JP4000602B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的なパチンコ機は、遊技盤面の略中央の遊技領域に複数の入賞口が設けられているとともに、遊技領域の下方にアウト口が設けられており、発射装置によって遊技領域の上方に打ち込まれた遊技球が、いずれの入賞口にも入賞することなく遊技領域の下方まで流下した場合には、アウト口から排出される(パチンコホールに回収される)ようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のパチンコ機においては、遊技領域に打ち込まれた遊技球の内、入賞口に入賞する遊技球は僅かであり、ほとんどが、発射装置によって発射されてからごく短時間の内に、入賞口に入賞することなくアウト口から排出される。すなわち、従来のパチンコ機の遊技内容は、発射装置によって遊技領域の上方に打ち込まれた遊技球がただ単に落下するだけであるため、淡泊で面白味に欠ける面があった。
【0004】
本発明の目的は、上記従来のパチンコ機が有する問題点を解消し、遊技内容が新鮮で面白く、遊技者がいつまでも興味を持って遊技をし続けることが可能な趣向性の高いパチンコ機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
遊技盤面に外レールが円弧状に垂設され、該外レールの内側に中レールが円弧状に垂設され、さらに該中レールの内側に内レールが垂設され、該外、中、内レールに囲まれた遊技領域に入賞口が設けられているとともに、前記内レール内側の最下位置に第1アウト口が設けられており、発射装置により前記外レールと中レールとの間の第1通路を通って前記遊技領域に打ち込まれた遊技球が、前記入賞口に入賞することなく前記内レール内側の最下位置まで流下した場合に前記第1アウト口から排出されるパチンコ機であって、前記中レールの最下位置に、前記入賞口に入賞することなく前記中レールに沿ってその最下位置まで流下した遊技球を、前記中レールと前記内レールとの間で前記第1通路とは逆側に設けられた第2通路を通して再度遊技領域に打ち込む再発射装置を設けるとともに、前記再発射装置の近傍で、且つ、前記第1通路側の前記中レール沿いに、前記中レールに沿ってその最下位置まで流下する遊技球の一部を排出するための第2アウト口を設けたことにある。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のパチンコ機の実施の一形態を図面に基いて詳細に説明する。
【0007】
[実施例1]
実施例1のパチンコ機1aは、いわゆる第1種のパチンコ機に再発射装置を設けたものである。図1は、実施例1のパチンコ機1aの正面を示したものであり、機台の遊技盤面の中央よりやや上方には、略円形の遊技領域2が設けられており、その遊技領域2の下側には、遊技球を貯留しておくための上皿3が遊技盤面から突出するように設けられている。上皿3の下方には、上皿3と連通した下皿4が同様に突設されており、その下皿4の右側には、上皿3内に貯留された遊技球を遊技領域2に打ち込むための発射ハンドル5が、遊技盤面から突出するように設けられている。発射ハンドル5は、遊技盤面に垂直な軸を中心として回動可能に枢着されている。そして、操作されていない状態においては、内蔵されたバネ部材によって、最も左回転した位置で停止するように付勢されており、遊技者が、右回転させた場合には、内蔵された発射装置(図示せず)が作動して、遊技球が発射されるようになっている。さらに、右回転させる角度を大きくすると、発射される遊技球の初速が増大するように(すなわち、遊技球が強く発射されるように)なっている。
【0008】
また、図2は、遊技領域2を拡大して示したものであり、遊技領域2は、円弧状に遊技盤面に垂設された長尺な帯状金属板からなる外レール6によって囲まれている。そして、外レール6の内側には、外レール6と同様に中レール7が垂設されており、さらに、その中レール7の内側には、同様に内レール8が垂設されている(なお、図2において、Aは内レール8の端縁である)。
【0009】
遊技者が発射ハンドル5を右回転操作することによって発射された遊技球は、外レール6の内壁に沿って跳ね上がり、外レール6と中レール7との間の第1通路9を通って、遊技領域2内に入り込むようになっている。なお、中レール7の左側の端縁(遊技領域2の左サイドの上方の部分)には、遊技領域2内に打ち込まれた遊技球が、再度第1通路9内に逆戻りしないように、弁構造を有する戻り防止部材10が付設されている。
【0010】
また、外レール6の右側の端縁(遊技領域2の右側上方の部分)には、硬質ゴム等の弾性材料によって形成された跳ね返し部材11が付設されており、発射ハンドル5が大きく右回転操作されて強く打ち込まれた遊技球を跳ね返し、遊技領域2の右サイドを流下させるようになっている。
【0011】
さらに、遊技領域2の略中央には、液晶画面によって形成された特別図柄表示部12が設けられており、一桁の数字や一文字のアルファベット等の図柄を横方向に3つ並べて表示できるようになっている(以下、特別図柄表示部12に表示される図柄を特別図柄という)。
【0012】
特別図柄表示部12の下側には、遊技球を暫時載置可能なステージ13が遊技盤面に対して略垂直に設けられており、特別図柄表示部12の両サイドのやや上方に設けられた遊技球通過口14,14を通過した遊技球が遊技盤面の内部を通って現出するようになっている。また、遊技球通過口14,14の外側には、それぞれ、遊技球が通過可能な普通図柄始動ゲート16,16が設けられている。さらに、特別図柄表示部12の上方には、普通図柄表示部15が設けられ、一桁の数字や一文字のアルファベット等の図柄を表示できるようになっており(以下、普通図柄表示部15に表示される図柄を普通図柄という)、特別図柄表示部12の下側には、普通電動役物17が設けられている。そして、その普通電動役物17の下側には、大入賞口18が設けられている。一方、右側の遊技球通過口14の上方には、硬質ゴム等の弾性材料によって形成された厚肉板状の球止部材19が、遊技盤面から突出するように設けられている。なお、遊技領域2には、それらの他にも入賞口、風車、電飾ランプ等が設けられているとともに、多数の障害釘が打ち込まれている。
【0013】
また、内レール8の内側の最下位置の遊技盤面には、略楕円状の第1アウト口20が穿設されており、遊技領域2に打ち込まれ、いずれの入賞装置にも入賞することなく流下した遊技球が排出される(パチンコホールに回収される)ようになっている。
【0014】
さらに、中レール7の最下位置には、駆動ローラ21および補助ローラ22とからなる再発射装置23が設けられている。駆動ローラ21は、硬質ゴム等の弾性材料によって形成されており、内蔵されたローラ駆動用モータ(図示せず)によって、遊技盤面に垂直な軸を中心に右回転可能に枢着されている。また、補助ローラ22も、同様に、硬質ゴム等の弾性材料によって形成されており、遊技球の直径より僅かに短い間隔をおいて駆動ローラ21の上部に回転可能に枢着されている。なお、内蔵されたローラ駆動用モータの回転速度は、発射ハンドル5の右回転角度と比例するように構成されており、発射ハンドル5を回転させていない場合にはローラ駆動用モータは回転しないようになっている。
【0015】
一方、再発射装置23から遊技球約4個分の間隔をおいた左側の遊技盤面は、長方形状に穿設され、第2アウト口24を形成しており、遊技領域2に打ち込まれ、いずれの入賞装置にも入賞することなく中レール7の内壁に沿って流下した遊技球の一部が排出される(パチンコホールに回収される)ようになっている。また、再発射装置23の右側の中レール7には、ファール球戻り部25が切り欠き形成されている。
【0016】
なお、パチンコ機1aは、遊技球が大入賞口18に入賞した場合には、15個の賞品球を、その他の入賞口に入賞した場合には7個の賞品球を、それぞれ賞品球払い出し装置(図示せず)により払い出すようになっている。
【0017】
また、パチンコ機1aは、遊技球が普通図柄始動ゲート16内を通過した場合には、普通図柄表示部15に表示された図柄が変動し、所定時間後に停止表示となり、停止表示となった図柄が予め設定されている「当たり図柄」である場合には、普通電動役物17が所定時間開成し、さらに、普通電動役物17に遊技球が入賞した場合には、特別図柄表示部12に表示されている3つの特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止表示となり、停止表示となった3つの特別図柄が予め設定されている「大当たり図柄」である場合(たとえば、3つの特別図柄が同一である場合)には、「大当たり状態」が生起し、大入賞口18がきわめて高い確率で所定回数断続的に開成するようになっている(したがって、「大当たり状態」が生起した場合には、遊技者はきわめて高い確率で多くの賞品球を獲得することができる)。
【0018】
かかる実施例1のパチンコ機1aにおいては、遊技者の発射ハンドル5の回転操作によって遊技領域2に打ち込まれた遊技球が各入賞口に入賞することなく遊技領域2の略中央より右側を流下した場合には、内レール8の最下部に設けられた第1アウト口20から排出される。しかしながら、遊技球が各入賞口に入賞することなく遊技領域2の左側を流下した場合には、中レール7の内壁に沿って再発射装置23まで導かれ、再発射装置23の駆動ローラ21と補助ローラ22との間に順次挟み込まれ、駆動ローラ21の回転力によって中レール7の内壁に沿って右側に弾き出される(すなわち、遊技球が再発射される)。弾き出された遊技球は、中レール7と内レール8との間の第2通路26を通って跳ね上げられ、遊技領域2の右サイドに現出する。この際、遊技球が遊技領域2内に強く弾き出された場合には、遊技球は球止部材19によって下方に跳ね返され、遊技領域2の右サイドを流下する。一方、遊技球が非常に弱く発射され、遊技領域2まで到達しなかった場合には、ファール球戻り部25を通って上皿3に返却される。なお、再発射装置23の左側に第2アウト口24が設けられているため、遊技領域2の左サイドを流下した遊技球の全てが再発射装置23によって遊技領域2に向けて再発射される訳ではなく、約半数のみが再発射される。
【0019】
実施例1のパチンコ機1aは、上記の如く構成されているため、遊技領域2に打ち込まれ、いずれの入賞口へも入賞することなく遊技領域2の下方まで流下した遊技球であっても、再発射装置23によって再度発射され入賞することがあり、場合によってはその入賞によって「大当たり状態」が生起することもあり得る。したがって、跳ね上げられた遊技球がただ単に落下するだけの従来のパチンコ機と比較した場合に、遊技内容が新鮮で面白く、趣向性が高いため、遊技者が飽きることなくいつまでも興味を持って遊技をし続けることができる。
【0020】
[実施例2]
実施例2のパチンコ機1bは、いわゆる第3種のパチンコ機に再発射装置を設けたものである。なお、実施例2のパチンコ機1bの遊技領域以外の部分は実施例1のパチンコ機1aの遊技領域以外の部分と同じ外観であり、遊技領域2の下側に上皿3と下皿4とが上下に連設されており、下皿4の右側には、発射ハンドル5が設けられている。発射ハンドル5等の構造も、実施例1のパチンコ機1aと同様である。
【0021】
図3は、実施例2のパチンコ機1bの遊技領域2を示したものであり、遊技領域2の略中央には、液晶画面によって形成された普通図柄表示部15が設けられており、一桁の数字や一文字のアルファベット等の普通図柄を横方向に3つ並べて表示できるようになっている。また、普通図柄表示部15の下側には、遊技球が通過可能な普通図柄始動ゲート16が設けられ、その普通図柄始動ゲート16の下側には、入賞口27が設けられており、さらに、その入賞口27の下側には、普通電動役物17が設けられている。普通電動役物17は、下側の両サイドが遊技盤面に軸支されており、上側が遊技盤面から突出するように開成するようになっている。なお、図4は、開成した状態の普通電動役物17を示したものであり、前傾状態となった扉30の裏側の略中央には、遊技球を載置可能な載置部31が設けられており、遊技球を1個載置することができるようになっている。また、普通電動役物17の中央の内部には、特別装置作動領域32が設けられており、載置部31に遊技球が載置された状態で扉30が閉じた場合には、載置部30に載置された遊技球が特別装置作動領域32内に入賞するようになっている。
【0022】
一方、図3に示す如く、普通図柄表示部15の両サイドには、第3種始動口28,28が設けられており、それぞれ、回転可能に枢着された回転部材29を介して遊技球が入賞可能になっている(すなわち、一旦回転部材29の保持部38に保持された遊技球が、回転部材29の回転に伴って第3種始動口28まで導かれて入賞するようになっている)。また、遊技領域2の右サイドに設けられた第3種始動口28の下側には、大入賞口18が設けられている。なお、遊技領域2には、それらの他にも入賞口、風車、電飾ランプ等が設けられているとともに、多数の障害釘が打ち込まれている。
【0023】
また、パチンコ機1bは、遊技球が普通図柄始動ゲート16内を通過した場合には、普通図柄表示部15に表示された3つの普通図柄が変動し、所定時間後に停止表示となり、停止表示となった3つの普通図柄が予め設定されている「当たり図柄」である場合(たとえば、3つの普通図柄が同一である場合)には、普通電動役物17が所定時間開成するようになっている。そして、開成した普通電動役物17に遊技球が入賞し、さらに、扉30の内側の載置部31に遊技球が載置された場合には、大入賞口18をきわめて高い確率で断続的に開成させ得る「権利発生状態」が生起するようになっている。
【0024】
「権利発生状態」においては、遊技球が第3種始動口28に入賞する毎に、大入賞口18が所定時間あるいは遊技球が所定個数入賞するまで開成する。そして、この大入賞口18の断続的な開成が、第3種始動口28に遊技球が所定個数入賞するまで(すなわち、大入賞口18が所定回数開成するまで)繰り返されるようになっている(したがって、「権利発生状態」が生起した場合には、遊技者はきわめて高い確率で多くの賞品球を獲得することができる)。
【0025】
なお、実施例2のパチンコ機は、遊技領域2に打ち込まれた多数の障害釘によって、「権利発生状態」において遊技球が遊技領域2の右サイドを流下した場合には、高い確率で、右サイドの第3種始動口28および開成した大入賞口18に入賞するようになっているとともに、遊技球が遊技領域2の左サイドを流下した場合には、ほとんど大入賞口18に入賞しないようになっている(すなわち、「権利発生状態」において多くの賞品球を獲得するためには、遊技球に遊技領域2の右サイドを流下させる必要がある)。
【0026】
また、実施例2のパチンコ機1bの遊技領域2にも、実施例1のパチンコ機1aと同様に、外レール6、中レール7、内レール8が周設され、内レール8の内側の最下位置の遊技盤面には第1アウト口20が穿設され、中レール7の最下位置には、実施例1のパチンコ機1aと同じ再発射装置23が付設され、再発射装置23の左側には第2アウト口24が設けられ、さらに、再発射装置23の右側の中レール7には、ファール球戻り部25が切り欠き形成されている。しかしながら、実施例2のパチンコ機1bは、実施例1のパチンコ機1aと異なり、再発射装置23とファール球戻り部25との間に、可動舌片33が設置されている。可動舌片33は、片端が、遊技盤面に垂直な軸を中心に回動可能に枢着されており、パチンコ機1bに内蔵された舌片駆動用モータ(図示せず)によって、他端が上下に動くようになっている。図5は、可動舌片33が可動する様子を示したものであり、実施例2のパチンコ機1bは、「通常状態」(「権利発生状態」以外の状態)中においては、図5(a)の如く、可動舌片33の自由端が下側に位置するようになっており、「権利発生状態」中においては、図5(b)の如く、可動舌片33の自由端が上側に位置し、可動舌片33の上面が中レール7の内面に沿うようになっている。なお、実施例2のパチンコ機1bは、「通常状態」中においては、補助ローラ22が上昇移動し、駆動ローラ21との間隔が遊技球1個分より長くなるように構成されている。
【0027】
さらに、実施例2のパチンコ機1bも実施例1のパチンコ機1aと同様、内レール8の内側の最下位置の遊技盤面は、略楕円状に穿設され、第1アウト口20を形成しており、遊技領域2に打ち込まれ、いずれの入賞装置にも入賞することなく流下した遊技球が排出されるようになっており、遊技球が大入賞口18に入賞した場合には、15個の賞品球を、その他の入賞口に入賞した場合には7個の賞品球を、それぞれ賞品球払い出し装置(図示せず)により払い出すようになっている。
【0028】
かかる実施例2のパチンコ機1bにおいては、実施例1のパチンコ機1aと同様、遊技者の発射ハンドル5の回転操作によって遊技領域2に打ち込まれた遊技球が各入賞口に入賞することなく遊技領域2の左側を流下した場合には、中レール7の内壁に沿って再発射装置23まで導かれ、再発射装置23の駆動ローラ21と補助ローラ22との間に順次挟み込まれ、駆動ローラ21の回転力によって中レール7の内壁に沿って右側に弾き出される。しかしながら、実施例2のパチンコ機1bにおいては、「通常状態」中に遊技球が遊技領域2の左側を流下した場合には、可動舌片33の自由端が下側に位置し、補助ローラ22が上昇移動しているため、再発射装置23によって弾き出された遊技球は全てファール球戻り部25内に入り込み、上皿3に返却される。一方、「権利発生状態」中に遊技球が遊技領域2の左側を流下した場合には、可動舌片33の自由端が上側に位置しているため、再発射装置23によって弾き出された遊技球は、中レール7と内レール8との間の第2通路26を通って跳ね上げられ、遊技領域2の右サイドに現出する。なお、実施例1のパチンコ機1aと同様、遊技球が遊技領域2に強く弾き出された場合には、遊技球は球止部材19によって下方に跳ね返され、遊技領域2の右サイドを流下するし、遊技球が非常に弱く発射され、遊技領域2まで到達しなかった場合には、ファール球戻り部25を通って上皿3に返却される。また、実施例1のパチンコ機1aと同様、再発射装置23の左側に第2アウト口24が設けられているため、遊技領域2の左サイドを流下した遊技球の全てが再発射装置23によって遊技領域2に向けて再発射される訳ではなく、約半数のみが再発射される。
【0029】
実施例2のパチンコ機1bは、上記の如く構成されているため、実施例1のパチンコ機1aと同様に、遊技領域2に打ち込まれ、いずれの入賞口へも入賞することなく遊技領域2の下方まで流下した遊技球であっても、再発射装置23によって再度発射され入賞することがあり、場合によっては「権利発生状態」が生起することもあり得る。したがって、跳ね上げられた遊技球がただ単に落下するだけである従来のパチンコ機と比較した場合に、遊技内容が新鮮で面白く、趣向性が高いため、遊技者が飽きることなくいつまでも興味を持って遊技をし続けることができる。
【0030】
また、実施例2のパチンコ機1bは、「権利発生状態」中に、遊技者の発射ハンドル5の回転操作によって遊技領域2に打ち込まれた遊技球が各入賞口に入賞することなく遊技領域2の左側を流下した場合には、再発射装置23によって再度遊技領域2の右サイドに打ち込まれて、高い確率で右サイドの第3種始動口28および開成した大入賞口18に入賞するので、遊技者は、「権利発生状態」の生起中に、わざわざ発射ハンドル5を大きく右回転操作して、遊技球を遊技領域2に強く打ち込む必要がない。このため、遊技者は、非常に容易に遊技をすることができる。
【0031】
[実施例3]
実施例3のパチンコ機1cも、第3種のパチンコ機に再発射装置を設けたものであり、実施例2のパチンコ機1bの構成と略同一であるが、実施例3のパチンコ機1cは、可動部材33の設置位置、および作動内容が、実施例2のパチンコ機と異なっている。
【0032】
実施例3のパチンコ機1cにおいては、実施例2のパチンコ機1bと異なり、図6に示す如く、可動舌片33が再発射装置23とファール球戻り部25との間に設置されておらず、第2アウト口24の右隣に設置されている。設置された可動舌片33の構造は、実施例2のパチンコ機1bと略同様であり、片端が、遊技盤面に垂直な軸を中心に回動可能に枢着され、パチンコ機に内蔵された舌片駆動用モータ(図示せず)によって、他端が上下に動くようになっている。そして、「通常状態」中においては、図6(a)に示す如く、可動舌片33の自由端が下側に位置しており、可動舌片33の片面が第2アウト口24の右端と一致するようになっており、「権利発生状態」中においては、図6(b)に示す如く、可動舌片33の自由端が上側に位置し、その下側を遊技球が通過できるようになっている。
【0033】
上記の如く構成された実施例3のパチンコ機1cにおいては、「通常状態」中には、可動舌片33の自由端が下側に位置しているため、遊技者の発射ハンドル5の回転操作によって遊技領域2に打ち込まれた遊技球が各入賞口に入賞することなく遊技領域2の左側を流下した場合には、中レール7の内壁に沿って流下し可動舌片33に衝突して、全てが第2アウト口24から排出される(パチンコホールに回収される)。一方、「権利発生状態」中には、可動舌片33の自由端が上側に位置しており、可動舌片33の下側を遊技球が通過できるようになっているため、遊技領域2に打ち込まれた遊技球が各入賞口に入賞することなく遊技領域2の左側を流下した場合には、中レール7の内壁に沿って再発射装置23まで導かれ、再発射装置23の駆動ローラ21と補助ローラ22との間に順次挟み込まれ、駆動ローラ21の回転力によって中レール7の内壁に沿って右側に弾き出され、第2通路26を通って遊技領域2の右サイドに現出する。
【0034】
実施例3のパチンコ機1cは、上記の如く構成されているため、実施例1のパチンコ機1aや実施例2のパチンコ機1bと同様に、遊技領域2に打ち込まれ、いずれの入賞口へも入賞することなく遊技領域2の下方まで流下した遊技球であっても、再発射装置23によって再度発射され入賞することがあり、場合によっては「権利発生状態」が生起することもあり得る。したがって、跳ね上げられた遊技球がただ単に落下するだけである従来のパチンコ機と比較した場合に、遊技内容が新鮮で面白く、趣向性が高いため、遊技者が飽きることなくいつまでも興味を持って遊技をし続けることができる。
【0035】
また、実施例2のパチンコ機1bと同様に、「権利発生状態」中に、遊技領域2に打ち込まれた遊技球が各入賞口に入賞することなく遊技領域2の左側を流下した場合には、再発射装置23によって再度遊技領域2の右サイドに打ち込まれて、高い確率で右サイドの第3種始動口28および開成した大入賞口18に入賞するので、遊技者は、「権利発生状態」の生起中に、わざわざ発射ハンドル5を大きく右回転操作して、遊技球を遊技領域2に強く打ち込む必要がなく、非常に容易に遊技することができる。
【0036】
なお、本発明のパチンコ機の構成は、上記した各実施例の態様に何ら限定されるものではなく、各種入賞口の設置個数および形状・構造、障害釘の配置、特別図柄表示部の形状・構造、普通図柄表示部の形状・構造、特別図柄表示部に表示される特別図柄の個数・種類、普通図柄表示部に表示される普通図柄の個数・種類、普通図柄始動ゲートの形状・構造、普通電動役物および大入賞口の形状・構造、再発射装置の形状・構造、第1アウト口および第2アウト口の形状・設置位置、「大当たり状態」および「権利発生状態」における作動内容等を、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更できる。
【0037】
たとえば、実施例2および実施例3のパチンコ機は、普通図柄始動ゲートを遊技球が通過した場合に普通図柄が変動を開始する構造とせず、遊技球が所定の入賞口に入賞した場合に普通図柄が変動を開始するように構成することも可能である。そのように構成する場合には、遊技球の入賞により普通図柄が変動を開始するとともに所定個数の遊技球が払い出されるようにする。
【0038】
また、実施例1のパチンコ機1aの特別図柄表示部や、実施例2のパチンコ機1bあるいは実施例3のパチンコ機1cの普通図柄表示部において変動したり停止表示となったりする特別図柄の数は、3個に限定されるものではなく、2個であっても良いし、逆に4個や5個であっても良い。さらに、これらの特別図柄表示部や普通図柄表示部は、液晶画面によって形成されたものに限定されず、複数の図柄を連続的に配置した複数のドラムが連設された構造のものであっても良い。
【0039】
さらに、再発射装置の駆動ローラを、2枚の平行に配置された円形板部材の間に、4枚の仕切り板が垂直に挟み込まれた形状に形成された合成樹脂製の回転体に変更することも可能である。図7は、実施例1のパチンコ機1aに、かかる回転体34を設置した状態を示したものであり、回転体34の4つの保持室35,35・・には、それぞれ遊技球を1つずつ保持できるようになっており、遊技球が各入賞口に入賞することなく遊技領域2の左側を流下した場合には、中レール7の内壁に沿って流下した遊技球が、一旦保持室35内に保持され、回転力によって再度遊技領域2に弾き出される。再発射装置の駆動ローラを上記の如き構造を有する回転体に変更した場合には、補助ローラの設置を省略できる、というメリットがある。なお、回転体34には、保持室35は必ずしも4個必要ではなく、2個や3個であっても良いし、1個であっても良い。さらに、回転体34は、保持室に遊技球が保持された場合のみ高速で回転し、その他の場合には、遅い速度で回転するように構成することも可能である(なお、回転体34からなる再発射装置は、第3種のパチンコ機に設けることも可能であるし、その他のパチンコ機に設けることも可能である)。
【0040】
また、再発射装置は、駆動ローラ等の回転力によって遊技球を弾き出す構造とせず、図8に示す如く、中レール7に沿って流下した遊技球を、中レール7の外側に一体的に貼設した弾性部材36とその弾性部材36の外側に遊技球略1個分の間隔をおいて平行に設置された無端ベルト37とで挟持し、無端ベルト37の循環によって遊技領域2の左サイドに送り込む構造に変更することも可能である。かかる構造に変更する場合には、弾性部材36および無端ベルト37を硬質ゴム等の弾性材料によって形成するとともに、中レール7を無端ベルト37上に遊技球が導かれる位置まで設けるようにする。また、無端ベルト37を循環させる機構としては、たとえば、内蔵されたベルト駆動モータ(図示せず)の回転に伴って回転する回転リング39によって無端ベルト37が循環する機構を採用することができる。再発射装置をこのように遊技球を運ぶ構造にした場合には、遊技球を弾き出す構造の再発射装置を設けた場合と異なり、遊技球が非常に弱く弾き出されて遊技領域まで到達しない、という事態が生じたりしない(なお、図8は、第1種のパチンコ機に、弾性部材36と無端ベルト37からなる再発射装置を設けた状態を示しているが、かかる再発射装置は、第3種のパチンコ機に設けることもできるし、その他のパチンコ機に設けることも可能である)。
【0041】
さらに、駆動ローラの回転力を利用した再発射装置をパチンコ機に設置する場合には、遊技領域の右サイド上方の内レールの先端に、弁構造の戻り球防止部材を付設することも可能である。
【0042】
一方、上記各実施例の如くファール球戻り部を設ける場合には、再発射装置によって発射された遊技球がファール球戻り部を通って遊技者側(上皿等)に返却される構成とせず、パチンコホールに回収されるように構成することも可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明のパチンコ機によれば、遊技領域に打ち込まれ、入賞口に入賞することなく遊技領域の下方まで流下した遊技球であっても、再発射装置によって再度発射され入賞することがあり得る。したがって、跳ね上げられた遊技球がただ単に落下するだけである従来のパチンコ機と比較した場合に、遊技内容が新鮮で面白く、趣向性が高いため、遊技者が飽きることなくいつまでも興味を持って遊技をし続けることができる。
また、再発射装置の近傍で、且つ、第1通路側の中レール沿いに第2アウト口を設けているため、入賞口に入賞することなく中レールに沿って流下してきた遊技球の全てを再発射するのではなく、その一部を排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ機の正面を示す説明図である。
【図2】遊技領域を示す説明図である。
【図3】遊技領域を示す説明図である。
【図4】普通電動役物が開成している状態を示す説明図である。
【図5】可動部材の作動状態を示す説明図である。
【図6】遊技領域を示す説明図である。
【図7】再発射装置の変更例を示す説明図である。
【図8】再発射装置の変更例を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・パチンコ機、2・・遊技領域、3・・上皿、4・・下皿、5・・発射ハンドル、6・・外レール、7・・中レール、8・・内レール、9・・第1通路、10・・戻り防止部材、11・・跳ね返し部材、12・・特別図柄表示部、13・・ステージ、14・・遊技球通過口、15・・普通図柄表示部、16・・普通図柄始動ゲート、17・・普通電動役物、18・・大入賞口、19・・球止部材、20・・第1アウト口、21・・駆動ローラ、22・・補助ローラ、23・・再発射装置、24・・第2アウト口、25・・ファール球戻し部、26・・第2通路、27・・入賞口、28・・第3種始動口、29・・回転部材、30・・扉、31・・載置部、32・・特別装置作動領域、33・・可動舌片、34・・回転体、35・・保持室、36・・弾性部材、37・・無端ベルト、38・・保持部、39・・回転リング。
Claims (1)
- 遊技盤面に外レールが円弧状に垂設され、該外レールの内側に中レールが円弧状に垂設され、さらに該中レールの内側に内レールが垂設され、該外、中、内レールに囲まれた遊技領域に入賞口が設けられているとともに、前記内レール内側の最下位置に第1アウト口が設けられており、発射装置により前記外レールと中レールとの間の第1通路を通って前記遊技領域に打ち込まれた遊技球が、前記入賞口に入賞することなく前記内レール内側の最下位置まで流下した場合に前記第1アウト口から排出されるパチンコ機であって、
前記中レールの最下位置に、前記入賞口に入賞することなく前記中レールに沿ってその最下位置まで流下した遊技球を、前記中レールと前記内レールとの間で前記第1通路とは逆側に設けられた第2通路を通して再度遊技領域に打ち込む再発射装置を設けるとともに、
前記再発射装置の近傍で、且つ、前記第1通路側の前記中レール沿いに、前記中レールに沿ってその最下位置まで流下する遊技球の一部を排出するための第2アウト口を設けたことを特徴とするパチンコ機。
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