JP4336243B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、核磁気共鳴現象を利用して被検体の検査部位の断層画像を得る磁気共鳴イメージング装置に関し、特に傾斜磁場オフセット量を取得したエコー信号から精度良く算出する技術に関する。
磁気共鳴イメージング装置では、傾斜磁場コイルを用いて局所的な傾斜磁場を発生させ画像を取得する。本来、傾斜磁場コイルに電流が流れていない場合には傾斜磁場は発生しないはずであるが、実際には渦電流や残留磁場などのオフセット成分が傾斜磁場に付加される。この傾斜磁場オフセット成分はX,Y,Zの軸毎に異なり、かつ被検体の形状に依存して変わる値であり、最適に補正しないと取得した画像が劣化する場合がある。
この傾斜磁場オフセット成分は、通常は本撮影前のプリスキャンにおいて測定され補正される。測定法としては、位相エンコード傾斜磁場パルスを付加してエコー信号を計測する手法が最も一般的である。この位相エンコードを利用した方法は、傾斜磁場オフセットによって実際にエコー信号が受けた位相エンコード量と付加された位相エンコード量との差を、計測空間(いわゆるk空間)においてそのエコー信号の位相エンコード方向への位置シフトから算出するものである。
これに対し、周波数エンコード傾斜磁場パルスの極性を変更して取得された複数のエコー信号を用いて、画像の歪み量を測定する方法がある(特許文献1)。この方法では、傾斜磁場の線形性が画像の歪みとして測定されるため、傾斜磁場オフセット以外の成分も測定できる。
また、傾斜磁場オフセットにのみ着目した場合、極性の相反する周波数エンコード傾斜磁場を用いて取得したエコー信号のピーク位置をそれぞれ検出し、傾斜磁場オフセットを算出する方法[特許文献2]もある。
特公平7-47023号公報 特開2003-199725号公報
位相エンコードを利用した傾斜磁場オフセットの計測方法は、精度良く傾斜磁場オフセットを算出しようとした場合、印加する位相エンコードステップを細かく設定する必要が有る。また、傾斜磁場オフセットが大きく異なる場合は、取得するエコー信号の数を多くする必要が有る。このことから、精度良く且つ広範囲の傾斜磁場オフセットを算出しようとする場合、取得するエコー数が多くなり、計測に時間がかかる。
[特許文献1]の方法では、極性或いは大きさの異なる傾斜磁場パルスを用いて取得した複数のエコー信号から、傾斜磁場オフセットや静磁場不均一に起因する成分を精度良く算出可能である。しかし、繰り返し複数のエコー信号を取得する必要があるため、傾斜磁場オフセットのみを算出する場合でもデータ収集時間が長くなってしまう。
[特許文献2]の方法では、傾斜磁場オフセット量の算出のみに着目し、[特許文献1]で示されるシーケンスの内、特に極性の異なる2組の傾斜磁場パルスを用いてエコー信号を取得し、傾斜磁場オフセットを算出する。従って、測定時間は少なくて済むが、記載されている信号処理方法には、エコー信号に含まれる静磁場不均一の影響を除去することが考慮されてない。
そこで本発明では、このような極性の異なる傾斜磁場パルスを用いた傾斜磁場オフセット算出方法において、傾斜磁場のスリューレートずれや、静磁場不均一の影響を除去し、高精度かつ簡便に傾斜磁場オフセットを測定することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のMRI装置は以下の様に構成される。即ち、
被検体に印加する傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、極性の異なる前記傾斜磁場を印加して、前記被検体から第一のエコー信号と第二のエコー信号とを取得し、前記第一のエコー信号と前記第二のエコー信号とを用いて前記傾斜磁場のオフセットを算出し、前記算出されたオフセットの補正を前記傾斜磁場発生手段に設定してオフセット補正を行うオフセット補正手段と、を備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記オフセット補正手段は、前記第一のエコー信号のフーリエ変換後の位相と前記第二のエコー信号のフーリエ変換後の位相との位相差に基づいて、前記オフセットを算出する
これにより、本発明のMRI装置は、傾斜磁場スリューレートや静磁場不均一の影響を除去し、傾斜磁場オフセットを高精度に算出できる。
本発明の好ましい一実施形態は、前記傾斜磁場発生手段は、第一の方向と第二の方向にそれぞれ前記傾斜磁場を発生し、前記オフセット補正手段は、前記第一の方向の傾斜磁場のオフセット補正を行った状態で、前記第二の方向の傾斜磁場のオフセット補正を行う。これにより、本発明のMRI装置は、各軸の傾斜磁場オフセットを精度良く求めて補正することが可能になる。
また、他の本発明の好ましい一実施形態は、前記オフセット補正手段は、前記第一のエコー信号のフーリエ変換の値と前記第二のエコー信号のフーリエ変換後の値とが共に所定の閾値以上となる範囲の位相を用いて前記オフセットを算出する。これにより、本発明のMRI装置は、被検体の低信号領域のノイズ成分を除去し、傾斜磁場オフセットを高精度に算出できる。

本発明は、極性の異なる周波数エンコード傾斜磁場パルスを用いた傾斜磁場オフセット算出技術に対して、それぞれの周波数エンコード傾斜磁場パルス極性で取得した、2組のエコー信号をフーリエ変換した後に位相差分を計算し、位相差分後のデータからエコー信号のピークずれ量を算出することで、傾斜磁場のスリューレートに起因する位相回転並びに、静磁場不均一に起因する位相回転の影響を除去できるため、高精度に傾斜磁場オフセットを算出できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図4は本発明によるMRI装置の全体構成を示すブロック図である。この磁気共鳴イメージング装置は、核磁気共鳴(NMR)現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、図4に示すように、静磁場発生系2と、傾斜磁場発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8とを備えて構成される。
静磁場発生系2は、被検体1の周りの空間にその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁場を発生させるもので、被検体1の周りに永久磁石方式または常電導方式あるいは超電導方式の磁場発生手段が配置されている。
傾斜磁場発生系3は、X,Y,Zの3軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイルを駆動する傾斜磁場電源10とから成り、後述のシ−ケンサ4からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X,Y,Zの3軸方向の傾斜磁場Gs,Gp,Gfを被検体1に印加する。より具体的には、X,Y,Zのいずれかの1方向にスライス方向傾斜磁場パルス(Gs)を印加して被検体1に対するスライス面を設定し、残り二つの方向に位相エンコード方向傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場パルス(Gf)を印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
シーケンサ4は、高周波磁場パルス(以下、「RFパルス」という)と傾斜磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段で、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系5、傾斜磁場発生系3、および受信系6に送る。
送信系5は、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるためにRFパルスを照射するもので、高周波発振器11と変調器12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル14aとから成る。高周波発振器11から出力された高周波パルスをシーケンサ4からの指令によるタイミングで変調器12により振幅変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波コイル14aに供給することにより、電磁波(RFパルス)が被検体1に照射される。
受信系6は、被検体1の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル14bと増幅器15と直交位相検波器16と、A/D変換器17とから成る。送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波によって誘起される被検体1の応答の電磁波(NMR信号)が被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出され、増幅器15で増幅された後、シーケンサ4からの指令によるタイミングで直交位相検波器16により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器17でディジタル量に変換されて、信号処理系7に送られる。
信号処理系7は、光ディスク19、磁気ディスク18等の外部記憶装置と、CRT等からなるディスプレイ20とを有し、受信系6からのデータがCPU8に入力されると、CPU8が信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体1の断層画像をディスプレイ20に表示すると共に、外部記憶装置の磁気ディスク18等に記録する。
なお、図4において、送信側及び受信側の高周波コイル14a,14bと傾斜磁場コイル9は、被検体1の周りの空間に配置された静磁場発生系2の静磁場空間内に設置されている。
現在MRI装置の撮影対象スピン種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質であるプロトンである。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和現象の空間分布を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮影する。
次に、撮影方法を説明する。図2はグラディエントエコーパルスシーケンスである。図2のRF,Gs,Gp,Gr,AD/echoはそれぞれ、RFパルス、スライス傾斜磁場、位相エンコード傾斜磁場、周波数エンコード傾斜磁場、AD変換/エコー信号の軸を表し、201はRFパルス、202はスライス選択傾斜磁場パルス、203は周波数エンコード傾斜磁場パルス、204はサンプリングウインド、205はエコー信号である。図2の(a),(b)の違いは、周波数エンコード傾斜磁場パルス203の極性が相反されていることである。
周波数エンコード傾斜磁場パルスの極性と、傾斜磁場オフセットの影響について、図5を用いて説明する。図5では簡単のため、RFパルス軸及び周波数エンコード傾斜磁場軸とエコー信号軸のみを示した。図5(a)は、傾斜オフセットが無い場合であり、エコー信号501-1は周波数エンコード傾斜磁場パルス203-1のA部の面積とB部の面積が等しい時間TEで発生する。
これに対し、図5(b),(c)は、下側に大きさがGOの傾斜磁場オフセットが存在する場合である。このように傾斜磁場オフセットがあると、RFパルス印加時点から周波数エンコード傾斜磁場が印加され続けることとなり、エコー信号の発生位置は、傾斜磁場オフセットと周波数エンコード傾斜磁場パルスの出力を合成した面積に依存して変化する。
図5(b)の場合では、A部の傾斜磁場パルスの極性が傾斜磁場オフセットと同側(同極性)であるので、面積が大きくなりA'となる。これに対し、B部の傾斜磁場パルスについては、傾斜磁場オフセットと逆側(逆極性)であるので、面積は小さくなりB'となる。このとき、エコー信号はA'部とB'部の面積が等しくなった時間に発生するので、図5(a)の場合と比較してエコー信号501-2の発生時間はPOだけ後側へシフトする。
図5(c)は、図5(b)のシーケンスの周波数エンコード傾斜磁場パルス極性を反転した場合である(図2(b)に相当する)。この場合では、傾斜磁場オフセットの影響が図5(b)の場合とは逆に働くので、エコー信号501-3の発生時間はPOだけ前側にシフトする。このように、傾斜磁場オフセットが存在する場合、周波数エンコード傾斜磁場パルスの極性に応じて、エコー信号の発生時間のシフトする方向が変わる。
次に、周波数エンコード傾斜磁場パルスの極性と、傾斜磁場スリューレート(つまり、傾斜磁場波形の立ち上がり/立ち下がりの傾き)の影響について、図6を用いて説明する。図6は図2の場合に対して、傾斜磁場スリューレートがSOだけずれ、立ち上がり/立ち下がり時間が早くなった場合を示す。傾斜磁場スリューレートずれの有無にかかわらず、シーケンサで出力する傾斜磁場パルスの印加タイミングは一定であるので、傾斜磁場スリューレートのずれが有る場合、台形の傾斜磁場パルス波形の形状が変化する。
図6(a)の場合では、立ち上がり時間/立ち下がり時間が短くなった分、台形のパルス形状が鋭くなる。この場合、A部は前側へシフトしてA'となるが、その面積は殆ど変わらない。B部の傾斜磁場パルスについても同様に台形のパルス形状が鋭くなるが、この場合は、傾斜磁場パルスの印加時間中にエコー信号が発生するので、立ち上がり部の形状が鋭くなった分、エコー時間TEまでに印加するB'の面積が、図5(a)のB部と比べて大きくなる。従って、エコー信号601-1の発生時間は前側にPSだけシフトする。
図6(b)は図6(a)に対して傾斜磁場パルス203の極性を反転させた場合であるが、傾斜磁場スリューレートの影響は傾斜磁場パルスの極性にかかわらず同様に作用する(A'部とA”部及びB'部とB”部の面積が同じ)ので、この場合もエコー信号601-2の発生時間は前側にPSだけシフトする。このように、傾斜磁場スリューレートのずれが有る場合、周波数エンコード傾斜磁場パルスの極性にかかわらず、エコー信号の発生位置は同じ方向へシフトする。
次に、フーリエ変換の数学的な性質を説明する。図3(a)は、横軸を時間(t)、縦軸を信号強度(I)とし、取得したエコー信号を模式的に示した。このとき、エコー信号の位置301-1が、ΔTだけ平行移動し位置301-2へ移行したとする。図3(b)は、これら二つのエコー信号をフーリエ変換した後に、横軸を位置(x)、縦軸をエコー信号の移動量ΔTに対応した信号の位相値とする座標上に示したものである(位置xの範囲は、1≦x≦X,Xはフーリエ変換後のデータ点数である)。
このとき、エコー信号の位置301-1を基準とすると、そのフーリエ変換後の位相302-1は0となる。これに対し、移動後のエコー信号の位置301-2においては、そのフーリエ変換後は移動量ΔTに対応して位相302-2が回転する。並行移動量ΔTに伴う位相の回転量をθとしたとき各位置での位相は、
Figure 0004336243
と表せる。このようなフーリエ変換の性質を利用することで、エコー信号の位置シフトを1ピクセル以内の精度で算出可能である。
以上の、傾斜磁場パルス極性とエコー信号のピーク位置の移動関係、及びフーリエ変換の性質を踏まえて、本発明を以下に説明する。
(第一の実施形態)
最初に、本発明の第一の実施形態を説明する。本実施形態は、周波数エンコード傾斜磁場パルスの極性を変えて二つのエコー信号を取得し、それぞれを一次元フーリエ変換して得られた二つのプロジェクションデータの位相差から位相変化の一次係数を求め、その一次係数から該周波数エンコード傾斜磁場を印加した方向の傾斜磁場オフセットを求める形態である。
本実施形態の一実施例を図1のフローチャートを用いて説明する。この例では、図2のシーケンスを実行して2組のエコー信号を取得する場合を示す。なお、図1の角の丸い四角は処理を、角張った四角は処理結果であるデータを表す。まず、傾斜磁場オフセットを測定したい軸に対して、図2(a)のシーケンスを実行し、第一のエコー信号205-1を取得するステップ101-1を行う。次に、周波数エンコード傾斜磁場パルスの極性を反転させたシーケンス(図2(b))を実行して、第二のエコー信号205-2を取得するステップ101-2を行う。
このようにして取得した二つのエコー信号205は、ただちにフーリエ変換102し、それぞれプロジェクションデータ103とする。図7(a)〜(d)は、このようにして作成したプロジェクションデータ103の絶対値701と位相702を模式的に示したものである(即ち、プロジェクションデータ103-1の絶対値は701-1に、位相は702-1に対応し、プロジェクションデータ103-2の絶対値と位相はそれぞれ701-2及び702-2に対応する)。
図7のプロジェクションデータに生じた位相値702は、静磁場不均一に起因する局所的な位相回転B(x)を考慮して示したため、位相が線形な形状とならず、また、周波数エンコード傾斜磁場パルスの極性によりその影響が異なる。この位相分布を詳細に表すため、式(1)の関係を用いてエコー信号のピーク位置のずれ量を位相値に変換する。図5,図6で想定した傾斜磁場オフセット及び傾斜磁場スリューレートのずれがある場合、エコー信号のピーク位置のずれPO、PSに対する位相回転は、
Figure 0004336243
と書ける。
エコー信号の発生する位置のシフト方向は、周波数エンコード傾斜磁場パルスの極性に依存して変わるので、それぞれの周波数エンコード傾斜磁場パルスの極性(G+,G-で示す)で取得したエコー信号により得られたプロジェクションデータの位相702は、
Figure 0004336243
と書ける(図2(a)の場合を+とした)。
周波数エンコード傾斜磁場パルスを反転した場合、被検体に加わる傾斜磁場の極性が変わるため、図7(a),(c)で示すように、プロジェクションデータ701の左右が反転する。信号の絶対値を評価する場合、この位置の反転を考慮する必要があるが、本発明では、エコー信号のピーク位置のずれに起因した位相回転のみに着目しているため、位置の反転を無視して処理を行う。
図1の位相差を算出するステップ104では、作成したプロジェクションデータ103の位相差分を算出する。これは、式(4)の位相を減算することと等価である。式(4)の位相を減算すると、
Figure 0004336243
となり、位相差データ105には傾斜磁場オフセットに起因する項のみが残る。
次に、求めた位相差データを一次関数でフィッティングする位相値フィッティング処理106を行い、一次関数の係数107を算出する。106で算出した係数をCとすると、傾斜磁場の最終的なオフセットGoffは、
Figure 0004336243
となる(γは磁気回転比、FOVは撮影視野、TEはエコー時間である)。
以上の実施例における各処理は、図4に示すMRI装置においては、第一のエコー信号と第二のエコー信号の計測101はシーケンサ4の制御の下に傾斜磁場発生系3,送信系5及び受信系6によって行われ、一次元フーリエ変換102以降の各処理は信号処理系7において行われる。これは以下に説明する実施例においても同様である。
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態を説明する。通常、被検体の存在しない領域(或いは、信号強度が小さい領域)では、位相にノイズ成分が多く入るので、位相差データ105の被検体の存在しない領域の位相はノイズとなる。そのため、上記第一の実施形態の一実施例で説明したように、位相差データ105をそのまま用いて位相値フィッティング106を行うと、算出した一次関数が正しい形状にならない可能性がある。
そこで本実施形態は、位相値フィッティングにおいて二つのプロジェクションデータが共に閾値以上となる領域のみから位相変化の一次係数を求める。
本実施形態の一実施例を図8のフローチャートを用いて説明する。第一の実施例との違いは、プロジェクションデータ103の絶対値を計算するステップ801と、閾値を計算するステップ802を追加し、位相値フィッティング処理803の入力としたことである。なお、図8の角の丸い四角は処理を、角張った四角は処理結果であるデータを表すことは図1と同様である。
図9(a),(b)は、図7と同様に102で作成したプロジェクションデータ103の絶対値を模式的に示したものであり、信号強度に閾値Tを設定し、プロジェクションデータ701の信号強度が閾値を越える範囲を斜線で示した。このように、二つのデータ間では周波数エンコード傾斜磁場パルスの極性が異なるため、絶対値の分布が左右反転しており、信号強度が閾値以上になる領域の分布が異なる。
そこで、本発明では、位相値フィッティング処理803に各プロジェクション103の絶対値データ701と、計算した閾値を入力し、位相差データ105のうち、図7(a),(c)で示す様に二つの絶対値データ701-1,701-2が供に閾値以上となる領域の位相値のみを用いて一次関数でフィッティングする。これにより、ノイズの影響を排除し、算出したオフセット値の精度を向上できる。
なお、閾値計算処理802の例としては、入力した絶対値データの最大値を検出し、最大値の10〜100分の1としても良い。また、絶対値データのノイズ領域(一般的には端のデータ)の信号値を測定し、その値の10倍程度に設定しても良い。
以上の実施例における各処理は、図4に示すMRI装置においては、上記第1の実施形態の実施例の場合と同様であるが、絶対値計算801も信号処理系7において行われる。
(第三の実施形態)
上記第一及び第二の実施形態では、位相エンコードパルスを付加しないでエコー信号を取得する。このとき、位相エンコード方向に相当する軸の傾斜磁場オフセットが大きい場合、取得したエコー信号には位相エンコードを付加したのと同様の効果が生じ、図1或いは図8で作成したプロジェクションデータ103の絶対値と位相が大きく歪むため、算出されたオフセット値の精度が低下する可能性がある。また、傾斜磁場オフセットは、被検体の形状や撮影部位によって大きく変化することが知られている。
そこで本発明の第三の実施形態は、任意の一軸の傾斜磁場オフセットを求め、そのオフセット補正をその軸に適用した状態で、他の軸の傾斜磁場オフセットを求め、全ての軸の傾斜磁場オフセットが閾値以下に収束するまで繰り返す形態である。
本実施形態の一実施例を図10のフローチャートを用いて説明する。図10では、X/Y/Zの3軸の傾斜磁場オフセット値を測定する場合であり、図中の第一/第二/第三の軸は互いに直交する任意の軸を表す。また、第一と第二の軸は同一の撮影面内の軸である(即ち、第三の軸はスライス方向の軸である)。なお、図10の角の丸い四角は処理を、角張った四角は処理結果であるデータを表すことは図1及び図8と同様である。
図10内の111は、図1或いは図8の処理内容に相当し、それぞれが傾斜磁場オフセットを測定するブロックである。本実施例では、第一の軸の傾斜磁場オフセット測定111-1を行った後、すぐさま測定した傾斜磁場オフセット値を設定112-1する(ここでの設定とは、計測に傾斜磁場オフセット値を反映することである)。このように構成する理由は、測定した傾斜磁場オフセット値を即時に反映することで、後に続く傾斜磁場オフセットの測定の精度を向上することにある。
また、算出した傾斜磁場オフセット値は、収束判定処理113に渡される。この収束判定処理113として、例えば測定した傾斜磁場オフセット値が一定の値を下回った場合に収束したと判断することができる。
第一の軸の傾斜磁場オフセット測定111-1及び測定した傾斜磁場オフセット値の設定112-1が終った後、読み出し傾斜磁場軸を切替えて、第二の軸の傾斜磁場オフセット測定111-2と設定112-2を行う。ここで求まった傾斜磁場オフセット値に対しても、第一の軸の場合と同様に収束判定処理113-2を行う。この時、第一の軸で行った収束判定処理113-1の結果と併せて、第一の軸と第二の軸がともに収束と判定されるまで、再度第一の軸の傾斜磁場オフセット測定111-1へ戻り、ブロック114内の処理を繰り返す。
第一と第二の軸がともに収束と判断された場合、第三の軸のオフセット測定111-3と、その後の第三の軸のオフセット設定112-3へと進み、三軸のオフセット測定を終了する。このように構成することで、測定回数を最小に設定でき、かつ精度の良い傾斜磁場オフセット測定が可能である。
以上の実施例における各処理は、図4に示すMRI装置においては、上記第1及び第2の実施形態の場合と同様であるが、各収束判定処理も信号処理系7において行われる。
以上までが、本発明の各請求項を具体的に説明する実施例である。しかし、本発明は、以上の実施例で開示された内容にとどまらず、本発明の趣旨を踏まえた上で各種形態を取り得る。上記各実施例では、測定するオフセット軸を互いに直行する軸として説明したが、本計測(つまり、画像再構成用エコー信号の計測)で設定するオブリークに併せて測定軸を設定し、オフセットを計測することもできる。
本発明の信号処理を説明する図。 一般的なグラディエントエコーのパルスシーケンスを説明する図。 フーリエ変換の数学的な性質を説明する図。 本発明が適用されるMRI装置の全体構成を示す図。 傾斜磁場オフセットずれとエコー信号の発生時間を説明する図。 傾斜磁場スリューレートずれとエコー信号の発生時間を説明する図。 本発明により取得したデータの特長を説明する図。 本発明の信号処理を説明する図。 本発明の信号処理を説明する図。 本発明の信号処理を説明する図。
符号の説明
1 被検体、2,静磁場発生系、3 傾斜磁場発生系、4 シーケンサ、5 送信系、6 受信系、7 信号処理系、8 中央処理装置(CPU)、9 傾斜磁場コイル、10 傾斜磁場電源、11 高周波発振器、12 変調器、13 高周波増幅器、14a 高周波コイル(送信側)、14b 高周波コイル(受信側)、15 増幅器、16 直交位相検波器、17 A/D変換器、18 磁気ディスク、19 光ディスク、20 ディスプレイ、201 高周波パルス、202 スライス選択傾斜磁場、203 周波数エンコード傾斜磁場パルス、204 データサンプルウインド、205 エコー信号

Claims (3)

  1. 被検体に印加する、周波数エンコード傾斜磁場を含む傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、
    極性の異なる前記周波数エンコード傾斜磁場を印加して、前記被検体から第一のエコー信号と第二のエコー信号とを取得し、前記第一のエコー信号と前記第二のエコー信号とを用いて前記傾斜磁場のオフセットを算出し、前記算出されたオフセットの補正を前記傾斜磁場発生手段に設定してオフセット補正を行うオフセット補正手段と、を備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記オフセット補正手段は、前記第一のエコー信号のフーリエ変換後の位相と前記第二のエコー信号のフーリエ変換後の位相との位相差に基づいて、前記オフセットを算出することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記傾斜磁場発生手段は、第一の方向と第二の方向にそれぞれ前記傾斜磁場を発生し、 前記オフセット補正手段は、前記第一の方向の傾斜磁場のオフセット補正を行った状態で、前記第二の方向の傾斜磁場のオフセット補正を行うことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記オフセット補正手段は、前記第一のエコー信号のフーリエ変換の値と前記第二のエコー信号のフーリエ変換後の値とが共に所定の閾値以上となる範囲の位相を用いて前記オフセットを算出することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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