JP4002289B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
図7は従来例の誘導加熱調理器の右側面から見た断面図であり、図8は同じ誘導加熱調理器の分解斜投影図である。
従来例の誘導加熱調理器は、外郭ケース1、トッププレート2、誘導加熱調理部3、4、ラジエントヒータ加熱調理部5、誘導加熱コイル6、7、スプリング8、9、コイル支持板10、シーズヒータ11、ロースタ部12、上回路基板13、下回路基板14、冷却ファン15、モータ16、ファンカバー17、第1の空間18、第2の空間19、吸気口20、排気口21、仕切り22、カンガルーポケット23、操作部24を有する。
外郭ケース1の上面はトッププレート2となっており、トッププレート2の表面上には二つの誘導加熱調理部3、4と、ラジエントヒータ加熱調理部5が設けられている。トッププレート2上において誘導加熱調理部3、4とラジエントヒータ加熱調理部5は円形の表示により示されている。ユーザはこれらの円形の表示の上に鍋などを置き調理する。
トッププレート2の下方にはコイル支持板10が固定されており、その上に設けられたスプリング8、9によって誘導加熱コイル6、7がトッププレート2の誘導加熱調理部3、4にそれぞれ押しつけられている。
トッププレート2のラジエントヒータ加熱調理部5は、その真下に配置されているラジエントヒータであるシーズヒータ11によって加熱される。
誘導加熱調理器の左側でコイル支持台10の下部には、魚などを調理するためのロースタ部12が設けられている。
誘導加熱調理器の右側でコイル支持台10の下部には、誘導加熱コイル6、7及びシーズヒータ11を駆動するためのインバータを構成する2組の回路基板13、14が上下に重ねて配置されている。
回路基板13、14はそれぞれにインバータ回路(発熱源となる。)を含む電気回路ユニットである。誘導加熱調理器で調理を行うと、誘導加熱コイル6、7及び回路基板13、14はそれ自体が発熱し、且つシーズヒータ11及びロースタ部12の輻射熱により熱せられる。誘導加熱調理器の故障を防止するため、誘導加熱コイル6、7及び回路基板13、14を冷却する必要がある。従来例の誘導加熱調理器は、誘導加熱調理器の右側で回路基板13、14の後方にシロッコファン(遠心ファン)である冷却ファン15を有している。
ファンカバー17の下側は壁で仕切られた独立空間である。これを第2の空間19と呼ぶことにする。
従来例の誘導加熱調理器においては第1の空間18と第2の空間19は仕切り22によって仕切られている。
回路基板13、14に吹き付けられた空気は、外郭ケース内を通って吸気口20の隣の(誘導加熱調理器の上面(外郭ケース1の上面)後方左側に設けられた)排気口21から排気される。
外郭ケース1(前面パネルを含む。)の前面右側に設けられた本体に出し入れ可能なカンガルーポケット23の上面に、操作部24が設けられている。
従来の誘導加熱調理器においては、冷却ファンから吹き出された風は、2つの回路基板を通って外郭ケースの前面に当たって流れる方向を変え、誘導加熱コイルを通って排気口から排気された。外郭ケースの前面に当たって流れる方向を変えた時に風の勢いが弱まり、空気の流量が下がった。又、空気ガイドがないために、空気の流れに乱れが生じ易かった。
回路基板13、14が内部に入り込んだ水をかぶると、動作不良になり又は故障するおそれがある。
上記従来例の誘導加熱調理器では、第1の空間18と第2の空間19との間に仕切21を設け、吸気口20から入った水が第2の空間19にたまり、第1の空間18(その上に回路基板14が位置する。)に入らないようにしていた。
吸気口20から入った水は、第2の空間19にためられた後に徐々に蒸発し又は排出される。
また、冷却ファンユニットは、短時間で組み立てることが出来、冷却ファンユニットを外郭ケースに固定することにより、冷却ファンユニットを短時間で外郭ケースに組み込むことが出来る。
外郭ケースを隙間のない構造とし、本体内(主として第1の空間及び第2の空間)で水を受けるようにすれば、誘導加熱調理器を組み込むキッチンのキャビネット内に水が漏れにくくなる。このような構造にすれば水抜き穴もないので、キャビネット内の熱気が誘導加熱調理器内に入り込まず、吸気口から吸い込まれた外部の冷たい空気で誘導加熱調理器の内部を確実に冷却することが出来る。
本発明は、吸い込み口から大量の液体が流れ込んでも、回路基板が液体に浸かりにくく且つ液体の飛沫が回路基板にかかりにくい誘導加熱調理器を実現出来る。
従来の誘導加熱調理器においては、冷却ファンの駆動モータを冷却ファンの上に設けていた。しかし本発明の発明者は、後述するように、冷却ファンの取り付け位置を従来より高くした方が通風による冷却効率を高く出来ることを発見した。本発明においては、冷却ファンの取り付け位置を従来より高くするため、その駆動モータを冷却ファンの下方に配置している。これにより、ケース内の通風を良くすることが出来た。
本発明は、通風による冷却効率が高く、吸い込み口から大量の液体が流れ込んでも回路基板が液体に浸かりにくく且つ液体の飛沫が回路基板にかかりにくい誘導加熱調理器を実現出来る。
モータカバーに水平方向に開いた通気穴を設けることにより、冷却ファンは上方のみならずモータカバーのある下方からも空気を取り入れることが出来、十分な風量を発生することが出来る。
冷却ファンに導風するための通気穴は第1の空間入り口よりも高い位置にあるので、第2の空間へ浸入してきた液体はほとんど開口を通じて第1の空間に流れ、通気穴から冷却ファンに吸収されることはほとんどない。
これにより十分な風量を発生し、且つ流れ込んだ液体の飛沫を吸い込む可能性が低い冷却ファンを有する誘導加熱調理器を実現出来る。
このような構成にすることにより、吸気口から浸入してきた液体が外郭ケースとモータカバーとの隙間を通ったときに流れの勢いが吸収され、その後、第1の空間へ入り込むので飛沫発生を低減して冷却ファンが水を吸い込みにくくすることができる。外郭ケースとモータカバーとの隙間を通った液体の流量は、開口部が通すことが出来る流量の上限よりも小さい。従って、外郭ケースとモータカバーとの隙間を通った液体が開口部であふれて高い跳ね返りを生ずることはない。
冷却ファンの仕切板下側から吹き出された風は回路基板の上面に導かれ、インバータの放熱フィン等を冷却した後、外郭ケース外に排出される。加熱コイル導風路を上記の様に設けることにより、上下それぞれの風が所定の経路を通ってスムーズに流れるようになった。本発明は、内部を効率的に冷却する誘導加熱調理器を実現できる。
好ましくは、冷却ファンの仕切板下側から吹き出された風がその上面を強く流れる1枚の回路基板にインバータ等の発熱部品を集中する。これにより、インバータ等の冷却効果を上げることが出来る。
図1は実施例の誘導加熱調理器の右側面から見た断面図である。図2は実施例の誘導加熱調理器の分解斜投影図である。図3は実施例の誘導加熱調理器の部分断面図である。図4は実施例における誘導加熱調理器の要部断面図である。図5は実施例における誘導加熱調理器の要部断面図である。図6は実施例における誘導加熱調理器のモータカバーの構造を示す斜投影図である。
図1及び図2において、誘導加熱調理器は、外郭ケース1、トッププレート2、誘導加熱調理部3、4、ラジエントヒータ加熱調理部5、誘導加熱コイル6、7、スプリング8、9、コイル支持板10、ラジエントヒータ11、ロースタ部12、上回路基板13、下回路基板14、冷却ファン15、モータ16、ファンカバー17、第1の空間18、第2の空間19、吸気口20、排気口21、カンガルーポケット23、操作部24、加熱コイル導風路27、モータカバー30を有する。
外郭ケース1の上面はトッププレート2となっており、トッププレート2の表面上には2つの誘導加熱調理部3、4と、ラジエントヒータ加熱調理部5が設けられている。トッププレート2上において誘導加熱調理部3、4とラジエントヒータ加熱調理部5は円形の表示により示されている。ユーザはこれらの円形の表示の上に鍋などを置き調理する。
トッププレート2の下方にはコイル支持板10が固定されており、その上に設けられたスプリング8、9によって誘導加熱コイル6、7がトッププレート2の誘導加熱調理部3、4にそれぞれ押しつけられている。
誘導加熱調理器の左側でコイル支持台10の下部には、魚などを調理するためのロースタ部12が設けられている。
誘導加熱調理器の右側でコイル支持台10の下部には、誘導加熱コイル6、7及びシーズヒータ11を駆動するためのインバータを構成する2組の回路基板13、14が上下に重ねて配置されている。
回路基板13、14はインバータ回路を含む電気回路ユニットである。誘導加熱コイル等の駆動半導体等の発熱部品は、上回路基板13に集中して配置されている。上回路基板13と、誘導加熱コイル6、7とはそれぞれ中継線で結ばれている。下回路基板14には、冷却が必要な発熱部品は配置されていない。
誘導加熱調理器で調理を行うと、誘導加熱コイル6、7及び上回路基板13はそれ自体が発熱し、且つシーズヒータ11及びロースタ部12の輻射熱により熱せられる。誘導加熱調理器の故障を防止するため、誘導加熱コイル6、7及び上回路基板13を冷却する必要がある。実施例の誘導加熱調理器は、誘導加熱調理器の右側で回路基板13、14の後方にシロッコファンである冷却ファン15を有している。
モータカバー30の下側は壁で仕切られた独立空間である。これを第2の空間19と呼ぶ。第2の空間19は、吸気口20と通風路28を通じて繋がっており、第1の空間18と開口部26を通じて繋がっている。第1の空間18及びその開口部26は、吸気口20から第2の空間19に達する経路の延長方向に設けられている(誘導加熱調理器の前から見て、この経路が実質的に左右に曲がっていない(屈曲部がない。)。)。
また、流れの延長方向に第1の空間18が存在するので、第2の空間19へ浸入してきた液体はスムーズに第1の空間18へ流れることができる。
冷却ファン15が下から吸い込んで吹き出した風は主として上回路基板13の上面(上面にインバータの全ての放熱フィンが配置されている。一部の風は下回路基板14の上面を通る。)を通り、外郭ケースの前面で上にあがって加熱コイル6を通り、排気口21から排気される。
外郭ケース1(前面パネルを含む。)の前面右側に設けられた本体に出し入れ可能なカンガルーポケット23の上面に、操作部24が設けられている。
このような構成にすれば、モータ16がトッププレート2から遠ざけて配置されているためモータの漏れ磁界が本体表面に出にくい(漏れ磁界は、金属性の外郭ケース1によってほとんど遮蔽されて外部に漏れない。)。モータ16はモータカバー30で護られているため、第2の空間19に浸入してきた液体によってモータ16が損傷することを防ぐことが出来る。
図6にモータカバー30及びファンカバー17を斜め下方から見た時の斜投影図を示す。モータカバー30は、ファンカバー17と一体構造を有する。従って、所定の通気口以外から水が漏れ込むことはない。これに代えて、モータカバー30単体を含む複数の部品を組み立てることによりファンカバーを構成するようにしても良い。モータカバー30及びファンカバー17に冷却ファン15及びモータ16を組み込むことにより、冷却ファンユニットが出来る。冷却ファンユニットは、それのみを単独で、短時間で組み立てることが出来る。冷却ファンユニットを外郭ケースに固定することにより、冷却ファンユニットを短時間で外郭ケースに組み込むことが出来る。
実施例においてファンカバー17は冷却ファン15を、モータカバー30はモータ16を横から見ても完全にカバーしている。
整流板44と外郭ケース1の傾斜した部分29とは、通風路28の一部を形成し、その通風出口側41が通風入口側42よりも狭い。又、少なくとも通風出口側41の幅(図1で左右の方向の幅)は、開口部26の高さより狭い。尚、通風出口側41の奥行き(図1で紙面に垂直方向の長さ)も、開口部26の奥行き(図1で紙面に垂直方向の長さ)と同一又はそれ以下にする(実施例においては同一である。)。
吸気口20から流入した液体は外郭の傾斜部29に当たるため勢いが殺がれる。この部分に整流板44を設けて通風路の出口側41を狭くすることにより、整流効果を高め、出口側41を通って第2の空間19に流れ込む水を、開口部26が流すことが出来る水量の上限よりも少ない量に制限する。
ビード51、52、53は、吸気口20から第2の空間19に達する経路方向と平行に作られている。ビード51、52、53は、吸気口20から流れ込んだ水流を整流する。
2…トッププレート、
3,4…誘導加熱調理部、
5…ラジエントヒータ加熱調理部、
6,7…誘導加熱コイル、
8,9…スプリング、
10…コイル支持板、
11…シーズヒータ、
12…ロースタ部、
13…上回路基板、
14…下回路基板、
15…冷却ファン、
16…モータ、
17…ファンカバー、
18…第1の空間、
19…第2の空間、
20…吸気口、
21…排気口、
22…仕切り、
23…カンガルーポケット、
24…操作部、
26…開口部、
27…加熱コイル導風路、
28…通風路、
30…モータカバー、
43…通気口、
44…整流板、
51,52,53…ビード。
Claims (5)
- 吸気口と排気口とが上面に配される外郭ケースと、
加熱コイルと、
前記加熱コイルを駆動する電気回路を備えた回路基板と、
冷却ファン、前記冷却ファンを駆動するモータ、及び前記冷却ファンを囲むファンカバーを有し、前記外郭ケースに固定される冷却ファンユニットと、
前記回路基板を支持し前記外郭ケースの底面に載置される回路支持台と、
前記回路支持台の裏面と前記外郭ケースの底面との間に前記回路支持台の裏面に設けられた壁で仕切られて形成され、前記冷却ファンが位置する側に開口を有しかつ他の部分を閉じた第1の空間と、
前記ファンカバーの下側で前記外郭ケースの底面との間に前記ファンカバーを構成する壁で仕切られて形成され、前記ファンカバーにより一部が形成される通風路を介して前記吸気口と繋がっており且つ前記第1の空間と前記開口を通じて繋がっている第2の空間と、
を有し、前記第1の空間を前記吸気口から前記第2の空間に達する経路の延長方向に設け、前記吸気口から侵入してきた液体が前記第1の空間に流れ込み前記回路支持台の奥の壁に当るようにすることで、前記液体が前記第2の空間で急に止まり前記液体の浪打や飛沫が発生するのを低減できるようにしたことを特徴とする誘導加熱調理器。 - 前記モータを前記冷却ファンの下方に配置し、前記モータの少なくとも下方に真下から見ると前記冷却ファン及び前記モータが見えないように構成したモータカバーを設けたことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
- 前記モータカバーには前記冷却ファンに導風する水平方向に開いた通気穴を設け、前記通気穴の下端が前記開口の上端よりも高い位置にあることを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱調理器。
- 前記吸気口から前記第2の空間に達する通風路の少なくとも一部を構成する前記外郭ケ
ースと前記モータカバーとの隙間の幅が、前記開口の高さよりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱調理器。 - 2つの前記加熱コイルを備え、前記冷却ファンは、上下両吸い込み型で、上からの吸い込み風と下からの吸い込み風とを分割する仕切板を有する冷却用遠心ファンとし、
前記遠心ファンが上から吸い込んで吹き出した風を前記仕切板近傍からせり上がり前記冷却ファンから遠い側の前記加熱コイルに導く加熱コイル導風路をさらに有し、
前記回路基板が、実質的に前記遠心ファンが下から吸い込んで吹き出した風が前記回路基板の上面に導かれるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか1つに記載の誘導加熱調理器。
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