JP3547520B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)に関し、特に定められた検査領域で均一な信号強度の検査結果が得られるように好適な補償処理を備えたMRI装置に関する。
【0002】
【従来技術】
MRI装置は、核磁気共鳴(以下、NMRという)現象を利用して被検体である人体の内部組織の断層像や局所的なスペクトルを測定し、被検体を無侵襲的に検査する装置である。
標準的なMRI装置は図6に示すように均一な磁界を発生する磁石601と、直交する3軸方向にそれぞれ傾斜磁場を発生する3つの傾斜磁場コイル602と、それらコイルを駆動する傾斜磁場電源603〜605と、検査部位の原子核スピンを励起する高周波磁界を発生する照射用高周波コイル606と、そのコイルを駆動する高周波送信器607と、励起後の核スピンからのNMR信号を電気信号として検出する検出用の高周波コイル608と、そのコイルに接続された信号増幅回路609と、NMR信号から被験者の像を生成するための信号処理を行うとともに傾斜磁場コイル602及び高周波コイル606の駆動並びに信号検出のタイミングを予め定められたシーケンスに従って制御するための計算機610と、生成された像を表示するモニターディスプレイ611と、被検体1を計測位置に移動させる患者テーブル612とを備えている。これら装置は検出用高周波コイル608に電磁波ノイズが混入して検査結果が劣化しないようにするため、電磁遮蔽された検査室に磁石601と患者テーブル612が配置され、室外から操作するために制御系と操作卓613は検査室の外に置かれている。
【0003】
このようなMRI装置では、診断装置として1)検出されたNMR信号の強度が実際の検査部位の位置と核スピンの状態を正確に反映していること、2)検査結果が診断に有益な情報を有していること、即ちNMR信号のS/Nが高いことが、重要な項目として挙げられる。
1)の項目については、静磁場磁石、傾斜磁場コイル及び照射用の高周波コイルが、その中心付近で最適な特性を示し、かつ、目的とする検査領域において最適の特性を有するように充分な大きさであることが望まれる。しかし装置実現のためには大きさに制限があり、このため、発生される磁場に歪が生じる。これら磁場の歪を補正して検査部位領域全体に均一な検査結果を生成するために、NMR信号に種々の補正処理を加えている。例えば、特開昭59−190643号公報に記載された技術では、静磁場の均一度の悪さと、傾斜磁場の直線性歪により生成されるNMR画像が本来の検査部位の実体と位置の上で対応しない問題を計算処理で補正している。また、特開平1−308537号公報には、高周波磁界の空間的不均一の影響を除去した上でNMR画像を得るMRI装置が提案されている。
【0004】
上記2)の項目、即ちS/N向上については、1つには静磁場の強度を増加することでNMR信号の強度向上が計られている。一方、検出コイル側の改善として、検出コイルへのNMR信号の誘起電圧を向上するため、核磁気モーメントと検出コイルを近接する方法が採用されている。例えば、円筒形の検出コイルはその内部に配置される被検体の形状にできるだけ近付けるため被検体の部位毎に検出コイルが用いられている。即ち、頭部用と体幹部用にそれぞれ個別の検出コイルを備えたMRI装置が開発され、更に、体幹部用は被検体の断面形状に合わせて、楕円体の断面形状を有するコイルも開発されている。また特定部位からのスペクトルを計測するために開発された表面コイルにより、より高感度に局所的なスペクトル計測やイメージングデータが取得できるようになった。
以上述べたように、MRI装置には検査部位ごとに、或いは検査目的別に検出コイルを準備することが一般的となっている。このように複数の検出コイルを備えたMRI装置において、各部位の検査にあたって、それぞれの検出コイルによりS/Nの良好な検査データを煩雑な操作をすることなく得るための技術や(特公平2−25492号公報)、コイルへの過剰電力供給による事故を防ぐために検出コイルの識別信号を計算機に入力し、複数の検出コイルから現在用いている検出コイルを正確に認識・記録する技術(特開平6−201809号公報や実公平6−36802号公報)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術はNMR信号の検出感度を向上することができたことで、飛躍的にMRI装置の診断能力を向上させることができたが、反面、検査領域内における信号データの強度の均一性に付いては多少犠牲にせざるを得ないという問題があった。これは、検出コイルと検査部位の距離を近づけることにより起こる問題である。一般に検出コイルの検出感度の空間分布はコイルに電流を流したときに発生する磁束空間分布と等価であり、コイルの近傍において磁束が集中することが明らかなように、検出コイルに近接した被検体の部位は他の部位に比べ高感度で計測される。表面タイプのコイルの場合はこの傾向が特に顕著で、検出コイル近傍は高感度で計測され、検出コイルから離れるに従い急激に検出感度が低下することになる。このような表面コイルの特性は、診断において不都合を生じる場合がある。例えば、コイル近傍に存在する皮下脂肪のNMR信号が特別に高い強度を呈することにより、その近傍の信号が判断困難となる。あるいは、画像診断において、画像濃淡で病変部位を特定する場合などは、これら検出コイルの感度の空間分布特性の劣化は重大な問題となる。しかし、従来の技術では検出コイルの感度向上に力点がおかれ、その感度の空間分布の改善は二の次ぎとなっていた。
【0006】
検出コイルの感度分布の不均一による画像の劣化を解決するため予め検出コイルの感度分布を求めておき、それによってNMR信号を補正することは可能であるが、検出コイルの感度分布は個々の検出コイルによっても検出コイルの種類によっても異なり、用いる検出コイルの感度分布をその都度求めておくことは繁瑣に堪えない。特に複数の検出コイルを備えたMRI装置の場合には、各検出コイルについて感度分布を求めておくと共に、用いた検出コイルによって対応する感度分布補正を行わなければないことになる。また感度分布は、被検体や撮影条件によっても異なる場合があり、このような場合には予め求めた感度分布によっても正確な補正ができないという問題がある。
【0007】
従って本発明の目的は、検出コイルの感度分布の特性を補正して、本来の核スピンの信号強度に対応した正確な検査結果を得ることであり、特に複数の検出コイルに対して各々の感度分布特性に対応した補正を自動的に行うことのできるMRI装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
これらの目的を達成する本発明のMRI装置は、被検体の検査部位から発生する核磁気共鳴信号を検出する手段であって、その種類の識別信号を出力する第1の識別手段を備えた検出手段と、前記第1の識別手段へ接続されて前記検出手段の種類を識別する第2の識別手段と、検出された前記核磁気共鳴信号を処理して前記被検体の断層画像を再構成する信号処理手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記信号処理手段は、前記検出手段の種類に対応して該検出手段の感度分布補正の要否を判定する手段と、前記感度分布補正が要と判定された場合に、前記検出手段が前記画像再構成用に検出した前記核磁気共鳴信号の一部を用いて該感度分布補正を行う手段とを備えたものである。また、前記検出手段は前記被検体の検査部位ごとに配置され、前記第2の識別手段は前記各検出手段のうち駆動中の検出手段を認識する機能を備えたものである。
【0009】
特に、前記第1の識別手段は前記検出手段の種類をビット情報として出力し、前記第2の識別手段は前記ビット情報を読み取ることによって前記検出手段の種類を識別するものである。
【0010】
【作用】
被検体の検査部位には予めその部位形状や検査の目的に好適な検出手段である高周波コイルが装着され、その検査部位が磁場発生手段である磁石、傾斜磁場コイル及び照射用の高周波コイルの中心に位置するように配置される。制御手段により目的の撮影シーケンスに合わせて磁場発生手段が動作し、検査部位からのNMR信号は近傍に装着された検出用の高周波コイルに電気信号として検出される。検出されたNMR信号は計算機に送られ画像を生成するための計算処理が行われる。この際、計算機は用いられている検出用高周波コイルの種類を認識し、それに応じて例えば検出用高周波コイルの感度分布の特性を補正する処理を選択し或いは補正処理をしない選択をする。また複数配列した高周波コイルを部分的に選択駆動する場合や複数の高周波コイルのいずれかを駆動する場合には、駆動中である高周波コイルを認識し、駆動中の高周波コイルの感度分布の特性に合わせた補正処理を行う。これにより用いている高周波コイルの感度分布を自動的に補正し、正確な検査結果を得ることができる。
【0011】
特に用いている高周波コイルの感度分布を、実際に計測したデータ(NMR信号)から求めることにより、予め高周波コイルの感度分布を求めておかなくても用いられた高周波コイルの特性に対応して正確な感度分布補正が可能となる。
【0012】
【実施例】
以下に、本発明の好適な実施例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明が適用されるMRI装置の一実施例を示す概略構成図である。このMRI装置は、被検体1の置かれる空間に均一な静磁場を発生する超電導磁石2と、この磁石2内の測定空間に配置され、静磁場に重畳される傾斜磁場を発生させる3軸方向の傾斜磁場コイル3と、高周波磁場を発生させる高周波コイル4と、3軸の傾斜磁場コイル3をそれぞれ駆動する駆動電源x5、駆動電源y6、駆動電源z7と、高周波コイル4の駆動電源(送信回路)8と、測定空間内に被検者1の検査部位を挿入する患者テーブル9と、検査部位のNMR信号を検出する高周波コイル(以下、検出コイルという)10と、増幅回路12と、増幅されたNMR信号を演算処理する電子計算機13と、その操作卓14と、電子計算機13の計算結果を表示する表示モニター15とを備えており、超電導磁石2、傾斜磁場コイル3、高周波コイル4と検出コイル10及び患者テーブル9は電磁遮蔽された検査室(図には示してない)内に設置されている。さらにこのMRI装置は検出コイル10と増幅器12との間にコネクション回路11が設けられ、コネクション回路11は後述するように検出用の検出コイル10を特定する信号を発生するとともにNMR信号を増幅回路12に接続する。
【0013】
図2はコネクション回路11の詳細な回路図である。検出コイル10はその種類を判別可能にするためのコネクタ201を備え、コネクション回路11は検出コイル10のコネクタ201に接続されるコネクタ202と、コネクタ202の各端子が接続されるインバータ回路204a〜204dと、コネクタ202とインバータ回路204との間に挿入される抵抗205、206と、検出コイルからのNMR信号を増幅回路12に入力するための同軸ケーブル203とを備えている。インバータ回路204a〜204dの出力は、計算機13に入力される。
【0014】
検出コイル10のコネクタ201及びコネクタ202は、例えば4つのビットを表すための端子T1〜T4と接地電位Gに接続される端子TGとから成り、コネクタ201における端子TGと他の端子との接続状態によって検出コイル10の種類を表す4ビットの識別信号が決められる。
【0015】
例えば図に示す頸椎用コイルの場合は第1ビットと第2ビットが接地電位Gに接続されることになり、”L”レベルとなる。第3ビットと第4ビットは電圧Vccを抵抗205と抵抗206で分配した電位のままなので、”H”レベルである。すなわちインバータ回路204a〜204dには2進数で”1100”の信号が入力される。各々の信号はインバータ回路204a〜dで反転され”0011”となって電子計算機13に読み込まれる。このように実施例に示すMRI装置では、各高周波コイルについて、頭部用の高周波コイルは1番(2進数では”0001”)腹部用の高周波コイルは2番(2進数では”0010”)、頸椎用の高周波コイルは3番(2進数では”0011”)、脊椎用の高周波コイルは4番(2進数では”0100”)、膝関節用高周波コイルは5番(2進数では”0101”)と識別信号が振り付けられている。電子計算機13は、これら識別信号によりどの検出コイルが用いられいるかを判読できることになる。
【0016】
次にこのように構成されるMRI装置の動作について説明する。
図1において、被検者1の頸椎を検査するため頸部専用の検出コイル10を装着した状態で、検査部位が超電導磁石2の中心に配置されているとする。オペレータ(図には書いてない)が操作卓14上で操作することにより、電子計算機13の制御により、検査目的に合った撮影シーケンスが起動する。一例として、図3に示すスピンエコー法と呼ばれる撮影シーケンスでは、期間Aにおいて、傾斜磁場xを3mT/mの強度で印加した状態で、90゜の高周波磁場パルスを印加する。ここで高周波磁場パルスはその帯域成分が1kHzとなるようにガウシャン波形にて振幅変調されている。この傾斜磁場と高周波磁場の組み合わせにより、被検者1の頸椎部分が体軸(z軸と一致する)に沿った1cm厚のスライス面の核スピンが共鳴励起する。期間Bでは、傾斜磁場yとzを印加する。この傾斜磁場の印加により、期間Aで共鳴励起された核スピンの歳差運動はy軸とz軸に沿って、その傾斜磁場の強度と印加時間に比例した位相差が生じる。期間Cでは、再び傾斜磁場xを3mT/mの強度で印加した状態で180゜強度の高周波磁場を印加する。この傾斜磁場と高周波磁場の組み合わせにより、同じスライス面内の核スピンはその歳差運動の位相を反転することになり、90゜高周波磁場の印加と180゜高周波磁場の印加との間と同じ時間経過後の時点(ポイント)FでスピンエコーとしてNMR信号を呈する。これは、期間Aにおける核スピンの共鳴励起後、印加した傾斜磁場以外の磁場歪により拡散した核スピンの歳差運動の位相を整合する効果がある。ポイントFを含む期間Dでは、傾斜磁場zを印加しながらNMR信号を計測する。計測は傾斜磁場zの強度と撮影領域の大きさに対応したサンプリングレートで256(一例として)点行われる。傾斜磁場zは期間Bの印加量と期間DのポイントF迄の印加量が等しくなるように設定される。これにより、傾斜磁場zによる核スピンの歳差運動の位相誤差もポイントFでキャンセルされるので、最大強度のNMR信号が検出可能となるとともに、z軸の座標中心に対応した位置情報をNMR信号にエンコードさせることになる。所定の待ち時間(期間E)後、期間Bで印加する傾斜磁場yの印加量を変化させて、期間Aから期間Eまでの工程を繰り返しNMR信号を計測する。この繰り返しを例えば256回行うことで、yz面の256×256マトリクス状のNMR信号が得られる。
【0017】
このNMR信号はコネクション回路11の同軸ケーブル203を介して、増幅回路12に入力され、ここで増幅・検波・デジタル変換が行われ、電子計算機13に入力される。電子計算機13は、画像を生成するためにNMR信号を信号処理するのであるが、コネクション回路11から検出コイル10の識別信号によって、この計算処理に検出コイルの感度の空間分布の特性を補正する処理を含ませるか否かを判断する。例えば円筒コイルのように感度分布が均一なものについては補正処理を行わずに、頸椎用検出コイル等の表面コイルの場合は感度分布の変化が大きいものについては補正処理を行う。また円筒コイルであっても断面が楕円形などの変形した円筒コイルでは補正処理を行う。
【0018】
図1の実施例では、頸椎専用の検出コイル10を示す識別信号が予め電子計算機13に入力されているので、計算アルゴリズムには検出コイル10の感度の空間分布の補正が組み入れられる。感度補正は、予め頸椎用検出コイルについてファントム等を用いて求めておいた感度分布に基づき行うことも可能であるが、好適には計測したNMR信号を用いて感度分布を求め、補正をする。これにより実際に用いている検出コイルそのものについて、その撮影条件における感度補正が可能となる。
【0019】
図4に、本発明の好適な補正アルゴリズムの一例を示す。これは2次元のNMR信号のデータより被検者1の検査部位の断層像を再構成するアルゴリズムに検出コイルの感度の空間分布補正アルゴリズムを組み込んだものである。画像再構成アルゴリズムでは、常法により256×256マトリクスのNMR信号401に2次元フーリェ変換処理402を行い、検査部分に対応した断層画像の補正処理前のフーリェ変換データ403を得る。この後、絶対値処理や最大値振幅を一定にする正規化処理405が行われる。一方、補正アルゴリズムはNMR信号の低周波成分のデータを用いることにより検出コイルの感度分布を得る。即ち、まず256×256マトリクスのNMR信号401の中心付近の16×16のマトリクスデータのみを抽出処理する(406)。次いで残りの部分に値がゼロのデータで置換した新しい256×256マトリクスデータ(低周波成分データ)407を作成する。この低周波成分の抽出は、例えばバターワース型フィルタやガウスフィルタ等の低域通過フィルタを用いることにより実現でき、フィルタのパラメータを適当に決めることにより検出コイルの感度分布をよく反映した感度分布を求めることができる。このマトリクスデータ407を同じように2次元フーリェ変換処理をして(408)低周波成分のフーリェ変換データ409を作成、絶対値処理と正規化処理を施す(410)。この演算処理により得られたデータ(感度分布画像)411は検査部位の組織の内部構造のディテールを示すのではなく、検査領域の単純な検出感度分布を示す画像となる。これは、2次元フーリェ変換法では被検体の検査部位の詳細情報は256×256マトリクスデータ401の中心ではなく周辺部分に存在し、中心部分は大まかな濃淡の分布を示すことによる。
【0020】
このように得られた画像データの感度分布画像411の逆数処理412をした補正データ413を絶対値画像データ404の各マトリクスデータの値に掛け合わせ処理し(414)、再び正規化処理415を行うことで、検出コイルの感度分布の特性を補正して、検査部位の本来の核スピンの信号強度に対応した正確な検査結果の補正画像データ416が得られる。
【0021】
この逆数処理412における補正関数F(s)413は、通常F(s)=1/s(sは感度を表す位置の関数である)であるが、感度が非常に低い部分は有効な診断情報が殆ど含まれない領域であって逆数処理することによりかえってノイズが目立ち、画像診断上好ましくない場合がある。このような不都合を回避するため高感度領域ではF(s)として1/sを用い、低感度の所定の位置を最大値としてそれより低感度領域では感度の増加関数とするような補正関数とすることが好ましい。このような特性の補正関数の具体例としては
【0022】
【数1】
Figure 0003547520
【0023】
【数2】
Figure 0003547520
【0024】
【数3】
Figure 0003547520
などが挙げられる。尚、式中a、bは所定の定数である。
【0025】
これにより頸椎専用の検出コイル10の感度分布が補正された画像が再構成され、表示モニター15に表示される。
【0026】
次に、上記MRI装置で他の被検者の頭部を検査する場合について述べる。被検者の頭に円筒状の頭部専用検出コイルを装着して、磁石の中心に位置する様に患者テーブルを操作する。オペレータが検査目的に合った撮影シーケンスを操作卓を操作することで起動する。先の頸椎の検査の場合と同様に256×256マトリクスのNMR信号が計測される。計測終了後、電子計算機13はNMR信号を演算処理して断層像を構成するが、この場合、電子計算機13には先の頸椎の処理と異なり、検出コイルの識別信号として”0001”でが入力されていることから、図4に示すアルゴリズムのうち空間分布の補正処理は行わずに、256×256マトリクスのNMR信号401に2次元フーリェ変換処理402を施し、頭部の検査部分に対応した断層画像の補正処理前のフーリェ変換データ403を得る。これは、頭部用の円筒形の検出コイルはその円筒の内部において、ほぼ均等な検出感度分布を示すことによる。
【0027】
このように本実施例によれば、検査部位に最適な検出コイルを選択し装置に接続することにより、電子計算機13は識別信号に基づき検出コイルの種類を判別し、接続されたコイルに応じて必要な処理アルゴリズムを選択する。これにより円筒コイルのように感度補正が不要の場合は必要な処理のみを行うことで高速に画像処理ができる。また検出コイルの特性データを予め測定しておく必要がなく、補正データを本来の計測データより作成するので、正確な補正が可能になる。かつ、検出コイルの種類に関係なく補正が可能である。
以上の実施例では検出コイルの識別信号を電子計算機が判断して処理内容を変更する場合について説明したが、検出コイルの識別をオペレータの操作卓からの入力によって行ってもよい。このような実施例を図5の操作フロー図を参照して説明する。
【0028】
オペレータは被検体の検査内容と検査部位を考慮して検出コイルを選択、被検者の検査部位にセットする(501)。このセット作業は患者テーブル上で行い、患者テーブルを移動させて被検体の検査部位と検出コイルを超電導磁石の中心に位置させる。次に、オペレータは操作卓のキーを操作して、被検者の名前や登録番号の入力と同時に装着した検出コイルの情報を入力する(502)。この入力は、操作卓の操作画面に合わせて必要項目を入力するか、メニュー画面として表示された選択肢から所定のコイルを選ぶ操作により行われる。更に、検査内容に合致した撮影シーケンスを選択して、第一の実施例と同じようにNMR信号を計測する(503)。次に、電子計算機は処理プログラムに従ってNMR信号データの演算処理を開始するに先立って、操作卓から入力した検出コイルの識別情報により、通常の像再構成信号処理505を行うのか、検出コイルの特性を補正する処理を含んだ像再構成信号処理506を選択するかを判断する(504)。これら像再構成信号処理505及び補正処理を含む像再構成信号処理506は図4に示したアルゴリズムによることができ、このように処理されたデータは撮影条件や対象等の情報を収集するデータ管理プログラム507によって管理される。この情報には補正処理の有無も入力される。以上で検査が終了する。
【0029】
本実施例によれば、従来のMRI装置のハード構成を変更することなく、NMR信号の計算処理プログラムの変更のみで、検出コイルの特性補正が可能になる。更に、新たな高周波コイルの追加に対しても、システムとしてのフレキシビリティが確保できる特徴がある。
【0030】
尚、以上の実施例では複数の種類の異なる検出コイルを選択的に用いて計測する場合について説明したが、本発明はフェーズドアレイコイル、スイッチドコイルのようなマルチプルコイルを部分的に駆動する場合にも適用できる。即ち、複数の表面コイルを配列してなるコイルの一部(の表面コイル)を順次駆動する場合に、駆動されるコイルが異なるごとに補正アルゴリズムを実行し、コイルごとに感度補正された画像データを得る。この場合にも、マルチプルコイルが接続されると電子計算機13は識別信号により、或いはオペレータの操作卓による入力により、マルチプルコイルが接続されている旨を判断し、NMR信号の信号処理において感度分布補正のためのアルゴリズムを含む信号処理を行う。この信号処理は、駆動されるコイルが切り替わる度に感度分布補正のためのアルゴリズムを実行するようにプログラムされており、マルチプルコイルを構成する個々のコイルの感度分布特性に対応して均一な感度補正を行うことができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、用いる検出手段の種類に応じて検出手段の感度の空間分布特性を補正するように構成したので、検査部位に合わせて好適な形状の検出コイルを用い、効率的に且つ正確な検査結果を得ることができる。また本発明によれば、検出手段によって検出したNMR信号を用いて、その検出手段の感度分布を求めることにより、予め検出手段ごとの感度分布特性を求めておく必要がなく、正確な検査結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いたMRI装置の全体構成図
【図2】図1のコネクション回路の詳細を示す図
【図3】撮影シーケンスの一実施例を示すタイムチャート図
【図4】本発明による画像再構成アルゴリズムを説明する図
【図5】本発明の他の実施例を示す操作フローを説明する図
【図6】従来技術によるMRI装置の全体構成図
【符号の説明】
1 被検体
2 超電導磁石
3 傾斜磁場コイル
4 高周波コイル
5、6、7、8 駆動電源
9 患者テーブル
10 高周波コイル
11 コネクション回路
12 増幅回路
13 電子計算機
14 操作卓
15 表示モニター

Claims (3)

  1. 被検体の検査部位から発生する核磁気共鳴信号を検出する手段であって、その種類の識別信号を出力する第1の識別手段を備えた検出手段と、前記第1の識別手段へ接続されて前記検出手段の種類を識別する第2の識別手段と、検出された前記核磁気共鳴信号を処理して前記被検体の断層画像を再構成する信号処理手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記信号処理手段は、
    前記検出手段の種類に対応して該検出手段の感度分布補正の要否を判定する手段と、
    前記感度分布補正が要と判定された場合に、前記検出手段が前記画像再構成用に検出した前記核磁気共鳴信号の一部を用いて該感度分布補正を行う手段とを備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記検出手段は前記被検体の検査部位ごとに配置され、前記第2の識別手段は前記各検出手段のうち駆動中の検出手段を認識する機能を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記第1の識別手段は前記検出手段の種類をビット情報として出力し、前記第2の識別手段は前記ビット情報を読み取ることによって前記検出手段の種類を識別することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置
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