JP4000723B2 - ディスクドライブ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば光ディスクなどのディスク状記録媒体に対応して再生動作又は記録動作を行なうことのできるディスクドライブ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学ディスク記録媒体としていわゆるCD−ROMのようなCD方式のディスクや、マルチメディア用途に好適なDVD(Digital Versatile Disc/Digital Video Disc)と呼ばれるディスクなどが開発されている。また上記CD方式のディスクとして、CD−R(コンパクトディスク−レコーダブル)と呼ばれる追記型のディスクも開発されている。
これらのディスクに対応するディスクドライブ装置では、スピンドルモータにより回転されているディスクに対して、光ピックアップからそのディスク上のトラックに対してレーザ光を照射し、その反射光を検出することでデータの読出を行なったり、記録データにより変調されたレーザ光を照射することでデータの記録を行ったりする。
【0003】
レーザ光により記録又は再生動作を行うためには、レーザ光のスポットがディスクの記録面上において合焦状態で保たれなければならず、このためディスクドライブ装置には、レーザ光の出力端である対物レンズをディスクに接離する方向に移動させてフォーカス状態を制御するフォーカスサーボ機構が積載されている。このフォーカスサーボ機構としては、通常、対物レンズをディスクに接離する方向に移動させるフォーカスコイル及びディスク半径方向に移動させることのできるトラッキングコイルを有する2軸機構と、ディスクからの反射光情報からフォーカスエラー信号(即ち合焦状態からのずれ量の信号)を生成し、そのフォーカスエラー信号に基づいてフォーカスドライブ信号を生成し、上記2軸機構のフォーカスコイルに印加するフォーカスサーボ回路系から構成されている。
即ちフィードバック制御系としてフォーカスサーボ機構が構成される。
【0004】
また、既によく知られているようにフォーカスエラー信号に基づいて合焦状態に引き込むことのできる範囲は、フォーカスエラー信号としてS字カーブが観測される範囲内という非常に狭い範囲であるため、フォーカスサーボを良好に実行するには、フォーカスサーボループをオンとする際の動作として一般にフォーカスサーチと呼ばれる動作が必要となる。
このフォーカスサーチ動作とは、対物レンズをそのフォーカスストローク範囲内で強制的に移動させるようにフォーカスコイルにフォーカスドライブ信号を印加する。この時フォーカスエラー信号を観測していると、対物レンズの位置がある範囲内にある際に、S字カーブが観測される。そのS字カーブのリニアな領域となるタイミング(もしくはゼロクロスタイミング)でフォーカスサーボをオンとするものである。
【0005】
ところで、上記したようなディスクドライブ装置に用いられるディスクの中には、例えばディスクドライブ装置に積載してディスクを回転させた時に、その信号記録面が上下方向に変動する、いわゆる面ブレが発生するディスクが存在することが知られている。
【0006】
以下、ディスクに面ブレが発生する主な要因を概略的に説明するが、ディスクの面ブレを説明するにあたって、先ず、ディスクの構造を簡単に説明しておく。図7はディスクの構造の一例としてCD−ROMの層構造を示した断面図である。
この図7に示すディスク100は、例えばCD−ROMとされ、そのディスク全体の厚みは、1.2mm とされている。また図示していないがその直径は12cmとされている。
ディスク100には、光透過率が高くかつ耐機械的特性或いは耐化学特性を有する透明ポリカーボネイト樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、或いはアクリル樹脂等の透明な合成樹脂材料によってディスク基板(透明層)101が成形される。ディスク基板101には、一方の主面に成形金型に組み込まれたスタンパによってピットが転写され、信号面102が形成される。この信号面102におけるピットは、所定の情報信号に対応してそれぞれ円周方向の長さを異にする符号化された小孔としてディスク基板101に形成され、記録トラックを構成することになる。
【0007】
この信号面102が形成されたディスク基板101の面には光反射率の高いアルミニウム等が蒸着されて反射層103が形成されると共に、さらに全体に保護層104が被覆されている。
このCD−ROM100に対してはディスクドライブ装置からのレーザ光がディスク表面105側から入射され、信号面102に記録された情報がその反射光から検出されることになる。
【0008】
上記したようなディスクの層構造を踏まえて、図8〜図10を用いてディスクに面ブレが発生する主な要因について概略的に説明しておく。
先ず、ディスクが面ブレする要因の1つには、ディスクの製造過程において、図7に示したディスク100の信号面102が平坦でなく例えば波打つように変形し、このような信号面102に対して反射層103が蒸着されることによって発生することが挙げられる。
【0009】
図8は、そのようなディスクの構造を模式的に、且つ、面ブレ状況を極端にして示した図であり、同図(a)はその上面図、同図(b)は同図(a)に示した一点破線Y−Yを矢示方向から見た断面図である。
この図8(a),(b)に示すように、例えばディスク100のディスク基板101の厚みが、例えば一方の半円部分と他方の半円部分とで異なる場合、一方の半円部分のA地点と、このA地点と同一円周上とされる他方の半円部分のB地点とでは、図8(b)からもわかるように、ディスク表面105から反射層103が蒸着されている信号面102までの距離が異なることになる。
この場合は、ディスク100のA地点における対物レンズ110の焦点位置P1と、B地点における対物レンズ110の焦点位置P2とが異なるため、ディスク100が1回転する毎に、対物レンズ110が焦点位置P1とP2の間を移動することになる。従って、ディスクドライブ装置から見れば、図8に示したディスク100は面ブレしている面ブレディスクとなる。
【0010】
また、例えば図9に示すようにディスク100の一部分だけが反っている場合も、一方の半円部分のA地点と、同一円周上の他方のB地点とでは、A地点における対物レンズ110の焦点位置P1と、B地点における対物レンズ110の焦点位置P2とが異なる。従って、この場合もディスク100が1回転する毎に、対物レンズ110が焦点位置P1とP2の間を移動することになるので、ディスクドライブ装置から見れば、この図に示すようなディスク100も面ブレしていることになる。
【0011】
また、図10に示すように、ディスク100をディスクドライブ装置のターンテーブル120に装填(チャッキング)した際に、図示するようにディスク100が傾いた状態でチャッキングされる等して、チャッキング不良が発生した場合も、ディスク100の一方の半円部分のA地点と、同一円周上の他方のB地点とでは、それぞれの焦点位置がP1,P2と異なるため、ディスクドライブ装置から見れば面ブレと見なすことができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記図8〜図10に示した何れのディスク100においても、ディスクドライブ装置により記録又は再生動作を行った場合は、ディスク100の回転にともない、対物レンズ110の焦点位置が変化することになる。
但し、市販されているディスクは多少なりとも面ブレしていることがあり、例えばディスク100の面ブレによって変化する対物レンズ110の合焦位置が、フォーカスサーボによるフォーカス引き込み可能範囲内で、且つ、フォーカスサーボによるフォーカス追従可能範囲内であれば、ディスクドライブ装置では、フォーカスサーボにより対物レンズ110のディスク接離方向の位置を制御することができる。つまり、ディスク100が面ブレしている場合でも、データの記録又は再生動作に支障をきたすような面ブレ状態でなければ、ディスク100の信号記録面に照射されるレーザ光のスポットを合焦状態に保つことができるので、ディスク100に対してデータの記録又は再生を行うことが可能とされる。
【0013】
なお、以下本明細書では、データの記録又は再生に支障をきたすような面ブレが生じているディスクのことを面ブレ状態にあるディスクと表記し、フォーカス系が追従することが可能とされ、データの記録又は再生を正常に行うことができる面ブレディスクと区別することとする。
【0014】
ところが、近年、ディスクドライブ装置は、ディスクとの間でデータ転送速度の向上を図るため、ディスクを通常の4倍速、8倍速、或いは14倍速で回転させるといった高速化が進んでいる。
ディスクを高速で回転させながらデータの記録又は再生を行った場合、ディスクに面ブレが生じていると、信号記録面に対してレーザ光の合焦状態に保つフォーカス追従動作が困難になり、信号記録面に対して照射されているレーザ光が合焦状態から非合焦状態となる、いわゆるフォーカスサーボ外れが発生し易くなる。
つまり、従来のディスクドライブ装置では、ディスクに面ブレが生じていると、ディスクの高速回転に伴い、ディスクの面ブレにフォーカスサーボ系が追従することができなくなることがあった。
このため、ディスクドライブ装置には、ディスクを高速回転させた場合でもフォーカス追従動作が可能なフォーカスサーボが必要になる。
【0015】
しかしながら、そのようなフォーカスサーボの設計は、フォーカスサーボの部品点数の増加を伴うため、装置の大型化、及びコストアップ等を招くことになり、そのようなフォーカスサーボを実現するのは困難であった。
このため、従来のディスクドライブ装置では、ディスクを装填して高速で回転させた際に、ディスクの面ブレにフォーカスサーボ系が追従していくことが困難となり、データの記録又は再生を確実に、且つ、正確に行うことができなくなるといった問題点があった。
【0016】
そこで、従来のディスクドライブ装置では、ディスクを高速回転させた状態で、データの記録又は再生を行った際に、信号記録面上で合焦状態が保たれていたレーザ光が非合焦状態となった場合、即ちフォーカスサーボが外れた場合は、そのディスクはフォーカスサーボ系で追従するのが困難な面ブレ状態にあると判断して、ディスクの回転速度を減速させるといったことが考えられる。
【0017】
しかしながら、ディスクドライブ装置のフォーカスサーボが外れる要因としては、ディスクがフォーカスサーボ系で追従するのが困難な面ブレ状態になる以外にも、例えばディスク表面に付いた傷や汚れ、外部からの振動や衝撃等によっても発生するため、単にフォーカスサーボが外れたからといって、必ずしもその回転速度においてディスクが面ブレ状態にあるとは判断できない。
【0018】
特に、ディスク表面に付いた傷や汚れ、或いは外部からの振動や衝撃等に伴うフォーカスサーボ外れは、ディスクの回転速度に関係なく発生するため、単にフォーカスサーボが外れたからといってディスクの回転速度を減速させた場合は、ディスクへのデータ転送速度を遅くするだけという結果になりかねないという欠点があった。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ディスクがフォーカスサーボ系で追従するのが困難な面ブレ状態にあるかどうかを検出できると共に、ディスクが面ブレ状態にある時は、最適な状態でデータの記録又は再生を行うことができるディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【0020】
このために、本発明のディスクドライブ装置は、ディスク状記録媒体を各種回転速度で回転駆動する回転駆動手段と、ディスク状記録媒体に対してレーザ光を照射すると共に、ディスク状記録媒体からの反射光を検出するピックアップ手段と、上記ピックアップ手段から出力されるレーザ光が、ディスク状記録媒体の信号記録面に対して合焦状態を保つように制御するフォーカス制御手段と、上記レーザ光が上記信号記録面に対して合焦状態を保つように上記フォーカス制御手段によって駆動制御が行われている状態のもとで、上記レーザ光が合焦状態から非合焦状態となる頻度を検出するフォーカス状態検出手段と、上記フォーカス状態検出手段により検出された上記頻度から一定期間内に所定の回数以上のフォーカスサーボ外れを検出した場合には、上記回転駆動手段によるディスク状記録媒体の回転速度を減速制御する回転駆動制御手段と、を備え、上記フォーカス状態検出手段は、少なくとも、上記レーザ光が合焦状態から非合焦状態となる頻度を検出するためのカウンタを備え、上記信号記録面に対する上記レーザ光の合焦状態が非合焦状態となった際に、上記カウンタに対して所定のカウント値を加算すると共に、上記信号記録面に対するレーザ光の合焦状態が保たれている時は、上記カウンタのカウント値を減算することで、上記カウント値が所定のリミット値を超えたことによって上記レーザ光が合焦状態から非合焦状態となる頻度を検出するようにする。
【0021】
即ち、本発明のディスクドライブ装置は、データの記録又は再生動作が行われている状態のもとで、フォーカス状態検出手段により信号記録面に対して照射されるレーザ光が合焦状態から非合焦状態となる頻度を検出し、その検出結果に基づいて、一定期間内に所定の回数以上のフォーカスサーボ外れを検出したか否かによつて、積載されているディスクがデータの記録又は再生に支障をきたすような面ブレ状態にあるかどうかの判別を行うようにしている。そしてディスクがデータの記録又は再生に支障をきたすような面ブレ状態にあると判別した時は、ディスクを回転させる回転駆動手段の回転速度を減速させてディスクの面ブレの影響を低減することで、ディスクに対してデータの記録又は再生を確実に行うことが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態として光ディスクを記録媒体とするディスクドライブ装置を説明していく。
本例のディスクドライブ装置では、積載される光ディスクは例えば先に図7で説明したCD−ROMとして説明する。
【0023】
図1は本例のディスクドライブ装置70の要部のブロック図である。
ディスク90は、ターンテーブル7に積載され、再生動作時においてスピンドルモータ1によって一定線速度(CLV(Constant Linear Verocity))もしくは一定角速度(CAV(Constant Angular Verocity))で回転駆動される。そしてピックアップ1によってディスク90にエンボスピット形態などで記録されているデータの読み出しが行なわれることになる。
なお、CLV方式によってデータが記録されたCD−ROM等のディスクであっても、CAV方式によってデータの読み出しを行うことも可能である。つまり、デコーダ12で再生データに対応した再生クロックが抽出することができる限りにおいては、デーコード処理は可能であるため、再生時のディスク回転はCAVでもCLVでも構わないものとされる。
【0024】
ピックアップ1内には、レーザ光源となるレーザダイオード4や、反射光を検出するためのフォトディテクタ5、レーザ光の出力端となる対物レンズ2、レーザ光を対物レンズ2を介してディスク記録面に照射し、またその反射光をフォトディテクタ5に導く光学系が形成される。
対物レンズ2は二軸機構3によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持されている。
またピックアップ1全体はスレッド機構8によりディスク半径方向に移動可能とされている。
【0025】
ディスク90からの反射光情報はフォトディテクタ5によって検出され、受光光量に応じた電気信号とされてRFアンプ9に供給される。
RFアンプ9には、フォトディテクタ5としての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。例えば再生データであるRF信号、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE、フォーカス引き込み可能範囲を示すFOK信号、トラッキングエラー信号TEなどを生成する。
RFアンプ9から出力される再生RF信号は2値化回路11へ、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEはサーボプロセッサ14へ供給される。またFOK信号はシステムコントローラ10へ供給される。
【0026】
RFアンプ9で得られた再生RF信号は2値化回路11で2値化されることでいわゆるEFM信号(8−14変調信号)とされ、デコーダ12に供給される。デコーダ12ではEFM復調,エラー訂正処理等を行ない、また必要に応じてCD−ROMデコードなどを行なってディスク90から読み取られた情報の再生を行なう。
なおデコーダ12は、デコードしたデータをデータバッファとしてのキャッシュメモリ20に蓄積していく。
ディスクドライブ装置70からの再生出力としては、キャッシュメモリ20でバファリングされているデータが読み出されて転送出力されることになる。
【0027】
インターフェース部13は、外部のホストコンピュータ80と接続され、ホストコンピュータ80との間で再生データやリードコマンド等の通信を行う。
即ちキャッシュメモリ20に格納された再生データは、インターフェース部13を介してホストコンピュータ80に転送出力される。
またホストコンピュータ80からのリードコマンドその他の信号はインターフェース部13を介してシステムコントローラ10に供給される。
【0028】
サーボプロセッサ14は、RFアンプ9からのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEや、デコーダ12もしくはシステムコントローラ10からのスピンドルエラー信号SPE等から、フォーカス、トラッキング、スレッド、スピンドルの各種サーボドライブ信号を生成しサーボ動作を実行させる。
即ちフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、二軸ドライバ16に供給する。二軸ドライバ16はピックアップ1における二軸機構3のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップ1、RFアンプ9、サーボプロセッサ14、二軸ドライバ16、二軸機構3によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
【0029】
なおフォーカスサーボをオンとする際には、まずフォーカスサーチ動作を実行しなければならない。フォーカスサーチ動作とは、サーボプロセッサ14がフォーカスサーボオフの状態で所要のフォーカスドライブ信号FDを発生し、対物レンズ2を強制的に移動させる。そしてその移動過程でフォーカスエラー信号FEのS字カーブが得られる位置を検出するものである。公知の通り、フォーカスエラー信号のS字カーブのうちのリニア領域は、フォーカスサーボループを閉じることで対物レンズ2の位置を合焦位置に引き込むことのできる範囲である。従ってフォーカスサーチ動作として対物レンズ2を強制的に移動させながら、この引込可能な範囲を検出し、そのタイミングでフォーカスサーボをオンとすることで、以降、レーザースポットが合焦状態に保持されるフォーカスサーボ動作が実現されるものである。
【0030】
以上のフォーカスサーボ、フォーカスサーチの動作は、システムコントローラ10がサーボプロセッサ14に指示を与えることで実行される。システムコントローラ10がこれらのフォーカス動作制御を行うためにはフォーカスエラー信号FEを監視する必要がある。このため、本実施の形態にあっては、システムコントローラ10はRFアンプ9からフォーカス引き込み可能範囲を示すFOK信号によりフォーカスエラー信号FEを監視している。
【0031】
なお、フォーカスエラー信号FEにおいて図2(b)に示すようなS字カーブが観測されるのは、適切な反射光量がディテクタ5で得られている場合であり、この時、いわゆる反射光量の和信号(RF信号)は図2(a)に示すようにそのレベルが大きくなる。この図2(a)に示すRF信号を所定のスレッショルドレベルThと比較した出力は、図2(c)に示すようなS字カーブの区間を示すいわゆるFOK信号となる。
【0032】
例えばフォーカスサーボ引込のタイミングとなるフォーカスエラー信号のゼロクロスとは、S字カーブ内でのゼロクロスポイントをいうが、実際には反射光が適切に得られないS字カーブ領域以外ではフォーカスエラー信号FEはほぼゼロレベルとなり、対物レンズ移動中に単純にフォーカスエラー信号をゼロレベルとコンパレートしていても正確にS字カーブ領域でのゼロクロスポイントを検出できないことがある。そこで、S字カーブ領域以外のゼロクロスを排除するために、FOK信号をウインドウとして図2(d)に示すようなフォーカスゼロクロスFZCの検出を行うことなどが考えられる。
【0033】
図1において、サーボプロセッサ14はさらに、スピンドルモータドライバ17に対してスピンドルエラー信号SPEに応じて生成したスピンドルドライブ信号を供給する。スピンドルモータドライバ17はスピンドルドライブ信号に応じて例えば3相駆動信号をスピンドルモータ6に印加し、スピンドルモータ6のCAV回転を実行させる。またサーボプロセッサ14はシステムコントローラ10からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータドライバ17によるスピンドルモータ6の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
【0034】
なお、スピンドルモータ6のCAV回転としての角速度については、システムコントローラ10が各種速度に設定できる。
例えばデコーダ12は、デコード処理に用いるためにEFM信号に同期した再生クロックを生成するが、この再生クロックから現在の回転速度情報を得ることができる。システムコントローラ10もしくはデコーダ12は、このような現在の回転速度情報と、基準速度情報を比較することで、CAVサーボのためのスピンドルエラー信号SPEを生成する。従って、システムコントローラ11は、基準速度情報としての値を切り換えれば、CAV回転としての角速度を変化させることができる。例えばある通常の角速度を基準として4倍速、8倍速、14倍速などの角速度を実現できる。
これによりデータ転送レートの高速化が可能となる。
なお、もちろんCLV方式であっても回転速度の切換は可能である。
【0035】
サーボプロセッサ14は、例えばトラッキングエラー信号TEの低域成分として得られるスレッドエラー信号や、システムコントローラ10からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッドドライバ15に供給する。スレッドドライバ15はスレッドドライブ信号に応じてスレッド機構8を駆動する。スレッド機構8には図示しないが、ピックアップ1を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スレッドドライバ15がスレッドドライブ信号に応じてスレッドモータ8を駆動することで、ピックアップ1の所要のスライド移動が行なわれる。
【0036】
ピックアップ1におけるレーザダイオード4はレーザドライバ18によってレーザ発光駆動される。
システムコントローラ10はレーザダイオード4を用いてディスク90に対する再生動作を実行させる際に、レーザパワーの制御値をオートパワーコントロール回路19にセットし、オートパワーコントロール回路19はセットされたレーザパワーの値に応じてレーザ出力が行われるようにレーザドライバ18を制御する。
【0037】
なお、記録動作が可能な装置とする場合は、記録データに応じて変調された信号がレーザドライバ18に印加される。
例えば記録可能タイプのディスク(CD−R等)に対して記録を行う際には、ホストコンピュータからインターフェース部13に供給された記録データは図示しないエンコーダによってエラー訂正コードの付加、EFM変調などの処理が行われた後、レーザドライバ18に供給される。
そしてレーザドライバ18が記録データに応じてレーザ発光動作をレーザダイオード4に実行させることで、ディスク90に対するデータ記録が実行される。
【0038】
以上のようなサーボ及びデコード、エンコードなどの各種動作はマイクロコンピュータによって形成されたシステムコントローラ10により制御される。
そしてシステムコントローラ10は、ホストコンピュータ80からのコマンドに応じて各種処理を実行する。
例えばホストコンピュータ80から、ディスク90に記録されている或るデータの転送を求めるリードコマンドが供給された場合は、まず指示されたアドレスを目的としてシーク動作制御を行う。即ちサーボプロセッサ14に指令を出し、シークコマンドにより指定されたアドレスをターゲットとするピックアップ1のアクセス動作を実行させる。
その後、その指示されたデータ区間のデータをホストコンピュータ80に転送するために必要な動作制御を行う。即ちディスク90からのデータ読出/デコード/バファリング等を行って、要求されたデータを転送する。
なお、ホストコンピュータ80からのデータ要求がシーケンシャルに行われており、要求されたデータが例えば先読み動作などで予めキャッシュメモリ20に格納されていた場合は、キャッシュヒット転送として、ディスク90からのデータ読出/デコード/バファリング等を行わずに、要求されたデータを転送できる。
【0039】
上記のような構成とされる本実施の形態のディスクドライブ装置は、積載されたディスク90を或る回転速度で回転させた際に、その回転速度におけるディスク90がデータ転送に支障をきたすような面ブレ状態にあるかどうか判別することができるようにされている。
そして、例えば或る回転速度におけるディスク90が面ブレ状態にあり、データ転送を正確に行うことができない恐れがある場合は、ディスク90の特性に応じた最適な回転速度でデータの再生を行うように構成されている。
【0040】
そこで、本実施の形態のディスクドライブ装置の特徴的な動作として、先ず、積載されたディスク90を或る回転速度で回転させた際に、ディスク90がデータ転送に支障をきたすような面ブレ状態にあるかどうかを検出する検出動作について説明する。
【0041】
ディスクドライブ装置において、例えば或る回転速度でディスク90を回転させてデータの再生を行っている状態で、そのディスク90の信号記録面に対して照射しているレーザ光のレーザスポットが合焦状態から非合焦状態になる、いわゆるフォーカスサーボ外れが発生したからといって、その回転速度におけるディスク90がデータ転送に支障をきたすような面ブレ状態にあると判断することはできない。
これは、先に説明したように、例えばディスク90の表面に付いた傷や汚れ、或いは振動や衝撃等によってもフォーカスサーボ外れが発生するからである。
このため、例えば再生動作を行っている状態のもとで、単にフォーカスサーボ外れの回数が或る境界値を超えたからといって、ディスク90が面ブレ状態にあると判断することはできない。
【0042】
そこで、本実施の形態にあっては、或る回転速度でディスク90に対してデータ転送を行った際に、その回転速度におけるフォーカスサーボ外れの頻度を検出して、ディスク90がデータ転送に支障をきたすような面ブレ状態にあるかどうか判別するようにしている。
ディスク90が面ブレ状態にあるかどうかの判別は、システムコントローラ10によって行うようにされる。このため、本実施の形態のシステムコントローラ10にはソフトウェアによる機能ブロックとして、図示していないフォーカスエラーカウンタ及びタイマが設けられている。
そして、システムコントローラ10は、RFアンプ9からのFOK信号によりフォーカスサーボ状態の監視を行い、フォーカスサーボ外れを検出した時は、フォーカスエラーカウンタに所定のカウント値を加算するようにしている。
さらにシステムコントローラ10は、フォーカスエラーカウンタにカウント値が加算されている状態のもとでは、一定時間が経過するごとにそのカウント値の減算を行う。
そして、このフォーカスエラーカウンタのカウント値がリミット値を超えた時点で、その回転速度におけるディスク90は面ブレ状態にあると判別するようにしている。
なお、データの再生動作が停止された場合は、その停止期間内では、フォーカスエラーカウンタのカウント値の減算を行うことなく、停止直前のカウント値を保持しておくものとする。但し、ディスクの交換が行われた場合は、交換された新たなディスクの面ブレ状況は異なるため、フォーカスエラーカウンタのカウント値はリセットするものとされる。
【0043】
ここで、図3に示すフォーカスエラーカウンタのカウント値の遷移図を用いて、本実施の形態のディスクドライブ装置におけるディスク90がデータ転送に支障をきたすような面ブレ状態にあるかどうかの具体的な判別動作の一例を説明する。
この図3に示されている例では、システムコントローラ10は、データの再生を行っている状態のもとで、RFアンプ9からのFOK信号によりフォーカスサーボ外れを検出した時は、フォーカスエラーカウンタにカウント値として「+700」を加算するようにされる。
また、一定期間として例えば10ms経過するごとに、フォーカスエラーカウンタのカウント値を「−1」づつ減算していくようにされる。
また、フォーカスエラーカウンタのリミット値としては、「+1500」が設定されている。
そして、フォーカスエラーカウンタのカウント値が、上記リミット値を超えた時点でディスク90が面ブレ状態にあると判別するようにしている。
なお、本例では1回のフォーカスサーボ外れによって加算されるカウント値「+700」は10ms経過するごとに「−1」づつ減算されるので、例えばフォーカスサーボ外れが7秒間に渡って発生しなければ、フォーカスエラーカウンタのカウント値は「0」に戻ることになる。
【0044】
図3(a)に示されている例では、先ず、t1時点において、フォーカスエラーカウンタにカウント値として「+700」が加算されている。つまり、このt1時点においてフォーカスサーボ外れが検出されたことになる。
続くt1時点からt2時点までの区間は、フォーカスエラーカウンタのカウント値が10ms毎に「−1」づつ減算されているので、この区間ではフォーカスサーボ外れが検出されていないことになる。
そしてt2時点において、再びフォーカスエラーカウンタにカウント値として「+700」が加算されていることから、t2時点で再びフォーカスサーボ外れが検出されたことになる。
続くt2時点からt3時点までの区間は、再びフォーカスエラーカウンタのカウント値が再び10ms毎に「−1」づつ減算されているので、この区間ではフォーカスサーボ外れが検出されていない。
【0045】
またt3時点からt4時点までの区間は、フォーカスエラーカウンタのカウント値が加算及び減算されることなく推移していることから、この区間はデータの再生動作が停止されていることになる。
そしてt4時点から再びカウント値の減算が開始されているので、ディスク交換が行われることなくディスク90の再生動作が開始されたことになる。
そして、続くt5、t6、t7時点において、それぞれフォーカスエラーカウンタにカウント値「+700」が加算されていることからフォーカスサーボ外れが検出されたことになる。
この場合、t7時点においてフォーカスエラーカウンタのカウント値は、リミット値とされる「+1500」を超えるので、システムコントローラ10は、このt7時点においてディスク90がデータ転送に支障をきたす面ブレ状態にあると判別することになる。
【0046】
一方、図3(b)に示されている例では、t11、t12、t14時点においてフォーカスエラーカウンタにカウント値「+700」が加算されているものの、フォーカスエラーカウンタのカウント値がリミット値「+1500」より小さい値で推移している。従って、この場合は、システムコントローラ10はディスク90が面ブレ状態にないと判別することになる。
なお、t13時点及びt15時点では、フォーカスエラーカウンタのカウント値は「0」になった場合は、カウント値が加算されるまで「0」の状態で推移することになる。
【0047】
このように本実施の形態のディスクドライブ装置は、データの再生動作時において、システムコントローラ10がフォーカスサーボ外れを検出したときはフォーカスエラーカウンタにカウント値「+700」を加算すると共に、それ以外のフォーカスサーボがオン状態の時は10ms経過毎にそのカウント値を「−1」づつ減算するようにしている。
そして、フォーカスエラーカウンタのカウント値が例えばリミット値「+1500」を超えた時点でディスク90が面ブレ状態にあると判別するようにしている。
【0048】
つまり、本実施の形態にあっては、単にフォーカスサーボ外れを検出したからといってディスク90が面ブレ状態にあると判別するのではなく、フォーカスサーボ外れが一定期間にどのくらいの頻度で発生するかといった発生頻度に基づいて、ディスク90が面ブレ状態にあるかどうか判別するようにしている。
【0049】
図4は、本実施の形態のディスクドライブ装置で上記の手法によるところにおいて、フォーカスサーボ外れの発生頻度と、ディスク90がデータ転送に支障をきたす面ブレ状態にあると判別する判別回数との関係を示した図ある。
この図4に示すように、本実施の形態にあっては、例えばフォーカスサーボ外れが2秒に1回の発生頻度ならば、3回目のフォーカスサーボ外れを検出した時点で、フォーカスエラーカウンタのカウント値がリミット値を超えることになるので、この3回目のフォーカスサーボ外れを検出した時点で、ディスク90は面ブレ状態にあると判別する。
また3秒に1回の発生頻度ならば、4回目のフォーカスサーボ外れを検出した時点で、フォーカスエラーカウンタのカウント値がリミット値を超えるのでディスク90は面ブレ状態にあると判別する。
【0050】
同様に4秒に1回の発生頻度ならば4回目のフォーカスサーボ外れを検出した時点、5秒に1回の発生頻度ならば6回目のフォーカスサーボ外れを検出した時点、6秒に1回の発生頻度ならば10回目のフォーカスサーボ外れを検出した時点で、それぞれディスク90が面ブレ状態にあると判別する。
なお、本例の場合では、7秒に1回、若しくはそれ以下の発生頻度でフォーカスサーボ外れが検出される場合は、フォーカスエラーカウンタのカウント値がリミット値を超えることはないので、フォーカスサーボ外れを検出してもディスク90が面ブレ状態にあると判別することはない。
【0051】
このように本実施の形態では、ディスク90のフォーカスサーボ外れの発生頻度と、その発生頻度に応じたフォーカスサーボ外れ回数により、ディスク90に対して、フォーカス系が追従していくことが困難となり、データ転送に支障をきたすような面ブレ状態にあるかどうか判別を行うようにしている。そうすることで、例えば不規則に発生するディスクの傷や汚れ、或いは振動や衝撃等によって発生するフォーカスサーボ外れによる影響を極力なくして、ディスク90が面ブレ状態にある時に定常的に発生するフォーカスサーボ外れを判別することができる。つまりディスク90が面ブレ状態かどうか判別することが可能とされる。
【0052】
なお、本実施の形態において提示したフォーカスサーボ外れを検出した時に加算したカウント値「+700」、カウント値を「−1」づつ減算する周期「10ms」、及びリミット値「+1500」はあくまでも一例であり、ディスクドライブ装置に応じて任意に変更可能である。
【0053】
さらに本実施の形態のディスクドライブ装置は、上記のようにしてデータの再生動作時におけるフォーカスサーボ外れの発生頻度により、ディスク90が面ブレ状態にあるかどうかの判別を行い、例えばディスク90が面ブレ状態にある時は、ディスク90を回転させているスピンドルモータ6の回転速度を減速させる減速動作を行うようにされる。
【0054】
図5は本実施の形態のディスクドライブ装置におけるディスク90の回転速度の変移の様子を示した図である。
この図5に示すように、本実施の形態のディスクドライブ装置は、ディスク90を回転させるスピンドルモータ6の初期速度が7000rpm (角速度14倍速)であれば、その回転速度においてディスク90が面ブレ状態にあると判別した時は、スピンドルモータ6の回転速度を初期速度7000rpm から予め設定されている第1の減速速度とされる例えば4000rpm (角速度8倍速)まで減速させるようにする。
そして、この第1の減速速度4000rpm によって、ディスク90に対するデータの再生動作を行うと共に、再度ディスク90が面ブレ状態にあるかどうかの判別を行うようにする。
【0055】
そしてさらに、本実施の形態にあっては、この第1の減速速度4000rpm においてもディスク90が面ブレ状態にあると判別した時は、例えば図5に示すように第1の減速速度4000rpm から第2の減速速度とされる例えば2000rpm (角速度4倍速)までスピンドルモータ6の回転速度を減速させるようにしている。
【0056】
このようにして、例えばディスク90を或る回転速度で回転させている状態において、その回転速度においてディスク90がデータ転送に支障をきたすような面ブレ状態にある場合、本実施の形態ではディスク90を回転させるスピンドルモータ6の回転速度をディスク90の面ブレ状態が解消されるまで減速制御行うようにしている。これにより、ディスク90からのデータの再生を正確にしかも確実に行うことができるようになる。
また、本実施の形態では、ディスク90が面ブレ状態にある場合は、ディスク90を回転させるスピンドルモータ6の回転速度を初期速度から段階的に減速させるようにしているため、ディスク90の面ブレ状態を解消することができるディスク回転速度で、しかも最も速い所定の回転速度でデータ転送を行うことが可能になる。つまり、ディスクの特性に応じた最適な回転速度でデータの転送を行うことが可能になる。
【0057】
なお本実施の形態では、ディスク90が交換された時にスピンドルモータ6の回転速度を初期速度7000rpm (14倍速)に戻すものとし、例えばディスク90が面ブレ状態にあり、一旦、スピンドルモータ6の回転速度を減速した場合は、ディスク90の交換が行われるまでスピンドルモータ6の回転速度を加速する加速動作は行わないようにしている。
これは、スピンドルモータ6の回転速度を減速させて、ディスク90の面ブレ状態が解消され、その減速した回転速度においてフォーカスサーボ外れが殆ど発生しない場合でも、スピンドルモータ6の回転速度を元の回転速度に戻すとディスク90が再び面ブレ状態になることが多い。
このため、本実施の形態では、スピンドルモータ6の回転速度を一度減速させた場合はディスクが交換されるまでディスク90の回転速度を元に戻さないもとしている。
もちろん、ディスク90が面ブレ状態でない場合は、スピンドルモータ6の回転速度を加速させることも当然可能であり、例えばディスク90の回転速度を一度減速させた場合でもスピンドルモータ6の回転速度を加速することは当然可能である。
【0058】
また本実施の形態では、ディスク90を回転させるスピンドルモータ6の回転速度を初期速度から段階的に減速させるようにしているが、例えば1回の減速制御で確実にデータ転送を行うことができる回転速度まで減速させるようにしても良い事は言うまでもない。
【0059】
上記したような本実施の形態のディスクドライブ装置の動作を実現するためのシステムコントローラ10の処理動作の一例を図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
なお、本例ではディスクドライブ装置にディスク90が積載されたうえで、再生動作が実行された時に行われる処理動作を例に挙げて説明する。
また、この処理動作は再生動作としてフォーカスサーボがオン状態となった時点で実行されるものとする。
この場合、システムコントローラ10は、先ずステップS101において、その内部に設けられているフォーカスエラーカウンタのカウント値Xに対して「0」を代入する。つまり、フォーカスエラーカウンタのカウント値Xをリセットする処理を実行する。
【0060】
次にステップS102では、その内部に設けられているタイマのスタートさせた後、ステップS103に進み、ステップS103において各種ディスクアクセス動作を実行させるための各種処理、例えば再生動作を実行させるための各種処理を実行させる。
そして、ステップS104において、システムコントローラ10はフォーカスサーボがオン状態かどうかの判別、つまりフォーカスサーボ外れが発生したかどうかの判別を行うようにされる。このような処理はシステムコントローラ10がRFアンプ9から供給されるFOK信号に基づいて判別するようにされる。
【0061】
ここで、例えばフォーカスサーボがオン状態と判別した時は、ステップS105に進み、先にステップS102においてスタートさせたタイマのタイマ値Tが10ms以上かどうかの判別を行うようにされる。
ステップS105において、タイマ値Tが10ms以上であれば、ステップS106に進み、ステップS106において、フォーカスエラーカウンタのカウント値を「−1」だけ減算する処理を実行する。
そして続くステップS107において、タイマをリセットした後、ステップS102に戻り、ステップS102からの処理を実行する。
なお、ステップS105において、タイマ値Tが10msを超えていなければ、ステップS103の処理に戻り、ステップS103からの処理を実行することになる。
【0062】
一方、ステップS104において、フォーカスサーボがオフ状態、つまりフォーカスサーボ外れが発生したと判別した時は、ステップS108に進んで、フォーカスエラーカウンタのカウント値Xに700を加算した後、ステップS109に進む。
ステップS106では、フォーカスエラーカウンタのカウント値Xがリミット値「+1500」を超えているかどうかの判別を行っており、カウント値Xがリミット値を超えていれば、ステップS110に進んで、ディスク90の回転速度を減速させるための処理を実行した後、ステップS101に戻り、ステップS101からの処理を実行する。
【0063】
ステップS110において実行される減速処理としては、例えばシステムコントローラ10は、スピンドルモータ6の回転速度情報と比較する基準速度情報を変えることで実現することができる。
なお、ステップS109において、カウント値Xがリミット値を超えていなければ、ステップS107に進んで、上記ステップS107から処理を実行するようにされる。
このような処理動作をシステムコントローラ10が実行することで、これまで説明した本実施の形態のディスクドライブ装置の動作を実現することができる。
【0064】
なお、本実施の形態ではCD−ROMに対応したディスクドライブ装置を例にとって説明したが、これはあくまでも一例であり、例えばCD−RやCD−RWといった記録可能な光ディスクや、相変化方式で再生専用とされるDVD−ROM、書き換え可能なDVD−RAM/+RW/−RW、或いはMO(光磁気ディスク)、LD(レーザーディスク)等の各種光学ディスク状記録媒体に対応したディスクドライブ装置に適用することができるのは言うまでもない。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、データの記録又は再生動作が行われている状態のもとで、フォーカス状態検出手段により、信号記録面に対して照射されるレーザ光が合焦状態から非合焦状態となる頻度を検出し、その検出結果に基づいて、積載されているディスクがデータの転送に支障をきたすような面ブレ状態にあるかどうかの判定を行うようにしている。
そして、ディスク状態検出手段により、面ブレ状態にあると判別した時は、ディスクを回転させている回転駆動手段の回転速度を可変制御することで、ディスクの面ブレの影響を低減させて、ディスクに対してデータの記録又は再生動作を正確、且つ、確実に行うことが可能になる。
【0066】
また本発明は、フォーカス状態検出手段により、レーザ光が合焦状態から非合焦状態となった際に、カウンタに対して所定のカウント値を加算すると共に、信号記録面に対するレーザ光の合焦状態が保たれている時は、カウンタのカウント値の減算を行い、カウンタのカウント値からレーザ光が合焦状態から非合焦状態となる頻度を検出することで、ディスクがデータの記録又は再生に支障をきたすような面ブレ状態にあるかどうかの判別を確実に行うことができる。
【0067】
また本発明は、フォーカス状態検出手段の検出結果に基づいて、回転駆動制御手段により、ディスクを回転させる回転駆動手段の回転速度を段階的に減速するようにしているため、ディスクの回転速度をディスクの特性に応じた最適な回転速度に設定することができるといった効果もある。
【0068】
さらにまた本発明は、新たな構成を追加することなく、通常の記録又は再生に用いるハードウエアだけで、ディスクが面ブレ状態にあるかどうかの検出を行うことができるため、部品点数の削減による装置の小型化、低価格化、及びデータの記録又は再生動作の信頼性の向上を図ることができるといった効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のディスクドライブ装置のブロック図である。
【図2】フォーカスサーチ動作時の各種信号波形の説明図である。
【図3】実施の形態のフォーカスエラーカウンタのカウント値の遷移図である。
【図4】実施の形態のフォーカス外れの発生頻度と、フォーカスサーボ外れ回数の関係を示した図ある。
【図5】実施形態のディスクドライブ装置におけるディスクの回転速度の変移の様子を示した図である。
【図6】システムコントローラの処理動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】CD−ROMの層構造の説明図である。
【図8】ディスクの面ブレの要因を説明するための図である。
【図9】ディスクの面ブレの要因を説明するための図である。
【図10】ディスクの面ブレの要因を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ピックアップ、2 対物レンズ、3 二軸機構、4 レーザダイオード、5 フォトディテクタ、6 スピンドルモータ、8 スレッド機構、9 RFアンプ、10 システムコントローラ、13 インターフェース部、14 サーボプロセッサ、20 キャッシュメモリ、70 ディスクドライブ装置、80 ホストコンピュータ、90 ディスク
Claims (2)
- ディスク状記録媒体を各種回転速度で回転駆動する回転駆動手段と、
ディスク状記録媒体に対してレーザ光を照射すると共に、ディスク状記録媒体からの反射光を検出するピックアップ手段と、
上記ピックアップ手段から出力されるレーザ光が、ディスク状記録媒体の信号記録面に対して合焦状態を保つように制御するフォーカス制御手段と、
上記レーザ光が上記信号記録面に対して合焦状態を保つように上記フォーカス制御手段によって駆動制御が行われている状態のもとで、上記レーザ光が合焦状態から非合焦状態となる頻度を検出するフォーカス状態検出手段と、
上記フォーカス状態検出手段により検出された上記頻度から一定期間内に所定の回数以上のフォーカスサーボ外れを検出した場合には、上記回転駆動手段によるディスク状記録媒体の回転速度を減速制御する回転駆動制御手段と、
を備え、
上記フォーカス状態検出手段は、少なくとも、上記レーザ光が合焦状態から非合焦状態となる頻度を検出するためのカウンタを備え、上記信号記録面に対する上記レーザ光の合焦状態が非合焦状態となった際に、上記カウンタに対して所定のカウント値を加算すると共に、上記信号記録面に対するレーザ光の合焦状態が保たれている時は、上記カウンタのカウント値を減算することで、上記カウント値が所定のリミット値を超えたことによって上記レーザ光が合焦状態から非合焦状態となる頻度を検出すること
を特徴とするディスクドライブ装置。 - 上記回転駆動制御手段は、上記減速制御により、上記回転駆動手段の回転速度を段階的に減速可能とされることを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。
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