JP3996793B2 - 高温再生器およびこれを備えた吸収冷温水機 - Google Patents

高温再生器およびこれを備えた吸収冷温水機 Download PDF

Info

Publication number
JP3996793B2
JP3996793B2 JP2002059951A JP2002059951A JP3996793B2 JP 3996793 B2 JP3996793 B2 JP 3996793B2 JP 2002059951 A JP2002059951 A JP 2002059951A JP 2002059951 A JP2002059951 A JP 2002059951A JP 3996793 B2 JP3996793 B2 JP 3996793B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
solution
transfer tube
temperature regenerator
tube group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002059951A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003262431A (ja
Inventor
達郎 藤居
桂史 笹尾
章 西口
聡 三宅
保志 船場
雅博 岡
研治 山田
裕治 小沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Osaka Gas Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Toho Gas Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Osaka Gas Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Toho Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Osaka Gas Co Ltd, Tokyo Gas Co Ltd, Toho Gas Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2002059951A priority Critical patent/JP3996793B2/ja
Publication of JP2003262431A publication Critical patent/JP2003262431A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3996793B2 publication Critical patent/JP3996793B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビル空調や地域冷暖房用の熱源機として用いられる吸収冷温水機用の高温再生器およびこれを備えた吸収冷温水機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、吸収冷温水機用の高温再生器には、たとえば特開平11−248291号に記載されるものがある。すなわち、バーナの前方にある伝熱管の過熱を防止して腐食しないようにするため、伝熱管の上部と下部とを接続する液下降管を加熱室の側壁から離して設置し、また、高温再生器への吸収液の流入口は、加熱室(燃焼室)の下方にある液溜りの下側に開口し、吸収液の流出口を、加熱室上方の蒸気発生部の側面に配置する構造のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、吸収液の流出口は、側面の液面近傍であり、伝熱管内からの沸騰による吸収液の吹き上がりによる流出量の不安定、さらに流出口への冷媒蒸気の巻き込みによって流出口及びその下流側の流路の閉塞による高温再生器内部の液面上昇、その結果、冷媒蒸気への溶液混入による冷房性能の低下、吸収器での溶液不足、流出流路閉塞と閉塞解消の繰返しによるサイクルのハンチングの発生に対し、配慮されていなかった。
【0004】
また、液面検知ボックス内の液位を溶液流量の調整に用いる場合、液面検知ボックスへの溶液流入量が沸騰による吹き上がり、流入液量が増減して不安定となることに対し、配慮されていなかった。
さらに、吸収液の流入口を液溜りに接続すると、流入する溶液と高温再生器内部の濃溶液を混合させるための液溜りあるいは溶液循環部が必要となり、高温再生器および吸収冷温水機全体の小型化に支障となり、また、停止時には吸収液の流入口から高温再生器内の吸収液が吸収器に逆流することに対し、配慮されていなかった。
【0005】
本発明の目的は、高温再生器内へ溶液を供給する溶液供給配管の先端を、燃焼ガスの流れの下流側壁面に近接する位置、すなわち、溶液の沸騰状態が穏やかでボイドの発生の少ない位置とすることによって、サイクルのハンチングの不具合を最小限に抑制できる高温再生器を提供することにある。
【0006】
また本発明の目的は、溶液供給配管の先端を高温再生器の外筒側面に近接する位置とすることによって、供給された溶液が外筒と内筒との間を下降する溶液の流れに円滑に合流して内筒の下部に導かれ、溶液が加熱および濃縮されずに溶液出口から流出するようなことがなく、高温再生器内部での溶液の過熱や過濃縮、それに伴う伝熱管の腐食を防止できる高温再生器を提供することにある。
【0007】
さらに本発明の目的は、オーバーフロー方式による溶液出口を外筒の側面に設け、かつこの溶液出口の位置を伝熱管群の間に形成した燃焼空間に位置させているので、伝熱管内からの溶液の吹き上がりの影響を受けにくく、溶液出口からの溶液の過剰流出や、溶液出口の閉塞を防止できる高温再生器を提供することにある。
【0008】
さらに本発明の目的は、高温再生器の構造が単純であり、また高温再生器の下部に液溜りなどのスペースを確保する必要がないので、小型化を図れる高温再生器を提供することにある。
さらに本発明の目的は、上記高温再生器を備える吸収冷温水機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明に係る高温再生器は、内筒と、この内筒を覆う外筒と、前記内筒内で火炎および燃焼ガスを生成して燃焼する燃焼手段と、前記内筒を垂直方向に貫通する伝熱管群とを備え、前記外筒と内筒との間に貯溜する溶液を加熱濃縮する高温再生器において、前記伝熱管群を、前記燃焼手段に近接して設けた第1の伝熱管群と、この第1の伝熱管群に対し燃焼ガスの下流側に設けた第2の伝熱管群とから構成し、これら第1の伝熱管群と第2の伝熱管群との間に燃焼空間を形成するとともに、前記外筒から溶液を流出させるためのオーバーフロー方式の溶液出口を、前記燃焼空間の位置で且つ前記伝熱管群の上端より高く前記内筒の上面との間に仕切り壁を介在しない位置の外筒の側面に設けるものである。
【0011】
係る高温再生器において、より好ましくは、前記外筒内に溶液を導くための溶液入口を、前記伝熱管群の上方であって、前記燃焼ガスの下流側の外筒の側面に近接した位置に設けるものである。
【0013】
上記目的を達成するために本発明に係る吸収冷温水機の発明は、内筒と、この内筒を覆う外筒と、前記内筒内で火炎および燃焼ガスを生成して燃焼する燃焼手段と、前記内筒を垂直方向に貫通する伝熱管群とを有し、前記外筒と内筒との間に貯溜する溶液を加熱濃縮する高温再生器を備える吸収冷温水機において、前記外筒内に溶液を導くための溶液入口を、前記伝熱管群の上方であって、前記燃焼ガスの出口側の外筒の側面に近接した位置に設け、前記伝熱管群を、前記燃焼手段に近接して設けた第1の伝熱管群と、この第1の伝熱管群に対し燃焼ガスの下流側に設けた第2の伝熱管群とから構成し、これら第1の伝熱管群と第2の伝熱管群との間に燃焼空間を形成するとともに、前記外筒から溶液を流出させるためのオーバーフロー方式の溶液出口を、前記燃焼空間の位置で且つ前記伝熱管群の上端より高く前記内筒の上面との間に仕切り壁を介在しない位置の外筒の側面に設けた高温再生器を備えるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
本発明に係る高温再生器の実施例を図1〜図4を用いて説明する。まず、吸収冷温水機全体の構成とその動作について図4を用いて説明する。吸収冷温水機は、蒸発器81、吸収器82、低温熱交換器83、高温熱交換器84、高温再生器85、低温再生器86、凝縮器87、冷媒ポンプ88、稀溶液ポンプ89、濃溶液ポンプ90などを有している。
【0015】
蒸発器81内には、需要側へ冷水を供給する伝熱管81aが配置されている。蒸発器81の下部には、冷媒ポンプ88が設けられている。冷媒ポンプ88は、蒸発器81の下部に溜まった冷媒を冷媒滴下装置81bに送り、この冷媒滴下装置81bから冷媒が伝熱管81a上に滴下される。伝熱管81a上に滴下された冷媒は、伝熱管81a内を流れる冷水から熱を奪って蒸発し、蒸発器81と吸収器82との境界に設けたエリミネータ81cを通って吸収器82に流れ込む。冷媒の蒸発熱によって冷却された冷水は、ビルなどの冷房用に送られる。
【0016】
蒸発器81と同一シェルで構成された吸収器82内には、内部を冷却水が流通する伝熱管82aが配置されている。高温再生器85または低温再生器86で濃縮された濃溶液は、低温熱交換器83を経た後、吸収器82の内部上方に設けられた溶液滴下装置82bに送られる。そして、溶液滴下装置82bから伝熱管82a上に滴下される。滴下された濃溶液は、伝熱管82a上で伝熱管82a内を流れる冷却水に冷却されるとともに、蒸発器81から流入した冷媒蒸気を吸収して濃度が薄くなり、稀溶液となる。そして、吸収器82の下部に形成した溶液溜め82cに溜まる。この溶液溜め82cの底部と低温熱交換器63とが配管82dで接続され、配管82dの途中には稀溶液ポンプ89が設けられている。
【0017】
稀溶液ポンプ89により低温熱交換器83に送られた稀溶液は、低温再生器86と高温再生器85とから送られた濃溶液と熱交換して温度上昇する。そして、高温再生器85の溶液出口のフロートボックス85a内に設置されたフロートバルブ85bを経て、一部は低温再生器86へ、残りは高温熱交換器84を経て高温再生器85へ送られる。高温熱交換器84に送られた稀溶液は、この高温熱交換器84で高温再生器85から流出した濃溶液と熱交換して温度上昇する。そして、高温再生器85に送られ、バーナで燃焼した燃焼ガスを加熱源として加熱される。稀溶液が加熱されて沸騰すると、冷媒蒸気が稀溶液から分離し、稀溶液は濃溶液となる。分離した冷媒蒸気は、蒸気配管85cを通って低温再生器86に送られる。
【0018】
一方、高温再生器85の溶液出口はオーバーフロー堰85dとなっており、冷媒蒸気を分離して濃縮された濃溶液は、このオーバーフロー堰85dから高温再生器85の側部に設けられたフロートボックス85aへ流出して、フロートボックス85a内に液面を形成する。さらにフロートボックス85a内の濃溶液は、高温熱交換器84へ導かれ、吸収器82から送られた稀溶液を加熱する。
【0019】
この時、フロートボックス85a内では、フロートバルブ85bが液面の高さに応じて稀溶液の流量を調節し、高温再生器全体の保有溶液量がほぼ一定に維持される。また、フロートバルブ85bの出口側から稀溶液の供給を受ける低温再生器86への流量も、高温再生器85へ供給される溶液流量とともに調節される。
低温再生器86内には、その内部を高温再生器85から導かれた冷媒蒸気が流通する伝熱管86aが配置されている。低温再生器86に送られた稀溶液は、低温再生器86内の上部に設けられた溶液滴下装置86bから伝熱管86a上に滴下される。そして、伝熱管86aの内部を流れる冷媒蒸気により加熱されて冷媒蒸気が分離し、分離した冷媒蒸気が凝縮器87に流れ込む。
【0020】
一方、冷媒蒸気を分離して濃縮された濃溶液は、高温再生器85から高温熱交換器84を通ってきた濃溶液と合流する。そして、合流した濃溶液は濃溶液ポンプ90によって昇圧された後に低温熱交換器83へと導かれる。この濃溶液は、低温熱交換器83で吸収器82から導かれた稀溶液を予熱した後、吸収器82の溶液滴下装置82bに導かれる。
【0021】
低温再生器86の伝熱管86a内を流通する冷媒蒸気は、低温再生器86において溶液を加熱して凝縮し、冷媒液となる。そして、伝熱管86aの出口から冷媒配管86cを通って凝縮器87に導かれる。凝縮器87内には伝熱管87aが配置されている。吸収器82内の伝熱管82aの一部を流通した冷却水が、このこの伝熱管87aの内部を流通し、再び吸収器82に導かれて伝熱管82aの残りの管内を流通する。冷却水は、伝熱管87a内を流通する際に、低温再生器86で発生し凝縮器87内に流入した冷媒蒸気を冷却し凝縮させる。凝縮器87内で冷媒蒸気が凝縮して得られた冷媒液は、凝縮器87の下部において、低温再生器86から流入した冷媒液と合流する。そして、合流した冷媒液は、凝縮器87底部と蒸発器81を結ぶ冷媒配管87bを通って、蒸発器81に送られる。
【0022】
次に、本実施例における高温再生器の構成とその動作について、図1〜図3を用いて説明する。
図1は、本実施例における高温再生器85の斜視図である。図1に示すように、高温再生器85は、外筒1、外筒1に覆われた内筒2、外筒1に付設された燃焼手段11、内筒2を垂直方向に貫通するように設けた伝熱管群3a(第1管群を構成)および3b(第2管群を構成)、外筒1の外部から接続された配管と、この配管に延長するように外筒1に内接して設けられた配管からなる溶液供給配管4、外筒1の燃焼手段11の反対側に付設された煙道ボックス13等から構成されている。
【0023】
内筒2に設けた伝熱管群3aは、燃焼手段11の近傍に設置され、伝熱管群3bは、伝熱管群3aから見て燃焼ガスの流れ方向の下流側に設置されている。また、伝熱管群3aと伝熱管群3bとは異なる断面積の伝熱管によって構成され、伝熱管群3aを構成する伝熱管には、伝熱管群3bを構成する伝熱管よりも断面積が大きい伝熱管を採用している。
また、外筒1の燃焼ガス下流側の壁面1aには、冷媒蒸気の出口8が設けられ、図4に示す冷媒蒸気配管85cが接続されている。さらに煙道ボックス13には、燃焼ガス出口14が開口している。
【0024】
図2は、図1の側面図である。伝熱管群3aと伝熱管群3bとの間には、燃焼空間12が形成されている。外筒1の側面1bには溶液出口7が設けられており、この位置は燃焼空間12すなわち伝熱管群3aと伝熱管群3bとの間の側方ともなっている。
図3は、図1の燃焼ガスの流れ方向に直交し、溶液供給口4を含む断面における断面図である。図に示すように、溶液供給配管4の先端は、内筒2および伝熱管群3bの上方であるとともに、外筒1の燃焼ガスの下流側壁面1aおよび側面1bに近接した位置に開口している。
【0025】
吸収冷温水機の運転時には、溶液供給配管4から高温再生器内部に吸収器82からの稀溶液が供給される。運転中における高温再生器内部の溶液は、概ね、伝熱管3a、3b内で加熱された溶液が管内を上昇し、伝熱管出口で沸騰によって発生した冷媒蒸気を分離した後、外筒1の側面近傍すなわち外筒1と内筒2との間を下降するように循環しており、外筒1の側面近傍の溶液供給配管4から供給された稀溶液は、この下降する流れに合流して内筒2の下部に導かれる。
【0026】
一方、伝熱管群3a、3b内では沸騰によって上昇流を生じるので、内筒2の下部に導かれた溶液はこれらの伝熱管群の下部に吸引される。このとき、燃焼手段11の近傍に設置された伝熱管群3aでは、下流側の伝熱管群3bよりも伝熱管の断面積が大きいので管摩擦損失が少なく、燃焼ガスの温度も、伝熱管群3bと比較して高いことから管内の沸騰も激しい。したがって、伝熱管群3aにおける管内の上昇流速は伝熱管群3bよりも大きく、内筒2の下部から吸引、供給される溶液量も多くなる。この影響により、燃焼ガス下流側壁面1a近傍に供給された稀溶液は、高温再生器内部を循環する溶液とともに燃焼手段11の近傍まで導かれ、高温再生器全体に良好に分配される。
【0027】
各伝熱管に分配された溶液は、伝熱管3a、3b内で過熱されて沸騰し、濃溶液となって再び伝熱管3a、3の上部から流出する。この濃溶液の一部は、溶液出口7からオーバーフローして流出する。オーバーフローした濃溶液は、図4に示すフロートボックス85aに一旦滞留して液面を形成し、この液面の上下によってフロートバルブ85bが動作し、高温再生器85および低温再生器86に供給される稀溶液流量が調整される。
【0028】
フロートバルブ85bによって稀溶液流量が調整されており、運転条件によってはある一定の変動幅を持って流量が変動する。したがって、高温再生器85への稀溶液の溶液供給口4を沸騰が激しくボイド率(蒸気泡の体積比率)の大きい位置とすると、供給量の変動がボイド率に大きく影響する。このため、ボイド率の変動によって高温再生器85の保有溶液量が変動し、この変動に加えてボイド率変動の時間遅れが生じる。その結果、溶液供給量の調節系が不安定となり、サイクルのハンチングや吸収器82または高温再生器85への溶液偏在などの不具合を生じる。
【0029】
本実施例によれば、溶液供給配管4の先端を、図2に示す燃焼ガスの流れ10の下流側壁面1bに近接する位置としており、この燃焼ガスの温度は下流に行くほど溶液に熱を与えて低下するので、溶液の沸騰状態も下流に行くほど穏やかとなっている。したがって、ボイドの発生の少ない位置に溶液供給配管4の先端を位置させることによりボイド率の変動が少なく、これに伴うサイクルのハンチングの不具合を最小限に抑制することができる。
【0030】
また本実施例によれば、溶液供給配管4の先端を高温再生器85の外筒1の側面1bに近接する位置としているので、供給された稀溶液が、外筒1と内筒2との間を下降する溶液の流れに円滑に合流して内筒2の下部に導かれる。したがって、稀溶液が加熱および濃縮されずに溶液出口7から流出するようなことがなく、高温再生器内部での溶液の過熱や過濃縮、それに伴う伝熱管3a、3bの腐食を防止する効果がある。
【0031】
さらに本実施例によれば、オーバーフロー方式による溶液出口7を外筒1の側面に設け、かつこの位置伝を熱管3a、3bの間の燃焼空間12に位置させているので、伝熱管内からの溶液の吹き上がりの影響を受けにくく、溶液出口7からの溶液の過剰流出や、溶液出口7の閉塞を防止できる。すなわち、溶液が過剰に流出すると、高温再生器内の溶液量が不足となり、伝熱管3a、3bの上部が気相部に露出して過熱されて腐食に至り、また、溶液出口7が閉塞すると、高温再生器内部の液面が上昇し、低温再生器86に流れる冷媒蒸気に溶液ミストが混入して冷房性能が低下したり、吸収器の溶液量が不足して稀溶液ポンプ82dのキャビテーションに至る等の不具合を生じるが、本実施例によれば、これらの伝熱管腐食および不具合を防止することができる。
【0032】
さらに本実施例によれば、高温再生器85の伝熱管群を、断面積の異なる伝熱管により構成し、断面積が大きい伝熱管3aを燃焼手段11の近傍に配置させているので、伝熱管群3a内の上昇流速が大きくなり、高温再生器の下部から優先的に溶液が供給され、伝熱管群3aの過熱による腐食を防止できるという効果がある。
【0033】
またこの作用によって、燃焼ガスの出口側から供給されて高温再生器85の下部に導かれた稀溶液が、燃焼手段11の近傍に設置された伝熱管群3aにも移動するので、伝熱管群3aの過熱による腐食を防止する効果がさらに増大するとともに、高温再生器全体の濃度が均一化して、過濃縮による溶液の局部的な結晶やそれに伴う腐食を防止できるという効果もある。
【0034】
さらに本実施例によれば、前記従来技術のような下降管と、この下降管を接続する吸収液溜りを用いることなく、稀溶液を高温再生器全体に良好に分配し、上記するように伝熱管の腐食を防止しているので、高温再生器85の構造が単純となり部品点数が少なく、コストおよび空気漏入ポテンシャルを低減できる効果もある。さらには、高温再生器85の下部に液溜りなどのスペースを確保する必要がないので、高温再生器85およびこれを搭載した吸収冷温水機のコンパクト化が図れるという効果もある。
【0035】
また本実施例によれば、高温再生器85への溶液供給配管4を外筒1の燃焼ガスの下流側壁面1aに近接した位置にあり、かつ外筒1の側面1bに近接しているので、稀溶液が高温再生器85の内部循環に合流して内筒2の下部に導かれる。したがって、稀溶液を高温再生器内の内筒2および伝熱管群3bの上方から供給することが可能となり、溶液供給配管4を下部に接続した場合のように停止時に溶液が高温再生器85から吸収器82に逆流することがないので、吸収器82の液溜りの容量増大を防止して、吸収冷温水機のコンパクト化が図れるという効果もある。あるいは、この逆流を防止するための制御弁の設置によるコストアップや、吸収器82の液溜りを高い位置に設けて機器配置の自由度を著しく損なう等の対応策が不要になる。
【0036】
次に、本実施例の変形例を、図5を用いて説明する。
図5は、図3と同様、高温再生器85の燃焼ガス流れ方向に垂直な面における断面図である。なお本変形例の高温再生器85の側面図は図2と同様であり、溶液供給配管4は外筒1の燃焼ガスの下流側壁面1aに近接した位置に設けられ、外筒1の側面1bにも近接した位置に設けた第1の開口部4aと、反対側の側面1bに近接した位置に設けた第2の開口部4bの2箇所に有している。このため、高温再生器85に供給される稀溶液は開口部4a、4bからそれぞれ外筒1の側面1bに近接した位置に供給され、向かい合う2箇所から下方へ内部循環する溶液に混合、合流して高温再生器85の下部に導かれる。そして、高温再生器内の各伝熱管内に分配される。
【0037】
本変形例によれば、溶液供給配管4の開口部を、高温再生器内部の溶液温度、溶液濃度の分布がさらに均一になり、特定の伝熱管の過熱および溶液の結晶化による腐食がさらに起こりにくくなり、高温再生器85の信頼性がさらに向上するという効果がある。
また、高温再生器85への稀溶液供給個所が二分されて、1箇所あたりの供給量とその流量変動を約半分とすることができる。したがって、高温再生器85の側面1bに垂直な方向へのボイド率の分布を均一化でき、流量変動に伴うボイド率の変動も抑制できるので、高温再生器85および吸収冷温水機の動作がさらに安定するという効果もある。
【0038】
次に、本発明の他の実施例について、図6および図7を用いて説明する。
図6は、本発明の高温再生器85に係る他の実施例の斜視図で、図1と同等部分には同一符号が付してある。本実施例では、高温再生器85の外筒1の側面1bにおいて、内筒2の上端よりも低い位置に溶液通路5が開口しており、この外側にオーバーフロータンク6が設置されている。さらにこのオーバーフロータンク6には、内筒2および伝熱管群3a、3bの上端よりも高い位置に、オーバーフロー方式による溶液出口7が開口している。なお、内筒2に設置された伝熱管群3a、3bについては図1の実施例と同様である。
【0039】
7は、高温再生器85およびフロートボックス85aの、溶液通路5と溶液出口7とを含む断面における断面図である。溶液出口7の外側にフロートボックス85aが位置し、この底面に溶液配管85cが接続されている。フロートボックス85aの内部には、液面を検出するフロート15が設けられ、このフロート15は図4に示すフロートバルブ85bに接続されている。またフロートボックス85aの上面は、連通管16によって、高温再生器85上部の冷媒蒸気部に接続されている。
【0040】
本実施例では、高温再生器85で濃縮された溶液は、まず溶液通路5を通ってオーバーフロータンク6に流出する。溶液通路5は、内筒2の上端よりも低い位置に開口しているので、吸収冷温水機の運転中も停止中も溶液に満たされている。オーバーフロータンク6に流出した溶液は、オーバーフロータンク6の内部を上方に向かって流れ、溶液出口7から図4に示すフロートボックス85aにオーバーフローして、図7に示すように液面を形成する。
【0041】
フロートボックス85aでは、内部に形成された液面の変動によってフロート15が上下し、フロートバルブ85bが動作して高温再生器85および低温再生器86に送られる稀溶液流量が調整される。このとき、フロートボックス85a内の液面が上昇すると、フロートボックス85aの上部の冷媒蒸気は連通管16を通って高温再生器本体に流れ、フロートボックス85a内の液面が下降すると、高温再生器本体から連通管16を通って冷媒蒸気がフロートボックス85aの上部に流入する。
【0042】
本実施例によれば、溶液通路5が溶液に満たされていること、溶液出口7が内筒2および伝熱管群を有する高温再生器本体の内部と外筒1の側面によって仕切られていることによって、これらの溶液流出流路が、沸騰による伝熱管3a、3bからの溶液の吹き上がりに影響されず、高温再生器85からの溶液の過剰流出や、溶液出口7の閉塞を防止できる。したがって、図1〜3の実施例と同様にサイクルの安定化、伝熱管の腐食防止の効果がある。
【0043】
また本実施例によれば、フロートボックス85aの上部と、高温再生器85の外筒1の上部とを連通管16で接続したので、フロートボックス85a内の液面が自由に上下に動くことができ、高温再生器本体の保有液量の増減を度よく反映できる。したがって、フロートバルブ85bによる溶液の調整が良好になり、サイクル及び溶液量のバランスが安定し、吸収冷温水機の信頼性が向上するという効果がある。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、高温再生器内へ溶液を供給する溶液供給配管の先端を、燃焼ガスの流れの下流側壁面に近接する位置、すなわち、溶液の沸騰状態が穏やかでボイドの発生の少ない位置とすることによって、サイクルのハンチングの不具合を最小限に抑制できる高温再生器が得られる。
【0045】
また本発明によれば、溶液供給配管の先端を高温再生器の外筒側面に近接する位置とすることによって、供給された溶液が外筒と内筒との間を下降する溶液の流れに円滑に合流して内筒の下部に導かれ、溶液が加熱および濃縮されずに溶液出口から流出するようなことがなく、高温再生器内部での溶液の過熱や過濃縮、それに伴う伝熱管の腐食を防止できる高温再生器が得られる。
【0046】
さらに本発明によれば、オーバーフロー方式による溶液出口を外筒の側面に設け、かつこの溶液出口の位置を伝熱管群の間に形成した燃焼空間に位置させているので、伝熱管内からの溶液の吹き上がりの影響を受けにくく、溶液出口からの溶液の過剰流出や、溶液出口の閉塞を防止できる高温再生器を得ることができる。
【0047】
さらに本発明によれば、高温再生器の構造が単純であり、また高温再生器の下部に液溜りなどのスペースを確保する必要がないので、小型化を図れる高温再生器を得ることができる。
さらに本発明によれば、上記高温再生器を備えることによって、上記効果を有し、小型の吸収冷温水機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高温再生器に係る実施例の斜視図である。
【図2】図1の高温再生器の側面図である。
【図3】図1の高温再生器の溶液供給配管を含む断面における断面図である。
【図4】図1の高温再生器を備えた吸収冷温水機の系統図である。
【図5】図1の実施例の変形例に係る高温再生器の溶液供給配管を含む断面における断面図である。
【図6】本発明の高温再生器に係る他の実施例の斜視図である。
【図7】図6の高温再生器の溶液出口を含む断面における断面図である。
【符号の説明】
1 外筒
2 内筒
3a、3b 伝熱管群
4 溶液供給配管
5 溶液出口通路
6 オーバーフロータンク
7 溶液出口
8 冷媒蒸気の出口
10 燃焼ガスの流れ方向を示す矢印
11 燃焼手段
12 燃焼空間
13 煙道ボックス
14 燃焼ガス出口
15 フロート
16 連通管
81 蒸発器
82 吸収器
83 低温熱交換器
84 高温熱交換器
85 高温再生器
85a フロートボックス
85b フロートバルブ
86 低温再生器
87 凝縮器
88 冷媒ポンプ
89 稀溶液ポンプ
90 濃溶液ポンプ

Claims (3)

  1. 内筒と、この内筒を覆う外筒と、前記内筒内で火炎および燃焼ガスを生成して燃焼する燃焼手段と、前記内筒を垂直方向に貫通する伝熱管群とを備え、前記外筒と内筒との間に貯溜する溶液を加熱濃縮する高温再生器において、
    前記伝熱管群を、前記燃焼手段に近接して設けた第1の伝熱管群と、この第1の伝熱管群に対し燃焼ガスの下流側に設けた第2の伝熱管群とから構成し
    これら第1の伝熱管群と第2の伝熱管群との間に燃焼空間を形成するとともに、
    前記外筒から溶液を流出させるためのオーバーフロー方式の溶液出口を、前記燃焼空間の位置で且つ前記伝熱管群の上端より高く前記内筒の上面との間に仕切り壁を介在しない位置の外筒の側面に設けることを特徴とする高温再生器。
  2. 記外筒内に溶液を導くための溶液入口を、前記伝熱管群の上方であって、前記燃焼ガスの下流側の外筒の側面に近接した位置に設けることを特徴とする請求項1記載の高温再生器。
  3. 内筒と、この内筒を覆う外筒と、前記内筒内で火炎および燃焼ガスを生成して燃焼する燃焼手段と、前記内筒を垂直方向に貫通する伝熱管群とを有し、前記外筒と内筒との間に貯溜する溶液を加熱濃縮する高温再生器を備える吸収冷温水機において、
    前記外筒内に溶液を導くための溶液入口を、前記伝熱管群の上方であって、前記燃焼ガスの出口側の外筒の側面に近接した位置に設け、
    前記伝熱管群を、前記燃焼手段に近接して設けた第1の伝熱管群と、この第1の伝熱管群に対し燃焼ガスの下流側に設けた第2の伝熱管群とから構成し
    これら第1の伝熱管群と第2の伝熱管群との間に燃焼空間を形成するとともに、
    前記外筒から溶液を流出させるためのオーバーフロー方式の溶液出口を、前記燃焼空間の位置で且つ前記伝熱管群の上端より高く前記内筒の上面との間に仕切り壁を介在しない位置の外筒の側面に設けた高温再生器を備えることを特徴とする吸収冷温水機。
JP2002059951A 2002-03-06 2002-03-06 高温再生器およびこれを備えた吸収冷温水機 Expired - Lifetime JP3996793B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002059951A JP3996793B2 (ja) 2002-03-06 2002-03-06 高温再生器およびこれを備えた吸収冷温水機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002059951A JP3996793B2 (ja) 2002-03-06 2002-03-06 高温再生器およびこれを備えた吸収冷温水機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003262431A JP2003262431A (ja) 2003-09-19
JP3996793B2 true JP3996793B2 (ja) 2007-10-24

Family

ID=29195553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002059951A Expired - Lifetime JP3996793B2 (ja) 2002-03-06 2002-03-06 高温再生器およびこれを備えた吸収冷温水機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3996793B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003262431A (ja) 2003-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4701147B2 (ja) 2段吸収冷凍機
JP3865325B2 (ja) 吸収式冷凍機
JP3996793B2 (ja) 高温再生器およびこれを備えた吸収冷温水機
US6145338A (en) High-temperature regenerator
JP2015025629A (ja) 昇温型吸収ヒートポンプ
JP4519744B2 (ja) 高温再生器及び吸収冷凍機
US2721455A (en) Absorption refrigeration
JP4183188B2 (ja) 三重効用吸収冷温水機
JP4281967B2 (ja) 吸収冷温水機
JP2015025615A (ja) 昇温型吸収ヒートポンプ
JP2015025609A (ja) 三段昇温型吸収ヒートポンプ
ITMI981999A1 (it) Frigorifero ad assorbimento
JP5037987B2 (ja) 高温再生器及び吸収冷凍機
JP2872083B2 (ja) 吸収式冷凍機用再生器
JP6337055B2 (ja) 吸収ヒートポンプ
JP4249588B2 (ja) 吸収冷温水機
JP2911106B2 (ja) 吸収式冷凍機用再生器
JP2538301B2 (ja) 吸収冷凍機
JP2911107B2 (ja) 吸収式冷凍機用再生器
JPH11325401A (ja) 蒸気製造装置
JPH07104065B2 (ja) 吸収式ヒートポンプ装置
KR0147749B1 (ko) 흡수식 냉난방기의 재생기
JPH0563710B2 (ja)
KR0136204Y1 (ko) 흡수식 냉난방기
KR100349619B1 (ko) 흡수식 냉난방기용 흡수기

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040809

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061027

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070717

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070803

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3996793

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110810

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120810

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130810

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term