JP3996734B2 - 核磁気共鳴を用いた検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、核磁気共鳴を用いた検査装置(MRI:Magnetic Resonance Imaging)に係わり、特にインターベンショナル(interventional)MRIを行なう装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MRIには、高い組織コントラスト分解能が得られること、任意の断層像が得られこと、侵襲性がないこと等の特徴がある。これらの特徴を生かして、MRIを画像診断だけでなく、生検針のガイド、治療のモニター、内視鏡やカテーテルのガイド等に応用する試みがインターベンショナルMRIとして注目されている。インターベンショナルMRIでは、体内に挿入する器具の位置等を術者(医師)がMR画像を観察しながら導入していく。即ち、時々刻々と形状が変化していく被写体を連続して撮影していき、それら複数枚の画像を順にディスプレイに表示することにより、医師は手術中の体内の様子を把握することができる。
【0003】
一方、MRIの画像診断に於いて複数個のコイルと画像の折り返しを利用して撮影時間を短縮する技術が、実用化され始めている(従来技術1:J.B.Ra、C.Y.Rim:Fast Imaging Using Subencoding Data Sets from Multiple Detectors、 Magnetic Resonance in Medicine、 vol.30、pp.142−145(1993))。
【0004】
従来技術1では、複数個のサブコイルから構成される受信コイルを用い、1/(サブコイルの個数)に撮影時間を短縮する方法である。例えば、2個のサブコイルを用いた場合、まず所望の視野に対して、位相エンコード方向に1/2の矩形視野を2つのコイルで同時に撮影する(撮影時間は1/2)。1/2の視野画像は当然被写体の折り返しの入った画像となるが、2つのコイルの感度分布の違いを利用して連立方程式を解くことにより、折り返しを分離、1/1の視野画像を再構成する。
【0005】
図10は、従来技術を説明する図であり、図10を用いて、折り返しの分離方法について説明する。図10(a)は、1個のコイルを用いて所望の視野(1/1の視野画像)を通常の方法で撮影する場合の、位相空間の計測データ(図10(a)の左図)と、実空間画像(図10(a)の右図)とを模式的に示す。位相空間の計測データと、実空間画像はフーリエ変換(F.T.:Fourier Transformation)を介して互いに再構成できる。
【0006】
図10(b)は、2個のサブコイルから構成されるアレイコイルと画像の折り返しを利用して撮影時間を短縮する方法で撮影する場合の、位相空間の計測データ(図10(b)の左図)と、実空間画像(図10(b)の右図)とを模式的に示す。図10(a)、図10(b)ともに、x方向をリードアウト方向、y方向を位相エンコード方向としている。
【0007】
図10(b)の位相空間の計測データでは、位相エンコード方向のステップの幅が、図10(a)の位相空間の計測データに於けるそれと比べて2倍広くなっている。図10(b)の位相空間の計測データをフーリエ変換すると、図10(b)の実空間画像のようにy方向に視野が狭くなり、視野に入りきらない被写体の画像が折り返して現れる。図10(b)に示す実空間画像に於いて、この折り返しが重なった部分のうちSに位置する画素は、図10(a)の実空間画像に於けるAとBに位置する画素が重なっている。
【0008】
ここで、2つのサブコイルのうち1番目のサブコイルで計測した信号をフーリエ変換して得られた画像のSに位置する画素の信号強度(輝度)をVS1とし、2番目のサブコイルで計測した信号をフーリエ変換して得られた画像のSに位置する画素の信号強度をVS2とする。また、1番目のサブコイルの、Aに位置する画素の感度の規格値をf1A、Bに位置する画素の感度の規格値をf1Bとする。同様に、2番目のサブコイルの、Aに位置する画素の感度の規格値をf2A、Bに位置する画素の感度の規格値をf2Bとする。また、Aに位置する画素に存在する磁化をIA、Bに位置する画素に存在する磁化をIBとする。この時、(数1)の関係が成立する。
【0009】
【数1】
受信コイルを構成する複数個のサブコイルの感度分布を求めるためプリスキャンを行い、(数1)の行列の要素、即ち、f1A、f1B、f2A、f2Bを事前に求める。VS1とVS2は計測可能であるため、(数1)の行列方程式を解くことにより、未知数であるIAとIBを求めることができる。
【0010】
(数1)はサブコイルが2個の場合を示すが、行列の行数はサブコイルの数と一致する。例えば、サブコイルの個数が8個ならば行列の行数は8である。また、行列の列数はサブコイルの数以下とする必要がある。例えば、サブコイルの個数が8個ならば行列の列数は8以下とする必要がある。これは連立方程式の未知数を方程式の数以下とするためである。
【0011】
図11は、従来技術の受信コイル(アレイコイル)118の配置例を示す図である。受信コイル118は、オーバラップさせて被写体103の体表に配列された複数の矩形状のコイルから構成される。受信コイル118の出力は、受信器108でサンプリングされ、計算機109のメモリに取り込まれる。
【0012】
通常、2つ以上のコイルを近接させると、相互の誘導結合のため、コイルの入力インピーダンスの共振点が2つ以上に割れる。受信コイル118を構成する複数のサブコイルの内、隣接するサブコイルは、相互の誘導結合を除去するため、通常、図11に示すように適度にオーバラップさせて用いられる。オーバラップの度合いが適当でない場合、コイルの入力インピーダンスの共振点が2つに割れる。隣接するコイルの各々に、補助コイルを直列に接続することにより、オーバラップなしで、隣接するコイル間の誘導結合を除去することもできる。
【0013】
通常の撮影法が傾斜磁場のみを利用して位相エンコード方向の位置情報を画像に付与しているのに対して、従来技術1の撮影法では、傾斜磁場とともに受信コイルの感度分布を積極的に利用して、位相エンコード方向の位置情報を画像に付与している。従来技術1による撮影時間の短縮技術は、通常撮影法から超高速撮影法まで全ての撮影法の高速化に有効である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1による高速化技術を用いるためには、撮影断面のMR画像の位相エンコード方向の感度分布が不均一なサブコイルが、1つ以上存在する必要がある。ここで、コイルの感度分布が不均一とは、撮影断面に於けるコイルの最高感度に対して感度が略半分になる部分が被写体内部に存在する状態を指す。
【0015】
図8は、本発明に於けるループコイル91−2(図8(a))のx軸上の感度分布81(図8(b))、y軸上の感度分布82(図8(c))、z軸上の感度分布83(図8(d))を示す。図8(a)に示すように、ループコイル91−2の直径は40cmであり、ループコイル91−1、91−3(図示省略)も同じ直径を持つ。各軸上の感度分布のうち、y軸上の感度分布82のみが被写体の存在する範囲で最高感度に対して半分以下の感度の領域が存在する。即ち、図8(a)に示したループコイル91−2ではx、y、z軸上で感度分布が不均一なのはy軸上の感度分布のみである。
【0016】
一般に、従来技術1による技術を用いれば、受信コイルを構成する複数のサブコイルの中で位相エンコード方向の感度プロファイルが不均一であるサブコイルの個数をnとする時、1個のコイルを用いて所望の視野(1/1の視野画像)を通常の方法で撮影する場合に比較して、撮影速度を(n+1)倍に向上することが可能である。以下の説明では、この(n+1)倍の撮影速度を向上を、撮影速度向上率と呼ぶ。但し、撮影速度向上率をNとすれば、MR画像の位相エンコード方向に沿った全てのライン上に於いて、N個以上のサブコイルの感度分布が異なることが条件となる。(数1)を例にとって説明すると、(数2)に示すような関係にある場合は、(数1)の行列が逆行列を持たず解が不定となる。
【0017】
f1A:f1B=f2A:f2B …(数2)
図12は、本発明に於ける撮影断面とライン上の感度分布の例を示す図、図13は、本発明に於けるループコイルの配置の例を示す図である。図13ではz軸が静磁場方向である。xZ面と45°の角度で交差する面内に配置されたループコイル91−1と−45°の角度で交差する面内に配置されたループコイル91−3が、被写体103の外周に配置されている。撮影断面121をxy面とし、視野を−15cmから15cmとする。任意の撮影断面は直交する2軸により定めることができる。図12(a)に示すようにx軸とy軸が撮影断面121を定めている。
【0018】
今、位相エンコード方向をy方向に選ぶ。図12(b)は、y軸と平行な線分122−1上での、コイル91−1の感度分布123−1、コイル91−2の感度分布123−2を示す。図12(c)は、y軸と平行な線分122−2上での、コイル91−1の感度分布124−1、コイル91−2の感度分布124−2を示す。図12(d)は、y軸と平行な線分122−3上での、コイル91−1の感度分布125−1、コイル91−2の感度分布125−2を示す。
【0019】
図12(c)に示すように、感度分布124−1と124−2は一致している。図12(a)、図12(b)、図12(c)に示す感度分布123−1から125−2は、何れもy軸上で不均一な感度分布である。高速化技術を用いた時、線分122−1と122−3の上の折り返しは、2つのコイルの感度分布の違いにより分離できるが、線分122−2の上の折り返しは2つのコイルの感度分布が等しいため分離できない。
【0020】
また、f1A/f1Bとf2A/f2Bが完全に一致していなくても、近い値であった場合、即ち、2個のサブコイルの感度分布が似ている場合には、問題が生じる。像再構成を行った時、2個のサブコイルの感度分布が似ているライン上での画像のS/Nが劣化する。
【0021】
これまで、従来技術1による高速化は、主として高磁場の水平磁場機で開発が行われ、受信コイルの構成についても水平磁場機対応のものは種々提案されている。一方、超電導磁石あるいは永久磁石を用いた垂直磁場オープンMRIが近年注目されている。
【0022】
図3は、本発明が適用されるオープン型MRI装置の斜視図である。
【0023】
垂直磁場オープンMRI装置は、図3に示すように、大きく開放された空間を持つので、医師114は被験者103に直接アクセスが可能であり、インターベンショナルMRIに適している。
【0024】
コイルの作るRF(Radio Frequency)磁場の向きは静磁場の方向と直交させる必要があるため、静磁場の方向が水平から垂直に変わると、受信コイルの構成も変える必要がある。垂直磁場に対応した受信コイルの配置も提案されている(従来技術2:G.Randy Duensing、et.al.:A 4−Channel Volume Coil for Vertical Field MRI、ISMRM、p1398(2000))が、これまで提案された構成では、静磁場方向に位相エンコード方向を選択しようとすると、撮影速度向上率を2倍までしか向上できないという問題があった。
【0025】
従来技術1に記載された高速化技術は心臓等の動きのある臓器の撮影に有効である。心臓のような速い動きに対応するためには撮影速度向上率を3倍以上とする必要がある。
【0026】
一方、従来技術2に記載された4個のサブコイルの中で、感度プロファイルが静磁場方向で不均一なものは1つのみである。このため、高速化技術に適用しようとした場合、静磁場方向以外の方向に位相エンコード方向を選択すれば、撮影速度向上率を3倍以上とすることが可能であるが、静磁場方向に位相エンコード方向を選択すると、撮影速度向上率を2倍までしか向上できない。
【0027】
即ち、心臓の撮影でよく用いられるトランス面を撮影する際、胸から背に向かう方向(静磁場方向)に位相エンコード方向を選択すると、撮影速度を十分には向上できないという問題がある。静磁場方向以外の方向に位相エンコード方向を選択すれば撮影速度を向上できるが、心臓の撮影を行う場合、血流のアーチファクトを低減する等の目的で、位相エンコード方向を任意に設定したいというユーザーニーズがあり、従来技術2の構成では、このようなユーザーニーズに応えられないという問題がある。
【0028】
また、サブコイルとして、図2に示されているように8の字コイル117を用いてアレイコイルを構成する場合もある(従来技術3:特開平04−282132号公報)。図4は、従来技術の8の字型コイル117上のRF電流の方向(図中の矢印)を示す図である。図5は、図4に示す8の字型コイル117が作るRF磁場を示し、図中の矢印はRF磁場の向き、矢印の大きさはRF磁場の大きさを示している。図6は、図4に示す8の字型コイル117の感度を示し、図中の矢印の大きさは感度の大きさを示している。
【0029】
図5に示したRF磁場の中で、磁気共鳴現象に寄与するのは、静磁場の方向と直交する成分のみなので、感度の分布を示すと図6に矢印で示したような分布となる。即ち、図4に示した8の字型コイル117の導体41、42の上下に感度を有し、且つ、z方向に感度プロファイルは勾配を持つ。複数の8の字型コイル117を図2のように配置すれば、任意の軸で感度プロファイルが不均一なサブコイルが2つ以上存在するアレイコイルを構成できる。
【0030】
しかし、図4の導体41、42の上下にのみ感度を有するという特性から、図2においてコロナル面(xy面)を撮影すると、全てのサブコイルで導体41、42の下方以外の部分の感度は著しく低下するという問題がある。このため、視野の中に殆ど感度を持たない領域が存在し、診断に支障がある。
【0031】
そこで、本発明の目的は、撮影断面の選択、位相エンコード軸の選択に制限が無い、インターベンショナルMRIに適した核磁気共鳴を用いた検査装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本発明の核磁気共鳴を用いた検査装置は、静磁場方向と実質的に平行な線分を含む面内で被写体の外周に配置されたループコイルの複数個と、静磁場方向と実質的に垂直な線分を含む面内で被写体の表面の近傍に配置された表面コイルの複数個とを用いて受信コイルを構成する点にある。受信コイルを構成するサブコイル(ループコイル、表面コイル)は互いに電磁気的干渉を持たないように設置されており、受信コイルを構成するループコイルは3個以上であり、表面コイルは2個以上である。この構成を用いれば、任意の軸で感度プロファイルが不均一なサブコイルが2つ以上存在し、且つ、撮影領域で殆ど感度を持たない領域が存在しない状態、即ち、撮影領域の全ての領域で感度を実現できる。
【0033】
本発明の核磁気共鳴を用いた検査装置は、鉛直方向に静磁場を発生する手段と、静磁場に置かれた検査対象に印加する励起RFパルスを発生する手段と、傾斜磁場を発生する手段と、複数のサブコイルから構成され検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出する受信コイルとを具備する。受信コイルは、例えば、5個以上のサブコイルから構成される。
【0034】
サブコイルは、鉛直方向に実質的に垂直な面内に配置され検査対象の表面の近傍に配置された2個以上の表面コイルと、鉛直方向に実質的に平行な軸を含む面内に配置され検査対象の外周に配置された3個以上のループコイルとから構成される。2個以上のサブコイルは、検査対象の正方形又は矩形の任意の撮影断面を定める直交する2軸の何れか一方の軸上で、不均一な感度分布を持つ。
【0035】
サブコイルの少なくとも1つは任意の撮影断面の任意の位置で感度を有し、上記の直交する2軸の何れかの軸に平行な線上での2個以上のサブコイルの不均一な感度分布の少なくとも2個以上は、上記の直交する2軸の何れかの軸に平行な線上で異なる。
【0036】
各表面コイルは、3個以上のループコイルの内側、又は外側で、検査対象に近接して配置される。表面コイルとして、8の字型のコイルが使用される。ループコイルの形状は、四辺形の形状、又は四辺形の対向する辺の近傍で折り曲げられた形状を持つ。
【0037】
2個以上の表面コイルは、8の字型の第1の表面コイルと、第1の表面コイルとオーバラップする8の字型の第2の表面コイルとを含む。第1の表面コイルの出力端と第2の表面コイルの出力端の位置は、それぞれ直交する方向に配置される。
【0038】
撮影断面の位相エンコード方向の長さの1/N(Nは2以上の整数)の長さを持つ矩形の視野を設定して撮影を行ない、折り返しをエンコード方向に含み、撮影により得られた検査対象の画像から、複数のサブコイルの感度分布の違いに基づいて、折り返しを分離して撮影断面の画像を再構成する。再構成された画像の画素数を128×128とする。直交座標系を(x、y、z)とし、鉛直方向にz方向を設定した時、位相エンコード方向を、x、y、zの何れか1つの方向とする。
【0039】
また、本発明の核磁気共鳴を用いた検査装置は、直交座標系を(x、y、z)とし、鉛直方向にz方向を設定し、検査対象の体軸方向をy方向として、z方向に静磁場を発生する手段と、静磁場に置かれた検査対象に印加する励起RFパルスを発生する手段と、x方向、y方向、及びz方向に印加する傾斜磁場を発生する手段と、5個以上のサブコイルから構成され検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出するコイルとを具備する。任意の撮影断面は直交する2軸により定められる。
【0040】
サブコイルは、xy面に実質的に平行な第4の面内に配置され検査対象の表面の近傍に配置された8の字型の第1の表面コイルと、第4の面内に配置され第1の表面コイルとオーバラップする8の字型の第2の表面コイルと、xz面に実質的に平行な第1の面内に配置され検査対象の外周に配置された第1のループコイルと、第1の面と略45°の角度で交差する第2の面内に配置され検査対象の外周に配置された第2のループコイルと、第1の面と略−45°の角度で交差する第3の面内に配置され検査対象の外周に配置された第3のループコイルとから構成される。
【0041】
第1及び第2の表面コイルは、第1、第2及び第3のループコイルの内側、又は外側で、検査対象に近接して配置される。
【0042】
2個以上のサブコイルは、検査対象の正方形又は矩形の任意の撮影断面を定める直交する2軸の何れか一方の軸上で、不均一な感度分布を持つ。
【0043】
【発明の実施の形態】
MRI装置(核磁気共鳴を用いた検査装置)は、核磁気共鳴を利用して被写体の断層像を計測する装置である。図1は、本発明が適用される核磁気共鳴を用いた検査装置の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、被写体(検査対象)103は、静磁場を発生するマグネット101及び傾斜磁場を発生するコイル102内に設置される。一般に、傾斜磁場発生コイル102は、互いに直交するの3軸の傾斜磁場コイルから構成される。
【0044】
シーケンサ104は、傾斜磁場電源105と高周波磁場(RFパルス)発生器106に命令を送り、傾斜磁場及びRFパルスをそれぞれ傾斜磁場コイル102及び照射用コイル107より発生する。通常、高周波磁場発生器106の出力であるRFパルスは、RFパワーアンプ115により増幅され、RFパルスは、照射用コイル107を通じて被写体103に印加される。被写体103から発生した核磁気共鳴信号は受信用コイル116により受波される。受信用コイル116は被写体103の内部に挿入される場合もある。
【0045】
受信用コイル116により受波された信号は、受信器108でA/D変換(サンプリング)され検波される。検波の基準とする中心周波数(磁気共鳴周波数)は、シーケンサ104によりセットされる。検波された信号は計算機109に送られ、ここでリサンプリング処理された後、画像再構成等の信号処理が行われる。信号処理の結果はディスプレイ110に表示される。必要に応じて、記憶媒体111に検波された信号や測定条件を記憶させることもできる。
【0046】
静磁場均一度を調整する必要がある時は、シムコイル112を使う。シムコイル112は複数のチャネルからなり、シム電源113により電流が供給される。静磁場均一度調整時には、複数のチャネルの各コイルに流れる電流をシーケンサ104により制御する。シーケンサ104はシム電源113に命令を送り、静磁場不均一を補正するような付加的な磁場をシムコイル112より発生させる。
【0047】
なお、シーケンサ104は、装置の各部が、プログラムされたタイミング、強度で動作するように制御を行う。このプログラムのうち、特に、RFパルスの印加、傾斜磁場の印加、核磁気共鳴信号の受信のタイミング、RFパルスと傾斜磁場の強度を記述したものは撮影シーケンスと呼ばれている。
【0048】
本発明においては、図1に示した受信用コイル116は、複数個のサブコイルから構成される。図9は、本発明の実施例に於ける受信コイルの配置例を示す図である。図9に示す受信コイルの配置に対して、従来技術1に示された高速化技術に適用する場合について述べる。
【0049】
図9に示す受信コイルは、3つのループコイルと2つの表面コイルの合計5つのサブコイルから構成される。図9に示す受信コイルは、静磁場方向(z方向)と実質的に平行な線分を含む面内に配置されていて、被写体の外周に配置されたループコイル91−1、91−2、91−3、並びに、静磁場方向と実質的に垂直な線分を含む面内に配置されていて、被写体の表面の近傍に配置された8の字型コイル92−1、92−2から構成されている。
【0050】
ループコイル91−2は、xz面に平行な第1の面内に配置されている。ループコイル91−1は、第1の面と45°の角度で交差する第2の面内に配置されている。ループコイル91−3は、第1の面と−45°の角度で交差する第3の面内に配置されている。実際にコイルを作成する時は、厳密に45°あるいは−45°にコイルを配置することは困難であるが、少なくとも40°〜50°、あるいは−40°〜−50°の範囲に配置することが好ましい。
【0051】
表面コイルについては、8の字型コイル92−1が被写体の胸側の表面近傍に配置され、8の字型コイル92−2が被写体の背側の表面近傍に配置されている。2つの8の字型コイルの中心は撮影断面の原点を通るz軸上に何れも配置されている。
【0052】
図7は、本発明の実施例に於ける8の字型コイルの感度分布を示す図である。図7(a)に示す8の字型コイル92−1の撮影断面の原点を通るx、y、z軸の上の感度分布を、図7(b)、図7(c)、図7(d)に示す。図7(a)に示すように、8の字型コイルは、幅10cm、長さ30cmの矩形状の、相互に10cm離れた2つの導電ループを有する。
【0053】
図14(a)、図14(b)、図14(c)はそれぞれ、ループコイル91−1の原点を通るx、y、z軸の上の感度分布を示す。
【0054】
図15(a)、図15(b)、図15(c)はそれぞれ、ループコイル91−2の原点を通るx、y、z軸の上の感度分布を示す。
【0055】
図16(a)、図16(b)、図16(c)はそれぞれ、ループコイル91−3の原点を通るx、y、z軸の上の感度分布を示す。
【0056】
ここで、撮影条件を視野250mm、スライス厚5mmとする。撮影面がトランス面(xz面)の場合について考える。位相エンコード方向をx軸に選択した場合、ループコイル91−1、91−3のx軸上の感度分布は不均一であるから、撮影速度向上率を3倍にできる。また、位相エンコード方向をz軸に選択した場合、8の字型コイル92−1、92−2のz軸上の感度分布は不均一であるから、撮影速度向上率を3倍以上にできる。現在、最も速い撮影シーケンスであるエコープラナー法に上述のような高速化技術を適用した場合、撮影速度向上率を3倍とすると、0.03秒程度で1枚の画像を取得できる。これは、心臓等のような速い動きの臓器を撮影するのに十分な撮影速度である。
【0057】
また、任意のxz面の任意部分に於いて、ループコイル91−1、91−2、91−3の何れかのサブコイルは感度を有することから、撮影領域で殆ど感度を持たない領域が存在しない状態、即ち、撮影領域の全ての領域で感度を有する状態となっている。
【0058】
撮影面がサジタル面(yz面)の場合について考える。位相エンコード方向をy軸に選択した場合、ループコイル91−1、91−2、91−3のy軸上の感度分布は不均一である。ループコイル91−1、91−3の感度分布はほぼ等しくなるため、ループコイル91−1、91−3のどちらかは折り返し分離に寄与しないが、少なくとも撮影速度向上率を3倍にできる。
【0059】
また、位相エンコード方向をz軸に選択した場合、8の字型コイル92−1、92−2のz軸上の感度分布は不均一であるから、撮影速度向上率を3倍以上にできる。
【0060】
また、任意のyz面の任意部分に於いて、ループコイル91−1、91−2、91−3の何れかのサブコイルは感度を有することから、撮影領域で殆ど感度を持たない領域が存在しない状態、即ち、撮影領域の全ての領域で感度を有する状態となっている。
【0061】
撮影面がコロナル面(xy面)の場合について考える。位相エンコード方向をx軸に選択した場合、ループコイル91−1、91−3のx軸上の感度分布は不均一であるから、撮影速度向上率を3倍にできる。
【0062】
また、位相エンコード方向をy軸に選択した場合、ループコイル91−1、91−2、91−3のy軸上の感度分布は不均一である。ループコイル91−1、91−3の感度分布はx=0のライン上でほぼ等しくなるため、ループコイル91−1、91−3のどちらかは折り返し分離に寄与しないが、少なくとも撮影速度向上率を3倍にできる。
【0063】
また、任意のxy面の任意部分に於いて、ループコイル91−1、91−2、91−3の何れかのサブコイルは感度を有することから、撮影領域で殆ど感度を持たない領域が存在しない状態、即ち、撮影領域の全ての領域で感度を有する状態となっている。
【0064】
図9に示す例ではループコイルを楕円で示したが、図17に示すように、例えば、ループコイルは四辺形であっても良い。また、四辺形の対向する辺の近傍で折り曲げられた形状であっても良い。
【0065】
また、実際にコイルを作成する場合は、アクリル等の素材で構成されたボビンにサブコイルを固定し支持する。ボビンの形状としては、5mm〜10mm程度の厚みを有する円筒あるいは楕円筒、あるいは断面が四辺形の筒等が好ましい。
【0066】
図18に示すように、ボビン119を分割/組み立てができるように構成すれば、被写体への装着が容易となる。この場合、ボビンに固定されるコイルも、ボビンの分割位置とほぼ一致する位置で分割/組み立てが可能な構成とする。コイルの分割部にはコネクタを配置し、分割されたコイル間を接続する。
【0067】
位相エンコード方向をz軸に設定した場合について考える。所望の視野に対して、位相エンコード方向に1/3の矩形視野を5つのコイルから同時に撮影する(撮影時間は1/3)。1/3の視野画像は当然被写体の折り返しの入った画像となるが、5つのコイルの感度分布の違いを利用して連立方程式を解くことにより、折り返しを分離して、1/1の視野画像を再構成する。この場合は、3個の未知数に対して、5個の方程式からなる連立方程式が存在し、全てのライン上で少なくとも3個の方程式は独立なので、解が求まる。
【0068】
以上、本発明を実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、サブコイルの個数は5個以上にしても良いことは言うまでもない。また、最終的に得られる画像の画素数を、例えば、64×64、128×128、256×256としても良い。
【0069】
本発明の受信コイルが使用される垂直磁場オープンMRI装置によれば、どの軸を位相エンコード方向に選択しても撮影速度向上率を3倍以上にでき、且つ、撮影領域で殆ど感度を持たない領域が存在しない状態、即ち、撮影領域の全ての領域で感度を有する状態で撮影を行うことができる。
【0070】
本発明の装置では、撮影断面の選択、位相エンコード軸の選択に制限が無いため、垂直磁場オープンMRIを使用する、特に、心臓をターゲットにした術中撮影(IVR)に於いて、ユーザーニーズに適った装置を提供できる。
【0071】
図9では表面コイルをループコイルの内側に示したが、ループコイルの外側に配置しても良い。図9では、表面コイルを胸側と背側の体表の近傍に1つずつ配置したが、胸側の体表の近傍に2つ配置、あるいは背側の体表の近傍に2つ配置しても良い。胸側、あるいは背側の体表の近傍に表面コイルを2つ配置させる場合、図19に示すように2つの表面コイル120−1、120−2を実質的に直交するように配置し、オーバラップさせて配置しても良い。表面コイル120−1の出力端126−1と表面コイル120−2の出力端126−2の位置をそれぞれ直交する方向に配置する。図7(a)に示すように、図19に示す8の字型コイルは、矩形状の相互に離れた2つの導電ループを有する。
【0072】
また、図9では、ループコイル91−1とループコイル91−3は、互いに交差(たすきがけ)する配置となっているが、図20に示すように互いに交差しない配置でもよい。図20では、ループコイル91−1とループコイル91−3は、被写体103の肩から脇にかけての外周に配置されている。
【0073】
図20に示すようなコイル配置を用いた場合、図9に示したコイル配置を用いた場合と比較して、ループコイル91−1の感度が最大となる位置はx軸のプラス方向にずれ、ループコイル91−3の感度が最大となる位置はx軸のマイナス方向にずれる。このため、図20に示すようなコイル配置を用いて前述の本発明による高速化技術を適用した場合、図9に示したコイル配置を用いた場合と比較して、出来上がった画像は左右の肺の部分でS/Nが高くなるという効果がある。また、図9と図20においては、ループコイル91−2は、胸部の外周に配置されているが、被写体103の首の外周に配置してもよい。ループコイル91−2を首の外周に配置して前述の本発明による高速化技術を適用した場合、出来上がった画像は心臓の上部分でS/Nが高くなる。すなわち、心臓上方の血管部分の診断において有利となる効果がある。
【0074】
また、本発明の効果を、トランス面(xz面)、コロナル面(xy面)、サジタル面(yz面)の基本3断面を撮影断面に選んだ場合について説明したが、傾斜磁場の向きは任意にとれるので、これらと斜めの面(oblique section)についてもイメージングが可能であり、斜めスライスは心臓のように軸が体軸と傾いた臓器の撮像に有効である。
【0075】
図21に示すような任意方向の断面201は、x、y、z方向の傾斜磁場コイルに、それぞれの方向の磁場勾配の成分に対応した電流を流すことにより容易に得られる。図21においても、直交する2つの軸202と203が撮影断面201を定めており、軸202あるいは203のいずれかの方向が位相エンコード方向に選択される。図21のような斜め撮影においても同様に、静磁場方向と平行な線分を含む面内に配置されていて被写体の外周に配置されたループコイルと、静磁場方向と垂直な線分を含む面内に配置されていて被写体の表面に配置された表面コイルを、それぞれ複数個用いて受信コイルを構成することにより、前述した高速化技術を垂直磁場オープンMRI用の受信コイルに適用する際、どの軸を位相エンコード方向に選択しても撮影速度向上化率を3倍以上にでき、かつ、撮影領域中でほとんど感度を持たない領域が存在しない撮影を行なうことができる。
【0076】
【発明の効果】
本発明の垂直磁場型の核磁気共鳴を用いた検査装置によれば、静磁場方向と平行な線分を含む面内で被写体の外周に配置されたループコイルの複数個と、静磁場方向と垂直な線分を含む面内で被写体の表面の近傍に配置された表面コイルの複数個とを用いて受信コイルを構成するので、どの軸を位相エンコード方向に選択しても、任意の所望の視野(1/1の視野画像)を、1個のコイルを用いて通常の方法で撮影する速度の3倍以上にでき、且つ、撮影領域で殆ど感度を持たない領域が存在しない状態、即ち、撮影領域の全ての領域で感度を有する状態で撮影をできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される装置の構成例を示すブロック図。
【図2】従来技術の受信コイルの配置例を示す図。
【図3】本発明が適用されるオープン型MRI装置の斜視図。
【図4】従来技術の8の字型コイルの上のRF電流の方向を示す図。
【図5】図4の8の字型コイルが作るRF磁場を示す図。
【図6】図4の8の字型コイルの感度を示す図。
【図7】本発明の実施例における8の字型コイルの感度分布を示す図。
【図8】本発明におけるループコイルの感度分布の例を示す図。
【図9】本発明の実施例における受信コイルの配置例を示す図。
【図10】従来技術を説明する図。
【図11】従来技術の受信コイルの配置例を示す図。
【図12】本発明における撮影断面とライン上の感度分布の例を示す図。
【図13】本発明におけるループコイルの配置の例を示す図。
【図14】本発明におけるループコイルの感度分布を示す図。
【図15】本発明におけるループコイルの感度分布を示す図。
【図16】本発明におけるループコイルの感度分布を示す図。
【図17】本発明におけるループコイルの形状例を示す図。
【図18】本発明の実施例におけるボビンの形状例を示す図。
【図19】本発明の実施例における表面コイルの配置例を示す図。
【図20】本発明の実施例における受信コイルの配置例を示す図。
【図21】本発明を任意方向の撮影断面に適用した場合を説明する図。
【符号の説明】
41、42…8の字型コイルの導体、91−1、91−2、91−3…ループコイル、92−1、92−2…8の字型コイル、101…静磁場発生マグネット、102…傾斜磁場発生コイル、103…被写体、104…シーケンサ、105…傾斜磁場電源、106…高周波磁場(RFパルス)発生器、107…照射用コイル、108…受信器、109…計算機、110…ディスプレイ、111…記憶媒体、112…シムコイル、113…シム電源、114…医師、115…RFアンプ、116…受信用コイル、117…8の字型コイル、118…受信コイル、119…ボビン、120−1、120−2…表面コイル、121…撮影断面、122−1、122−2、122−3…y軸と平行な線分、123−1…y軸と平行な線分122−1上でのコイル91−1の感度分布、123−2…y軸と平行な線分122−1上でのコイル91−2の感度分布、124−1…y軸と平行な線分122−2上でのコイル91−1の感度分布、124−2…y軸と平行な線分122−2上でのコイル91−2の感度分布、125−1…y軸と平行な線分122−3上でのコイル91−1の感度分布、125−2…y軸と平行な線分122−3上でのコイル91−2の感度分布、126−1…表面コイル120−1の出力端、126−2…表面コイル120−2の出力端、201…任意方向の撮影断面、202…軸、203…軸202と直交する軸。
Claims (29)
- 鉛直方向に静磁場を発生する手段と、
前記静磁場に置かれた検査対象に印加する励起RFパルスを発生する手段と、
前記検査対象に印加する傾斜磁場を発生する手段と、
複数のサブコイルを有して、前記検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出する受信コイルとを具備し、
前記複数のサブコイルは、前記静磁場の方向に垂直な面内に配置され前記検査対象の表面の近傍に配置された複数の表面コイルと、前記静磁場の方向に平行な軸を含む面内に配置され前記検査対象の外周に配置された複数のループコイルとを含み、
前記検査対象の任意の撮影断面を定める直交する2軸の何れか一方の軸上で、2個以上の前記サブコイルは不均一な感度分布を有し、少なくとも1個の前記サブコイルは前記任意の撮影断面の任意の位置で感度を有することを特徴とする核磁気共鳴検査装置。 - 前記ループコイルの数は3個以上であり、前記表面コイルの数は2個以上であることを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴検査装置。
- 前記表面コイルは、複数の前記ループコイルの内側に配置されることを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴検査装置。
- 前記表面コイルは、複数の前記ループコイルの外側に配置されることを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴検査装置。
- 前記表面コイルが8の字型の表面コイルであることを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴検査装置。
- 複数の前記表面コイルは、8の字型の第1の表面コイルと、前記第1の表面コイルとオーバラップする8の字型の第2の表面コイルとを含み、前記第1の表面コイルの出力端と前記第2の表面コイルの出力端がそれぞれが直交する方向に配置されることを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴検査装置。
- 前記ループコイルの形状が、四辺形の形状、又は、四辺形の対向する辺の近傍で折り曲げられた形状であることを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴検査装置。
- 前記任意の撮影断面の位相エンコード方向の長さの1/N(Nは2以上の整数)の長さを持つ矩形の視野を設定して撮影を行ない、前記撮影により得られた前記検査対象の画像から、前記複数のサブコイルの感度分布の違いに基づいて、折り返しを分離して前記任意の撮影断面の画像を再構成することを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴検査装置。
- 直交座標系を(x、y、z)とし、前記鉛直方向にz方向を設定した時、前記位相エンコード方向が、x、y、zの何れか1つの方向であることを特徴とする請求項8記載の核磁気共鳴検査装置。
- 直交座標系を(x、y、z)とし、鉛直方向にz方向を設定し、検査対象の体軸方向をy方向として、前記z方向に静磁場を発生する手段と、
前記静磁場に置かれた前記検査対象に印加する励起RFパルスを発生する手段と、
x方向、前記y方向、及び前記z方向に印加する傾斜磁場を発生する手段と、
5以上のサブコイルを有して、前記検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出する受信コイルとを具備し、
前記5以上のサブコイルが、xy面に平行な第4の面内に配置され前記検査対象の表面の近傍に配置された8の字型の第1の表面コイルと、前記第4の面内に配置され前記第1の表面コイルとオーバラップする8の字型の第2の表面コイルと、
xz面に平行な第1の面内に配置され前記検査対象の外周に配置された第1のループコイルと、前記第1の面と略45°の角度で交差する第2の面内に配置され前記検査対象の外周に配置された第2のループコイルと、前記第1の面と略−45°の角度で交差する第3の面内に配置され前記検査対象の外周に配置された第3のループコイルとを含むことを特徴とする核磁気共鳴検査装置。 - 前記第1、第2及び第3のループコイルの内側に前記第1及び第2の表面コイルが配置されることを特徴とする請求項10記載の核磁気共鳴検査装置。
- 前記第1、第2及び第3のループコイルの外側に前記第1及び第2の表面コイルが配置されることを特徴とする請求項10記載の核磁気共鳴検査装置。
- 前記検査対象の任意の撮影断面は直交する2軸により定められることを特徴とする請求項10記載の核磁気共鳴検査装置。
- 鉛直方向に静磁場を発生する手段と、
前記静磁場に置かれた検査対象に印加する励起RFパルスを発生する手段と、
前記静磁場に置かれた前記検査対象に印加する傾斜磁場を発生する手段と、
5以上のサブコイルを有して、前記検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出する受信コイルとを具備し、
前記5以上のサブコイルが、前記鉛直方向に垂直な面内に配置され前記検査対象の表面の近傍に配置された2個以上の表面コイルと、前記鉛直方向に平行な軸を含む面内に配置され前記検査対象及び前記2個以上の表面コイルの外周に配置された3個以上のループコイルとを含み、前記検査対象の任意の撮影断面を定める直交する2軸の何れか一方の軸上で、2個以上の前記サブコイルは不均一な感度分布を有し、少なくとも1個の前記サブコイルは前記任意の撮影断面の任意の位置で感度を有することを特徴とする核磁気共鳴検査装置。 - 鉛直方向に静磁場を発生する手段と、
前記静磁場に置かれた検査対象に印加する励起RFパルスを発生する手段と、
前記静磁場に置かれた前記検査対象に印加する傾斜磁場を発生する手段と、
5個以上のサブコイルを有して、前記検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出する受信コイルとを具備し、
前記5以上のサブコイルが、前記鉛直方向に垂直な面内に配置され前記検査対象の表面の近傍に配置された2個以上の表面コイルと、前記鉛直方向に平行な軸を含む面内に配置され前記検査対象の外周に配置された3個以上のループコイルとを含むことを特徴とする核磁気共鳴検査装置。 - 前記検査対象の任意の撮影断面を定める直交する2軸の何れか一方の軸上で、2個以上の前記サブコイルは不均一な感度分布を有し、前記サブコイルの少なくとも1つは前記任意の撮影断面の任意の位置で感度を有し、前記軸の何れかに平行な線上で前記サブコイルの不均一な感度分布の少なくとも2個以上は、前記何れかの軸に平行な線上で異なることを特徴とする請求項15記載の核磁気共鳴検査装置。
- 前記3個以上のループコイルの内側に前記表面コイルが配置されることを特徴とする請求項15記載の核磁気共鳴検査装置。
- 前記3個以上のループコイルの外側に前記表面コイルが配置されることを特徴とする請求項15記載の核磁気共鳴検査装置。
- 静磁場に置かれた検査対象に傾斜磁場および励起RFパルスを印加し、受信コイルを用いて前記検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出して、前記検査対象の撮影断面像を得るようにした核磁気共鳴を用いた検査装置にあって、前記受信コイルは、前記静磁場の方向に垂直な軸を含む面内にあって前記検査対象の表面の近傍に配置された複数の第1のサブコイルと、前記静磁場の方向に平行な軸を含み前記検査対象の外周に配置された複数の第2のサブコイルとを具備することを特徴とする核磁気共鳴検査装置。
- 前記第1のサブコイルは表面コイルであり、前記第2のサブコイルはループコイルであり、前記検査対象の任意の撮影断面を定める直交する2軸の何れか一方の軸上で、2個以上の前記サブコイルは不均一な感度分布を有し、少なくとも1個の前記サブコイルは前記任意の撮影断面の任意の位置で感度を有することを特徴とする請求項19記載の核磁気共鳴検査装置。
- 静磁場に置かれた検査対象に傾斜磁場および励起RFパルスを印加し、受信コイルを用いて前記検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出して、前記検査対象の撮影断面像を得るようにした核磁気共鳴を用いた検査装置であって、前記受信コイルは、前記静磁場の方向に垂直な軸を含む面内にあって前記検査対象の表面の近傍に配置された複数の第1のサブコイルと、前記静磁場の方向に平行な軸を含みそれぞれ互いに異なる面内にあって前記検査対象の外周に配置された複数の第2のサブコイルとを具備することを特徴とする核磁気共鳴検査装置。
- 鉛直方向に静磁場を発生する手段と、
前記静磁場に置かれた検査対象に印加する励起RFパルスを発生する手段と前記検査対象に印加する傾斜磁場を発生する手段と、
前記検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出する受信コイルとを具備し、
前記受信コイルは、前記静磁場の方向に垂直な面内に配置され前記検査対象の表面の近傍に配置された複数の表面コイルと、前記検査対象の外周に配置された複数のコイルとを含むことを特徴とする核磁気共鳴検査装置。 - 鉛直方向に静磁場を発生する手段と、
前記静磁場に置かれた検査対象に印加する励起RFパルスを発生する手段と、
前記検査対象に印加する傾斜磁場を発生する手段と、
複数のサブコイルを有して、かつ前記検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出する受信コイルとを具備し、
前記サブコイルは、前記静磁場の方向に垂直な面内に配置され前記検査対象の表面の近傍に配置された複数の表面コイルと、前記静磁場の方向に平行な軸を含む面内に配置され前記検査対象の外周に配置された複数のループコイルとを含むことを特徴とする核磁気共鳴検査装置。 - 前記複数の表面コイルは前記検査対象を間に挟んで配置され、前記複数のサブコイルは、前記検査対象の任意の撮影断面を定める直交する2軸の何れか一方の軸上で不均一な感度分布を有することを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴検査装置。
- 前記複数のループコイルは前記検査対象を囲み、かつ複数の非平行面内の各々に配置され、前記複数の非平行面の各々は前記静磁場の方向に平行な軸を含むことを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴検査装置。
- 前記複数の第2のサブコイルは前記検査対象を囲み、かつ複数の非平行面内の各々に配置され、前記複数の非平行面の各々は前記静磁場の方向に平行な軸を含むことを特徴とする請求項19記載の核磁気共鳴検査装置。
- 前記複数の第1のサブコイルのうちの2つ以上の第1のサブコイルは、前記検査対象を間に挟むように配置され、前記複数の第2のサブコイルは、前記検査対象を囲み、前記検査対象の任意の撮影断面を定める直交する2軸の何れか一方の軸上で不均一な感度分布を有することを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴検査装置。
- 鉛直方向に静磁場を発生する手段と、
前記静磁場に置かれた検査対象に印加する励起RFパルスを発生する手段と、
前記静磁場に置かれた前記検査対象に印加する傾斜磁場を発生する手段と、
複数のサブコイルを有して、前記検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出する受信コイルとを具備し、
前記サブコイルは、前記静磁場の方向に垂直な面内に配置される複数の第1コイルと、前記静磁場の方向に平行な軸を含む面内に設置される複数の第2コイルとを含むことを特徴とする核磁気共鳴検査装置。 - 前記複数の第1コイルは前記検査対象を間に挟んで配置され、前記複数の第2コイルの少なくとも一部は前記検査対象を囲むように配置されることを特徴とする請求項28に記載の核磁気共鳴検査装置。
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