、この平面照明装置に要求される機能としては、全体として薄板状であること、および光源ランプの消費電力を極力抑えるものであることの他に、全体に亙って均一な光を出射させることが特に重要である。
【0003】
このような目的のため、従来の平面照明装置は、導光板の裏面側に光反射シートを設けると共に導光板の表面側に頂角がほぼ90度の二等辺三角柱状のプリズム面を平行に配列したプリズムシートをこれらのプリズム面の長手方向が相互に直交するように二枚重ね合わせた構造が採用される。つまり、導光板の裏面側から出射した光を光反射シートによって再び導光板内に入射させ、導光板の表面から出射した光を一対のプリズムシートによって収束させ、高輝度の照明光が得られるように配慮している。
【0004】
また、導光板に入射した光の均一分散を意図して、この導光板の裏面に白色インクなどによる数百μm程度の大きさのドットを無数に印刷したものも知られている。この場合、ドットが目障りとならないように、導光板とプリズムシートとの間に光拡散シートを介在させ、導光板の表面から出射した光を光拡散シートによって分散させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
導光板の表面から出射した光は、この導光板の構造に依存した、通常、制御不可能な指向性を持っており、その最大輝度が得られる方向と所望の視認方向とが一致しない場合がほとんどである。このため、プリズムシートを導光板の表面に単に重ねただけでは、導光板からの光がプリズム面の一方の斜面側からのみ出射した状態となり、均一な分布の光強度を得ることができない。
【0006】
そこで、白色インクによるドットを導光板の裏面に印刷し、この導光板内を伝搬する光を拡散させるようにしたものでは、光の吸収損失が発生する欠点を有する。しかも、これらのドットが目立たないように、光拡散シートを併用する必要があるため、この光拡散シートを通過する光のほとんどが拡散光となってしまい、輝度の低下が著しく大きくなる結果、光量の大きな明るい光源を使用しなければならない。その上、光の進行方向の制御がまったく不可能となってしまう。
【0007】
また、従来のプリズムシートは、導光板からの拡散光を収束させることができるものの、導光板から出射する光は、導光板の表面に対して垂直ではなく、一般的に光源から離れる方向に傾斜している成分が多い。このため、従来のプリズムシートは、導光板の表面から出射する光を所望の方向、すなわち導光板の表面に対して垂直な方向に偏向させることができない。
【0008】
さらに、従来の平面照明装置は、拡散シートの他に2枚のプリズムシートを導光板の上に重ね合わせて使用しているため、部品点数が多く、厚みを全体として薄くすることができなかった。また、拡散シートや2枚のプリズムシートでの界面反射などによる光の損失が大きく、光量の大きな明るい光源を使用する必要があり、装置全体のコンパクト化および低消費電力化を阻害する要因となる。
【0009】
【発明の目的】
本発明の第1の目的は、損失が少なく、しかも高輝度の光を一様な分布で出射させることが可能な導光板を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、光の損失のみならず部品点数が少なく、しかもコンパクトで低消費電力化が可能な平面照明装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の形態は、光が出射する表面部と、この表面部の反対側に位置し、光反射シートで覆われる裏面部と、これら表面部および裏面部の一端側に位置して光源からの光を導入するための入射端面部とを有し、この入射端面部から入射した光を前記表面部から出射させるための導光板であって、前記裏面部には、前記光反射シートに向けて光を集光状態で出射させるための複数の順方向の凸部がランダムに形成され、これら順方向の凸部は、前記裏面部に対して垂直に投影した輪郭形状が前記入射端面部とほぼ平行な一辺を有する三角形をなし、かつ前記一辺がこの三角形の前記一辺を含まない頂点よりも前記入射端面部側に位置していることを特徴とする導光板にある。
【0012】
本発明によると、入射端面部から導光板内に入射した光源からの光の一部は、導光板の裏面部で全反射し、損失なく導光板の表面部から導光板の外側に出射する。また、順方向の凸部に入射した光の一部は、光反射シートに向けて集光状態で出射し、ここで反射した光が再び裏面部側から導光板内に入射する。
【0013】
一方、本発明による第2の形態は、光が出射する表面部と、この表面部の反対側に位置する裏面部と、これら表面部および裏面部の一端側に位置する入射端面部とを有する導光板と、
この導光板の前記入射端面部に向けて光を投射する光源と、
前記導光板の前記表面部および前記入射端面部以外の部分を覆う光反射シートと
を具えた平面照明装置であって、
前記裏面部には、前記光反射シートに向けて光を集光状態で出射させるための複数の順方向の凸部がランダムに形成され、
これら順方向の凸部は、前記裏面部に対して垂直に投影した輪郭形状が前記入射端面部とほぼ平行な一辺を有する三角形をなし、かつ前記一辺がこの三角形の前記一辺を含まない頂点よりも前記入射端面部側に位置していることを特徴とする平面照明装置にある。
【0014】
本発明によると、入射端面部から導光板内に入射した光源からの光の一部は、導光板の裏面部で全反射し、損失なく導光板の表面部から導光板の外側に出射する。順方向の凸部に入射した光は、光反射シートに集光状態で出射し、光反射シートによって集光性を維持しながら散乱状態で反射し、これが裏面部側から導光板内に入射して最終的に導光板の表面部からすべて出射する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明による導光板あるいは平面照明装置において、表面部から出射する光を所定の方向に偏向させるための光偏向手段を表面部に形成するようにしてもよい。この場合、光偏向手段は、入射端面部と直交する方向に延びると共に導光板の幅方向に沿って配列する三角柱状のプリズムであってもよいし、所定の曲率半径を持った球面レンズアレイであってもよい。
【0016】
また、裏面部に対して垂直に投影した輪郭形状が入射端面部とほぼ平行な一辺を有する三角形をなし、この三角形の前記一辺を含まない頂点が前記一辺よりも入射端面部側に位置する複数の逆方向の凸部を裏面部にランダムに形成するようにしてもよい。これら順方向および逆方向の凸部の三角形は、二等辺三角形であることが好ましく、裏面部に対して傾斜し、かつ前記一辺を含む錐面と、裏面部に対してほぼ垂直であって前記一辺を含まない一対の錐面とからなる三角錐であってもよいし、それぞれ三角柱状をなすものであってもよい。さらに、順方向の凸部と逆方向の凸部とは、一辺を共有して一体的に形成されていてもよく、この場合、全体として四角柱状をなすものであってもよい。
【0017】
さらに、この三角形の頂点を含む二つの斜辺のなす角は、凸部を構成する材料の屈折率をn、凸部に入射する光線と平面部とのなす角をβとした場合、tan−1[cosβ・tan{π−2sin−1(1/n)}]以上であることが望ましい。また、表面部の単位面積当たりに占める凸部の割合を入射端面部から離れるほど大きく設定したり、表面部の単位面積当たりに占める順方向および逆方向の凸部の割合を入射端面部の長手方向に沿った表面部の幅方向両側端部で相対的に大きく設定することが望ましい。これら順方向および逆方向の凸部の大きさは、150μm以下であることが好ましい。さらに、順方向の凸部の2つの斜辺の長さと、逆方向の凸部の2つの斜辺の長さとが相互に異なっていてもよい。
【0018】
【実施例】
本発明による導光板を組み込んだ本発明による平面照明装置の実施例について、図1〜図9を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこのような実施例に限らず、これらをさらに組み合わせたり、同様な課題を内包する他の分野の技術にも応用することができる。
【0019】
本発明の第1の実施例による平面照明装置の断面構造を図1に示し、その分解した状態の外観を図2に示す。すなわち、本実施例における平面照明装置11は、矩形の板状をなす導光板12と、この導光板12の入射端面部13に沿って配置される線状の光源ランプ14と、導光板12の表面部15に重ね合わされる光偏光板16と、導光板12の入射端面部13および表面部15以外の部分を覆う光反射シート17とを有する。また、冷陰極管や複数のLEDにて構成される光源ランプ14は、反射面が凹曲面となったリフレクタ18で囲まれており、このリフレクタ18からの反射光は、表面部15とほぼ平行に導光板12の入射端面部13から導光板12内に入射するようになっている。
【0020】
本実施例における導光板12は、屈折率が1. 49の透明なアクリル樹脂(PMMA)にて形成され、光源ランプ14からの光を導入するための入射端面部13と、この入射端面部13の反対側に位置する反射端面部19と、これら入射端面部13および反射端面部19の両側端に接続する一対の側端面部20と、これら入射端面部13および反射端面部19および側端面部20で囲まれて入射端面部13から入射した光を出射させるための表面部15および裏面部21とを有する。表面部15の反対側に位置する裏面部21は、表面部15と裏面部21との間隔が入射端面部13側に対して反射端面部19側ほど狭くなるように、表面部15に対して0. 5度から1度程度傾斜したテーパ状となっている。
【0021】
本実施例では導光板12としてアクリル樹脂を採用したが、光学的に透明な他の材料、例えば屈折率が1. 50のポリカーボネート(PC)などを採用することも当然可能である。また、裏面部21が表面部15と平行に形成された導光板を使用するようにしてもよい。
【0022】
導光板12の裏面部21を図3に模式的に示し、そのIV−IV矢視断面に沿った抽出拡大形状を図4に示し、その順方向の凸部(以下、これを第1の凸部と記述する)の外観を拡大して図5に示す。すなわち、導光板12の裏面部21には、この裏面部21に対して垂直に投影した輪郭形状が三角形をなし、一対の対称な境界面22,23と三角形の底面24とを有する二等辺三角柱状の第1の凸部25がランダムに配置され、これら第1の凸部25と表面部15に形成される後述するプリズム面27との間、およびこの平面照明装置を液晶ディスプレィのバックライト光源として使用した場合における液晶パネルのセルと第1の凸部25との間でそれぞれモアレ縞などが発生しないように配慮している。
【0023】
これら第1の凸部25の一対の境界面22は、表面部15側から反射して第1の凸部25に入射した光を導光板12の外側、つまり光反射シート17の表面に向けてそれぞれ集光状態で出射させる。これら第1の凸部25は集光出射機能を持っている。また、第1の凸部25の境界面23および底面24は、導光板12の裏面部21側から出射して光反射シート17により散乱状態で反射する光を第1の凸部25内に入射させる機能を有する。このように、第1の凸部25は、導光板12内を伝搬する光の一部を光反射シート17に向けて集光状態で一旦出射させ、この出射光を光反射シート17で強く反射させることにより、導光板12の裏面部21や第1の凸部25の境界面23および底面24から導光板12内に導入させるものであり、個々の第1の凸部25を肉眼にて識別できないように、各第1の凸部25の任意の一辺をそれぞれ150μm 以下の大きさに設定することが好ましいが、光の拡散と製造の容易性とを考慮して10μm 以上であることが望ましく、第1の凸部25の大きさを10〜150μm の範囲に設定することにより、従来のようなドット見えがない。また、何枚かの拡散シートの使用により、プリズムシートを使用する必要がなくなり、光の進行方向を比較的容易に制御することが可能となる。
【0024】
また、第1の凸部25の境界面22,23は、図5の二点鎖線で示した裏面部21に対する垂直面とのなす角φが0度から60度程度となるように傾斜していることが好ましい。また、第1の凸部25の境界面23の底辺26は、入射端面部13とほぼ平行に設定されている。
【0025】
導光板12の表面部15には、入射端面部13と直交する方向(図1中、左右方向)に延びると共に導光板12の幅方向に沿って配列する二等辺三角柱状のプリズム面27が形成されており、本実施例におけるプリズム面27は、頂角が80〜110度程度のものを採用している。このプリズム面27に代えて所定曲率半径の凸球面レンズアレイを導光板12の表面部15に突設するようにしても同様な効果を得ることができる。
【0026】
前述した光反射シート17は、導光板12の反射端面部19と一対の側端面部20と裏面部21とを覆い、これらから出射する光を再び導光板12内に反射させて導光板12の表面部15から出射させるためのものであり、白色の紙などを折り曲げたものである。
【0027】
ところで、導光板12の入射端面部13に入射角、すなわち表面部15と光線とのなす角がγで入射する光線は、導光板12を構成する材料の屈折率n(本実施例のアクリル樹脂の場合、n=1. 49)に応じて
【0028】
【数1】
0≦|γ|≦sin−1(1/n)
を満たす入射角γの範囲で導光板12内を進行する。そして、裏面部21側に向けて進行する光線の一部は、第1の凸部25内に入り、境界面22からそのまま導光板12の外側に出射し、残りは裏面部21で全反射して表面部15側へ伝搬する。
【0029】
裏面部21や第1の凸部25から導光板12の外側に漏洩した光線、つまり迷光は、境界面22などでの界面反射があるものの、光反射シート17の存在により裏面部21から導光板12内に再び入射する一方、第1の凸部25の境界面23や底面24から再び第1の凸部25内に入射し、その一部が境界面22で全反射して表面部15に向けて伝搬し、最終的に表面部15から導光板12の外側にすべて出射する。
【0030】
裏面部21側から見た第1の凸部25の平面形状を表す図6に示すように、表面部15側から第1の凸部25内に入った光線Lが一対の境界面22で全反射せずに導光板12の外に出射するためには、裏面部21と平行な平面内を進行する光線Lを考えた場合、境界面22に対する光線Lの入射角をθとすると、
【0031】
【数2】
θ≦sin−1(1/n)
を満足する必要がある。ここで、円周率をπとすると、一対の境界面22のなす角α1は、α1=2・{(π/2)−γ}であるから、
【0032】
【数3】
α1≧π−2sin−1(1/n)
となるが、実際問題として、光線Lの光路を含む平面は、裏面部21に対して傾斜しており、この平面内における一対の境界面22のなす角αは、光線Lと裏面部21とのなす角をβとした時、tan(α/2)=cosβ・tan(α1/2)であるから、
【0033】
【数4】
α≧tan -1[ cosβ・ tan{π−2sin -1(1/n) }]
を満足すればよいことが判る。
【0034】
具体的には、屈折率nが1. 49のアクリル樹脂を導光板12として採用した本実施例では、αが約78度以上である必要がある。また、実際問題として、光線Lの光路を含む平面は裏面部21に対して傾斜しており、この光線Lと裏面部21とのなす角をβとした場合、表面部15側から出射する光線Lが境界面22で全反射せずにここから出射するためには、
【0035】
【数5】
β≦sin−1(1/n)
を満足する必要がある。ここで、β=sin−1(1/n)の場合、本実施例における上述のαは約78度、α1は95度となるので、αが78度から95度の範囲に収まるように、第1向の凸部25を形成することが好ましい。しかし、実際問題として、境界面22から出射できない光線は、内部反射で導光板12の内部に戻り、この導光板12の内部構造による散乱要素が考えられるため、αを60度から120度の範囲に収まるように設定することにより、本発明の趣旨をほぼ達成することができる。
【0036】
従って、入射角γが42度以下の入射光線Lの大部分は、裏面部21で全反射して表面部15側へ伝搬するが、その一部が第1の凸部25から導光板12の外側へ出射する。また、入射角γが42度を越えた入射光線Lは、裏面部21から導光板12の外側に集光状態で出射するが、光反射シート17によって再び導光板12内に拡散状態で入射し、最終的に表面部15から導光板12の外側に出射する。
【0037】
導光板12に入射した光は、この導光板12中を進行するに連れてそのエネルギが減少するため、導光板12の裏面部21に突設された第1の凸部25の占有率を漸次変化させる必要がある。具体的には表面部15から出射する反射光線がこの表面部15全体に亙って均一な輝度となるように、裏面部21の単位面積当たりに占める第1の凸部25の面積割合(以下、これを占有率と記述する)は、光源ランプ14からの光の進行方向(図1中、右方向)に沿った裏面部21の位置と第1の凸部25の占有率との関係を表す図7に示すように、反射端面部19側ほど大きな占有率となるように設定されている。
【0038】
この場合、導光板12の入射端面部13に近接する表面部15は、光源ランプ14からの光が直接透過して輝度が高くなる傾向を有するため、入射端面部13に近接する裏面部21における第1の凸部25の占有率をこれに続く部分よりも小さめに設定している。同様に、導光板12の反射端面部19に近接する表面部15は、反射端面部19からの反射光が透過して輝度が高くなる傾向を有するため、反射端面部19に近接する裏面部21における第1の凸部25の占有率をこれに続く部分よりも小さめに設定している。
【0039】
なお、本実施例では第1の凸部25の占有率の最大値を約70%程度に設定しているが、これをほぼ100%に設定することも当然可能である。また、上述した実施例では、第1の凸部25を三角柱状に形成したが、三角錐状に形成することも可能である。
【0040】
このような本発明による導光板の凸部の他の実施例の外観を図8に示すが、先の実施例と同一機能の部材にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、本実施例における第1の凸部28は、一対の対称な境界面22と傾斜錐面29とを有する二等辺三角錐形をなしており、さらに裏面部21に対して垂直に投影した輪郭形状が三角形をなす逆方向の凸部30(以下、これを第2の凸部と記述する)が形成されている。本実施例における第2の凸部30は、先の実施例の第1の凸部28の底辺26と接して向かい合うように組み合わされ、入射端面部13とほぼ平行に設定された底辺26に対する頂点がこの底辺26よりも入射端面部13側に位置しており、一対の対称な反射面31と傾斜錐面32とを有する二等辺三角錐状をなしている。
【0041】
従って、これらの凸部28,30は、裏面部21に対して垂直に投影した輪郭形状が菱形をなし、第1の凸部28と第2の凸部30とが底辺26を対称軸とする鏡像関係に設定されている。この場合、一方の境界面22の斜辺の長さに対して他方の反射面31の斜辺の長さが異なっていてもよい。
【0042】
第1の凸部28は、主として入射端面部13(図1参照)側から反射端面部19(図1参照)側へ進行する光線に対して上述した機能を発揮するのに対し、第2の凸部30は、反射端面部19側から入射端面部13側へ導光板30内に戻る光線に対して上述した機能を発揮する。このため、先の実施例のように表面部15に対して裏面部21をテーパ状に傾斜させる必要がなくなり、入射端面部13側および反射端面部19側共に均一な板厚に設定することが可能である。
【0043】
このように、本実施例では反射端面部19側から入射端面部13側へ導光板30内に戻る光も積極的に表面部15から導き出すようにしているため、導光板30の表面部15と正対する方向に強い輝度の光が放射される。この場合、第2の凸部30を第1の凸部28と離して別々に配置し、この第1の凸部28の分布状態に対して異なる分布状態、例えば入射端面部13側ほど多くなるように配置することも可能であり、これによって反射端面部19側から戻る光も、より均一に導光板30の表面部15から導き出すことができる。
【0044】
上述した実施例では、第1の凸部28と第2の凸部30とを組み合わせた形状に設定したが、傾斜錐面22, 32を裏面部21と平行に設定することによって四角柱状にすることも可能であり、この場合にも先の実施例と同様な効率の良い導光板を得ることができる。
【0045】
上述した実施例では、第1の凸部28と第2の凸部30とを組み合わせた形状に設定したが、傾斜錐面29,32を裏面部21と平行に設定することによって四角柱状にすることも可能であり、この場合にも先の実施例と同様な効率の良い導光板を得ることができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の導光板および平面照明装置によると、導光板の裏面部に対して垂直に投影した輪郭形状が入射端面部とほぼ平行な一辺を有する三角形をなし、かつこの一辺がこの三角形の前記一辺を含まない頂点よりも入射端面部側に位置し、裏面部を覆う光反射シートに向けて光を集光状態で出射させるための順方向の凸部をこの導光板の裏面部にランダムに複数形成したので、入射端面部から導光板内に入射した光源からの光は、均一な輝度分布を以て損失なく導光板の表面部から導光板の外側に出射させることができる。
【0047】
また、導光板の表面部から出射する光を所定の方向に偏向させるための光偏向手段をこの導光板の表面部に形成した場合には、導光板の表面部から導光板の外側に出射する光を、導光板の表面部に形成された光偏向手段によって、所定の方向に偏向させることができる。
【0048】
一方、導光板の裏面部に突設した凸部を、入射端面部から離れるほど裏面部の単位面積当たりに占める割合が大きくなるように設定した場合、出射光の輝度分布を均一にすることができる上、凸部の大きさを10〜150μmにしたことによって、凸部の目立たない良好な導光板を得ることができ、光拡散シートを併用する必要がなくなる。
【0049】
また、導光板の表面部に光偏向手段を一体的に形成した場合には、従来使用していたプリズムシートをさらに省略することが可能となり、光の損失や消費電力が少なく、しかもより薄型の平面照明装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による平面照明装置の一実施例の概略構造を表す断面図である。
【図2】図1に示した実施例の分解斜視図である。
【図3】図1に示した実施例における導光板の裏面部の外観を表す底面図である。
【図4】図3中のIV−IV矢視に沿った拡大断面図である。
【図5】 順方向の凸部の外観を表す斜視図である。
【図6】 図5に示した順方向の凸部に対する光線の経路を表す幾何図面である。
【図7】入射端面部から反射端面部に至る導光板の裏面部と、その単位面積当たりの凸部の占有率との関係を表すグラフである。
【図8】凸部の他の実施例の外観を表す斜視図である。
【図9】凸部の別な実施例の外観を表す斜視図である。
【符号の説明】
11 平面照明装置
12 導光板
13 入射端面部
14 光源ランプ
15 表面部
16 光偏向板
17 光反射シート
18 リフレクタ
19 反射端面部
20 側端面部
21 裏面部
22 境界面
23 境界面
24 底面
25 第1(順方向)の凸部
26 底辺
27 プリズム面
28 凸部
29 傾斜錐面
30 第2(逆方向)の凸部
31 反射面
32 傾斜錐面
33 凸部
θ 反射面に対する光線の入射角
L 光線
α1 一対の反射面のなす角
C1,C2 対角線
Claims (16)
- 光が出射する表面部と、この表面部の反対側に位置し、光反射シートで覆われる裏面部と、これら表面部および裏面部の一端側に位置して光源からの光を導入するための入射端面部とを有し、この入射端面部から入射した光を前記表面部から出射させるための導光板であって、
前記裏面部には、前記光反射シートに向けて光を集光状態で出射させるための複数の順方向の凸部がランダムに形成され、
これら順方向の凸部は、前記裏面部に対して垂直に投影した輪郭形状が前記入射端面部とほぼ平行な一辺を有する三角形をなし、かつ前記一辺がこの三角形の前記一辺を含まない頂点よりも前記入射端面部側に位置していることを特徴とする導光板。 - 前記表面部には、この表面部から出射する光を所定の方向に偏向させるための光偏向手段が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の導光板。
- 前記裏面部に対して垂直に投影した輪郭形状が前記入射端面部とほぼ平行な一辺を有する三角形をなし、この三角形の前記一辺を含まない頂点が前記一辺よりも前記入射端面部側に位置する複数の逆方向の凸部を前記裏面部にランダムに形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導光板。
- 前記順方向の凸部は、前記裏面部に対して傾斜し、かつ前記一辺を含む錐面と、前記裏面部に対してほぼ垂直であって前記一辺を含まない一対の垂直面とからなる三角錐であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の導光板。
- 前記逆方向の凸部は、前記裏面部に対して傾斜し、かつ前記一辺を含む錐面と、前記裏面部に対してほぼ垂直であって前記一辺を含まない一対の垂直面とからなる三角錐であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の導光板。
- 前記順方向の凸部が三角柱状をなすことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の導光板。
- 前記逆方向の凸部が三角柱状をなすことを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の導光板。
- 前記順方向の凸部と前記逆方向の凸部とは、前記一辺を共有して一体的に形成されていることを特徴とする請求項3,請求項5および請求項7の何れかに記載の導光板。
- 光が出射する表面部と、この表面部の反対側に位置する裏面部と、これら表面部および裏面部の一端側に位置する入射端面部とを有する導光板と、
この導光板の前記入射端面部に向けて光を投射する光源と、
前記導光板の前記表面部および前記入射端面部以外の部分を覆う光反射シートと
を具えた平面照明装置であって、
前記裏面部には、前記光反射シートに向けて光を集光状態で出射させるための複数の順方向の凸部がランダムに形成され、
これら順方向の凸部は、前記裏面部に対して垂直に投影した輪郭形状が前記入射端面部とほぼ平行な一辺を有する三角形をなし、かつ前記一辺がこの三角形の前記一辺を含まない頂点よりも前記入射端面部側に位置していることを特徴とする平面照明装置。 - 前記表面部には、この表面部から出射する光を所定の方向に偏向させるための光偏向手段が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の平面照明装置。
- 前記裏面部に対して垂直に投影した輪郭形状が前記入射端面部とほぼ平行な一辺を有する三角形をなし、この三角形の前記一辺を含まない頂点が前記一辺よりも前記入射端面部側に位置する複数の逆方向の凸部を前記裏面部にランダムに形成したことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の平面照明装置。
- 前記順方向の凸部は、前記裏面部に対して傾斜し、かつ前記一辺を含む錐面と、前記裏面部に対してほぼ垂直であって前記一辺を含まない一対の錐面とからなる三角錐であることを特徴とする請求項9から請求項11の何れかに記載の平面照明装置。
- 前記逆方向の凸部は、前記裏面部に対して傾斜し、かつ前記一辺を含む錐面と、前記裏面部に対してほぼ垂直であって前記一辺を含まない一対の錐面とからなる三角錐であることを特徴とする請求項9から請求項12の何れかに記載の平面照明装置。
- 前記順方向の凸部が三角柱状をなすことを特徴とする請求項9から請求項13の何れかに記載の平面照明装置。
- 前記逆方向の凸部が三角柱状をなすことを特徴とする請求項9から請求項14の何れかに記載の平面照明装置。
- 前記順方向の凸部と前記逆方向の凸部とは、前記一辺を共有して一体的に形成されていることを特徴とする請求項11,請求項13および請求項15の何れかに記載の平面照明装置。
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