JP3995773B2 - 工作機械の制振装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、工作機械の制振装置に関するもので、良好な仕上げ面を有する精度の高い加工を行うことが可能な技術手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工作機械はワークと刃物との相対移動により、ワークを加工するものである。仕上げ面の良好な精度の高い加工品を得るためには、ワークと刃物とが正確な相対位置関係を維持して運動することが必要である。そのため工作機械の構成部材は、外力による変形が起こらないように剛性の高いものとし、外力がワークの加工精度に影響を及ぼさないように種々の考慮が払われている。
【0003】
ワークの仕上げ精度を低下させる要因の一つとして、工作機械の振動がある。ワークは通常素材から粗加工、中加工、仕上げ加工という数工程を経て仕上げられる。粗加工においては、切削反力の大きな重切削が行われ、素材の形状にも大きな誤差があるから、加工中に機械に生ずる振動も大きい。しかし中加工、仕上げ加工と工程が進むにつれて、切削量は少なくなり、機械にかかる切削反力も一定してくるため、機械の振動も小さくなる。従って粗加工時の機械の振動によって生じた加工誤差は、その後の加工によって除去され、良好な精度の加工品が得られるのである。
【0004】
ところが2主軸対向旋盤のように、1台の機械に複数の加工ステーションがある機械では、第1加工ステーションで粗加工を行い、第2加工ステーションで仕上げ加工を行うことがある。たとえば2主軸対向旋盤では、ローダで供給された素材を第1主軸のチャックで把持して粗加工を行い、それを第2主軸のチャックに受け渡して、第1主軸のチャックで把持されていた部分の加工と仕上げ加工とを行うのである。このような場合、第1主軸側の粗加工で生ずる振動が、第2主軸側に伝播し、第2主軸側で行っている仕上げ加工の精度を低下させるということが起こる。
【0005】
ワークの仕上げ精度に悪影響を及ぼす振動の他の発生源として、ローダやアンローダがある。これらの装置は往復運動や間歇運動を行うので、その起動停止時に慣性力に基づく振動が発生する。特にワークの加工サイクルの短い小型の高速旋盤では、ローダやアンローダの動作速度も速くなるので、その起動停止時の振動が大きくなる傾向がある。ローダやアンローダの動きに起因する振動は瞬間的なもので、たとえばワーク端面の仕上げ加工を行っているときに、瞬間的な振動に起因する条痕がワークの仕上げ面に残るということが起こる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
機械の振動に起因するワークの仕上げ精度の低下を避けるためには、機械側の慣性質量を大きくして振幅を下げるか、あるいは振動源と加工ステーションとの間に振動を吸収する防振部材を介装することが考えられる。しかし前者は工作機械を不必要に大型化し、機械コストも上昇するので、好ましい対策とはいえない。また後者は緩衝機能は工作機械に要求される剛性と両立させることが困難な機能であるため、現実には採用することが困難である。
【0007】
この発明は上記のような問題に鑑み、工作機械の振動に起因する仕上げ精度の低下を防止する新たな技術手段を提供することを課題としており、特にローダやアンローダの動きに起因する振動が仕上げ加工側に伝播して、仕上げ精度を低下させることを有効に防止することができる技術手段を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明に係る工作機械の制振装置は、粗加工を行う第1加工ステーション11と仕上げ加工を行う第2加工ステーション12とを同一機械上に備え、かつフレーム52を当該機械のベッド1に装着したローダ又はアンローダを備えた工作機械の制振装置であって、前記ローダ又はアンローダに固定された振動検出器21と、前記第2加工ステーションのワーク保持台4又は刃物保持台5に固定された加振器25とを備え、前記振動検出器21の出力信号に基いて前記加振器25の駆動電流値を制御し、前記振動検出器21で検出された振動に対する逆位相の振動を前記ワーク保持台4又は刃物保持台5に与えることを特徴とする工作機械の制振装置である。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の工作機械の制振装置において、前記ローダ又はアンローダが門形のフレーム(52)の上桁(53)に沿って走行する台車(54)を備えたガントリー型のローダ又はアンローダであり、前記振動検出器(21)の振動の検出方向および加振器(25)の加振方向が前記台車の走行方向であることを特徴とするものである。
【0010】
この発明では振動検出器21で検出された振動に対する逆位相の振動をワーク保持台4や刃物保持台5に与えることにより、互いの振動を相殺してワークや刃物の振動を抑止する。振動検出器21は、ローダやアンローダのフレームやアーム等に固定しておくのが有効である。
【0011】
【作用】
この発明の制振装置によれば、ローダやアンローダの運動に起因する振動により、仕上げ加工されているワークの加工精度が低下するのを回避できる。振動検出器21が振動発生源に近い位置に固定されているので、振動を検出するタイミングが早くなり、検出される振動の振幅も大きいから、信号検出および応答速度の点で有利であり、ローダの動作に起因する信号のように、一時的な振動の制振を行うときに有利である。
【0012】
加振装置25を振動検出器21で検出された細かい振動にまで対応させることは現実には困難であるが、機械の振動は通常振幅の大きな主となる振動に、これより周波数が高くかつ振幅の小さな振動が重畳しているものがほとんどであるから、主となる振動を制振するように加振装置を制御してやれば、振動による仕上げ精度の低下を大幅に軽減できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図は2主軸対向旋盤における第2主軸および第2刃物台の制振にこの発明を採用した例を示したもので、図1は模式的な平面図、図2は模式的な正面図である。
【0014】
図の2主軸対向旋盤は、ベッド1と実質上一体の第1主軸台2と、Z軸方向(主軸方向)およびX軸方向(バイトの切込方向)に移動する第1タレット刃物台3と、第1主軸台に対向してZ軸方向に移動する第2主軸台4と、X軸方向に移動する第2タレット刃物台5とを備えている。第1主軸6および第2主軸7は、それぞれ第1主軸台2および第2主軸台4に軸支されて同一軸線上に位置しており、それらの対向端に第1チャック8および第2チャック9が装着されている。
【0015】
図の2主軸対向旋盤は、ガントリー型のローダ51を備えている。このローダの門形のフレーム52は、旋盤のベッド1に実質上一体に装着されており、その上桁53に沿って走行する台車54を備えている。台車54には昇降する垂直方向の腕55が設けられており、その腕の下端にはワークを把持するハンド56が設けられている。
【0016】
以下図1および図2に基いてローダ51を備えた2主軸対向旋盤の動作を簡単に説明する。ローダ51は台車54の水平移動と腕55の昇降とによってワークを搬送して、第1チャック8に素材を供給する。第1主軸と第1タレット刃物台で構成される第1加工ステーションにおいて、粗加工と第2チャック9で把持される部分の仕上げ加工とが行われる。次に第2主軸台4が第1主軸台側に移動して第1チャック8から第2チャック9へとワークを受け渡し、第2主軸台が後退した後、第2主軸と第2タレット刃物台とで構成される第2加工ステーション12で第1チャック8で把持されていた部分の粗加工と全体の仕上げ加工が行われる。ワークを第2チャック9へ受け渡した後の第1チャック8へは、ローダ51から次のワークが供給され、第1加工ステーション11での加工と第2加工ステーション12での加工が並行して行われ、なおかつその間にローダ51は次のワークを取り上げて待機するという動作を行う。第2加工ステーションでの加工が終了したワークは、ローダもしくは図示しないアンローダに受け渡されて機外に搬出される。
【0017】
以上の動作説明から理解されるように、2主軸対向旋盤のような複数の加工ステーションを備えた工作機械では、一方の加工ステーションで仕上げ加工を行っているときに、他方の加工ステーションで行われている粗加工に起因する振動が生じたり、ローダの運動に伴う振動が生じたりするのである。
【0018】
図1には、第1加工ステーション11で行われている粗加工に起因する振動が仕上げ加工を行っている第2加工ステーション12の加工精度を低下させるのを防止する例が示されている。この例では振動検出器21が第1主軸台2に固定されており、加振器25が第2タレット刃物台5に固定されている。振動検出器21および加振器25の近傍に記載された両向き矢印a,bは、それぞれ振動の検出方向および加振方向を示し、この例ではともにX軸方向すなわち刃物の切込方向である。振動検出器21の信号は演算回路31およびドライバ32を介して加振器25に与えられている。演算回路31の演算式は、第1加工ステーション11で粗加工を行っている際の第1主軸台2の振動と第2主軸台4および第2タレット刃物台5の振動とを予め測定してそれらの相関関係に基いて決定する。
【0019】
この発明の実施形態は、図2に示されている。ローダからの信号を制振する例を示したものである。振動検出器21はローダのフレーム52にその振動検出方向aをZ軸方向にして装着されており、加振器25は第2主軸台4に加振方向bをZ軸方向にして装着されている。振動検出器21の信号は演算回路31およびドライバ32を介して加振器25に与えられている。ここで振動の検出方向および加振方向をZ軸方向としたのは、ローダの腕55がZ軸方向に走行するからであり、X軸方向に移動してワークを搬送するものを用いたときは、振動検出方向および加振方向をX軸方向とするべきである。
【0020】
以上説明した上記実施例のものでは、第2加工ステーションで加工されているワークに対する第1加工ステーション側の振動およびローダの運動に起因する振動による影響を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の模式的な平面図
【図2】 実施例の模式的な正面図
【符号の説明】
1 工作機械のベッド
4 第2主軸台
5 第2タレット刃物台
11 第1加工ステーション
12 第2加工ステーション
21 振動検出器
25 加振器
52 ローダのフレーム
Claims (2)
- 粗加工を行う第1加工ステーション(11)と仕上げ加工を行う第2加工ステーション(12)とを同一機械上に備え、かつフレーム(52)を当該機械のベッド(1)に一体に装着したローダ又はアンローダを備えた工作機械の制振装置であって、前記ローダ又はアンローダに固定された振動検出器(21)と、前記第2加工ステーションのワーク保持台(4)又は刃物保持台(5)に固定された加振器(25)とを備え、前記振動検出器の出力信号に基いて前記加振器の駆動電流値を制御し、前記振動検出器で検出された振動に対する逆位相の振動を前記ワーク保持台又は刃物保持台に与えることを特徴とする、工作機械の制振装置。
- 前記ローダ又はアンローダが門形のフレーム(52)の上桁(53)に沿って走行する台車(54)を備えたガントリー型のローダ又はアンローダであり、前記振動検出器(21)の振動の検出方向および加振器(25)の加振方向が前記台車の走行方向である、請求項1記載の工作機械の制振装置。
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