JP4002365B2 - 複合型監視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複合型監視装置に関し、特に監視領域内における人体を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
人体を検出する監視装置においては各種のセンサが利用される。そのセンサには大別してアクティブ型及びパッシブ型がある。後者のパッシブ型のセンサとしては、例えば赤外線センサ(PIRセンサ)、CCDやCMOSなどの撮像素子を利用した画像センサが知られてる。
【0003】
ところで、防犯用の監視装置の場合、赤外線センサなどのセンサが部屋の天井の隅などに設置され、その地点から斜め方向に室内が監視される。そして、赤外線センサによって、その視野角に入る生体からの赤外線が受光され、その受光信号に基づいて人体の存否が判定される。なお、実際には、監視領域に複数の赤外線感知ゾーンが設定され、ゾーンを人体が横切ったことによる信号変動をもって人体の侵入が検知される。
【0004】
赤外線センサは、同じ物体であっても、それがセンサの近くを通過した場合と遠くを通過した場合とでは受光信号の出力が異なることになる。すなわち、赤外線センサの出力は、物体までの距離に依存し、その距離が遠ければ遠いほど同一発熱体の通過による出力が小さくなる。このため、失報を防止するために、赤外線センサの感度を高めに設定し、監視領域のうちセンサから遠い場所でも、人体を検出できるようにしていた。しかし、その場合にはセンサの近くを小動物(例えば猫)が通過すると、それを監視領域のうちセンサから遠い場所の人体と区別できず誤検出してしまうという問題があった。これは、小動物は人体に比べて赤外線の放射量が小さいが、赤外線センサからの距離によっては区別ができなくなるからである。
【0005】
この問題は、物体の移動速度の違いによっても生じ、例えば、物体の移動速度が早いと赤外線信号の出力が小さくなる。このため、移動速度が速い物体を検出するために赤外線センサの感度を高く設定しておくと、本来検出しないレベルの赤外線を放射するような小動物がゆっくり移動するような場合、それを人体として誤検出してしまうという問題があった。
【0006】
上記問題は、人体以外の物体の検出を行う場合にも指摘される問題である。なお、特開平6−223276号公報、特開昭62−147391号公報には、関連する技術が開示されているが、以下の本発明の目的は達成できない。
【0007】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、精度の高い物体検出を行える信頼性の高い監視装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、赤外線センサから物体までの距離に応じて適切な検出条件を設定できるようにすることにある。
【0009】
本発明の他の目的は、物体の移動速度に応じて適切な検出条件を設定できるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、監視領域からの赤外線を検出し、検出信号を出力する赤外線センサと、前記監視領域を撮像し、画像情報を出力する撮像センサと、前記検出信号及び前記画像情報に基づいて、前記監視領域の監視を行う監視手段と、前記画像情報に基づいて、前記赤外線センサから目的物体としての人体までの距離を判定する距離判定手段と、前記赤外線センサの感度又は前記検出信号の人体検出に係る処理条件を、前記距離が大きいほど前記監視手段にて人体が検出され易くなるように調整する調整手段と、を含むことを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、画像情報を利用して、赤外線センサから目的物体までの距離が判定され、その距離に応じて赤外線センサの感度又は検出信号の処理条件が調整される。よって、例えば目的物体が遠方にある場合と近傍にある場合とで受光感度を直接的に又は間接的に変更して、距離差に基づく誤差の影響を軽減・解消可能である。なお、検出信号の処理条件の調整の概念には、目的物体の判定基準の調整も含まれる。ここで、目的物体は望ましくは人体である。
【0012】
望ましくは、前記赤外線センサ及び前記撮像センサは、前記監視領域を斜めに見下ろす位置に設置され、前記距離判定手段は、前記撮像センサにより撮像された画像を遠近方向に複数の区分に分割し、目的物体像が属する区分に応じて前記距離を判定する。上記構成によれば、画像上の目的物体の位置を大まかに判定して、その位置に応じて距離を判定可能である。
【0013】
(2)また、上記目的を達成するために、本発明は、監視領域からの赤外線を検出し、検出信号を出力する赤外線センサと、前記監視領域を撮像し、画像情報を出力する撮像センサと、前記検出信号及び前記画像情報に基づいて、前記監視領域の監視を行う監視手段と、前記画像情報に基づいて、前記監視領域内を移動する目的物体としての人体の速度を判定する速度判定手段と、前記赤外線センサの感度又は前記検出信号の人体検出に係る処理条件を、前記速度が大きいほど前記監視手段にて人体が検出され易くなるように調整する調整手段と、を含むことを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、画像情報に基づいて目的物体の速度が判定され、その速度に基づいてセンサの感度を直接的又は間接的に調整可能である。
【0015】
(3)また、上記目的を達成するために、本発明は、監視領域からの赤外線を検出し、検出信号を出力する赤外線センサと、前記監視領域を撮像し、画像情報を出力する撮像センサと、前記検出信号及び前記画像情報に基づいて、前記監視領域の監視を行う監視手段と、前記画像情報に基づいて、前記赤外線センサから目的物体としての人体までの距離及び目的物体としての人体の速度を判定する判定手段と、前記赤外線センサの感度又は前記検出信号の人体検出に係る処理条件を、前記距離及び前記速度が大きいほど前記監視手段にて人体が検出され易くなるように調整する調整手段と、を含むことを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、目的物体までの距離及びその速度に応じて、赤外線センサの感度を直接的又は間接的に調整して、監視精度をより向上可能である。
【0017】
(4)ここで、図1を用いて本発明に係る実施形態の概念について説明する。監視領域が赤外線センサ及び画像センサによって監視されている状態において、S101では、画像情報に基づいて、赤外線センサから移動体(目的物体)までの距離が認識され、移動体が遠くに存在するか又は近くに存在するかが判定される。遠方に存在すると判定された場合、S102において赤外線センサが高感度に設定される。その一方、移動体が近くに存在すると判定された場合、S103において赤外線センサの感度が低感度に設定される。そして、このような感度調整の下で移動体の有無の判定が行われる。
【0018】
図1の例では、移動体の位置が判定されていたが、その速度を判定し、速度に基づいて感度調整を行うようにしてもよい。その場合には、S101において、移動体の速度が所定値以上であるか否かを判定し、所定値以上であればS102で赤外線センサの感度を高感度に設定し、所定値以下であればS103において赤外線センサの感度を低感度に設定すればよい。
【0019】
また、上記の例では感度が二段階に調整されていたが、三段階以上調整可能にしてもよく、また連続的に可変してもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図2には、本発明の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示す概念図である。
【0022】
図2において、本実施形態にかかる複合型監視装置はたとえば防犯用途として用いられるものである。その複合型監視装置はたとえば部屋の天井の隅などに設置される。
【0023】
カバー10は、たとえばドーム型の形状を有し、そのカバー10内には画像センサ12、照明用LED16、及び赤外線センサ14が設けられている。これらによって検出部が構成される。ちなみに、それらのセンサは固定設置されていてもよいが、可動型であってもよい。画像センサ12は、たとえば近赤外領域の光を検出するCCDなどで構成されるものである。もちろん、その画像センサ12としてはCCD以外にもCMOS撮像素子などの装置を利用してもよい。画像センサ12の前方側にはレンズ18が設けられ、そのレンズ18によって監視領域全体からの光が集光され、画像センサ12上に結像されている。画像センサにはカメラであってもよい。
【0024】
赤外線センサ14は、監視領域内からの赤外線を検出するセンサであり、本実施形態においては、PIRセンサとしての焦電素子が利用されている。もちろん、サーモパイル素子など他のタイプの赤外線センサを利用することも可能である。赤外線センサ14の前方にはフレネルレンズ20が設けられ、これによって監視領域内における複数のゾーンからの赤外線が赤外線センサ14によって受光される。ちなみに、本実施形態においては、監視領域内における物体の移動に伴う赤外線出力信号に基づいて後述する信号波形処理が実行されている。
【0025】
照明用LED16はたとえば夜間などにおいて監視領域を画像センサ12によって撮像するための近赤外光源として機能するものである。画像センサ12からの信号はA/D変換器22においてデジタル信号に変換され、そのデジタル信号としての画像情報が演算処理部30に出力されている。また、赤外線センサ14からの受光信号はアンプ24によって増幅された後、それがA/D変換器26においてデジタル信号に変換され、そのデジタル信号としての受光信号が演算処理部30に出力されている。
【0026】
演算処理部30はたとえばMPUなどで構成されるものであり、図2にはその演算処理部30の主要な機能がブロック図として示されている。具体的には、演算処理部30は画像解析部32、受光波形解析部34及び総合判定部36を有する。ここで、本実施形態において、演算処理部30は、後述のように、赤外線感度の調整機能を有する。
【0027】
受光波形解析部34は、赤外線の受光信号に対して波形解析を行なって、人体の存在可能性の大きさを示す第1評価値E1を演算する手段である。また、画像解析部32は、画像情報を解析することによって、人体の存在可能性の大きさを示す第2評価値E2を演算する手段である。総合判定部36は、第1評価値E1及び第2評価値E2に基づいて人体の有無および画策の有無の判定を行なう手段である。その判定結果は出力部38を介して外部に出力されている。たとえば、その出力信号は通信回線を介して監視センタなどに送られている。
【0028】
演算処理部30には電源部40が接続されており、この電源部40を介して商用電源から電力が供給され、あるいはバッテリーから電力が供給される。また、演算処理部30には外部メモリ42が接続されており、その外部メモリ42内には演算処理部30の演算にあたって必要な情報が適宜格納される。
【0029】
ちなみに、図2に示す複合型監視装置はそれ全体としてカバー10内に収納可能であり、当該装置は上述のように部屋の天井などに下向きで設置される。次に、図3〜図6を用いて、演算処理部30の動作について説明する。
【0030】
図3には、メインルーチンを示すフローチャートが示されている。ここで、このメインルーチンはたとえば25msごとに実行されるものである。
【0031】
S201に示す受光波形解析処理は、図2に示した受光波形解析部34によって実行されるものであり、その具体的な処理内容は図4に示されている。また、S202に示す画像解析処理は、図2に示した画像解析部32によって行なわれるものであり、その具体的な処理内容は図5に示されている。また、S203に示す判断処理は、図2に示した総合判定部36によって実行されるものであり、その具体的な処理内容が図6に示されている。以下、図4〜図6に示す処理を説明した上で、図3に示すS204〜S210の各処理について説明することにする。
【0032】
図4には、受光波形解析処理が示されている。まずS301では、赤外線の受光信号の電圧値と所定の閾値とが比較され、閾値を超える信号が発生したか否かが判断される。ここで、所定の閾値とは赤外線の受光信号が人体に起因したものでないことが明らかな場合における電圧値の上限及び下限である。閾値を超える電圧値の存在が判定されると、S302において所定のPIRカウンタが1つインクリメントされ、S303において、ピーク値a、ピーク回数b及び極性変化回数cに関する処理が実行される。それらのパラメータは受光信号波形の特徴を示すものであり、後述するPIRデータ(第1評価値)E1を算出するための要素となるものである。従って、波形の特徴を指標できる限りにおいて、各種の特徴量を利用可能である。
【0033】
本実施形態において、ピーク値aは一定期間内における電圧値のピークの値を示しており、S303では、過去に求められたピーク値よりも大きなピーク値が得られた場合、変数aが新しい値に更新される。また、ピーク回数bは後述するリセットがなされるまでのピークの発生回数を示すものであり、また極性変化回数cは後述するリセットまでの期間において基準電圧とゼロクロスを生じた回数に相当している。もちろん、そのような各パラメータの定義及びその利用方法については各種のものがあり、図4に示されたものに限られない。
【0034】
S304では、本実施形態において、ピーク値a,ピーク回数b及び極性変化回数c、加えて補正係数gを利用してPIRデータとしての第1評価値E1が算出される。ここで、その算出方法について説明すると、PIRデータE1は、図7の(E)に示す式によって算出されており、また各パラメータa,b,cはそれぞれ(A)〜(C)に示すテーブルによってその値が決定される。また、補正係数gは図7の(D)示すテーブルによって定義され、具体的には、後述するように、画像上における変位領域(人体像に相当)の位置に応じて(後述の図9(B)参照)、補正係数gの値が可変設定される。これに関しては図5のS432〜S434において説明する。いずれにしても、補正係数gの値を大きくすれば第1評価値E1の値を大きくすることができ、結果として赤外線感度を上げたことになる。
【0035】
なお、パラメータaは、ピーク値の電圧によって定義されている。図7(E)に示す計算式によって第1評価値を定義した場合、その値は0〜150までをとり得ることになる。もちろん、この計算式は一例であって、各種の状況に応じて各種の計算式を採用し得る。
【0036】
図4に戻って、S301で赤外線の電圧値が所定の閾値を超えていない(所定の範囲内)と判断された場合、S305で所定のPIRカウンタの値が0を超えるか否かが判断され、PIRカウンタの値が0を超えると判断された場合、S306においてPIRカウンタが1つインクリメントされ、S307でPIRカウンタの値が400(10秒に相当)を超えるか否かが判断される。すなわち、このS307は、リセットまでの猶予期間を設定するための条件として機能する。PIRカウンタの値が400を超えなければS303が実行され、PIRカウンタの値が400を超えればS308において、各パラメータa、b、c及びPIRカウンタがゼロにリセットされる。
【0037】
図5には、画像解析処理がフローチャートとして示されている。
【0038】
S401では、所定の撮像カウンタが1つインクリメントされる。そして、S402では、その撮像カウンタの値が4になったか否かが判断されている。すなわち、S403以降のステップを0.1秒ごとに実行させるために、この撮像カウンタが機能している。
【0039】
S402の条件が満たされた場合、S403で撮像カウンタがリセットされる。そして、S404において所定の基準画像からの変化があったか否かが判断される。ここで、基準画像は現在の画像に対して対比される画像であり、たとえば装置立ち上げ時における人体が存在していない状態でのデフォルト画像である。もちろん、基準画像としては各種のものを援用できる。また、その基準画像を用いることなくたとえばフレーム間差分などを利用して画像変化を検出してもよい。
【0040】
S404の条件が満たされた場合、S405において所定の画像カウンタが1つインクリメントされる。S406では、現画像における変化領域の大きさdが算出される。そして、S407では、その変化領域の大きさdが全画像の50%を超えるか否かが判断される。すなわち、変化領域がかなり大きい場合、図2に示したカバー10に対して何らかの画策が施された可能性が高いため、そのような状況をこのS407によって判定するものである。したがって、そのような判定が行なえる限りにおいて各種の条件を採用可能である。
【0041】
S408では所定のカバーカウンタが1つインクリメントされ、S409ではそのカバーカウンタの値が600を超えたか否かが判断される。ここで、そのようなS409の条件が設けられているのは、たとえば図2に示したカバー10の清掃などによって一時的に変化領域が発生している可能性があるためである。たとえば1分以上にわたって変化領域が存在するような場合には画策の可能性が高いので、S410において画策検出フラグ1がセットされる。
【0042】
S407に戻って、変化領域の大きさdが全画面の50%以下であれば、S430において変化領域の位置eが算出される。
【0043】
S432において、その変化領域の画像上での位置が判定される。具体的には、検出部(センサ)に近い区分(画面下方領域)及び検出部に遠い区分(画面上方領域)のいずれに変化領域が属するかが判定される。ここで、近い区分に属すると判定された場合、S433において、補正係数gに例えば1(低感度に相当)が代入され、遠い区分に属すると判定された場合、S434において、補正係数gに例えば2(高感度に相当)が代入される。ちなみに、両方の区分に跨って存在する場合、補正係数gに例えば1が代入される。これについては既に図7(D)において示した通りである。以上のように補正係数gを設定すれば、第1評価値E1の演算に当たって目的物体までの距離に応じた重み付けを行うことができる。
【0044】
S435においては、変化領域の連続性fが算出される。そして、S436では、カバーカウンタがリセットされる。
【0045】
S437においては、評価値としての画像データE2が算出される。これについて図8及び図9を用いて説明する。
【0046】
図8(C)には、S437における第2評価値E2の算出式の一例が示されている。このような算出式を採用した場合、第2評価値E2は0〜150までの値をとり得る。ここで、(A)には、連続性に相当する連続回数とパラメータfとの関係が示されており、たとえば変化領域が連続して存在するフレームの個数すなわち連続回数としてfが定義される。また、(B)に示すように変化領域の大きさdは、その変化領域を定義している画素数によって決定されている。もちろん、このようなパラメータの定義は一例であって、第2評価値の算出要素としては各種のものを採用可能である。
【0047】
図9(A)には部屋100内の天井に設置される複合型監視装置102の概念が示されている。このような状態において部屋100内を撮像すると(B)に示すような画像200を得ることができる。ここで、部屋100内に人体が存在すれば符号202で示すような変化領域が発生する。ちなみに、符号102Aは複合型監視装置の位置を示している。上述した変化領域の大きさdはこの変化領域202を構成する画素の個数によって定義される。また、本実施形態においては、複合型監視装置から人体位置までの距離を判定するため、上述のように画像200が複合型監視装置の位置に近い側と遠い側とで2分割されており、近い領域については位置のパラメータeに1が設定され、遠い領域に変化領域が存在している場合にはそのパラメータeに2が設定される。なお、上記の補正係数の演算においても、同様の原理に基づいて人体までの距離が判定されるのは、上述の通りである。
【0048】
図5における上述のS406、S430及びS435においては、上記のパラメータe,f,dのそれぞれについて値が決定され、そしてS437においては図8(C)に示す計算式が実行され、その結果、第2評価値E2が決定される。本実施形態においては、複合型監視装置からの距離に応じて変化するパラメータeを計算式内に取り込んでいるので、人体の見方の相違にしたがって的確な判定を行なえるという利点がある。実際に画像200を画面表示する場合には、通常、画面上側が遠い領域で画面下側が近い領域となるように表示される。
【0049】
図5におけるS404で基準画像からの変化がないと判断された場合、S414で画像カウンタの値が0よりも大きいか否かが判断され、画像カウンタの値が0よりも大きい場合にはS415において画像カウンタが1つインクリメントされ、S416において画像カウンタの値が20(2秒に相当)よりも大きいか否かが判断される。ここで、S416はリセットまでの猶予期間を設定するための条件に相当する。S416で画像カウンタの値が20よりも大きいと判断された場合には、S417において各パラメータd,e,f及び画像カウンタがゼロにリセットされる。
【0050】
図6には、総合判断処理の内容がフローチャートとして示されている。
【0051】
S501では、第1評価値(PIRデータ)E1が100以上であるか否かが判断される。100(第1閾値)以上であれば、S502において上記の画像カウンタがリセットされ、またS503において上記の画策フラグ1がリセットされる。そして、S504において人体検出フラグがセットされる。
【0052】
S501において、第1評価値E1が100未満である場合には、S505において第2評価値(画像データ)E2が100(第2及び第5閾値)以上であるか否かが判断される。ここで、E2が100以上であれば、S506において、第1評価値E1が0(第4閾値以下)であるか否かが判断される。ここで、第1評価値E1が0であれば、S507において、所定の画策カウンタが1つインクリメントされ、S508においてその画策カウンタが10以上であるか否かが判断される。ここで、画策カウンタが10以上であれば、S509において所定の画策フラグ2がセットされ、その後、S512において上記の画策カウンタがリセットされる。
【0053】
その一方、上記のS506において、第1評価値E1が0でなければ、また、S508において画策カウンタが10未満であれば、S510において所定の人体検出フラグがセットされる。
【0054】
他方、S505において第2評価値E2が100未満であれば、S511が実行される。
【0055】
S511では、第1評価値E1と第2評価値E2が加算され、その加算値が100(第3閾値)以上であるか否かが判断される。すなわち、各評価値は相互に規格化されており、このような線形加算によって両方の評価値を総合評価することが可能となる。ここで、その加算値が100未満であれば本ルーチンが終了し、一方、100以上であればS510において人体検出フラグがセットされる。
【0056】
この図6の処理について補足説明すると、図6に示すA1は、赤外線解析を優先させた単独判定に相当する。すなわち、第1評価値E1のみによって人体が判定される場合である。図6に示すA2は、画像解析結果を優先させた単独判定に相当するものである。また、図6に示すB1は総合判定の結果として人体が判定された場合に相当している。更に、図6に示すB2は、総合判定の結果として画策が判定された場合に相当している。すなわち、その場合においては第2指標値と第1指標値とに矛盾が生じており、その結果、赤外線の検出に対する妨害工作が有力視されるのである。
【0057】
ちなみに、S508において画策カウンタと一定値とを比較するのは、一定時間にわたって上記の矛盾状態が生じた場合において初めて画策判定を行なうためである。すなわち外乱などによって突発的に矛盾が生じた場合に誤報が発生してしまうことを防止するものである。
【0058】
ここで図3に戻って、以上のように各処理においてフラグが設定された結果、S204において人体検出フラグがセットされていると判断された場合、S205において外部に人体検出信号が出力される。そして、S206では上記の人体検出フラグがリセットされる。また、S207において、画策検出フラグ1がセットされていると判断された場合またはS208において画策検出フラグ2がセットされていると判断された場合には、S209において画策検出信号が外部に出力され、S210において2つの画策検出フラグがそれぞれリセットされる。ちなみに、S204,S207,S208の各工程において何れのフラグもセットされていないと判断された場合には、上述のS201からの各工程が所定のサイクルで実行される。
【0059】
なお、上記実施形態では、人体までの距離に応じて赤外線の感度を調整したが、例えば人体の移動速度に応じて赤外線の感度を調整してもよい。また、距離及び速度の双方に基づいて赤外線の感度を調整してもよい。
【0060】
以上説明したように、上記実施形態によれば、目的物体すなわち人体の存否及び画策の有無を総合判定できる。特に、測定条件に応じて赤外線の感度を調整できるので、監視精度を高めることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、精度の高い物体検出を行える信頼性の高い監視装置を提供できる。また、本発明によれば、赤外線センサから物体までの距離や物体の速度に応じて適切な検出条件を設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる複合型監視方式の概念を示すフローチャートである。
【図2】 本実施形態にかかる複合型監視装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】 演算処理部によって実行されるメインルーチンを示すフローチャートである。
【図4】 受光波形解析部によって実行される受光波形解析処理を示すフローチャートである。
【図5】 画像解析部によって実行される画像解析処理を示すフローチャートである。
【図6】 総合判定部によって実行される総合判断処理を示すフローチャートである。
【図7】 第1評価値を算出するための各パラメータの定義及び算出式を示す図である。
【図8】 第2評価値を算出するための各パラメータの定義及び算出式を示す図である。
【図9】 複合型監視装置の設置状態とそれにより取得される画像とを示す概念図である。
【符号の説明】
10 カバー、12 画像センサ、14 赤外線センサ、18 レンズ、20フレネルレンズ、30 演算処理部、32 画像解析部、34 受光波形解析部、36 総合判定部、38 出力部。
Claims (4)
- 監視領域からの赤外線を検出し、検出信号を出力する赤外線センサと、
前記監視領域を撮像し、画像情報を出力する撮像センサと、
前記検出信号及び前記画像情報に基づいて、前記監視領域の監視を行う監視手段と、
前記画像情報に基づいて、前記赤外線センサから目的物体としての人体までの距離を判定する距離判定手段と、
前記赤外線センサの感度又は前記検出信号の人体検出に係る処理条件を、前記距離が大きいほど前記監視手段にて人体が検出され易くなるように調整する調整手段と、
を含むことを特徴とする複合型監視装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記赤外線センサ及び前記撮像センサは、前記監視領域を斜めに見下ろす位置に設置され、
前記距離判定手段は、前記撮像センサにより撮像された画像を遠近方向に複数の区分に分割し、目的物体像が属する区分に応じて前記距離を判定することを特徴とする複合型監視装置。 - 監視領域からの赤外線を検出し、検出信号を出力する赤外線センサと、
前記監視領域を撮像し、画像情報を出力する撮像センサと、
前記検出信号及び前記画像情報に基づいて、前記監視領域の監視を行う監視手段と、
前記画像情報に基づいて、前記監視領域内を移動する目的物体としての人体の速度を判定する速度判定手段と、
前記赤外線センサの感度又は前記検出信号の人体検出に係る処理条件を、前記速度が大きいほど前記監視手段にて人体が検出され易くなるように調整する調整手段と、
を含むことを特徴とする複合型監視装置。 - 監視領域からの赤外線を検出し、検出信号を出力する赤外線センサと、
前記監視領域を撮像し、画像情報を出力する撮像センサと、
前記検出信号及び前記画像情報に基づいて、前記監視領域の監視を行う監視手段と、
前記画像情報に基づいて、前記赤外線センサから目的物体としての人体までの距離及び目的物体としての人体の速度を判定する判定手段と、
前記赤外線センサの感度又は前記検出信号の人体検出に係る処理条件を、前記距離及び前記速度が大きいほど前記監視手段にて人体が検出され易くなるように調整する調整手段と、
を含むことを特徴とする複合型監視装置。
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