JP4822850B2 - 磁気共鳴測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気共鳴測定装置および磁気共鳴測定方法に関する。特に高周波磁場コイル系の構造と、それを用いた測定方法に関する。
磁気共鳴測定装置は、静磁場中に置かれた測定対象に特定周波数の高周波磁場(RF)を照射して磁気共鳴現象を誘起し、測定対象の物理的化学的情報を取得する装置である。現在、広く普及している磁気共鳴イメージング(MRI)は、主として水分子中の水素原子核の磁気共鳴現象を用い、生体組織によって異なる水素原子核密度や緩和時間の差などを画像化する方法である。また、スペクトロスコピックイメージングと呼ばれる方法も提案されている。これは、分子の化学結合の違いによる磁気共鳴周波数の差異(ケミカルシフト)を元に分子毎に磁気共鳴信号を分離し、分子種毎の濃度や緩和時間などを画像化する方法である。
従来、これら画像化に必要な空間情報の付加には、傾斜磁場を印加して位置によって異なる周波数の信号を発生させてきた。その典型的な撮影方法であるスピンエコー法や、グラディエントエコー法では、位相エンコード傾斜磁場を変化させながら繰り返し計測することが必要なため、測定時間が長いという問題があった。長い測定時間は、測定対象の循環器、呼吸、消化管等の運動による体動アーティファクトを発生させ、画質を劣化させるという問題がある。また、分子の拡散運動を計測する拡散イメージングや血流を計測する血流イメージングでは、正確な値を計測できないという問題がある。
これらを解決するために高周波磁場や傾斜磁場の印加方法に工夫を加えた測定方法が提案されている。例えば、高周波磁場の反転パルスを複数加えて複数のエコーを1回で取得するファーストSE、傾斜磁場を短い周期で反転させる振動傾斜磁場を用いて複数のエコーを1回で取得するエコープラナーなどがある。
これに対し、複数の高周波磁場コイルを用意し、当該コイルの感度分布の違いを利用して空間情報を付加する方法がいくつか提案されている。
特許文献1では、カップリングの無い複数の高周波磁場コイルとそれを用いた計測方法が提案されている。これにより、例えば、頭部と心臓のように、ある程度距離の離れた部位の同時計測が可能になるとされている。
特許文献2では、円周上に配置された複数の高周波磁場コイルを逐次的に用いて、送信時の感度領域と、受信時の感度領域の交差部分を画像化する方法が提案されている。これにより、円周方向の傾斜磁場が不必要になるとされている。
特許文献3では、複数の高周波磁場コイルとそれを切り替えるためのスイッチからなる高周波磁場コイルの構成が提案されている。
特許文献4および特許文献5では、励起領域の形状のコントロールとSAR(Specific Absorption Rate)の低減のために、複数コイルから同時にRFを照射する方法が提案されている。
特許文献6では、複数の高周波磁場コイルを受信時に用いて、その感度分布により空間情報を副次的に付加する方法が提案されている。この方法では、位相エンコードの繰り返し回数を低減するとともに、それによって生じる折り返しアーティファクトを高周波磁場コイルの感度分布の差を用いて除去する。
特許文献7では、一つの高周波磁場コイルを使用し、高周波磁場の形状をDANTEパルスと呼ばれる形状にして、櫛状領域を選択的に励起し、計測時間を短縮する方法が提案されている。
非特許文献1では、薄いスライスを感度分布として持つ複数の高周波磁場コイルを1列に並べた構成が提案されている。例えば、1列に並べる方向をY方向とした場合、Y方向への位相エンコード傾斜磁場を全く使用することなく画像化が可能になるとされている。
特開平07-000370公報 特開平11-206735公報 特開2004-201756公報 特開2005-152657公報 特開2005-152655公報 特開2002-153440公報 特開平09-262219公報 McDougallMP、 Wright SM、 64-channel arraycoil for single echo acquisition magnetic resonance imaging. Magnetic Resonancein Medicine誌、2005年発行、54号、386−392頁
前記複数の高周波磁場コイルを用いた従来技術では、連続した測定部位を、SNを下げずに高速に取得できないという問題がある。
特許文献1に記載された技術では、ある程度離れた複数の測定部位を同時に計測することで高速測定を行うことができるが、連続した測定部位の計測には適用できない。これは連続した測定部位を計測するためには、高周波磁場コイルを近接させなければならないが、この技術では高周波磁場コイルがある程度離れていることが前提となるからである。
特許文献2では、傾斜磁場を使用しない方法が提案されているが、従来法と比較して測定時間短縮効果は特に得られない。これは逐次的に高周波磁場コイルを切り替えながら計測を繰り返さなければ画像化ができないためである。
特許文献3では、高周波磁場コイルを切り替えるための方法が提案されている。ここでは感度が高い高周波磁場コイルを切り替えて使用することを目的としており、測定時間の短縮については考慮されていない。
特許文献4および5では、測定部位の観測範囲の形状をコントロールすることは可能であるが、高速に取得することはできない。複数の高周波磁場コイルを十分離せば特許文献1記載の技術と同じような効果が得られるが、連続した測定部位を計測できないことは同様である。
特許文献6では、複数の高周波磁場コイルの感度分布の差異を利用して、位相エンコード回数を減らすことで測定時間を短縮する方法が提案されている。しかし、この方法では、測定時間短縮に応じてSNが低下するという問題がある。
特許文献7では、励起高周波磁場パルスをDANTEパルスにして測定時間を短縮する方法が提案されている。しかしながら、この方法では励起領域が櫛状に縮小され、SNが劣化するという問題がある。
非特許文献1は、特許文献6に示された測定時間短縮技術をさらに進めたものである。この場合には、一列に並べた高周波磁場コイルの間隔で、当該方向の空間分解能が決まってしまうという問題もある。
本発明の課題は、連続した測定部位を、SNを低下させずに高速に計測する方法を提供することである。
上記課題を達成するため、本発明の磁気共鳴測定装置では、受信系として、複数の高周波磁場コイルからなるコイル群を、隣接するコイル群の高周波磁場コイルの少なくとも一つと空間的に干渉しない位置に複数配置した構成とするとともに、各コイル群を構成する高周波磁場コイルを順次切替えて、互いに干渉しない高周波磁場コイルの組をアクティブにし、コイル群の数に相当する数の領域の信号を同時に取得する。
すなわち本発明の磁気共鳴測定装置は、静磁場発生系と、静磁場中に置かれた測定対象に高周波磁場を照射する送信手段と、前記測定対象の核磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した核磁気共鳴信号を用いて前記測定対象の画像及び/又はスペクトルを作成する信号処理系とを備えた磁気共鳴測定装置において、前記受信手段は、複数の受信部と、前記複数の受信部の各々に接続される複数のコイル群とを備え、各コイル群は、複数の高周波磁場コイルからなるとともに前記複数の高周波磁場コイルがそれぞれ隣接するコイル群の少なくとも一つの高周波磁場コイルと空間的に干渉しない位置となるように配置され、さらに前記各コイル群を構成する複数の高周波磁場コイルの一つを順次オンに切り替えるように前記高周波磁場コイルのオンオフを制御するオンオフ制御手段と、前記複数の高周波磁場コイルの一つを選択的に前記受信部に接続させるコイル切替手段と、前記オンオフ制御手段及び前記コイル切替手段を制御するコイル制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明の磁気共鳴測定装置において、例えば、前記送信手段は、少なくとも一つの送信部と送信コイルとを備え、前記受信手段の複数のコイル群は、前記送信手段の送信コイルを兼ねており、各コイル群と受信部との間に、受信部と送信部とを切り替える送受信切替手段を備えている。
また本発明の磁気共鳴測定装置において、例えば、前記送信手段は、1または複数の送信部と複数のコイル群とを備え、各コイル群は、複数の高周波磁場コイルからなるとともに前記複数の高周波磁場コイルがそれぞれ隣接するコイル群の少なくとも一つの高周波磁場コイルと空間的に干渉しない位置となるように配置され、さらに各コイル群を構成する複数の高周波磁場コイルの一つを順次オンに切り替えるように前記高周波磁場コイルのオンオフを制御するオンオフ制御手段と、前記複数の高周波磁場コイルの一つを選択的に前記送信系に接続させるコイル切替手段と、前記オンオフ制御手段及び前記コイル切替手段を制御するコイル制御手段とを備えている。
上述した磁気共鳴測定装置において、前記送信手段は、前記送信部をコイル群毎に備える構成としてもよいし、前記複数のコイル群は、同一の送信部に接続されていてもよい。
また送信コイルは、2以上のコイル群の感度分布領域を覆う高周波磁場コイルからなるものであってもよい。
本発明の磁気共鳴測定装置において、例えば、コイル群を構成する複数の高周波磁場コイルは、互いに感度分布が一部重なっている。また典型的には、複数の高周波磁場コイルは、一軸方向に配列されている。
さらに本発明の磁気共鳴測定装置において、例えば、信号処理系は、複数の高周波磁場コイルが受信した核磁気共鳴信号の感度むらを補正する補正手段を備える。
本発明の磁気共鳴測定装置は、例えば、前記測定対象を静磁場中で移動させる移動手段を備え、複数のコイル群は、前記移動手段による測定対象の移動方向に配置されている。
本発明の磁気共鳴測定方法は、静磁場中に置かれた測定対象に高周波磁場を照射するとともに、前記測定対象の核磁気共鳴信号を受信し、前記受信手段で受信した核磁気共鳴信号を用いて前記測定対象の画像及び/又はスペクトルを作成する磁気共鳴測定方法において、測定対象に高周波磁場を照射するステップと、複数の高周波磁場コイルからなる複数のコイル群の一つ高周波磁場コイルをオンにするとともに、コイル群毎に測定対象の核磁気共鳴信号を同時に受信するステップとを、オンにする高周波磁場コイルを順次切り替えながら繰り返し、各コイル群の複数の高周波磁場コイルで受信した核磁気共鳴信号を用いて前記測定対象の画像及び/又はスペクトルを作成することを特徴とする。
本発明の磁気共鳴測定方法において、例えば、高周波磁場を照射するステップは、核磁気共鳴信号を受信するコイル群と同一の高周波磁場コイルを用いて行い、高周波磁場の照射後に高周波磁場コイルを送信系から受信系に切り替えるステップを含む。
本発明の磁気共鳴測定方法において、例えば、前記コイル群は、一軸方向に配列しており、前記高周波磁場を照射するステップは、前記コイル群の配列方向に対し垂直方向の複数の断面を励起する励起プロファイルの高周波磁場を発生する。高周波磁場は、所望の励起プロファイルを逆フーリエ変換することによって求められるパルス波形であるか、DANTEパルスとすることができる。
本発明の磁気共鳴測定方法において、例えば、前記コイル群は、一軸方向に配列しており、前記高周波磁場を照射するステップは、前記コイル群の配列方向と平行な方向の複数の断面を励起する励起プロファイルの高周波磁場を発生する。この場合、高周波磁場のパルス形状は、sinc関数とすることができる。
さらに本発明の磁気共鳴測定方法は、前記高周波磁場を照射するステップと前記核磁気共鳴信号を受信するステップとの繰り返しにおいて、前記測定対象を前記コイル群の配列方向に移動するステップを含む。測定対象を移動するステップでは、例えば、コイル群の配列間隔よりも狭い移動幅で前記測定対象を移動する。
本発明の磁気共鳴測定方法は、例えば、各コイル群の複数の高周波磁場コイルで受信した核磁気共鳴信号を用いてスペクトロスコピックイメージを作成するステップを含む。
本発明の磁気共鳴測定装置および測定方法によれば、受信用高周波磁場コイルを複数の高周波磁場コイルからなる複数のコイル群で構成し、高周波磁場コイルの切替制御とコイル群の同時受信を行なうことによって、SNを劣化させること無く、複数の連続した励起スライスからの計測信号を短時間に取得することが可能となる。このため、計測時間を同時取得領域数の逆数に短縮することができるという著しい効果がある。また、逆に一定の計測時間であれば、同時取得領域数のルートの割合でSNを向上することが可能となる。また、送信用高周波磁場コイルが複数に分割されている系では、SARを減少させることができるという著しい効果もある。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
第1の実施の形態
以下、本発明の磁気共鳴測定装置およびそれを用いた撮像方法の第1の実施の形態を説明する。
図1に、本発明が適用される磁気共鳴測定装置の全体概要を示す。この磁気共鳴測定装置は、主として、静磁場発生磁石11、傾斜磁場発生コイル12、高周波磁場コイル系13、計算機14、傾斜磁場電源15、シンセサイザ16、変調器17、増幅器18、AD変換器19で構成される。
シンセサイザ16および変調器17は送信部を構成するもので、シンセサイザ16により発生させた高周波を変調器17で波形整形、電力増幅し、高周波磁場コイル系13に電流を供給することにより測定対象10の核スピンを励起する高周波磁場を発生させる。
傾斜磁場電源15から電流を供給された傾斜磁場発生コイル12は傾斜磁場を発生し、測定対象10からの磁気共鳴信号を変調する。この変調信号は高周波磁場コイル系13により受信され、増幅器18で増幅、AD変換器19で信号取得された後、計算機14に入力される。取得されたデータは、計算機14でデータ処理され保存される。計算機14はまた予めプログラムされたタイミング、強度で各装置が動作するように制御を行う。
本発明の磁気共鳴測定装置は、高周波磁場コイル系13に特徴を有し、図1では一つの高周波磁場コイル系13が示されているが、一つの高周波磁場コイル系が受信系のコイルと送信系のコイルとを兼ねる場合、受信系の高周波磁場コイル系13と送信系の高周波磁場コイル系13とを含む場合がある。また一つの受信部(増幅器18およびAD変換器19)が示されているが、受信部は複数系統からなる。
本実施の形態においては、高周波磁場コイル系13は、受信系と送信系とを兼ねており、複数(n個)のコイル群からなり、複数のコイル群は、それぞれ複数(m個)のRFコイルからなる。コイル群の数n及びそれを構成するRFコイルの数mは、2以上であれば特に限定されないが、ここでは説明を簡単にするため、n=2、m=2の場合を例にして説明する。図2に本実施の形態の高周波磁場コイル系13を模式的に示す。
この高周波磁場コイル系13は、図示するように、別の受信系a、bに接続される2つのコイル群a、bからなり、それぞれ2個のRFコイルa1、a2、RFコイルb1、b2を有している。RFコイルはバードケージ型、鞍型、サーフェス型、ソレノイド型など、どのような形状であってもよく、またそれぞれが違った形状をしていてもよい。また、RFコイルの重なり具合もどのような量でも構わない。ただし、RFコイルa1とb1、RFコイルa2とb2とは高周波磁場的なカップリングが十分抑制されるように空間的に離れた位置に配置する。すなわち、それぞれ電磁気的に独立な複数の高周波磁場コイル(a1、 b1とa2、b2)が、それぞれ別の受信系(a、b)に接続された構成となっている。最も典型的なRFコイルの配置としては、図示するように、ある空間的な一軸方向(図2では水平方向)に複数のコイルCoil(i,j)(ただし、i=1・・・n, j=1・・・m)をCoil(1,1), Coil(1,2)・・・Coil(1,m), Coil(2,1), Coil(2,2) ・・・Coil(2,m)・・・Coil(n,1), Coil(n,2)・・・,,Coil(n,m)という順序で所定の間隔を持って整列させる。
各コイル群は、それぞれコイル群を構成する複数のRFコイルの一つを送信系或いは受信系に切り替えるコイル切替器SW-a、SW-bおよびRFコイルへの送受信を切り替えるTR-SW-a、TR-SW-bを介して、2系統の受信系或いは1系統の送信系に接続されている。また各RFコイルは、各RFコイルの高周波磁場的なカップリングを抑制するためのデカップリング回路SW-1、SW-2を備えている。デカップリング回路のオンオフ(アクティブ/インアクティブ)はSW制御器21によって制御される。またコイル切替器SW-a、SW-bおよびSW制御器21は、コイル制御器22により制御される。
コイル制御器22は、磁気共鳴測定装置の動作を制御する計算機14からの制御信号を受け、どのコイルをアクティブにするか制御する。具体的には各コイル群を構成する複数のRFコイルのうち、互いに空間的に離れた位置に配置される組のRFコイル、例えば、コイルa1とコイルb1のデカップリング回路SW-1をアクティブにし、その他のコイル(コイルa2、b2)のデカップリング回路SW-2をインアクティブにするようにSW制御器21を制御すると同時に、コイル系統1(コイルa1とコイルb1)がアクティブ、コイル系統2(コイルa2、b2)がインアクティブとなるようにコイル切替器SW-a、SW-bに制御信号を送出する。
RFコイルへの送受信を切り替えるTR-SW-a、TR-SW-bの動作は、撮像を制御する計算機14の機能により制御される。
次にデカップリング回路SW-1、SW-2の具体的な構成とその制御方法について説明する。図3はデカップリング回路の構成図である。図3ではコイルa1のデカップリング回路SW-1のみを示しているが、他のデカップリング回路も同様であるので図示を省略する。デカップリング技術は、本発明の高周波磁場コイル系のように複数の受信コイルを並べて使用する場合、各コイル間で受信信号のコンタミを抑えるため、コイル同士の相互干渉を低減させるために必要な技術であり、既に幾つかの方法が考案されている。図3はその一例である。図3の各RFコイルでは、コンダクタL1とコンデンサC1により測定対象核の磁気共鳴周波数に応じた共振回路を形成しており、ダイオ−ドD1をオンオフすることにより共振回路のオンオフを行う。これにより各受信コイル毎のオンオフを制御し、デカップリングを可能にする。図示する回路はダイオードが1個である場合の例であるが、複数のダイオードのオンオフを同時に行うことも考慮し、定電流源を用いてオンオフ制御を行うことが望ましい。またコンダクタL2は、核磁気共鳴周波数近傍の電源ノイズが信号線へ混入するのを防ぐために挿入されている。
デカップリング回路を構成する素子D1、C1、L1、L2は、完全非磁性で作製された物を使用することが望ましい。またダイオードD1は、できるだけオン抵抗の低い物を使用することが望ましく、コンデンサC1は、できるだけQ値の高い物を使用することが望ましい。
なお、図3ではRFコイルがサーフェスコイルである場合を示したが、サーフェスコイル以外の鞍型コイル、バードケージコイルなどでは、各共振回路に図3で示したようなオンオフ制御するための回路を挿入すればよい。
次にコイル切替器SWの具体的な構成とその制御方法について説明する。図4はコイル切替器SWの一例を示す図である。図4の回路では、各RFコイルから増幅器につながる信号線の途中にダイオードD2を挿入しておき、各ダイオードD2に流れる電流を制御することにより各信号線の導通をオンオフさせることができ、増幅器につながるRFコイルの選択を可能としている。どちらのダイオードD2に定電流供給するかは、コイル制御器22からの信号により切り替える。コンダクタL3は核磁気共鳴周波数近傍の電源ノイズが信号線へ混入するのを防ぐために挿入されている。コイル切替器SWを構成するダイオードD2、コンデンサC2およびコンダクタL3は、できるだけ非磁性の物を使用することが望ましい。またダイオードD2はできるだけオン抵抗の低い物を使用すし、コンデンサC2は、できるだけQ値の高い物を使用することが望ましい。
図5にコイル切替器SWの別の例を示す。図5の回路では、コンダクタL4とコンデンサC3により核磁気共鳴周波数での共振回路を作成し、ダイオ−ドD3を電流制御でオンオフすることにより共振回路のオンオフを行い、各信号線の導通をオンオフさせる。どちらに定電流供給するかはコイル制御器からの信号により切り替える。コンダクタL5は核磁気共鳴周波数近傍の電源ノイズが信号線へ混入するのを防ぐために挿入されており、この例でも、コイル切替器SWを構成するダイオードD3、コンデンサC3、C4およびコンダクタL4、L5は、できるだけ非磁性の物を使用することが望ましい。またダイオードD3はできるだけオン抵抗の低い物を使用し、コンデンサC3およびコンデンサC4は、できるだけQ値の高い物を使用することが望ましい。
なお図4および図5では、コイル切替器SW-aのみを示したが、他のコイル切替器SWも同様に構成できる。
次に本実施の形態の高周波磁場コイル系を用いた測定方法について説明する。図6に撮像シーケンスの典型例を示す。図6上段は横軸に時間、縦軸に高周波磁場RF、傾斜磁場Gx、Gy、Gz、データ取得AD、送受信切替TR-SW、コイル切替Coil SWをとり、それぞれの動作タイミングと強度を表したシーケンス図である。ここではスピンエコーシーケンスを例にとって説明する。なお、本シーケンスでは簡単のため、図1の高周波磁場コイル系の軸方向(水平方向)をz軸として説明する。
まず、TR-SWを送信Tに、Coil SWをSW-1に設定し、スライス傾斜磁場Gzを印加しながらRF励起パルスを印加する。この際、図6下段に示すように、励起プロファイルがコイルa1とコイルb1に垂直な平面になるようにスライス選択傾斜磁場GzおよびRF励起パルスを調整する。RF励起パルスの調整方法については図7を用いて後で説明する。次に、励起領域内の磁気共鳴信号がエコーを結ぶように読み出し傾斜磁場Gxを印加する。また、y方向の空間情報を得るために、位相エンコード傾斜磁場Gyを印加する。次に、Gzを印加しながらRF反転パルスを印加する。この際にも励起パルスで励起された磁気共鳴信号が反転するように、GzおよびRF励起パルスの強度と位相を調整する。典型的には、励起パルスは磁気共鳴信号が90度倒れる90度パルス、反転パルスは励起パルスの2倍で位相が逆転している180度パルスを用いることが多い。もちろん、励起パルスの強度を弱め、30度パルスを用いるなどしてもよいことは言うまでもない。
次に、TR-SWを受信Rに切り替え、読み出し傾斜磁場Gxを印加して磁気共鳴信号のエコーを結ばせながら、データ受信系統a、b共にデータ取得AD-a、AD-bを行う。ここで、高周波磁場コイルa1、b1のみがアクティブになっており、高周波磁場コイルa2、b2はインアクティブに制御している。高周波磁場コイルa1とb1とは空間的に十分離れているため、両者がアクティブになっていても、高周波磁場的なカップリングは生じない。もちろん、SW-2がインアクティブになっているのでa2、b2との高周波磁場的なカップリングも生じない。このため高周波磁場コイルa1とb1は、それぞれあたかも独立に信号を取得しているようになる。すなわち、2枚の励起スライスからの信号を、SNの劣化もなく、同時に取得可能となる。
RF励起パルスからデータ取得AD-a、AD-bまでを、位相エンコード傾斜磁場Gyの印加量を変化させながら繰り返し、所定の位相エンコード数のデータすなわち2次元画像のデータを得る。
次にCoil SWをSW-2に切り替えて、同様のループを繰り返し、2次元画像を取得する。コイル群を構成するRFコイルの数(m)が2より多い場合には、さらに、励起スライスの位置をz軸方向にずらしながら、測定を繰り返し、3次元領域の画像を取得する。このように繰り返し計測をすることで、連続した領域を全て測定する。
なお位相エンコードを変化させる繰り返しループと励起プロファイルの位置を変化させる繰り返しループの順番はどちらが先でもよい。即ち、同一の位相エンコードで、順次、Coil SWをSW-1からSW-2に切り替えて図6に示すシーケンスを実行し、その後位相エンコードを変化させて、再度Coil SWをSW-1からSW-2に切り替えて図6に示すシーケンスを実行するようにしてもよい。このように励起スライス位置を変化させるループを先にする(内側ループとする)場合は、励起スライス内の核磁気の緩和を待つ必要がないため、計測繰り返し時間(TR)を短くし、計測時間を短縮することができる。
図7に、図6下段に示す励起プロファイルを実現するための、RF励起パルスの一例を示す。Gz印加量が一定の条件では、励起プロファイルとRF励起パルスの形状とはフーリエ変換の関係にある。よって、目的とする励起プロファイルを逆フーリエ変換することにより、その励起プロファイルを与えるRF励起パルスの形状を求めることができる。図7下段に示すような励起プロファイルを実現するためには、上段のようなsinc関数の和で表される形状のRF励起パルスを印加すればよい。なお、RFパルスの印加時間は有限のため、本パルスもそのままの形状では印加できない。例えば、有限時間で切り取るなどの形状の操作が必要となる。ここで単純に有限時間内に切り取った場合、励起プロファイルの形状が崩れるなどの現象が生じる場合がある。これを防ぐために、本パルスにハミング関数などを乗算するなどの修正を行ってもよい。このようにある程度の波形修正を行って励起プロファイルを最適にすることも可能である。
なお図7で示したRF励起パルスは典型例であり、これに限るものではない。例えば、図2に示す実施の形態では、送信系が一系統である場合を示したが、送信系をコイル群数に対応する数(図2の例では2系統a、b)とすることができ、このようなコイル群毎に送信系を独立に有する装置の場合には、もっと単純なRF励起パルスとすることも可能である。例えば、送信系aからは、高周波磁場コイルa1の上に記した励起プロファイルを励起するための周波数と幅をもったsinc関数、送信系bからは、高周波磁場コイルb1の上に記した励起プロファイルを励起するための周波数と幅をもったsinc関数をそれぞれ印加すればよい。また、RF印加の間、Gzを一定とせず変化させることで励起プロファイルの形状を最適にすることも可能である。この手法については、例えば、Proc. Intl. Soc. Mag. Reson. Med. 11(2004) “Time-Optimal VERSE Excitation for 3D balanced SSFP Imaging”に紹介されている。
RF反転パルスについては、図7のRF励起パルスの強度をちょうど180度パルスになるように設定すればよい。或いはRF反転パルスとして、空間的な選択性を有しないパルスや幅広く領域を反転するsinc関数を使うことも可能である。ただし、後者の場合、コイル系統1を使って励起する際に、コイル系統2で励起する領域まで、励起される場合があり、繰り返し時間を長く取らなければならない場合がある。
本実施の形態の方法によれば、2枚の励起スライスを同時に計測できるため、SNの劣化無く、半分の測定時間で全領域からの信号を取得可能となる。また、逆に同一の測定時間であれば2倍の信号積算が可能となりSNを√2倍向上させることが可能となる。これらの効果は、受信部の系統数に応じて変化し、系統数がn(n≧2)の場合、同時に取得可能な励起スライスはn個、計測時間は1/nとなる。また逆に同一の測定時間であればn倍の信号積算が可能となりSNを√n倍向上させることが可能となる。また、本実施の形態によれば、アクティブな高周波磁場コイルの近傍のみにRF照射するため、SARを低減する効果がある。この効果は高周波磁場コイルの重なり具合にもよるが、全く重なりがない場合で約半分の効果が期待できる。これらの効果はコイル群を構成するRFコイルの数(m)に応じて変化し、全く重なりがない場合で最大1/mの効果が期待できる。このようなSAR抑制は、測定対象を熱上昇から保護する観点から、静磁場強度が高くなればなるほど重要な要素となる。
図6には、典型的なスピンエコー(SE)シーケンスを示したが、本実施の形態は、グラディエントエコー法やエコープラナー法、高速SE法など他の計測シーケンスであっても同様に適用できる。特に、エコープラナー法や高速SE法など1回の計測で1枚のスライスを計測可能な高速計測シーケンスとの組み合わせは、体動の大きな胸部や腹部の撮像の画質向上に有効である。この部位では、従来のSN向上が見込まれる3次元撮像では、体動アーティファクトが大きくなりすぎていたが、本実施形態の方法では複数スライスを同時に計測し、測定時間を短縮するので体動アーティファクト抑制に効果的である。
第2の実施の形態
次に本発明の第2の実施の形態について、図8および図9を参照して説明する。本実施の形態の磁気共鳴測定装置は、受信系のRFとは別に送信系のRFコイルを備えており、受信系の高周波磁場コイル系が、それぞれ複数のRFコイルを有する複数のコイル群からなることを特徴としている。本実施の形態が適用される磁気共鳴測定装置の構成は、図1に示したものと同様である。
図8に、本実施の形態の高周波磁場コイル系の模式図を示す。図8では、1系統の送信系と、2系統の受信部に2つずつのRFコイルが接続された系を表しているが、一般には受信部の系統数はn系統、それぞれm個のRFコイルからなる系が構成できる(但し、n、mは正の整数)。本実施の形態では簡単のため、n=2、m=2の場合について説明する。
本発明の高周波磁場コイル系は、一つの送信用のRFコイルt0、複数の受信用のRFコイルa1、a2、b1、b2と、それらの高周波磁場的なカップリングを抑制するためのデカップリング回路SW-0、SW-1、SW-2、デカップリング回路のアクティブ/インアクティブを制御するSW制御器81、どの高周波磁場コイルに送受信を行うか切り替えるコイル切替器SW-a、SW-b、それらRFコイルの切り替えを制御するコイル制御器82とからなる。RFコイルはバードケージ型、鞍型、サーフェス型、ソレノイド型など、どのような形状であってもよく、またそれぞれが違った形状をしていてもよい。また、受信用のRFコイルの重なり度合もどのような量でも構わない。ただし、受信用のRFコイルa1とb1、a2とb2とは高周波磁場的なカップリングが十分抑制されるように空間的に離れた位置に配置し、受信用のRFコイルの感度領域を全て包含するように送信用のRFコイルt0を配置する。最も典型的なRFコイルの配置としては、図示するように、ある空間的な一軸方向(図8では水平方向)に複数のコイルCoil(i,j)(ただし、i=1・・・n, j=1・・・m)をCoil(1,1), Coil(1,2)・・・Coil(1,m), Coil(2,1), Coil(2,2) ・・・Coil(2,m) ・・・Coil(n,1), Coil(n,2)・・・,,Coil(n,m)という順序で所定の間隔を持って整列させる。
デカップリング回路SW-0、SW-1、SW-2の構成および制御方法については第1の実施の形態で図3を用いて説明したものと同様であり、コイル切替器SW-a、 SW-bの構成および制御方法については第1の実施の形態で図4および図5を用いて説明したものと同様であり、説明を省略する。
コイル制御器82は、磁気共鳴測定装置の動作を制御する計算機14からの制御信号を受け、どのコイルをアクティブにするか制御する。例えば、コイルa1とコイルb1をアクティブにする場合、SW-1をアクティブ、SW-2をインアクティブにすると同時に、コイル切替器SW-a、SW-bにコイル系統1がアクティブ、コイル系統2がインアクティブの制御信号を送出する。
本実施の形態の高周波磁場コイル系を用いた測定方法について説明する。図9に撮像シーケンスの典型例を示す。ここでもスピンエコーシーケンスを例にとって説明するが、他の撮像シーケンスであってもよい。図9上段は横軸に時間、縦軸に高周波磁場RF、傾斜磁場Gx、Gy、Gz、データ取得AD、コイル切替Coil SWをとり、それぞれの動作タイミングと強度を表したシーケンス図である。本シーケンスでは簡単のため、図8の高周波磁場コイル系の軸方向をz軸として説明する。
まず、Coil SWをSW-0に設定し、スライス選択傾斜磁場Gzを印加しながらRF励起パルスを印加する。この際、図9下段に示すように、励起プロファイルがコイルa1とコイルb1に垂直な平面になるようにスライス選択傾斜磁場GzおよびRF励起パルスを調整する。GzおよびRF励起パルスの調整方法は、図7を用いて説明した第1の実施の形態と同様である。次に、励起領域内の磁気共鳴信号がエコーを結ぶように読出し傾斜磁場Gxを印加する。また、y方向の空間情報を得るために、位相エンコード傾斜磁場を印加する。次に、スライス選択傾斜磁場Gzを印加しながらRF反転パルスを印加する。この際にも励起パルスで励起された磁気共鳴信号が反転するように、GzおよびRF励起パルスの強度と位相を調整する。
次に、Coil SWをSW-1に切り替え、読出し傾斜磁場Gxを印加して磁気共鳴信号のエコーを結ばせながら、データ受信系統a、b共にデータ取得AD-a、AD-bを行う。ここで、RFコイルa1、b1のみがアクティブになっており、RFコイルa2、b2およびt0はインアクティブに制御している。RFコイルa1とb1とは空間的に十分離れているため、両者がアクティブになっていても、高周波磁場的なカップリングは生じない。もちろん、SW-0がインアクティブになっているのでt0との高周波磁場的なカップリングは生じず、また、SW-2がインアクティブになっているのでa2、b2との高周波磁場的なカップリングも生じない。このため高周波磁場コイルa1とb1は、それぞれあたかも独立に信号を取得しているようになる。すなわち、2枚の励起スライスからの信号を、SNの劣化もなく、同時に取得可能となる。
RF励起パルスからデータ取得AD-a、AD-bまでを、位相エンコード傾斜磁場Gyの印加量を変化させながら繰り返し、所定の位相エンコード数のデータすなわち2次元画像のデータを得る。
次のループでは、デカップリング回路SWをSW-0からSW-2に切り替えることとし、同様の撮像シーケンスを繰り返し、2次元画像を取得する。コイル群を構成するRFコイルの数(m)が2より多い場合には、さらに、励起スライスの位置をz軸方向にずらしながら、測定を繰り返し、3次元領域の画像を取得する。このように繰り返し計測をすることで、連続した領域を全て測定する。なお位相エンコードを変化させる繰り返しループと励起プロファイルの位置を変化させる繰り返しループの順番はどちらが先でもよい。
本実施の形態の方法によれば、第1の実施の形態と同様に、2枚の励起スライスを同時に計測できるため、SNの劣化無く、半分の測定時間で全領域からの信号を取得可能となる。また、逆に同一の測定時間であれば2倍の信号積算が可能となりSNを√2倍向上させることが可能となる。
本実施の形態は、第1の実施の形態と比較すると、送信系として全域をカバーする単一のRFコイル t0を用いているのでSARの低減効果はない。しかしながら、本実施の形態には、送受信を切り替えるTR-SWを省略できるという装置構成上のメリットがある。また、受信用の高周波磁場コイルをサーフェスコイルにして局所の感度を向上できるなど、SN向上の面でも効果がある。
なお、図8の高周波磁場コイル系では2系統のコイル切替器SW-a,SW-bと,2系統の増幅器a,b,AD変換器a,bを用いている。この代わりに,コイル切替器SW-a,SW-bを省略し,4系統の増幅器とAD変換器を直接各コイルに接続する構造を用いてもよい。この場合には,4系統のうちアクティブなコイルに接続された2系統の受信系のみをアクティブにするか、AD変換後のデータを廃棄する。この変更例では図8の構造に比べて、コイル切替器SWの数を低減できるというメリットがある。一方で図8の構造は、受信系統が2系統で済むという大きな効果がある。
第3の実施の形態
次に本発明の第3の実施の形態について、図10および図11を参照して説明する。本実施の形態の磁気共鳴測定装置は、受信系のRFとは別に送信系のRFコイルを備えており、送信系および受信系の高周波磁場コイル系がともに、それぞれ複数のRFコイルを有する複数のコイル群からなることを特徴としている。本実施の形態が適用される磁気共鳴測定装置の構成は、図1に示したものと同様である。
図10に、本発明の高周波磁場コイル系の模式図を表す。図10では、2系統の送信コイル群と、2系統の受信コイル群とからなる系を表している。一般には送信系と受信系の系統数(コイル群数)はn系統、それぞれm個のRFコイルが接続された系が構成できる(但し、n、mは正の整数)。なお送信系の系統数と受信系の系統数は必ずしも一致していなくてもよく、また1つのコイル群を構成するRFコイルの数も受信系と送信系とで一致していなくてもよい。本実施例では簡単のため、送信系および受信系ともに、n=2、m=2の場合について説明する。
本発明の高周波磁場コイル系は、4つの送信用のRFコイルa1t、a2t、b1t、b2tと、4つの受信用のRFコイルa1r、a2r、b1r、b2rと、それらの高周波磁場的なカップリングを抑制するためのデカップリング回路SW-1t、SW-2t、SW-1r、SW-2rと、デカップリング回路のアクティブ/インアクティブを制御するSW制御器101、どの高周波磁場コイルに送信を行うか切り替えるコイル切替器SW-ta、SW-tb、どの高周波磁場コイルから受信を行うか切り替えるコイル切替器SW-ra、SW-rb、それら高周波磁場コイルの切り替えを制御するコイル制御器102とからなる。
図示する例では、送信用高周波磁場コイルには鞍型やバードケージ型などのボリュームコイル、受信用高周波磁場コイルにはサーフェスコイルを使用した例を示している。ただし、これら高周波磁場コイルはバードケージ型、鞍型、サーフェス型、ソレノイド型など、どのような形状であってもよく、またそれぞれが違った形状をしていてもよい。また、送信用および受信用の高周波磁場コイルの重なり具合もどのような量でもよい。ただし、受信用の高周波磁場コイルa1とb1、a2とb2とは高周波磁場的なカップリングが十分抑制されるように空間的に離れた位置に配置する。さらに、受信用のそれぞれの高周波磁場コイルの感度領域を、それぞれ対応する送信用高周波磁場コイルがカバーするように配置する。最も典型的なRFコイルの配置としては、図示するように、ある空間的な一軸方向(図10では水平方向)に複数のコイルCoil(i,j)(ただし、i=1・・・n, j=1・・・m)をCoil(1,1), Coil(1,2)・・・Coil(1,m), Coil(2,1), Coil(2,2) ・・・Coil(2,m)・・・Coil(n,1), Coil(n,2)・・・,,Coil(n,m)という順序で所定の間隔を持って整列させる。
デカップリング回路SW-1t、SW-2t、SW-1r、SW-2rの構成および制御方法については第1の実施の形態で図3を用いて説明したものと同様であり、コイル切替器SW-ta、 SW-tb、SW-ra、SW-rbの構成および制御方法については第1の実施の形態で図4および図5を用いて説明したものと同様であり、説明を省略する。
コイル制御器102は、磁気共鳴測定装置の動作を制御する計算機14からの制御信号を受け、どのコイルをアクティブにするか制御する。例えば、コイルa1tとコイルb1tをアクティブにする場合、SW-1tをアクティブ、SW-2t、SW-1r、SW-2rをインアクティブにすると同時に、コイル切替器SW-ta、SW-tbにコイル系統1がアクティブ、コイル系統2がインアクティブ、コイル切替器SW-ra、SW-rbに両コイル系統共にインアクティブの制御信号を送出する。
本実施の形態の高周波磁場コイル系を用いた測定方法について説明する。図11に、その撮像シーケンスの典型例を示す。図11上段は横軸に時間、縦軸に高周波磁場RF、傾斜磁場Gx、Gy、Gz、データ取得AD、コイル切替Coil SWをとり、それぞれの動作タイミングと強度を表したシーケンス図である。ここではスピンエコーシーケンスを例にとって説明する。なお、本シーケンスでは簡単のため、図10の高周波磁場コイル系の軸方向をz軸として説明する。
まず、Coil SWについて、SW-1tをアクティブ、SW-2t、SW-1r、 SW-2rをインアクティブに設定し、スライス選択傾斜磁場Gzを印加しながらRF励起パルスを印加する。すなわち、高周波磁場コイルa1t、b1tのみをアクティブにして、RF励起パルスを照射する。この際、図11下段に示すように、励起プロファイルがコイルa1とコイルb1に垂直な平面になるようにスライス選択傾斜磁場GzおよびRF励起パルスを調整する。スライス選択傾斜磁場GzおよびRF励起パルスの調整方法は第1の実施の形態と同様である。次に、励起領域内の磁気共鳴信号がエコーを結ぶように読出し傾斜磁場Gxを印加する。また、y方向の空間情報を得るために、位相エンコード傾斜磁場を印加する。次に、スライス選択傾斜磁場Gzを印加しながらRF反転パルスを印加する。この際にも励起パルスで励起された磁気共鳴信号が反転するように、GzおよびRF励起パルスの強度と位相を調整する。
次に、Coil SWをSW-1rに切り替え、読出し傾斜磁場Gxを印加して磁気共鳴信号のエコーを結ばせながら、データ受信系統a、b共にデータ取得AD-a、AD-bを行う。ここで、受信用の高周波磁場コイルa1r、b1rのみがアクティブになっており、受信用の高周波磁場コイルa2r、b2rおよび送信用高周波磁場コイルa1t、a2t、b1t、b2tはインアクティブに制御している。高周波磁場コイルa1rとb1rとは空間的に十分離れているため、両者がアクティブになっていても、高周波磁場的なカップリングは生じない。もちろん、送信用の高周波磁場コイルは全てインアクティブになっているので、これについても高周波磁場的なカップリングは生じず、また、SW-2rがインアクティブになっているのでa2r、b2rとの高周波磁場的なカップリングも生じない。このため高周波磁場コイルa1rとb1rは、それぞれあたかも独立に信号を取得しているようになる。すなわち、2枚の励起スライスからの信号を、SNの劣化もなく、同時に取得可能となる。
RF励起パルスからデータ取得AD-a、AD-bまでを、位相エンコード傾斜磁場Gyの印加量を変化させながら繰り返し、所定の位相エンコード数のデータすなわち2次元画像のデータを得る。
次のループでは、デカップリング回路SWをSW-2tからSW-2rに切り替えることとし、同様のループを繰り返し、2次元画像を取得する。コイル群を構成するRFコイルの数(m)が2より多い場合には、さらに、励起スライスの位置をz軸方向にずらしながら、測定を繰り返し、3次元領域の画像を取得する。このように繰り返し計測をすることで、連続した領域を全て測定する。なお位相エンコードを変化させる繰り返しループと励起プロファイルの位置を変化させる繰り返しループの順番はどちらが先でもよい。
本実施の形態の方法によれば、第1および第2の実施の形態と同様に、2枚の励起スライスを同時に計測できるため、SNの劣化無く、半分の測定時間で全領域からの信号を取得可能となる。また、逆に同一の測定時間であれば2倍の信号積算が可能となりSNを√2倍向上させることが可能となる。これらの効果は、受信部の系統数に応じて変化し、系統数がn(≧2)の場合、同時に取得可能な励起スライスはn個、計測時間は1/nとなる。また逆に同一の測定時間であればn倍の信号積算が可能となりSNを√n倍向上させることが可能となる。
また本実施の形態は、第1の実施の形態と比較すると、高周波磁場コイル系には送受信を切り替えるTR-SWを省略できるという装置構成上のメリットがある。また第2の実施の形態と比較すると、送信用高周波磁場コイルも分割されているのでSARを低減できるという効果も併せ持つ。さらに、受信用に局所的な感度を高めるサーフェスコイルを用いた場合にはSNを向上できるという効果もある。
以上、第1〜第3の実施の形態として、本発明の磁気共鳴測定装置、特に高周波磁場コイル系の基本的な構成とそれを用いた撮像方法について説明した。
次に、これら第1〜第3の実施の形態の高周波磁場コイル系とそれを用いた撮像方法で生じる感度むらを、後処理の計測信号の強度補正方法で解決する方法について説明する。
図12に、第1〜第3の実施の形態の高周波磁場コイル系の感度分布と得られる計測信号強度の模式図を表す。図12は横軸をz軸にとり、4つのRFコイルa1、a2、b1、b2の感度を表している。実際の感度分布は3次元的な分布であるが、ここでは簡略して特定の感度を示す線121を一本だけ記載している。この線よりもコイルに近い領域の感度が高く、遠い領域の感度が低いことを表している。これらRFコイルの感度は末端に行くに従い、感度が低くなる。例えば、コイル中心部で信号強度122あるものが、コイル周辺部では信号強度が信号強度123の斜線で示される量まで低下する。これは、全領域を測定する場合に、z軸方向にむらが生じるという問題がある。
本実施の形態では、この問題を解決するために、データ取得後に信号強度補正を行う。このため、予め各RFコイルの感度分布を求めて、補正係数を算出しておき、計算機に保存しておく。感度分布を求めるためには、予め測定対象(生体)を模擬した一様な試料(ファントム)で計測を行い、計測値が一様になるように空間的な補正係数を求めればよい。本計測で得られたデータに、該補正係数を乗算して補正値とする。
この場合、高周波磁場コイルの感度は、ファントムと測定対象とが電磁気的に十分似通っていれば、ほぼ同等と考えられる。このため、得られた補正値もほぼ実際に近い値となる。しかしファントムと測定対象との電磁気的性質が局所的に異なる場合、信号強度にむらが生じる場合がある。この場合には、ファントムにより予め感度分布を取得する方法の代わりに、測定対象の横に均一ファントムを置いて同時に測定を行い、該ファントムの計測値が均一になるように補正係数を調整してもよい。
次に上記磁気共鳴測定装置の高周波磁場コイル系の変更例および磁気共鳴測定方法の変更例を説明する。
第4の実施の形態
次に本発明の第4の実施の形態として、上記第1〜第3の実施の形態の高周波磁場コイル系とそれを用いた撮像方法で生じる感度むらを抑制するための高周波磁場コイル系の構成を説明する。図13に、第4の実施の形態の高周波磁場コイル系の模式図を示す。ここでは説明を簡単にするために、受信系のRFコイルとコイル切替器SWのみを示し、デカップリング回路等は省略している。省略した部分は図1と同様である。
本実施の形態では、複数のRFコイルの重なり度合が大きくなっており、各コイル切替器SWに接続されたコイル数を増加している点が特徴である。この図ではm=4に設定した例を示している。このような構成にした場合、下段に示すように、各コイルの中心部分の感度分布だけを追っていくと図12で示した場合と比較して、非常にむらが少なくなっていることが判る。
ここでは受信系のRFコイルのみを示したが、送信系のRFコイルについては第1〜第3の実施形態のいずれの構成を採用してもよい。即ち一つの高周波磁場コイル系が受信系と送信系とを兼ねていても良いし、送信系は受信系の全てのRFコイルの感度領域を覆う単一の広領域RFコイルでもよい。また受信系とは別に送信系が図13と同様の高周波磁場コイル系を備えていても良い。励起パルスの形状は、例えば図7に示したような励起プロファイルとする。
このような高周波磁場コイル系を備えた磁気共鳴測定装置においても、デカップリング回路のオンオフ制御によるRFコイルの切替と同時にコイル切替器により送受信系に接続するRFコイルの切替を行いながら撮像シーケンスを実行し、空間的に接近したスライスの画像を取得する。この際、撮像シーケンスを調整し、RF照射によって励起されるスライスの位置に応じて、最も感度が高くなるコイルを選択して、z軸方向の計測を繰り返す。これにより、計測された信号強度のむらを抑制することが可能となる。
なお、図13では、各コイル切替器SWに接続したコイル数m=4としているが、さらに増加してもよいことは言うまでもない。これにより、さらに感度むらを抑制することが可能となる。
第5の実施の形態
上記第4の実施の形態では、感度むらを抑制するために各受信部に接続する高周波磁場コイルの個数mを増加した系について説明したが、第5の実施の形態では受信部の系統数nを増加した例を示す。
図14に、本発明の高周波磁場コイル系の模式図を示す。図1との相違点は、送受信の系統数n=4になっている点である。
本発明の高周波磁場コイル系は、8つの送受信用のRFコイルa1、a2、b1、b2、c1、c2、d1、d2と、それらの高周波磁場的なカップリングを抑制するためのデカップリング回路SW-1、SW-2、デカップリング回路のアクティブ/インアクティブを制御するSW制御器、どの高周波磁場コイルに送受信を行うか切り替えるコイル切替器SW-a、SW-b、SW-c、SW-d、それらRFコイルの切り替えを制御するコイル制御器、およびRFコイルの送受信の切り替えを制御するTR-SW-a、TR-SW-b、TR-SW-c、TR-SW-dとからなる。デカップリング回路SW-1、SW-2の構成および制御方法ならびにコイル切替器SW-a、SW-b、SW-c、SW-dの構成および制御方法は、第1の実施の形態と同様であり説明を省略する。
本実施の形態では、送受信用RFコイルには鞍型やバードケージ型などのボリュームコイルを使用した例を示している。ただし、これら高周波磁場コイルはバードケージ型、鞍型、サーフェス型、ソレノイド型など、どのような形状であってもよく、またそれぞれが違った形状をしていてもよい。また、送信用および受信用のRFコイルの重なり度合もどのような量でも構わない。ただし、RFコイルa1、b1、c1、d1と、a2、b2、c2、d2とはそれぞれ高周波磁場的なカップリングが十分抑制されるように空間的に離れた位置に配置する。
図15に、本発明の高周波磁場コイル系を用いた撮像シーケンスの典型例を示す。基本的な動作は第1の実施の形態で例示した図6の撮像シーケンスと同様であり、説明を省略する。図6で示した撮像シーケンスと異なる点は同時に励起する励起スライスが4枚に増加している点である。これにより、同時に取得できる撮像スライス数が4枚になり、SNを劣化することなく、測定時間を1/4にすることが可能となる。
もう一つの相違点は、RF励起パルスの形状である。ここではDANTEパルスという一定間隔でブリップ上のRFを印加する例を示している。これにより、励起プロファイルを櫛形状にすることができる。なお、DANTEパルスについては、前述の特許文献7に詳しく説明されている。DANTEパルスの代わりに、4枚の励起スライスを有する励起プロファイルを逆フーリエ変換することによって、RF励起パルスの形状を求め、用いても良い。
本実施の形態の方法によれば、4枚の励起スライスを同時に計測できるため、SNの劣化無く、1/4の測定時間で全領域からの信号を取得可能となる。また、逆に同一の測定時間であれば4倍の信号積算が可能となりSNを2倍向上させることが可能となる。
本実施の形態においても、撮像シーケンスとしては、図示したSEシーケンスのほか、グラディエントエコー法やエコープラナー法など他の撮像シーケンスを採用できることは言うまでもない。
なおここでは高周波磁場コイル数mが2の場合を説明したが、第4の実施の形態と組合せることで、受信部の系統数nも、高周波磁場コイル数mも両方とも増加した系を構成できることは言うまでもない。
第6の実施の形態
次に第6の実施の形態として、さらに計測時間を短縮するための高周波磁場コイル系について説明する。本実施の形態では、上述した各実施の形態における一つのRFコイルを、その配列方向とは異なる方向に2以上に分割し、位相エンコードの繰り返し回数の少ない計測を行うことを特徴としている。位相エンコードの繰り返し回数を減らすことにより生じる折り返しアーティファクトは、分割された2以上のコイルの感度分布の差を用いて演算により除去する。
図16に、一例として図10のコイル構成のうち、高周波磁場コイルa1tとa1rの部分を拡大した図を示す。他のコイルについては本図と同様であるので省略する。図示するように、受信用コイルa1rは軸と垂直方向(y軸)に二つに分割され、a1r-1およびa1r-2にから構成されている。これにより、y軸方向にそれぞれの感度分布が生じる。すなわち、a1r-1は図面奥に感度を有し、a1r-2は図面手前に感度を有する。
このような高周波磁場コイル系を備えた撮影では、例えば、図11に示すような撮像シーケンスに従い撮像を行うが、その際、位相エンコードの繰り返し回数を減らして測定時間を短くする。通常、位相エンコードの繰り返し回数を減らすと、折り返しアーティファクトが生じてしまうが、感度分布の差を利用して、この折り返しアーティファクトを除去する。この手法はパラレル受信等の名称で知られ、特許文献6で詳しく説明されている。分割数は2に限らず、さらに増加してもよく、それにより理論的には測定時間をコイル数分の1に短縮できる。ただし、分割数が増加すると、それだけ受信系統が必要になり、装置は複雑になる。すなわち、分割数をkとすると必要な受信系統数はn×kとなり、装置構成が複雑になる。
本実施の形態によれば、上述した実施の形態における受信系統数nに応じて測定時間が1/nになるという効果に加え、さらに測定時間を短縮することが可能である。
第7の実施の形態
以上の実施の形態では、RFコイルの配列方向に垂直な方向のスライスを励起する場合を説明したが、励起スライスの軸はこれに限定されず変更することが可能である。次に、本発明の第7の実施の形態として、スライス傾斜磁場の印加方法を異ならせた撮像方法について説明する。本実施の形態は、前述した高周波磁場コイル系のうち、複数の送信用高周波磁場コイルを使用している場合に適用可能である。複数の送信用高周波磁場コイルの構成例は、第1の実施の形態の図2、第3の実施の形態の図10、第5の実施の形態の図14で説明したものである。ここでは簡単のため図2に示す高周波磁場コイル系を例にして説明する。
図17に本発明の撮像シーケンスを示す。この撮像シーケンスが、図6で示したシーケンスと相違する点は、スライスおよび位相エンコード傾斜磁場の印加方向とRF励起パルスの形状である。図6ではスライス傾斜磁場をz軸に、位相エンコードをy軸に印加していたが、本実施の形態では、スライス傾斜磁場をy軸に、位相エンコード傾斜磁場をz軸に印加する。また、RF励起パルスの形状は、図6では2枚のスライスを同時に励起するための特殊な形状をさせていたが(図7参照)、本実施例では通常のsinc関数を使用する。スライス傾斜磁場がy軸に印加されていることで、励起スライスはx−z平面となるが、アクティブであるRFコイルが空間的に離れた位置に配置されているため、各々の感度領域であるスラブ状の領域のみが励起される。励起スラブの模式図を図17下段に示す。このような励起スラブを、送信周波数を繰り返し計測ごとにずらして、互いに励起領域が重ならないように移動していく。ここでは、最初にコイルa1、b1をアクティブにして、周波数f1で励起される領域を計測し、次にコイルa2、b2をアクティブに、周波数もf2に切り替えて、それぞれの励起スラブが重ならないように、励起領域を調整している。
シーケンスを詳細に説明する。
まず、TR-SWを送信Tに、Coil SWをSW-1に設定し、スライス傾斜磁場Gyを印加しながらRF励起パルスを印加する。この際、図17下段に示すように、励起プロファイルがコイルa1とコイルb1に水平な平面になるようにスライス選択傾斜磁場GyおよびRF励起パルスを調整する。このような調整方法としては、一般的な領域選択用sincパルスや、それを変形したパルスを使用すればよい。またここではスライス選択傾斜磁場GyがRF印加中一定の場合を示しているが、それに限らない。次に、励起領域内の磁気共鳴信号がエコーを結ぶように読出し傾斜磁場Gxを印加する。また、z方向の空間情報を得るために、位相エンコード傾斜磁場Gzを印加する。次に、スライス選択傾斜磁場Gyを印加しながらRF反転パルスを印加する。RF反転パルスとしては、一般的な領域選択用sincパルスや、それを変形したパルスを使用する。
次に、TR-SWを受信Rに切り替え、読出し傾斜磁場Gxを印加して磁気共鳴信号のエコーを結ばせながら、データ受信系統a、b共にデータ取得AD-a、AD-bを行う。ここで、高周波磁場コイルa1、b1のみがアクティブになっており、高周波磁場コイルa2、b2はインアクティブに制御している。高周波磁場コイルa1とb1とは空間的に十分離れているため、両者がアクティブになっていても、高周波磁場的なカップリングは生じない。もちろん、SW-2がインアクティブになっているのでa2、b2との高周波磁場的なカップリングも生じない。このため高周波磁場コイルa1とb1は、それぞれあたかも独立に信号を取得しているようになる。すなわち、2枚の励起スラブからの信号を、SNの劣化もなく、同時に取得可能となる。
RF励起パルスからデータ取得AD-a、AD-bまでを、位相エンコード傾斜磁場Gzの印加量を変化させながら繰り返し、所定の位相エンコード数のデータすなわち2次元画像のデータを得る。
次にデカップリング回路SWをSW-2に切り替えると同時に励起周波数もf1からf2に切り替えて、同様のループを繰り返し、3次元画像を取得する。なお位相エンコードを変化させる繰り返しループと励起スラブの位置を変化させる繰り返しループの順番はどちらが先でもよい。即ち、同一の位相エンコードで、順次、Coil SWをSW-1からSW-2に切り替えて図17に示すシーケンスを実行し、その後位相エンコードを変化させて、再度Coil SWをSW-1からSW-2に切り替えて図17に示すシーケンスを実行するようにしてもよい。このように励起スライス位置を変化させるループを先にする(内側ループとする)場合は、励起スラブ内の核磁気の緩和を待つ必要がないため、計測繰り返し時間(TR)を短くし、計測時間を短縮することができる。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態或いは第3の実施の形態と同様に、SNの劣化無く、半分の測定時間で全領域からの信号を取得可能となる。また、逆に同一の測定時間であれば2倍の信号積算が可能となりSNを√2倍向上させることが可能となる。アクティブな高周波磁場コイルの近傍のみにRF照射するため、SARを低減する効果がある。
また本実施の形態についても、第1〜第3の実施の形態において説明した感度むらの補正方法(図12)や、RFコイルの重なり度合いの変更(図13)、コイル群数やコイル群を構成するRFをコイル数の変更(図14)、パラレル受信との併用(図16)などを採用することができる。
また撮像シーケンスについても、SEシーケンスのほか、グラディエントエコー法やエコープラナー法、高速SE法など他の計測シーケンスに適用可能なことは言うまでもない。
第8の実施の形態
次に本発明の第8の実施の形態として、ベッドの移動を伴う撮影方法について説明する。図18に本実施の形態が適用される磁気共鳴測定装置の全体構成図を示す。図18において図1に示す磁気共鳴測定装置と同一の要素は、図1と同じ符号で示す。またその説明は省略する。
この磁気共鳴測定装置が、図1の磁気共鳴測定装置と異なる点は、計算機14からの制御信号を受けてベッド移動を制御するベッド移動制御装置25と、ベッド移動制御装置25からの制御信号を受けてベッドの位置を移動するベッド移動駆動装置26が追加されている点である。計算機14は、ベッドの移動量を計算し、ベッド移動開始/終了と移動速度の制御信号をベッド移動制御装置25へ送出する。ベッド移動制御装置25は、受け取った制御信号に従い、ベッド移動駆動装置26を動作させる。この際、位置精度を高めるために、ベッド位置の検出装置と組み合わせて、移動量にフィードバックする構成としてもよい。なおベッド位置の検出装置としては、通常の磁気共鳴測定装置のベッドに備えられているエンコーダを利用することができる。
この磁気共鳴測定装置の高周波磁場コイル系は、上述した第1〜第6の実施の形態の高周波磁場コイル系のいずれでもよいが、コイル形状は測定対象と共に移動するサーフェスコイルではなく、装置に固定されるボリュームコイルであることが望ましい。ここでは図2に示す高周波磁場コイル系を用いる場合を説明する。コイル群は、その配列方向がベッドの移動方向に一致するように配置される。
次に上記磁気共鳴測定装置による撮影方法を説明する。図19に本撮影方法を実現する撮像シーケンスの典型例を示す。この撮像シーケンスは、図6に示した撮像シーケンスを基にしており、相違点は最下段にベッド位置の制御が加えられている点である。すなわち、まずベッド位置0にベッドを固定するとともにCoil SWをSW-1に設定した状態で、RF照射からエコー計測の間でT―Rを切替える撮像シーケンスを、Coil SWで設定するデカップリング回路を変えながら繰り返し、コイル群を構成する全てのRFコイルによる受信を行なう。この場合も、位相エンコードを変化させる繰り返しループと励起プロファイルの位置を変化させる繰り返しループの順番はどちらが先でもよい。両ループの計測を含む一連の計測が終了した後、ベッドをベッド位置0からベッド位置1に移動して固定し、同様に一連の計測を行なう。
この場合、1回にベッドが移動する量、すなわちベッド0とベッド位置1との間隔は、コイル群を構成する複数のRFコイルの配列方向がコイル群の配列方向と同じである高周波磁場コイル系の場合には、RFコイル間の距離より狭くする。図19下側に装置に固定された高周波磁場コイル系a1、a2、b1、b2に対し、測定対象10をコイルの配列方向(z軸方向)に移動する様子を示す。図示するように、高周波磁場コイル系a1、a2、b1、b2の感度分布は、各RFコイルの中心では最も高く、中心から離れるにつれて低くなる。従って、RFコイルの中間のスライスでは信号強度が低下した画像となる。本実施の形態の撮像方法では、測定対象10の位置をコイル間の間隔より狭い間隔でz軸方向にずらしながら測定を繰り返すことにより、各高周波磁場コイルの常に中心付近に励起スライスを保持することが可能となる。これにより感度むらの影響を除去することが可能となる。これは図13に示す実施の形態において、コイル群を構成する各RFコイルのオーバーラップ度を高めた場合と同様の効果が得られる。
なおここではベッドを隣接するRFコイル間の低い感度分布による信号強度低下を補償するために、隣接するRFコイル間でベッドを移動させる場合を説明したが、ベッド移動制御装置25及びベッド移動駆動装置26を備えた磁気共鳴測定装置においては、測定対象を移動させながら撮像を繰り返すことによって、高周波コイル群がカバーする撮像領域よりも広い領域を撮像することが可能である。さらに、ベッドを移動する間隔dでRFコイル間の間隔Lを除した数が整数でなく且つL/dの余を適切な値となるように間隔dを調整することにより、測定対象の広い領域に亘って、RFコイルの間隔Lよりも狭い間隔で複数スライスからの信号を同時取得しながら、高速に撮像を行なうことができる。例えば、図19下側で、コイル間隔を5cm、励起スライス厚を1cm以下とした場合に、ベッド移動間隔を4cmとすると高速に広い領域を等間隔のスライスで撮像することが可能である。一般にコイルの総数nmとするとd=L*nm/(nm+1)とすることにより、高速かつ等間隔なスライスの撮像が可能となる。
以上、本発明の磁気共鳴測定装置、特に高周波磁場コイル系の構成とそれを用いた撮像方法の実施の形態を説明した。本発明の各実施の形態の撮像方法は、通常の水の緩和時間を主体としたイメージングシーケンスのみならず、分子の拡散運動の強度を計測する拡散イメージングにも適用できる。この場合にも、特に体動の大きな胸部や腹部の撮像に、高速測定方法と組み合わせて使用すると効果的であり、以下のような従来の問題を解決できる。通常のSE法では位相エンコードの繰り返しの間の体動により画像が乱れるという問題が発生する。また、胸腹部領域の他の撮像方法として、励起領域を線上にするラインスキャンと呼ばれる方法も提案されているが、体動が大きな場合には励起領域の継ぎ目が上手く合わないという体動アーティファクトが発生する。また、拡散イメージングを用いてADC(見かけ上の拡散係数)を計測する場合、拡散傾斜磁場の強度を変化させながら複数の画像を撮る必要がある。この場合にも、測定時間が長いと体動により位置ずれが生じ、正確なADCが計測できないという問題が発生する。本発明の方法は、複数スライスを同時に計測することで、測定時間を大幅に短縮できるため、体動の影響を軽減できるという効果がある。
次に本発明の適用例として、本発明の高周波磁場コイル系を用いたスペクトロスコピックイメージングについて説明する。スペクトロスコピックイメージングは、生体内に含まれる微量の化学物質を、ケミカルシフトで分離しながら、位置情報を付与してイメージングする方法である。そのため、SNが低く、十分なSNを得るために長い計測時間が必要とされてきた。本実施の形態によれば、この長い計測時間を短縮することが可能である。簡単のため、実施例の図1の高周波磁場コイル系を例にして説明するが、他の実施例で示した高周波磁場コイル系を使用可能なことは言うまでもない。
図20に、本発明の高周波磁場コイル系を用いたスペクトロスコピックイメージングのシーケンスの典型例を示す。図20上段は横軸に時間、縦軸に高周波磁場RF、傾斜磁場Gx、Gy、Gz、データ取得AD、送受信切替TR-SW、コイル切替Coil SWをとり、それぞれの動作タイミングと強度を表したシーケンス図である。ここではスペクトロスコピックイメージングで一般に使用される2次元位相エンコードを例にとって説明する。なお、本シーケンスでは簡単のため、図1の高周波磁場コイル系の軸方向をz軸として説明する。
まず、TR-SWを送信Tに、Coil SWをSW-1に設定し、スライス選択傾斜磁場Gzを印加しながらRF励起パルスを印加する。この際、図20下段に示すように、励起プロファイルがコイルa1とコイルb1に垂直な平面になるようにGzおよびRF励起パルスを調整する。この調整方法については第1の実施の形態と同様である。次に、x方向とy方向の空間情報を得るために、GxとGyにそれぞれ印加量を変化させながら位相エンコード傾斜磁場を印加する。次に、Gzを印加しながらRF反転パルスを印加する。この際にも励起パルスで励起された磁気共鳴信号が反転するように、GzおよびRF励起パルスの強度と位相を調整する。
次に、TR-SWを受信Rに切り替え、データ受信系統a、b共にデータ取得AD-a、AD-bを行う。ここで、高周波磁場コイルa1、b1のみがアクティブになっており、高周波磁場コイルa2、b2はインアクティブに制御している。高周波磁場コイルa1とb1とは空間的に十分離れているため、両者がアクティブになっていても、高周波磁場的なカップリングは生じない。もちろん、SW-2がインアクティブになっているのでa2、b2との高周波磁場的なカップリングも生じない。このため高周波磁場コイルa1とb1は、それぞれあたかも独立に信号を取得しているようになる。すなわち、2枚の励起スライスからの信号を、SNの劣化もなく、同時に取得可能となる。
この一連のシーケンスを、次のループではCoil SWをSW-2に切り替えて繰り返す。さらに、位相エンコード量を変化させながら測定を繰り返し、3次元(ケミカルシフト、x、y)のスペクトロスコピックイメージを取得する。さらに、励起スライスの位置をz軸方向にずらしながら、測定を繰り返し、4次元領域(ケミカルシフト+3次元空間)のスペクトロスコピックイメージを取得する。このように繰り返し計測をすることで、連続した領域を全て測定する。
本発明の方法によれば、2枚の励起スライスを同時に計測できるため、SNの劣化無く、半分の測定時間で全領域からの信号を取得可能となる。また、逆に同一の測定時間であれば2倍の信号積算が可能となりSNを√2倍向上させることが可能となる。また、本方法では送信系についても複数のRFコイルからなる高周波磁場コイル系を用い、アクティブな高周波磁場コイルの近傍のみにRF照射するため、SARを低減する効果がある。この効果は高周波磁場コイルの重なり具合にもよるが、全く重なりがない場合で約半分の効果が期待できる。このようなSAR抑制は、測定対象の保護の観点から、静磁場強度が高くなればなるほど重要な要素となる。
なお、本例では2系統の受信部を使用した場合を説明したが、第5の実施の形態で説明したように、系統数を増加することで、計測時間短縮などの効果を増強することが可能である。受信部の系統数がnの場合、同時に取得可能な励起スライスはn個、計測時間は1/nとなる。また、一定の計測時間であれば、SNを√n倍に向上できるという効果もある。また、送信に使用するコイル群を構成するコイルの数がmの場合、SAR抑制効果は最大1/mになるという効果もある。
なお、本シーケンスは典型的な2次元位相エンコードのシーケンスを表したもので、エコープラナースペクトロスコピックイメージングなど他の計測シーケンスに適用可能なことは言うまでもない。さらに分子の拡散運動の強度を計測する拡散イメージングと組み合わせた拡散スペクトロスコピックイメージングに適用可能なことも言うまでもない。
本発明によれば、連続した領域を高いSNで且つ計測時間を延長することなく計測できる磁気共鳴測定装置および方法が提供される。本発明を、例えば体動のある部位の撮像に適用することにより、体動アーティファクトを抑制した画像を得ることができる。また本発明は、SNの劣化がないので、化学種毎に信号を得るため高い信号強度を確保できないスペクトロスコッピクイメージングに適用して高い効果が得られる。
本発明が適用される磁気共鳴測定装置の構成例を表す図 第1の実施の形態の高周波磁場コイル系を表す模式図 本発明に用いる高周波磁場コイルのデカップリング回路 本発明に用いる高周波磁場コイルのコイル切替器の構成例を表す図 本発明に用いる高周波磁場コイルのコイル切替器の他の構成例を表す図 第1の実施の形態の高周波磁場コイル系を用いる撮像シーケンスを表す図 本発明に用いる高周波磁場波形の一例を表す図 第2の実施の形態の高周波磁場コイル系を表す模式図 第2の実施の形態の高周波磁場コイル系を用いる撮像シーケンスを表す図 第3の実施の形態の高周波磁場コイル系を表す模式図 第3の実施の形態の高周波磁場コイル系を用いる撮像シーケンスを表す図 本発明で計測されたデータの信号強度補正方法を表す模式図 第5の実施の形態の高周波磁場コイル系を表す模式図 第6の実施の形態の高周波磁場コイル系を表す模式図 第6の実施の形態の高周波磁場コイル系を用いる撮像シーケンスを表す図 第7の実施の形態の高周波磁場コイル系を表す模式図 本発明の高周波磁場コイル系を用いる撮像シーケンスの他の実施の形態を表す図 本発明が適用される磁気共鳴測定装置の別の構成例を表す図 本発明の高周波磁場コイル系を用いる測定対象移動を伴う撮像方法を表す図 本発明の高周波磁場コイル系を用いるスペクトロスコピックイメージングの撮像シーケンスを表す図
符号の説明
10・・・測定対象、11・・・静磁場発生コイル、12・・・傾斜磁場発生コイル、13・・・高周波磁場コイル系、14・・・計算機、21・・・SW制御器、22・・・コイル制御器、25・・・ベッド移動制御装置、26・・・ベッド移動駆動装置。

Claims (8)

  1. 静磁場発生系と、静磁場中に置かれた測定対象に高周波磁場を照射する送信手段と、前記測定対象の核磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した核磁気共鳴信号を用いて前記測定対象の画像及び/又はスペクトルを作成する信号処理系とを備えた磁気共鳴測定装置を用いた磁気共鳴測定方法において、
    前記受信手段は、複数の受信部と、前記複数の受信部の各々に接続される複数のコイル群とを備え、
    各コイル群は、複数の高周波磁場コイルからなるとともに前記複数の高周波磁場コイルがそれぞれ隣接するコイル群の少なくとも一つの高周波磁場コイルと空間的に干渉しない位置となるように一軸方向に配置され、さらに
    前記各コイル群を構成する複数の高周波磁場コイルのうち、コイル群毎に一つを順次オンに切り替えるように前記高周波磁場コイルのオンオフを制御するオンオフ制御手段と、前記複数の高周波磁場コイルの一つを選択的に前記受信部に接続させるコイル切替手段とを備え、
    前記コイル群の配列方向と垂直な方向であって、前記コイル群の個数以下の複数の断面を励起する励起プロファイルの高周波磁場を測定対象に照射するステップと、
    コイル群毎に一つであり且つ互いに干渉しない高周波磁場コイルをオンにするとともに、コイル群毎に測定対象の核磁気共鳴信号を同時に受信するステップとを、
    オンにする高周波コイルを順次切り替えながら繰り返し、
    前記高周波磁場を照射するステップと前記核磁気共鳴信号を受信するステップとの繰り返しにおいて、前記測定対象を前記コイル群の配列方向に移動するステップを含み、
    各コイル群の複数の高周波磁場コイルで受信した核磁気共鳴信号を用いて前記測定対象の画像及び/又はスペクトルを作成することを特徴とする磁気共鳴測定方法。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴測定方法であって、
    前記高周波磁場を照射するステップは、核磁気共鳴信号を受信するコイルと同一の高周波磁場コイルを用い、コイル群毎に一つであり且つ互いに干渉しない高周波磁場コイルをオンにして行い、
    高周波磁場の照射後に高周波磁場コイルを送信系から受信系に切り替え、
    前記核磁気共鳴信号を同時に受信するステップは、前記高周波磁場を照射するステップでオンにされた高周波磁場コイルを用いて行うことを特徴とする磁気共鳴測定方法。
  3. 請求項1に記載の磁気共鳴測定方法であって、
    前記送信手段は、少なくとも一つの送信用高周波磁場コイルと前記送信用高周波磁場コイルのオンオフを制御するオンオフ制御手段とを備え、
    前記高周波磁場を照射するステップは、前記受信手段を構成する複数のコイル群の高周波磁場コイルの全てをオフにして、前記送信用高周波磁場コイルを用いて行い、
    前記核磁気共鳴信号を同時に受信するステップは、前記送信用高周波磁場コイルをオフにして、行うことを特徴とする磁気共鳴測定方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の磁気共鳴測定方法であって、
    前記高周波磁場を照射するステップで照射される高周波磁場は、所望の励起プロファイルを逆フーリエ変換することによって求められるパルス波形であるか、DANTEパルスであることを特徴とする磁気共鳴測定方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気共鳴測定方法において、
    前記測定対象を移動するステップでは、コイル群の配列間隔よりも狭い移動幅で前記測定対象を移動することを特徴とする磁気共鳴測定方法。
  6. 請求項1に記載の磁気共鳴測定方法であって、
    各コイル群の複数の高周波磁場コイルで受信した核磁気共鳴信号を用いてスペクトロスコピックイメージを作成するステップを含むことを特徴とする磁気共鳴測定方法。
  7. 静磁場発生系と、静磁場中に置かれた測定対象に高周波磁場を照射する送信手段と、前記測定対象の核磁気共鳴信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した核磁気共鳴信号を用いて前記測定対象の画像及び/又はスペクトルを作成する信号処理系とを備えた磁気共鳴測定装置を用いた磁気共鳴測定方法において、
    前記受信手段は、複数の受信部と、前記複数の受信部の各々に接続される複数のコイル群とを備え、前記送信手段は、複数のコイル群を有し、
    前記受信手段および前記送信手段の各コイル群は、複数の高周波磁場コイルからなるとともに前記複数の高周波磁場コイルがそれぞれ隣接するコイル群の少なくとも一つの高周波磁場コイルと空間的に干渉しない位置となるように一軸方向に配置され、さらに
    前記受信手段は、前記受信手段の各コイル群を構成する複数の高周波磁場コイルのうち、コイル群毎に一つを順次オンに切り替えるように前記受信手段の高周波磁場コイルのオンオフを制御するオンオフ制御手段と、前記受信手段の複数の高周波磁場コイルの一つを選択的に前記受信部に接続させるコイル切替手段とを備え、
    前記送信手段は、送信用の高周波磁場コイルのオンオフを制御するオンオフ制御手段を備え、
    前記受信手段のコイル群の配列方向と垂直な方向であって、前記受信手段のコイル群の個数以下の複数の断面を励起する励起プロファイルの高周波磁場を測定対象に照射するステップと、
    前記受信手段のコイル群毎に一つであり且つ互いに干渉しない高周波磁場コイルをオンにするとともに、前記受信手段のコイル群毎に測定対象の核磁気共鳴信号を同時に受信するステップとを、
    オンにする高周波コイルを順次切り替えながら繰り返し、
    前記高周波磁場を照射するステップは、前記受信手段を構成する複数のコイル群の高周波磁場コイルの全てをオフにして、前記送信手段を構成する各コイル群の高周波磁場コイルの一つであって且つ互いに干渉しない高周波磁場コイルを順次オンに切り替えて行い、
    前記核磁気共鳴信号を同時に受信するステップは、前記送信用高周波磁場コイルをオフにして行い、
    各コイル群の複数の高周波磁場コイルで受信した核磁気共鳴信号を用いて前記測定対象の画像及び/又はスペクトルを作成することを特徴とする磁気共鳴測定方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の磁気共鳴測定方法において、
    さらに、複数の高周波磁場コイルが受信した核磁気共鳴信号の感度むらを補正する補正ステップを備えたことを特徴とする磁気共鳴測定方法。
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