JP2006022246A - 高硬度配合ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1,2−ポリブタジエン結晶繊維とゴム分とからなるビニル・シスポリブタジエンゴム(a)20〜80重量%と、
(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部と
ゴム補強剤(c)40〜100重量部とからなるゴム組成物であって、
該ビニル・シスポリブタジエンゴム(a)に含有される1,2−ポリブタジエン結晶繊維の平均の単分散繊維結晶の短軸長が0.2μm以下であり、アスペクト比が10以下であり、平均の単分散繊維結晶数が10以上の短繊維状であり、かつ融点が170℃以上であることを特徴とする高硬度配合ゴム組成物
【選択図】 なし
Description
(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b)100重量部と
ゴム補強剤(c)40〜100重量部とからなるゴム組成物であって、
該ビニル・シスポリブタジエンゴム(a)に含有される1,2−ポリブタジエン結晶繊維の平均の単分散繊維結晶の短軸長が0.2μm以下であり、アスペクト比が10以下であり、平均の単分散繊維結晶数が10以上の短繊維状であり、かつ融点が170℃以上であること
を特徴とする高硬度配合ゴム組成物に関する。
(1)1,3−ブタジエンと溶解度パラメーターが8.5以下である炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物の水分の濃度を調節し、
(2)次いで、シス−1,4重合の触媒として、一般式AlRnX3-n(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基であり、Xはハロゲン元素であり、nは1.5〜2である。)で表されるハロゲン含有有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物とを前記混合物に添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合し、
(3)次いで、得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合させて
製造されていることを特徴とする高硬度配合ゴム組成物に関する。
(1)該ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサン不溶分の分子量指標ηsp/cが0.5〜4の範囲にあること。
(2)該ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサン可溶分のポリスチレン換算重量平均分子量が30万〜80万の範囲にあること。
(3)該ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサン可溶分のミクロ構造中のシス構造含有量が90%以上であること。
(4)該ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサン可溶分のトルエン溶液粘度とムーニー粘度の関係がT−cp/ML≧1であること。
(5)該ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサン可溶分の[η]の値が1.0〜5.0の範囲にあること。
の特性を有することを特徴とする高硬度配合ゴム組成物に関する。
(1)1,2−ポリブタジエン結晶繊維の平均の単分散繊維結晶の短軸長が0.2μm以下、アスペクト比が10以下であり、且つ平均の単分散繊維結晶数が10以上の短繊維状であり、かつ融点が170℃以上である1,2−ポリブタジエン結晶繊維1~50重量部、および(2)ゴム分100重量部からなる。
(1)1,2ポリブタジエン結晶繊維含有量;2gのビニル・シスポリブタジエンを200mlのn−ヘキサンにて4時間ソックスレー抽出器によって沸騰抽出した抽出残部を重量部で示した。
(2)1,2ポリブタジエン結晶繊維の融点;沸騰n−ヘキサン抽出残部を示差走査熱量計(DSC)による吸熱曲線のピーク温度により決定した。
(3)ηsp/C;1,2ポリブタジエン結晶繊維の分子量の目安として、オルトジクロルベンゼン溶液から135℃で還元粘度を測定した。
(4)結晶繊維形態;ビニル・シスポリブタジエンを一塩化硫黄と二硫化炭素で加硫し、加硫物を超薄切片で切り出して四塩化オスミウム蒸気でビニル・シスポリブタジエンのゴム分の二重結合を染色して、透過型電子顕微鏡で観察して求めた。
(5)ビニル・シスポリブタジエン中のゴム分のミクロ構造;赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス740cm-1、トランス967cm-1、ビニル910cm-1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
(6)ビニル・シスポリブタジエン中のゴム分のトルエン溶液粘度;25℃における5重量%トルエン溶液の粘度を測定してセンチポイズ(cp)で示した。
(7)ビニル・シスポリブタジエンゴム中のゴム分の[η];沸騰n−ヘキサン可溶分を乾燥採取し、トルエン溶液にて30℃の温度で測定した。
(8)ビニル・シスポリブタジエンゴム中のゴム分の重量平均分子量;沸騰n−ヘキサン可溶分を乾燥採取し、テトラヒドロフラン溶液にしてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC、東ソー社製、HCL−802A)により、40℃、標準ポリスチレンを使用した検量線により重量平均分子量(Mw)を求めた。
(9)ムーニー粘度;JIS K6300に準じて100℃にて測定した値である。
(10)ダイ・スウェル;加工性測定装置(モンサント社、MPT)を用いて配合物の押出加工性の目安として100℃、100sec−1のせん断速度で押出時の配合物の径とダイオリフィス径(但し、L/D=1.5mm/1.5mm)の比を測定して求めた。指数の小さい方が加工性に優れる。
(11)硬度;JIS K6253に準じてタイプAデュロメーターを用いて室温で測定した。
(12)低発熱性tanδ;レオメトリック社製粘弾性測定装置を用い、温度:60℃、周波数:10Hz、動歪み:2%で測定した。指数の小さい方が発熱性に優れる。
窒素ガスで置換した内容30Lの攪拌機付ステンレス製反応槽中に、脱水シクロヘキサン18kgに1.3−ブタジエン1.6kgを溶解した溶液を入れ、コバルトオクトエート4mmol、ジエチルアルミニウムクロライド84mmol及び1.5−シクロオクタジエン70mmolを混入、25℃で30分間攪拌し、シス重合を行った。シス重合後、直ちに重合液にトリエチルアルミニウム90mmol及びニ硫化炭素50mmolを加え、25℃で60分間攪拌し、1,2重合を行った。重合終了後、重合生成液を4,6−ビス(オクチルチオメチル)−O−クレゾール1重量%を含むメタノール18Lに加えて、ゴム状重合体を析出沈殿させ、このゴム状重合体を分離し、メタノールで洗浄した後、常温で真空乾燥した。この様にして得られたビニル・シスポリブタジエンゴムの収率は82%であった。
(ビニル・シスポリブタジエンサンプル2の製造)
重合溶媒を脱水ベンゼンを用いること以外はサンプル1の製造方法と同様にしてビニル・シスポリブタジエンを得た。この様にして得られたビニル・シスポリブタジエンゴムの収率は80%であった。
前記サンプル1とサンプル2の物性を表1に示した。
前記サンプル1及びサンプル2を用い、表2に示す配合処方のうち、加硫促進剤、硫黄を除く配合剤を1.7Lの試験用バンバリーミキサーを使用して混練し、高硬度配合ゴム組成物である混練物を得た。この際、最高混練温度を170〜180℃に調節した。次いで、この混練物を10インチロール上で加硫促進剤、硫黄を混練し、これをシート状にロール出しした後、金型に入れて加硫し、加硫物を得た。加硫は150℃、30分で行った。結果をまとめて表2に示す。
実施例の組成物は、弾性率が大幅に改善されて、且つダイスウェルと低燃費性が高度にバランスしている。一方、比較例の組成物においては、市販のBRを用いるとダイスウェルが大きくなり、カーボンブラックの配合量が多いと発熱特性が悪化する。また、本発明を満たさないビニル・シスポリブタジエンを使用したり、本発明のビニル・シスポリブタジエンの使用量が少ないと改善効果は期待するレベルに到達しなかった。
Claims (5)
- 1,2−ポリブタジエン結晶繊維とゴム分とからなるビニル・シスポリブタジエンゴム(a)20〜80重量%と、
(a)以外のジエン系ゴム(b)80〜20重量%とからなるゴム成分(a)+(b) 100重量部と
ゴム補強剤(c) 60〜100重量部とからなるゴム組成物であって、
該ビニル・シスポリブタジエンゴム(a)に含有される1,2−ポリブタジエン結晶繊維の平均の単分散繊維結晶の短軸長が0.2μm以下であり、アスペクト比が10以下であり、平均の単分散繊維結晶数が10以上の短繊維状であり、かつ融点が170℃以上であること
を特徴とする高硬度配合ゴム組成物。 - 該ビニル・シスポリブタジエンゴム(a)が
(1)1,3−ブタジエンと溶解度パラメーターが8.5以下である炭化水素系有機溶剤を主成分としてなる混合物の水分の濃度を調節し、
(2)次いで、シス−1,4重合の触媒として、一般式AlRnX3-n(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基であり、Xはハロゲン元素であり、nは1.5〜2である。)で表されるハロゲン含有有機アルミニウム化合物と可溶性コバルト化合物とを前記混合物に添加して1,3−ブタジエンをシス−1,4重合し、
(3)次いで、得られた重合反応混合物中に可溶性コバルト化合物と一般式AlR3(但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基又はシクロアルキル基である)で表される有機アルミニウム化合物とニ硫化炭素とから得られる触媒を存在させて、1,3−ブタジエンを1,2重合させて
製造されていることを特徴とする請求項1に記載の高硬度配合ゴム組成物。 - 該ビニル・シスポリブタジエンゴム(a)が下記の特性を有することを特徴とする請求項1〜2に記載の高硬度配合ゴム組成物。
(1)該ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサン不溶分の分子量指標ηsp/cが0.5〜4の範囲にあること。
(2)該ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサン可溶分のポリスチレン換算重量平均分子量が30万〜80万の範囲にあること。
(3)該ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサン可溶分のミクロ構造中のシス構造含有量が90%以上であること。
(4)該ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサン可溶分のトルエン溶液粘度とムーニー粘度の関係がT−cp/ML≧1であること。
(5)該ビニル・シス−ポリブタジエンゴムの沸騰n−ヘキサン可溶分の[η]の値が1.0〜5.0の範囲にあること。 - (a)以外のジエン系ゴム(b)が、天然ゴム及び/又はポリイソプレンであることを特徴とする請求項1〜3に記載の高硬度配合ゴム組成物。
- ゴム補強剤がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1〜4に記載の高硬度配合ゴム組成物。
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