JP4003418B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車のヘッドランプに用いる高圧放電灯を負荷とする放電灯点灯装置が提供されている。この種の放電灯点灯装置は、例えば図11に示す構成を有する。
【0003】
図示する放電灯点灯装置は、バッテリのような電源電圧が変動する直流電源1と、直流電源1の電圧を高圧放電灯LPが点灯可能になる電圧まで昇圧するDC−DCコンバータ2と、DC−DCコンバータ2から出力される直流電圧を交番電圧に変換して高圧放電灯LPに印加するフルブリッジ形のインバータ回路からなる交流変換回路3と、高圧放電灯LPを始動させるためにDC−DCコンバータ2の出力電圧V2を昇圧した高電圧を発生する多段昇圧回路4と、高圧放電灯LPに消灯時に多段昇圧回路4の出力電圧V3をさらに昇圧した高電圧の始動パルスを発生するイグナイタ5と、DC−DCコンバータ2および交流変換回路3の動作を制御する制御回路8と、制御回路8から入力されたドライブ信号に基づいて交流変換回路3を構成する4個のスイッチング素子(図示せず)を駆動するドライブ回路7とを備える。ここに、高圧放電灯LPと交流変換回路3と多段昇圧回路4とイグナイタ5とが、DC−DCコンバータ2に対する負荷回路として機能する。
【0004】
直流電源1の両端間には、DC−DCコンバータ2を構成するトランスT1の1次巻線n1とMOSFETからなるスイッチング素子Q1との直列回路が接続される。トランスT1の2次巻線n2の両端間には、ダイオードD1と平滑用のコンデンサC1との直列回路が接続される。ダイオードD1はスイッチング素子Q1のオン時にトランスT1からコンデンサC1への充電電流を阻止する極性に接続される。つまり、スイッチング素子Q1のオン時にトランスT1に電磁エネルギを蓄積し、この電磁エネルギをスイッチング素子Q1のオフ時にトランスT1から放出し、ダイオードD1を通してコンデンサC1に充電電流を流すのである。したがって、ダイオードD1のカソードとコンデンサC1との接続点がコンデンサC1の低電位側になり、図示例ではコンデンサC1の高電位側をフレームグランド(回路グランド)に接続して基準電位としている。つまり、直流電源1の負極とDC−DCコンバータ2の出力の高電位側とが同電位になり、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2は基準電位に対して負極性になる。
【0005】
DC−DCコンバータ2の出力電圧V2は、充放電回路6を通して交流変換回路3に入力される。交流変換回路3は例えばMOSFETのような4個のスイッチング素子を備え、2個ずつのスイッチング素子の直列回路からなる2本のアームを並列接続した形でブリッジ接続されており、各アームにおける2個のスイッチング素子の接続点を出力端とし、出力端間にイグナイタ5を介して高圧放電灯LPを接続してある。4個のスイッチング素子のオン・オフは、一方のアームの高電位側のスイッチング素子のオン・オフと、他方のアームの低電位側のスイッチング素子のオン・オフとが一致するように制御回路8によって制御され、高圧放電灯LPに対して矩形波の交番電圧が印加されるようになっている。なお、交流変換回路3を構成するスイッチング素子のオン・オフは比較的低周波(例えば数十〜数百Hz)で行われる。
【0006】
多段昇圧回路4は所謂コッククロフト・ウォルトン回路により構成され、従来周知の回路構成を有しているのでその説明は省略する。そして、多段昇圧回路4では、DC−DCコンバータ2のスイッチング素子Q1のオン・オフに応じて昇圧動作を行い、出力電圧が段階的に昇圧するようになっている。
【0007】
充放電回路6は、コンデンサC1の両端間に、コンデンサC2とコンデンサC2の充電経路を構成する抵抗R1とを直列接続するとともに、抵抗R1と並列に放電経路を構成するダイオードD2を接続して構成される。したがって、平滑用のコンデンサC1から抵抗R1を通してコンデンサC2が充電される。充放電回路6は高圧放電灯LPの始動時に、DC−DCコンバータ2とともに高圧放電灯LPに電流を供給することによって、高圧放電灯LPを速やかに点灯させるものである。
【0008】
消灯状態の高圧放電灯LPを始動させるには、高圧放電灯LPに高電圧の始動パルスを印加して、絶縁破壊を起こさせる必要があるから、始動パルスを高圧放電灯LPに印加させるためのイグナイタ5が設けられている。イグナイタ5は従来周知の回路構成を有しており、多段昇圧回路4の出力端子間にコンデンサ及び抵抗の並列回路を接続し、このコンデンサの両端間にパルストランスの一次巻線とスパークギャップとを接続するとともに、パルストランスの二次巻線の両端間に高圧放電灯LPを接続して構成される。而して、多段昇圧回路4の出力電圧V3によりコンデンサが充電されて、コンデンサの両端電圧がスパークギャップのしきい値電圧に達すると、スパークギャップが導通してパルストランスの一次巻線に電流が流れる。そして、パルストランスの一次巻線に印加された電圧を昇圧した電圧が二次巻線に誘起されて、高電圧の始動パルスが高圧放電灯LPに印加され、高圧放電灯LPで絶縁破壊が発生し、高圧放電灯LPが始動する。尚、イグナイタ5は、高圧放電灯LPが点灯した後は、高電圧の始動パルスの発生を停止させるように構成されている。
【0009】
DC−DCコンバータ2を構成するスイッチング素子Q1のオン・オフは制御回路8が高周波(数十k〜数百kHz)で制御しており、制御回路8ではスイッチング素子Q1のオン・オフの周波数やデューティを変化させることによって、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2を制御し、高圧放電灯LPに供給する電力を制御している。制御回路8は、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2および出力電流を検出する検出部9と、指令値作成部10と、比較部11と、発振回路部12と、過電圧検出回路13とを備えている。
【0010】
検出部9は、コンデンサC1の両端電圧(すなわちDC−DCコンバータ2の出力電圧V2)に比例した電圧を発生するアンプA1と、コンデンサC1の一端と後段の回路との間に挿入したカレントトランス或いは検出抵抗からなる電流センサ20の出力(すなわちDC−DCコンバータ2の出力電流)に比例した電圧を発生するアンプA2と、アンプA1,A2の出力を所定の周期でサンプリングして、サンプリング期間が経過するまでの間その出力を保持するサンプルホールド回路SH1,SH2とを備え、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2および出力電流を検出する。なお、点灯状態において交流変換回路3が数百Hzの周期で交番しているため、交番のタイミングによってはDC−DCコンバータ2と負荷回路との間がオープン状態となるが、DC−DCコンバータ2は動作し続けるため、その出力電圧V2および出力電流が過渡的に変化する。したがって、検出部9では、出力電圧V2および出力電流の検出のタイミングを交流変換回路3のドライブ信号と同期させており、過渡的に変化する状態で出力電圧V2および出力電流を検出しないようになっている。
【0011】
指令値作成部10は、出力電力の指令値を作成する電力指令値演算部14と、電力指令値演算部14から入力された出力電力の指令値と検出部9から入力された出力電圧の検出値とから電流指令値を演算により求める電流指令値演算部15と、電流指令値演算部15から入力された電流指令値と検出部9から入力された出力電流の検出値とを比較することによりDC−DCコンバータ2の一次電流指令値を作成する誤差増幅部16とで構成される。
【0012】
比較部11は、スイッチング素子Q1と直列に接続されたカレントトランス或いは検出抵抗からなる電流センサ21の出力から求めた一次電流の検出値と、指令値作成部10から入力された一次電流指令値とを比較するコンパレータCP1により構成され、一次電流の検出値が一次電流指令値よりも大きくなるとリセット信号を出力する。
【0013】
発振回路部12は、スイッチング素子Q1をオンさせるタイミングを決定するための所定周波数のクロック信号を発生する周波数発生部17と、周波数発生部17のクロック信号がセット端子に入力されるとともに、コンパレータCP1の出力がリセット端子に入力されるセット・リセット・フリップフロップ(以下、SR−FFと言う。)18とで構成される。而して、SR−FF18の出力は、周波数発生部17からのクロック信号がセット端子に入力されるとセットされ、コンパレータCP1からのリセット信号がリセット端子に入力されるとリセットされるようになっており、SR−FF18の出力によってDC−DCコンバータ2のスイッチング素子Q1がオン・オフされる。
【0014】
また、検出部9の検出したDC−DCコンバータ2の出力電圧V2から高圧放電灯LPの点灯状態を判別する点灯判別回路19が設けられており、点灯判別回路19が、ランプ始動後にグロー放電からアーク放電に移行したことを検出すると、検出信号をドライブ回路7に出力してスイッチング素子の交番動作を開始させるとともに、検出信号を周波数発生部17に出力して、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数を変化させ、DC−DCコンバータ2の動作をランプ点灯時の動作に移行させる。
【0015】
また、過電圧検出回路13は、検出部9から入力された出力電圧の検出値と所定の基準電圧Vrefとの高低を比較するコンパレータCP2を有し、出力電圧が基準電圧Vrefを超えると、コンパレータCP2がSR−FF18のリセット端子にリセット信号を出力して、SR−FF18の出力をLレベルとし、スイッチング素子Q1をオフさせる。例えば電源を投入してDC−DCコンバータ2が動作を開始しても、高圧放電灯LPが消灯している場合には(無負荷状態)、DC−DCコンバータ2の出力が過昇圧となる場合があり、このような過昇圧を過電圧検出回路13が検出すると、スイッチング素子Q1をオフさせて、間欠発振動作を行わせており、DC−DCコンバータ2の二次側に過大な電圧が発生するのを防止することができる。
【0016】
また、この種の放電灯点灯装置としては、たとえば図12に示す構成を有するものも従来より提供されている。この放電灯点灯装置は、多段昇圧回路4を備えていない点以外は上述した放電灯点灯装置と略同様であるので、同一の構成要素には同一の符合を付して、その説明は省略する。
【0017】
ここで、充放電回路6の機能について説明する。DC−DCコンバータ2のコンデンサC1は、ダイオードD1を介してトランスT1の2次巻線n2の両端間に接続されており、その充電経路にはダイオードなどが接続されていないので、スイッチング素子Q1のスイッチング動作に同期して平滑動作を行うが、充放電回路6では、コンデンサC2と直列に抵抗R1やダイオードD2が接続されているので、コンデンサC2の充放電動作とスイッチング素子Q1のスイッチング動作とが完全に同期していない状態で動作する。
【0018】
本回路において負荷として例えばD2R型のHIDランプからなる高圧放電灯LPを用いる場合は、高圧放電灯LPを始動させる前の無負荷状態において高圧放電灯LPに対して360V以上の電圧を印加することが推奨されているため、DC−DCコンバータ2の出力電圧を360V以上とする必要がある。この時、充放電回路6ではコンデンサC2に電荷を蓄積しており、絶縁破壊が発生した直後に充放電回路6からインピーダンスが急激に低下した高圧放電灯LPに電力を供給し、高圧放電灯LPの点灯状態を維持するように動作する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上述した放電灯点灯装置の内、前者の放電灯点灯装置では、直流電源1の電源電圧EによってDC−DCコンバータ2から出力されるエネルギが変化するのであるが、直流電源1の電源電圧Eが低い状態と高い状態とでDC−DCコンバータ2のスイッチング条件(スイッチング周波数やオンデューティ)が同じであれば、電源電圧Eが低い場合にはDC−DCコンバータ2から出力されるエネルギが低くなって、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2が低下する。ここで、イグナイタ5の一次側には、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2を多段昇圧回路4により昇圧した電圧を供給しているため、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2が低下すると、多段昇圧回路4の出力電圧V3も低下する。したがって、ランプ始動時にイグナイタ5が高電圧の始動パルスを発生するまでの時間が長くなって、高圧放電灯LPの点灯開始が遅れるという問題があった。
【0020】
また、DC−DCコンバータ2では、スイッチング素子Q1のオン時にトランスT1に蓄積されたエネルギを、スイッチング素子Q1のオフ時にトランスT1の2次側に供給しているため、トランスT1から2次側に電流を吐き出す時間(すなわちスイッチング素子Q1のオフ期間)がある程度必要になる。したがって、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数を固定した場合は、スイッチング素子Q1のオンデューティに上限があり、特に電源電圧Eが低い場合にはオンデューティを大きくとれないために必要なエネルギが得られなくなって、DC−DCコンバータ2の立ち上がり時間が長くなり、その結果高圧放電灯LPの点灯開始が遅れるという問題があった。
【0021】
また、動作開始時においてDC−DCコンバータ2の出力電圧V2が、高圧放電灯LPを始動させるのに必要なDC−DCコンバータ2の電圧値(この電圧を第1の閾値電圧と言う。)に達した場合、DC−DCコンバータ2はこの閾値電圧を維持する動作を行うため、必要以上のエネルギを発生する必要はなくなる。しかしながら、多段昇圧回路4の出力電圧V3はさらに高い電圧まで昇圧させる必要があり、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数が低い場合は、コッククロフト・ウォルトン回路からなる多段昇圧回路4の昇圧動作が遅くなるため、多段昇圧回路4の出力電圧V3がスパークギャップのしきい値電圧に達するのに時間がかかるという問題があった。また、トリガ素子としてスパークギャップを用いる場合、そのしきい値電圧のばらつきが大きいため、イグナイタ5から高電圧の始動パルスが出力されるまでの時間を略一定にするには、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2や多段昇圧回路4の出力電圧V3の立ち上がり時間を略一定に保つことが望ましい。なお、多段昇圧回路4の出力電圧V3の立ち上がり時間を短くするには、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2を高くすることが必要であるが、高圧放電灯LPを点灯させるのに十分な電圧が得られた状態では、DC−DCコンバータ2のスイッチング素子Q1が反転する回数の多い方が(すなわちスイッチング周波数の高い方が)、多段昇圧回路4の出力電圧V3の立ち上がりが速くなる。
【0022】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、無負荷状態における出力電圧の立ち上がりを改善した放電灯点灯装置を提供するにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、直流電源と、直流電源の電源電圧をスイッチング素子でスイッチングすることによって、所望の電圧値の直流電圧に変換するDC−DCコンバータと、DC−DCコンバータの出力電圧を交番電圧に変換して高圧放電灯に供給する極性反転回路と、DC−DCコンバータのスイッチング素子のオン・オフに応じてDC−DCコンバータの出力電圧を段階的に昇圧した電圧を発生する多段昇圧回路と、多段昇圧回路から電源供給され始動時において高電圧の始動パルスを高圧放電灯に印加するイグナイタと、直流電源の電源電圧およびDC−DCコンバータの出力電圧と出力電流とに応じてDC−DCコンバータのスイッチング素子のオン・オフを制御する制御回路とを備え、高圧放電灯が消灯している無負荷状態において、DC−DCコンバータの出力電圧が高圧放電灯を始動させるのに必要な第1の閾値電圧まで昇圧する動作を加速させるように、制御回路は、前記電源電圧が一定レベルよりも低下した場合は高い場合に比べてスイッチング素子のスイッチング周波数を低い周波数とし、且つ、オンデューティを大きくすることを特徴とし、無負荷状態において、スイッチング素子のオン・オフを制御することによってDC−DCコンバータの出力電圧の立ち上がりを速めて、一定時間内に第1の閾値電圧まで昇圧させており、出力電圧の立ち上がり特性を改善することができる。
【0024】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、直流電源の電源電圧が変動する範囲内で、DC−DCコンバータの出力電圧が第1の閾値電圧まで昇圧するのに必要な時間が、直流電源の電源電圧が最も高い状態での時間と同じ時間になるように、制御回路がスイッチング素子のオン・オフを制御することを特徴とし、請求項1の発明と同様の作用を奏する。
【0025】
請求項3の発明では、請求項1の発明において、DC−DCコンバータの出力電圧が第1の閾値電圧を超えた時点、又は、第1の閾値電圧よりも低い第2の閾値電圧を超えた時点の内、何れかの時点よりも後に、制御回路がスイッチング素子のスイッチング周波数又はオンデューティの何れかを変化させることを特徴とし、請求項1の発明と同様の作用を奏する。
【0026】
請求項4の発明では、請求項1の発明において、DC−DCコンバータの出力電圧が第1の閾値電圧を超えた時点、又は、第1の閾値電圧よりも低い第2の閾値電圧を超えた時点の内、何れかの時点よりも後に、多段昇圧回路の出力電圧が所定時間内に高圧放電灯を始動可能な所定電圧まで昇圧するよう、制御回路がスイッチング素子のスイッチング周波数又はオンデューティの何れかを変化させることを特徴とし、DC−DCコンバータの出力電圧が第1の閾値電圧又は第2の閾値電圧まで立ち上がった段階で、スイッチング素子のスイッチング周波数又はオンデューティを変化させることによって、DC−DCコンバータの出力電圧の立ち上がりを速めるとともに、昇圧回路の出力電圧の立ち上がりを速めることができる。
【0027】
請求項5の発明では、請求項4の発明において、制御回路は、何れかの時点以降にスイッチング素子のスイッチング周波数を高くすることを特徴とし、DC−DCコンバータの出力電圧がある程度昇圧した状態で、スイッチング周波数を高めることによって、多段昇圧回路による昇圧動作を速めて、多段昇圧回路の出力電圧の立ち上がりを速めることができる。
【0028】
請求項6の発明では、請求項5の発明において、制御回路は、何れかの時点以降にスイッチング素子のスイッチング周波数を徐々に高くすることを特徴とし、スイッチング周波数を高くするとDC−DCコンバータのオン時間幅が短くなるから、DC−DCコンバータの出力電圧が低下するが、スイッチング周波数を徐々に高めているので、DC−DCコンバータの出力電圧が急激に低下するのを防止できる。
【0029】
請求項7の発明では、請求項4の発明において、直流電源の電源電圧が変動する範囲内で、多段昇圧回路の出力電圧が所定電圧まで昇圧するのに必要な時間が、直流電源の電源電圧が最も高い状態での時間と同じ時間になるように、制御回路がスイッチング素子のオン・オフを制御することを特徴とし、請求項4の発明と同様の作用を奏する。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0031】
(実施形態1)
本実施形態の放電灯点灯装置の回路図を図1に示す。本実施形態では、従来例で説明した図11に示す放電灯点灯装置において、直流電源1の電源電圧Eを検出する電源電圧検出回路22を設けており、電源電圧検出回路22により検出された直流電源1の電源電圧Eと、検出部9により検出されたDC−DCコンバータ2の出力電圧V2および出力電流とに基づいて、制御回路8がスイッチング素子Q1のスイッチング周波数やオンデューティを変化させている。尚、放電灯点灯装置の基本的な構成は、従来例で説明した図11に示す放電灯点灯装置と略同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0032】
電源電圧検出回路22は、直流電源1の両端間に接続された抵抗R4,R5の直列回路と、抵抗R4,R5の接続点にアノードが接続されたダイオードD5と、カソードがダイオードD5のカソードに接続されるとともにアノードが回路のグランドに接続されたツェナダイオードZD1とで構成され、直流電源1の電源電圧Eを抵抗R4,R5で分圧した電圧(すなわちダイオードD5とツェナダイオードZD1との接続点の電圧)が制御回路8の周波数発生部17に出力される。なお、ツェナダイオードZD1のツェナ電圧は、抵抗R5の両端電圧の最大値よりも高い電圧に設定されている。
【0033】
また、本実施形態ではDC−DCコンバータ2を、トランスT1と、直流電源1の両端間にトランスT1の1次巻線n1を介して接続されたMOSFETからなるスイッチング素子Q1と、トランスT1の2次巻線n2の一端と直流電源1の負極との間に接続されたダイオードD1と、2次巻線n2の他端と直流電源1の負極との間に接続されたインダクタL1および平滑コンデンサC1の直列回路と、トランスT1の1次巻線n1およびスイッチング素子Q1の接続点と2次巻線n2の他端との間に接続されたコンデンサC3とで構成している。このDC−DCコンバータ2では、スイッチング素子Q1のオン時に、直流電源1→トランスT1の1次巻線n1→スイッチング素子Q1→直流電源1の経路で電流が流れて、トランスT1にエネルギが蓄積される。次にスイッチング素子Q1がオフになると、トランスT1に蓄積されたエネルギにより、トランスT1の2次巻線n2→ダイオードD1→コンデンサC0→トランスT1の1次巻線n1→コンデンサC3→トランスT1の2次巻線n2の経路で電流が流れて、コンデンサC3にエネルギが蓄積される(昇圧動作)。その後、スイッチング素子Q1が再度オンになると、トランスT1にエネルギが蓄積されるととともに、コンデンサC3に蓄積されたエネルギにより、コンデンサC3→スイッチング素子Q1→コンデンサC1→インダクタL1→コンデンサC3の経路で電流が流れて、コンデンサC1にエネルギが移行する(降圧動作)。上記の動作を繰り返し行うことによって、コンデンサC1には負電位の直流電圧が生成される。
【0034】
また、充放電回路6は、平滑コンデンサC1の両端間にダイオードD3と抵抗R2とコンデンサC2とを直列に接続するとともに、ダイオードD3及び抵抗R2の直列回路の両端間にダイオードD4及び抵抗R3の直列回路を接続して構成される。ここにおいて、ダイオードD3は、平滑コンデンサC1から抵抗R2を介してコンデンサC2に充電電流を流す向きに接続され、ダイオードD4は、抵抗R3を介してコンデンサC2から放電電流を流す向きに接続されており、充電経路に設けた抵抗R2の抵抗値を放電経路に設けた抵抗R3の抵抗値よりも小さくしている。而して、充放電回路6の充電の時定数を、放電の時定数よりも短くでき、通常点灯時に交流変換回路3の交番動作によってDC−DCコンバータ2の出力に発生する過渡的なリップルノイズを充放電回路6のコンデンサC2で平滑することにより、リップルノイズによる制御回路8の誤動作を防止することができる。
【0035】
ここで、高圧放電灯LPの始動時における制御回路8の動作を説明する。上述のように電源電圧検出回路22は、直流電源1の電源電圧Eを抵抗R4,R5で分圧した電圧を周波数発生部17に出力しており、周波数発生部17では直流電源1の電源電圧Eに応じてクロック信号の周波数(つまりスイッチング素子Q1のスイッチング周波数f)を変化させている。
【0036】
図2(a)は直流電源1の電源電圧Eとスイッチング周波数fとの関係を、図2(b)は直流電源1の電源電圧EとDC−DCコンバータ2の出力電力との関係をそれぞれ示しており、同図中の破線はスイッチング周波数fを固定した場合の特性を、実線はスイッチング周波数fを変化させた本実施形態の場合の特性をそれぞれ示している。ここで、スイッチング周波数fを固定した場合、従来例で説明したようにスイッチング素子Q1のオンデューティに上限があるため、直流電源1の電源電圧Eが低下すると、DC−DCコンバータ2の出力電力も低下し、高圧放電灯LPの立ち上げに必要が電力を確保することができず、高圧放電灯LPの始動開始が遅くなっていた。それに対して、本実施形態では直流電源1の電源電圧Eに応じて周波数発生部17がスイッチング周波数fを変化させており、電源電圧Eが一定レベルE1よりも低下した場合は、スイッチング周波数fを低下させているので、スイッチング周期を長くすることによってオンデューティを大きくとることができ、DC−DCコンバータ2の出力電圧Eを一定時間内に高圧放電灯LPを始動させるのに必要な第1の閾値電圧まで昇圧させることができ、高圧放電灯LPの立ち上げに必要な電力P1を確保できる。また、多段昇圧回路4はDC−DCコンバータ2の出力電圧V2を昇圧しているので、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2の立ち上がりを速めることによって、多段昇圧回路4の出力電圧V3の立ち上がりも速めることができる。したがって、多段昇圧回路4の出力電圧V3を昇圧させるのに要する時間を短くでき、高圧放電灯LPの始動開始にかかる時間を短縮できる。
【0037】
ここで、直流電源1としてカーバッテリを用いる場合には負荷変動などによって電源電圧Eが変動することが考えられるが、制御回路8では、直流電源1の電源電圧Eが変動する範囲内で、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2が高圧放電灯LPを始動させるのに必要な第1の閾値電圧まで昇圧するのに必要な時間が、電源電圧Eが最も高い状態での時間と略同じ時間になるように、スイッチング素子Q1のオン・オフを制御しているので、高圧放電灯LPの点灯開始を略一定とすることができる。
【0038】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図3を参照して説明する。図3(a)は直流電源1の電源電圧EとDC−DCコンバータ2の出力電力Pとの関係を、図3(b)は電源電圧Eとスイッチング素子Q1のスイッチング周波数fとの関係を、図3(c)は電源電圧Eとスイッチング素子Q1のオンデューティDTとの関係をそれぞれ示しており、図中の破線はスイッチング周波数fを固定し、オンデューティDTのみを可変とした従来例の特性を、実線はスイッチング周波数fおよびオンデューティDTを共に可変とした本実施形態の特性をそれぞれ示す。尚、本実施形態の放電灯点灯装置の回路構成は実施形態1と同様であるので、図示及び説明は省略する。
【0039】
実施形態1で説明したDC−DCコンバータ2において、一定電力Pを得るためのスイッチング素子Q1のオン時間Tonは、以下の式(1)および式(2)から求めることができる。但し、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数をf、直流電源1の電源電圧をEとする。
【0040】
Ton∝(P/f)1/2 …(1)
Ton∝1/E …(2)
ここで、制御回路8では、電源電圧検出回路22から入力された電源電圧Eの検出結果に基づいて、スイッチング周波数fおよびオンデューティDTを決定しており、直流電源1の電源電圧Eが一定レベルE1よりも低下した場合は、図3(b)に示すようにスイッチング周波数fを低下させるとともに、図3(c)に示すようにオンデューティDTを大きくして、オン時間を長くしており、図3(a)に示すようにスイッチング周波数fを固定した場合に比べてDC−DCコンバータ2の出力電力Pを大きくすることができる。このように、ランプ始動時において直流電源1の電源電圧Eが低い場合には、スイッチング周波数fを低下させるとともに、オンデューティDTを大きくすることによって、出力電力Pを大きくして出力電圧V2の立ち上がりを速めているので、高圧放電灯LPの立ち上げに必要な電力を確保することができる。
【0041】
また、多段昇圧回路4ではDC−DCコンバータ2の出力電圧V2を昇圧しているので、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2の立ち上がりを速めることによって、多段昇圧回路4の出力電圧V3の立ち上がりも速めることができる。したがって、多段昇圧回路4の出力電圧V3を昇圧させるのに要する時間を短くでき、高圧放電灯LPの始動開始にかかる時間を短縮できる。
【0042】
尚、制御回路8では、直流電源1の電源電圧Eが変動する範囲内で、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2が高圧放電灯LPを始動させるのに必要な第1の閾値電圧まで昇圧するのに必要な時間が、電源電圧Eが最も高い状態での時間と略同じ時間になるように、スイッチング素子Q1のオン・オフを制御しているので、高圧放電灯LPの点灯開始を略一定とすることができる。
【0043】
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図4及び図5を参照して説明する。実施形態1では、過電圧検出回路13のコンパレータCP2が過電圧を判定する基準電圧Vrefを一定としているのに対して、本実施形態では、電源電圧検出回路22の検出結果に応じた基準電圧Vrefを発生する過電圧基準発生回路23を設けている。尚、過電圧基準発生回路23以外の構成は実施形態1と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0044】
図5(a)は直流電源1の電源電圧Eと基準電圧Vrefとの関係を示しており、図中の破線は基準電圧Vrefを一定とした場合の特性を、実線は基準電圧Vrefを電源電圧Eに応じて変化させた本実施形態の特性を示している。本実施形態では、電源電圧Eが一定レベルE1よりも高い場合は過電圧基準発生回路23が基準電圧Vrefを一定とし、電源電圧Eが一定レベルE1よりも低下した場合は、過電圧基準発生回路23が基準電圧をVref1まで徐々に増加させている。
【0045】
ここで、高圧放電灯LPの消灯時(無負荷状態)におけるDC−DCコンバータ2の出力は、直流電源1の電源電圧Eによって出力エネルギが変化するために、立ち上がり時間が異なってくるが、本実施形態ではランプ始動時において電源電圧Eが一定レベルE1よりも低い場合、過電圧検出の基準電圧Vrefを高くすることによって、過電圧検出回路23が過電圧を検出してDC−DCコンバータ2の動作が間欠発振動作となるのを防止しており、DC−DCコンバータ2に連続して発振動作を行わせることにより、DC−DCコンバータ2の出力電圧の立ち上がりを速めている。図5(b)はDC−DCコンバータ2の出力電圧V2の立ち上がりを示しており、図中の実線は電源電圧Eが一定レベルE1よりも低い場合の特性を、一点鎖線は電源電圧Eが一定レベルE1よりも高い場合の特性をそれぞれ示しており、電源電圧Eが一定レベルE1より低い場合は、出力電圧V2の上限値(すなわち過電圧の検出レベル)を大きくして出力電圧の立ち上がりを速めている。
【0046】
(実施形態4)
本発明の実施形態4を図6(a)〜(c)を参照して説明する。尚、本実施形態の放電灯点灯装置の回路構成は実施形態1と同様であるので、図示及び説明は省略する。
【0047】
図6(a)はDC−DCコンバータ2の出力電圧V2の時間変化を示す波形図、図6(b)はDC−DCコンバータ2の出力電圧V2と多段昇圧回路4の出力電圧V3との和の電圧の時間変化を示す波形図、図6(c)はDC−DCコンバータ2のスイッチング周波数fの時間変化を示す波形図である。ここで、同図中の破線は実施形態1の放電灯点灯装置の動作を示し、実線は本実施形態の放電灯点灯装置の動作を示している。
【0048】
実施形態1では、ランプ始動時において直流電源1の電源電圧Eが一定レベルよりも低い場合、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2が第1の閾値電圧Vth1に達するまでの間、スイッチング周波数fを低下させるとともに、オンデューティDTを大きくすることによって、出力電圧V2の立ち上がりを速めており、出力電圧V2の立ち上がりを速めることによって多段昇圧回路4の出力電圧V3の立ち上がりを速くしている。ところで、図7は多段昇圧回路4の出力電圧V3とDC−DCコンバータ2のスイッチング周波数fとの関係を示しており、コッククロフト・ウォルトン回路からなる多段昇圧回路4はスイッチング素子Q1のオン・オフに応じて昇圧動作を行っているので、スイッチング周波数fが高いほど昇圧動作が速やかに行われ、出力電圧V3が高くなる傾向を有している。したがって、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2の立ち上がりを速めるためにスイッチング周波数fを低くした場合は多段昇圧回路4の昇圧動作が遅くなるため、本実施形態ではDC−DCコンバータ2の出力電圧V2がある程度昇圧した時点で、すなわち出力電圧V2が上記第1の閾値電圧Vth1よりも低い第2の閾値電圧Vth2に達した時点で、スイッチング周波数fをf1からf2に段階的に切り替えており(f1<f2)、スイッチング周波数fを高くすることによって多段昇圧回路4による昇圧動作を速め、その出力電圧V3の立ち上がりを速めている。
【0049】
このように、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2が第1の閾値電圧Vth1に達する時刻t2よりも前の時刻t1でスイッチング周波数fを高くしているので、多段昇圧回路4の出力電圧V3が高圧放電灯LPを始動させるのに必要な電圧V3a〜V3bに達する時刻を、t5からt4、t7からt6にそれぞれ短縮することができ、多段昇圧回路4の出力電圧V3の立ち上がりを速めることによって、イグナイタ5が高電圧の始動パルスを発生するまでの時間を短縮し、高圧放電灯LPの始動開始を早めることができる。
【0050】
ところで、本実施形態ではDC−DCコンバータ2の出力電圧V2が第2の閾値電圧Vth2に達した時刻t1において、スイッチング周波数fをf1からf2に段階的に切り替えているため、この時点でDC−DCコンバータ2の出力電力が急激に低下するが、図8(c)に示すように時刻t1よりも後の時刻t2においてスイッチング周波数fを徐々に高めるようにしても良い。ここで、図8(a)はDC−DCコンバータ2の出力電圧V2の時間変化を示す波形図、図8(b)はDC−DCコンバータ2の出力電圧V2と多段昇圧回路4の出力電圧V3との和の電圧の時間変化を示す波形図、図8(c)はDC−DCコンバータ2のスイッチング周波数fの時間変化を示す波形図、図8(d)はDC−DCコンバータ2の出力電力の時間変化を示す波形図である。尚、同図中の破線は実施形態1の放電灯点灯装置の動作を示し、実線は本実施形態の放電灯点灯装置の動作を示している。
【0051】
このように、ランプ始動時において直流電源1の電源電圧Eが低い場合には、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2が第2の閾値電圧Vth2に達するまでの間、DC−DCコンバータ2のスイッチング周波数fを低い値f1に設定して、出力電圧V2の立ち上がりを速めるとともに、出力電圧V2が第2の閾値電圧Vth2に達した時刻t1以降はスイッチング周波数fをf1から徐々に高くしているので、スイッチング周波数fを段階的に大きくした場合のように出力電力が急激に低下することはなく、出力電力V2の立ち上がりが緩やかになることはなく、多段昇圧回路4の出力電圧V3をV3a又はV3bまで速やかに昇圧させることができる。
【0052】
ここで、制御回路8では、直流電源1の電源電圧Eが変動する範囲内で、多段昇圧回路4の出力電圧が所定電圧(V3a〜V3b)まで昇圧するのに必要な時間が、電源電圧Eが最も高い状態での時間と略同じ時間(所定時間)となるように、スイッチング素子Q1のオン・オフを制御しているので、高電圧の始動パルスが発生するまでの時間を略一定にして、高圧放電灯LPの点灯開始を略一定とすることができる。
【0053】
尚、本実施形態ではDC−DCコンバータ2の出力電圧V2が第2の閾値電圧Vth2を超えた時点以降に、DC−DCコンバータ2のスイッチング周波数fを変化させて、多段昇圧回路4の出力電圧の立ち上がりを速めているが、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2が第1の閾値電圧Vth1を超えた時点以降に、DC−DCコンバータ2のスイッチング周波数fを変化させて、多段昇圧回路4の出力電圧の立ち上がりを速めるようにしても良いし、またスイッチング素子Q1のオンデューティを変化させることによって、DC−DCコンバータ2の出力電圧V2の立ち上がりを速くし、それによって多段昇圧回路4の出力電圧V3の立ち上がりを速めるようにしても良い。
【0054】
(参考例)
本発明の参考例を図9及び図10を参照して説明する。従来例で説明した図11に示す放電灯点灯装置では、平滑コンデンサC1の両端間に抵抗R1及びコンデンサC2の直列回路を接続するとともに、抵抗R1と並列にダイオードD2を接続して充放電回路6を構成しており、ダイオードD2の向きをコンデンサC2から放電電流が流れる向きに接続しているのに対して、本参考例では図9に示すようにダイオードD2の向きをコンデンサC2に充電電流を流す向きに接続してある。また、本参考例ではDC−DCコンバータ2の出力電圧を昇圧する多段昇圧回路4を無くしている。尚、充放電回路6および多段昇圧回路4以外の構成は従来例で説明した図11に示す放電灯点灯装置と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0055】
また、図10(a)は交流変換回路3の出力波形を、図10(b)はDC−DCコンバータ2の出力波形をそれぞれ示し、図10(b)中のイは本参考例の放電灯点灯装置の波形図、同図中のロは従来の放電灯点灯装置の波形図をそれぞれ示している。
【0056】
上述のように、本参考例では充放電回路6の充電経路(すなわちコンデンサC2の充電経路)に逆流防止用のダイオードD2のみを設けており、実施形態1と同様、放電経路に設けた抵抗R1のインピーダンスよりも充電経路のインピーダンスを小さくすることによって、充放電回路6の充電の時定数を、放電の時定数よりも短くでき、通常点灯時に交流変換回路3の交番動作によってDC−DCコンバータ2の出力に発生する過渡的なリップルノイズを充放電回路6のコンデンサC2で確実に平滑することにより、従来例の放電灯点灯装置に比べてリップルノイズを低減でき、リップルノイズによる制御回路8の誤動作を防止することができる。
【0057】
【発明の効果】
上述のように、請求項1の発明は、直流電源と、直流電源の電源電圧をスイッチング素子でスイッチングすることによって、所望の電圧値の直流電圧に変換するDC−DCコンバータと、DC−DCコンバータの出力電圧を交番電圧に変換して高圧放電灯に供給する極性反転回路と、DC−DCコンバータのスイッチング素子のオン・オフに応じてDC−DCコンバータの出力電圧を段階的に昇圧した電圧を発生する多段昇圧回路と、多段昇圧回路から電源供給され始動時において高電圧の始動パルスを高圧放電灯に印加するイグナイタと、直流電源の電源電圧およびDC−DCコンバータの出力電圧と出力電流とに応じてDC−DCコンバータのスイッチング素子のオン・オフを制御する制御回路とを備え、高圧放電灯が消灯している無負荷状態において、DC−DCコンバータの出力電圧が高圧放電灯を始動させるのに必要な第1の閾値電圧まで昇圧する動作を加速させるように、前記制御回路は、前記電源電圧が一定レベルよりも低下した場合は高い場合に比べてスイッチング素子のスイッチング周波数を低い周波数とし、且つ、オンデューティを大きくすることを特徴とし、無負荷状態において、スイッチング素子のオン・オフを制御することによってDC−DCコンバータの出力電圧の立ち上がりを速めて、一定時間内に第1の閾値電圧まで昇圧させており、出力電圧の立ち上がり特性を改善することができるという効果がある。
【0058】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、直流電源の電源電圧が変動する範囲内で、DC−DCコンバータの出力電圧が第1の閾値電圧まで昇圧するのに必要な時間が、直流電源の電源電圧が最も高い状態での時間と同じ時間になるように、制御回路がスイッチング素子のオン・オフを制御することを特徴とし、請求項1の発明と同様の効果を奏する。
【0059】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、DC−DCコンバータの出力電圧が第1の閾値電圧を超えた時点、又は、第1の閾値電圧よりも低い第2の閾値電圧を超えた時点の内、何れかの時点よりも後に、制御回路がスイッチング素子のスイッチング周波数又はオンデューティの何れかを変化させることを特徴とし、請求項1の発明と同様の効果を奏する。
【0060】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、DC−DCコンバータの出力電圧が第1の閾値電圧を超えた時点、又は、第1の閾値電圧よりも低い第2の閾値電圧を超えた時点の内、何れかの時点よりも後に、多段昇圧回路の出力電圧が所定時間内に高圧放電灯を始動可能な所定電圧まで昇圧するよう、制御回路がスイッチング素子のスイッチング周波数又はオンデューティの何れかを変化させることを特徴とし、DC−DCコンバータの出力電圧が第1の閾値電圧又は第2の閾値電圧まで立ち上がった段階で、スイッチング素子のスイッチング周波数又はオンデューティを変化させることによって、DC−DCコンバータの出力電圧の立ち上がりを速めるとともに、昇圧回路の出力電圧の立ち上がりを速めることができるという効果がある。
【0061】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、制御回路は、何れかの時点以降にスイッチング素子のスイッチング周波数を高くすることを特徴とし、DC−DCコンバータの出力電圧がある程度昇圧した状態で、スイッチング周波数を高めることによって、多段昇圧回路による昇圧動作を速めて、多段昇圧回路の出力電圧の立ち上がりを速めることができるという効果がある。
【0062】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、制御回路は、何れかの時点以降にスイッチング素子のスイッチング周波数を徐々に高くすることを特徴とし、スイッチング周波数を高くするとDC−DCコンバータのオン時間幅が短くなるから、DC−DCコンバータの出力電圧が低下するが、スイッチング周波数を徐々に高めているので、DC−DCコンバータの出力電圧が急激に低下するのを防止できるという効果がある。
【0063】
請求項7の発明は、請求項4の発明において、直流電源の電源電圧が変動する範囲内で、多段昇圧回路の出力電圧が所定電圧まで昇圧するのに必要な時間が、直流電源の電源電圧が最も高い状態での時間と同じ時間になるように、制御回路がスイッチング素子のオン・オフを制御することを特徴とし、請求項4の発明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1の放電灯点灯装置の回路ブロック図である。
【図2】(a)(b)は同上の動作を説明する説明図である。
【図3】(a)〜(c)は実施形態2の放電灯点灯装置の動作を説明する説明図である。
【図4】 実施形態3の放電灯点灯装置の回路ブロック図である。
【図5】(a)(b)は同上の動作を説明する説明図である。
【図6】(a)〜(c)は実施形態4の放電灯点灯装置の動作を説明する説明図である。
【図7】 同上を構成する多段昇圧回路の出力電圧とDC−DCコンバータのスイッチング周波数との関係を示す図である。
【図8】(a)〜(d)は同上の別の放電灯点灯装置の動作を説明する説明図である。
【図9】 参考例の放電灯点灯装置の回路ブロック図である。
【図10】(a)(b)は同上の動作を説明する説明図である。
【図11】 従来の放電灯点灯装置の回路ブロック図である。
【図12】 従来のまた別の放電灯点灯装置の回路ブロック図である。
【符号の説明】
1 直流電源
2 DC−DCコンバータ
3 交流変換回路
4 多段昇圧回路
5 イグナイタ
8 制御回路
E 電源電圧
LP 高圧放電灯
Q1 スイッチング素子
V2 出力電圧
Claims (7)
- 直流電源と、直流電源の電源電圧をスイッチング素子でスイッチングすることによって、所望の電圧値の直流電圧に変換するDC−DCコンバータと、DC−DCコンバータの出力電圧を交番電圧に変換して高圧放電灯に供給する極性反転回路と、DC−DCコンバータのスイッチング素子のオン・オフに応じてDC−DCコンバータの出力電圧を段階的に昇圧した電圧を発生する多段昇圧回路と、多段昇圧回路から電源供給され始動時において高電圧の始動パルスを高圧放電灯に印加するイグナイタと、直流電源の電源電圧およびDC−DCコンバータの出力電圧と出力電流とに応じてDC−DCコンバータのスイッチング素子のオン・オフを制御する制御回路とを備え、高圧放電灯が消灯している無負荷状態において、DC−DCコンバータの出力電圧が高圧放電灯を始動させるのに必要な第1の閾値電圧まで昇圧する動作を加速させるように、前記制御回路は、前記電源電圧が一定レベルよりも低下した場合は高い場合に比べてスイッチング素子のスイッチング周波数を低い周波数とし、且つ、オンデューティを大きくすることを特徴とする放電灯点灯装置。
- 直流電源の電源電圧が変動する範囲内で、DC−DCコンバータの出力電圧が第1の閾値電圧まで昇圧するのに必要な時間が、直流電源の電源電圧が最も高い状態での時間と同じ時間になるように、制御回路がスイッチング素子のオン・オフを制御することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- DC−DCコンバータの出力電圧が第1の閾値電圧を超えた時点、又は、第1の閾値電圧よりも低い第2の閾値電圧を超えた時点の内、何れかの時点よりも後に、制御回路がスイッチング素子のスイッチング周波数又はオンデューティの何れかを変化させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- DC−DCコンバータの出力電圧が第1の閾値電圧を超えた時点、又は、第1の閾値電圧よりも低い第2の閾値電圧を超えた時点の内、何れかの時点よりも後に、多段昇圧回路の出力電圧が所定時間内に高圧放電灯を始動可能な所定電圧まで昇圧するよう、制御回路がスイッチング素子のスイッチング周波数又はオンデューティの何れかを変化させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 制御回路は、前記何れかの時点以降にスイッチング素子のスイッチング周波数を高くすることを特徴とする請求項4記載の放電灯点灯装置。
- 制御回路は、前記何れかの時点以降にスイッチング素子のスイッチング周波数を徐々に高くすることを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 直流電源の電源電圧が変動する範囲内で、多段昇圧回路の出力電圧が所定電圧まで昇圧するのに必要な時間が、直流電源の電源電圧が最も高い状態での時間と同じ時間になるように、制御回路がスイッチング素子のオン・オフを制御することを特徴とする請求項4記載の放電灯点灯装置。
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