JP2911106B2 - 吸収式冷凍機用再生器 - Google Patents

吸収式冷凍機用再生器

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JP2911106B2 JP31836695A JP31836695A JP2911106B2 JP 2911106 B2 JP2911106 B2 JP 2911106B2 JP 31836695 A JP31836695 A JP 31836695A JP 31836695 A JP31836695 A JP 31836695A JP 2911106 B2 JP2911106 B2 JP 2911106B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸収式冷凍機用再生
器に関し、特に、水等の冷媒の吸収溶液として臭化リチ
ウム水溶液のような吸湿性の高い物質を用い、該吸収溶
液を再生器と冷媒吸収器との間で循環させるようにした
吸収式冷凍機に用いられる改良された再生器に関する。
【0002】
【従来の技術】上記の形式の吸収式冷凍機は、主に、吸
収器、溶液ポンプ、再生器、凝縮器、蒸発器から構成さ
れる。図8は二重効用吸収式冷凍機の作動原理を説明す
るシステムフロー図であり、蒸発器Eで発生した冷媒蒸
気は吸収器Aにおいて吸収溶液(例えば臭化リチウム水
溶液)に吸収され、冷媒の吸収により低濃度となった吸
収溶液は溶液ポンプSPにより高温再生器HGに送られ
る。高温再生器HGはバーナーBを有しており、該低濃
度の吸収溶液はバーナーBからの熱により冷媒を蒸発し
て濃縮される。濃縮された吸収溶液は高温再生器HGか
ら低温再生器LGに流入し、そこで高温再生器HGから
の冷媒蒸気と熱交換をして再度濃縮された後に、吸収器
Aへ流入する。気化した冷媒は凝縮器Cで凝縮し蒸発器
Eに送られる。なお、図中、RPは冷媒循環用ポンプで
あり、蒸発器E内の冷媒を循環させている。再生器を一
個のみ用い、当該再生器からの吸収溶液を吸収器Aに直
接送り出すようにした単効用吸収式冷凍機も知られてい
る。
【0003】図9は、上記のような吸収式冷凍機で用い
られる再生器(高温再生器HG)の一例を示す断面図で
あり、本体ケーシング1は内部に伝熱室2を有し、伝熱
室2の一方の側端部には加熱源としてのバーナーBが火
炎をほぼ水平方向に伝熱室2内に噴射するように取り付
けられており、伝熱室2の他方側端部には燃焼ガス排気
用の煙突4が配置される。伝熱室2の下部には下部吸収
溶液溜まり5が、また、上部には上部吸収溶液溜まり6
が設けられ、上下の吸収溶液溜まり5、6は、バーナー
Bの火炎に接しない位置において伝熱室2内にほぼ垂直
方向に配置された複数本の伝熱管7により連通されてい
る。下部吸収溶液溜まり5は配管8及び前記溶液ポンプ
SPを介して吸収器Aに連通しており、冷媒を吸収して
低濃度となった吸収溶液が吸収器Aから下部吸収溶液溜
まり5に送給される(特開平5−187740号公報等
参照)。
【0004】溶液ポンプSPにより送給された吸収溶液
は送給圧及びバーナーBの火炎と燃焼ガスによる加熱に
よる対流(自然対流)により、複数の伝熱管7内を上昇
して上部吸収溶液溜まり6に達する。本体ケーシング1
と伝熱室2の外壁との間に吸収溶液流路が形成されてい
る場合には、上部吸収溶液溜まり6に滞留した吸収溶液
は該流路を通って下部吸収溶液溜まり5に流下する。吸
収溶液に吸収された冷媒(水)はバーナーBの加熱によ
って蒸気化し、気化した冷媒は前記のように低温再生器
LG又は凝縮器Cに送られ液化した後に蒸発器Eへ送ら
れる。また、冷媒の気化により濃縮された吸収溶液は吸
収器Aに送られ、再び冷媒の吸収を行う。
【0005】図10は吸収式冷凍機用再生器の他の例を
示す水平断面図であり、伝熱室2aの一方側端部にはほ
ぼ水平方向に火炎を含む燃焼ガスを噴射するバーナーB
が配置され、伝熱室2a内にはバーナーBの燃焼ガスと
交叉するように比較的配置密度を密にして多数のほぼ垂
直状の伝熱管7aが配置されている。そして、該伝熱管
7aの少なくとも上流側の伝熱管7a’群は燃焼火炎部
に配置され、順次下流に行くに従い伝熱管の伝熱面密度
を高めるようされている(実開平7−22371号公報
参照)。この構成により、サーマルNOx の発生が効果
的に抑制され、また、燃焼ガスの温度が徐々に低下して
いくためCOの発生も効果的に抑制されるというもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、吸収式
冷凍機用再生器についての研究と実験を継続して行って
きているが、その過程において、前記のようにバーナー
の火炎に接する位置に上流側の伝熱管を配置した形式の
再生器の場合は、燃焼室をコンパクトにすることがで
き、かつ、吸収溶液の充填量も減少可能となることから
装置全体の小型化が可能となるばかりでなく、NOx
び未燃分の発生も低減できる利点を有しており、有効な
ものではあるが、吸収式冷凍機用再生器の場合には、熱
せられる媒体が水でなく臭化リチウムのような吸収溶液
であることから、いくつか不都合を伴うことを知った。
【0007】すなわち、図10に示した形式のバーナー
の火炎に接する位置に上流側の伝熱管7a’を配置した
形式の再生器の場合、燃焼室をコンパクトにすることに
よって伝熱管における熱流束が上昇し、特に、火炎に近
接する伝熱管7a’では熱流束が非常に高くなり、伝熱
管7a’の内壁及び吸収溶液の温度が高くなって、伝熱
管の腐食及び晶析(水等の溶媒が過剰蒸発して溶質(吸
収溶液)の量が当該溶媒に対する溶解度を越えてしま
い、溶質が結晶となって析出する現象)を生じさせるこ
とを知った。それにより、伝熱管の有効寿命が短縮し、
結果として再生器そのものの有効使用期間が短縮した。
【0008】特に、上記のような吸収式冷凍機において
は、図8に示すように吸収溶液は吸収器Aから高温再生
器HGまでは前記のように溶液ポンプSPにより圧送さ
れるが、高温再生器HGから低温再生器LGへの流入は
高温再生器HGの内圧PRVHと低温再生器LGの内圧P
RVM との差圧によって、また、低温再生器LGから吸収
器Aへの流入は低温再生器LGの内圧PRVM と吸収器A
の内圧PRVL との差圧によって生じるようになってお
り、そのために、その起動時には、溶液ポンプSPは停
止したままでバーナーBを着火し、高温再生器HG内の
吸収溶液の温度が上昇して高温再生器HG内の内圧P
RVH により吸収溶液が低温再生器LGに向けて流動し、
その流動により高温再生器HG内の液面レベルが規定値
(LH)以下となった時点で溶液ポンプSPを始動させ
るようにしている。
【0009】この起動時の運転方法を図10に示した形
式の高温再生器を備えた吸収式冷凍機にそのまま適用す
ると、起動時においてバーナー火炎に近接する伝熱管7
a’内に腐食や晶析を発生させ、再生器そのものの寿命
を短縮する結果を招く恐れがある。それを防ぐために、
起動当初から溶液ポンプSPを作動させようとすると、
高圧再生器HGと吸収器Aとの間に必要な差圧が生じて
いないことから吸収器Aへの吸収溶液の流入が不足し、
結果として溶液ポンプSPにキャビテーションが生じ
る。
【0010】また、溶液ポンプSP起動後の定常運転に
おいては、高温再生器HGのバーナーBのガス燃焼量と
溶液ポンプSPでの吸収溶液の流量(循環量)との間で
の直接的な関係制御は行なわれず、部分負荷時の制御
は、通常、 高温再生器HGのバーナーBのガス燃焼量は、蒸発
器Eでの冷水の出口温度に対し比例制御し(図8での符
号)、 溶液ポンプSPの流量は、高温再生器HGの出口温
度に対し比例制御する(図8での符号)、ことにより
行なっており、、の制御の過程で、 高温再生器HGの液面レベルが所定値よりも高くな
ったとき(LH以上のとき)は、溶液ポンプを停止させ
制御し(図8での符号)、吸収溶液の流入を停止さ
せ、また、 液面レベルが低くなったとき(LL以下のとき)
は、高温再生器HGのバーナーBを絞り制御し(図8で
の符号)、差圧を低くして流出量を低下させて液面レ
ベルを回復させるようにしている。
【0011】そのために、部分負荷時の運転において
も、溶液ポンプSPの停止による伝熱管7a’での腐食
や晶析の発生や溶液ポンプSPにおけるキャビテーショ
ンの発生の恐れがある。本発明の目的は、前記のように
伝熱管をバーナーの火炎に接するあるいは近接する位置
(上流位置)にまで配置した形式の吸収式冷凍機用再生
器において生じる恐れのある上記の不都合を解消するこ
とにあり、より具体的には、コンパクト化と低NOx
低CO化を達成しながら長期にわたり安定した運転を可
能とする吸収式冷凍機用再生器を得ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、本発明に
よれば、冷媒蒸気を吸収した低濃度の吸収溶液を伝熱室
内に配置した伝熱管群を通過させることにより加熱濃縮
する吸収式冷凍機用再生器であって、該伝熱管群はバー
ナーに近接する第1の伝熱管群とそれより後流側の第2
の伝熱管群とに区分けされ、該第1の伝熱管群内は溶液
ポンプにより圧送されてくる低濃度の吸収溶液と再生器
の吸収溶液溜まりの吸収溶液との混合流が通過するよう
になっており、該第2の伝熱管群内は前記吸収溶液溜ま
りの吸収溶液のみが自然対流により通過するようになっ
ていることを特徴とする吸収式冷凍機用再生器、により
解決される。
【0013】このような構成とすることにより、起動の
際の溶液ポンプの停止時あるいは部分負荷運転時におけ
る溶液ポンプの停止時等のように、溶液ポンプから低濃
度の吸収溶液が第1の伝熱管群に送り込まれない場合で
も、吸収溶液溜まりの吸収溶液が自然対流により第1の
伝熱管群内を通過して循環することが可能となり、第1
の伝熱管群での高い熱流束の吸収が可能となって、管内
での腐食や晶析の発生は阻止される。
【0014】また、自然対流による吸収溶液溜まり内の
吸収溶液の流入量と溶液ポンプからの送り込み流量との
和が、高い熱流速を吸収できる量であればよいことか
ら、結果として溶液ポンプの送り込み量を低減すること
が可能となる。そのことは、キャビテーションを発生さ
せることなく溶液ポンプを運転できる範囲が拡大された
ことを意味し、起動時及び部分負荷運転時の双方におい
て、安定した運転を可能とする。
【0015】好ましい態様においては、溶液ポンプによ
り圧送されてくる低濃度の吸収溶液の配管出口と前記第
1の伝熱管群の下端開口との間に開放空間が形成され、
該開放空間を通して前記吸収溶液溜まり内の吸収溶液が
前記第1の伝熱管群の下端開口内に流入するようにされ
る。さらに好ましくは、前記低濃度吸収溶液の吐出配管
の先端部分をノズル形状とし、該ノズル先端から低濃度
吸収溶液が噴出する際に、エゼクター効果が生起される
ようにする。それにより、吸収溶液溜まり内の吸収溶液
は前記第1の伝熱管群内へ安定した状態でかつ量的にも
多量に導入される。
【0016】他の好ましい態様においては、前記第1の
伝熱管群はその下端に前記吸収溶液溜まりに位置する入
口ヘッダーを有しており、前記開放空間は前記入口ヘッ
ダーにスリットとして形成される。この態様において
は、溶液ポンプで圧送されてくる低濃度の吸収溶液と溶
液溜まり内の吸収溶液との不必要な混合を有効に防止す
ることができ、低濃度の吸収溶液を確実に第1の伝熱管
群内に送り込むことが可能となる。
【0017】前記ノズル形状を持つ態様と入口ヘッダー
を持つ態様とを組み合わせることも可能であり、それに
より、本発明の目的はさらに有効に達成される。前記混
合流となった吸収溶液は第1の伝熱管群を上昇し、戻り
流路を通って下部吸収溶液溜まりに流下し、自然対流に
よりその大部分は第2の伝熱管群を通って、一部は前記
のように第1の伝熱管群を通って再度上昇する。以下、
この自然対流を繰り返すことにより吸収した冷媒は気化
されて吸収溶液は濃縮され、濃縮された吸収溶液は吸収
器に送給される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、好ましい実施の態様を図面
と共に説明することにより、本発明をより詳細に説明す
る。
【0019】図1は本発明による吸収式冷凍機用再生器
の一実施例の断面図、図2は図1のII-II 線による断面
図、図3は一部を破断した斜視図であり、以下、この再
生器を二重効用吸収式冷凍機の高温再生器HGとして用
いる場合を例として説明する。この吸収式冷凍機用再生
器HGは、図9に基づき先に説明した従来知られた再生
器と、次に説明する吸収溶液の強制循環及び自然対流に
よる循環のための構成を除き他の構成は同じである。従
って、以下の説明において、同じ機能を奏する部材には
同じ符合を付するにとどめ詳細な説明は省略する。
【0020】この実施例の再生器HGは、本体ケーシン
グ1の内部に本体ケーシング1を貫通する伝熱室2を有
し、該伝熱室2の周囲には吸収溶液溜まりが形成され
る。便宜上、伝熱室2の下方に位置する吸収溶液溜まり
を下部吸収溶液溜まり5といい、伝熱室2の上方に位置
する吸収溶液溜まりを上部吸収溶液溜まり6という。伝
熱室2の内部にはバーナーBに近接する位置に第1の伝
熱管群71が、またその後流側には第2の伝熱管群72
が、それぞれ垂直方向に取り付けられている。
【0021】第2の伝熱管群72は、下方の開放端を下
部吸収溶液溜まり5に、上方の開放端を上部吸収溶液溜
まり6にそれぞれ連通した状態で取り付けられており、
一方、第1の伝熱管群71は、その上方開放端は上部吸
収溶液溜まり6に開放した状態とされているが、下方開
放端側には、その下方開放端を下部吸収溶液溜まり5か
ら分離するための方形枠体状の入口ヘッダー73が固設
されている。そして、該入口ヘッダー73の周囲の壁部
には所定の間隔で多数のスリット74が形成され、か
つ、低壁には配管8が接続している。さらに、上部吸収
溶液溜まり6の上方部位であって該第1の伝熱管群71
の上方位置には遮蔽板75が固設されており、第1の伝
熱管群71の上方開口から噴出する吸収溶液の上方への
飛散を遮蔽する。
【0022】次に、この吸収式冷凍機用再生器HGの作
用を説明する。再生器HGは図8、図9に基づき説明し
た従来知られた再生器と同様にして用いられる。すなわ
ち、定常運転時においては、冷媒蒸気を吸収して低濃度
となった吸収器Aからの吸収溶液は、ポンプSPによ
り、配管8から吸収溶液入口ヘッダー73内に送り込ま
れ、第1の伝熱管群71を通って上部吸収溶液溜まり6
に強制的に送給される。入口ヘッダー73内を低濃度吸
収溶液が第1の伝熱管群71の下方開放端に向けてポン
プ圧により圧送されることにより、入口ヘッダー73内
には負圧が生じ、下部吸収溶液溜まり5内に滞留する吸
収溶液はスリット74を通って入口ヘッダー73内に引
き込まれ、配管8からの低濃度の吸収溶液と共に第1の
伝熱管群71内に流入できる状態とされる。
【0023】そのために、バーナーBに近接して位置す
る第1の伝熱管群71内に生じる吸収溶液の温度上昇に
よる自然対流を充足するに足る量の吸収溶液を溶液ポン
プSPが送給できない場合には、下部吸収溶液溜まり5
に滞留する吸収溶液が該スリット74を通って第1の伝
熱管群71内に流入することとなり、常に、熱流束を吸
収できるだけの量の吸収溶液が第1の伝熱管群71内を
上昇するこことなる。そのために、伝熱管に腐食や晶析
が発生するのは回避される。
【0024】第1の伝熱管群71から噴出した吸収溶液
は上方の遮蔽板75により飛散が抑制されながら、上部
吸収溶液溜まり6の全面に広がり、本体ケーシング1と
伝熱室2との間を流下して下部吸収溶液溜まり5に達
し、そこから、第2の伝熱管群72を通って、再び、上
部吸収溶液溜まり6に戻ってくる。吸収溶液の第1の伝
熱管群71での強制対流と自然対流、及びその後の第2
の伝熱管群72での自然対流による循環の間に、吸収溶
液に吸収された冷媒(水)は気化し、濃縮された吸収溶
液は管路9から低温再生器LGに送られ、さらに吸収器
Aに送給されて、再び冷媒の吸収を行う。一方、冷媒蒸
気は凝縮器Cに送られる。
【0025】次に、起動時での作用について説明する。
前記のように、起動時には高温再生器HGに所定の圧が
発生するまでは溶液ポンプSPの作動は停止している。
そのために、第1の伝熱管群71には吸収溶液のポンプ
圧による強制循環は生じないが、第1の伝熱管群71に
熱流束が加わることにより、吸収溶液は前記スリット7
4から入口ヘッダー73内に流入して第1の伝熱管群7
1を自然対流により上昇するようになり、作動当初での
熱流束は自然対流により循環する吸収溶液により吸収さ
れる。所定の差圧が発生した時点で溶液ポンプSPを作
動させ、第1の伝熱管群71にポンプ圧による強制対流
と自然対流との双方による吸収溶液の循環を形成させ
る。本発明による高温再生器HGにおいては、第1の伝
熱管群71内にはすでに自然対流による吸収溶液の循環
が生成されており、溶液ポンプSPから必要とされる吸
収溶液の圧送量は比較的少ない。そのために、溶液ポン
プSP内でのキャビテーションの発生も抑制される。
【0026】上記の通りであり、本発明による吸収式冷
凍機用再生器によれば、伝熱室2の内部のほぼ全域に伝
熱管群71、72を配置しても、従来の再生器のように
バーナーに近接した伝熱管群71に腐食や晶析が発生す
ることはない。従って、同じ能力を持つ再生器全体を、
従来よりもコンパクトに設計することが可能となり、寿
命の短縮傾向も生じない。また、高温再生器HGのバー
ナーBのガス燃焼量と溶液ポンプSPでの吸収溶液の流
量(循環量)との間の制御も直接制御による精緻さを必
要とせず、従来通りの制御方法でもって吸収式冷凍機の
運転を支承なく行なうことができる。さらに、火炎温度
の低下及び燃焼ガスの高温場における対流時間の低下か
ら低NOx 燃焼が可能となり、また、未燃分の発生も抑
制される。
【0027】なお、第1の伝熱管群71を何本とする
か、その総流路面積をどの程度にするか、第1の伝熱管
群71をどの程度バーナーB側に接近させるか等は、実
機の設計条件に応じて最適な値が設定されるべきもので
あり、図示の例はあくまでも一例にすぎない。以上の説
明は本発明による吸収式冷凍機用再生器の一実施例を示
すものであって、他に多くの変形例が存在する。図4〜
図7は、第1の伝熱管群71内に溶液ポンプSPから圧
送されてくる低濃度の吸収溶液と下部吸収溶液溜まり5
の吸収溶液との混合流を通過させるための他の例を示し
ている。
【0028】図4の例では、入口ヘッダー73aには図
1〜3に示した入口ヘッダー73に設けられるスリット
74は形成されず、スリットに代わるものとして、該入
口ヘッダー73aの底部に接続する配管8の先端81を
ノズル状とし、その先端部域に複数の開口あるいはスリ
ット82を形成している。この場合には、配管8のノズ
ル先端81から低濃度吸収溶液が噴出する際にエゼクタ
ー効果が生起され、それにより、下部吸収溶液溜まり5
内の吸収溶液は該スリット82から入口ヘッダー73a
内に安定した状態でかつ量的にも多量に導入され、第1
の伝熱管群71内を上昇することができる。
【0029】図5はさらに他の例であり、この場合に
は、図1〜3に示した入口ヘッダー73が存在せず、配
管8の先端が第1の伝熱管群71の開放先端直下まで達
し、それにより、配管8の出口と第1の伝熱管群71の
下端開口との間には開放空間Sが形成されている。図6
はさらに他の例であり、この場合には、配管8の先端が
第1の伝熱管群71の開放先端の中に入り込んだ形とな
っており、配管8の先端外周部分の周囲に前記開放空間
Sが形成されている。図7はさらに他の例であり、配管
8の先端81がノズル状となっている点で図6に示した
ものと異なっている。いずれの場合でも、開放空間Sが
図1〜3の例におけるスリット74と同じ機能を奏す得
ることができることは容易に理解されよう。図5〜図7
に示した形態のものは入口ヘッダーを用いないことか
ら、再生器自体の構成を簡素化できる利点を有する。
【0030】
【発明の効果】上記の通りであり、本発明による吸収式
冷凍機用再生器によれば、伝熱室2の内部のほぼ全域に
伝熱管群71、72を配置しても、従来の再生器のよう
にバーナーに近接した伝熱管71に腐食や晶析が発生す
ることはない。従って、同じ能力を持つ再生器全体を、
従来よりもコンパクトに設計することが可能となり、寿
命の短縮傾向も生じない。さらに、火炎温度の低下及び
燃焼ガスの高温場における対流時間の低下から、低NO
x 燃焼が可能となり、また、未燃分の発生も抑制され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による吸収式冷凍機用再生器の一例を示
す断面図。
【図2】図1のII-II 線による断面図。
【図3】図1に示す吸収式冷凍機用再生器の一部破断し
た斜視図。
【図4】本発明による吸収式冷凍機用再生器の他の例を
示す要部拡大断面図。
【図5】本発明による吸収式冷凍機用再生器のさらに他
の例を示す断面図。
【図6】本発明による吸収式冷凍機用再生器のさらに他
の例を示す要部拡大断面図。
【図7】本発明による吸収式冷凍機用再生器のさらに他
の例を示す要部拡大断面図。
【図8】吸収式冷凍機のシステムフロー図。
【図9】従来の吸収式冷凍機用再生器を示す断面図。
【図10】従来の吸収式冷凍機用再生器の他の例を示す
上面図。
【符合の説明】
HG…(高温)再生器、1…本体ケーシング、2…伝熱
室、4…煙突、71…第1の伝熱管群、72…第2の伝
熱管群、5…下部吸収溶液溜まり、6…上部吸収溶液溜
まり、73…吸収溶液入口ヘッダー、74…スリット、
B…バーナー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒蒸気を吸収した低濃度の吸収溶液を
    伝熱室内に配置した伝熱管群を通過させることにより加
    熱濃縮する吸収式冷凍機用再生器であって、該伝熱管群
    はバーナーに近接する第1の伝熱管群とそれより後流側
    の第2の伝熱管群とに区分けされ、前記第1の伝熱管群
    内は溶液ポンプにより圧送されてくる低濃度の吸収溶液
    と再生器の吸収溶液溜まりの吸収溶液との混合流が通過
    するようになっており、前記第2の伝熱管群内は前記吸
    収溶液溜まりの吸収溶液のみが自然対流により通過する
    ようにされている吸収式冷凍機用再生器おいて、前記第1の伝熱管群はその下端に前記吸収溶液溜まりに
    位置する入口ヘッダーを有しており、該溶液入口ヘッダ
    ーの下端には前記溶液ポンプにより圧送されてくる低濃
    度の吸収溶液の出口である先端がノズルとされた配管が
    接続しており、さらに、前記入口ヘッダーの下端と前記
    ノズルの先端との接続部には開放空間が形成されてい
    て、該開放空間を通して前記吸収溶液溜まり内の吸収溶
    液が前記第1の伝熱管群の下端開口内に流入するように
    されていることを特徴とする 吸収式冷凍機用再生器。
JP31836695A 1995-12-06 1995-12-06 吸収式冷凍機用再生器 Expired - Fee Related JP2911106B2 (ja)

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