JP3997856B2 - ゴルフボール用ゴム組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、適度な硬度で反発弾性を維持しつつ耐衝撃性に優れるゴルフボール用ゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ゴルフボールはソリッドゴルフボールと糸巻きゴルフボールに分類され、ソリッドゴルフボールではワンピースソリッドゴルフボール、ツーピースソリッドゴルフボールのソリッドコア、スリーピース以上のマルチプルソリッドゴルフボールの中間層やカバー材料、糸巻きゴルフボールにおいてはソリッドセンター、糸ゴムなどの材料には従来ポリブタジエン等の基材ゴムに不飽和カルボン酸金属塩などの不飽和結合を有するモノマーを共架橋剤として配合し、過酸化物および金属酸化物を配合したものが用いられている。
ゴルフボールの重要な特性として反発弾性や耐久性が挙げられ、これらの性能改良が種々提案されている。例えば特開平6−79016には少量の1,2ポリブタジエンをシス1,4ポリブタジエンに加えることで耐久性のあるソリッドゴルフボールが示され、特開平6−79018には微細繊維を配合することで、反発力、圧縮破壊強度、耐久性を満足するソリッドゴルフボールが開示されている。
しかし、一定の成果は得られているものの更に改良されたものが必要とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術の問題点を解決し、適度な硬度で反発弾性を維持しつつ耐衝撃性に優れるゴルフボール用ゴム組成物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加硫可能なゴム(A)と懸濁重合法によって製造された還元粘度が0.1〜4でかつ融点が110〜170℃のシンシ゛オタクティク−1,2−ポリブタジエン(SPB)(B)の混合比が(A)/(B)の重量比で99/1〜90/10である混合物からなるベースポリマー100重量部に対し共架橋剤を25〜45重量部を配合してなることを特徴とするゴルフボール用ゴム組成物に関する。
【0005】
また、本発明は、該(B)のSPBの13C−NMRよる1,2結合含量が70%以上で且つ1,2結合中のシンジオタクシティーが90%以上であることを特徴とする上記のゴルフボール用ゴム組成物に関する。
【0007】
また、本発明は、該(A)の加硫可能なゴムがシス1,4結合が80%以上のポリブタジエンゴムを主成分とすることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のゴルフボール用ゴム組成物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の(A)加硫可能なゴムとしては、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、ポリイソプレン、ハイシスポリブタジエンゴム、ローシスポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等を挙げることができる。又、これらゴムの誘導体、例えば錫化合物で変性されたポリブタジエンゴムやこれらのゴムをエポキシ変性したものや、シラン変性、或いはマレイン化したものも用いられる。これらのゴムは単独でも、二種以上組合せて用いても良い。
【0009】
中でも、シス1.4結合が80%以上のポリブタジエンゴムを主成分とすることが好ましい。
シス1.4結合が80%以上のポリブタジエンゴムは、各種触媒によって合成されたもの、高ムーニー粘度(50〜100)のものや低ムーニー粘度(10〜50)のもの、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)のとの比(Mw/Mn)が4〜8の分子量分布の広いものや1〜4の分子量分布の狭いもの、また25℃における5%トルエン溶液粘度η(mPa・s)が10〜100の分岐が多いものや100〜1000の分岐が少ないものなど単独でも、二種以上組合わせて用いてもよい。
シス1.4結合が80%以上のポリブタジエンゴムは、不活性有機溶媒中、重合触媒の存在下、1,3−ブタジエンを重合してポリブタジエンを製造することができる。
【0010】
重合触媒としては、(A)コバルト化合物、(B)R2 3-nAlXn (式中、R2 は炭素数1〜10の炭化水素基、Xはハロゲンを示し、nは1〜2の数である。)で表されるハロゲン含有アルミニウム化合物、及び(C)水からなる触媒を挙げることができる。
【0011】
不活性有機溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のC4留分などのオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。また、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒としてもよい。
【0012】
中でも、ベンゼン、シクロヘキサン、あるいは、シス−2−ブテンとトランス−2−ブテンとの混合物などが好適に用いられる。
【0013】
1,3−ブタジエンの重合触媒であって、水を所定量添加することが好ましい触媒を用いた重合反応に本発明の水の添加方法に適用できる。
【0014】
上記のコバルト系触媒組成物の他に、遷移金属化合物を用いる触媒系、例えば、ニッケル系触媒組成物、チタン系触媒組成物などのチグラー・ナッタ触媒、メタロセン系触媒、希土類元素系触媒などが挙げられる。ニッケル系触媒組成物としては、ニッケル化合物、有機アルミニウム化合物、及びフッ素化合物からなるニッケル系触媒組成物、メタロセン系触媒としては、周期律表第5族遷移金属化合物のメタロセン型錯体、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物、有機アルミニウム化合物、及び水からなる触媒系、希土類元素系触媒としてはネオジウム化合物などが挙げられる。中でも、コバルト系触媒組成物、メタロセン系触媒などを用いた重合反応に好適に用いられる。
【0015】
コバルト系触媒組成物のコバルト化合物としては、コバルトの塩や錯体が好ましく用いられる。特に好ましいものは、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト、マロン酸コバルト等のコバルト塩や、コバルトのビスアセチルアセトネ−トやトリスアセチルアセトネ−ト、アセト酢酸エチルエステルコバルト、ハロゲン化コバルトのトリアリ−ルフォスフィン錯体、トリアルキルフォスフィン錯体、ピリジン錯体やピコリン錯体等の有機塩基錯体、もしくはエチルアルコ−ル錯体等が挙げられる。
【0016】
コバルト系触媒組成物におけるハロゲン化合物としては、R2 3-nAlXn (式中、R2 は炭素数 1〜10の炭化水素基、Xはハロゲンを示し、n は 1〜2 の数である。)で表されるハロゲン含有アルミニウム化合物として、ジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイドなどのジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジクロライド、アルキルアルミニウムジブロマイド等のアルキルアルミニウムジハライド等が挙げられる。具体的化合物としては、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノブロマイド、ジブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ジシクロヘキシルアルミニウムモノクロライド、ジフェニルアルミニウムモノクロライド等が挙げられる。
【0017】
また、R1 3Al(式中、R1 は炭素数 1〜10の炭化水素基を示す。)で表されるトリアルキルアルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなども挙げられる。
【0018】
また、アルミノキサンを用いてもよい。アルミノキサンとしては、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られるものであって、一般式(−Al(R‘)O−)nで示される鎖状アルミノキサン、あるいは環状アルミノキサンが挙げられる。(R‘は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子及び/又はアルコキシ基で置換されたものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である)。R‘として、はメチル、エチル、プロピル、イソブチル基が挙げられるが、メチル基及びエチル基が好ましい。アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム及びその混合物などが挙げられる。
【0019】
ニッケル系触媒組成物を用いる場合のニッケル化合物としては、ニッケルの塩や錯体が好ましく用いられる。特に好ましいものは、塩化ニッケルや臭化ニッケルなどのハロゲン化ニッケル、硝酸ニッケルなどの無機酸のニッケル塩、オクチル酸ニッケル、酢酸ニッケル、ニッケルオクトエートなどの炭素原子数1〜18のカルボン酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、マロン酸ニッケル、ニッケルのビスアセチルアセトナートやトリスアセチルアセトネート、アセト酢酸エチルエステルなどのニッケル錯体、ハロゲン化ニッケルのトリアリールホスフィン錯体、トリアルキルホスフィン錯体、ピリジン錯体やピコリン錯体等の有機塩基錯体、もしくはエチルアルコール錯体などの各種錯体が挙げられる。
【0020】
ニッケル系触媒組成物を用いる場合の有機アルミニウム化合物としては、AlR3(Rは炭素原子数1〜10の炭化水素基を示す)で表わされるトリアルキルアルミニウムを挙げることができる。その例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウムなどを挙げることができる。トリアルキルアルミニウムの内の三個のアルキル基は互いに同一でも、あるいは異なっていてもよい。
【0021】
ニッケル系触媒組成物を用いる場合のフッ素化合物としては、三フッ化ホウ素のエーテル、アルコール、またはこれらの混合物の錯体、あるいはフッ化水素のエーテル、アルコール、またはこれらの錯体の混合物が用いられる。
重合時に公知の分子量調節剤、例えば、シクロオクタジエン、アレンなどの非共役ジエン類、またはエチレン、プロピレン、ブテン−1などのα−オレフィン類を使用することができる。
【0022】
メタロセン系触媒としては、周期律表第5族遷移金属のメタロセン型錯体が好適に用いられる。周期律表第5族遷移金属化合物のメタロセン型錯体としては、
(1) RM・La、すなわち、シクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+1の周期律表第5族遷移金属化合物
(2) Rn MX2-n ・La、すなわち、少なくとも1個のシクロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+2の周期律表第5族遷移金属化合物
(3) Rn MX3-n ・La
(4) RMX3 ・La
(5) RM(O)X2 ・La
(6) Rn MX3-n (NR' )
などの一般式で表される化合物が挙げられる(式中、nは1又は2、aは0,1又は2である)。
【0023】
中でも、RM・La、Rn MX2-n ・La、R2 M・La、RMX3 ・La 、RM(O)X2 ・La などが好ましく挙げられる。
【0024】
Mは、周期律表第5族遷移金属化合物が好ましい。具体的にはバナジウム(V)、ニオブ(Nb)、またはタンタル(Ta)であり、好ましい金属はバナジウムである。
【0025】
重合温度は−30〜100℃の範囲が好ましく、30〜80℃の範囲が特に好ましい。重合時間は10分〜12時間の範囲が好ましく、30分〜6時間が特に好ましい。また、重合圧は、常圧又は10気圧(ゲ−ジ圧)程度までの加圧下に行われる。
【0026】
所定時間重合を行った後、重合槽内部を必要に応じて放圧し、洗浄、乾燥工程等の後処理を行う。
【0027】
シス−1,4−構造含有率が好ましくは80%以上であり、特に好ましくは95%以上のポリブタジエンを製造することができる。
【0028】
本発明の(B)還元粘度が0.1〜4のシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン(SPB)は、融点が110℃以上のものが好ましい。より好ましくは110〜200℃、特に好ましくは130〜170℃のものを用いることができる。また本発明のSPBは、13C−NMRによる1,2結合含量が70%以上で且つ1.2結合中のシンジオタクシティーが90%以上であることが好ましい。
【0029】
本発明のSPBは、例えば、特開平9−20811号公報に記載されている懸濁重合法によって製造できる。すなわち、ブタジエンの存在下、コバルト化合物、第I〜III族の有機金属化合物または水素化金属化合物、並びにケトン、カルボン酸エステル、ニトリル、スルホキシド、アミド及び燐酸エステルからなる群から選ばれた化合物を接触させて得られた熟成液(A成分)、並びに、二硫化炭素、イソチオシアン酸フェニル及びキサントゲン酸化合物からなる群から選ばれた化合物(B成分)からなる触媒を用いて製造できる。融点は、ケトン、カルボン酸エステル、ニトリル、スルホキシド、アミド及び燐酸エステルからなる群から選ばれた化合物によって調節することができる。
また、可溶性コバルト−有機アルミニウム化合物−二硫化炭素−融点調節剤からなる触媒系からなる溶液重合法を用いてもよい。
【0030】
本発明の共架橋剤としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその亜鉛塩、マグネシウム塩などの金属塩、および多官能性のアクリル酸またはメタクリル酸等のエステル類、不飽和ビニル化合物などが挙げられる。
中でも、アクリル酸やメタクリル酸の亜鉛塩が好適に用いられる。
【0031】
本発明のベースポリマーの混合比は、加硫可能なゴム(A)と還元粘度が0.1〜4のシンジオタクティク1.2ポリブタジエン(SPB)(B)の混合比が(A)/(B)の重量比で99/1〜60/40、より好ましくは、95/5〜70/30である。 また、ベースポリマー100重量部に対し共架橋剤を10〜50重量部、好ましくは、20〜45重量部配合される。
【0032】
本発明のゴム組成物は、前記各成分を通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機などを用いて混練りすることで得られる。
【0033】
本発明のゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫助剤、老化防止剤、補強剤、充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられる配合剤を混練してもよい。
【0034】
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが用いられる。
【0035】
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などが用いられる。
【0036】
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
【0037】
補強剤としては、各種のカーボンブラック、ホワイトカーボン、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウムなどの無機補強剤、フェノール樹脂、メラミンホルムアミド樹脂、ハイスチレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂およびこれらの変性物等の有機補強剤、更に各種の微細繊維などが挙げられる。
【0038】
充填剤としては、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、クレー、リサージュ、珪藻土等の無機充填剤、再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填剤が挙げられる。
【0039】
プロセスオイルは、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
【0040】
【実施例】
SPBの1,2結合含量及びシンジオタクシティーは、13C−NMRによって測定した。
【0041】
還元粘度は、SPB0.2gをo−ジクロロベンゼン100ccに溶解し、135℃の温度でウベローデ粘度計にて測定した。
【0042】
ゴム組成物の特性は次のように評価した。
【0043】
Hs(硬度)は、JIS−K−6253に規定されている測定法に従って、デュロメータ式のタイプDで測定した。
【0044】
M10(10%引張応力)、Tb(破断強度)、Eb(破断伸び))は、
JIS−K−6251に規定されている測定法に従って、ダンベル3号で引張り速度500mm/minで測定した。
【0045】
Rb(反発弾性)は、JIS−K−6255に規定されている測定法に従って、トリプソ式により室温で測定した。
【0046】
Izod衝撃指数は、
JIS−K−7110に規定されている測定法に従って測定し、比較例1を100として指数で表示した。指数が大きいほど良好である。
【0047】
実施例で用いた加硫可能なゴムのBR230は、宇部興産製ハイシスポリブタジエン(シス含量 97.8 %)である。
【0048】
(参考例1)SPB−1の製造
(熟成液の調製) 窒素置換した400mL オートクレーブ熟成槽にブタジエン 150g( 2.8モル)を注入する。コバルトオクトエートを 0.6ミリモルおよびトリエチルアルミニウム 1.8ミリモルを添加して 室温で 5時間攪拌した。
(重合)窒素置換した 1.5L のオートクレーブにイオン交換水 600mL、ポリビニルアルコール 2g 、塩化メチレン 120mL及びアセトン0.477モルを添加して、攪拌しながら10℃に温度設定した。前記で調製した熟成液をオートクレーブ中に添加して10℃で10分間分散させた後、二硫化炭素 0.8ミリモルを添加して重合を開始した。30℃で60分間重合した。重合後、未反応モノマーを開放し、老化防止剤を添加し、ポリビニルアルコールを水洗浄し、ペーパーフィルターで濾過後、乾燥してSPBを得た。SPBの収量は130gであり、SPBの融点は150℃であった。還元粘度は、1.2であった。13C−NMRによる1,2結合含量は、85%、1.2結合中のシンジオタクシティーは100%であった。
【0049】
(参考例2)アセトンを1.2モル添加した以外は、参考例1と同様にした。SPBの収量は120g であり、SPBの融点は130℃であった。還元粘度は、1.3であった。13C−NMRによる1,2結合含量は、82%、1.2結合中のシンジオタクシティーは100%であった。
【0050】
(参考例3)アセトンを4.0モル添加した以外は、参考例1と同様にした。SPBの収量は110g であり、SPBの融点は105℃であった。還元粘度は、1.0であった。13C−NMRによる1,2結合含量は、79%、1.2結合中のシンジオタクシティーは100%であった。
【0051】
(実施例1〜4)(比較例1〜3)
参考例1〜3のSPBとBR230は、予め所定のブレンド割合で1.7Lの試験用バンバリーミキサーを使用し150℃で3分間混練りし、BR230中にSPBを溶融分散した。
次に、表1に示す配合処方に従って6インチロールを使用し、40℃でアクリル酸亜鉛、酸化亜鉛、DCPを混合した。
【0052】
次いで、温度155℃で15分間プレス加硫し、得られた加硫試験片により物性を評価した。表1に結果をまとめた。
【0053】
【表1】
【0054】
実施例の組成物は硬度やモジュラスが向上しており、同一硬度・反発弾性で比較すると耐衝撃性が改善されている。
また、比較例3の融点が105℃のSPBは、硬度やモジュラスへの効果が小さく、耐衝撃性の改善効果も小さかった。
【0055】
【発明の効果】
本発明におけるゴルフボール用ゴム組成物は、加硫可能なゴムと特定のSPB及び共架橋剤で構成されているので、適度な硬度で反発弾性を維持しつつ耐衝撃性に優れたゴルフボールに好適なゴム組成物が提供される。
Claims (3)
- 加硫可能なゴム(A)と懸濁重合法によって製造された還元粘度が0.1〜4でかつ融点が110〜170℃のシンシ゛オタクティク−1,2−ポリブタジエン(SPB)(B)の混合比が(A)/(B)の重量比で99/1〜90/10である混合物からなるベースポリマー100重量部に対し共架橋剤を25〜45重量部を配合してなることを特徴とするゴルフボール用ゴム組成物。
- 該(B)のSPBの13C−NMRよる1,2結合含量が70%以上で且つ1,2結合中のシンジオタクシティーが90%以上であることを特徴とする請求項1に記載のゴルフボール用ゴム組成物。
- 該(A)の加硫可能なゴムがシス1,4結合が80%以上のポリブタジエンゴムを主成分とすることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のゴルフボール用ゴム組成物。
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