JPH10277009A - 磁気共鳴検査装置において被検体内に挿入した挿入器具の位置を監視する装置および方法 - Google Patents

磁気共鳴検査装置において被検体内に挿入した挿入器具の位置を監視する装置および方法

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JPH10277009A
JPH10277009A JP9106791A JP10679197A JPH10277009A JP H10277009 A JPH10277009 A JP H10277009A JP 9106791 A JP9106791 A JP 9106791A JP 10679197 A JP10679197 A JP 10679197A JP H10277009 A JPH10277009 A JP H10277009A
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Munetaka Tsuda
宗孝 津田
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 インテーベンション治療を行う際に挿入器具
の位置が正確にMRIの画像上で把握できる装置および
方法を提供する。 【解決手段】 挿入器具21内に、被検体の検査対象核
種とは異なる核種を含むNMR試料を封入するととも
に、このNMR試料の核スピンを励起する高周波磁界を
発生する手段と試料からのNMR信号を検出する高周波
コイル32,33を組み込み、被検体のNMR信号の計
測と試料からのNMR信号を同時に行う。被検体から検
出されたNMR信号のデータと挿入器具21から検出さ
れたNMR信号のデータはそれぞれ別個のデータメモリ
ーに記録し、別々にデータ処理した結果を合成画像とし
て表示する。高周波コイルは軸方向の異なる複数からな
り静磁場方向の如何に関わらずNMR信号を計測でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は核磁気共鳴(以下、
NMRという)現象を用いて人体などの内部を検査する
磁気共鳴検査装置に関し、特に、NMRインターベンシ
ョンにおいて、被検体内に挿入した挿入器具の位置を監
視する装置および方法に関する。
【0002】
【従来技術】磁気共鳴検査(以下、MRIという)装置
は、NMR現象を利用して、人体などの内部の解剖学的
な断層像を得るもので、従来から用いられているX線や
超音波を利用した検査装置では得られない新たな診断情
報が得られることから、広く医療施設で普及している。
【0003】近年では更にMRIの画像を撮りながら、
治療などの処置を被検者に加えるインターベンションへ
の応用への要求が高まり、実質的にリアルタイムで画像
が得られる高速撮影手法及び開放型のMRI装置の開発
(特願平8−79111号)がそれを可能ならしめてい
る。
【0004】このインターベンション法では、被検者の
体空内にカテーテルや生検針などの外科器具や治療器具
を挿入しながらの画像検査が必須であり、この挿入器具
の位置は、MR画像において被検体の組織自体が空白に
なることにより、把握し判断している。しかしこの方法
は鼻空のようにそもそもNMR信号が検出されない部位
では判断できなくなる。
【0005】そこで、より積極的に挿入器具の位置検出
を行う手法が提案されている(特開平6−14905号
公報,特開平6−22937号公報,特開平6−229
38号公報等)。これらの従来技術では、挿入器具にN
MR信号を検出するRFコイルを取付け、被検体を非選
択励起した後、挿入器具近傍のみからNMR信号を検出
し、検出されたNMR信号から挿入器具の位置を求める
手法や、挿入器具にMR活性試料を組込み、RFエネル
ギーによりMR活性試料を励起して、MR活性試料から
のNMR信号をMRIの検出手段或いは挿入器具に取付
けた検出手段(高周波コイル)で検出し、挿入器具の位
置を求める手法が提案されている。ここでMR活性試料
としては被検体内の対象核スピンと異なる核種(例えば
フッ素)を用いることが記載されている。また、挿入器
具にその長さ方向に沿って複数のNMR信号検出手段を
設ける技術も提案されている。
【0006】このように計測された挿入器具の画像は、
別に計測した画像(X線や超音波の画像を含む)に重ね
合せて表示することにより利用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの従来技
術は、挿入器具に取付けた高周波コイルとして単一のコ
イルを用いているため、挿入器具の挿入方向によってコ
イルの向きが静磁場方向と一致しているときには、NM
R信号を全く受信できないという問題がある。
【0008】また挿入器具を監視するための計測と、被
検体についてのMRI計測とは別個に行うようにしてい
るので、インターベンションにおいてリアルタイムで被
検体と挿入器具双方の画像を得ることは困難であり、更
にこれらの画像を重ね合わせた場合に、静磁場の不均一
歪や傾斜磁場の非線形による画像歪に起因して、位置精
度の誤差が生じる可能性があった。
【0009】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
その目的は、静磁場方向に対する挿入器具の方向の如何
に関わらず、その位置が正確に把握でき、且つMRI画
像上で正確に表示できるMRI装置及び方法を提供する
ことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、被検体を配設する空間に磁場を発生す
る手段と、磁場に重畳して少なくとも一軸方法に磁場強
度の異なる傾斜磁場を発生する手段と、被検体の核スピ
ンを励起させる高周波磁場を発生する手段と、被検体の
核スピンからのNMR信号を検出する手段と、NMR信
号を処理し、処理結果を表示させる手段とを備えたMR
I装置において、被検体内に挿入した挿入器具の位置を
監視する装置として、挿入器具に封入され、被検体の核
スピンと異なる種の核スピンを有する試料と、試料の核
スピンを励起させる第2の高周波磁場を発生する手段
と、挿入器具に装着され、試料の核スピンからのNMR
信号を検出する第2の検出手段とを備えたものであり、
特に第2の検出手段は異なる方向の磁場を検出する複数
の検出手段の組合せからなるものである。
【0011】第2の検出手段を、異なる方向の磁場を検
出する複数の検出手段で構成したことにより、挿入器具
が静磁場内でどのような方向にあってもNMR信号を検
出することができる。
【0012】また本発明は、MRI装置において被検体
内に挿入した挿入器具の位置を監視する方法であって、
次のステップから成る。即ち、被検体を均一な静磁場空
間に配設し、被検体の核スピンを励起させる第1の高周
波磁場と、挿入器具に封入され、被検体の核スピンとは
異なる核スピンを励起させる第2の高周波磁場とを同時
に印加して両核スピンを励起し、両スピンに位置情報を
付与する傾斜磁場を印加して、被検体の核スピンから生
じる第1のNMR信号を第1の検出手段で検出すると共
に、挿入器具の核スピンから生じる第2のNMR信号
を、前記挿入器具に取付けられた第2の検出手段で検出
し、第1のNMR信号及び第2のNMR信号をそれぞれ
処理して、画像再構成し、被検体の断層像上に挿入器具
が表示された画像を得る。
【0013】本発明の方法では、被検体と挿入器具との
NMR信号を実質的に同時に計測することが可能なの
で、被検体断層像と挿入器具位置とを重ね合わせた画像
において位置精度の誤差をなくすことができる。尚、画
像再構成処理において、被検体の画像と挿入器具の位置
を示すデータは識別可能な処理を施すことが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施例を図
面を参照して説明する。図1は、本発明を適用したMR
I装置の概略構成図を示す。図において、磁石1は被検
者2が配設される空間に均一な磁場を発生すもので、超
電導磁石,永久磁石または常電導磁石が採用される。図
示する実施例では、図中左右方向に磁場強度1.5テス
ラの磁場を発生する超電導磁石が用いられている。
【0015】この磁石1のボア内にはx,y,zの3軸
方向の傾斜磁場コイル3が一体化されて組み込まれてい
る。これら傾斜磁場コイル3は磁石1が発生する磁場の
磁場強度をx,y,z軸方向に沿って直線的に変化させ
る。傾斜磁場コイル3には、それぞれx,y,zの傾斜
磁場電源7,8,9が接続されており、傾斜磁場発生に
必要な電流が供給される。
【0016】傾斜磁場コイル3の内側には、高周波コイ
ル4が組み込まれており、被検者2の検査部位の核スピ
ンを励起する周波数の高周波磁場を印加する。この共鳴
周波数は、対象核種がプロトンの場合、図示する1.5
テスラのMRI装置では63.6MHzである。高周波
コイル4にはこの周波数の高周波電力を供給するH送信
器10が接続されている。
【0017】高周波コイル4の内側には、別の高周波コ
イル5が組み込まれており、被検体からのNMR信号
(第1のNMR信号)を検出する。高周波コイル5には
H受信器11が接続されており、H受信器11は検出さ
れたNMR信号を適切なレベルにまで増幅・検波し、デ
ィジタル信号に変換する。尚、図示する実施例では、高
周波磁場を発生する高周波コイル4とNMR信号を検出
する高周波コイル5は別個のコイルであるが、両コイル
の機能を同一の高周波コイルが兼ねてもよい。また磁石
1の一方の端面には、可動天板を有する患者テーブル6
が置かれており、被検者2の検査部位を高周波コイル5
の中心に配置することができる。
【0018】上述したx,y,zの傾斜磁場電源7,
8,9とH送信器10とH受信器11は、シーケンス制
御器12に接続されており、それらの動作振幅やタイミ
ングが制御されている。また、シーケンス制御器12内
のHデータメモリー15にはH受信器11で受信したN
MR信号のディジタル信号が記録される。シーケンス制
御器12はコンピュータ13のデータバス信号が接続さ
れており、予めプログラムされた動作モードが保証され
ている。また、コンピュータ13はHデータメモリー1
5よりNMR信号を読み取り、フーリエ変換などの処理
を行う。処理結果は、コンピュータ13に接続されてい
るモニター14に表示される。またコンピュータ13に
は検査条件等を入力するためのコンソール(図示せず)
が接続されている。これらモニター14およびコンソー
ルは通常磁石1が置かれる検査室(磁場遮蔽された部
屋)とは別の場所に設置されている。
【0019】以上の構成は従来技術の汎用のMRI装置
と同様の構成であり、被検者2の検査部位の断層画像を
撮影することができる。
【0020】一方、被検者2の体空内に挿入される挿入
器具21には、被検体の対象核スピンとは異なる種の核
スピン(例えばフッ素)を有する試料が封入されてお
り、更にこの試料の近傍に試料の核スピンからのNMR
信号を検出する第2の検出手段である2つの高周波コイ
ルが設けられており、この高周波コイルには試料内の核
スピンを励起する周波数(例えば、フッ素であれば6
0.1MHz)の高周波電力を供給するF送信器22
と、この核スピンからのNMR信号を増幅・検波しディ
ジダル信号に変換するF受信器23が接続されている。
【0021】これらF送信器22とF受信器23は、H
送信器10およびH受信器11と同じようにシーケンス
制御器12に接続されており、その動作振幅とタイミン
グが制御されている。F受信器23の出力であるディジ
タル信号はシーケンス制御器13のFデータメモリー2
6に記録され、コンピュータ13で信号処理されてモニ
ター14に表示される。
【0022】更に、患者テーブル6の近傍(挿入器具2
1の操作付近)には、コンピュータ13に接続された第
二モニター24および遠隔コンソール25が配置されて
おり、この遠隔コンソール25からの操作によりMRI
装置の操作が可能であり、またコンピュータ13での処
理結果を第二モニター24にも表示することができる。
これによりインターベンション治療中の医師はモニター
24に表示された結果を見ながら挿入器具21の操作等
の処置ができるようになっている。
【0023】次に本発明の監視装置における挿入器具の
詳細を説明する。本実施例において挿入器具21は、図
2に示すようにカテーテル,ガイドワイヤ,内視鏡等細
い管状の器具で、少なくともその先端部分にNMR試料
が封入されたガラス球体(キャピラリー)31が組込ま
れている。NMR試料としては13C,19F,31P等被検
体の対象核種(通常プロトン)以外の核種を含む材料で
あればよく、例えばフッ酸等のフッ素化合物が用いられ
る。
【0024】キャピラリー31には互いに直交する軸を
有する高周波コイル32と高周波コイル33が密着して
巻きつけられている。高周波コイル32と高周波コイル
33の端子はそれぞれ同調回路33に接続されており、
NMR試料の核スピンの共鳴周波数(フッ素核スピンで
あれば60.1MHz)に共振特性を有し、かつ、位相
マッチングするように調整される。同調回路33は、ケ
ーブル35を介してインピーダンス変換回路36に接続
され、同調回路33の出力のインピーダンスは所定値、
例えば50オームに変換される。インピーダンス変換回
路36の出力端子は送受スイッチ回路37を経てF送信
器22とF受信器23に接続される。
【0025】送受スイッチ回路37は、高周波磁場送信
時には、インピーダンス変換回路36とF送信器22を
接続し、NMR信号受信時にはインピーダンス変換回路
36とF受信器23を接続する。その一例を図3に示
す。この実施例では、送受スイッチ回路37は、二つの
交叉ダイオード371,372と、ケーブル長λ/4
(λ:波長)のケーブル373より構成されている。
【0026】F送信器22より高周波コイル32,33
に高周波電力を供給する場合、F送信器22の出力電圧
は7ボルト程度あり、交叉ダイオード371を通過する
が、交叉ダイオード372はλ/4ケーブル373の終
端短絡として機能するので、λ/4ケーブル373の反
対側のインピーダンスは実質的に無限大の値となる。こ
の結果、F送信器22の出力電力は、受信器23側に漏
れることなく全てインピーダンス変換回路36を介して
高周波コイル32と33に印加され、キャピラリー31
内のフッ素核スピンを共鳴励起する。
【0027】一方、高周波コイル32と高周波コイル3
3で検出されたNMR信号は、その合成値でもマイクロ
ボルト程度の電圧なので、二つの交叉ダイオード371
と372を導通することができない。この結果、NMR
信号は効率よくF受信器23に受信されることになる。
【0028】このようにキャピラリ31に直接高周波コ
イルを設けることにより、少ない試料量でも高感度でN
MR信号を検出できる。また、互いに直交する二つの高
周波コイルを配置することで挿入器具が磁場内(被検体
内と同じ)のどの方向を向いてもNMR信号が検出でき
る。
【0029】尚、図2の実施例では第2の検出手段とし
て直交する2つの高周波コイルを用いた場合を示した
が、図5に示すように、高周波コイルはそれより多くて
もよく、また必ずしも直交していなくても、軸方向が異
なるコイルの組合せ(図では高周波コイル51,52,
53で示す)であれば、同様の効果を得ることができ
る。また挿入器具において高周波コイルを設ける位置お
よび数も図示したものに限定されず、その長さ方向に沿
って複数の高周波コイルを連設してもよい。
【0030】次に図1に示すMRI装置により、挿入器
具を用いてインターベンション治療を施す手順について
説明する。まず医師あるいは検査技師(通常MRI装置
のオペレータを兼ねる)は、患者テーブル25を操作し
て、その移動天板を搬送し、被検体2の治療部位を磁石
の中心に配設する。この状態で、通常の撮像シーケンス
を起動し、被検体の画像を撮影する。この画像は操作室
のモニター14のみならず、患者テーブル25近傍の第
二モニター24にも表示され、医師はこの画像を第二モ
ニター24で確認し、治療目的にあわせた作業を進める
ことができる。
【0031】次に、遠隔コンソール25を操作して、撮
像および挿入器具監視のためのパルスシーケンスを連続
的に動作させる機能と、これらシーケンス実行により逐
次結果として得られる画像を連続的に第二モニター24
に表示する機能とをコンピュータ13にインプットす
る。この状態で、挿入器具21を被検者に挿入する。
【0032】ここで選択されたパルスシーケンスでは、
挿入器具中の試料の核スピンと被検体の核スピンを同時
に励起して、それぞれNMR信号を計測し、別個の画像
データを取得する。そして得られた画像を合成し、画像
モニター14と第二モニター24に表示する。従って、
医師と検査技師の双方が異なる場所(検査室,操作室)
で観ることができ、医師は挿入器具21と被検者2の位
置関係を第二モニター24で確認しながら治療を進める
ことができる。
【0033】次に本発明による挿入器具の監視方法およ
びそれと同時に実行されるMR撮像パルスシーケンスに
ついて説明する。図4はこのような本発明方法における
各ユニットの動作を示したパルスシーケンスの一実施例
を示すタイミングチャートであり、このパルスシーケン
スでは撮像法としてグラディエントエコー法を基本とし
ている。
【0034】図4のパルスシーケンスにおいて、期間A
でスライス面に垂直な軸の傾斜磁場パルス43を発生し
た状態で、水素核スピンが共鳴する周波数の高周波パル
ス41とフッ素核スピンが共鳴する周波数の高周波パル
ス42を印加する。これにより、被検体2のスライス内
と挿入器具21内の核スピンがともに共鳴励起する。被
検体2の組織には通常ではフッ素核スピンは存在せず、
また挿入器具21内にはキャピラリー31内のフッ素核
スピン以外はNMR現象に寄与する核スピンが存在しな
いことから、二つの高周波磁場は選択的に被検体2と挿
入器具21を共鳴励起する機能が持たされていることに
なる。
【0035】次に、期間Bでは、期間Aで励起された核
スピンの位相を整合するためのリフェーズパルス44を
印加する。次に、期間Cでは、スライス面内の一つの軸
方向の傾斜磁場を核スピンの位相エンコードパルス45
として、他の軸方向の傾斜磁場を周波数エンコードのデ
ィフェーズパルス46として、印加する。期間Dでは、
周波数エンコードパルス49を発生した状態で、水素核
のNMR信号48とフッ素核のNMR信号49を検出す
る。水素核のNMR信号48は高周波コイル5で検出さ
れ、フッ素核のNMR信号49は高周波コイル32,3
3で検出される。検出の期間は、期間Cのディフェーズ
パルス46と周波数エンコードパルス48の傾斜磁場の
積分量がゼロとなる時点でNMR信号はピークを示すこ
とになる。H受信回路11,F受信回路23はそれぞれ
各NMR信号48,49についてこのピーク点を中心に
256点のディジタルデータを取得し、これらデータは
それぞれシーケンス制御器12内のHデータメモリー1
5とFデータメモリー26に記録される。
【0036】期間Dの待ち時間を経て、位相エンコード
傾斜磁場パルス45の振幅を変化させながら、期間Aか
ら期間Fまでを繰り返す。このような繰り返しを例えば
64〜256ステップ繰り返し、1枚の画像を構成する
のに必要なマトリクスデータを得る。このような計測の
後に得られた、水素核スピンのマトリクスデータとフッ
素核スピンのマトリクスデータをコンピュータ13でフ
ーリエ変換処理し、画像データにした後、合成する。こ
の合成画像、即ち被検体の断層像上に挿入器具を重ねた
画像をモニター14及び第二モニター24に表示する。
【0037】この際、被検体の断層像と挿入器具の画像
とを識別可能にするために、コンピュータ13は、挿入
器具の輪郭を明確に表示する処理や、挿入器具の画像デ
ータのみカラー表示する処理等を適宜行う。本発明のイ
メージング方法では被検体と挿入器具のNMR信号を分
離して信号処理ができるので、このような処理が可能と
なる。
【0038】尚、以上述べたパルスシーケンスを実行す
るに際し、被検体毎に、予め傾斜磁場を印加しない状態
で、水素核スピンの共鳴周波数とフッ素核スピンの共鳴
周波数をジャストレゾナンスの状態になるようにキャリ
ブレーション操作を行っておくことが好ましい。これに
より被検体の個体差による位置精度の誤差を取り除くこ
とができる。
【0039】このように本発明のイメージング方法によ
れば、被検体の対象核スピンと挿入器具の核スピンとを
同時に励起し、異なる検出手段(高周波コイル)でそれ
ぞれのNMR信号を検出し画像再構成しているので、別
個に計測された画像を合成するのとは異なり、画像の位
置ずれの問題がない。
【0040】実際のインターベンション治療では、挿入
器具21を移動しながら、逐次図4のパルスシーケンス
を繰り返し、被検体と挿入器具についてそれぞれのマト
リクスデータを得る。これら二回目以降に得られたマト
リクスデータを用いて、従前のデータの一部を逐次新し
いデータで更新しながら画像再構成処理を連続的に行
う。これにより、実質的にリアルタイムで医師は挿入器
具21と被検者2の組織の位置関係を把握できる。
【0041】尚、本発明の方法においては、挿入器具か
らのNMR信号を検出する高周波コイルは本発明の監視
装置において説明した複数のコイルから構成されるもの
を用いることが好ましいが、これに限定されるものでは
ない。
【0042】また図4に示すパルスシーケンスではグラ
ディエントエコー法による撮像法を示したが、撮像法と
しては1回の励起で複数(N)のNMR信号を計測する
エコープレナー法を採用することも可能である。この場
合は図4のシーケンスの繰り返し回数を64回とする
と、繰り返し回数を64/Nにすることができるので、
前述のようにリアルタイムで被検体と挿入器具との相対
位置を表示させる場合に有利である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による挿入
器具の監視装置によれば、挿入器具に被検体の検査対象
である核スピンとは異なる核種の核スピンを含む試料を
封入するとともに、挿入器具にこの核スピンを専用に検
出する手段を設けることにより、被検体と挿入器具を同
時に画像化することができ、しかも挿入器具の核スピン
の検出手段として軸方向の異なる複数の高周波コイルを
組合せたことにより、静磁場方向の如何に関わらず挿入
器具の位置を正確に把握できる。
【0044】また本発明のイメージング方法によれば、
被検体のNMR信号と挿入器具のNMR信号を同時に計
測するので、静磁場の不均一や傾斜磁場の非線形による
誤差を受けることなく、相互の位置関係を把握すること
ができる。更に、リアルタイムで画像を計測するパルス
シーケンスを併用することで、被検者の動きに対しても
正確に相互の位置が把握できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるMRI装置のブロック構成図。
【図2】挿入器具の詳細な説明図。
【図3】第二の高周波コイルの送受スイッチ回路図。
【図4】本発明によるイメージング方法のパルスシーケ
ンス図。
【図5】本発明による別の実施例。
【符号の説明】
1 磁石(磁場発生手段) 2 被検体 3 傾斜磁場コイル 4 高周波コイル(高周波磁場発生手段) 5 高周波コイル(第一の検出手段) 10 H送信器(高周波磁場発生手段) 11 H受信器(第一の検出手段) 12 シーケンス制御器 13 コンピュータ(信号処理手段) 14 モニター(表示手段) 15 Hデータメモリー 21 挿入器具 22 F送信器(第二の高周波磁場発生手段) 23 F受信器(第二の検出手段) 24 第二モニター(表示手段) 25 遠隔コンソール 26 Fデータメモリー 32,33 高周波コイル(第二の検出手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体を配設する空間に磁場を発生する
    手段と、前記磁場に重畳して少なくとも一軸方法に磁場
    強度の異なる傾斜磁場を発生する手段と、前記被検体の
    核スピンを励起させる高周波磁場を発生する手段と、前
    記被検体の核スピンからのNMR信号を検出する手段
    と、前記NMR信号を処理し、処理結果を表示させる手
    段とを備えた磁気共鳴検査装置において前記被検体内に
    挿入した挿入器具の位置を監視する装置であって、 前記挿入器具に封入され、前記被検体の核スピンと異な
    る種の核スピンを有する試料と、 前記試料の核スピンを励起させる第2の高周波磁場を発
    生する手段と、 前記挿入器具に装着され、前記試料の核スピンからのN
    MR信号を検出する第2の検出手段とを備え、 前記第2の検出手段は異なる方向の磁場を検出する複数
    の検出手段の組合せからなることを特徴とする挿入器具
    監視装置。
  2. 【請求項2】 磁気共鳴検査装置において被検体内に挿
    入した挿入器具の位置を監視する方法であって、 前記被検体を均一な静磁場空間に配設し、 前記被検体の核スピンを励起させる第1の高周波磁場
    と、前記挿入器具に封入され、前記被検体の核スピンと
    は異なる核スピンを励起させる第2の高周波磁場とを同
    時に印加して両核スピンを励起し、 前記両スピンに位置情報を付与する傾斜磁場を印加し
    て、前記被検体の核スピンから生じる第1のNMR信号
    を第1の検出手段で検出すると共に、前記挿入器具の核
    スピンから生じる第2のNMR信号を、前記挿入器具に
    取付けられた第2の検出手段で検出し、 前記第1のNMR信号及び第2のNMR信号をそれぞれ
    処理して、画像再構成し、前記被検体の断層像上に前記
    挿入器具が表示された画像を得ることを特徴とする方
    法。
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