JP4002286B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複数のレーザ光源を有する半導体レーザ装置に関するものである。
従来、所定方向に沿って並列に配列された複数の活性層を有する半導体レーザアレイと、該複数の活性層から出射された複数の光束を活性層の配列方向と垂直な方向に関してコリメートするコリメータレンズと、該コリメータレンズによってコリメートされた光束を受光し、その光束の横断面をほぼ90°回転させる光路変換素子とを備えた半導体レーザ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図1A及び1Bは、この文献1に記載された半導体レーザ装置における半導体レーザアレイ101の各活性層103から出射する光束の拡がり角を説明するための図である。ここで、図1Aは、光束の拡がり角を示す側面図であり、図1Bは、光束の拡がり角を示す平面図である。なお、半導体レーザアレイのレーザ光出射方向をx軸方向とし、活性層の配列方向をy軸方向とし、x軸方向及びy軸方向双方に垂直な方向をz軸方向として座標軸(x軸、y軸、z軸)が設定されている。各活性層から出射された光束のz軸方向の拡がり角は光軸105を中心として30°〜40°であり(図1A)、y軸方向の拡がり角は8〜10°である(図1B)。上記文献1に記載された半導体レーザ装置は、コリメータレンズにより光束が垂直方向に関してコリメートされた後、光路変換素子によって光束断面が90°回転させられることにより、隣り合う光束が交差しにくい構造になっている。
特許第3071360号公報
発明者らは、従来の半導体レーザ装置について検討した結果、以下のような課題を発見した。すなわち、一般に、レーザ装置から出射されるレーザ光は、各種応用を考慮すると、拡がり角が小さいことが要求され、また、スペクトル幅が狭いことが要求される。
しかしながら、上記文献1の半導体レーザ装置は、光路変換素子で光束断面を90°回転させるだけなので、y軸方向の拡がり角はそのままz軸方向の拡がり角となっている。最終的に半導体レーザ装置から出射されるレーザ光は、z軸方向へ8〜10°の拡がり角を有したままである。また、上記文献1の半導体レーザ装置は、半導体レーザアレイ101における各活性層103からの出射光のスペクトル幅が広いので、最終的に半導体レーザ装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅も広い。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、小さい拡がり角を有するレーザ光を出射させ、さらには該レーザ光のスペクトル幅を狭くすることが可能な構造を有する半導体レーザ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、この発明の半導体レーザ装置は、少なくとも、半導体レーザアレイと、第1コリメータレンズと、光路変換素子(rotator)と、光学素子を備える。また、当該半導体レーザ装置は、半導体レーザアレイスタックと、第1コリメータレンズと、光路変換素子と、光学素子を備えてもよい。
上記半導体レーザアレイは、所定平面上の第1方向に沿ってそれぞれ伸びかつ該第1方向と直交する第2方向に沿って該所定平面上に並列に配置された複数の活性層を有する。上記第1コリメータレンズは、活性層からそれぞれ出射された複数の光束を、所定平面に直交する第3方向に関してコリメートする。上記光路変換素子は、第1コリメータレンズから到達した光束であって第3方向に関してコリメートされた各光束を、その横断面をほぼ90°回転させた状態で該第3方向に関して所定の拡がり角で出射する。上記光学素子は、光路変換素子から出射された第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の少なくとも一部が到達する位置に配置され、活性層とともに外部共振器の少なくとも一部を構成する。この光学素子は、光路変換素子から到達した各光束の一部を反射させることにより、該反射された各光束の一部を活性層に帰還させるよう機能する。
なお、上記半導体レーザアレイスタックは、所定平面上の第1方向に沿ってそれぞれ伸びかつ該第1方向と直交する第2方向に沿って該所定平面上に並列に配置された複数の活性層をそれぞれが有する複数の半導体レーザアレイが該所定平面に直交する第3方向に積層されることにより構成されている。
この発明に係る半導体レーザ装置において、上記光路変換素子を通過した各光束は第3方向(垂直方向)への拡がりを有するが、各光束のなかで一定条件の光路を有する一部の光束成分が、上記光学素子によって半導体レーザアレイの活性層にそれぞれ帰還する。活性層へ帰還した光束成分は半導体レーザアレイの出射面に対向する端面まで戻り、反射されるので、半導体レーザアレイの出射面に対向する端面と光学素子との間(以下、外部共振器という)で共振することとなる。つまり、一定条件の光路を有する光束成分が選択的に出射面に対向する端面へ戻り、外部共振器で共振し、増幅することになる(以下、このような増幅が起こる光束の条件を「増幅条件」という)。よって、上記光学素子を透過し最終的に半導体レーザ装置から出射されるレーザ光の光強度分布は、増幅条件を満たす光束成分に対応する方向のピークがより顕著になる。すなわち、当該半導体レーザ装置から出射されるレーザ光の拡がり角を小さくすることができる。
この発明に係る半導体レーザ装置においては、上記光学素子は、上記光路変換素子からの光束を反射する反射面を有してもよい。この場合、反射面は、上記光路変換素子からの光束の光軸からはなれた位置の光束を上記活性層へ帰還させるように、光軸に直交する面に対し傾けられるのが好ましい。当該半導体レーザアレイから出射されたレーザ光は、第1方向(活性層が伸びる方向と一致した出射方向)と光強度との関係を示す光強度分布が、第2方向(活性層の配列方向)ついては光軸方向をピークとするガウス分布とならず、光軸からずれた位置にピークを有する場合が多い。このような場合であっても、当該半導体レーザ装置によれば、光学素子の反射面の角度を適宜調整することにより、上記ピークを有する方向が増幅条件を満たすように合わせることができる。このように光強度がピークとなっている出射方向のレーザ光を選択して共振させることができるので、さらに光密度を高めることができる。
また、この発明に係る半導体レーザ装置は、上記光路変換素子と上記光学素子との間の共振光路上に配置され、該光路変換素子から出射された第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束を、該第3方向に関してコリメートする第2コリメータレンズを、さらに備えてもよい。このような構造を有する半導体レーザ装置によれば、上記光路変換素子を透過したレーザ光を、垂直方法(第3方向)に関してより平行に近くなるようにコリメータレンズで屈折させることができる。これにより、上記光路変換素子と光学素子との間の距離を大きくすることも可能になり、当該半導体レーザ装置の設計自由度を向上させることができる。
なお、上記光学素子は、特定波長の光束を反射する機能を有する素子であり、ミラーの他、波長選択素子であってもよい。
この発明に係る半導体レーザ装置は、少なくとも、半導体レーザアレイ及び半導体アレイスタックのいずれかと、第1コリメータレンズと、光路変換素子と、光学素子とを備え、特に上記光学素子は、光路変換素子から出射された第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の一部を横切る一方残りを通過させる位置に配置されるとともに、活性層から出射される各光束の光軸からずれた共振光路を有する軸ずれ外部共振器を活性層とともに構成するのが好ましい。この場合、反射面は、到達した各光束の一部を全反射することにより該全反射された各光束の一部を活性層に帰還させるよう、光路変換素子から出射される各光束の光軸に直交する面に対して所定角度傾けられている。なお、この明細書において「全反射」とは、入射光の95%以上の反射を意味する(反射率95%以上)。
この発明に係る半導体レーザ装置において、上記光路変換素子を通過した各光束は第3方向へ拡がって放射される。上記光学素子は光路変換素子を通過した各光束の光路の一部を横切るように配置されているので、拡がった各光束の一部は光学素子の反射面に入射し、残りは反射面に入射しない。反射面に入射した光束は反射面によって全反射される。また、上記光学素子は、光学変換素子から出射された光束の光軸に対して傾いているので、該光学素子において反射された光束のうちの少なくとも一部は入射経路を逆向きに半導体レーザアレイまで帰還し、半導体レーザアレイの出射面に対向する端面まで戻る。さらに、この光束は出射面に対向する端面で反射され、再び発光領域(活性層)から出射される。このように活性層で発生したレーザ光の一部は反射面と半導体レーザアレイの出射面に対向する端面との間を往復し、共振することとなる。すなわち、反射面と半導体レーザアレイの出射面に対向する端面との間でレーザ光の外部共振器が形成される。半導体レーザアレイから出射されるレーザ光は上記外部共振器で共振することにより空間横モードが単一モードに近づき、拡散角が小さくなる。
一方、上記光路変換素子から放射される光束のうち反射面に入射しない光束は、光学素子から見て半導体レーザアレイの反対側、すなわち半導体レーザ装置の外部へ出射される。よって、外部共振器によって拡散角が小さくなったレーザ光が最終的に出力光として半導体レーザ装置から出射されることとなる。このように、当該半導体レーザ装置によれば、出射されるレーザ光の拡散角を小さくすることができる。また、当該半導体レーザ装置によれば、外部共振器の共振光の光路(以下、共振光路という)と出力光の光路(以下、出力光路という)とを反射面の物理的な設置位置によって分割しているので、反射面として全反射の反射面を用いることができる。したがって、共振光を強くすることができ、強い出力光を得ることができる。
また、この発明に係る半導体レーザ装置において、上記反射面の設置角度は、光路変換素子から出射される各光束の拡散角の2分の1よりも小さいのが好ましい。上記光学素子の反射面が光軸に垂直な面に対してなす角度が、光学素子から出射される光束の拡散角の2分の1よりも小さければ、光学素子から反射面へ入射する光束のなかに、反射面に垂直に入射し活性層へ帰還する光束が必ず存在することとなり、上述した外部共振器が必ず形成されることとなる。
この発明に係る半導体レーザ装置において、上記光学素子の反射面は、光路変換素子から出射される各光束の光軸を横切るように設置される。反射面が光軸を横切るように配置されることにより、光路変換素子から出射される各光束の断面積の半分以上を反射面で反射し、残り半分以下の断面積の出力光を外部へ出射するように設定することが可能になる。この場合、各光束の半分以上を反射させるので、強い共振光を得ることができ、強い出力光を得ることができる。
この発明に係る半導体レーザ装置は、上記光路変換素子と光学素子との間の共振光路上に配置され、該光路変換素子から出射された第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束を、該第3方向に関してコリメートする第2コリメータレンズを備えてもよい。この場合、光路変換素子を透過したレーザ光を第2方向(活性層の配列方向)と垂直な面内においてより平行に近くなるようにコリメータレンズで屈折させることができる。これにより、光路変換素子と光学素子との間の距離を大きくすることも可能となり、当該半導体レーザ装置の設計自由度を向上させることができる。
この発明に係る半導体レーザ装置は、少なくとも、半導体レーザアレイスタックと、第1コリメータレンズと、光路変換素子と、光学素子とを備え、特に上記光学素子は、上記光路変換素子から出射された第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の少なくとも一部が到達する位置に配置されるとともに、活性層から出射される各光束の光軸からずれた共振光路を有する軸ずれ外部共振器を活性層とともに構成してもよい。この場合、光学素子の光路変換素子に対面する面には、該光路変換素子から到達した各光束の一部を活性層に帰還させるよう反射させる反射部と、該到達した各光束の残りを外部へ導く透過部とが、第3方向に沿って交互に配置されているのが好ましい。
この発明に係る半導体レーザ装置において、上記半導体レーザアレイスタックとして第3方向に積層された複数個の半導体レーザアレイの各活性層から出射される光束は、第1コリメータレンズにより屈折されることで第3方向については略平行となり、その後に光路変換素子により横断面が略90°回転させられる。この光路変換素子を通過した各光束は、第3方向へ拡がって放射され、上記光学素子に入射する。光学素子では、受光した各光束に対する反射部と透過部とが第3方向(半導体レーザアレイの積層方向)に沿って交互に設けられている。そして、光学素子の反射部で反射した光の少なくとも一部は、該光を出射した活性層に帰還されるので、これにより外部共振器が形成されて、活性層において誘導放出が起こり、レーザ発振する。一方、光学素子の透過部を透過した光は、光学素子から外部へ出射される。
また、この発明に係る半導体レーザ装置において、上記光学素子は、その表面に反射部と透過部とが所定方向に沿って交互に形成された透光性材料からなる平板状基材で構成されてもよい。この場合、光束ごとの反射部と透過部とが所定方向に沿って交互に基材に形成されて光学素子が一体化されているので、光学素子の扱いが容易となり、当該半導体レーザ装置の組立てや光軸調整が容易になる。
この発明に係る半導体レーザ装置において、上記光学素子の平板状基材は、反射部に入射する光の少なくとも一部を該反射部に垂直入射させるため、光路変換素子から出射される各光束の光軸に垂直な面に対して傾けられた状態で配置されるのが好ましい。この場合、光路変換素子から第3方向へ拡がって放射される光束のうち一部は、反射部に垂直入射して、入射経路とは逆の経路を辿って活性層に帰還される。これにより外部共振器が形成されて、高効率にレーザ発振を得ることができる。
上記光学素子の各反射部は、平板状基材の表面に形成された全反射膜、回折格子、あるいはエタロンであってもよい。また、各透過部は、平板状基材の表面に形成された反射低減膜であってもよい。
この発明に係る半導体レーザ装置は、光路変換素子と光学素子との間の共振光路上に配置され、該光路変換素子から出射された第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束を、該第3方向に関してコリメートする第2コリメータレンズをさらに備えてもよい。この場合、光路変換素子と光学素子との間の距離を大きくすることも可能となり、当該半導体レーザ装置の設計自由度を向上させることができる。
この発明に係る半導体レーザ装置は、半導体レーザアレイ及び半導体アレイスタックのいずれかと、第1コリメータレンズと、光路変換素子と、光学素子を備えるとともに、さらに波長選択素子を備えてもよい。上記波長選択素子は、光路変換素子と活性層との間の共振光路上に配置され、該活性層から出射される各光束の光軸からずれた共振光路を有する軸ずれ外部共振器を光学素子とともに構成し、該光路変換素子から到達した光のうち特定波長の光を選択的に該光路変換素子へ出射する。このとき、上記光学素子は、光路変換素子から出射された第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の少なくとも一部が到達する位置に配置され、また、上記光学素子は、光路変換素子に対面する面上に、該光路変換素子から到達した各光束の一部を活性層に帰還させるよう反射させる反射部と、該到達した各光束の残りを外部へ導く透過部とを有する。
この発明に係る半導体レーザ装置において、半導体レーザアレイの各活性層から出射される光束は、第3方向に拡がっているが、第1コリメータレンズにより屈折されることで該第3方向については略平行とされ、その後に光路変換素子により横断面が略90°回転させられる。この光路変換素子を通過した各光束は、第3方向へ拡がって放射され、光学素子に入射する。光学素子では、受光した各光束に対して反射部と透過部とが設けられている。光学素子の反射部で反射された光の少なくとも一部は、該光を出射した活性層に帰還されるので、これにより外部共振器が形成されて、活性層において誘導放出が起こり、レーザ発振が得られる。一方、光学素子の透過部を透過した光は、当該光学素子から外部へ出射される。
また、この発明に係る半導体レーザ装置では、光学素子の反射部と活性層との間の共振光路上に波長選択素子が設けられており、その光路を経て波長選択素子に入射する光のうち特定波長の光が選択的に波長選択素子から該光路へ出射される。したがって、波長選択素子により選択された特定波長の光が共振して、その特定波長の光が光学素子の透過部を透過して外部へ出射させるので、この出射光のスペクトル幅が十分に狭くなる。
この発明に係る半導体レーザ装置も、光路変換素子と光学素子との間の共振光路上に配置され、該光路変換素子から出射された第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束を、該第3方向に関してコリメートする第2コリメータレンズをさらに備えてもよい。この場合、光路変換素子と光学素子との間の距離を大きくすることも可能となり、当該半導体レーザ装置の設計自由度を向上させることができる。
なお、上記波長選択素子は、回折格子素子、エタロンフィルタ又は誘電体多層膜フィルタであるのが好ましい。波長選択素子は、光学素子の反射部とは別個に設けられた透過型素子あってもよく、また、光学素子の反射部に設けられた反射型素子であってもよい。波長選択素子が反射型素子である場合、該波長選択素子は光学素子と一体化されるのが好ましい。いずれの場合にも、当該半導体レーザ装置から出射されるレーザ光のスペクトル幅を充分に狭くすることができる。また、波長選択素子として回折格子素子が適用される場合、回折格子素子の傾斜角を調整することで、当該半導体レーザ装置から出射されるレーザ光の波長を変更することができる。
上記光学素子は、単に反射ミラーが反射部となり、透過部として何ら媒質が設けられていなくてもよい。この場合、光路変換素子から到達する光束の一部を反射するように該反射ミラーが配置され、該光束の残部が当該半導体レーザ装置の出射光となる。
また、上記光学素子は、その表面に反射部と透過部とが形成された透光性材料からなる平板状基材であるのが好ましい。この場合、平板状基板に反射部と透過部とが形成されているので、光学素子の取り扱いが容易となり、半導体レーザ装置の組立てや光軸調整が容易になる。
上記光学素子は、反射部と透過部とが第3方向(半導体レーザアレイスタックにおけて複数個の半導体レーザアレイが積層されている方向)に沿って交互に設けられるのが好ましく、また、反射部と透過部とが所定方向(半導体レーザアレイスタックにおいて複数個の半導体レーザアレイが積層されている第3方向)に沿って交互に形成されてもよい。
さらに、上記光学素子は、光路変換素子から出射される各光束の光軸に垂直な面に対して反射部が傾斜した状態で配置され、該反射部に入射する光の少なくとも一部は入射方向と同じ出射方向に反射させるのが好ましい。この場合、光路変換素子から出射される光束の光軸に垂直な面に対して、上記平板状基材が傾けられ、また、該光路変換素子から光学素子に入射する光束の一部はその入射方向と同じ出射方向に反射されるので、入射経路とは逆の経路を辿って活性層に帰還される。これにより外部共振器が形成されて、高効率にレーザ発振を得ることができる。
なお、上記光学素子の反射部が単に反射ミラーである場合や、該反射部にエタロンフィルタや誘電体多層膜フィルタが一体化されている場合には、反射部に入射する光の少なくとも一部を該反射部に垂直入射させればよい。また、上記光学素子の反射部に反射型回折格子素子が一体化されている場合には、最終的に当該半導体レーザ装置の出射光とすべき光の波長に応じて、その波長の光の入射方向及び出射方向が互いに同じになるよう、反射部が傾けられた状態で配置される。
この発明に係る半導体レーザ装置は、半導体レーザアレイ及び半導体アレイスタックのいずれかと、第1コリメータレンズと、光路変換素子と、光学素子を備えとともに、さらに波長選択素子を備えてもよい。上記波長選択素子は、光路変換素子から出射された第3方向に拡がり角を持つ各光束の一部が垂直方向から到達するよう配置されるとともに、活性層から出射される各光束の光軸からずれた共振光路を有する軸ずれ外部共振器を光学素子とともに構成する。また、この波長選択素子は、該垂直方向から到達した光のうち特定波長の光の一部を活性層へ帰還させるようブラッグ反射させる一方、該特定波長の光の残りを透過させる。上記光学素子は、光路変換素子から出射された第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の少なくとも一部が到達する位置に配置される。また、上記光学素子は、光路変換素子に対面する面上に、該光路変換素子から到達した各光束の少なくとも一部を活性層に帰還させるよう反射させる反射部と、該到達した各光束の残りを外部へ導く透過部とを有する。
この発明に係る半導体レーザ装置において、半導体レーザアレイの各活性層から出射される光束は、各活性層からは第3方向に拡がって出射されるが、第1コリメータレンズにより屈折されることで該第3方向については略平行とされ、その後に光路変換素子により横断面が略90°回転させられる。この光路変換素子を通過した各光束は、第3方向へ拡がって放射され、光学素子の反射部又は波長選択素子に入射する。そして、光学素子の反射部で反射された光の少なくとも一部は、該光を出射した活性層に帰還される。また、波長選択素子に入射した光のうち特定波長の光の一部は該波長選択素子によりブラッグ反射され、その反射した光の少なくとも一部は、該光を出射した活性層に帰還される。この構成により、光学素子の反射部と波長選択素子との間で外部共振器が形成されて、その共振器の内部に位置する活性層において誘導放出が起こり、レーザ発振が得られる。一方、光学素子の透過部を透過した光は、当該半導体レーザ装置の出力光として外部へ出射される。
また、この発明に係る半導体レーザ装置は、ブラッグ反射させる上記波長選択素子に替えて、回折により光を回折・反射させる波長選択素子を備えてもよい。すなわち、この構成における波長選択素子は、光路変換素子によって横断面が回転された各光束(第3方向に関して所定の拡がり角を有する)を回折により反射させ、該回折光のうち特定波長を有する特定回折次数の光を、該光を出射した活性層に帰還させる一方、該特定波長を有する特定回折次数の光以外の光を外部へ出力する。
このような半導体レーザ装置において、半導体レーザアレイの各活性層から出射される光束は、各活性層からは第3方向に拡がって出射されるが、コリメータレンズにより屈折されることで該第3方向については略平行とされ、その後に光路変換素子により横断面が略90°回転させられる。この光路変換素子を通過した各光束は、第3方向へ拡がって放射され、光学素子の反射部又は波長選択素子に入射する。そして、光学素子の反射部で反射した光の少なくとも一部は、該光を出射した活性層に帰還される。また、波長選択素子に入射した光のうち特定波長を有する特定回折次数の光は、該光を出射した活性層に帰還される。この構成により、光学素子の反射部と波長選択素子との間で外部共振器が形成されて、その共振器の内部に位置する活性層において誘導放出が起こり、レーザ発振が得られる。一方、波長選択素子に入射した光のうち特定波長を有する特定回折次数の光以外は、当該半導体レーザ装置の出力光として外部へ出射される。
この発明に係る半導体レーザ装置は、上記光学素子と光路変換素子との間の共振光路、及び、上記波長選択素子と光路変換素子との間の共振光路それぞれをともに横切るように配置され、該光路変換素子から出射された第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束を、該第3方向に関してコリメートする第2コリメータレンズをさらに備えてもよい。この場合、光学素子と光路変換素子との間又は波長選択素子と光路変換素子との間の距離を大きくすることも可能になり、当該半導体レーザ装置の設計自由度を向上させることができる。
なお、上記光学素子は、単に反射ミラーが反射部となり、透過部として何ら媒質が設けられていなくてもよい。この場合、光路変換素子から到達する光束の一部を反射するように該反射ミラーが配置され、該光束の残りが波長選択素子に入射する。
上記光学素子は、その表面に反射部と透過部とが形成された透光性材料からなる平板状基材により構成されるのが好ましい。この場合、光束ごとの反射部と透過部とが第2方向に沿って交互に基材表面に形成され、光学素子が一体化されるので、この光学素子の扱いが容易となり、当該半導体レーザ装置の組立てや光軸調整が容易になる。
上記光学素子において、反射部と透過部は、第3方向(半導体レーザアレイスタックにおいて複数の半導体レーザアレイが積層されている方向)に沿って交互に設けられるのが好ましい。
さらに、上記光学素子において、反射部は、該反射部に入射する光の少なくとも一部を垂直入射させるよう、光路変換素子から出射される各光束の光軸に垂直な面に対して傾いた状態で配置されるのが好ましい。この場合、光路変換素子から第3方向へ拡がって放射される光束のうち一部は、該反射部に垂直入射して、入射経路とは逆の経路を辿って活性層に帰還される。これにより外部共振器が形成されて、高効率にレーザ発振を得ることができる。
ブラッグ反射させる波長選択素子は、上記光学素子における透過部の位置に設けられるのが好ましい。また、上記光学素子が、その表面に反射部と透過部が形成された透光性材料からなる平板状基材で構成された場合、その透過部として波長選択素子が基材上に設けられるのが好ましい。この構成により、当該半導体レーザ装置の部品数が少なくなり、組立てが容易になる。
なお、この発明に係る各実施例は、以下の詳細な説明及び添付図面によりさらに十分に理解可能となる。これら実施例は単に例示のために示されるものであって、この発明を限定するものと考えるべきではない。
また、この発明のさらなる応用範囲は、以下の詳細な説明から明らかになる。しかしながら、詳細な説明及び特定の事例はこの発明の好適な実施例を示すものではあるが、例示のためにのみ示されているものであって、この発明の思想及び範囲における様々な変形および改良はこの詳細な説明から当業者には自明であることは明らかである。
この発明によれば、小さい拡がり角を有するレーザ光を出射させ、さらには該レーザ光のスペクトル幅を狭くすることが可能になる。
以下、この発明に係る半導体レーザ装置の各実施例を、図2A〜2B、3、4A〜4B、5〜8、9A〜9C、10、11A〜11B、12、13A〜13B、14、15A〜16B、17、18A〜19B、20〜22、23A〜24B、25、26A〜26B、27〜28、29A〜29C、30〜31、32A〜32B、33〜34、35A〜35C、36〜37、38A〜41B、42、43A〜43C、44〜45、46A〜48B、49、50A〜54B、55、56A及び56Bを用いて詳細に説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
(第1実施例)
図2Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第1実施例の構成を示す平面図であり、図2Bは、その側面図である。この第1実施例に係る半導体レーザ装置100は、半導体レーザアレイ3、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、光学素子としての反射ミラー9を備える。これら図2A及び2Bに示されたように、半導体レーザアレイ3の活性層3aが配列された方向をy軸方向(第2方向)、活性層3aは伸びる方向、すなわちレーザ光が出射される方向をx軸方向(第1方向)、その双方に垂直な方向をz軸方向(第3方向)として座標軸(x軸、y軸、z軸)を設定し、以下の説明に用いる。
図3は、この第1実施例に係る半導体レーザ装置100に適用される半導体レーザアレイ3の構成を示す斜視図である。半導体レーザアレイ3はy軸方向(長手方向)に沿って並列に配列された複数の活性層3aを備える。それぞれの活性層3aからは光軸Aに沿ってレーザ光の光束が出射される。ここで、光軸Aは活性層3aの中心を通りx軸に平行な軸である。図4Aは、半導体レーザアレイ3の前端面(光出射面)を示す図であり、図4Bは、活性層3aの前端面を示す図である。半導体レーザアレイ3は、幅1cmの間に活性層3aが、500μmの間隔でy軸方向に一列に配列された構造を有する。その活性層3aの断面は、100μmの幅、1μmの厚さを有する。
1つの活性層3aから出射されたレーザ光の光束L1は、光軸Aを中心としてz軸方向へ約30°、y軸方向へ約8°の拡がり角を有する。図5は、活性層3aから出射された光束L1のy軸方向における光強度分布である。グラフの横軸は、光軸Aからの角度、縦軸はレーザ光束の光強度を表している。この図5から分かるように、強度分布はガウス分布とはならず、角度αにピークを有する。すなわち、各活性層3aから出射される光束のうち、角度α方向へ出射される光束成分が最も強い光強度を有している。
図6は、この第1実施例に係る半導体レーザ装置100に適用される第1コリメータレンズ5の構成を示す斜視図である。この第1コリメータレンズ5は、x軸方向の長さが0.4mmであり、y軸方向の長さが12mmであり、z軸方向の長さが0.6mmである。第1コリメータレンズ5は、y軸方向に沿って細長い形状をしている。第1コリメータレンズ5の前後のレンズ面は、y軸方向に沿った母線をもつ円柱面である。
第1コリメータレンズ5は、母線方向を含む面内では屈折作用を有しないが、母線に垂直な面内では屈折作用を有している。上述のように、活性層3aから出射される光束は、垂直方向(z軸方向)の拡がり角が大きいので、該光束の集光効率を高めるためには、第1コリメータレンズ5の屈折作用を利用して光束の拡がりを抑える必要がある。第1コリメータレンズ5と半導体レーザアレイ3は、第1コリメータレンズ5の母線と半導体レーザアレイ3の垂直方向(z軸方向)とが直交するような位置関係に設置されている。このように設置されると、活性層3aから出射された光束を第1コリメータレンズ5の母線に垂直な面内で屈折させ、平行化することができる。すなわち、第1コリメータレンズ5は、各活性層3aから出射された光束の垂直方向(z軸方向)の成分を屈折させ、平行化する。また、この平行化を効率良く行うために、第1コリメータレンズ5は活性層3aと近接して配置される。半導体レーザアレイ3の活性層3aから出射される光束は、すべて一つの第1コリメータレンズ5に入射する。
図7は、この第1実施例に係る半導体レーザ装置100に適用される光路変換素子7の構成を示す斜視図である。光路変換素子7は、ガラス、石英等の透光性材料からなる。x軸方向の長さは1.5mm、y軸方向の長さは12mm、z軸方向の長さは1.5mmである。このように、光路変換素子7は、y軸方向に沿って細長い形状をしている。
光路変換素子7は、第1コリメータレンズ5で平行化された光束の横断面をほぼ90°回転させる。第1コリメータレンズ5から出射されるすべての光束は、光路変換素子7に入射する。光路変換素子7は、互いに対向する入射面7aと出射面7bとを有している。この入射面7aは、並列に配置された幅0.5mmの複数の円柱面を有している。これらの円柱面は、y軸方向に対して45°の角度で延びている。これらの円柱面の数は、半導体レーザアレイ3の活性層3aの数に等しい。すなわち、これらの円柱面は活性層3aと1対1に対応している。出射面7bも同様に、並列に配置された幅0.5mmの複数の円柱面を有している。これらの円柱面も、y軸方向に対して45°の角度で延びている。これらの円柱面も、活性層3aと1対1に対応している。したがって、半導体レーザアレイ3の各活性層3aから出射される光束は、すべて対応する一つの光路変換素子7に入射する。
なお、光路変換素子の他の例は、上記文献1に記載されている。
図8は、この第1実施例に係る半導体レーザ装置に適用される光学素子である反射ミラー9の構成を示す斜視図である。反射ミラー9はガラス、石英等の透光性材料からなる直方体形状の基材9sを有し、互いに対向する反射面9a及び出射面9cを有している。反射面9aには反射膜9bが設けられており、反射面9aは光路変換素子7からの光束を一部反射する。反射膜9bの反射率は数〜数10%となっている。反射面9aで反射されず透過した光束は基材9sを透過し出射面9cより出射する。出射面9cにはARコート9dが設けられており基材9sを透過した光束を出射面で反射することなく透過させるようになっている。反射ミラー9は、反射面9aがx軸方向に垂直になるように設置されている。反射ミラー9の寸法は、x軸方向の長さ1〜2mm、y軸方向の長さ12〜15mm、z軸方向の長さ1〜5mmである。
続いて、図2A〜2B及び図9A〜9Cを用いて、半導体レーザ装置100の動作について説明する。図9Aは、活性層3aで発生した光の出射時の横断面(出射パターン)を示し、図9Bは、活性層3aから出射した光束が第1コリメータレンズ5を通過した後の当該光束の横断面を示し、そして、図9Cは、第1コリメータレンズ5を通過した光束が光路変換素子7を通過した後の当該光束の横断面を示している。
まず、半導体レーザアレイ3の活性層3aからそれぞれ光束L1がx軸方向へ出射される。光束L1は光軸Aを中心にしてy軸方向において8°、z軸方向へ30°の拡がり角を有している(図9A)。活性層3aの横断面の垂直方向の長さは、水平方向の長さの100分の1である(図4A及び4B)。したがって、活性層3aから出射する際、光束の横断面は水平方向に細長い。活性層3aから出射された光束が第1コリメータレンズ5に到達するまでに多少拡散しても、その光束の横断面の垂直方向の長さは水平方向の長さの2倍以下に抑えることができる。すなわち、第1コリメータレンズ5に入射する光束の横断面も、水平方向に細長い形状を有している。
次に、光束L1は第1コリメータレンズ5へ入射する。第1コリメータレンズ5はy軸に垂直な面(xz平面に平行な面)内で光束L1を屈折させ光束L2としてx軸方向へ出射する。光束L2はz軸方向の拡がり角はほぼ0°となり、z軸方向については屈折作用を受けないため、ほぼ平行光束となっている(図9B)。第1コリメータレンズ5はy軸を含む面内においての屈折作用は有しないので、y軸方向の拡がり角は8°光束L1と同様に8°である。
次に、光束L2は隣接する光束同士が交差する前に光路変換素子7へ入射する。光路変換素子7は光束L2の横断面をほぼ90°回転させ光束L3としてx軸方向へ出射する。垂直方向で平行化された光束は、ここで水平方向で平行化された光束へ変換される。これにより、光束の横断面は、垂直方向に長く水平方向に短い形状となる(図9C)。光束L3は光束L2の横断面をほぼ90°回転させたことによって光束L2における拡がり角の方向もほぼ90°回転することとなる。すなわち、光束L3はy軸方向についてはほぼ平行光となり、z軸方向には8°の拡がり角を有している。y軸方向についてほぼ平行光となるので隣接するL3同士が交差することを防止することができる。
次に、光束L3は反射ミラー9へ入射する。光束L3は反射面9aで数〜数10%が光束L5として反射され、残りは反射ミラー9を透過する。光束L3のうち光軸Aと反射面9aとの交点9xの近傍に入射した一部の光束L31は、反射面9aに反射され光束L51となる。光束L31は反射面9aにほぼ垂直に入射した光束であるので、反射面9aでほぼ正反対向きに光束L51として反射される。光束L51は活性層3aから反射面9aへ至った光路とまったく逆向きに帰還し、半導体レーザアレイ3の活性層3aまで戻り、さらに、半導体レーザアレイ3のレーザ光が出射される端面に対向する端面3bへ達する。端面3bに達した光束は端面3bで反射され、再び活性層3aからx軸方向へ出射される。出射された光束は再び上記光路で反射面9aまで達し、反射面9aまで達した光束のうち交点9xの近傍に入射した一部のみが再び光路を逆向きに帰還し端面3bへ戻る。以上のように一部の光束が反射面9aと端面3bとの間(外部共振器)を往復するに従って光強度が増幅される。増幅された光束の一部が反射面9aを透過して最終的に光束L4として出射される。
上述のように、第1実施例に係る半導体レーザ装置100によれば、各活性層3aから出射される光束のうち光強度が増幅される光束は、反射面9aに入射する光束L3のうち反射面9aに垂直に近い角度で入射した(交点9x近傍に入射した)光束L31のみであり、それ以外の光束については上記のような増幅がおこらない。すなわち、光束L31のように光軸Aとのなす角が小さい光束のみが増幅条件を満たし、外部共振器によって選択的に増幅されることとなる。よって、出射される光束L4は光軸Aとのなす角が小さい成分が選択的に増幅された光束となっている。
このため、光束L4(すなわち最終的に半導体レーザ装置100から出射されるレーザ光)は拡がり角が極めて小さい光束の成分が多くなっており、光束L4の光強度分布は図10に示されたような分布となる。なお、図10の横軸は、光軸Aからの角度、縦軸はレーザ光束の光強度を表している。活性層3aから出射される光束の光強度分布(図5参照)と比較して、ピークは1つとなり、かつ、ピークがより鋭くなっている。換言すると、半導体レーザ装置100から出射されるレーザ光は拡がり角が小さくなっている。この拡がり角は、活性層のサイズ等の諸条件によって異なるが、上記半導体レーザ装置100の場合には2°程度となり、活性層3aから出射される光束の拡がり角8°に比較して小さくなっている。
(第2実施例)
図11Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第2実施例の構成を示す平面図(z軸方向から見た図)であり、図11Bは、その側面図(y軸方向から見た図)である。
第1実施例に係る半導体レーザ装置100では反射ミラー9が、反射面9aがx軸方向に垂直になるように設置されているが、当該半導体レーザ装置110においては、反射面9aが光軸Aに垂直な面(yz平面に平行な面)に対して傾くように設置されている。反射面9aは図に示されたように、反射面9aの法線がxz平面と平行を保つように傾けられており、傾きの角度はθである。この相違点以外は当該第2実施例に係る半導体レーザ装置110の構成は、上述の第1実施例に係る半導体レーザ装置100の構成とまったく同じであるので説明を省略する。
図11A、11B及び12を用いて、設定された角度θについて説明する。図12において、グラフの横軸は、光軸Aからの角度、縦軸はレーザ光束の光強度を表している。破線は、活性層3aから出射された光束の光強度分布である。半導体レーザアレイ3の活性層3aから出射される光束のy軸方向についての光強度分布は前述のとおり角度αの方向にピークを有する。すなわち、角度α方向付近に出射された光束Lmが最も大きい光強度を有する。光束Lmは活性層3aから出射された後、図11A及び11B中に太線で示したLmの光路で反射面9aへ入射する。ここで角度θはθ=αに設定されているので、光束Lmは反射面9aへ垂直に入射することとなり、正反対向きへ反射され、光軸Aから離れた位置の光束Lmを半導体レーザアレイ3の活性層3aへ帰還させることができる。このため、光束Lmが増幅条件を満たしていることとなる。
半導体レーザアレイ3から出射される光束は光軸A方向以外の角度αの方向に光強度のピークを有しているが、当該半導体レーザ装置110によれば、活性層3aから角度αで出射された光束Lmが増幅条件を満たすように反射面9aの傾き角度θを設定することができる。よって、当該半導体レーザ装置110によれば、光強度がピークとなるような光束を選択して共振させ、増幅することができるので、さらに大きい光強度のレーザ光を出射することができる。なお、図12中の実線は、半導体レーザ装置110から出射された光束の光強度分布である。
(第3実施例)
図13Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第3実施例の構成を示す平面図(z軸方向から見た図)であり、図13Bは、その側面図(y軸方向から見た図)である。
この第3実施例に係る半導体レーザ装置120では、光路変換素子7と反射ミラー9との間に第2コリメータレンズ8が設置されている。この相違点を除き、当該第3実施例に係る半導体レーザ装置120の構成は、上述の第1実施例に係る半導体レーザ装置100の構成とまったく同じであるので説明を省略する。
図14は、この第3実施例に係る半導体レーザ装置120に適用される第2コリメータレンズ8の構成を示す斜視図である。第2コリメータレンズ8の前後のレンズ面は、y軸方向に沿った母線をもつ円柱面である。第2コリメータレンズ8は、母線方向を含む面内では屈折作用を有しないが、母線に垂直な面内では屈折作用を有している。図14に示されたように、母線方向、すなわちy軸方向の長さが12mmであり、x軸方向の長さが0.5〜3mm、z軸方向の長さが1.5〜10mmである。光路変換素子7から出射した光束は、すべて第2コリメータレンズ8に入射する。第2コリメータレンズ8は、その母線とz軸方向とが直交するように設置されている。このように設置されているので、光路変換素子7から出射した光束を第2コリメータレンズ8の母線に垂直な面内で屈折させ、平行に近づけることができる。
この第3実施例に係る半導体レーザ装置120によれば、光路変換素子7を透過したレーザ光を長手方向と垂直な面内においてより平行に近くなるように第2コリメータレンズ8で屈折させることができる。それにより、光路変換素子7と反射ミラー9との間の距離を大きくすることも可能となり、当該半導体レーザ装置120の設計自由度を向上させることができる。
また、この第3実施例に係る半導体レーザ装置120において、反射ミラー9は反射面9aが光軸Aに垂直な面に対し傾くように設置されてもよい。この傾き角度を適当に設定することによって、光強度がピークとなるような光束を選択して共振させ、増幅することができるので、さらに大きい光強度の光束を出射ることができる。
(第4実施例)
図15Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第4実施例の構成を示す平面図(z軸方向から見た図)であり、図15Bは、その側面図(y軸方向から見た図)である。
この第4実施例に係る半導体レーザ装置130では、第1実施例に係る半導体レーザ装置100と異なり、光学素子である反射ミラー9は、半導体レーザアレイ3の活性層3aから出射される光束の光軸からずれた位置であって、該光束がその反射面に垂直入射するよう配置されている。なお、この相違点以外は半導体レーザ装置130の構成は半導体レーザ装置100の構成とまったく同じであるので説明を省略する。
(第5実施例)
図16Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第5実施例の構成を示す平面図(z軸方向から見た図)であり、図16Bは、その側面図(y軸方向から見た図)である。
この第5実施例に係る半導体レーザ装置140は、半導体レーザアレイスタック4、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、光学素子としての反射ミラー9を備える。
図17は、この第5実施例に係る半導体レーザ装置140に適用される半導体レーザアレイスタック4の構成を示す斜視図である。半導体レーザアレイスタック4は、図17に示されたように、複数の半導体レーザアレイ3と複数のヒートシンク4hとがz軸方向に沿って交互に配置された構造を有している。
ヒートシンク4hは、半導体レーザアレイ3を冷却する。ヒートシンク4hは、銅製の平板状部材を組み合わせて形成した冷却水路を有している。冷却水は、この冷却水路内を循環する。
この第5実施例において、各第1コリメータレンズ5は、上述の第1実施例に係る半導体レーザ装置100の第1コリメータレンズ5と同じ構成(図6)を有している。第1コリメータレンズ5は、当該第1コリメータレンズ5の母線と対向する半導体レーザアレイ3の垂直方向(z軸方向)とが直交するように設置される。このように設置されると、活性層3aから出射された光束を第1コリメータレンズ5の母線に垂直な面内で屈折させ、平行化することができる。すなわち、第1コリメータレンズ5は、各活性層3aから出射された光束の垂直方向(z軸方向)の成分を屈折させ、平行化する。また、この平行化を効率良く行うために、第1コリメータレンズ5は活性層3aと近接させて配置される。このため、第1コリメータレンズ5は、半導体レーザアレイ3と1対1に対応している。すなわち、第1コリメータレンズ5の設置数は、半導体レーザアレイ3の数に等しい。各第1コリメータレンズ5は、それぞれ一つの半導体レーザアレイ3と対向するように配置されている。したがって、一つの半導体レーザアレイ3の活性層3aから出射する光束は、すべて一つの第1コリメータレンズ5に入射する。
同様に、各光路変換素子7は、上述の第1実施例に係る半導体レーザ装置100の光路変換素子7と同じ構成(図7)を有している。光路変換素子7は、第1コリメータレンズ5で平行化された光束の横断面をほぼ90°回転させる。このため、光路変換素子7は、第1コリメータレンズ5と1対1に対応させて配置される。すなわち、各光路変換素子7は、それぞれ一つの第1コリメータレンズ5と対向するよう配置される。したがって、一つの第1コリメータレンズ5から出射されるすべての光束は、対応する一つの光路変換素子7に入射する。各光路変換素子7の各円柱面は、活性層3aと1対1に対応している。したがって、一つの半導体レーザアレイ3の各活性層3aから出射される光束は、すべて対応する一つの光路変換素子7に入射する。
反射ミラー9も、上述の第1実施例に係る半導体レーザ装置100の反射ミラー9と同じ構成(図8)を有している。反射ミラー9は、反射面9aがx軸方向に垂直になるように設置されている。反射ミラー9の寸法はx軸方向の長さ1〜2mm、y軸方向の長さ12〜15mmとなっており、z軸方向の長さは半導体レーザアレイスタック4のz軸方向の長さよりも1〜5mm長くなっている。反射ミラー9は各半導体レーザアレイ3から出射された光束はすべて反射ミラー9に入射するようになっている。
この第5実施例に係る半導体レーザ装置140によれば、各活性層3aから出射される光束のうち光強度が増幅される光束は、反射面9aに入射する光束L3のうち反射面9aに垂直に近い角度で入射した光束L31のみであり、それ以外の光束については上述のような増幅は起こらない。すなわち、光束L31のように光軸Aとのなす角が小さい光束のみが増幅条件を満たし、外部共振器によって選択的に増幅されることとなる。よって、出射される光束L4は光軸Aとのなす角が小さい成分が選択的に増幅された光束となっている。
このため、光束L4(すなわち最終的に当該半導体レーザ装置140から出射されるレーザ光)は拡がり角が極めて小さい光束の成分が多くなっており、光束L4の光強度分布は、図10と同様の分布となる。活性層3aから出射される光束の光強度分布(図5参照)と比較して、ピークは1つとなり、かつ、ピークがより鋭くなっている。換言すると、当該半導体レーザ装置140から出射されるレーザ光は拡がり角が小さくなっている。この拡がり角は、活性層のサイズ等の諸条件によって異なるが、当該半導体レーザ装置140の場合には2°程度となり、活性層3aから出射される光束の拡がり角8°に比較して小さくなっている。
なお、この発明は上述の実施例に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、図18A〜18Cは、上述の第5実施例に係る半導体レーザ装置140の変形例の構成を示す側面図である。当該半導体レーザ装置140は、図18Aに示されたように、各光路変換素子7と各反射ミラー9との間に第2コリメータレンズ8が設置されてもよい。この第2コリメータレンズ8は、上述の第3実施形態に係る半導体レーザ装置120の第2コリメータレンズ8と同じ構成(図14)を有している。このように第2コリメータレンズ8が設置されれば、光路変換素子7を透過したレーザ光を長手方向と垂直な面内においてより平行に近くなるように第2コリメータレンズ8で屈折させることができる。そうすれば、光路変換素子7と反射ミラー9との間の距離を大きくすることも可能になり、当該半導体レーザ装置140の設計自由度を向上させることができる。
また、当該半導体レーザ装置140は、図18Bに示されたように、反射面9aがx軸に垂直な面に対し傾くように反射ミラー9が設置されてもよい。この傾き角度が適当に設定されることによって、光強度がピークとなるような光束を選択して共振させ、増幅することができるので、さらに大きい光強度の光束を出射させることができる。
さらに、当該半導体レーザ装置140は、図18Cに示されたように、各光路変換素子7と各反射ミラー9との間に第2コリメータレンズ8が設置され、かつ、反射面9aがx軸に垂直な面に対し傾くように反射ミラー9が設置されてもよい。この構成によって、当該半導体レーザ装置140の設計自由度を向上させることができるとともに、大きい光強度の光束を出射させることができる
(第6実施例)
図19Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第6実施例の構成を示す平面図であり、図19Bは、その側面図である。この第6実施例に係る半導体レーザ装置150は、半導体レーザアレイ3、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、反射ミラー(光学素子)9を備えている。
半導体レーザアレイ3は、第1実施例と同様の構造(図3)を有する。半導体レーザアレイ3はy軸方向(長手方向)に沿って並列に配列された複数の活性層3aを有している。それぞれの活性層3aからは光軸Aに沿ってレーザ光の光束が出射される。ここで、光軸Aは活性層3aの中心を通りx軸に平行な軸である。また、半導体レーザアレイ3の前端面(光出射面)は、図4Aと同様の構造を有するとともに、活性層3aの前端面は、図4Bと同様の構造を有する。半導体レーザアレイ3は、幅1cmの間に活性層3aが、500μmの間隔でy軸方向に一列に配列された構造を有している。その活性層3aの断面は、100μmの幅、1μmの厚さを有している。また、半導体レーザアレイ3の前端面には反射率数%以下の反射膜がコーティングされている。
1つの活性層域3aから出射されたレーザ光の光束L1は、光軸Aを中心としてz軸方向へ約30°、y軸方向へ約8°の拡散角を有している。図20は、活性層3aから出射された光束L1のy軸方向における光強度分布である。グラフの横軸は、光軸Aからの角度、縦軸はレーザ光束の光強度を表している。この図20に示されたように、強度分布はガウス分布とはならず、不規則な分布となっている。
第1コリメータレンズ5の構造は第1実施例と同様の構造(図6)を有する。第1コリメータレンズ5の寸法は、x軸方向の長さが0.4mmであり、y軸方向の長さが12mmであり、z軸方向の長さが0.6mmである。第1コリメータレンズ5は、y軸方向に沿って細長い形状をしている。第1コリメータレンズ5の前後のレンズ面は、y軸方向に沿った母線をもつ円柱面である。
第1コリメータレンズ5は、母線方向(y軸方向)を含む面内では屈折作用を有しないが、母線に垂直な面内では屈折作用を有している。上述のように、活性層3aから出射される光束の垂直方向の拡散角が大きいので、該光束の集光効率を高めるためには、屈折作用を利用して光束の拡がりを抑える必要がある。第1コリメータレンズ5と半導体レーザアレイ3は、第1コリメータレンズ5の母線と半導体レーザアレイ3の垂直方向(z軸方向)とが直交するような位置関係に設置されている。このように設置されると、活性層3aから出射された光束を第1コリメータレンズ5の母線に垂直な面内で屈折させ、平行化することができる。すなわち、第1コリメータレンズ5は、各活性層3aから出射された光束の垂直方向(z軸方向)の成分を屈折させ、平行化する。また、この平行化を効率良く行うために、第1コリメータレンズ5は活性層3aと近接させて配置される。半導体レーザアレイ3の活性層3aから出射される光束は、すべて一つの第1コリメータレンズ5に入射する。
光路変換素子7の第1実施例と同様の構造(図7)を有する。光路変換素子7は、ガラス、石英等の透光性材料からなる。x軸方向の長さは1.5mm、y軸方向の長さは12mm、z軸方向の長さは1.5mmである。このように、光路変換素子7は、y軸方向に沿って細長い形状をしている。
光路変換素子7は、第1コリメータレンズ5で平行化された光束の横断面をほぼ90°回転させる。第1コリメータレンズ5から出射されるすべての光束は、光路変換素子7に入射する。光路変換素子7は、互いに対向する入射面7aと出射面7bとを有している。この入射面7aは、並列に配置された幅0.5mmの複数の円柱面を有している。これらの円柱面は、y軸方向に対して45°の角度で延びている。これらの円柱面の数は、半導体レーザアレイ3の活性層3aの数に等しい。すなわち、これらの円柱面は活性層3aと1対1に対応している。出射面7bも同様に、並列に配置された幅0.5mmの複数の円柱面を有している。これらの円柱面も、y軸方向に対して45°の角度で延びている。これらの円柱面も、活性層3aと1対1に対応している。したがって、半導体レーザアレイ3の各活性層3aから出射される光束は、すべて対応する一つの光路変換素子7に入射する。
なお、光路変換素子の他の例は、上記文献1に記載されている。
図21は、この第6実施例に係る半導体レーザ装置150に適用される光学素子としての反射ミラー9の構造を示す斜視図である。反射ミラー9はガラス、石英等の透光性材料からなる直方体形状の基材9sを備え、反射面9aを有している。反射面9aには反射膜9bが設けられており、反射面9aは光路変換素子7からの光束を全反射する。反射膜9bの反射率は99.5%以上となっている。反射ミラー9は光路変換素子7から出射される光束の光路の一部を横切っている。反射ミラー9は反射膜9aの縁部9dがy軸と平行になるように設けられており、縁部9dよりも−z側(図19Bにおいて下側)の光束は反射面9aに入射し、縁部9dよりも+z側(図19Bにおいて上側)の光束は反射面9aに入射せず外部へと出射される。反射面9aは光路変換素子7から出射される光束の光軸Aを横切るように設けられているため、反射面9aに入射しない光束よりも入射する光束の断面積のほうが大きくなる。
また、反射ミラー9は、反射面9aの法線がxz平面上にあるように、かつ、反射面9aとyz平面とのなす角が角度θとなるように、傾けて設置されている。反射面9aの傾きは、光路変換素子7の側へ伸びた反射面9aの法線が+z側に向くように、すなわち、光路変換素子7の側へ伸びた反射面9aの法線が光路変換素子7の側で光軸Aに近づくような向きに設定されている。角度θは光路変換素子7から出射される光束のz軸方向の拡散角αの2分の1(α/2)よりも小さい角度に設定されており、光路変換素子7から出射される光束の少なくとも一部が反射面9aに垂直に入射するようになっている。反射面9aに垂直に入射した光束は、反射面9aに反射され、入射経路を逆向きに帰還し、前記活性層3aまで戻る。反射ミラー9の寸法は、x軸方向の長さ1〜2mm、y軸方向の長さ12〜15mm、z軸方向の長さ0.8〜1.4mmである。
続いて、図19A〜19B及び第1実施例で説明された図9A〜9Cを参照し、当該半導体レーザ装置150の動作について説明する。
まず、半導体レーザアレイ3の活性層3aからそれぞれ光束L1がx軸方向へ出射される。光束L1は光軸Aを中心にしてy軸方向において8°、z軸方向へ30°の拡散角を有している(図9A)。活性層3aの横断面の垂直方向の長さは、水平方向の長さの100分の1である(図4A)。したがって、活性層3aから出射する際、光束の横断面は水平方向に細長い。活性層3aから出射した光束が第1コリメータレンズ5に到達するまでに多少拡散しても、その光束の横断面の垂直方向の長さは水平方向の長さの2倍以下に抑えることができる。すなわち、第1コリメータレンズ5に入射する光束の横断面も、水平方向に細長い形状を有している。
次に、光束L1は第1コリメータレンズ5へ入射する。第1コリメータレンズ5はy軸に垂直な面(xz平面に平行な面)内で光束L1を屈折させ光束L2としてx軸方向へ出射する。光束L2はz軸方向の拡散角はほぼ0°となり、y軸方向については屈折作用を受けない(図9B)。第1コリメータレンズ5はy軸を含む面内においての屈折作用は有しないので、y軸方向の拡散角は光束L1と同様の角度である。
次に、光束L2は隣接する光束同士が交差する前に光路変換素子7へ入射する。光路変換素子7は光束L2の横断面をほぼ90°回転させ光束L3としてx軸方向へ出射する。z軸方向で平行化された光束は、ここでy軸方向で平行化された光束へ変換される。これにより、光束の横断面は、z軸方向に長く水平方向に短い形状となる(図9C)。光束L3は光束L2の横断面をほぼ90°回転させたことによって光束L2が有していた拡散角の方向もほぼ90°回転することとなる。すなわち、光束L3はy軸方向についてはほぼ平行光となり、z軸方向には拡散角を有している。y軸方向についてほぼ平行光となるので隣接するL3同士が交差することを防止することができる。
光路変換素子7から見て光束L3の進行方向側には反射ミラー9が設けられており、反射ミラー9は反射面9aが光束L3の光路を一部のみ横切るように設置されているので、光路変換素子7から出射された光束L3は一部が反射面9aに入射し、残りの一部が反射面9aには入射しない。ここで、光束L3をz軸方向に2分し、光束L3のうち反射面9aに入射する光束L3rとし、反射面9aに入射しない光束L3tとして説明する。
光束L3rは光路変換素子7から出射され、反射ミラー9の反射面9aに入射する。反射面9a入射した光は全反射されるので、光束L3rは反射面9aで99.5%以上(ほぼ全部)が光束L5として反射される。前述のとおり、反射面9aは光軸Aに対して垂直ではなく角度θ傾けて設けられており、角度θは光路変換素子7から出射された光束L3の拡散角αの2分の1(α/2)よりも小さく設定されている。このため、光束L3rのうち反射面9aにほぼ垂直に入射する光束が存在し、垂直に入射した光束は、反射面9aでほぼ正反対向きに反射される。反射された光束は活性層3aから反射面9aへ至った光路をまったく逆向きに辿り帰還する。活性層3aへ帰還した光束は、一旦半導体レーザアレイ3の後方端面3bまで戻り、さらに、半導体レーザアレイ3のレーザ光が出射される出射端面(前方端面)へ達する。出射端面に達した光束の一部は後方端面3bに向かって反射され、再び該後方端面3bを経由して活性層3aからx軸方向へ出射される。出射された光束の一部は再び上記光路で反射面9aまで達し、反射面9aまで達した光束のうち反射面9aにほぼ垂直に入射した一部のみが再び光路を逆向きに帰還する。以上のように、光束の一部は、後方端面3bを経由する反射面9aと出射端面との間の共振光路(すなわち、反射面9aで反射された光が後方端面3bを経由して出射端面に向かう経路と、該出射端面から活性層3a内に向かって反射された光が後方端面3bを経由して反射面9aに向かう経路により構成されている)を往復するに従ってレーザ光の空間横モードが単一モードに近づく。一方、光束L3tは光路変換素子7から出射され、反射ミラー9の反射面9aに入射することなく半導体レーザ装置150の外部へ出射され、光束L3tが半導体レーザ装置150からの最終的な出力光となる。
上述のように、この第6実施例に係る半導体レーザ装置150は光束L3rの光路をふくむ共振光路と、光束L3tの光路を含む出力光路とを備えることとなる。よって、当該半導体レーザ装置150では、半導体レーザアレイ3で発生したレーザ光が共振光路で共振することで空間横モードが単一モードに近づき、空間横モードが単一モードに近ついたことで拡散角が小さくなったレーザ光を、出力光路から外部へ出力することができる。したがって、当該半導体レーザ装置150によれば、最終的な出力光の拡散角を小さくすることができる。また、共振光路及び出力光路は反射面9aの位置によって分割されているので、両光路を分割するためにハーフミラー等を用いる必要がなく、全反射の反射面9aを用いている。よって、ハーフミラー等を用いて共振光の光路と出力光の光路を形成する場合よりも強い共振光が得られ、強い出力光が得られる。
光束L3tのz軸方向に関する光強度分布は、図22に示されたような分布となる。光束L3tの光強度分布は、活性層3aから出射される光束の光強度分布(図20参照)と比較して、ピークは1つとなり、かつ、ピークがより鋭くなっている。換言すると、当該半導体レーザ装置150から出射されるレーザ光は拡散角が小さくなっている。この拡散角は、活性層のサイズ等の諸条件によって異なるが、当該半導体レーザ装置150の場合には1°程度となり、活性層3aから出射される光束の拡散角8°に比較して小さくなっている。
反射ミラー9の傾き角度θを変化させると、上記強度分布のピーク位置及びピーク強度が変化する。半導体レーザ装置150において、より高い強度の出力光を得るために、ピーク強度が最大となるような反射ミラー9の傾き角度を予め求め、求めた角度が角度θとして設定されてもよい。
また、この第6実施例に係る半導体レーザ装置150では、反射面9aとして平面の反射面を用いて光路変換素子7から出射された光束の一部を活性層3aへ帰還させているが、光路変換素子7から入射された光束の全部を垂直に全反射させるような凹面の反射面を用い、反射された光束の全部を活性層3aへ帰還させるようにしてもよい。
(第7実施例)
図23Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第7実施例の構成を示す平面図(z軸方向から見た図)であり、図23Bは、その側面図(y軸方向から見た図)である。
この第7実施例に係る半導体レーザ装置160では、光路変換素子7と反射ミラー9との間に第2コリメータレンズ8が設置されている。この相違点を除き、当該半導体レーザ装置160の構成は上述の第1及び第6実施例に係る半導体レーザ装置100、150の構成とまったく同じであるので説明を省略する。
設置された第2コリメータレンズ8は、第3実施例と同様の構成(図14)を有する。第2コリメータレンズ8の前後のレンズ面は、y軸方向に沿った母線をもつ円柱面である。第2コリメータレンズ8は、母線方向を含む面内では屈折作用を有しないが、母線に垂直な面内では屈折作用を有している。図14に示されたように、母線方向、すなわちy軸方向の長さが12mmであり、x軸方向の長さが0.5〜3mm、z軸方向の長さが1.5〜10mmである。光路変換素子7から出射された光束は、すべて第2コリメータレンズ8に入射する。第2コリメータレンズ8は、その母線とz軸方向とが直交するように設置されている。このように設置されているので、光路変換素子7から出射された光束を第2コリメータレンズ8の母線に垂直な面内で屈折させ、平行に近づけることができる。
この第7実施例に係る半導体レーザ装置160によれば、光路変換素子7を透過したレーザ光をy軸方向と垂直な面内においてより平行に近くなるように第2コリメータレンズ8で屈折させることができる。そうすれば、光路変換素子7と反射ミラー9との間の距離を大きくすることも可能となり、当該半導体レーザ装置160の設計自由度を向上させることができる。
(第8実施例)
図24Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第8実施例の構成を示す平面図(z軸方向から見た図)であり、図24Bは、その側面図(y軸方向から見た図)である。この第8実施例に係る半導体レーザ装置170は、半導体レーザアレイスタック4、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、反射ミラー(光学素子)9を備える。
半導体レーザアレイスタック4は、第5実施例と同様の構成(図17)を有する。半導体レーザアレイスタック4は、図17に示されたように、複数の半導体レーザアレイ3と複数のヒートシンク4hとがz軸方向に沿って交互に配置された構造を有している。
ヒートシンク4hは、半導体レーザアレイ3を冷却する。ヒートシンク4hは、銅製の平板状部材を組み合わせて形成した冷却水路を有している。冷却水は、この冷却水路内を循環する。
各第1コリメータレンズ5は、第1実施例や第6実施例と同様の構成(図6)を有している。第1コリメータレンズ5は、第1コリメータレンズ5の母線と対向する半導体レーザアレイ3の垂直方向(z軸方向)とが直交するように設置する。このように設置されると、活性層3aから出射された光束を第1コリメータレンズ5の母線に垂直な面内で屈折させ、平行化することができる。すなわち、第1コリメータレンズ5は、各活性層3aから出射された光束の垂直方向(z軸方向)の成分を屈折させ、平行化する。また、この平行化を効率良く行うために、第1コリメータレンズ5は活性層3aと近接させて配置される。このため、第1コリメータレンズ5は、半導体レーザアレイ3と1対1に対応している。すなわち、第1コリメータレンズ5の設置数は、半導体レーザアレイ3の数に等しい。各第1コリメータレンズ5は、それぞれ一つの半導体レーザアレイ3と対向するように配置されている。したがって、一つの半導体レーザアレイ3の活性層3aから出射する光束は、すべて一つの第1コリメータレンズ5に入射する。
各光路変換素子7は、第1実施例や第6実施例と同様の構成(図7)を有している。光路変換素子7は、第1コリメータレンズ5で平行化された光束の横断面をほぼ90°回転させる。このため、光路変換素子7は、第1コリメータレンズ5と1対1に対応させて配置される。すなわち、各光路変換素子7は、それぞれ一つの第1コリメータレンズ5と対向するよう配置される。したがって、一つの第1コリメータレンズ5から出射されるすべての光束は、対応する一つの光路変換素子7に入射する。各光路変換素子7の各円柱面は、活性層3aと1対1に対応している。したがって、一つの半導体レーザアレイ3の各活性層3aから出射される光束は、すべて対応する一つの光路変換素子7に入射する。
光学素子としての各反射ミラー9は、第6実施例と同様の構成(図21)を有している。各反射ミラー9は、各光路変換素子7から出射された各光束の一部を反射し、反射した各光束の一部は活性層3へ戻るようになっている。このため、反射ミラー9は、光路変換素子7と1対1に対応させて配置される。すなわち、各反射ミラー9は、それぞれ一つの光路変換素子7と対向するよう配置される。
この第8実施例に係る半導体レーザ装置170では、半導体レーザアレイ3で発生したレーザ光が外部共振器光路で共振することで空間横モードが単一モードに近づき、空間横モードが単一モードに近ついたことで拡散角が小さくなったレーザ光を、外部へ出力することができる。したがって、当該半導体レーザ装置170によれば、最終的な出力光の拡散角を小さくすることができる。
なお、この発明は上述の実施例に限定されることなく種々の変形が可能である。図25は、第8実施例に係る半導体レーザ装置170の変形例の構成を示す側面図である。この図25に示されたように、半導体レーザ装置170は、各光路変換素子7と各反射ミラー9との間に第2コリメータレンズ8が設置されている。この第2コリメータレンズ8は、第3実施例と同様の構成(図14)を有している。このように第2コリメータレンズ8が設置されれば、光路変換素子7を透過したレーザ光をy軸方向と垂直な面内においてより平行に近くなるように第2コリメータレンズ8で屈折させることができる。これにより、光路変換素子7と反射ミラー9との間の距離を大きくすることも可能となり、当該半導体レーザ装置170の設計自由度を向上させることができる。
(第9実施例)
図26Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第9実施例の構成を示す平面図であり、図26Bは、その側面図である。この第9実施例に係る半導体レーザ装置180は、半導体レーザアレイスタック4、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7および光学素子9を備える。
半導体レーザアレイスタック4は、第5実施例と同様の構成(図17)有する。半導体レーザアレイスタック4は、図17に示されたように、複数の半導体レーザアレイ3と複数のヒートシンク4hとがz軸方向に沿って交互に配置された構造を有している。ヒートシンク4hは、半導体レーザアレイ3を冷却する。ヒートシンク4hは、銅製の平板状部材を組み合わせて形成した冷却水路を有している。冷却水は、この冷却水路内を循環する。
上記半導体レーザアレイスタック4における半導体レーザアレイ3は、図3に示された構成を有する。各半導体レーザアレイ3は、y軸方向(長手方向)に沿って並列に配列された複数の活性層3aを有している。それぞれの活性層3aからは光軸Aに沿ってレーザ光の光束が出射される。ここで、光軸Aは活性層3aの中心を通りx軸に平行な軸である。また、半導体レーザアレイ3の前端面(光出射面)は図4Aと同様の個性を有し、活性層3aの前端面は図4Bと同様の構成を有する。半導体レーザアレイ3は、幅1cmの間に活性層3aが、500μmの間隔でy軸方向に一列に配列された構造を有している。その活性層3aの断面は、100μmの幅、1μmの厚さを有している。また、半導体レーザアレイ3の前端面には反射率十数%以下の反射膜がコーティングされている。
1つの活性層3aから出射されたレーザ光の光束L1は、光軸Aを中心として、z軸方向へ30°〜40°の拡がり角を有し、y軸方向へ8°〜10°の拡がり角を有している。図27は、活性層3aから出射された光束L1のy軸方向における光強度分布である。グラフの横軸は光軸Aからの角度を表し、縦軸はレーザ光束の光強度を表している。この図27に示されたように、強度分布は、ガウス分布とはならず、不規則な分布となっている。
第1コリメータレンズ5は、第1実施例と同様の構成(図6)を有する。第1コリメータレンズ5の前後のレンズ面は、y軸方向に沿った母線をもつ円柱面である。第1コリメータレンズ5の寸法は、x軸方向の長さが0.4mmであり、y軸方向の長さが12mmであり、z軸方向の長さが0.6mmである。第1コリメータレンズ5は、y軸方向に沿って細長い形状をしている。
第1コリメータレンズ5は、母線方向(y軸方向)を含む面内では屈折作用を有しないが、母線に垂直な面内では屈折作用を有している。上述のように、活性層3aから出射される光束の垂直方向の拡がり角が大きいので、該光束の集光効率を高めるためには、屈折作用を利用して光束の拡がりを抑える必要がある。第1コリメータレンズ5と半導体レーザアレイ3とは、第1コリメータレンズ5の母線と半導体レーザアレイ3の垂直方向(z軸方向)とが直交するような位置関係に設置されている。このように設置されると、活性層3aから出射された光束を、第1コリメータレンズ5の母線に垂直な面内で屈折させ、平行化することができる。すなわち、第1コリメータレンズ5は、各活性層3aから出射された光束の垂直方向(z軸方向)の成分を屈折させ、平行化する。また、この平行化を効率良く行うために、第1コリメータレンズ5は活性層3aと近接させて配置される。半導体レーザアレイ3の活性層3aから出射される光束は、すべて一つの第1コリメータレンズ5に入射する。
光路変換素子7も、第1実施例と同様の構成(図7)を有する。光路変換素子7は、ガラスや石英等の透光性材料からなる。x軸方向の長さは1.5mmであり、y軸方向の長さは12mmであり、z軸方向の長さは1.5mmである。このように、光路変換素子7は、y軸方向に沿って細長い形状をしている。
光路変換素子7は、第1コリメータレンズ5によりz軸方向について平行化された光束の横断面をほぼ90°回転させる。第1コリメータレンズ5から出射されるすべての光束は、光路変換素子7に入射する。光路変換素子7は、互いに対向する入射面7aと出射面7bとを有している。この入射面7aは、並列に配置された幅0.5mmの複数の円柱面を有している。これらの円柱面は、y軸方向に対して45°の角度で延びている。これらの円柱面の数は、半導体レーザアレイ3の活性層3aの数に等しい。すなわち、これらの円柱面は活性層3aと1対1に対応している。出射面7bも同様に、並列に配置された幅0.5mmの複数の円柱面を有している。これらの円柱面も、y軸方向に対して45°の角度で延びている。これらの円柱面も、活性層3aと1対1に対応している。したがって、半導体レーザアレイ3の各活性層3aから出射される光束は、すべて対応する一つの光路変換素子7に入射する。
なお、光路変換素子の他の例は、上記文献1に記載されている。
図28は、この第9実施例に係る半導体レーザ装置180に適用される光学素子9の構成を示す斜視図である。この図は、光路変換素子7の側から光学素子9を見たときの斜視図である。光学素子9は、光路変換素子7によって横断面が回転された各光束を受光し、その受光した各光束に対する反射部9aと透過部9bとがy軸方向に垂直な所定方向に沿って交互に設けられている。そして、光学素子9は、反射部9aで反射された光の少なくとも一部を、該光を出射した活性層3aに帰還させる。また、光学素子9は、透過部9bを透過した光を外部へ出射する。
光学素子9は、ガラスや石英等の透光性材料からなる平板状基材9sの一方の面(光路変換素子7側の面)に、反射部9aと透過部9bとがy軸方向に垂直な所定方向に沿って交互に形成されている。反射部9a及び透過部9bそれぞれは、上記所定方向についての幅が一定でy軸方向に延びている。すなわち、光学素子9は、ストライプ状に複数の反射部9aを有している。
反射部9aは、光路変換素子7から入射した光を高反射率(例えば99.5%以上の反射率)で反射するのが好ましく、例えば、全反射膜、回折格子、又はエタロンにより構成される。透過部9bは、光路変換素子7から入射した光を高透過率(例えば99.5%以上の透過率)で透過させるのが好ましく、例えば反射低減膜により構成される。また、基材9sの他方の面(光路変換素子7側とは反対側の面)には、反射低減膜が形成されているのが好ましい。
互いに隣接する1対の反射部9a及び透過部9bは、1つの半導体レーザアレイ3と対応しており、それら反射部9aと透過部9bとの境界は、y軸方向に平行であって、光路変換素子7から光学素子9に到達する各光束の横断面内にある。したがって、反射部9aは、光路変換素子7から光学素子9に到達する各光束のうち一部の断面部分を、光路変換素子7側へ反射する。一方、透過部9bは、光路変換素子7から光学素子9に到達する各光束のうち残りの断面部分を透過させる。
光学素子9は、光路変換素子7から出射される各光束の光軸に対して基材9sが垂直であってもよいが、光路変換素子7から出射される各光束の光軸に垂直な面に対して基材9sが角度αだけ傾けられて配置され、また、光路変換素子7から出射される光束のz軸方向の拡がり角の2分の1より傾斜角αが小さいのが好ましい。このような構成により、反射部9aに入射する光の少なくとも一部を反射部9aに垂直入射させて、その反射された光を、入射経路とは逆の経路を辿って活性層3aに帰還させることができる。
光学素子9の寸法の一例として、y軸方向の長さが12mmであり、x軸方向の厚みが1mm〜3mmである。反射部9aのz軸方向の幅WRと透過部9bのz軸方向の幅WTとの比(WR/WT)が1〜7であり、幅WRと幅WTとの和(WR+WT)である積層周期WLは1.5mm〜2.0mm程度である。半導体レーザアレイ3のz軸方向の積層周期をWLとすると、幅WRと幅WTとの和(WR+WT)は WL/cosα と一致している。
続いて、図26A〜26B及び図29A〜29Cを用いて、第9実施例に係る半導体レーザ装置180の動作について説明する。図29Aは、活性層3aで発生した光束が第1コリメータレンズ5に入射する前の横断面(出射パターン)を示し、図29Bは、活性層3aから出射した光束が第1コリメータレンズ5を通過した後の当該光束の横断面を示し、そして、図29Cは、第1コリメータレンズ5を通過した光束が光路変換素子7を通過した後の当該光束の横断面を示す図である。
半導体レーザアレイスタック4に含まれる各半導体レーザアレイ3の各活性層3aから光束L1がx軸方向へ出射される。この光束L1は、光軸(図26B中の一点鎖線)を中心にして、y軸方向において8°の拡がり角を有し、z軸方向へ30°の拡がり角を有している。活性層3aの横断面の垂直方向(z軸方向)の長さは、水平方向(y軸方向)の長さの100分の1である。したがって、活性層3aから出射する際は、光束L1の横断面は水平方向に細長い。活性層3aから出射した光束は、第1コリメータレンズ5に到達するまで拡がる(図29A)。なお、第1コリメータレンズ5に入射する光束の横断面の垂直方向の長さは、第1コリメータレンズ5の焦点距離により決まる。
活性層3aから出射された光束L1は、第1コリメータレンズ5へ入射する。第1コリメータレンズ5は、y軸に垂直な面(xz平面に平行な面)内で光束L1を屈折させ、その屈折させたものを光束L2としてx軸方向へ出射する。光束L2は、z軸方向の拡がり角がほぼ0°となり、y軸方向については屈折作用を受けない(図29B)。第1コリメータレンズ5はy軸を含む面内においての屈折作用は有しないので、y軸方向の拡がり角は光束L1と同様の角度である。
第1コリメータレンズ5により屈折されて出射された光束L2は、隣接する光束同士が交差する前に光路変換素子7へ入射する。光路変換素子7は、光束L2の横断面をほぼ90°回転させ、その回転させたものを光束L3としてx軸方向へ出射する。z軸方向で平行化された光束L2は、ここでy軸方向で平行化された光束L3へ変換される。これにより、光束の横断面は、z軸方向に長く水平方向に短い形状となる(図29C)。光束L3は、光束L2の横断面をほぼ90°回転させたことによって、光束L2が有していた拡がり角の方向もほぼ90°回転することとなる。すなわち、光束L3は、y軸方向についてはほぼ平行光となり、z軸方向には拡がり角を有している。y軸方向についてほぼ平行光となるので隣接するL3同士が交差することを防止することができる。
光路変換素子7から見て光束L3の進行方向側には光学素子9が設けられている。この光学素子9では、互いに隣接する反射部9aと透過部9bとの間のy軸方向に延びる境界が光束L3の光路の横断面内にあるので、光路変換素子7から出射された光束L3のうち一部が反射部9aに入射し、残りが透過部9bに入射する。また、反射部9aに入射する光のうち少なくとも一部は、反射部9aに垂直に入射する。
光束L3のうち反射部9aで反射された光は、活性層3aから反射部9aへ至った光路とは逆の向きを辿って活性層3aへ帰還する。帰還した光束は、半導体レーザアレイ3の活性層3aまで戻り、活性層3a内で増幅され、さらに、半導体レーザアレイ3の後方端面(反射面)を経由してレーザ光が出射される端面(出射面)に達する。この出射面に達した光のうち後方端面に向かって反射された光は、該後方端面を経由して再び活性層3aからx軸方向へ出射される。出射された光束の一部は再び上記光路で光学素子9まで達し、反射部9aで反射された一部のみが再び光路を逆向きに帰還し活性層3aへ戻る。
以上のように、反射部9aと活性層3aの反射面との間に外部共振器が形成され、一部の光束が外部共振器で共振されて活性層3aで誘導放出が起こる。これにより、誘導放出されるレーザ光の空間横モードは単一モードに近づく。一方、光路変換素子7から光学素子9の透過部9bに入射した光は、透過部9bを透過して、当該半導体レーザ装置180の外部へ出射される。これが半導体レーザ装置180からの最終的な出力光となる。
上述のように、この第9実施例に係る半導体レーザ装置180は、反射部9aにより反射される光束の光路を含む共振光路と、透過部9bを透過する光束の光路を含む出力光路とを備えることになる。よって、当該半導体レーザ装置180では、半導体レーザアレイ3の活性層3aで発生した光が共振光路で共振することで空間横モードが単一モードに近づき、空間横モードが単一モードに近ついたことで拡がり角が小さくなったレーザ光を出力光路から外部へ出力することができる。したがって、当該半導体レーザ装置180によれば、最終的な出力光の拡がり角を小さくすることができる。また、共振光路及び出力光路は反射部9a及び透過部9bの配置によって分割されているので、両光路を分割するためにハーフミラー等を用いることがなく、全反射の反射部9aが設けられている。よって、ハーフミラー等を用いて共振光の光路と出力光の光路を形成する場合よりも強い共振光が得られ、強い出力光が得られる。
透過部9bを透過して得られる光(当該半導体レーザ装置180からの最終的な出力光)のz軸方向に関する光強度分布は、図30に示されたのような分布となる。この第9実施例に係る半導体レーザ装置180からの最終的な出力光の光強度分布は、活性層3aから出射される光束の光強度分布(図27参照)と比較して、ピークが1つとなり、かつ、ピークがより鋭くなっている。換言すると、当該半導体レーザ装置180から出射されるレーザ光は拡がり角が小さくなっている。この拡がり角は、活性層3aのサイズ等の諸条件によって異なるが、当該半導体レーザ装置180の場合には1°程度となり、活性層3aから出射される光束の拡がり角8°に比較して小さくなっている。
光学素子9の傾き角度αを変化させると、上記強度分布のピーク位置及びピーク強度が変化する。当該半導体レーザ装置180においては、より高い強度の出力光を得るために、ピーク強度が最大となるような光学素子9の傾き角度を予め求め、求めた角度が角度αとして設定されてもよい。また、図26Bに示されたように、光学素子9の傾き角度を+αとして、光学素子9に到達する光束のうち下部分(−z側部分)を反射部9aで反射させてもよいし、逆に、光学素子9の傾き角度を−αとして、光学素子9に到達する光束のうち上部分(+z側部分)を反射部9aで反射させてもよい。
また、この第9実施例に係る半導体レーザ装置180では、反射部9aとして平面の反射面を用い、光路変換素子7から出射した光束の一部を活性層3aへ帰還させているが、光路変換素子7から入射した光束の全部を垂直に全反射させるような凹面の反射面を用い、反射された光束の全部を活性層3aへ帰還させるようにしてもよい。
また、光学素子9における反射部9aとして、基材9sに回折格子又はエタロンが形成されたものが用いられる場合、回折格子又はエタロンの反射波長選択機能により、当該半導体レーザ光源180から出力されるレーザ光は、拡がり角が小さいだけでなく、波長帯域幅が狭いものとなる。
(第10実施形態)
次に、図31は、この発明に係る半導体レーザ装置の第10実施例の構成を示す側面図(y軸方向から見た図)である。この第10実施例に係る半導体レーザ装置190では、光路変換素子7と反射ミラー9との間に第2コリメータレンズ8が設置されている。この相違点を除き、第10実施例に係る半導体レーザ装置190の構成は、上述の第1実施例や第9実施例に係る半導体レーザ装置100、180の構成とまったく同じであるので説明を省略する。
第2コリメータレンズ8は、図6に示された第1コリメータレンズ5の形状と略同様の形状を有する。第2コリメータレンズ8の前後のレンズ面は、y軸方向に沿った母線をもつ円柱面である。第2コリメータレンズ8は、母線方向を含む面内では屈折作用を有しないが、母線に垂直な面内では屈折作用を有している。y軸方向の長さが12mmであり、x軸方向の長さが0.5〜3mmであり、z軸方向の長さが1.5〜10mmである。光路変換素子7から出射された光束は、すべて第2コリメータレンズ8に入射する。第2コリメータレンズ8は、その母線とz軸方向とが直交するように設置されている。このように設置されているので、光路変換素子7から出射された光束を第2コリメータレンズ8の母線に垂直な面内で屈折させ、平行に近づけることができる。
この第10実施例に係る上記半導体レーザ装置190によれば、光路変換素子7を透過した光束を、長手方向と垂直な面内においてより平行に近くなるように、第2コリメータレンズ8で屈折させることができる。それにより、光路変換素子7と反射ミラー9との間の距離を大きくすることも可能となり、当該半導体レーザ装置190の設計自由度を向上させることができる。
(第11実施例)
図32Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第11実施例の構成を示す平面図であり、図32Bは、その側面図である。この第11実施例に係る半導体レーザ装置200は、半導体レーザアレイ3、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、波長選択素子10、及び光学素子9を備える。
半導体レーザアレイ3は、第1実施例と同様の構成(図3)を有する。半導体レーザアレイ3は、y軸方向に沿って並列に配列された複数の活性層3aを有している。それぞれの活性層3aからは光軸Aに沿ってレーザ光の光束が出射される。ここで、光軸Aは活性層3aの中心を通りx軸に平行な軸である。半導体レーザアレイ3の前端面(光出射面)は、図4Aに示され、活性層3aの前端面は図4Bに示されている。半導体レーザアレイ3は、幅1cmの間に活性層3aが、300μm〜500μmの間隔でy軸方向に一列に配列された構造を有している。その活性層3aの断面は、100μm〜200μmの幅、1μmの厚さを有している。また、半導体レーザアレイ3の前端面には反射率十数%以下の反射低減膜がコーティングされている。
1つの活性層3aから出射されたレーザ光の光束L1は、光軸Aを中心として、z軸方向へ30°〜40°程度の拡がり角を有し、y軸方向へ8°〜10°程度の拡がり角を有している。図33は、活性層3aから出射された光束L1のy軸方向における光強度分布である。グラフの横軸は光軸Aからの角度を表し、縦軸はレーザ光束の光強度を表している。この図33に示されたように、強度分布は、ガウス分布とはならず、不規則な分布となっている。なお、図34は、活性層3aから出射された光束L1のスペクトルである。この図34から分かるように、活性層3aから出射された光束L1のスペクトル幅は広い。
第1コリメータレンズ5は、第1実施例と同様の構成(図6)を有する。第1コリメータレンズ5の前後のレンズ面は、y軸方向に沿った母線をもつ円柱面である。第1コリメータレンズ5の寸法は、x軸方向の長さが0.4mm〜1mmであり、y軸方向の長さが12mmであり、z軸方向の長さが0.6mm〜1mmである。第1コリメータレンズ5は、y軸方向に沿って細長い形状をしている。
第1コリメータレンズ5は、母線方向(y軸方向)を含む面内では屈折作用を有しないが、母線に垂直な面内では屈折作用を有している。上述のように、活性層3aから出射される光束の垂直方向の拡がり角が大きいので、該光束の集光効率を高めるためには、屈折作用を利用して光束の拡がりを抑える必要がある。第1コリメータレンズ5と半導体レーザアレイ3とは、第1コリメータレンズ5の母線と半導体レーザアレイ3の垂直方向(z軸方向)とが直交するような位置関係に設置されている。このように設置されると、活性層3aから出射された光束を、第1コリメータレンズ5の母線に垂直な面内で屈折させ、平行化することができる。すなわち、第1コリメータレンズ5は、各活性層3aから出射された光束の垂直方向(z軸方向)の成分を屈折させ、平行化する。また、この平行化を効率良く行うために、大きなNA(例えばNA≧0.5)で短焦点(例えばf≦1.5mm)の第1コリメータレンズ5は、そのの主点が活性層3aからのその焦点距離となるように配置される。半導体レーザアレイ3の活性層3aから出射される光束は、すべて一つの第1コリメータレンズ5に入射する。
光路変換素子7は、第1実施例と同様の構成(図7)を有する。光路変換素子7は、ガラスや石英等の透光性材料からなる。x軸方向の長さは1.5mmであり、y軸方向の長さは12mmであり、z軸方向の長さは1.5mmである。このように、光路変換素子7は、y軸方向に沿って細長い形状をしている。
光路変換素子7は、第1コリメータレンズ5によりz軸方向について平行化された光束の横断面をほぼ90°回転させる。第1コリメータレンズ5から出射されるすべての光束は、光路変換素子7に入射する。光路変換素子7は、互いに対向する入射面7aと出射面7bとを有している。この入射面7aは、並列に配置された幅0.5mmの複数の円柱面を有している。これらの円柱面は、y軸方向に対して45°の角度で延びている。これらの円柱面の数は、半導体レーザアレイ3の活性層3aの数に等しい。すなわち、これらの円柱面は活性層3aと1対1に対応している。出射面7bも同様に、並列に配置された幅0.5mmの複数の円柱面を有している。これらの円柱面も、y軸方向に対して45°の角度で延びている。これらの円柱面も、活性層3aと1対1に対応している。したがって、半導体レーザアレイ3の各活性層3aから出射される光束は、すべて対応する一つの光路変換素子7に入射する。
なお、光路変換素子の他の例は、上記文献1に記載されている。
図32B中の光学素子9は、光路変換素子7によって横断面が回転された各光束を受光し、その受光した各光束に対する反射部と透過部とを有し、反射部で反射した光の少なくとも一部を、該光を出射した活性層3aに帰還させ、透過部を透過した光を外部へ出射する。ここで、図32Bに示されたように、透過部として何ら媒質が設けられていなくてもよく、光学素子9としての反射ミラーが、光路変換素子7から入射する各光束の横断面のうちz軸方向についての下半分(または上半分)を反射するよう配置されていてもよい。この場合の光学素子9としての反射ミラーは、例えば、直方体形状であって、x軸方向の厚みが2mm〜3mmであり、y軸方向の幅が12mmであり、z軸方向の高さが0.5mm〜0.8mmであって、光路変換素子7に対向する面に高反射膜が形成されている。
光学素子9は、表面に反射部と透過部とが形成された透光性材料からなる平板状基材で構成されるのが好ましく、この場合、その反射部として該基材に反射膜が形成され、透過部として該基板に反射低減膜が形成される。また、光学素子9は、透光性材料からなる平板状基材に反射部と透過部とがz軸方向に沿って交互に設けられた構造であってもよく、光路変換素子7から入射する各光束の横断面のうちz軸方向についての半分を反射するよう配置されていてもよい。
光学素子9は、光路変換素子7から出射される各光束の光軸に対して反射部の面が垂直であってもよいが、光路変換素子7から出射される各光束の光軸に垂直な面に対して反射部の面が傾けられて設けられ、反射部に入射する光の少なくとも一部を入射方向と同じ出射方向に反射させるのが好ましい。また、光路変換素子7から出射される光束のz軸方向の拡がり角の2分の1より、光学素子9の反射部の面の傾斜角が小さいのが好ましい。このようにすることより、反射部に入射する光の少なくとも一部を反射部に垂直入射させて、その反射させた光を、入射経路とは逆の経路を辿って活性層3aに帰還させることができる。
波長選択素子10は、光学素子9の反射部と活性層3aとの間の共振光路上に設けられ、その光路を経て入射する光のうち特定波長の光を選択的に該光路へ出射する。この波長選択素子10は、光学素子9の反射部とは別個に設けられた透過型素子であり、好ましくは、回折格子素子、エタロンフィルタ又は誘電体多層膜フィルタである。このような波長選択素子10が設けられることにより、光学素子9の反射部と活性層3aとの間の共振光路により共振する光のスペクトルが狭くなる。波長選択素子10としてのエタロンフィルタは、例えば、直方体形状であって、x軸方向の厚みが数mmであり、y軸方向の幅が12mmであり、z軸方向の高さが0.5mm〜0.8mmである。
続いて、図32A〜32B及び図35A〜35Cを用いて、この第11実施例に係る半導体レーザ装置200の動作について説明する。図35Aは、活性層3aで発生した光束が第1コリメータレンズ5に入射する前の横断面(出射パターン)を示し、図35Bは、活性層3aから出射した光束が第1コリメータレンズ5を通過した後の当該光束の横断面を示し、そして、図35Cは、第1コリメータレンズ5を通過した光束が光路変換素子7を通過した後の当該光束の横断面を示す図である。
半導体レーザアレイ3の各活性層3aから光束L1がx軸方向へ出射される。この光束L1は、光軸(図32B中の一点鎖線)を中心にして、y軸方向において8°の拡がり角を有し、z軸方向へ30°の拡がり角を有している。活性層3aの横断面の垂直方向(z軸方向)の長さは、水平方向(y軸方向)の長さの100分の1〜200分の1である。したがって、活性層3aから出射する際は、光束L1の横断面は水平方向に細長い。活性層3aから出射した光束は、第1コリメータレンズ5に到達するまでに拡がる(図35A)。なお、第1コリメータレンズ5に入射する光束の横断面の垂直方向の長さは、第1コリメータレンズ5の焦点距離により決まる。
活性層3aから出射された光束L1は、第1コリメータレンズ5へ入射する。第1コリメータレンズ5は、y軸に垂直な面(xz平面に平行な面)内で光束L1を屈折させ、その屈折させたものを光束L2としてx軸方向へ出射する。光束L2は、z軸方向の拡がり角がほぼ0.2°となり、y軸方向については屈折作用を受けない。すなわち、第1コリメータレンズ5から出射した後では水平方向の拡がり角が垂直方向の拡がり角より大きくなっているので、第1コリメータレンズ5から離れた位置での光束の横断面は、水平方向に細長い形状を有している(図35B)。第1コリメータレンズ5はy軸を含む面内においての屈折作用は有しないので、y軸方向の拡がり角は光束L1と同様の角度である。
第1コリメータレンズ5により屈折されて出射された光束L2は、隣接する光束同士が交差する前に光路変換素子7へ入射する。光路変換素子7は、光束L2の横断面をほぼ90°回転させ、その回転させたものを光束L3としてx軸方向へ出射する。z軸方向で平行化された光束L2は、ここでy軸方向で平行化された光束L3へ変換される。これにより、光束の横断面は、z軸方向に長く水平方向に短い形状となる(図35C)。光束L3は、光束L2の横断面をほぼ90°回転させたことによって、光束L2が有していた拡がり角の方向もほぼ90°回転することとなる。すなわち、光束L3は、y軸方向についてはほぼ平行光となり、z軸方向には拡がり角を有している。y軸方向についてほぼ平行光となるので隣接するL3同士が交差することを防止することができる。
光路変換素子7から見て光束L3の進行方向側には波長選択素子10及び光学素子9が設けられている。光路変換素子7から出射された光束L3のうち一部は波長選択素子10を経て光学素子9の反射部で反射され、残りが当該半導体レーザ装置200の出力光となる。
光束L3のうち光学素子9で反射された光は、活性層3aから光学素子9の反射部へ至った光路とは逆の向きを辿って活性層3aへ帰還する。帰還した光束は、半導体レーザアレイ3の活性層3aまで戻り、活性層3a内で増幅され、さらに、半導体レーザアレイ3の後方端面(反射面)を経由してレーザ光が出射される端面(出射面)に達する。出射面に達した光のうち反射面に向かって反射された光は、該反射面を経由して再び活性層3aからx軸方向へ出射される。出射された光束の一部は再び上記光路で光学素子9まで達し、反射部9aに入射して反射された一部のみが再び光路を逆向きに帰還し活性層3aへ戻る。
以上のように、光学素子9の反射部と活性層3aの反射面との間に外部共振器が形成され、一部の光束が外部共振器で共振されて活性層3aで誘導放出が起こる。これにより、誘導放出されるレーザ光の空間横モードは単一モードに近づく。一方、光路変換素子7から光学素子9の透過部に入射した光は、透過部を透過して、当該半導体レーザ装置200の外部へ出射される。これが半導体レーザ装置200からの最終的な出力光となる。
上述のように、この第11実施例に係る半導体レーザ装置200は、光学素子9の反射部により反射される光束の光路を含む共振光路と、透過部を透過する光束の光路を含む出力光路とを備えることになる。よって、当該半導体レーザ装置200では、半導体レーザアレイ3の活性層3aで発生した光が共振光路で共振することで空間横モードが単一モードに近づき、空間横モードが単一モードに近ついたことで拡がり角が小さくなったレーザ光を出力光路から外部へ出力することができる。したがって、当該半導体レーザ装置200によれば、最終的な出力光の拡がり角を小さくすることができる。
また、共振光路及び出力光路は光学素子9における反射部及び透過部の配置によって分割されているので、両光路を分割するためにハーフミラー等を用いることがなく、全反射の反射部が設けられている。よって、ハーフミラー等を用いて共振光の光路と出力光の光路を形成する場合よりも強い共振光が得られ、強い出力光が得られる。
さらに、この第11実施例に係る半導体レーザ装置200は共振光路に波長選択素子10を備えているので、この波長選択素子10により選択される特定波長の光が外部共振器により選択的に共振して、この特定波長の光が出力光路を経て外部へ出力することができる。したがって、当該半導体レーザ装置200によれば、最終的な出力光のスペクトル幅を狭くすることができる。
図36は、この第11実施例に係る半導体レーザ装置200から出射される光束のz軸方向における光強度分布である。図37は、当該半導体レーザ装置200から出射される光束のスペクトルである。これら図36及び37に示される光強度分布及びスペクトルを、図33及び34に示された光強度分布及びスペクトルと比較すると分かるように、この第11実施例に係る半導体レーザ装置200から得られる最終的な出力光は、拡がり角が狭く、スペクトル幅が狭い。
(第12実施例)
次に、図38Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第12実施例の構成を示す平面図であり、図38Bは、その側面図である。この第12実施例に係る半導体レーザ装置210は、半導体レーザアレイ3、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、第2コリメータレンズ8、波長選択素子10、及び光学素子9を備える。
上述の第11実施例に係る半導体レーザ装置200(図32A及び32B)と比較すると、この第12実施例に係る半導体レーザ装置210は、光路変換素子7と波長選択素子10との間に第2コリメータレンズ8が設置されている点で相違する。この相違点を除き、当該半導体レーザ装置210の構成は、上述の第11実施例に係る半導体レーザ装置200の構成と同じであるので説明を省略する。
第2コリメータレンズ8は、第3実施例と同様の構成(図14)を有する。第2コリメータレンズ8の前後のレンズ面は、y軸方向に沿った母線をもつ円柱面である。第2コリメータレンズ8は、母線方向を含む面内では屈折作用を有しないが、母線に垂直な面内では屈折作用を有している。y軸方向の長さが12mmであり、x軸方向の長さが0.5〜3mmであり、z軸方向の長さが1.5〜10mmである。光路変換素子7から出射した光束は、すべて第2コリメータレンズ8に入射する。第2コリメータレンズ8は、その母線とz軸方向とが直交するように設置されている。このように設置されているので、光路変換素子7から出射された光束を第2コリメータレンズ8の母線に垂直な面内で屈折させ、平行に近づけることができる。
この第12実施例に係る半導体レーザ装置210によれば、光路変換素子7を透過した光束を、長手方向と垂直な面内においてより平行に近くなるように、第2コリメータレンズ8で屈折させることができる。それにより、光路変換素子7と反射ミラー9との間の距離を大きくすることも可能となり、当該半導体レーザ装置210の設計自由度を向上させることができる。
(第13実施例)
図39Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第13実施例の構成を示す平面図であり、図39Bは、その側面図である。この第13実施例に係る半導体レーザ装置220は、半導体レーザアレイ3、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、第2コリメータレンズ8、波長選択素子10、及び光学素子9を備える。
上述の第12実施形態に係る半導体レーザ装置210(図38A及び38B)と比較すると、この第13実施例に係る半導体レーザ装置220は、波長選択素子10が光学素子9の反射部に設けられた反射型のものである点で相違する。この相違点を除き、当該半導体レーザ装置220の構成は、上述の第12実施例に係る半導体レーザ装置210の構成と同じであるので説明を省略する。
この第13実施例に係る半導体レーザ装置220においても、波長選択素子10は、回折格子素子、エタロンフィルタ又は誘電体多層膜フィルタであるのが好ましい。また、波長選択素子10は、光学素子9の反射部と一体になっていてもよい。例えば、波長選択素子10としての回折格子は、光学素子9の反射部の表面に形成される。また、波長選択素子10としてのエタロンフィルタは、透光性材料からなる平板状の基材のうち光路変換素子7に対向する面と反対側の面に高反射膜が形成されていて、この基材でエタロンを構成することで、光学素子9の反射部と一体化される。また、波長選択素子10としての誘電体多層膜フィルタは、透光性材料からなる平板状基材のうち光路変換素子7に対向する面に誘電体多層膜が形成されることで、光学素子9の反射部と一体化される。
また、波長選択素子10としての回折格子が光学素子9の反射部の表面に形成される場合、最終的に当該半導体レーザ装置220の出射光となるべき光の波長に応じて、光学素子9の方位が調整される。すなわち、この光学素子9の方位を調整することで、外部共振器において共振する光の波長を選択することができる。光学素子9の方位を調整は、回折格子において各格子が延びる方向や格子間隔に応じて行われる。
(第14実施例)
次に、図40Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第14実施例の構成を示す平面図であり、図40Bは、側面図である。この第14実施例に係る半導体レーザ装置230は、半導体レーザアレイスタック4、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、第2コリメータレンズ8、波長選択素子10、及び光学素子9を備える。
第12実施例に係る半導体レーザ装置210(図38A及び38B)と比較すると、この第14実施例に係る半導体レーザ装置230は、複数の半導体レーザアレイ3を含む半導体レーザアレイスタック4を備える点、及び、複数の半導体レーザアレイ3を含むことに伴って他の構成要素を複数組備える点で相違する。この相違点を除き、当該半導体レーザ装置230の構成は、上述の第12実施例に係る半導体レーザ装置210の構成と同じであるので説明を省略する。
半導体レーザアレイスタック4は、第5実施例と同様の構成(図17)を有する。半導体レーザアレイスタック4は、この図17に示されたように、複数の半導体レーザアレイ3と複数のヒートシンク4hとがz軸方向に沿って交互に配置された構造を有している。ヒートシンク4hは、半導体レーザアレイ3を冷却する。ヒートシンク4hは、銅製の平板状部材を組み合わせて形成した冷却水路を有している。冷却水は、この冷却水路内を循環する。
各半導体レーザアレイ3は、第1実施例と同様の構成(図3、4A及び4B)を有している。各第1コリメータレンズ5も、第1実施例と同様の構成(図6)を有している。各光路変換素子7は、第1実施例と同様の構成(図7)を有している。各第2コリメータレンズ8は、図14に示された構成を同様の構成を有している。各波長選択素子10は、第11実施例と同様の構成を有している。また、各光学素子9も、第11実施例と同様の構成を有している。
そして、半導体レーザアレイ3、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、第2コリメータレンズ8、波長選択素子10、及び光学素子9それぞれの個数は同数であり、第1コリメータレンズ5は半導体レーザアレイ3と1対1に対応して設けられ、光路変換素子7は第1コリメータレンズ5と1対1に対応して設けられ、第2コリメータレンズ8は光路変換素子7と1対1に対応して設けられ、波長選択素子10は第2コリメータレンズ8と1対1に対応して設けられ、光学素子9は波長選択素子10と1対1に対応して設けられている。各組の半導体レーザアレイ3、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、第2コリメータレンズ8、波長選択素子10及び光学素子9は、第12実施例と同じように配置されている。
この第14実施例に係る半導体レーザ装置230では、半導体レーザアレイ3の活性層3aで発生した光が共振光路で共振することで空間横モードが単一モードに近づき、空間横モードが単一モードに近ついたことで拡がり角が小さくなったレーザ光を出力光路から外部へ出力することができる。したがって、当該半導体レーザ装置230によれば、最終的な出力光の拡がり角を小さくすることができる。また、この半導体レーザ装置230によれば、波長選択素子10が設けられていることにより、最終的な出力光のスペクトル幅を小さくすることができる。
なお、この発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、第11〜第14の各実施例において、波長選択素子10は、光学素子9の反射部とは別個に設けられた透過型素子であってもよいし、光学素子9の反射部に設けられた反射型素子であってもよい。これら実施例において、第2コリメータレンズ8は、設けられていてもよし、設けられていなくてもよい。また、第14実施例において、光学素子9は、複数の半導体レーザアレイ3それぞれに対応して1対1に設けられていてもよいが、共通の透光性基板にz軸方向に沿ってストライプ状に反射部と透過部とが設けられたものであってもよい。
(第15実施例)
図41Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第15実施例の構成を示す平面図であり、図41Bは、その側面図である。この第15実施例に係る半導体レーザ装置240は、半導体レーザアレイ3、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、波長選択素子10、及び光学素子9を備える。
半導体レーザアレイ3は、第1実施例と同様の構成(図3)を有する。半導体レーザアレイ3は、y軸方向に沿って並列に配列された複数の活性層3aを有している。それぞれの活性層3aからは光軸Aに沿ってレーザ光の光束が出射される。ここで、光軸Aは活性層3aの中心を通りx軸に平行な軸である。半導体レーザアレイ3の前端面(光出射面)は図4Aに示され、活性層3aの前端面が図4Bに示されている。半導体レーザアレイ3は、幅1cmの間に活性層3aが、300μm〜500μmの間隔でy軸方向に一列に配列された構造を有している。その活性層3aの断面は、100μm〜200μmの幅、1μmの厚さを有している。また、半導体レーザアレイ3の前端面には反射率十数%以下の反射低減膜がコーティングされている。
第1コリメータレンズ5は、第1実施例と同様の構成(図6)を有する。第1コリメータレンズ5の前後のレンズ面は、y軸方向に沿った母線をもつ円柱面である。第1コリメータレンズ5の寸法は、x軸方向の長さが0.4mm〜1mmであり、y軸方向の長さが12mmであり、z軸方向の長さが0.6mm〜1mmである。第1コリメータレンズ5は、y軸方向に沿って細長い形状をしている。
第1コリメータレンズ5は、母線方向(y軸方向)を含む面内では屈折作用を有しないが、母線に垂直な面内では屈折作用を有している。上述のように、活性層3aから出射される光束の垂直方向の拡がり角が大きいので、該光束の集光効率を高めるためには、屈折作用を利用して光束の拡がりを抑える必要がある。第1コリメータレンズ5と半導体レーザアレイ3とは、第1コリメータレンズ5の母線と半導体レーザアレイ3の垂直方向(z軸方向)とが直交するような位置関係に設置されている。このように設置されると、活性層3aから出射された光束を、第1コリメータレンズ5の母線に垂直な面内で屈折させ、平行化することができる。すなわち、第1コリメータレンズ5は、各活性層3aから出射された光束の垂直方向(z軸方向)の成分を屈折させ、平行化する。また、この平行化を効率良く行うために、大きなNA(例えばNA≧0.5)で短焦点(例えばf≦1.5mm)の第1コリメータレンズ5は、その主点が活性層3aからのその焦点距離となるように配置される。半導体レーザアレイ3の活性層3aから出射される光束は、すべて一つの第1コリメータレンズ5に入射する。
光路変換素子7は、第1実施例と同様の構造(図7)を有する。光路変換素子7は、ガラスや石英等の透光性材料からなる。x軸方向の長さは1.5mmであり、y軸方向の長さは12mmであり、z軸方向の長さは1.5mmである。このように、光路変換素子7は、y軸方向に沿って細長い形状をしている。
光路変換素子7は、第1コリメータレンズ5によりz軸方向について平行化された光束の横断面をほぼ90°回転させる。第1コリメータレンズ5から出射されるすべての光束は、光路変換素子7に入射する。光路変換素子7は、互いに対向する入射面7aと出射面7bとを有している。この入射面7aは、並列に配置された幅0.5mmの複数の円柱面を有している。これらの円柱面は、y軸方向に対して45°の角度で延びている。これらの円柱面の数は、半導体レーザアレイ3の活性層3aの数に等しい。すなわち、これらの円柱面は活性層3aと1対1に対応している。出射面7bも同様に、並列に配置された幅0.5mmの複数の円柱面を有している。これらの円柱面も、y軸方向に対して45°の角度で延びている。これらの円柱面も、活性層3aと1対1に対応している。したがって、半導体レーザアレイ3の各活性層3aから出射される光束は、すべて対応する一つの光路変換素子7に入射する。
なお、光路変換素子の他の例は、上記文献1に記載されている。
図42は、波長選択素子10の構成を示す斜視図である。波長選択素子10は、厚み方向(略x軸方向)に屈折率が周期的に分布しており、入射光の一部をブラッグ反射させることができる。波長選択素子10は、光路変換素子7から出力された各光束を受光して垂直入射させ、その垂直入射した光のうちブラッグ条件を満たす特定波長の光の一部を反射させて、その反射した光の少なくとも一部を、該光を出射した活性層3aに帰還させ、該特定波長の光の残りを透過させる。なお、このような波長選択素子10として、例えば、PD−LDInc.製の製品LuxxMasterTMが知られている。
光学素子9は、透光性材料からなる平板状基材の一方の面(光路変換素子7に対向する面)に全反射膜が形成されることで構成されており、この全反射膜が形成された反射部により、光路変換素子7から入射した光を高反射率(例えば99.5%以上の反射率)で反射する。光学素子9は、光路変換素子7から出射される各光束の光軸に垂直な面に対して反射部が或る傾斜角で傾けられて配置されていて、また、光路変換素子7から出射される光束のz軸方向の拡がり角の2分の1より傾斜角が小さいのが好ましい。これにより、光学素子9の反射部に入射する光の少なくとも一部を該反射部に垂直入射させて、その反射された光を、入射経路とは逆の経路を辿って活性層3aに帰還させることができる。光学素子9の反射部と波長選択素子10とは、z軸方向について異なる位置に配置されている。そして、光学素子9の反射部と波長選択素子10との間でレーザ共振器が構成されている。
続いて、図41A〜41B及び43A〜43Cを用いて、この第15実施例に係る半導体レーザ装置240の動作について説明する。図43Aは、活性層3aで発生した光束が第1コリメータレンズ5に入射する前の横断面(出射パターン)を示し、図43Bは、活性層3aから出射した光束が第1コリメータレンズ5を通過した後の当該光束の横断面を示し、そして、図43Cは、第1コリメータレンズ5を通過した光束が光路変換素子7を通過した後の当該光束の横断面を示す図である。
半導体レーザアレイ3の各活性層3aから光束L1がx軸方向へ出射される。この光束L1は、光軸(図41A及び41B中の一点鎖線)を中心にして、y軸方向において8°の拡がり角を有し、z軸方向へ30°の拡がり角を有している。活性層3aの横断面の垂直方向(z軸方向)の長さは、水平方向(y軸方向)の長さの100分の1〜200分の1である。したがって、活性層3aから出射する際は、光束L1の横断面は水平方向に細長い。活性層3aから出射した光束は、第1コリメータレンズ5に到達するまでに拡がる(図43A)。なお、第1コリメータレンズ5に入射する光束の横断面の垂直方向の長さは、第1コリメータレンズ5の焦点距離により決まる。
活性層3aから出射された光束L1は、第1コリメータレンズ5へ入射する。第1コリメータレンズ5は、y軸に垂直な面(xz平面に平行な面)内で光束L1を屈折させ、その屈折させたものを光束L2としてx軸方向へ出射する。光束L2は、z軸方向の拡がり角がほぼ0.2°となり、y軸方向については屈折作用を受けない。すなわち、第1コリメータレンズ5から出射した後では水平方向の拡がり角が垂直方向の拡がり角より大きくなっているので、第1コリメータレンズ5から離れた位置での光束の横断面は、水平方向に細長い形状を有している(図43B)。第1コリメータレンズ5は、y軸を含む面内においての屈折作用は有しないので、y軸方向の拡がり角は光束L1と同様の角度である。
第1コリメータレンズ5により屈折されて出射された光束L2は、隣接する光束同士が交差する前に光路変換素子7へ入射する。光路変換素子7は、光束L2の横断面をほぼ90°回転させ、その回転させたものを光束L3としてx軸方向へ出射する。z軸方向で平行化された光束L2は、ここで、y軸方向で平行化された光束L3へ変換される。これにより、光束の横断面は、z軸方向に長く水平方向に短い形状となる(図43C)。光束L3は、光束L2の横断面をほぼ90°回転させたことによって、光束L2が有していた拡がり角の方向もほぼ90°回転することとなる。すなわち、光束L3は、y軸方向についてはほぼ平行光となり、z軸方向には拡がり角を有している。y軸方向についてほぼ平行光となるので隣接するL3同士が交差することを防止することができる。光路変換素子7により横断面が回転されて出射された光束L3は、光学素子9の反射部または波長選択素子10に入射する。
光路変換素子7から光学素子9の反射部に入射して反射された光の少なくとも一部は、活性層3aから光学素子9の反射部へ至った光路とは逆の向きを辿って活性層3aへ帰還する。帰還した光束は、半導体レーザアレイ3の活性層3aまで戻り、活性層3a内で増幅され、さらに、半導体レーザアレイ3のレーザ光が出射される端面(出射面)に対向する端面(反射面)へ達する。反射面に達した光束は、該反射面で反射され、再び活性層3aからx軸方向へ出射される。出射された光束の一部は再び上記光路で光学素子9の反射部又は波長選択素子10まで達する。
一方、光路変換素子7から波長選択素子10に入射した光のうち特定波長の光の一部は波長選択素子10によりブラッグ反射され、残りは波長選択素子10を透過する。この反射された光の少なくとも一部は、活性層3aから波長選択素子10へ至った光路とは逆の向きを辿って活性層3aへ帰還する。帰還した光束は、半導体レーザアレイ3の活性層3aまで戻り、活性層3a内で増幅され、さらに、半導体レーザアレイ3のレーザ光が出射される端面(出射面)に対向する端面(反射面)へ達する。反射面に達した光束は、該反射面で反射され、再び活性層3aからx軸方向へ出射される。出射された光束の一部は再び上記光路で光学素子9の反射部または波長選択素子10まで達する。
以上のように、光学素子9の反射部と波長選択素子10との間に外部レーザ共振器が構成されて、その共振器の内部に活性層3aが位置しており、一部の光束が外部共振器で共振されて活性層3aで誘導放出が起こる。これにより、誘導放出されるレーザ光の空間横モードは単一モードに近づく。一方、波長選択素子10を透過した光は、当該半導体レーザ装置240の外部へ出射される。これが当該半導体レーザ装置240からの最終的な出力光となる。
上述のように、第15実施例に係る半導体レーザ装置240は、光学素子9の反射部により反射される光束の光路を含む共振光路と、透過部を透過する光束の光路を含む出力光路とを備えることになる。よって、当該半導体レーザ装置240では、半導体レーザアレイ3の活性層3aで発生した光が共振光路で共振することで空間横モードが単一モードに近づき、空間横モードが単一モードに近ついたことで拡がり角が小さくなったレーザ光を出力光路から外部へ出力することができる。したがって、当該半導体レーザ装置240によれば、最終的な出力光の拡がり角を小さくすることができる。
また、共振光路及び出力光路は光学素子9における反射部及び波長選択素子10の配置によって分割されるので、両光路を分割するためにハーフミラー等を用いることがなく、全反射の反射部が設けられている。よって、ハーフミラー等を用いて共振光の光路と出力光の光路を形成する場合よりも強い共振光が得られ、強い出力光が得られる。
さらに、この第15実施例に係る半導体レーザ装置240は共振器の一方側に波長選択素子10を備えているので、この波長選択素子10により選択される特定波長の光が外部共振器により選択的に共振して、この特定波長の光が外部へ出力することができる。したがって、当該半導体レーザ装置240によれば、最終的な出力光のスペクトル幅を狭くすることができる。
図44は、半導体レーザアレイ3の活性層3aで発生する光のスペクトルであり、図45は、この第15実施例に係る半導体レーザ装置240の波長選択素子10を透過して出射する光のスペクトルである。両図を対比して分かるように、当該半導体レーザ装置240から出力されるレーザ光は、波長選択素子10においてブラッグ条件を満たす波長809nmをピークとして、スペクトル幅が狭くなった。
(第16実施例)
図46Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第16実施例の構成を示す平面図であり、図46Bは、その側面図である。この第16実施例に係る半導体レーザ装置250は、半導体レーザアレイ3、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、第2コリメータレンズ8、波長選択素子10、及び光学素子9を備える。
第15実施例に係る半導体レーザ装置240(図41A及び41B)と比較すると、この第16実施例に係る半導体レーザ装置250は、波長選択素子10及び光学素子9と光路変換素子7との間に第2コリメータレンズ8が設けられている点で相違する。この相違点を除き、当該半導体レーザ装置250の構成は、上述の第15実施例に係る半導体レーザ装置240の構成と略同じである。
第2コリメータレンズ8は、図6に示された第1コリメータレンズ5の形状と略同様の形状を有する。この第2コリメータレンズ8の前後のレンズ面は、y軸方向に沿った母線をもつ円柱面である。第2コリメータレンズ8は、母線方向を含む面内では屈折作用を有しないが、母線に垂直な面内では屈折作用を有している。y軸方向の長さが12mmであり、x軸方向の長さが0.5〜3mmであり、z軸方向の長さが1.5〜10mmである。光路変換素子7から出射した光束は、すべて第2コリメータレンズ8に入射する。第2コリメータレンズ8は、その母線とz軸方向とが直交するように設置されている。このように設置されているので、光路変換素子7から出射した光束を第2コリメータレンズ8の母線に垂直な面内で屈折させ、平行に近づけることができる。
この第16実施例に係る半導体レーザ装置250によれば、光路変換素子7を透過した光束を、長手方向と垂直な面内においてより平行に近くなるように、第2コリメータレンズ8で屈折させることができる。そうすれば、光路変換素子7と波長選択素子10との間の距離を大きくすることも可能となり、また、光学素子9又は波長選択素子10と光路変換素子7との間の距離を大きくすることも可能となって、当該半導体レーザ装置250の設計自由度を向上させることができる。また、第2コリメータレンズ8から波長選択素子10及び光学素子9へ向かう光束は平行光束に近くなるので、波長選択素子10及び光学素子9それぞれはyz平面に略平行に配置される。
また、この第16実施例に係る半導体レーザ装置250において、光学素子9と波長選択素子10とは、互いに別個の素子であってもよいが、共通の平板状基材に形成された素子であってもよい。すなわち、平板状基材の一部領域に光を反射させるための反射部が設けられるとともに、他の領域に特定波長の光の一部をブラッグ反射させる波長選択素子が設けられる。この構成により、当該半導体レーザ装置を構成する部品の数が少なくなり、組み立てが容易となる。
(第17実施例)
図47Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第17実施例の構成を示す平面図であり、図47Bは、その側面図である。この第17実施例に係る半導体レーザ装置260は、半導体レーザアレイスタック4、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、第2コリメータレンズ8、波長選択素子10、及び光学素子9を備える。
第16実施例に係る半導体レーザ装置250(図46A及び46B)と比較すると、この第17実施例に係る半導体レーザ装置260は、複数の半導体レーザアレイ3を含む半導体レーザアレイスタック4を備える点、及び、複数の半導体レーザアレイ3を含むことに伴って他の構成要素を複数組備える点で相違する。この相違点を除き、当該半導体レーザ装置260の構成は、上述の第16実施例に係る半導体レーザ装置250の構成と同じである。
半導体レーザアレイスタック4は、第5実施例と同様の構成(図17)を有する。半導体レーザアレイスタック4は、この図17に示されたように、複数の半導体レーザアレイ3と複数のヒートシンク4hとがz軸方向に沿って交互に配置された構造を有している。ヒートシンク4hは、半導体レーザアレイ3を冷却する。ヒートシンク4hは、銅製の平板状部材を組み合わせて形成した冷却水路を有している。冷却水は、この冷却水路内を循環する。
各半導体レーザアレイ3は、第1実施例と同様の構成(図3)を有している。各第1コリメータレンズ5は、第1実施例と同様の構成(図6)を有している。また、各光路変換素子7も、第1実施と同様の構成(図7)を有している。各第2コリメータレンズ8は、図14に示された構造を有している。各波長選択素子10は、第15実施例と同様の構成(図42)を有している。各光学素子9は、第1実施例と同様の構成を有している。半導体レーザアレイ3、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、第2コリメータレンズ8、波長選択素子10、及び光学素子9は、上述の第16実施例と同様に配置されている。
この第17実施例に係る半導体レーザ装置260では、半導体レーザアレイ3の活性層3aで発生した光が共振光路で共振することで空間横モードが単一モードに近づき、空間横モードが単一モードに近ついたことで拡がり角が小さくなったレーザ光を出力光路から外部へ出力することができる。したがって、当該半導体レーザ装置260によれば、最終的な出力光の拡がり角を小さくすることができる。また、当該半導体レーザ装置260によれば、波長選択素子10が設けられていることにより、最終的な出力光のスペクトル幅を小さくすることができる。
また、この第17実施例に係る半導体レーザ装置260において、光学素子9と波長選択素子10とは、互いに別個の素子であってもよいが、共通の平板状基材に形成された素子であってもよい。すなわち、平板状基材の一部領域に光を反射させるための反射部が設けられ、他の領域に特定波長の光の一部をブラッグ反射させる波長選択素子が設けられ、また、反射部と波長選択素子とをz軸方向に交互に設けられる。これにより、当該半導体レーザ装置を構成する部品の数が少なくなり、組立てが容易となる。
(第18実施例)
次に、図48Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第18実施例の構成を示す平面図であり、図48Bは、その側面図である。この第18実施例に係る半導体レーザ装置270は、半導体レーザアレイスタック4、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、第2コリメータレンズ8、波長選択素子10、及び光学素子9を備える。
第17実施例に係る半導体レーザ装置260(図47A及び47B)と比較すると、この第18実施例に係る半導体レーザ装置270は、波長選択素子10が一体化されている点で相違し、また、光学素子9が一体化されている点で相違する。この相違点を除き、当該半導体レーザ装置270の構成は、上述の第1実施例や第15実施例に係る半導体レーザ装置100、240の構成と同じである。
図49は、この第18実施例に係る半導体レーザ装置270に適用される光学素子9の構成を示す斜視図である。この図49は、第2コリメータレンズ8の側から光学素子9を見たときの斜視図である。光学素子9は、第2コリメータレンズ8から出射された各光束を受光し、受光された各光束に対する反射部9aと透過部9bとがz軸方向に沿って交互に設けられている。そして、光学素子9は、反射部9aで反射された光の少なくとも一部を、該光を出射した活性層3aに帰還させる。また、光学素子9は、透過部9bに入射した光を透過させて、波長選択素子10へ入射させる。
光学素子9は、ガラスや石英等の透光性材料からなる平板状基材9sの一方の面(第2コリメータレンズ8側の面)に、反射部9aと透過部9bとがz軸方向に沿って交互に形成されている。反射部9a及び透過部9bそれぞれは、上記所定方向についての幅が一定でz軸方向に延びている。すなわち、光学素子9は、ストライプ状に複数の反射部9aを有している。
反射部9aは、第2コリメータレンズ8から入射した光を高反射率(例えば99.5%以上の反射率)で反射するのが好ましく、例えば、全反射膜で構成されるのが好ましい。透過部9bは、光路変換素子7から入射した光を高透過率(例えば99.5%以上の透過率)で透過させるのが好ましく、例えば、反射低減膜で構成されるのが好ましい。また、基材9sの他方の面(第2コリメータレンズ8側とは反対側の面)には、反射低減膜が形成されるのが好ましい。
互いに隣接する1対の反射部9a及び透過部9bは、1つの半導体レーザアレイ3と対応しており、それら反射部9aと透過部9bとの境界は、y軸方向に平行であって、第2コリメータレンズ8から光学素子9に到達する各光束の横断面内にある。したがって、反射部9aは、第2コリメータレンズ8から光学素子9に到達する各光束のうち一部の断面部分を、第2コリメータレンズ8側へ反射する。一方、透過部9bは、第2コリメータレンズ8から光学素子9に到達する各光束のうち残りの断面部分を透過させる。
この第18実施例に係る半導体レーザ装置270でも、半導体レーザアレイ3の活性層3aで発生した光が共振光路で共振することで空間横モードが単一モードに近づき、空間横モードが単一モードに近ついたことで拡がり角が小さくなったレーザ光を出力光路から外部へ出力することができる。したがって、当該半導体レーザ装置270によれば、最終的な出力光の拡がり角を小さくすることができる。また、当該半導体レーザ装置270によれば、波長選択素子10が設けられていることにより、最終的な出力光のスペクトル幅を小さくすることができる。また、波長選択素子10及び光学素子9が1組のみでもよいので、当該半導体レーザ装置270の組立てや光軸調整が容易になる。
(第19実施例)
図50Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第19実施例の構成を示す平面図であり、図50Bは、その側面図である。この第19実施例に係る半導体レーザ装置280は、半導体レーザアレイ3、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、波長選択素子10、及び光学素子9を備える。
第15実施例に係る半導体レーザ装置240(図41A及び41B)と比較すると、この第19実施例に係る半導体レーザ装置280は、波長選択素子10が反射型のラマンナス回折格子素子である点で相違する。この相違点を除き、当該半導体レーザ装置280の構成は、上述の第15実施例に係る半導体レーザ装置240の構成と同じであるので説明を省略する。
この第19実施例において、波長選択素子10は、光路変換素子7によって横断面が回転された各光束を受光して入射させ、その入射した光をラマンナス回折により反射させて、その回折光のうち特定波長の特定回折次数(例えば1次)の光を、該光を出射した活性層に帰還させ、特定波長の特定回折次数光以外の光(例えば0次光)を外部へ出力させる。
このような半導体レーザ装置280において、半導体レーザアレイ3の各活性層3aから出射する光束は、各活性層3aからはz軸方向に拡がって出射するが、第1コリメータレンズ5により屈折されることでz軸方向については略平行光とされて、その後に光路変換素子7により横断面が略90°回転させられる。この光路変換素子7を通過した各光束は、z軸方向へ拡がって放射され、光学素子9または波長選択素子10に入射する。
そして、光学素子9で反射された光の少なくとも一部は、該光を出射した活性層3aに帰還される。また、波長選択素子10に入射した光のうち特定波長の特定回折次数光は、該光を出射した活性層3aに帰還される。これにより、光学素子9と波長選択素子10との間で外部共振器が形成されて、その共振器の内部に位置する活性層3aにおいて誘導放出が起こり、レーザ発振が得られる。一方、波長選択素子10に入射した光のうち特定波長の特定回折次数光以外は、当該半導体レーザ装置280の出力光として外部へ出射される。この半導体レーザ装置280でも、最終的な出力光は、拡がり角が小さく、スペクトル幅が狭い。
(第20実施例)
図51Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第20実施例の構成を示す平面図であり、図51Bは、その側面図である。この第20実施例に係る半導体レーザ装置290は、半導体レーザアレイ3、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、第2コリメータレンズ8、波長選択素子10、及び光学素子9を備える。
第16実施例に係る半導体レーザ装置250(図46A及び46B)と比較すると、この第20実施例に係る半導体レーザ装置290は、波長選択素子10が反射型のラマンナス回折格子素子である点で相違する。この相違点を除き、当該半導体レーザ装置290の構成は、上述の第16実施例に係る半導体レーザ装置250の構成と同じであるので説明を省略する。
この第20実施例において、波長選択素子10は、光路変換素子7によって横断面が回転された各光束を受光して入射させ、その入射した光をラマンナス回折により反射させて、その回折光のうち特定波長の特定回折次数(例えば1次)の光を、該光を出射した活性層に帰還させ、特定波長の特定回折次数光以外の光(例えば0次光)を外部へ出力させる。
このような半導体レーザ装置290において、半導体レーザアレイ3の各活性層3aから出射する光束は、各活性層3aからはz軸方向に拡がって出射するが、第1コリメータレンズ5により屈折されることでz軸方向については略平行光とされて、その後に光路変換素子7により横断面が略90°回転させられる。この光路変換素子7を通過した各光束は、z軸方向へ拡がって放射され、更に第2コリメータレンズ8により屈折されることで略平行光とされて、光学素子9又は波長選択素子10に入射する。
そして、光学素子9で反射された光の少なくとも一部は、該光を出射した活性層3aに帰還される。また、波長選択素子10に入射した光のうち特定波長の特定回折次数光は、該光を出射した活性層3aに帰還される。これにより、光学素子9と波長選択素子10との間で外部共振器が形成されて、その共振器の内部に位置する活性層3aにおいて誘導放出が起こり、レーザ発振が得られる。一方、波長選択素子10に入射した光のうち特定波長の特定回折次数光以外は、当該半導体レーザ装置290の出力光として外部へ出射する。この半導体レーザ装置290でも、最終的な出力光は、拡がり角が小さく、スペクトル幅が狭い。
(第21実施例)
図52Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第21実施例の構成を示す平面図であり、図52Bは、その側面図である。この第21実施例に係る半導体レーザ装置300は、半導体レーザアレイスタック4、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、第2コリメータレンズ8、波長選択素子10、及び光学素子9を備える。
第17実施例に係る半導体レーザ装置260(図47A及び47B)と比較すると、この第21実施例に係る半導体レーザ装置300は、波長選択素子10が反射型のラマンナス回折格子素子である点で相違する。この相違点を除き、当該半導体レーザ装置300の構成は、上述の第17実施例に係る半導体レーザ装置260の構成と同じであるので説明を省略する。
この第21実施例において、波長選択素子10は、光路変換素子7によって横断面が回転された各光束を受光して入射させ、その入射した光をラマンナス回折により反射させて、その回折光のうち特定波長の特定回折次数(例えば1次)の光を、該光を出射した活性層に帰還させ、特定波長の特定回折次数光以外の光(例えば0次光)を外部へ出力させる。
この半導体レーザ装置300は、半導体レーザアレイスタック4に含まれる複数の半導体レーザアレイ3それぞれについて、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、第2コリメータレンズ8、波長選択素子10及び光学素子9が1組設けられていて、この各組において上述の第20実施例の場合と同様に動作する。この第21実施例に係る半導体レーザ装置300でも、最終的な出力光は、拡がり角が小さく、スペクトル幅が狭い。
(第22実施例)
図53Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第22実施例の構成を示す平面図であり、図53Bは、その側面図である。この第22実施例に係る半導体レーザ装置310は、半導体レーザアレイスタック4、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、第2コリメータレンズ8、波長選択素子10、及び光学素子9を備える。
第21実施例に係る半導体レーザ装置300(図52A及び52B)と比較すると、この第22実施例に係る半導体レーザ装置310は、波長選択素子10が一体化されている点で相違し、また、光学素子9が一体化されている点で相違する。この相違点を除き、当該半導体レーザ装置310の構成は、上述の第21実施例に係る半導体レーザ装置300の構成と同じである。
この第22実施例に係る半導体レーザ装置310は、第21実施例の場合と同様に動作する。この半導体レーザ装置310でも、最終的な出力光は、拡がり角が小さく、スペクトル幅が狭い。また、波長選択素子10及び光学素子9が1組のみでもよいので、当該半導体レーザ装置310の組立てや光軸調整が容易である。
なお、この発明は上述の実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、第15及び第16実施例それぞれにおいても、図49に示されたような反射部と透過部とがz軸方向に沿って交互に基材上に設けられた光学素子が適用されてもよい。また、第17及び第18実施例それぞれにおいて、第2コリメータレンズを除いた構成としてもよく、この場合には光学素子及び波長選択素子それぞれは傾けて設けられるのが好ましい。
(第23実施例)
図54Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第23実施例の構成を示す平面図(z軸方向から見た図)であり、図54Bは、その側面図(y軸方向から見た図)である。また、図55は、この第23実施例に係る半導体レーザ装置320に適用された半導体レーザアレイからの出射光のスペクトル(グラフG550)と、当該第23実施例に係る半導体レーザ装置320からの出射光(当該半導体レーザ装置320における外部共振器を介して出射された光)のスペクトルである。
この第23実施例に係る半導体レーザ装置320は、第1実施例に係る半導体レーザ装置100と同様に、半導体レーザアレイ3、第1コリメータレンズ5、及び光路変換素子7を備えるが、光学素子として第1実施例に係る半導体レーザ装置100が反射ミラー9を備えるのに対し、当該半導体レーザ装置320が波長選択素子10(反射率50%のPD−LD Inc.製の製品LuxxMasterTM)を備える点で相異する。
以上のような構造を有する第23実施例に係る半導体レーザ装置320によっても、図55に示されたように、当該半導体レーザ装置320から出力されるレーザ光(装置320内の外部共振器を経た光)は、波長選択素子10においてブラッグ条件を満たす波長809nmをピークとして、スペクトル幅が狭くなった。
(第24実施例)
図56Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第24実施例の構成を示す平面図(z軸方向から見た図)であり、図56Bは、その側面図(y軸方向から見た図)である。この第24実施例に係る半導体レーザ装置330は、上述の第23実施例に係る半導体レーザ装置320は、z軸方向に積層された構造を有する。すなわち、この第24実施例に係る半導体レーザ装置330は、半導体レーザアレイスタック4、第1コリメータレンズ5、光路変換素子7、光学素子としての波長選択素子10を備える。
半導体レーザアレイスタック4は、第5実施例と同様の構成(図17)を有する。半導体レーザアレイスタック4は、図17に示されたように、複数の半導体レーザアレイ3と複数のヒートシンク4hとがz軸方向に沿って交互に配置された構造を有している。
ヒートシンク4hは、半導体レーザアレイ3を冷却する。ヒートシンク4hは、銅製の平板状部材を組み合わせて形成した冷却水路を有している。冷却水は、この冷却水路内を循環する。
各第1コリメータレンズ5は、第1実施例や第23実施例と同様の構成(図6)を有している。第1コリメータレンズ5は、第1コリメータレンズ5の母線と対向する半導体レーザアレイ3の垂直方向(z軸方向)とが直交するように設置する。このように設置されると、活性層3aから出射された光束を第1コリメータレンズ5の母線に垂直な面内で屈折させ、平行化することができる。すなわち、第1コリメータレンズ5は、各活性層3aから出射された光束の垂直方向(z軸方向)の成分を屈折させ、平行化する。また、この平行化を効率良く行うために、第1コリメータレンズ5は活性層3aと近接させて配置される。このため、第1コリメータレンズ5は、半導体レーザアレイ3と1対1に対応している。すなわち、第1コリメータレンズ5の設置数は、半導体レーザアレイ3の数に等しい。各第1コリメータレンズ5は、それぞれ一つの半導体レーザアレイ3と対向するように配置されている。したがって、一つの半導体レーザアレイ3の活性層3aから出射する光束は、すべて一つの第1コリメータレンズ5に入射する。
各光路変換素子7も、第1実施例や第23実施例と同様の構成(図7)を有している。光路変換素子7は、第1コリメータレンズ5で平行化された光束の横断面をほぼ90°回転させる。このため、光路変換素子7は、第1コリメータレンズ5と1対1に対応させて配置される。すなわち、各光路変換素子7は、それぞれ一つの第1コリメータレンズ5と対向するよう配置される。したがって、一つの第1コリメータレンズ5から出射されるすべての光束は、対応する一つの光路変換素子7に入射する。各光路変換素子7の各円柱面は、活性層3aと1対1に対応している。したがって、一つの半導体レーザアレイ3の各活性層3aから出射される光束は、すべて対応する一つの光路変換素子7に入射する。
光学素子としての波長変換素子10は、第15実施例と同様の構成(図42)を有しており、上記第23実施例と同様に、反射率50%のPD−LD Inc.製の製品LuxxMasterTMが適用される。したがって、各波長選択素子10は、光路変換素子7と1対1に対応させて配置され、半導体レーザアレイスタック4における各活性層3aとともに外部共振器を構成している。
以上のように、第24実施例に係る半導体レーザ装置330では、半導体レーザアレイ3で発生したレーザ光が外部共振器光路で共振することで空間横モードが単一モードに近づき、空間横モードが単一モードに近ついたことで拡散角が小さくなったレーザ光を、外部へ出力することができる。このように、当該半導体レーザ装置330は、最終的な出力光の拡散角を小さくすることができる。
以上の本発明の説明から、本発明を様々に変形しうることは明らかである。そのような変形は、本発明の思想および範囲から逸脱するものとは認めることはできず、すべての当業者にとって自明である改良は、以下の請求の範囲に含まれるものである。
この発明は、拡がり角の小さなレーザ光、更には拡がり角が小さくかつスペクトル幅の小さいレーザ光を出射させる半導体レーザ装置に適している。
図1Aは、半導体レーザから出射される光束の垂直方向(z軸方向)の拡がり角を示す側面図であり、図1Bは、その光束の水平方向(y軸方向)の拡がり角を示す平面図である。 図2Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第1実施例の構成を示す平面図であり、図2Bは、その側面図である。 図3は、半導体レーザアレイ及び該半導体レーザアレイから出射される光束を示す斜視図である。 図4Aは、半導体レーザアレイの前端面(光出射面)を示す図であり、図4Bは、活性層の前端面を示す図である。 図5は、第1実施例に係る半導体レーザ装置に適用される半導体レーザアレイからの出射光の水平方向(y軸方向)における光強度分布である。 図6は、第1実施例に係る半導体レーザ装置に適用される第1コリメータレンズの構成を示す斜視図である。 図7は、第1実施例に係る半導体レーザ装置に適用される光路変換素子の構成を示す斜視図である。 図8は、第1実施例に係る半導体レーザ装置に適用される光学素子の構成を示す斜視図である。 図9Aは、活性層で発生した光の出射時の横断面(出射パターン)を示し、図9Bは、第1コリメータレンズを通過した後の光束の横断面を示し、そして、図9Cは、光路変換素子を通過した後の当該光束の横断面を示している。 図10は、第1実施例に係る半導体レーザ装置から出射される光束の水平方向(y軸方向)における光強度分布である。 図11Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第2実施例の構成を示す平面図であり、図11Bは、その側面図である。 図12は、第2実施例に係る半導体レーザ装置に適用される半導体レーザアレイからの出射光の水平方向(y軸方向)における光強度分布である。 図13Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第3実施例の構成を示す平面図であり、図13Bは、その側面図である。 図14は、第2コリメータレンズの構成を示す斜視図である。 図15Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第4実施例の構成を示す平面図であり、図15Bは、その側面図である。 図16Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第5実施例の構成を示す平面図であり、図16Bは、その側面図である。 図17は、半導体レーザアレイスタックの構造を示す斜視図である。 図18A〜18Cは、第4実施例に係る半導体レーザ装置の変形例を示す側面図である。 図19Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第6実施例の構成を示す平面図であり、図19Bは、その側面図である。 図20は、第6実施例に係る半導体レーザ装置に適用される半導体レーザアレイからの出射光の水平方向(y軸方向)における光強度分布である。 図21は、第6実施例に係る半導体レーザ装置に適用される反射ミラーの構成を示す斜視図である。 図22は、第6実施例に係る半導体レーザ装置からの出射光の垂直方向(z軸方向)における光強度分布グラフである。 図23Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第7実施例の構成を示す平面図であり、図23Bは、その側面図である。 図24Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第8実施例の構成を示す平面図であり、図24Bは、その側面図である。 図25は、第8実施例に係る半導体レーザ装置の変形例を示す側面図である。 図26Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第9実施例の構成を示す平面図であり、図26Bは、その側面図である。 図27は、第9実施例に係る半導体レーザ装置に適用される半導体レーザアレイからの出射光の水平方向(y軸方向)における光強度分布である。 図28は、第9実施例に係る半導体レーザ装置に適用される光学素子の構成を示す斜視図である。 図29Aは、活性層で発生した光束が第1コリメータレンズに入射する前の横断面(出射パターン)を示し、図29Bは、第1コリメータレンズを通過した後の光束の横断面を示し、そして、図29Cは、光路変換素子7を通過した後の当該光束の横断面を示す図である。 図30は、第9実施例に係る半導体レーザ装置からの出射光の垂直方向(z軸方向)における光強度分布である。 図31は、この発明に係る半導体レーザ装置の第10実施例の構成を示す側面図である。 図32Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第11実施例の構成を示す平面図であり、図32Bは、その側面図である。 図33は、第11実施例に係る半導体レーザ装置に適用される半導体レーザアレイからの出射光の水平方向(y軸方向)における光強度分布である。 図34は、第11実施例に係る半導体レーザ装置に適用される半導体レーザアレイからの出射光のスペクトルである。 図35Aは、活性層で発生した光束が第1コリメータレンズに入射する前の横断面(出射パターン)を示し、図35Bは、第1コリメータレンズを通過した後の光束の横断面を示し、そして、図35Cは、光路変換素子7を通過した後の当該光束の横断面を示す図である。 図36は、第11実施例に係る半導体レーザ装置からの出射光の垂直方向(z軸方向)における光強度分布である。 図37は、第11実施例に係る半導体レーザ装置1からの出射光のスペクトルである。 図38Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第12実施例の構成を示す平面図であり、図38Bは、その側面図である。 図39Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第13実施例の構成を示す平面図であり、図39Bは、その側面図である。 図40Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第14実施例の構成を示す平面図であり、図40Bは、その側面図である。 図41Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第15実施例の構成を示す平面図であり、図41Bは、その側面図である。 図42は、第15実施例に係る半導体レーザ装置に適用される波長選択素子の構成を示す斜視図である。 図43Aは、活性層で発生した光束が第1コリメータレンズに入射する前の横断面(出射パターン)を示し、図43Bは、活性層から出射した光束が第1コリメータレンズを通過した後の当該光束の横断面を示し、そして、図43Cは、第1コリメータレンズを通過した光束が光路変換素子を通過した後の当該光束の横断面を示す図である。 図44は、第15実施例に係る半導体レーザ装置に適用された半導体レーザアレイの活性層で発生する光のスペクトルである。 図45は、第15実施例に係る半導体レーザ装置に適用された波長選択素子を透過した光のスペクトルである。 図46Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第16実施例の構成を示す平面図であり、図46Bは、その側面図である。 図47Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第17実施例の構成を示す平面図であり、図47Bは、その側面図である。 図48Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第18実施例の構成を示す平面図であり、図48Bは、その側面図である。 図49は、第18実施例に係る半導体レーザ装置に適用される光学素子の構成を示す斜視図である。 図50Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第19実施例の構成を示す平面図であり、図50Bは、その側面図である。 図51Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第20実施例の構成を示す平面図であり、図51Bは、その側面図である。 図52Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第21実施例の構成を示す平面図であり、図52Bは、その側面図である。 図53Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第22実施例の構成を示す平面図であり、図53Bは、その側面図である。 図54Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第23実施例の構成を示す平面図であり、図54Bは、その側面図である。 図55は、第23実施例に係る半導体レーザ装置に適用された半導体レーザアレイからの出射光のスペクトルと、当該第23実施例に係る半導体レーザ装置における外部共振器からの出射光のスペクトルである。 図56Aは、この発明に係る半導体レーザ装置の第24実施例の構成を示す平面図であり、図56Bは、その側面図である。
符号の説明
100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330…半導体レーザ装置。

Claims (40)

  1. 所定平面上の第1方向に沿ってそれぞれ伸びた複数の活性層を含みかつ該複数の活性層が該第1方向と直交する第2方向に沿って該所定平面上に並列に配置された半導体レーザアレイと、
    前記活性層からそれぞれ出射された複数の光束を、前記所定平面に直交する第3方向に関してコリメートする第1コリメータレンズと、
    前記第1コリメータレンズから到達した光束であって前記第3方向に関してコリメートされた各光束を、その横断面をほぼ90°回転させた状態で該第3方向に関して所定の拡がり角で出射する光路変換素子と、そして、
    前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の少なくとも一部が到達する位置に配置され、前記活性層とともに外部共振器の少なくとも一部を構成する光学素子であって、前記光路変換素子から到達した各光束の一部を反射させることにより、該反射された各光束の一部を前記活性層に帰還させる光学素子とを備え
    前記光学素子は、前記光路変換素子から出射された所定の拡がり角を持つ光束を反射する反射面を含み、該反射面は、前記光路変換素子からの前記光束の光軸から離れた該光束の一部を前記活性層へ帰還させるよう該光軸に垂直な面に対して傾けられていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 所定平面上の第1方向に沿ってそれぞれ伸びた複数の活性層を含みかつ該複数の活性層が該第1方向と直交する第2方向に沿って該所定平面上に並列に配置された半導体レーザアレイを、該所定平面に直交する第3方向に沿って複数個積層することにより構成された半導体レーザアレイスタックと、
    前記活性層からそれぞれ出射された複数の光束を、前記第3方向に関してコリメートする第1コリメータレンズと、
    前記第1コリメータレンズから到達した光束であって前記第3方向に関してコリメートされた各光束を、その横断面をほぼ90°回転させた状態で該第3方向に関して所定の拡がり角で出射する光路変換素子と、そして、
    前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の少なくとも一部が到達する位置に配置され、前記活性層とともに外部共振器の少なくとも一部を構成する光学素子であって、前記光路変換素子から到達した各光束の一部を反射させることにより、該反射された各光束の一部を前記活性層に帰還させる光学素子とを備え
    前記光学素子は、前記光路変換素子から出射された所定の拡がり角を持つ光束を反射する反射面を含み、該反射面は、前記光路変換素子からの前記光束の光軸から離れた該光束の一部を前記活性層へ帰還させるよう該光軸に垂直な面に対して傾けられていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. 前記光路変換素子と前記光学素子との間の共振光路上に配置され、該光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束を、該第3方向に関してコリメートする第2コリメータレンズをさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記光学素子は、前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の一部を横切る一方残りを通過させる位置に配置されるとともに、前記反射面は、前記活性層から出射される各光束の光軸からずれた共振光路を有する軸ずれ外部共振器を前記活性層とともに構成していることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記光学素子は、前記活性層から出射される各光束の光軸からずれた共振光路を有する軸ずれ外部共振器を前記活性層とともに構成しており、そして、
    前記光学素子の前記光路変換素子に対面する面には、前記反射面として機能する反射部と、該光路変換素子から到達した各光束の残りを外部へ導く透過部とが、前記第3方向に沿って交互に配置されていることを特徴とする請求項2記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記光学素子と前記活性層との間の共振光路上に配置され、該共振光路を経て入射する光のうち特定波長の光を選択的に該共振光路へ出射する波長選択素子をさらに備え、そして、
    前記光学素子は、前記光路変換素子に対面する面上に、前記反射面として機能する反射部と、該光路変換素子から到達した各光束の残りを外部へ導く透過部とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記光路変換素子から出射された前記第3方向に拡がり角を持つ各光束の一部が垂直方向から到達するよう配置されるとともに、前記活性層から出射される各光束の光軸からずれた共振光路を有する軸ずれ外部共振器を前記光学素子とともに構成する波長選択素子であって、該垂直方向から到達した光のうち特定波長の光の一部を前記活性層へ帰還させるようブラッグ反射させる一方、該特定波長の光の残りを透過させる波長選択素子をさらに備え、そして、
    前記光学素子は、前記光路変換素子に対面する面上に、前記反射面として機能する反射部と、該光路変換素子から到達した各光束の残りを外部へ導く透過部とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記光路変換素子から出射された前記第3方向に拡がり角を持つ各光束の一部を回折により反射させるよう配置されるとともに、前記活性層から出射される各光束の光軸からずれた共振光路を有する軸ずれ外部共振器を前記光学素子とともに構成する波長選択素子であって、該回折された光のうち特定波長を有する特定次数の回折光を前記活性層へ帰還させるよう回折反射させる一方、該特定波長を有する該特定次数以外の回折光を外部へ導く波長選択素子をさらに備え、そして、
    前記光学素子は、前記光路変換素子に対面する面上に、前記反射面として機能する反射部と、該光路変換素子から到達した各光束の残りを外部へ導く透過部とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体レーザ装置。
  9. 前記光学素子は、前記光路変換素子から到達する光のうち特定波長の光を選択的に該光路変換素子へ出射する波長選択素子を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体レーザ装置。
  10. 所定平面上の第1方向に沿ってそれぞれ伸びた複数の活性層を含みかつ該複数の活性層が該第1方向と直交する第2方向に沿って該所定平面上に並列に配置された半導体レーザアレイと、
    前記活性層からそれぞれ出射された複数の光束を、前記所定平面に直交する第3方向に関してコリメートする第1コリメータレンズと、
    前記第1コリメータレンズから到達した光束であって前記第3方向に関してコリメートされた各光束を、その横断面をほぼ90°回転させた状態で該第3方向に関して所定の拡散角で出射する光路変換素子と、そして、
    前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の一部を横切る一方残りを通過させる位置に配置され、前記活性層とともに外部共振器の少なくとも一部を構成する反射面を有する光学素子とを備え、
    前記反射面は、到達した前記各光束の一部を全反射することにより該全反射された各光束の一部を前記活性層に帰還させるよう、前記光路変換素子から出射される各光束の光軸に直交する面に対して所定角度傾けられている半導体レーザ装置。
  11. 所定平面上の第1方向に沿ってそれぞれ伸びた複数の活性層を含みかつ該複数の活性層が該第1方向と直交する第2方向に沿って該所定平面上に並列に配置された半導体レーザアレイを、該所定平面に直交する第3方向に沿って複数個積層することにより構成された半導体レーザアレイスタックと、
    前記活性層からそれぞれ出射された複数の光束を、前記所定平面に直交する第3方向に関してコリメートする第1コリメータレンズと、
    前記第1コリメータレンズから到達した光束であって前記第3方向に関してコリメートされた各光束を、その横断面をほぼ90°回転させた状態で該第3方向に関して所定の拡散角で出射する光路変換素子と、そして、
    前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の少なくとも一部を横切る一方残りを通過させる位置に配置され、前記活性層とともに外部共振器の少なくとも一部を構成する反射面を有する光学素子とを備え、
    前記反射面は、到達した前記各光束の一部を全反射することにより該全反射された各光束の一部を前記活性層に帰還させるよう、前記光路変換素子から出射される各光束の光軸に直交する面に対して所定角度傾けられている半導体レーザ装置。
  12. 前記光学素子における反射面の設置角度は、前記光路変換素子から出射される各光束の拡散角の2分の1よりも小さいことを特徴とする請求項10又は11記載の半導体レーザ装置。
  13. 前記反射面は、前記光路変換素子から出射される各光束の光軸を横切るように配置されていることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項記載の半導体レーザ装置。
  14. 前記光路変換素子と前記光学素子との間の共振光路上に配置され、該光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束を、該第3方向に関してコリメートする第2コリメータレンズをさらに備えたことを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項記載の半導体レーザ装置。
  15. 所定平面上の第1方向に沿ってそれぞれ伸びた複数の活性層を含みかつ該複数の活性層が該第1方向と直交する第2方向に沿って該所定平面上に並列に配置された半導体レーザアレイを、該所定平面に直交する第3方向に沿って複数個積層することにより構成された半導体レーザアレイスタックと、
    前記活性層からそれぞれ出射された複数の光束を、前記所定平面に直交する第3方向に関してコリメートする第1コリメータレンズと、
    前記第1コリメータレンズから到達した光束であって前記第3方向に関してコリメートされた各光束を、その横断面をほぼ90°回転させた状態で該第3方向に関して所定の拡がり角で出射する光路変換素子と、そして、
    前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の少なくとも一部が到達する位置に配置され、前記活性層とともに外部共振器の少なくとも一部を構成する光学素子とを備え、
    前記光学素子の前記光路変換素子に対面する面には、該光路変換素子から到達した各光束の一部を前記活性層に帰還させるよう反射させる反射部と、該到達した各光束の残りを外部へ導く透過部とが、前記第3方向に沿って交互に配置されている半導体レーザ装置。
  16. 前記光学素子は、前記反射部と前記透過部がその表面に交互に形成された透光性材料からなる平板状基材を備えたことを特徴とする請求項15記載の半導体レーザ装置。
  17. 前記光学素子における前記平板状基材は、前記反射部に到達する各光束の少なくとも一部を該反射部に垂直入射させるよう、前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の光軸に垂直な面に対して傾けられた状態で配置されていることを特徴とする請求項16記載の半導体レーザ装置。
  18. 前記反射部は、前記平板状基材の表面に形成された全反射膜を含むことを特徴とする請求項16記載の半導体レーザ装置。
  19. 前記反射部は、前記平板状基材の表面に形成された回折格子を含むことを特徴とする請求項16記載の半導体レーザ装置。
  20. 前記反射部は、前記平板状基材の表面に形成されたエタロンを含むことを特徴とする請求項16記載の半導体レーザ装置。
  21. 前記透過部は、前記平板状基材の表面に形成された反射低減膜を含むことを特徴とする請求項16記載の半導体レーザ装置。
  22. 前記光路変換素子と前記光学素子との間の共振光路上に配置され、前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束を、該第3方向に関してコリメートする第2コリメータレンズをさらに備えたことを特徴とする請求項15記載の半導体レーザ装置。
  23. 所定平面上の第1方向に沿ってそれぞれ伸びた複数の活性層を含みかつ該複数の活性層が該第1方向と直交する第2方向に沿って該所定平面上に並列に配置された半導体レーザアレイと、
    前記活性層からそれぞれ出射された複数の光束を、前記所定平面に直交する第3方向に関してコリメートする第1コリメータレンズと、
    前記第1コリメータレンズから到達した光束であって前記第3方向に関してコリメートされた各光束を、その横断面をほぼ90°回転させた状態で該第3方向に関して所定の拡がり角で出射する光路変換素子と、
    前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の少なくとも一部が到達する位置に配置され、前記活性層とともに外部共振器の少なくとも一部を構成する光学素子であって、前記光学素子の前記光路変換素子に対面する面に、該光路変換素子から到達した各光束の一部を前記活性層に帰還させるよう反射させる反射部と、該到達した各光束の残りを外部へ導く透過部とを有する光学素子と、そして、
    前記光学素子と前記活性層との間の共振光路上に配置され、該共振光路を経て入射する光のうち特定波長の光を選択的に該共振光路へ出射する波長選択素子とを備えた半導体レーザ装置。
  24. 所定平面上の第1方向に沿ってそれぞれ伸びた複数の活性層を含みかつ該複数の活性層が該第1方向と直交する第2方向に沿って該所定平面上に並列に配置された半導体レーザアレイを、該所定平面に直交する第3方向に沿って複数個積層することにより構成された半導体レーザアレイスタックと、
    前記活性層からそれぞれ出射された複数の光束を、前記所定平面に直交する第3方向に関してコリメートする第1コリメータレンズと、
    前記第1コリメータレンズから到達した光束であって前記第3方向に関してコリメートされた各光束を、その横断面をほぼ90°回転させた状態で該第3方向に関して所定の拡がり角で出射する光路変換素子と、
    前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の少なくとも一部が到達する位置に配置され、前記活性層とともに外部共振器の少なくとも一部を構成する光学素子であって、前記光学素子の前記光路変換素子に対面する面に、該光路変換素子から到達した各光束の一部を前記活性層に帰還させるよう反射させる反射部と、該到達した各光束の残りを外部へ導く透過部とを有する光学素子と、そして、
    前記光学素子と前記活性層との間の共振光路上に配置され、該共振光路を経て入射する光のうち特定波長の光を選択的に該共振光路へ出射する波長選択素子とを備えた半導体レーザ装置。
  25. 前記光路変換素子と前記光学素子との間の共振光路上に配置され、前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束を、該第3方向に関してコリメートする第2コリメータレンズをさらに備えたことを特徴とする請求項23又は24記載の半導体レーザ装置。
  26. 前記波長選択素子は、回折格子素子、エタロンフィルタ及び誘電体多層膜フィルタのいずれかを含むことを特徴とする請求項23又は24記載の半導体レーザ装置。
  27. 前記波長選択素子は、前記光学素子の前記反射部とは別個に設けられた透過型素子を含むことを特徴とする請求項23又は24記載の半導体レーザ装置。
  28. 前記波長選択素子は、前記光学素子の前記反射部に設けられた反射型素子を含むことを特徴とする請求項23又は24記載の半導体レーザ装置。
  29. 前記光学素子は、前記反射部と前記透過部がその表面に形成された透光性材料からなる平板状基材を備えたことを特徴とする請求項23又は24記載の半導体レーザ装置。
  30. 前記光学素子における前記反射部及び前記透過部は、前記第3方向に沿って交互に配置された複数の反射要素及び複数の透過要素から構成されていることを特徴とする請求項24記載の半導体レーザ装置。
  31. 前記光学素子の前記反射部は、前記光路変換素子から出射された各光束の光軸に垂直な面に対して傾けられており、該反射部は到達した光の少なくとも一部を入射方向と同じ方向に反射させることを特徴とする請求項23又は24記載の半導体レーザ装置。
  32. 所定平面上の第1方向に沿ってそれぞれ伸びた複数の活性層を含みかつ該複数の活性層が該第1方向と直交する第2方向に沿って該所定平面上に並列に配置された半導体レーザアレイと、
    前記活性層からそれぞれ出射された複数の光束を、前記所定平面に直交する第3方向に関してコリメートする第1コリメータレンズと、
    前記第1コリメータレンズから到達した光束であって前記第3方向に関してコリメートされた各光束を、その横断面をほぼ90°回転させた状態で該第3方向に関して所定の拡がり角で出射する光路変換素子と、
    前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の少なくとも一部が到達する位置に配置され、前記光学素子の前記光路変換素子に対面する面に、該光路変換素子から到達した各光束の少なくとも一部を前記活性層に帰還させるよう反射させる反射部と、該到達した各光束の残りを外部へ導く透過部とを有する光学素子と、そして、
    前記光路変換素子から出射された前記第3方向に拡がり角を持つ各光束の一部が垂直方向から到達するよう配置され、前記光学素子とともに外部共振器を構成する波長選択素子であって、該垂直方向から到達した光のうち特定波長の光の一部を前記活性層へ帰還させるようブラッグ反射させる一方、該特定波長の光の残りを透過させる波長選択素子とを備えた半導体レーザ装置。
  33. 所定平面上の第1方向に沿ってそれぞれ伸びた複数の活性層を含みかつ該複数の活性層が該第1方向と直交する第2方向に沿って該所定平面上に並列に配置された半導体レーザアレイを、該所定平面に直交する第3方向に沿って複数個積層することにより構成された半導体レーザアレイスタックと、
    前記活性層からそれぞれ出射された複数の光束を、前記所定平面に直交する第3方向に関してコリメートする第1コリメータレンズと、
    前記第1コリメータレンズから到達した光束であって前記第3方向に関してコリメートされた各光束を、その横断面をほぼ90°回転させた状態で該第3方向に関して所定の拡がり角で出射する光路変換素子と、
    前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の少なくとも一部が到達する位置に配置され、前記光学素子の前記光路変換素子に対面する面に、該光路変換素子から到達した各光束の少なくとも一部を前記活性層に帰還させるよう反射させる反射部と、該到達した各光束の残りを外部へ導く透過部とを有する光学素子と、そして、
    前記光路変換素子から出射された前記第3方向に拡がり角を持つ各光束の一部が垂直方向から到達するよう配置され、前記光学素子とともに外部共振器を構成する波長選択素子であって、該垂直方向から到達した光のうち特定波長の光の一部を前記活性層へ帰還させるようブラッグ反射させる一方、該特定波長の光の残りを透過させる波長選択素子とを備えた半導体レーザ装置。
  34. 所定平面上の第1方向に沿ってそれぞれ伸びた複数の活性層を含みかつ該複数の活性層が該第1方向と直交する第2方向に沿って該所定平面上に並列に配置された半導体レーザアレイと、
    前記活性層からそれぞれ出射された複数の光束を、前記所定平面に直交する第3方向に関してコリメートする第1コリメータレンズと、
    前記第1コリメータレンズから到達した光束であって前記第3方向に関してコリメートされた各光束を、その横断面をほぼ90°回転させた状態で該第3方向に関して所定の拡がり角で出射する光路変換素子と、
    前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の少なくとも一部が到達する位置に配置され、前記光学素子の前記光路変換素子に対面する面に、該光路変換素子から到達した各光束の少なくとも一部を前記活性層に帰還させるよう反射させる反射部と、該到達した各光束の残りを外部へ導く透過部とを有する光学素子と、そして、
    前記光路変換素子から出射された前記第3方向に拡がり角を持つ各光束の一部を回折により反射させるよう配置され、前記光学素子とともに外部共振器を構成する波長選択素子であって、該回折された光のうち特定波長を有する特定次数の回折光を前記活性層へ帰還させるよう回折反射させる一方、該特定波長を有する該特定次数以外の回折光を外部へ導く波長選択素子とを備えた半導体レーザ装置。
  35. 所定平面上の第1方向に沿ってそれぞれ伸びた複数の活性層を含みかつ該複数の活性層が該第1方向と直交する第2方向に沿って該所定平面上に並列に配置された半導体レーザアレイを、該所定平面に直交する第3方向に沿って複数個積層することにより構成された半導体レーザアレイスタックと、
    前記活性層からそれぞれ出射された複数の光束を、前記所定平面に直交する第3方向に関してコリメートする第1コリメータレンズと、
    前記第1コリメータレンズから到達した光束であって前記第3方向に関してコリメートされた各光束を、その横断面をほぼ90°回転させた状態で該第3方向に関して所定の拡がり角で出射する光路変換素子と、
    前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束の少なくとも一部が到達する位置に配置され、前記光学素子の前記光路変換素子に対面する面に、該光路変換素子から到達した各光束の少なくとも一部を前記活性層に帰還させるよう反射させる反射部と、該到達した各光束の残りを外部へ導く透過部とを有する光学素子と、そして、
    前記光路変換素子から出射された前記第3方向に拡がり角を持つ各光束の一部を回折により反射させるよう配置され、前記光学素子とともに外部共振器を構成する波長選択素子であって、該回折された光のうち特定波長を有する特定次数の回折光を前記活性層へ帰還させるよう回折反射させる一方、該特定波長を有する該特定次数以外の回折光を外部へ導く波長選択素子とを備えた半導体レーザ装置。
  36. 前記光学素子と前記光路変換素子との間の共振光路、及び、前記波長選択素子と前記光路変換素子との間の共振光路それぞれをともに横切るように配置され、前記光路変換素子から出射された前記第3方向に所定の拡がり角を持つ各光束を、該第3方向に関してコリメートする第2コリメータレンズをさらに備えたことを特徴とする請求項32〜35のいずれか一項記載の半導体レーザ装置。
  37. 前記光学素子は、前記反射部及び前記透過部がその表面に形成された透光性材料からなる平板状基材をさらに備えたことを特徴とする請求項32〜35のいずれか一項記載の半導体レーザ装置。
  38. 前記光学素子における前記反射部及び前記透過部は、前記第3方向に沿って交互に配置された複数の反射要素及び複数の透過要素から構成されていることを特徴とする請求項33又は35記載の半導体レーザ装置。
  39. 前記光学素子における前記反射部は、前記光路変換素子から出射された前記第3方向に拡がり角を持つ各光束の光軸に垂直な面に対して傾けられており、該反射部に到達する各光束の少なくとも一部は、該反射部に対して垂直方向から入射することを特徴とする請求項32〜35のいずれか一項記載の半導体レーザ装置。
  40. 前記波長選択素子は、前記光学素子における前記透過部と一致する位置に配置されていることを特徴とする請求項32又は34記載の半導体レーザ装置。
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