JP4003076B2 - シリンダヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に設けられるシリンダヘッドに係り、特に冷却性能を向上させるための改良に関する。
内燃機関のシリンダヘッドには運転に伴って発生した高熱を逃がすため、その内部に冷却水を流通させて発生した熱を奪うためのウォータージャケットが形成されている。シリンダヘッド内でも特に点火プラグや排気弁に近いロアデッキ側を冷却する必要がある。
このため、冷却水の流れを制御可能なウォータージャケットの構造が考えられている。このようなウォータージャケットを備えた従来のシリンダヘッドとして、例えば特開平7−42612号公報には、シリンダヘッドのアッパデッキからウォータージャケットの内部に凸状に隆起し動弁室側では凹状に窪むエンボスを形成し、また当該ウォータージャケットには冷却水の上流方向に向けて冷却水を側方流路と中央流路との分離させるガイドリブをその突出長さを変えて複数設けた構造が開示されている(特許文献1、請求項1、4等)。この構造によれば、動弁室を流れる潤滑油が凹状に窪むエンボス部に流れ込み冷却水によって放熱する。また、ガイドリブによって、ウォータージャケットの側面部と中央部との間に生じる冷却水流量の偏りが是正されていた。
同様の技術として、ウォータージャケット内に冷却水案内リブを設け、吸気ポートと排気ポートとの間に冷却水を案内する構造が、実開平7―4853号公報にも開示されている(特許文献2)。
特開平7−42612号公報(請求項1、4) 実開平7―4853号公報
しかしながら、上記従来技術に開示されているガイドリブでは、ウォータージャケットの中央部に冷却水が偏って導かれ、狭い流路に冷却水が集中して通路抵抗が増大し、圧力損失が増大することによって冷却水の流量が減ってしまう可能性があった。また、通路抵抗の増加は冷却水を循環させるウォーターポンプに過大な負荷を与え内燃機関全体の効率を落とす原因にもなっていた。さらに、冷却水がウォータージャケットの中央部に集中するため排気ポートを流れる冷却水が減少し、排気ポート周辺部材の冷却が不十分になって熱害を生じる可能性があった。
またエンボス部は上側の動弁部に流れる潤滑油の冷却のために設けられており、流量の偏りを是正することはできなかった。このため、排気弁や点火プラグ等の高温発生源であるロアデッキ、すなわちウォータージャケット下面の冷却が不十分となっていた。
そこで、本発明は、通路抵抗を増加させることなく高い冷却性能を備えるシリンダヘッドを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、上面壁および下面壁を備え両壁間の空間がウォータージャケットを構成しているシリンダヘッドであって、下面壁には、当該ウォータージャケット中を流れる冷却媒体が流入する流入口が当該冷却媒体の当該ウォータージャケット内流通方向の上流側に設けられ、上面壁には、冷却媒体の流通方向に対向し下面壁側に向けて垂下突出する所定高さを有する低リブと、当該低リブから冷却媒体の流通方向下流側に一定距離隔てて設けられ、冷却媒体の流通方向に対向し下面壁側に向けて垂下突出する所定高さより高い高リブと、を備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、流入口から流入した冷却媒体の多くは上面壁に衝突した後、上面壁に沿って進むが、低リブが垂下突出しているのでゆるやかにその流路方向が変えられた後、さらに高リブによって冷却水の流路方向が変えられるので、急激な流路方向無く、スムースに冷却水を流すことができる。このため圧損を大幅に上昇させることなく、流速を向上させることができる。そして下面壁に集中した冷却媒体の流量増大によって、内燃機関の高熱部から効率よく熱を奪うことが可能である。
ここで「冷却媒体」はシリンダヘッドにおいて発生する熱を奪うことが可能な媒体で、水やアルコール等の希釈溶液等が含まれる。
ここで高リブは、低リブによって下面壁側に流通方向が変化した冷却媒体の流通方向をさらに下面壁側に向けさせるように、その高さと低リブからの距離が設定されている。このような構造によれば、低リブで若干下面壁側に変化した冷却媒体の流路方向をさらにそこから流路変更するので、一つのリブにおける流路変更を些少にすることができるため、通路抵抗の増大を抑え、スムース、かつ、均質な冷却媒体の流れによって、効率のよい放熱ができる。
また本発明は、上面壁および下面壁を備え両壁間の空間がウォータージャケットを構成しているシリンダヘッドであって、下面壁には、当該ウォータージャケット中を流れる冷却媒体が流入する流入口が当該冷却媒体の当該ウォータージャケット内流通方向上流側に設けられ、上面壁には、冷却媒体の流通方向に対向する壁面を有し下面壁側に向けて突出する所定高さを有する台座と、当該台座上において壁面から冷却媒体の流通方向下流側に一定距離隔てて下面壁側に向けてさらに垂下突出するリブと、を備えていることを特徴とする。ここで、上記リブは記台座の壁面によって下面壁側に流通方向が変化した冷却媒体の流通方向をさらに下面壁側に向けさせるように、その高さと前記壁面からの距離が設定されていることは好ましい。
上記構成によれば、流入口から流入し上面壁に衝突した冷却媒体は、上面壁に沿って進んでから、まず台座の壁面に当たってゆるやかにその流路方向が変えられた後、台座上を進み、その上に垂下突出しているリブによってさらに流路方向が変えられるので、急激な流路方向無く、スムースに冷却水を流すことができる。このため圧損を大幅に上昇させることなく、流速を向上させることができる。そして下面壁に集中した冷却媒体の流量増大によって、内燃機関の高熱部から効率よく熱を奪うことが可能である。
なお、本発明において、上面壁には、流入口から流入する冷却媒体が最初に当たる衝突位置の下流側に、衝突位置において方向を変えた当該冷却媒体の流通方向を下面壁側に向けさせるリブがさらに設けられていることは好ましい。この構成によれば、冷却媒体が下面壁側から流入した場合に上面壁に衝突し上面壁に沿って進もうとするところリブが垂下突出しているので、まずこのリブによって下面壁側に冷却媒体の流路方向が是正されるので、上流側から下面壁側の流量を大きくすることができ、冷却性能をさらに上げることができる。
以上本発明によれば、従来技術のようなガイドリブを設けず、低リブ(台座壁面)によってやや下面壁側に流通方向が変えられた冷却水を高リブ(リブ)によってさらに強く下面壁に案内しながら冷却水が流通するので、通路抵抗を上げずに高い冷却性能を担保することが可能である。この冷却性能の向上により、結果的に内燃機関においてはノッキングの低減、熱応力の低減、熱による材料強度の低下の防止を図ることができ、内燃機関の耐久性を向上させることができる。
次に本発明を実施するための好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1は、上面壁に高さの異なる低リブと高リブとを設けたシリンダヘッドに関する。図1(a)に、実施形態1に係るシリンダヘッドの側面断面模式図、図1(b)にウォータージャケット上面平面図を示す。図1(a)は図1(b)における平面図の変形断面でシリンダヘッドを切断した場合の側面構造の模式図である。
本実施形態1のシリンダヘッド1は、大きくアッパデッキ10とロアデッキ11とで構成されており、これらのデッキで囲まれた領域がウォータージャケット2を構成している。アッパデッキ10は、当該ウォータージャケット2の上面壁を構成しており、内燃機関の各気筒に必要となる排気弁開口104、点火プラグ開口103、吸気ポート14が開口している。アッパデッキ10の上部には図示しないが、吸気弁および排気弁を開閉動作させるためのカムシャフト、ロッカアーム等が収容されるヘッドカバーが設けられる。ロアデッキ11は、当該ウォータージャケット2の下面壁を構成しており、その上流側に冷却水の流入口13を備えている。ロアデッキ11にも、アッパデッキ10の各構造、排気弁開口102、点火プラグ開口103、吸気ポート14に対応する開口部が設けられている(図4c参照)。ロアデッキ11の下部には図示しないが、各気筒の燃焼室が設けられており、内燃機関動作について高熱負荷がかかる面となっている。
なお当該シリンダヘッド1には、図示しないウォーターポンプによって加圧循環する冷却水が供給されて、ロアデッキ11側の流入口13からウォータージャケット2内部に流入するように構成されている。
さらに本発明に係る構造として、アッパデッキ10のウォータージャケット上面側には、ロアデッキ11側に向けて垂下突出する所定高さを有する低リブ102と、低リブ102から冷却媒体の流通方向下流側に一定距離隔てて設けられ、ロアデッキ11側に向けて垂下突出する低リブ102より高い高リブ101と、が設けられている。
低リブ102を設ける位置は、流速分布から、理想的には排気ポート12や下面壁11寄りに流れるべき冷却水が比較的アッパデッキ10寄りに流れているような位置、例えば排気ポート12の上方とする。充分冷却水の方向をロアデッキ11側に変えられるように、複数箇所に連続して低リブ102を設けてもよい。低リブ102の高さは、当該リブが障壁として通路抵抗を上昇させない程度、すなわち緩やかに冷却水の流路方向を変更可能な程度とする。
高リブ101の位置と高さは低リブ102の位置と高さとの関連で定まる。すなわち、高リブ101の位置は、低リブ102に近すぎて、結局高リブ101の障壁としての高さが大きく作用して冷却水の流路方向を急激に変化させ、通路抵抗を上げてしまわない程度の距離を離す。また、低リブ102から離れすぎて、折角緩やかに流路方向が変化した冷却水が再びアッパデッキ10側に移動してしまわない程度に近くする。
高リブ101の高さは、低リブ102で方向が少し変えられた冷却水に対してもさらに障壁として作用して冷却水の流路方向を急激に変化させ、通路抵抗を上げてしまわない程度の高さとし、また冷却水の流路方向をさらに変えるに足りる程度の高さとする。
また、本実施形態では、流入口13から流入する冷却水が最初に当たる衝突位置Pの下流側に、衝突位置Pにおいて方向を変えた冷却水の流通方向をロアデッキ11側に向けされる前方リブ100がさらに設けられている。前方リブ100の高さは、冷却水の流路方向を急激に変化させ、通路抵抗を上げてしまわない程度の高さとする。図1に示すように、排気ポート12のようにウォータージャケットの流路を大きく塞ぐ構造がない上流側に設けるのであれば、低リブ102等より大分高くても通路抵抗をそれほど増やすことなく流路の変更が可能である。
なお、冷却水の流路方向は、これらリブの他に、各種開口の位置や大きさによっても複雑に変化するため、理想的には流速分布や熱伝導係数のシミュレーションをして流速が大きく冷却効果の高い位置と高さを選ぶことが好ましい。
図2を参照して上記構造における作用を説明する。図示しないウォーターポンプによって加圧された冷却水は、ロアデッキ11側の流入口13からウォータージャケット2内部に流入する。この冷却水の流束Fはまずアッパデッキ10に衝突位置P付近でぶつかる。この流束Fはアッパデッキ10のウォータージャケット上面に沿って進むが、ここに前方リブ100が垂下突出しているため流路方向がロアデッキ11寄りに変更される。気筒列の上方に冷却水が流れると、排気ポート12等の開口があるため、その構造にしたがって冷却水の流束Fは上方流f1と下方流f2とに分流される。下方流f2はそのままロアデッキ11の冷却に貢献するが、上方流f1は燃焼室周りの冷却への貢献が少ない。
ここで上方流f1は流路断面積が狭くなっている排気ポート12の上方において低リブ102に当たる。低リブ102は急激に冷却水の流路方向を変えない程度の高さに設定されているので、流速を落とすことなく緩やかにその流路方向をロアデッキ11側に変更する。流路方向が緩やかに変更された流束f3は次いで高リブ101に当たる。高リブ101はこの流路方向が緩やかに変更された流束f3の冷却水の流路方向を急激に変えない程度の高さに設定されているので、今回も流速を落とすことなくさらに緩やかに冷却水の流路方向をロアデッキ11側に変更し、流束f4として、ロアデッキ11に到達して燃焼室周りの高熱負荷の緩和に貢献する。気筒毎に流束の分流が生じ、最初の気筒と同じ作用が連続してロアデッキ11や排気ポート12が効果的に冷却される。
上記実施形態1の構成によれば、流入口13から流入した冷却水のうちアッパデッキ10のウォータージャケット上面に沿って進んだ流束f1は、低リブ102が垂下突出しているのでゆるやかにその流路方向が変えられた後(f3)、さらに高リブ101によって冷却水の流路方向が変更されるので(f4)、急激な流路方向無く、スムースに冷却水を流すことができる。このため圧損を大幅に上昇させることなく、冷却水の流速を向上させることができる。そしてロアデッキ11に集中した冷却水の流量増大によって、内燃機関の燃焼室の高熱を効率よく奪うことが可能である。
また上記実施形態1の構成によれば、冷却水がロアデッキ11側から流入した場合にアッパデッキ10に衝突しウォータージャケット上面に沿って進もうとするところ前方リブ100が垂下突出しているので、まずこのリブによってロアデッキ11側に冷却水の流路方向が是正される。このため、上流側からロアデッキ11側の流量を大きくすることができ、冷却性能をさらに上げることができる。
低リブ、高リブ、前方リブを共に有する本発明の実施例をシミュレーションにより設計した。図3は、実施例のアッパデッキ(ウォータージャケット上面)の一部拡大斜視図である。図3に示すように、当該アッパデッキは図示しないロアデッキと斜線部分において接合されることによって内部の空洞がウォータージャケットを形成する。ここで、排気ポート12の下側には、本発明に係る低リブ102が垂下突出(図3はアッパデッキ側を見ているので上下関係は逆)している。またその低リブ102から所定距離離れて、低リブ102よりも若干高い高リブ101が垂下突出している。なお、図3には前方リブ100は図示されていない。
このように設計した実施例のシリンダヘッドの性能を比較検討するために、低リブ102を省略し前方リブ100および高リブ101を設けたシリンダヘッドを比較例として、さらにリブ一つのみ(高リブ101のみ)を設けたシリンダヘッドを従来例として設計した。
図4a、b、cは、実施例のウォータージャケット断面、ウォータージャケット上面近傍、およびウォータージャケット下面近傍における流速分布をシミュレーションした図である。図5a、b、cおよび図6a、b、cは、比較例および従来例のそれぞれについて、実施例と同様に、ウォータージャケット断面、ウォータージャケット上面近傍、およびウォータージャケット下面近傍における流速分布をシミュレーションした図である。
図4aの実施例断面流束分布と図5aの比較例断面流束分布とを比べると判るように、低リブ102が高リブ101の前に存在することにより、大きな流速のまま冷却水がロアデッキ11側に流路変更されている様子が分かる。特に図5aの比較例では高リブ101にいきなり上面に沿って流れていた冷却水がぶつかることにより流れが乱され大きく流速を減じているところ、図4aの実施例では低リブがあるため流れがスムースに変化し、流速が大きいままである。
また、図6aの前方リブ100の無い従来例と図4a、図5aの前方リブ100の存在する実施例・比較例とを比べると判るように、前方リブ100によって上流側のロアデッキ11側の流速に大きな違いがあることが判る。
さらに、図4c、図5c、図6cを比べると判るように、実施例のロアデッキ11側の流速が他の比較例や従来例に比べて大きく改善され、広範に均等に冷却水が流れていることが判る。
図7aおよびbに、実施例のウォータージャケット上面および下面における熱伝達係数分布のミュレーション図を示す。同様に、図8aおよびb、図9aおよびbに、上記比較例および従来例についてのウォータージャケット上面および下面における熱伝達係数分布のミュレーション図を示す。
図7bの実施例熱伝導係数分布および図8bの比較例熱伝導係数分布を比べると判るように、低リブ102が存在することにより、特に破線領域C2およびC3において、大きく熱伝導係数が改善され冷却性能が向上したことがわかる。
また、図9bの前方リブ100の無い従来例の熱伝導係数分布と図7b、図8bの前方リブ100の存在する実施例・比較例の熱伝導係数分布とを比べると判るように、特に破線領域C1において、前方リブ100によって上流側のロアデッキ11側における熱伝導係数が改善され冷却性能が向上したことがわかる。
、実施例、比較例、従来例のそれぞれについて、通路抵抗の影響を調べるため、圧力損失について測定し、以下の結果を得た。
実施例 27.4[kPa]
比較例 28.0[kPa]
従来例 26.2[kPa]
上記比較から、確かにリブの少ない従来例に比べれば、リブの数が多い実施例や比較例の圧力損失は若干は上がっている。しかし実施例と比較例とを比べると、低リブの存在が圧力損失を減らしていることが示される。これは、低リブの存在により流速方向の変化がゆるやかになってリブが障壁として通路抵抗を上げていないことを意味している。
(実施形態2)
本発明の実施形態2は、上面壁に台座とその上に突出するリブとを設けたシリンダヘッドに関する。図10に、実施形態2に係るシリンダヘッドの側面断面模式図を示す。当該実施形態のシリンダヘッド1bは基本的に実施形態1と同様の構成を備えるが、低リブ102の代わりに所定の高さに隆起する台座106上にリブ101が設けられている点で、実施形態1と異なる。その他の構成は実施形態1と同様である。
当該実施形態2において、アッパデッキ10のウォータージャケット上面側には、ロアデッキ11側に向けて垂下突出する台座106が設けられており、台座106の前方壁面107(上流側の壁面)から冷却水の流通方向下流側に一定距離隔てて設けられ、ロアデッキ11側に向けて垂下突出する所定高さのリブ101が設けられている。
台座106の位置や高さ、大きさであるが、台座106の前方壁面107の位置は、流速分布から、理想的には排気ポート12や下面壁11寄りに流れるべき冷却水が比較的アッパデッキ10寄りに流れているような位置、例えば排気ポート12の上方とする。台座106の高さは、当該前方壁面107が障壁として通路抵抗を上昇させない程度、すなわち緩やかに冷却水の流路方向を変更可能な程度の高さとする。
台座106上におけるリブ101の位置と高さは台座106の前方壁面107の位置と高さとの関連で定まる。すなわち、リブ101の位置は、前方壁面107に近すぎて、結局リブ101の障壁としての高さが大きく作用して冷却水の流路方向を急激に変化させ、通路抵抗を上げてしまわない程度の距離を離す。また、低リブ102から離れすぎて、折角緩やかに流路方向が変化した冷却水が再び台座106面と平行に流れ出してしまわない程度に近くする。
リブ101の高さは、前方壁面107で方向が少し変えられた冷却水に対してもさらに障壁として作用して冷却水の流路方向を急激に変化させ、通路抵抗を上げてしまわない程度の高さとし、また冷却水の流路方向をさらに変えるに足りる程度の高さとする。
上記実施形態1と同様、冷却水の流路方向は、台座やリブの他に、各種開口の位置や大きさによっても複雑に変化するため、理想的には流速分布や熱伝導係数のシミュレーションをして流速が大きく冷却効果の高い位置と高さを選ぶことが好ましい。
図11を参照して上記実施形態2のシリンダヘッド1bにおける作用を説明する。図示しないウォーターポンプによって加圧された冷却水の流速Fは、ロアデッキ11側の流入口13からウォータージャケット2内部に流入し、実施形態1と同様に前方リブ100によって流路方向がロアデッキ11よりに変更された後、開口類の構造にしたがって上方流f1と下方流f2とに分流される。下方流f2はそのままロアデッキ11の冷却に貢献するが、上方流f1は冷却への貢献が少ない。
上方流f1は流路断面積が狭くなっている排気ポート12の上方において台座106の前方壁面107に当たり、流速を落とすことなく緩やかにその流路方向をロアデッキ11側に変更する。流路方向が緩やかに変更された流束f3は次いでリブ101に当たる。リブ101はこの流路方向が緩やかに変更された流束f3の冷却水の流路方向を急激に変えない程度の高さに設定されているので、流速を落とすことなくさらに緩やかに冷却水の流路方向をさらにロアデッキ11側に変更し、流束f4として、ロアデッキ11に到達して高熱負荷の緩和に貢献する。気筒毎に流束の分流が生じ、最初の気筒と同じ作用が連続してロアデッキ11や排気ポート12が効果的に冷却される。
当該実施形態2のように、台座106による壁面形成によっても本発明の高さの異なる複数のリブ形成と同様の効果を奏することが期待できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々に変更して適用可能である。例えば、上記実施形態ではリブ(壁面)の高さは二種類であったが、3種類以上の異なる高さのリブ(壁面)を利用してもよい。高さの異なるリブ(壁面)を低いものから順に高いものまで並べておけば、各リブ(壁面)における流路方向の変化が些少であるため通路抵抗を高めず流速を維持することができ、ロアデッキ側に多くの冷却水を流すことが可能である。
本発明は内燃機関のシリンダヘッドに適するが、これに限らず熱負荷の高い機械装置の冷却構造として好ましいため、各種ボイラー、照明装置、発電装置等種々に適用可能である。
実施形態1に係るシリンダヘッド(ウォータージャケット)の構造説明図であり、(a)は側面断面模式図、(b)はウォータージャケット上面平面図。 実施形態1に係るウォータージャケットの作用を示す水流説明図。 実施例のウォータージャケット上面の一部拡大斜視図。 実施例のウォータージャケット断面における流速分布のシミュレーション図。 実施例のウォータージャケット上面近傍における流速分布のシミュレーション図。 実施例のウォータージャケット下面近傍における流速分布のシミュレーション図。 比較例のウォータージャケット断面近傍における流速分布のシミュレーション図。 比較例のウォータージャケット上面近傍における流速分布のシミュレーション図。 比較例のウォータージャケット下面近傍における流速分布のシミュレーション図。 従来例のウォータージャケット断面近傍における流速分布のシミュレーション図。 従来例のウォータージャケット上面近傍における流速分布のシミュレーション図。 従来例のウォータージャケット下面近傍における流速分布のシミュレーション図。 実施例のウォータージャケット上面における熱伝達係数分布のミュレーション図。 実施例のウォータージャケット下面における熱伝達係数分布のシミュレーション図。 比較例のウォータージャケット上面における熱伝達係数分布のミュレーション図。 比較例のウォータージャケット下面における熱伝達係数分布のシミュレーション図。 従来例のウォータージャケット上面における熱伝達係数分布のミュレーション図。 従来例のウォータージャケット下面における熱伝達係数分布のシミュレーション図。 実施形態2に係るシリンダヘッド(ウォータージャケット)の側面断面模式図。 実施形態2に係るウォータージャケットの作用を示す水流説明図。
符号の説明
1、1b…シリンダヘッド、2…ウォータージャケット、10…上面壁(アッパデッキ、ウォータージャケット上面)、11…下面壁(ロアデッキ、ウォータージャケット下面)、12…排気ポート、13…流入口、14…吸気ポート、100…前方リブ、101…高リブ、102…低リブ、103…点火プラグ開口、104…排気弁開口、105…吸気弁開口、106…台座、107…前方壁面

Claims (3)

  1. 上面壁および下面壁を備え両壁間の空間がウォータージャケットを構成しているシリンダヘッドであって、
    前記下面壁には、当該ウォータージャケット中を流れる冷却媒体が流入する流入口が当該冷却媒体の当該ウォータージャケット内流通方向上流側に設けられ、
    前記上面壁には、
    前記冷却媒体の流通方向に対向する壁面を有し前記下面壁側に向けて突出する所定高さを有する台座と、
    当該台座上において前記壁面から前記冷却媒体の流通方向下流側に一定距離隔てて前記下面壁側に向けてさらに垂下突出するリブと、
    を備えていることを特徴とするシリンダヘッド。
  2. 前記上面壁には、前記流入口から流入する前記冷却媒体が最初に当たる衝突位置の下流側に、前記衝突位置において方向を変えた当該冷却媒体の流通方向を前記下面壁側に向けさせるリブがさらに設けられている、請求項1に記載のシリンダヘッド。
  3. 前記リブは、前記台座の壁面によって前記下面壁側に流通方向が変化した前記冷却媒体の流通方向をさらに前記下面壁側に向けさせるように、その高さと前記壁面からの距離が設定されている、請求項1に記載のシリンダヘッド。
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