本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図2は本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態を示す構成図である。
磁気共鳴イメージング装置20は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石21と、この静磁場用磁石21の内部に設けられたシムコイル22、傾斜磁場コイル23およびRFコイル24とを図示しないガントリに内蔵した構成である。
また、磁気共鳴イメージング装置20には、制御系25が備えられる。制御系25は、静磁場電源26、傾斜磁場電源27、シムコイル電源28、送信器29、受信器30、シーケンスコントローラ31およびコンピュータ32を具備している。制御系25の傾斜磁場電源27は、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zで構成される。また、コンピュータ32には、入力装置33、表示装置34、演算装置35および記憶装置36が備えられる。
静磁場用磁石21は静磁場電源26と接続され、静磁場電源26から供給された電流により撮像領域に静磁場を形成させる機能を有する。尚、静磁場用磁石21は超伝導コイルで構成される場合が多く、励磁の際に静磁場電源26と接続されて電流が供給されるが、一旦励磁された後は非接続状態とされるのが一般的である。また、静磁場用磁石21を永久磁石で構成し、静磁場電源26が設けられない場合もある。
また、静磁場用磁石21の内側には、同軸上に筒状のシムコイル22が設けられる。シムコイル22はシムコイル電源28と接続され、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて静磁場が均一化されるように構成される。
傾斜磁場コイル23は、X軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zで構成され、静磁場用磁石21の内部において筒状に形成される。傾斜磁場コイル23の内側には寝台37が設けられて撮像領域とされ、寝台37には被検体Pがセットされる。RFコイル24はガントリに内蔵されず、寝台37や被検体P近傍に設けられる場合もある。
また、傾斜磁場コイル23は、傾斜磁場電源27と接続される。傾斜磁場コイル23のX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zはそれぞれ、傾斜磁場電源27のX軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zと接続される。
そして、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zからそれぞれX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zに供給された電流により、撮像領域にそれぞれX軸方向の傾斜磁場Gx、Y軸方向の傾斜磁場Gy、Z軸方向の傾斜磁場Gzを形成することができるように構成される。
RFコイル24は、送信器29および受信器30と接続される。RFコイル24は、送信器29からRF信号を受けて被検体Pに送信する機能と、被検体P内部の原子核スピンのRF信号による励起に伴って発生したNMR信号を受信して受信器30に与える機能を有する。
図3は図2に示すRFコイル24の詳細構成の一例を示す図であり、図4は図3に示す被検体Pの体表側に設けられるコイル要素24cの配置例を示す図、図5は図3に示す被検体Pの背面側に設けられるコイル要素24cの配置例を示す図である。
図3に示すようにRFコイル24は、筒状の全身用(WB:whole-body)24aコイルとフェーズドアレイコイル24bを備えている。フェーズドアレイコイル24bは、複数のコイル要素24cを備えており、被検体Pの体表側と背面側とにそれぞれ複数のコイル要素24cが配置される。
例えば図4に示すように被検体の体表側には、広範囲の撮影部位がカバーされるようにx方向に4列、z方向に8列の合計32個のコイル要素24cが配置される。また、図5に示すように被検体の背面側にも同様に広範囲の撮影部位がカバーされるようにx方向に4列、z方向に8列の合計32個のコイル要素24cが配置される。背面側では、被検体Pの背骨の存在を考慮した感度向上の観点から、体軸付近に他のコイル要素24cよりも小さいコイル要素24cが配置される。
一方、受信器30は、デュプレクサ30a,アンプ30b、切換合成器30cおよび受信系回路30dを備えている。デュプレクサ30aは、送信器29、WB24aコイルおよびWB24aコイル用のアンプ30bと接続される。アンプ30bは、各コイル要素24cおよびWB24aコイルの数だけ設けられ、それぞれ個別に各コイル要素24cおよびWB24aコイルと接続される。切換合成器30cは、単一または複数個設けられ、切換合成器30cの入力側は、複数のアンプ30bを介して複数のコイル要素24またはWB24aコイルと接続される。受信系回路30dは、各コイル要素24cおよびWB24aコイルの数以下となるように所望の数だけ設けられ、切換合成器30cの出力側に設けられる。
WB24aコイルは、RF信号の送信用のコイルとして用いることができる。また、NMR信号の受信用のコイルとして各コイル要素24cを用いることができる。さらに、WB24aコイルを受信用のコイルとして用いることもできる。
このため、デュプレクサ30aは、送信器29から出力された送信用のRF信号をWB24aコイルに与える一方、WB24aコイルにおいて受信されたNMR信号を受信器30内のアンプ24dを経由して切換合成器30cに与えるように構成されている。また、各コイル要素24cにおいて受信されたNMR信号もそれぞれ対応するアンプ24dを経由して切換合成器30cに出力されるように構成されている。
切換合成器30cは、コイル要素24cやWB24aコイルから受けたNMR信号の合成処理および切換を行って、対応する受信系回路30dに出力するように構成されている。換言すれば、受信系回路30dの数に合わせてコイル要素24cやWB24aコイルから受けたNMR信号の合成処理および切換が切換合成器30cにおいて行われ、所望の複数のコイル要素24cを用いて撮影部位に応じた感度分布を形成して様々な撮影部位からのNMR信号を受信できるように構成されている。
ただし、コイル要素24cを設けずに、WB24aコイルのみでNMR信号を受信するようにしてもよい。また、切換合成器30cを設けずに、コイル要素24cやWB24aコイルにおいて受信されたNMR信号を直接受信系回路30dに出力するようにしてもよい。さらに、より多くのコイル要素24cを広範囲に亘って配置することもできる。
一方、制御系25のシーケンスコントローラ31は、傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30と接続される。シーケンスコントローラ31は傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させるために必要な制御情報、例えば傾斜磁場電源27に印加すべきパルス電流の強度や印加時間、印加タイミング等の動作制御情報を記述したシーケンス情報を記憶する機能と、記憶した所定のシーケンスに従って傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させることによりX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場GzおよびRF信号を発生させる機能を有する。
また、シーケンスコントローラ31は、受信器30におけるNMR信号の検波およびA/D変換により得られた複素データである生データ(raw data)を受けてコンピュータ32に与えるように構成される。
このため、送信器29には、シーケンスコントローラ31から受けた制御情報に基づいてRF信号をRFコイル24に与える機能が備えられる一方、受信器30には、RFコイル24から受けたNMR信号を検波して所要の信号処理を実行するとともにA/D変換することにより、デジタル化された複素データである生データを生成する機能と生成した生データをシーケンスコントローラ31に与える機能とが備えられる。
また、コンピュータ32の記憶装置36に保存されたプログラムを演算装置35で実行することにより、コンピュータ32には各種機能が備えられる。ただし、プログラムによらず、各種機能を有する特定の回路を磁気共鳴イメージング装置20に設けてもよい。
図6は、図2に示すコンピュータ32の機能ブロック図である。
コンピュータ32は、プログラムにより撮影条件設定部40、シーケンスコントローラ制御部41、k空間データベース42、位相補正データ作成部43、位相エンコード方向位相補正部44、リードアウト方向位相補正部45、画像再構成部46、画像データベース47、画像処理部48および感度マップデータベース49として機能する。また、画像処理部48は展開処理部50およびアベレージング処理部51を備えている。
撮影条件設定部40は、入力装置33からの指示情報に基づいてSS SE EPIシーケンスを含む撮影条件を設定し、設定した撮影条件をシーケンスコントローラ制御部4141に与える機能を有する。撮影条件設定部40において設定されるSS SE EPIシーケンスは、イメージング用のSS SE EPIシーケンスと、位相補正用のテンプレートデータを収集するためのSS SE EPIシーケンスとにより構成される。
テンプレートデータの収集用のSS SE EPIシーケンスは、位相エンコード用の傾斜磁場パルスが印加されないSS SE EPIシーケンスである。ただし、テンプレートデータ自体の誤差を補正するために傾斜磁場パルスの印加をテンプレートデータの収集用のSS SE EPIシーケンスに付加することができる。
テンプレートデータの収集用のSS SE EPIシーケンスは、1回実行された後または2回連続的に繰り返された後、イメージング用のSS SE EPIシーケンスが生成すべき画像の枚数に対応する回数だけ繰り返し実行される。さらに、1回または2回のテンプレートデータの収集用のSS SE EPIシーケンスおよび画像の枚数分のイメージング用のSS SE EPIシーケンスは、後述するアベレージング処理の対象となる画像データの数に相当する回数だけ繰り返される。
また、必要に応じて撮影条件設定部40では、DWIの取得用のMPGパルスの印加を任意軸方向に設定することができる。さらに、撮影条件設定部40では、パラレルイメージング(PI: parallel imaging)による撮影条件を設定することもできる。
PIは、複数のコイル要素24cを用いてエコーデータを受信し、かつ位相エンコードをスキップさせることによって位相エンコード数を画像再構成に必要な位相エンコード数のコイル要素24cの数分の1に減らす撮像である。複数のエコー信号を連続的に収集するEPI法によるスキャンは、多くの場合、PIによって実行される。PIが行われる場合には、エコーデータの収集に用いるコイル要素24cの数や各コイル要素24cと撮影部位を関連付けた情報を始めとしてPIに必要な情報が撮影条件として設定される。
シーケンスコントローラ制御部41は、入力装置33からのスキャン開始指示情報に従って、シーケンスコントローラ31に撮影条件設定部40から取得した撮影条件を与えることにより駆動制御させる機能を有する。また、シーケンスコントローラ制御部4140は、シーケンスコントローラ31から生データを受けてk空間データベース42に形成されたk空間に配置する機能を有する。このため、k空間データベース42には、受信器30において生成された各生データがk空間データとして保存され、k空間データベース42に形成されたk空間にk空間データが配置される。
尚、撮影条件とされるSS SE EPIシーケンスには、イメージング用のSS SE EPIシーケンスと、位相補正用のテンプレートデータを収集するためのSS SE EPIシーケンスとが含まれるため、k空間データベース42にはイメージング用の時系列のk空間データと時系列の位相補正用のテンプレートデータが保存されることとなる。
位相補正データ作成部43は、k空間データベース42から異なるタイミングで収集された時系列の複数のテンプレートデータを読み込んでイメージング用のk空間データの位相エンコード方向の位相補正用のデータと、リードアウト方向の位相補正用のデータとを作成する機能と、位相エンコード方向の位相補正データを位相エンコード方向位相補正部44に与える一方、リードアウト方向の位相補正データをリードアウト方向位相補正部45に与える機能とを有する。
位相エンコード方向の位相補正データは、時系列の複数のテンプレートデータに対して、リードアウト方向に1次元(1D)の高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier Transform)を行うことにより時系列の複数のデータを再構成し、1D FFT後の基準となるデータ、例えば最初のデータと他のデータとの間における位相の差分をとることにより位相差分データとして求めることができる。このようにして求められた位相差分データは、位相エンコード方向における位相の差分値を表す。
尚、テンプレートデータが断続的に1回収集される場合には、全てのテンプレートデータに1D FFTを施した後、位相についての差分処理を行うことにより位相差分データを求めることができる。また、テンプレートデータが2回連続的に収集され、2回の連続収集が断続的に繰り返される場合には、連続収集されるペアをなすテンプレートデータの一方(先に収集される時系列のテンプレートデータまたは後に収集される時系列のテンプレートデータ)に1D FFTを施した後、位相についての差分処理を行うことにより位相差分データを求めることができる。
一方、リードアウト方向の位相補正データは、テンプレートデータが断続的に1回ずつ繰り返して収集される場合には、時系列のそれぞれのテンプレートデータを対応するイメージング用のk空間データに対するリードアウト方向の位相補正データとすることができる。また、テンプレートデータが2回連続的に収集され、2回の連続収集が断続的に繰り返される場合には、連続収集されるペアをなす2つのテンプレートデータ間における位相の差分値をそれぞれ求め、時系列の差分値をそれぞれ対応するメージング用のk空間データに対するリードアウト方向の位相補正データとすることができる。
位相エンコード方向位相補正部44は、k空間データベース42からk空間データを読み込んで、位相補正データ作成部43から取得した位相エンコード方向の位相補正データを用いてk空間データの位相エンコード方向の位相補正処理を行う機能と、位相エンコード方向の位相補正後のk空間データをリードアウト方向位相補正部45に与える機能とを有する。具体的には、位相エンコード方向の位相補正データとされる位相差分データを位相エンコード方向の位相の傾きに変換し、位相の変化量を用いてk空間データの位相エンコード方向の位相補正処理を行うことができる。
リードアウト方向位相補正部45は、位相エンコード方向位相補正部44から取得した位相エンコード方向の位相補正後のk空間データに対して位相補正データ作成部43から取得したリードアウト方向の位相補正データを用いてk空間データのリードアウト方向の位相補正処理を行う機能と、リードアウト方向の位相補正後のk空間データを画像再構成部46に与える機能とを有する。
画像再構成部46は、リードアウト方向位相補正部45から位相エンコード方向およびリードアウト方向の位相補正後のk空間データを取得してFTを含む画像再構成処理を施すことにより実空間データである被検体Pの画像データを再構成する機能と、再構成して得られた画像データを画像データベース47に書き込む機能を有する。このため、画像データベース47には、画像再構成部46において再構成された画像データが保存される。
尚、イメージング用のSS SE EPIシーケンスは、後述するアベレージング処理の対象となる画像データの数に相当する回数だけ繰り返されるため、1枚の画像についてアベレージング処理の対象となる画像データの数だけ画像データが画像データベース47に保存されることとなる。また、PIにより収集されたデータから画像データが収集された場合には、各コイル要素24cに対応する複数の画像データが画像データベース47に保存されることとなる。
画像処理部48は、画像データベース47から画像データを取り込んでアベレージング処理やその他の必要な画像処理を行う機能と、画像処理によって生成した表示用の2次元の画像データを表示装置34に表示させる機能を有する。アベレージング処理は、1枚分の画像データに対応して時系列に収集された複数の画像データに対する加算平均処理である。アベレージング処理を行う機能はアベレージング処理部51に設けられる。
また、PIにより収集されたデータから画像データが収集された場合には、各コイル要素24cに対応する画像データに対してPIの条件に基づいてPIにおける後処理である展開(unfolding)処理を行うことにより、展開された画像データが生成される。unfolding処理には、各コイル要素24cの感度分布が用いられる。PIのunfolding処理を行う機能は、展開処理部50に設けられる。
また、unfolding処理に必要な各コイル要素24cの感度マップデータは、予め感度マップデータベース49に保存される。そして、展開処理部50は、感度マップデータベース49に保存された各コイル要素24cの感度マップデータを参照できるように構成される。
尚、アベレージング処理とPIのunfolding処理の実行順序は任意である。
次に磁気共鳴イメージング装置20の動作および作用について説明する。
図7は、図2に示す磁気共鳴イメージング装置20によりSS SE EPIシーケンスに従ってリードアウト方向および位相エンコード方向の位相補正処理およびアベレージング処理を伴って被検体Pの画像を撮像する際の手順を示すフローチャートであり、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
まずステップS1において、撮影条件設定部40において、テンプレートデータの収集およびイメージング用の生データの収集をそれぞれ断続的に繰り返して行うSS SE EPIシーケンスが撮影条件として設定される。すなわち、テンプレートデータの収集用のSS SE EPIシーケンスおよびイメージング用の生データの収集用のSS SE EPIシーケンスが繰り返し実行されるように撮影条件が設定される。
図8は、図6に示す撮影条件設定部40において設定されるイメージング用の生データの収集用のSS SE EPIシーケンスの一例を示す図である。
図8において、RFは、RF励起パルスを、ECHOは、エコー信号を、Gssは、スライス選択(SS: slice selection)用の傾斜磁場を、Groは、リードアウト(RO: readout)用の傾斜磁場を、Gpeは、位相エンコード(PE: phase encode)用の傾斜磁場を、それぞれ示す。
図8に示すように、SS SE EPIシーケンスでは、90°励起パルスに続いて180°励起パルスがスライス選択用傾斜磁場パルスとともに印加される。また、90°励起パルスと180°励起パルスとの間には、傾斜磁場のモーメントの調整を行うためのTUNEと呼ばれる傾斜磁場パルスがRO方向およびPE方向にそれぞれ印加される。さらに、180°励起パルスの印加後には、SS方向にFLOP SPOILERパルスが印加される。
次に、BLIPパルスと呼ばれるPE方向の傾斜磁場パルスが繰り返し印加され、BLIPパルスの強度に応じた位相エンコード量が順次加算される。一方で、極性が交互に反転するRO方向の傾斜磁場が繰り返し印加される。これにより、1枚分の画像データの生成に必要なエコー信号が連続的に発生し、発生したエコー信号が収集される。すなわち1回の核磁気の励起により1枚分の画像データを生成するためのエコー信号を収集することができる。
また、MPGパルスを印加することによってDWIを取得するための生データの収集用のSS SE EPIシーケンスを設定することもできる。
図9は、図6に示す撮影条件設定部40において設定されるDWIを生成するための生データの収集用のSS SE EPIシーケンスの一例を示す図である。
図9において、RFは、RF励起パルスを、ECHOは、エコー信号を、Gssは、SS方向の傾斜磁場を、Groは、RO方向の傾斜磁場を、Gpeは、PE方向の傾斜磁場を、それぞれ示す。
DWIを収集する場合には、例えば図9に示すように、90°励起パルスの印加後およびFLOP SPOILERパルスの印加後にそれぞれMPGパルスが印加される。このようなMPGパルスの印加を伴うSS SE EPIシーケンスを実行することによりDWIを収集することができる。
尚、図9には、UnipolarタイプのMPGパルスが印加される例を示したが、BipolarタイプやDouble spin echoタイプのMPGパルスを印加してもよい。
一方、テンプレートデータの収集用のSS SE EPIシーケンスは、位相エンコード用の傾斜磁場パルスの印加を伴わないSS SE EPIシーケンスである。
図10は、図6に示す撮影条件設定部40において設定されるテンプレートデータの収集用のSS SE EPIシーケンスの一例を示す図である。
図10において、RFは、RF励起パルスを、ECHOは、エコー信号を、Gssは、SS方向の傾斜磁場を、Groは、RO方向の傾斜磁場を、Gpeは、PE方向の傾斜磁場を、それぞれ示す。
図10に示すように、テンプレートデータの収集用のSS SE EPIシーケンスは、図8に示すイメージング用の生データの収集用のSS SE EPIシーケンスから位相エンコード用の傾斜磁場パルスの印加を除いたシーケンスとなる。また、2つのテンプレートデータを連続収集する場合には、RO方向の傾斜磁場が互に反転する2つのテンプレートデータの収集用のSS SE EPIシーケンスを用いればよい。ただし、実用的には、RO方向の傾斜磁場パルスの印加タイミングを時間的にシフトさせてテンプレートデータの収集用のSS SE EPIシーケンスを2回繰り返せば、実質的にRO方向の傾斜磁場を反転したことになる。
そして、図10に示すようなテンプレートデータの収集用のSS SE EPIシーケンスが1回または連続して2回ずつ断続的に繰り返され、かつテンプレートデータの収集用のSS SE EPIシーケンスに続いて図8または図9に示すようなイメージング用の生データの収集用のSS SE EPIシーケンスが表示用の画像データの枚数に相当する回数だけ連続的に繰り返される結果、表示用の画像データの枚数に相当する回数ずつイメージング用の生データの収集用のSS SE EPIシーケンスが断続的に繰り返されるような撮影条件が、撮影条件設定部40において設定される。
以後、テンプレートデータを2回連続収集し、かつ非DWIおよびX軸、Y軸およびZ軸方向にb値を設定した3軸方向の3つのDWIを収集する場合について説明する。この場合、テンプレートデータの収集用のSS SE EPIシーケンスが2回連続的に行われた後、非DWIおよび3つのDWIの合計4枚の画像データの生成用の各SS SE EPIシーケンスが順次実行される撮影条件が設定されることとなる。
次に図7のステップS2において、設定された撮影条件に従ってデータ収集が行われる。
そのために予め寝台37に被検体Pがセットされ、静磁場電源26により励磁された静磁場用磁石21(超伝導磁石)の撮像領域に静磁場が形成される。また、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて撮像領域に形成された静磁場が均一化される。
そして、入力装置33からシーケンスコントローラ制御部41にデータ収集指示(スキャン開始指示)が与えられると、シーケンスコントローラ制御部41は撮影条件設定部40から撮影条件として設定されたSS SE EPIシーケンスを取得してシーケンスコントローラ31に与える。シーケンスコントローラ31は、シーケンスコントローラ制御部4140から受けたSS SE EPIシーケンスに従って傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させることにより被検体Pがセットされた撮像領域に傾斜磁場を形成させるとともに、RFコイル24からRF信号を発生させる。
このため、被検体Pの内部における核磁気共鳴により生じたNMR信号が、RFコイル24により受信されて受信器30に与えられる。受信器30は、RFコイル24からNMR信号を受けて、所要の信号処理を実行した後、A/D変換することにより、デジタルデータのNMR信号である生データを生成する。受信器30は、生成した生データをシーケンスコントローラ31に与える。シーケンスコントローラ31は、生データをシーケンスコントローラ制御部41に与え、シーケンスコントローラ制御部41はk空間データベース42に形成されたk空間に生データをk空間データとして配置する。
ここで、k空間データは、テンプレートデータの収集を伴う含むSS SE EPIシーケンスによって収集されるため、k空間データベース42には、画像データの生成用のk空間データの他に、テンプレートデータが保存される。また、PIによってk空間データが収集された場合には、各コイル要素24cによってそれぞれ収集された複数チャンネル分のk空間データがk空間データベース42に保存されることとなる。従って、PIによってk空間データが収集された場合には、テンプレートデータも複数のチャンネルに対応してそれぞれk空間データベース42に保存されることとなる。
そして、テンプレートデータを用いて画像データの生成用のk空間データの位相エンコード方向およびリードアウト方向の位相補正を行うことが可能となる。
図11は、図2に示す磁気共鳴イメージング装置20によりSS SE EPIシーケンスに従って収集されたデータに対してリードアウト方向および位相エンコード方向の位相補正処理およびアベレージング処理を伴うデータ処理を行うことによって被検体Pの非DWIおよび3軸方向のDWIを生成する方法を説明する図である。尚、図11において、図7のステップに対応する処理には同一の符号を付してある。
図11(a)は、k空間データベース42に保存される時系列のデータを示す。すなわち、MPGパルスの印加を伴わない非DWIと、X軸、Y軸、Z軸方向にそれぞれMPGパルスの印加を伴う3軸方向の各DWIとをSS SE EPIシーケンスにより取得する場合に収集されるデータがk空間データベース42に保存される。従って、図11(a)に示すように4枚分の表示用の画像データを生成するために4つの生データが繰り返し収集されて保存される。また、画像データの生成用の4つの生データに先立って位相補正に用いるための2つのテンプレートデータが収集されて保存される。この2つのテンプレートデータは、上述したようにRO方向の傾斜磁場の極性が互に逆になるようにして収集される。この結果、2つのテンプレートデータと4つの生データで構成される6つのデータ列が繰り返し収集される。つまり、6shotの繰り返しによって、2つのテンプレートデータと4つの生データが繰り返し収集される。テンプレートデータは、上述したように位相エンコードされないで収集されるデータである。図11(a)の例では、テンプレートデータは2shot分収集されているが、1shot分のみ収集しても良い。
図11(b)は、図11(a)のように収集されたデータから抽出されるテンプレートデータおよび画像データ生成用の生データを示す。図11(b)に示すように、時系列の複数のテンプレートデータが生データの位相補正用に抽出される。また、4枚の画像データ生成用の生データが時間方向にそれぞれ複数個収集される。
また、PIによりデータ収集が行われた場合には、上述したように各コイル要素24cによってそれぞれ収集された複数チャンネル分のk空間データがk空間データベース42に保存されることとなる。
図12は、図2に示す磁気共鳴イメージング装置20によりSS SE EPIシーケンスに従ってPIにより収集されたデータに対してリードアウト方向および位相エンコード方向の位相補正処理およびアベレージング処理を伴うデータ処理を行うことによって被検体Pの非DWIおよび3軸方向のDWIを生成する方法を説明する図である。尚、図12において、図7のステップに対応する処理には同一の符号を付してある。
図12(a)は、PIによりデータ収集が行われた場合にk空間データベース42に保存される時系列のデータを示す。図12(a)に示すように、PIによりデータ収集が行われた場合には、使用される複数のコイル要素24cに対応するチャンネルごとにテンプレートデータおよびイメージング用の生データが収集される。尚、図12(a)は、3チャンネルの場合における例を示すが、2チャンネルまたは4チャンネル以上の複数チャンネルの場合も同様である。
図12(b)は、図12(a)のように収集されたデータから抽出されるテンプレートデータおよび画像データ生成用の生データを示す。図12(b)に示すように、時系列の複数のテンプレートデータおよび4枚の画像データ生成用の生データも3チャンネル分収集される。
次に、図7のステップS3において、位相補正データ作成部43により位相エンコード方向の位相補正データが作成される。すなわち、位相補正データ作成部43は、k空間データベース42から異なるタイミングで収集された時系列の複数のテンプレートデータを順次読み込んでRO方向にのみ1D FFTを行うことにより時系列の複数のデータを再構成し、例えば基準となる最初のデータと他のデータとの間における位相の差分を順次とることにより位相差分データとして位相エンコード方向の位相補正データを求める。このように各エコーデータに対応してそれぞれ求められた位相差分データは、被検体Pの撮像部位がスライス断面に垂直でない方向に移動した場合におけるスライス断面内における撮像部位の位置変化に対応するPE方向の位相変化量を示すこととなる。つまり、テンプレートデータは、PE方向にはエンコードされていないため、RO方向にのみFTを行えば、PE方向の位相シフトを検出することができる。
従って、この位相差分データを用いて画像データ生成用の生データのPE方向の位相を位相変化量だけシフトさせる位相補正を行えば、PE方向に対応する撮像部位の位置変化に起因する生データの位相シフトをキャンセルすることができる。
そこで、図7のステップS4において、位相エンコード方向位相補正部44は、k空間データベース42から画像生成用のk空間データ(生データ)を読み込んで、位相補正データ作成部43から取得した位相エンコード方向の位相補正データを用いてk空間データの位相エンコード方向の位相補正処理を行う。すなわち、位相エンコード方向位相補正部44は、位相差分データを位相エンコード方向の位相角の変化量に変換し、位相角の変化量だけk空間データの位相エンコード方向の位相を回転させる。この結果、位相エンコード方向の位相補正後のk空間データが得られる。
すなわち、図11(c)および図12(c)に示すように、位相補正データを用いてk空間データの位相エンコード方向の位相補正処理を行うことによって、それぞれ図11(d)および図12(d)に示すような位相エンコード方向の位相補正後のk空間データが得られる。
次に、図7のステップS5において、位相補正データ作成部43は、k空間データベース42から時系列の複数のテンプレートデータを読み込んでリードアウト方向の位相補正用のデータを作成する。例えば、位相補正データ作成部43は、連続収集されるペアをなす2つのテンプレートデータ間における位相の差分値(位相角の変化量)をリードアウト方向の位相補正データとして求める。ペアをなす2つのテンプレートデータは時系列に複数組存在するため、リードアウト方向の位相補正データもテンプレートデータの収集タイミングごとに複数個求められる。
2つのテンプレートデータ間における位相の差分値の求め方としては、例えば、2つのテンプレートデータをFTして得られるデータ間の相互相関が最小になるようにFT後のデータの位置をシフトさせ、位置のシフト量に対応するk空間上の位相の変化量を位相の差分値とする方法が挙げられる。
次に、図7のステップS6において、リードアウト方向位相補正部45は、位相エンコード方向位相補正部44から取得した位相エンコード方向の位相補正後のk空間データに対して位相補正データ作成部43から取得したリードアウト方向の位相補正データを用いてk空間データのリードアウト方向の位相補正処理を行う。すなわち、リードアウト方向位相補正部45は、位相エンコード方向の位相補正後のk空間データをリードアウト方向の位相補正データに対応する位相変化量だけリードアウト方向にシフトさせる。この結果、リードアウト方向の位相補正後のk空間データが得られる。
すなわち、図11(e)および図12(e)に示すように、位相補正データを用いてk空間データのリードアウト方向の位相補正処理を行うことによって、それぞれ図11(f)および図12(f)に示すようなリードアウト方向の位相補正後のk空間データが得られる。
次に、図7のステップS7において、画像再構成部46は、位相エンコード方向およびリードアウト方向の位相補正後のk空間データに対して画像再構成処理を施すことにより画像データを再構成する。再構成して得られた画像データは、画像データベース47に書き込まれる。
すなわち、図11(f)および図12(f)に示すような位相エンコード方向およびリードアウト方向の位相補正後のk空間データに対して図11(g)および図12(g)に示すような画像再構成処理が施されることにより図11(h)および図12(h)に示すような画像データが生成される。
次に、図7のステップS8において、画像処理部48のアベレージング処理部51は、画像データベース47から複数枚分の画像データにそれぞれ対応する時系列の複数の画像データを取得してアベレージング処理を行うことにより、複数枚分の表示用の画像データを生成する。また、画像データがPIによって収集された場合には、展開処理部50は、感度マップデータベース49に保存された各コイル要素24cの感度分布データを用いてPIのunfolding処理を行うことにより複数のコイル要素24cによりそれぞれ収集された複数の画像データから単一の画像データを生成する。
尚、上述したようにアベレージング処理とPIのunfolding処理の実行順序は任意である。
例えば、図11(h)に示すような断続収集された時系列の複数の画像データに対して図11(i)に示すようにアベレージング処理を施すことによって図11(j)に示すようなb値がゼロの非DWI、X軸、Y軸、Z軸方向にそれぞれb値が設定された3軸方向の各DWIが生成される。
また、PIによる撮像の場合には、図12(h)に示すようなチャンネルごとに断続収集された時系列の複数の画像データに対してそれぞれ図12(i)に示すようにアベレージング処理を施すことによって図12(j)に示すようなb値がゼロの非DWI、X軸、Y軸、Z軸方向にそれぞれb値が設定された3軸方向の各DWIがチャンネルごとに生成される。次に、図12(j)に示すようなチャンネルごとの非DWIおよび各DWIに対して図12(k)に示すようにunfolding処理が施されることによって図12(l)に示すような、それぞれ1枚の非DWIおよび各DWIが生成される。
尚、図12では、複数のチャンネルによりそれぞれ収集されたデータをチャンネルごとに処理する場合の例を示すが、チャンネル間で最適なデータを選択し、選択されたデータを用いて図11と同様なデータ処理を行ってもよい。
そして、図7のステップS9において、このように生成された非DWIおよび各DWIが表示装置34に表示される。ここで、表示装置34に表示される画像は、位相エンコード方向およびリードアウト方向の位相シフトがそれぞれキャンセルされた生データから生成された画像データのアベレージング処理により生成されているため、ボケの少ない画像となる。
つまり以上のような磁気共鳴イメージング装置20は、SS SE EPIシーケンスによりアベレージング処理を伴って画像を生成する場合に、アベレージング処理用の複数の画像データの生成用に繰り返し収集される生データにそれぞれ対応して収集されるテンプレートデータを用いて生データの位相エンコード方向への位相シフト量を求め、求めた位相シフト量を補正データとして生データの位相エンコード方向の位相補正を行うようにしたものである。具体的には、テンプレートデータの位相差分を求めることにより位相エンコード方向の位相変化を検出し、検出した位相変化を用いて位相エンコード方向の位相が補正される。加えて、磁気共鳴イメージング装置20では、時系列かつ断続的に繰り返し収集される全てのテンプレートデータを利用して生データのリードアウト方向の位相シフトの補正も行われる。
このため、磁気共鳴イメージング装置20によれば、アベレージング処理のための収集データの増加に伴って撮像時間が延長し、収集データに位相シフトが発生したとしても、位相シフトの影響を抑制し、加算平均後における画質の劣化を改善することができる。また、複数回に亘って収集されるテンプレートデータを全て用いることにより、テンプレートデータの変動量を有効に活用しつつ、より高精度にデータのリードアウト方向の位相シフトを補正することができる。これにより、ボケが少なく画質の劣化が低減されたアベレージング画像を取得することが可能となる。
尚、上述した実施形態において、各種処理の順序を変更することができる。このため各種処理の順序に応じて図6に示すようなコンピュータ32の機能を示す構成要素の位置を変えることができる。
例えば、位相エンコード方向位相補正部44とリードアウト方向位相補正部45とを置換してもよい。すなわち、リードアウト方向の位相補正処理の後に、位相エンコード方向の位相補正処理を行うようにしてもよい。また、アベレージング処理とPIのunfolding処理の順序も変えることができる。さらに、アベレージング処理は、画像データではなくk空間データに対して行っても良い。
また、アベレージング処理をk空間データに対して行うようにし、アベレージング処理後のk空間データに対して位相補正処理を行っても位相ずれの補正効果を得ることができる。この場合、位相補正の対象がアベレージング処理後のk空間データであるからアベレージング処理前のk空間データに対して位相補正を行う場合に比べて補正精度が下がる反面、位相補正の対象データが少なくなるため補正処理速度の向上および処理データの低減化に繋げることができる。
さらに、k空間データに対する位相補正を行う代わりに画像データに対する位置補正を行うようにすることもできる。
図13は、図2に示す磁気共鳴イメージング装置20において画像データに対する位置補正を行うようにした場合におけるコンピュータ32Aの機能ブロック図である。尚、図13において図6と同様な構成については同符号を付して説明を省略する。
図13に示すように、コンピュータ32Aは、位置補正データ作成部60、位相エンコード対応位置補正部61およびリードアウト対応位置補正部62を有する。
位置補正データ作成部60は、k空間データベース42から取得したテンプレートデータから位相エンコード方向のk空間データの位相補正量に対応する画像データの位置補正量およびリードアウト方向のk空間データの位相補正量に対応する画像データの位置補正量をそれぞれ求め、求めた位相エンコード方向に対応する画像データの位置補正量およびリードアウト方向に対応する画像データの位置補正量をそれぞれ位相エンコード対応位置補正部61およびリードアウト対応位置補正部62に与える機能を有する。位相エンコード方向のk空間データの位相補正量およびリードアウト方向のk空間データの位相補正量の求め方は上述した通りである。またk空間データに対する位相補正量をIFT (inverse Fourier transform)することによって画像データに対する位置補正量に変換することができる。
また、位相エンコード対応位置補正部61は、位相エンコード方向に対応する画像データの位置補正量を用いて画像データベース47から取得した画像データの位置補正を行う機能を有し、リードアウト対応位置補正部62は、位相エンコード対応位置補正部61から取得した位相エンコード方向に対応する位置補正後の画像データに対してリードアウト方向に対応する画像データの位置補正量を用いて位置補正を行う機能を有する。尚、位相エンコード方向に対応する画像データの位置補正量を用いた画像データの位置補正とリードアウト方向に対応する画像データの位置補正量を用いた画像データの位置補正の順序を逆にしてもよい。
そして、画像処理部48は、位置補正後の画像データに対してunfolding処理やアベレージング処理を行うように構成される。
図14は、図13に示すコンピュータ32Aを備えた磁気共鳴イメージング装置20によりSS SE EPIシーケンスに従ってリードアウト方向および位相エンコード方向に対応する画像データの位置補正処理およびアベレージング処理を伴って被検体Pの画像を撮像する際の手順を示すフローチャートであり、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。尚、図14において図7と同様なステップには同符号を付して説明を省略する。
図14のステップS10に示すように、画像データに対する位置補正を行う場合には、位置補正データ作成部60が、テンプレートデータから位相エンコード方向に対応する位置補正データを作成する。
次に、ステップS11において、位相エンコード対応位置補正部61は、位置補正データ作成部60において作成された位相エンコード方向に対応する画像データの位置補正量を用いて画像データベース47から取得した画像データの位置補正を行う。
次に、ステップS12において、位置補正データ作成部60が、テンプレートデータからリードアウト方向に対応する位置補正データを作成する。
次に、ステップS13において、リードアウト対応位置補正部62は、位相エンコード対応位置補正部61から取得した位相エンコード方向に対応する位置補正後の画像データに対して、位置補正データ作成部60において作成されたリードアウト方向に対応する画像データの位置補正量を用いて位置補正を行う。
そして、ステップS8において、位相エンコード方向およびリードアウト方向における位置補正後の画像データに対するアベレージング処理やPIのunfolding処理が行われる。
この結果、k空間データに対する位相補正を行った場合と同様に良好な画質の画像データをステップS9において表示装置34に表示させることができる。