JP3997351B2 - 水田作業機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、次行程の走行位置を表土面に線引きする線引きマーカを備えた田植機等の水田作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
水田用田植機には、苗の植付条間を適正に保つために次行程で機体が通る位置の目印を水田面に線引きする線引きマーカが機体左右に設けられている。この線引きマーカは、機体側方に転倒して水田面に線引きする作用位置と、起立した非作用位置とに回動可能になっており、水田での作業時には、次行程側の線引きマーカが作用位置になるように苗植付部の昇降に連動して自動で回動する。このような線引きマーカの駆動方法としては機械的に行う形態と電動で行う形態の両方があるが、いずれの形態についても、従来のものは線引きマーカの作用位置における高さが一定であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、圃場ごとに土質や耕起深さが違うため、線引きマーカの作用位置における高さが一定であると、圃場によっては線引きマーカの高さが不適正となり正確に線が引けないことがある。本発明は、このような事態が生じるのを防止し、どの圃場でも線引きマーカで線引き正確にできるようにすることを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明にかかる水田作業機は、次行程の走行用目印を表土面に線引きする線引きマーカを備えた水田作業機において、走行車体(2)の後方に昇降リンク装置(3)を介して苗植付部(4)を装着し、前記線引きマーカの機体に対する高さを調節する高さ調節具と、該高さ調節具による高さの設定をリセットするリセット手段とを設けるとともに、左右傾斜センサ(147)の値と昇降リンクセンサ(146)の値とから作用位置における線引きマーカの高さ目標値を演算し、高さ調節具により前記高さ目標値を補正し、リセット手段により最初の高さ目標値に戻すマーカ制御装置を設け、線引きマーカの上下回動は、伝動モータ(115)からの動力が伝動を断つことができるライニング(122)を介して伝達されることによって行われ、線引きマーカが下げ出力から所定時間Aが経過しているにもかかわらず、線引きマーカが高さ目標値まで回動していないとき、前記下げ出力を停止するか、又は上げ出力を所定時間Bだけ行うように構成したことを特徴としている。
【0005】
圃場に応じて線引きマーカの機体に対する高さを高さ調節具で調節する。圃場を替える場合、前回作業した圃場で設定された線引きマーカの機体に対する高さをリセット手段によりリセットし、次回作業する圃場に合わせて線引きマーカの機体に対する高さを高さ調節具で設定し直す。
【0006】
【発明の効果】
本発明の構成にすれば、土質や耕起深さ等の条件が異なる圃場で作業する際に、線引きマーカの機体に対する高さをそれぞれの圃場に合った適正な高さに調節することができ、どの圃場でも次行程で機体が通る位置の目印を的確に水田面に線引きすることができる。線引きマーカの上下回動は、電動モータからの動力を伝動を断つことのできるライニングを介して伝達することにより行われるので、電動モータに高負荷がかかるのを回避できる。さらに、線引きマーカが下げ出力から所定時間Aが経過しているにもかかわらず、線引きマーカが高さ目標値まで回動していないとき、前記下げ出力を停止するか、又は上げ出力を所定時間Bだけ行うように構成したので、線引きマーカを障害物から離れさせることが出来るようになった。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に表された実施の形態について説明する。図1及び図2は水田作業機の一例である乗用田植機を表している。この乗用田植機1は、走行車体2の後方に昇降リンク装置3を介して10条植えの苗植付部4が昇降可能に装着されている。
【0008】
走行車体2は、機体の前部に配したミッションケース10の左右側方に前輪ファイナルケース11,11を設け、該前輪ファイナルケースから外向きに突出する前輪車軸に前輪12,12を取り付けると共に、ミッションケース10の背面部に前端部が固着されたメインフレーム13の後端部に後輪ギヤケース14,14をローリング自在に支持し、該後輪ギヤケースから外向きに突出する後輪車軸に主後輪15,15及び補助後輪16,16,17,17を取り付けている。
【0009】
エンジン20はメインフレーム13の上に搭載されている。そのエンジン20の回転動力が、第一ベルト伝動装置21及び変速機能付きの第二ベルト伝動装置22によってミッションケース10へ伝達される。ミッションケース10に伝達された回転動力は、該ケース内の主変速装置にて変速された後、走行動力と植付動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース11,11に伝達されて前輪12,12を駆動すると共に、残りが後輪伝動軸23,23を介して後輪ギヤケース14,14に伝達されて後輪15,15,16,16,17,17を駆動する。また、植付動力は、第一植付伝動軸24を介して走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース25に一旦伝達され、さらに植付クラッチケース25から第二植付伝動軸26を介して苗植付部4へ伝達される。
【0010】
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方部は各種操作機構を内蔵するボンネット32で、その上方に前輪12,12を操向操作するハンドル33が設けられている。座席31及びボンネット32の周辺部には各種操作レバーが設けられている。L1は主変速レバーで、主変速装置のギヤチェンジをする。L2は変速レバーで、第二ベルト伝動装置22の変速操作をする。L3は植付昇降レバーで、苗植付部の昇降と植付クラッチケース25内の植付クラッチの入・切を行う。
【0011】
35はメインステップ、36は拡張ステップ、38はリヤステップ、39は補助リヤステップで、これらのステップ上で苗補給等の作業を行う。40は補給用の苗箱を載置しておく苗枠で、前後2列に配置されたローラ41,…によって苗箱を左右移動させられるようになっている。44は次行程で機体の左右中心が通る位置の目印を水田面に線引きする線引きマーカである。この線引きマーカ44については後で詳述する。45は前行程で植付けた最外側の既植条の位置を示すサイドマーカである。46は機体の左右中心を示す指標となるセンターマーカである。このセンターマーカ46は、適当な長さに伸ばした状態で機体側方に転倒させるれば、機体側方の対象物、例えば畦までの距離を示す指標となる。
【0012】
昇降リンク装置3は、メインフレーム13の後端部に固定して設けたリンクベースフレーム50に回動自在に取り付けられた上リンク51及び下リンク52,52を備え、これら上下リンクの後端部に縦リンク53が連結されている。そして、縦リンク53の下端部から後方に突出する軸受部に苗植付部側に固着した連結軸54が回転自在に挿入連結され、苗植付部4が連結軸54を中心にしてローリング自在に装着される。基部側がメインフレーム13に固着した支持部材に枢支され、ピストンロッド側が上リンク51の基部に一体に設けたスイングアーム57の下端部に連結されている油圧シリンダ56を伸縮させると、各リンク51,52,52が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。
【0013】
苗植付部4は10条植えの構成で、フレームを兼ねる伝動ケース60、苗を載せておく苗載台61、該苗載台上の苗を圃場に植え付ける植付条数分の苗植付装置62,…、苗植付けに先行して泥面を整地するフロート63,…等を備えている。フロート63,…が泥面に接地する位置まで苗植付部4を下降させ、走行車体2を前進させると、フロート63,…が泥面を滑走して整地し、その整地跡に苗植付装置62,…が苗載台61の苗を植付ける。
【0014】
図3に示すように、伝動ケース60は、左右中央部に位置する苗載台駆動ケース65の背面に植付伝動ケース66−3の前端部を固着し、また苗載台駆動ケース61の左右側面に第一連結パイプ67,67の内端部を固着し、その第一連結パイプ63,63の外端部に植付伝動ケース66−2,66−4の前部内面を固着し、その植付伝動ケース66−2,66−4の前部外面に第二連結パイプ68,68の内端部を固着し、その第二連結パイプ68,68の外端部に植付伝動ケース66−1,66−5の前部内面を固着した構成になっている。各植付伝動ケース66−1〜66−5の後部には植付駆動軸69,…が支承され、該植付駆動軸の左右突出部に苗植付装置62が取り付けられている。
【0015】
走行車体2のミッションケース10より伝動される苗植付部駆動用動力が、伝動ケース60の入力部に伝動される。その回転動力が、苗載台駆動ケース61の下部を貫通して植付伝動ケース66−2〜66−4の前部と第一連結パイプ67,67の内部に支承されたセンター植付主軸70Cに伝えられ、更に、植付畦クラッチ71−2〜71−4によってセンター植付主軸70Cと伝動入・切可能なチエン72,…を介して植付伝動ケース66−2〜66−4の各植付駆動軸69,…へ伝動される。また、センター植付主軸70Cの回転動力が、植付畦クラッチ71−1,71−5によって、第二連結パイプ68,68の内部と植付伝動ケース66−1,66−5の前部に支承されたサイド植付主軸70L,70Rに伝動入・切可能に伝えられ、更にサイド植付主軸70L,70Rからチエン72,72を介して植付伝動ケース66−1,66−5の植付駆動軸69,69へ伝動される。各植付畦クラッチ71,…は個別に入・切操作するようになっているので、苗植付装置62,…を2条を1ユニットとして駆動停止させることができる。また、センター植付主軸70Cの回転は、苗送り用のリードカム軸73(図4に図示)へも伝動される。
【0016】
苗載台61はフェンスによって植付条数分の苗載部61−1〜61−10に区分されており、各苗載部ごとに苗を苗取出口側へ移送する左右一対で1組の苗送りベルト85が設けられている。図5は苗送りベルトの伝動機構図である。苗載台80が左右行程の端部に到達すると、リードカム軸73に取り付けられた苗送りカム86,86が中継軸87L,87Rに取り付けられた苗送り駆動アーム88,88に当接して、中継軸87L,87Rを所定角度回転させる。その回転が、リンク機構89L,89Rを介して、苗送りベルト85,…を巻き掛けた駆動ローラ90,…が嵌合する苗送り駆動軸91L,91Rに伝達される。これにより、苗送りベルト85,…が所定量だけ作動する。
【0017】
左側苗送り駆動軸91Lの回転力は、苗送り畦クラッチ93(1)を介して第1条の駆動ローラ90(1)へ伝達し、苗送り畦クラッチ93(2)を介して第2条の駆動ローラ90(2)へ伝達し、苗送り畦クラッチ93(3・4)を介して第3条及び第4条一体の駆動ローラ90(3・4)へ伝達し、苗送り畦クラッチ93(5)を介して第5条の駆動ローラ90(5)へ伝達する。左側苗送り駆動軸91Lは第1条と第2条の境界部で2分割され、両部分が爪クラッチ94Lで伝動連結されている。
【0018】
また、右側苗送り駆動軸91Rの回転力は、苗送り畦クラッチ93(6)を介して第6条の駆動ローラ90(6)へ伝達し、苗送り畦クラッチ93(7)を介して第7条の駆動ローラ90(7)へ伝達し、苗送り畦クラッチ93(8)を介して第8条の駆動ローラ90(8)へ伝達し、苗送り畦クラッチ93(9)を介して第9条の駆動ローラ90(9)へ伝達し、苗送り畦クラッチ93(10)を介して第10条の駆動ローラ90(10)へ伝達する。右側苗送り駆動軸91Rも第8条と第9条の境界部で2分割され、両部分が爪クラッチ94Rで伝動連結されている。
【0019】
第1条と第2条の苗送り畦クラッチ93(1),106(2)、第5条と第6条の苗送り畦クラッチ93(5),93(6)、第7条と第8条の苗送り畦クラッチ93(7),93(8)、及び第9条と第10条の苗送り畦クラッチ93(9),93(10)は、図5に示すように、互いのクラッチアーム93a,93aがリンク93b,93bを介して共通の操作ワイヤ93cに繋がれており、両苗送り畦クラッチが連動して入り・切り操作されるようになっている。これにより、苗植付装置の場合と同様に、苗送りベルトの駆動を2条を1ユニットとして停止させられる。対応する条の植付畦クラッチ77と苗送り畦クラッチ93とは互いに連動するようになっている。
【0020】
図6及び図7は植付畦クラッチ及び苗送り畦クラッチの入・切を切り替える切替機構を示す図である。対応する2条の植付畦クラッチ77及び苗送り畦クラッチ93に繋がる計5本のケーブル100,…が共通の回動軸101に取り付けた操作アーム102,…の一端部にそれぞれ連結されている。操作アーム102,…の他端部にはローラ103,…が回転自在に支持されており、このローラ103,…がカム軸104に取り付けたカム105,…にそれぞれ摺接している。カム軸104は電動モータ106によって回転駆動する。107はモータ106の出力軸に取り付けたピニオン、108はカム軸に取り付けたギヤであり、両者107,108は互いに噛み合っている。
【0021】
カム105の小径部にローラ103が摺接するときは植付畦クラッチ77及び苗送り畦クラッチ93が「入」で、カム105の大径部にローラ103が摺接するときは植付畦クラッチ77及び苗送り畦クラッチ93が「切」になる。各カム105,…は同じ形状であるが、位相が順にずらしてある。このため、モータ106を駆動してカム軸104を回動させると、右の条から左の条もしくはその逆に両クラッチ77,93の「入」と「切」とが切り替わる。回動軸101の角度をポテンショメータ109で検出し、その検出値に基づきモータ104の出力を制御することにより、左右いずれかから順に2条単位で任意の植付条数分だけ苗植付けを停止させることができる。
【0022】
上記構成によれば、1組のモータ106、ポテンショメータ109、及び制御回路で全条を制御することができ、コストダウンが図れる。また、カム105の径が小さく、切替機構全体をコンパクトに構成できると共に、各ユニットのケーブルの向きがほぼ同じであるので、ケーブルの配索が容易である。
【0023】
次に、線引きマーカ44について説明する。線引きマーカ44は、図8乃至図10に示すように、上下に回動自在に支持されたマーカアーム110の先端部に線引き作用部111を垂直に取り付けてなり、線引き作用部111の先端が接地するように転倒した作用位置と、マーカアーム110がほぼ垂直に起立した非作用位置とに回動させるようになっている。また、マーカアーム110を支持するマーカ支持部材112はミッションケース10から左右側方に張り出して設けた枠型フレーム113に水平に回動自在に取り付けており、運搬時や格納時にはマーカ支持部材112を後方に回動させて、線引きマーカ44を機体から左右に突出しない状態に収納させられるようになっている。
【0024】
線引きマーカ44の上下回動は電動モータ115によって行う。電動モータ115はマーカ支持部材112の先端部付近に設けられ、該モータの出力軸に取り付けたピニオン116とマーカアーム110の回動支点軸117に取り付けたギヤ118とが噛み合っている。マーカアーム110に対し回動自在な回動支点軸117にはギヤ118と反対側の端部に円板119が取り付けられ、モータ115の駆動によるギヤ118及び円板119のトルクを、ライニング122と板バネ123とを介してマーカアームの基部プレート110aに伝える。この構成とすることにより、線引きマーカ44に一定以上の荷重がかかった場合、線引きマーカ44とギヤ118及び円板119との伝動が断たれるので、モータ115に高負荷がかかるのを回避できる。マーカアーム110の角度はポテンショメータ(マーカ角度センサ)124によって検出される。
【0025】
図16の構成としてもモータ115に高負荷がかかるのを回避させられる。この構成は、マーカアーム110に回動支点軸117が固定、回動支点軸117にギヤ118が回動自在に嵌合しており、ギヤ118から回動支点軸117へボールクラッチを介してトルクを伝えるようになっている。ボールクラッチは、回動支点軸117に一体回転かつ軸方向に摺動自在なクラッチ板126の凹部及びギヤ118の凹部にスチールボール127を収容し、クラッチ板126を圧縮スプリング128によってギヤ118の側に付勢している。通常はスチールボール127を介してギヤ118から回動支点軸117へトルクが伝えるが、線引きマーカ44に一定以上の荷重がかかると、圧縮スプリング128の張力に抗してクラッチ板126が押し戻されることにより、スチールボール127がクラッチ板126の凹部から外れてトルクの伝動が断たれる。
【0026】
マーカ支持部材112とマーカアームの基部プレート110aとの間には、線引きマーカ44を起立させる側に付勢する引張りスプリング130が張設されている。これにより、起立時にモータ115にかかる負荷が軽減する共に、運搬時や路上走行時に線引きマーカ44が非作用位置で安定する。
【0027】
マーカ支持部材112とマーカアーム110の連結部には、モータ115やポテンショメータ124を覆うカバー131が取り付けられている。図示のようにモータ115は背面視で斜めに設けることにより、カバー131をコンパクトにできる。
【0028】
図11は線引きマーカの位置を制御するマーカ制御装置のブロック図である。マーカ自動切替スイッチ140は、左右の線引きマーカを自動制御で作用位置と非作用位置とに回動させる「自動」、左右両方の線引きマーカを作用位置にする「両出し」、左右両方の線引きマーカを非作用位置にする「切」、左の線引きマーカだけを作用位置にする「左」、及び右の線引きマーカだけを作用位置にする「右」の各操作位置を有する。マーカ高さ調節スイッチ141は、作用位置における線引きマーカの高さ目標値を調節する調節具である。マーカ高さリセットスイッチ142は、苗植付部を上昇させるごとに線引きマーカの高さ目標値をリセットするか否かを選択する。キースイッチ143は、エンジンを始動及び停止させる。植付昇降レバーセンサ144は、植付昇降レバーL3の操作位置を検出する。主変速レバーセンサ145は、主変速レバーL1の操作位置を検出する。昇降リンクセンサ146は、上リンク51の角度を検出する。左右傾斜センサ147は、走行車体の左右傾斜を検出する。マーカ角度センサ124L,124Rは、線引きマーカの角度を検出する。これらスイッチ及びセンサが制御部148の入力側に接続され、左マーカ用モータ115L及び右マーカ用モータ115Rが制御部148の出力側に接続されている。
【0029】
図12は制御部によるマーカ回動制御全般の流れを示すフローチャートである。各スイッチ及びセンサからの信号を読み込んだ後(S1)、まずキースイッチ143の状態を判断する(S2)。キースイッチ143がONなら次に進むが、キースイッチ143がOFFなら後述する高さ目標値演算制御で設定された線引きマーカの高さ目標値をリセットして(S3)から最初に戻る。高さ目標値は圃場の状況に合わせて設定される数値であり、これをエンジンが切れる(キースイッチOFF)とリセットすることにより、次回行われる別の圃場での作業の際に前回の高さ目標値を持ち越さないようにしている。この実施の形態では、一旦設定された高さ目標値をリセットするリセット手段がキースイッチ143になっているが、作業圃場の変更に起因して操作される他の操作具をリセット手段としてもよい。
【0030】
キースイッチ143がONの場合、昇降リンクセンサ146の状態を判断すると共に(S4)、主変速レバーセンサ145の状態を判断する(S5)。そして、昇降リンクセンサ146が「下降域(苗植付部が作業位置にある状態)」である場合、又は昇降リンクセンサ146が「下降域」でなく、かつ主変速レバーセンサ145が「後進」である場合には、高さ目標値演算制御(S6)に進む。昇降リンクセンサ146及び主変速レバーセンサ145が上記以外の状態である場合は、最初に戻る。
【0031】
高さ目標値演算制御(S6)で高さ目標値を設定したならば、次にマーカ自動切替スイッチ140の状態を判断し(S7)、それに応じて下記の制御を行う。マーカ自動切替スイッチ140が「自動」なら、後述するマーカ左右切替制御を行う(S8)。「切」なら、左右マーカ用モータ115L,115Rにマーカを起立させるように出力する(S9)。「両出し」なら、高さ目標値に基づいて左右マーカ用モータ115L,115Rに出力する(S10)。「左」なら、高さ目標値に基づいて左マーカ用モータ115Lに出力する(S11)と共に、右マーカ用モータ115Rに線引きマーカを起立させるように出力する(S12)。「右」なら、高さ目標値に基づいて右マーカ用モータ115Rに出力する(S13)と共に、左マーカ用モータ115Lに線引きマーカを起立させるように出力する(S14)。これらの制御の後、後述の障害物対処制御(S15)をしてから最初に戻る。
【0032】
高さ目標値演算制御は図13のフローチャートに示す順序で行う。まず、左右傾斜センサ147値と昇降リンクセンサ146値とから左右の高さ目標値を演算する(S6−1)。詳しくは、機体が左右傾斜している場合、低位側については高さ目標値を高く設定し、高位側については高さ目標値を低く設定する。また、昇降リンクセンサ146値から圃場の硬軟を判定し、硬い圃場では機体の沈み込みが少ないので高さ目標値を低く設定し、逆に軟らかい圃場では高さ目標値を高く設定する。
【0033】
そして、線引きマーカが「作用位置」にある場合(S6−2)、マーカ高さ調節スイッチ141の状態を判断する(S6−3)。操作がないならそのまま次に進み、「下」操作があるなら前記高さ目標値を下げ側に補正(S6−4)してから次に進み、「上」操作があるなら前記高さ目標値を上げ側に補正(S6−5)してから次に進む。苗植付部を昇降させなくても、或は植付作業中であっても、いつでもマーカ高さ調節スイッチ141の操作により線引きマーカを作用位置と非作用位置とに切り替えることができる。これは、線引きマーカの上下回動を電動モータで行うことにより可能になっている。
【0034】
次いで、マーカ高さリセットスイッチ142がONであり(S6−6)、かつ昇降リンクセンサ146が「上昇域」なら(S6−7)、高さ目標値をリセット(S6−8)してから最初に戻る。それ以外の場合は、そのまま最初に戻る。このようにマーカ高さリセットスイッチ142で高さ目標値をリセットするか否かを選択できるようにしておけば、圃場や作業状況に適した制御を選べる。
【0035】
マーカ左右切替制御は図14のフローチャートに示す順序で行う。苗植付装置の上昇に連動して、前回作用位置にあった線引きマーカは次回非作用位置になり、前回非作用位置にあった線引きマーカは次回非作用位置になるように制御するが、この制御は公知であるので逐一説明することは省く。
【0036】
障害物対処制御は図15のフローチャートに示す順序で行う。下げ出力されてから所定時間Aが経過し(S15−1)ているにもかかわらず、線引きマーカが高さ目標値まで回動していない(S15−2)なら、線引きマーカが障害物に当たっている可能性があるので、下げ出力を所定時間Bだけ停止する(S15−3)。この間に機体が移動して線引きマーカが障害物から離れさせられる。下げ出力を停止する代わりに、上げ出力するようにしてもよい。S15−1及びS15−2の判定がいずれかがNOである場合は、S15−3を通らずに次に進む。
【0037】
また、上げ出力されてから所定時間Aが経過し(S15−4)ているにもかかわらず、線引きマーカが高さ目標値まで回動していない(S15−5)なら、線引きマーカが障害物に当たっている可能性があるので、上げ出力を停止する(S15−6)。そして、マーカ自動切替スイッチ140を該当する側の線引きマーカが上がるように操作されたなら(S15−7)、上げ出力の停止を解除する(S15−8)。このように線引きマーカを上げる人為操作があるまで上げ出力の停止を解除しないようにすれば、確実に線引きマーカと障害物との干渉を外すことができる。S15−7を、植付昇降レバーが「苗植付部上げ」に操作されたらS15−8に進むようにしてもよい。
【0038】
キースイッチ143がONになってから、苗植付部を昇降させる操作、例えば植付昇降レバーの操作や主変速レバーを「後進」にする操作があってから上記マーカ回動制御を開始するようにすると、線引きマーカが不用意に回動するのを防止できる。また、振動等により線引きマーカが自重で下方に回動するのを防止するために、常時マーカ角度センサ124L,124Rで線引きマーカの角度を監視し、それが適正角度に保たれるように左右マーカ用モータ115L,115Rに出力するように構成するのが好ましい。
【0039】
図17は異なる線引きマーカを表している。この線引きマーカ44は、マーカアームを平行リンク150,151にし、両リンクの先端部を連結した連結リンク152に線引き作用部111を一体に取り付けている。この構成とすると、高さ目標値の変更により作用位置におけるマーカ高さが変わっても、線引き作用部111を垂直に保つことができ、常に的確な線引きを行える。
【0040】
図18は更に異なる線引きマーカを表している。この線引きマーカ44は、線引き作用部111が回転式で、該線引き作用部全体がマーカアーム110に対して前後に回動可能になっている。そして、線引き作用部111の前後回動角度をポテンショメータ155で検出し、その検出値に応じてマーカ用モータ115で線引きマーカ44を上下回動させる。例えば、線引き作用部111を垂直に検出すれば、線引き作用部111が水田面から浮いていることであるから、線引きマーカ44を下げるように出力する。また、線引き作用部111の傾斜が大きく検出されれば、線引き作用部111が土中に深く入っていることであるから、線引きマーカ44を上げるように出力する。
【図面の簡単な説明】
【図1】苗移植機の側面図である。
【図2】苗移植機の平面図である。
【図3】苗植付部の一部を省略した平面図である。
【図4】苗送りベルトの伝動機構図である。
【図5】苗送り畦クラッチの連結部を示す図である。
【図6】植付畦クラッチ及び苗送り畦クラッチの入・切を切り替える機構の正面図である。
【図7】植付畦クラッチ及び苗送り畦クラッチの入・切を切り替える機構の平面図である。
【図8】線引きマーカの背面図である。
【図9】マーカアーム回動部の平面図である。
【図10】マーカアーム回動部の背面図である。
【図11】マーカ制御装置のブロック図である。
【図12】マーカ制御のフローチャートその1である。
【図13】マーカ制御のフローチャートその2である。
【図14】マーカ制御のフローチャートその3である。
【図15】マーカ制御のフローチャートその4である。
【図16】マーカアーム回動部の別例の平面図である。
【図17】異なる線引きマーカの背面図である。
【図18】更に異なる線引きマーカの(a)背面図、及び(b)側面図である。
【符号の説明】
1 乗用田植機(農作業機)
2 走行車体
3 昇降リンク装置
4 苗植付部
44 線引きマーカ
141 マーカ高さ調節スイッチ(高さ調節具)
143 キースイッチ(リセット手段)

Claims (1)

  1. 次行程の走行用目印を表土面に線引きする線引きマーカを備えた水田作業機において、走行車体(2)の後方に昇降リンク装置(3)を介して苗植付部(4)を装着し、前記線引きマーカの機体に対する高さを調節する高さ調節具と、該高さ調節具による高さの設定をリセットするリセット手段とを設けるとともに、左右傾斜センサ(147)の値と昇降リンクセンサ(146)の値とから作用位置における線引きマーカの高さ目標値を演算し、高さ調節具により前記高さ目標値を補正し、リセット手段により最初の高さ目標値に戻すマーカ制御装置を設け、線引きマーカの上下回動は、伝動モータ(115)からの動力が伝動を断つことができるライニング(122)を介して伝達されることによって行われ、線引きマーカが下げ出力から所定時間Aが経過しているにもかかわらず、線引きマーカが高さ目標値まで回動していないとき、前記下げ出力を停止するか、又は上げ出力を所定時間Bだけ行うように構成したことを特徴とする水田作業機。
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