JP2005028019A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】、静磁場不均一による位相誤差成分を補正することにより、画像歪みのない良好な画像を得ることが可能な磁気共鳴イメージング装置を実現する。
【解決手段】読出し方向のみならず位相エンコード方向もフーリエ変換を行った計測データに予め各エコー時間で計測した前計測データに含む位相が0となるように位相回転し静磁場不均一による画像歪を補正する。静磁場不均一成分Sn(x,y)を算出するリファレンス計測で得た画像にFFTを実行し静磁場不均一成分を算出する(ステップ201,202)。本計測データのうち同一エコー計測時のデータのみ用い2DFFTを行い各エコー計測時の画像Sn(x,y)を作成し各エコー計測時での静磁場不均一成分Bn(x,y)を補正する(ステップ301,302)。補正データS'n(x,y)は逆FFTで計測空間へ戻し本来の位相エンコード位置に再配列しデータIF[S'n(x,y)]を加算し1計測空間データにする(ステップ303,304)。
【選択図面】 図2
【解決手段】読出し方向のみならず位相エンコード方向もフーリエ変換を行った計測データに予め各エコー時間で計測した前計測データに含む位相が0となるように位相回転し静磁場不均一による画像歪を補正する。静磁場不均一成分Sn(x,y)を算出するリファレンス計測で得た画像にFFTを実行し静磁場不均一成分を算出する(ステップ201,202)。本計測データのうち同一エコー計測時のデータのみ用い2DFFTを行い各エコー計測時の画像Sn(x,y)を作成し各エコー計測時での静磁場不均一成分Bn(x,y)を補正する(ステップ301,302)。補正データS'n(x,y)は逆FFTで計測空間へ戻し本来の位相エンコード位置に再配列しデータIF[S'n(x,y)]を加算し1計測空間データにする(ステップ303,304)。
【選択図面】 図2
Description
本発明は、核磁気共鳴現象を利用する磁気共鳴イメージング装置に関する。
磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)は、静磁場中に置かれた被検体に高周波磁場を印加することにより被検体に生じるエコー信号を検出し、これを信号処理し画像化する装置である。
このMRI装置では、Spin Echo法やGradient Echo法に代表されるようなエコー信号計測方法が多数存在する。このエコー信号計測方法の中で特に、少なくとも一回のRF励起パルス照射後に、読み出し方向傾斜磁場を何度も反転させることにより、複数のエコー信号を計測する超高速撮像法がある。
この超高速撮像法としては、例えば、シングルショットEPI(Echo Planar Imaging)、マルチショットEPI法、Gradient Spin Echo Imaging(GRASE法)等がある。
図4に、上記超高速撮像法の代表例として、シングルショットEPI法のパルスシーケンスの一例を示す。このパルスシーケンスでは、高周波パルス101とスライス選択傾斜磁場パルス102とを印加した後、位相エンコードのオフセットを与えるパルス103と読み出し傾斜磁場パルスのオフセットを与えるパルス104を印加する。
次に、位相エンコード傾斜磁場パルス105を離散的に印加しながら、反転する読み出し傾斜磁場106の各周期内で発生するエコー信号101を、各々の時間範囲107の間にサンプリングする。
マルチショットEPI法では、図4に示した一連のパルスシーケンス109を複数回繰り返し、画像再構成に必要な全てのエコー信号を取得する。
MRI装置では、一般的に、静磁場不均一性や、傾斜磁場の極性を高速に反転させることにより発生する渦電流や不完全性等により、図4に示したパルスシーケンス109により計測したエコー信号に位相誤差が生じる。
従来技術においては、上記エコー信号の位相誤差を補正するために、被験者の画像形成のための撮影(以下本計測と呼ぶ)に先立って、あらかじめ補正用のデータを取得しておき(以下前計測と呼ぶ)、この補正用データを用いて本計測でのエコー信号を補正する。
この補正手段として、例えば補正用データである一組のエコー信号を取得し、これらエコー信号をフーリエ変換した後に、エコー信号間の位相差を求め、本計測データを補正する方法(特許文献1)や、本計測に先立って、位相エンコード傾斜磁場を加えない状態で補正用のデータを取得しておき、この補正用データ及び本計測データをそれぞれ読み出し方向に1次元フーリエ変換し、本計測データから補正用データの位相を減算する方法(特許文献2)等がある。
ところで、MRI装置では、静磁場不均一の影響により、RF励起パルス照射からの経過時間に比例して位相誤差が生じる。このような位相誤差の含まれたエコー信号を計測空間に配置すると、図5に示すように位相エンコード方向への位相傾斜が生じる。
上記位相傾斜は実空間上の静磁場不均一の強度に比例するため、画像中の各画素で異なる位相傾斜が生じることになる。このような静磁場不均一による位相誤差を補正するためには、画像中の画素毎に異なる補正値が必要となる。
従来技術における補正法で取り扱うデータは、読み出し方向にのみ1次元フーリエ変換されたものであるため、読み出し方向の各画素に含まれる静磁場不均一による位相誤差は補正することができる。
しかしながら、位相エンコード方向について見ると、各画素の位相誤差を位相エンコード方向に積分した値について補正することになるため、各画素の位相を正権に補正することができない。
このため、画像に歪みが生じ、画質の向上が困難であった。
本発明の目的は、少なくとも一回のRF励起パルス照射後に、読み出し方向傾斜磁場を何度も反転させることにより複数のエコー信号を計測するパルスシーケンスで計測される各エコー信号に含まれる位相誤差のうち、静磁場不均一による位相誤差成分を補正することにより、画像歪みのない良好な画像を得ることが可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することである。
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
(1)少なくとも一回のRF励起パルスの印加後に、位相エンコード傾斜磁場パルスを離散的に印加しながら読み出し方向傾斜磁場を反転させることにより画像形成のための全エコー信号もしくは一部のエコー信号を計測する第1パルスシーケンスを行う磁気共鳴イメージング装置において、上記第1パルスシーケンスにおける各エコー信号の計測時間と同一の時間において画像再構成に必要なエコー信号を取得する第2パルスシーケンスを実行し、上記第2パルスシーケンスにより計測したエコー信号を用いて、このエコー信号の計測時間毎の画像を作成し、
該画像から静磁場不均一成分を得て、上記第1パルスシーケンスで取得したエコー信号を、そのエコー計測時間に対応する静磁場不均一成分により位相補正を行い、上記位相補正を行った各エコー信号を計測空間に配列し、二次元フーリエ変換を行うことにより最終的な画像を得る。
(1)少なくとも一回のRF励起パルスの印加後に、位相エンコード傾斜磁場パルスを離散的に印加しながら読み出し方向傾斜磁場を反転させることにより画像形成のための全エコー信号もしくは一部のエコー信号を計測する第1パルスシーケンスを行う磁気共鳴イメージング装置において、上記第1パルスシーケンスにおける各エコー信号の計測時間と同一の時間において画像再構成に必要なエコー信号を取得する第2パルスシーケンスを実行し、上記第2パルスシーケンスにより計測したエコー信号を用いて、このエコー信号の計測時間毎の画像を作成し、
該画像から静磁場不均一成分を得て、上記第1パルスシーケンスで取得したエコー信号を、そのエコー計測時間に対応する静磁場不均一成分により位相補正を行い、上記位相補正を行った各エコー信号を計測空間に配列し、二次元フーリエ変換を行うことにより最終的な画像を得る。
(2)好ましくは、上記(1)において、第2パルスシーケンスでは、第1パルスシーケンスに対して位相エンコード傾斜磁場パルスを印加しない状態で第1パルスシーケンスと同一のエコー計測時間で各エコー信号を計測し、少なくとも一回のRF励起パルスの印加後に実行されるパルスシーケンスを位相エンコードのオフセットを与える傾斜磁場パルスの強度を変化させつつ複数回繰り返すことにより各エコー計測時間において画像再構成に必要なエコー信号を取得する。
(3)また、好ましくは、上記(1)において、第1パルスシーケンスで計測されたエコー信号の位相補正は、第1パルスシーケンスで計測された全エコー信号のうち、同一エコー計測時間に計測されたエコー信号のみを用いて作成した画像の位相を、上記静磁場不均一成分を用いて回転させて行う。
(4)また、好ましくは、上記(3)において、同一エコー計測時間に計測されたエコー信号を計測空間に配列する際、本来の位相エンコード位置又は低周波域のデータとみなして配列する。
(5)また、好ましくは、上記(3)において、位相補正を行った各エコー信号を計測空間に配列する際、位相補正を行った画像を2次元逆フーリエ変換することにより得られたエコー計測時間毎の計測空間データで、同一位相エンコード位置のデータ同士を単純加算する。
本発明によれば、読み出し方向のみならず、位相エンコード方向にもフーリエ変換を行った計測データに対して、予め各エコー時間で計測しておいた前計測データに含まれる位相が0となるように位相回転することによって、静磁場不均一による画像歪みを補正したので、静磁場不均一による画像歪みを抑制した画像を得ることができる。
本発明によれば、少なくとも一回のRF励起パルス照射後に、読み出し方向傾斜磁場を何度も反転させることにより複数のエコー信号を計測するパルスシーケンスで計測される各エコー信号に含まれる位相誤差のうち、静磁場不均一による位相誤差成分を補正し、画像歪みのない良好な画像を得ることが可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することができる。
まず、本発明の原理について、以下に説明する。
図4に示したパルスシーケンス109において計測される静磁場不均一B(x,y)の影響を含んだMRI信号s(nx、ny)は、実空間上の読み出し方向をx、位相エンコード方向をy、エコー時間をteとすると、下記の式(1)で表わせる。
ただし、上記式(1)において、(nx、ny)は計測空間上の点を示し、ρ(x,y)はプロトン密度、ωは共鳴周波数、Gyは読み出し傾斜磁場の印加強度、Gyは位相エンコード傾斜磁場の印加強度、△tはデータサンプル時間、△τは位相エンコード傾斜磁場パルスの印加時間である。
ここで、上記式(1)は下式(2)のように示すことができる。
このとき、s(nx、ny)を2次元フーリエ変換(F{s(x,y)})した画像S(x,y)は、下式(3)となる。
なお、上記式(3)は、静磁場不均一の影響が、画素中の位相に変換されることを示している。
これにより、図4に示したパルスシーケンス109での各エコー時間(te1,te2,te3,…、ten)における静磁場不均一の位相情報は、それぞれ、e[φ1]、e[φ2]、・・・e[φn]であることが分かる。
静磁場不均一による画像歪みは、これらエコー毎の位相情報が異なる時に発生する。例えば、ある画素(xp,yp)での位相e[φ1]、e[φ2]、・・・e[φn]が次第に増加、もしくは減少している場合、計測空間に各エコーを配列すると、図5に示すような位相エンコード方向への位相傾斜となる。
このため、画像再構成を行うと、画素(xp,yp)は、位相エンコード方向に位相傾斜に応じた位置移動が生じる。
従来技術における補正方法で取り扱うデータは、読み出し方向にのみ1次元フーリエ変換されたものであるため、読み出し方向の各画素に含まれる静磁場不均一による位相誤差は補正することができるが、位相エンコード方向について見ると、各画素の位相誤差を位相エンコード方向に積分した値について補正することになるため、各画素の位相を正確に補正することができない。
以上のことから、読み出し方向のみならず、位相エンコード方向にもフーリエ変換を行った計測データに対して、予め各エコー時間で計測しておいた前計測データに含まれる位相e[φn]、(ten=te1,te2, te3,・・・,ten)が0となるように位相回転することによって、静磁場不均一による画像歪みを補正できる。
次に、上記原理を用いるMRI装置について説明する。
図1は、本発明が適用されるMRI装置の全体概略構成図である。
図1は、本発明が適用されるMRI装置の全体概略構成図である。
図1において、MRI装置は、静磁場発生回路1と、傾斜磁場発生系2と、送信系3と、受信系4と、信号処理系5と、シーケンサ6と、中央処理装置(CPU)7と、操作部8とを備える。
静磁場発生回路1は、被検体9の周りにその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させる。また、静磁場発生回路1は、被検体9の周りのある広がりをもった空間に永久磁石方式又は常電導方式あるいは超電導方式の磁場発生手段が配置されている。
傾斜磁場発生系2は、X、Y、Zの三軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル10と、それぞれのコイルを駆動する傾斜磁場電源11とを備える。また、傾斜磁場発生系2は、シーケンサ6から命令に従って、それぞれのコイルの傾斜磁場電源11を駆動することにより、X、Y、Zの三軸方向の傾斜磁場Gs、Gp、Gfを被検体9に印加する。
この傾斜磁場の印加方法により、被検体9に対するスライス面を設定することができる。
送信系3は、シーケンサ6から送出される高周波磁場パルスにより被検体9の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせるために高周波信号を照射するもので、高周波発振器12と、変調器13と、高周波増幅器14と、送信側の高周波コイル15とを備える。
高周波発振器12から出力された高周波パルスを変調器13を介して高周波増幅器14で増幅した後に、被検体9に近接して配置された送信側の高周波コイル15に供給することにより、電磁波が被検体9に照射される。
受信系4は、被検体9の生体組織の原子核の核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出する。この受信系4は、受信側の高周波コイル16と、増幅器17と、直交位相検波器18と、A/D変換器19とを備える。
送信側の高周波コイル15から被検体9に電磁波が照射されると、この電磁波の被検体9からの応答電磁波(NMR信号)は、被検体9に近接して配置された受信側の高周波コイル16で検出される。
そして、高周波コイル16で検出された電磁波は、増幅器17及び直交位相検波器18を介してA/D変換器19に入力され、ディジタル量に変換される。このA/D変換器19において、シーケンサ6からの命令によるタイミングで直交位相検波器18によりサンプリングされた二系列の収集データとされ、その信号が、A/D変換器19から信号処理系5に送られる。
信号処理系5は、上記受信系4で検出したエコー信号を用いて画像再構成演算を行うと共に画像表示をする。この信号処理系5は、CPU7と、ROM(読み出し専用メモリ)20と、RAM(随時書き込み読み出しメモリ)21と、光磁気ディスク22及び磁気ディスク24と、ディスプレイ23とを備える。
CPU7は、上記エコー信号についてフーリエ変換、補正係数計算、画像再構成等の処理及びシーケンサ6の制御を行う。また、ROM20は、経時的な画像解析処理及び計測を行うプログラムやその実行において用いる不変のパラメータなどを記憶する。
また、RAM21は、前計測で得た計測パラメータや上記受信系4で検出したエコー信号、及び関心領域設定に用いる画像を一時保管すると共にその関心領域を設定するためのパラメータなどを記憶する。
また、光磁気ディスク22及び磁気ディスク24は、CPU7で再構成された画像データを記録するデータ格納部である。そして、ディスプレイ23は、光磁気ディスク22又は磁気ディスク24から読み出した画像データを映像化して断層像として表示する。
シーケンサ6は、被検体9の生体組織を構成する原子の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段である。このシーケンサ6は、CPU7の制御で動作し、被検体9の断層像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系3及び傾斜磁場発生系2並びに受信系4に送る。
また、操作部8は、信号処理系5で行う処理の制御情報を入力するものであり、マウス25と、キーボード26とを備える。
次に、本発明の実施形態におけるパルスシーケンスについて説明する。なお、本発明は、少なくとも一回のRF励起パルス信号の印加後に、位相エンコード傾斜磁場パルス信号を離散的に印加しながら読み出し方向傾斜磁場を何度も反転させることにより画像形成のための全エコー信号、もしくは一部のエコー信号を計測する全てのパルスシーケンスに適用可能である。ただし、以下の実施形態は、本発明をGE-EPIシーケンスに適用した場合を例として説明する。
図2は、本発明の一実施形態における画像作成の動作フローチャートである。なお、本計測の一例として、図4を用いて説明したパルスシーケンスを使用する。
本計測(第1パルスシーケンス)により計測したデータの静磁場不均一の影響を除去するためには、図4中、各エコーの計測時(te1,te2,te3,…、ten)の静磁場不均一成分Bn(x,y)を算出する必要がある。
上記各エコーの計測時(te1,te2,te3,…、ten)での静磁場不均一成分Bn(x,y)を算出するために使用するパルスシーケンスの例を図3に示す。以下この計測をリファレンス計測(第2パルスシーケンス)と呼ぶ。
上記各エコーの計測時(te1,te2,te3,…、ten)での静磁場不均一成分Bn(x,y)を算出するために使用するパルスシーケンスの例を図3に示す。以下この計測をリファレンス計測(第2パルスシーケンス)と呼ぶ。
このパルスシーケンスでは、高周波パルス101とスライス選択傾斜磁場パルス102とを印加した後、位相エンコードのオフセットを与えるパルス103と読み出し傾斜磁場パルスのオフセットを与えるパルス104とを印加する。
次に、反転する読み出し傾斜磁場106の各周期内で発生するエコー信号101を、各々の時間範囲107の間サンプリングする。すなわち、リファレンス計測では、図3に示した一連のパルスシーケンス109において計測されるエコー信号108は、同一の位相エンコード量が印加されたデータである。
リファレンス計測では、図3に示した一連のパルスシーケンス109を位相エンコードのオフセットを与えるパルス103の強度を変化させつつ、複数回繰り返し、各エコーの計測時(te1,te2,te3,…、ten)において画像再構成に必要なエコー信号を取得する。
この際、正確な静磁場不均一成分Bn(x,y)を求めるためには、本計測で印加される全ての位相エンコードを印加したエコー信号を、各エコーの計測時(te1,te2,te3,…、ten)において計測しなければならない。
しかしながら、このような計測は、長い計測時間を必要とするため、実用上には間題がある。
そこで、本発明に使用される静磁場不均一成分Bn(x,y)の代わりに、本計測で印加される低周波域の位相エンコードのみ印加したエコー信号にて算出できる静磁場不均一の低周波成分Bon(x,y)を使用しても良い。
なお、リファレンス計測は、本計測前に実行しても、本計測後に実行しても良い。
リファレンス計測実行後、各エコーの計測時(te1,te2,te3,…、ten)における静磁場不均一成分Bn(x,y)を算出する。
リファレンス計測で得られたデータは、図2に示す、二次元(2D)高速フーリエ変換(以下FFT)を行うステップ201によって画像化する。
各エコーの計測時(te1,te2,te3,…、ten)における静磁場不均一成分Bn(x,y)は、各エコーの計測時毎のリファレンス計測データに対して、2DFFTを施すことにより作成した画像データRn(x,y)を用いて、次式(4)で算出できる(ステップ202)。
Bn(x,y)=atan{im(Rn(x,y))/re(Rn(x,y))} −−−(4)
なお、re()信号の実部を示し、im()は虚部を示す。また、atan()は、arctangent関数である。
なお、re()信号の実部を示し、im()は虚部を示す。また、atan()は、arctangent関数である。
次に、本計測実行後、各エコーの計測時(te1,te2,te3,…、ten)における静磁場不均一成分Bn(x,y)を補正する処理を行う(ステップ302に進む)。
ステップ302の処理前に、本計測データのうち、同一のエコー計測時に計測されたデータのみを用いて2DFFTを行うことによって、各エコー計測時(te1,te2,te3,…、ten)の画像Sn(x,y){(n=1,2,3、…、N)}を作成する(ステップ301)。
なお、上記同一のエコー計測時に計測されたデータは、本来の位相エンコード位置に配列しても良いし、低周波域のデータとみなして配列しても良い。
上記エコー配列の際、他のエコー計測時に計測されたデータの領域には0詰めを行う。
以上の動作により作成された各エコー計測時(te1,te2,te3,…、ten)の画像Sn(x,y){(n=1,2,3、…、N)}は、リファレンス計測データにより作成した同一エコー計測時の静磁場不均一成分Bn(x,y)を用いて、次式(5−1)、(5−2)に従って位相回転することにより、静磁場不均一による位相誤差を補正することができる(ステップ302)。
re{S'n(x,y)}=re{Sn(x,y)}・cos{Bn(x,y)}+im{Sn(x,y)}・sin{Bn(x,y)}
−−−(5−1)
im{S'n(x,y)}=im{Sn(x,y)}・cos{Bn(x,y)}-re{Sn(x,y)}・sin{Bn(x,y)}
−−−(5−2)
ただし、上記(5−1)、(5−2)式において、sin()はsine関数であり、cos()はcosine関数である。
−−−(5−1)
im{S'n(x,y)}=im{Sn(x,y)}・cos{Bn(x,y)}-re{Sn(x,y)}・sin{Bn(x,y)}
−−−(5−2)
ただし、上記(5−1)、(5−2)式において、sin()はsine関数であり、cos()はcosine関数である。
上記(5−1)、(5−2)式により補正したデータS’n(x,y){(n=1,2,3、…、N)}は、逆FFT(2DIFFT)を行うステップ303により計測空間へ戻し、本来の位相エンコード位置に再配列する。
この際、ステップ303により逆FFTされたデータIF[S’n(x,y)]では、ステップ301の処理時に計測空間に配列した領域以外の領域にもデータが発生するが、これは、(5−1)、(5−2)式に従い実空間上で位相回転を行ったことによりデータの位置移動が生じている為である。
このため、逆FFTを行ったデータIF[S’n(x,y)]を単純加算して1つの計測空間データにするステップ304を行う。
以上の処理により作成した計測空間上のデータに対してFFTを行い(ステップ305)、静磁場不均一による画像歪みを抑制した画像を得ることができる。
つまり、本発明の一実施形態によれば、読み出し方向のみならず、位相エンコード方向にもフーリエ変換を行った計測データに対して、予め各エコー時間で計測しておいた前計測データに含まれる位相e[φn]、(ten=te1,te2, te3,・・・,ten)が0となるように位相回転することによって、静磁場不均一による画像歪みを補正したので、静磁場不均一による画像歪みを抑制した画像を得ることができる。
なお、上述した例においては、静磁場の不均一を上記式(4)により算出するように構成したが、静磁場不均一検出手段により静磁場不均一を検出してもよい。
1 静磁場発生回路
2 傾斜磁場発生系
3 送信系
4 受信系
5 信号処理系
6 シーケンサ
7 CPU
8 操作部
9 被検体
10 傾斜磁場コイル
11 傾斜磁場電源
12 高周波発振器
13 変調器
14、17 高周波増幅器
15 送信用高周波照射コイル
16 受信用高周波照射コイル
18 直交位相検波器
19 A/D変換器
20 ROM
21 RAM
22 光磁気ディスク
23 ディスプレイ
24 磁気ディスク
25 トラックボール又はマウス
26 キーボード
2 傾斜磁場発生系
3 送信系
4 受信系
5 信号処理系
6 シーケンサ
7 CPU
8 操作部
9 被検体
10 傾斜磁場コイル
11 傾斜磁場電源
12 高周波発振器
13 変調器
14、17 高周波増幅器
15 送信用高周波照射コイル
16 受信用高周波照射コイル
18 直交位相検波器
19 A/D変換器
20 ROM
21 RAM
22 光磁気ディスク
23 ディスプレイ
24 磁気ディスク
25 トラックボール又はマウス
26 キーボード
Claims (5)
- 少なくとも一回のRF励起パルスの印加後に、位相エンコード傾斜磁場パルスを離散的に印加しながら読み出し方向傾斜磁場を反転させることにより画像形成のための全エコー信号もしくは一部のエコー信号を計測する第1パルスシーケンスを行う磁気共鳴イメージング装置において、
上記第1パルスシーケンスにおける各エコー信号の計測時間と同一の時間において画像再構成に必要なエコー信号を取得する第2パルスシーケンスを実行し、
上記第2パルスシーケンスにより計測したエコー信号を用いて、このエコー信号の計測時間毎の画像を作成し、
該画像から静磁場不均一成分を得て、
上記第1パルスシーケンスで取得したエコー信号を、そのエコー計測時間に対応する静磁場不均一成分により位相補正を行い、
上記位相補正を行った各エコー信号を計測空間に配列し、二次元フーリエ変換を行うことにより最終的な画像を得ることを特徴とする核磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、第2パルスシーケンスでは、第1パルスシーケンスに対して位相エンコード傾斜磁場パルスを印加しない状態で第1パルスシーケンスと同一のエコー計測時間で各エコー信号を計測し、少なくとも一回のRF励起パルスの印加後に実行されるパルスシーケンスを位相エンコードのオフセットを与える傾斜磁場パルスの強度を変化させつつ複数回繰り返すことにより各エコー計測時間において画像再構成に必要なエコー信号を取得することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
- 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、第1パルスシーケンスで計測されたエコー信号の位相補正は、第1パルスシーケンスで計測された全エコー信号のうち、同一エコー計測時間に計測されたエコー信号のみを用いて作成した画像の位相を、上記静磁場不均一成分を用いて回転させて行うことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
- 請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置において、同一エコー計測時間に計測されたエコー信号を計測空間に配列する際、本来の位相エンコード位置又は低周波域のデータとみなして配列することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
- 請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置において、位相補正を行った各エコー信号を計測空間に配列する際、位相補正を行った画像を2次元逆フーリエ変換することにより得られたエコー計測時間毎の計測空間データで、同一位相エンコード位置のデータ同士を単純加算することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003273252A JP2005028019A (ja) | 2003-07-11 | 2003-07-11 | 磁気共鳴イメージング装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7557575B2 (en) | 2006-04-04 | 2009-07-07 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance imaging method |
JP2009160051A (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-23 | Toshiba Corp | 磁気共鳴イメージング装置 |
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2003
- 2003-07-11 JP JP2003273252A patent/JP2005028019A/ja active Pending
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