JPH0246321B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、チヤツクに把持された加工物を切削
する工作機械に関し、特に前記把持された加工物
を移動して固定刃物台の切削工具で切削するよう
にした工作機械に関するものである。

従来、たとえば旋削工作機械において、加工物
を把持するチヤツクを先端に固設して回転させる
主軸は、水平あるいは垂直に軸承されたものが広
く知られている。そして、切削工具を取り付ける
刃物台は、主軸に対してＸ，Ｚ方向に移動可能に
設けられている。また、上記したような主軸を
Ｘ，Ｚ方向に移動可能にして刃物台が固定された
旋削工作機械、あるいは主軸および刃物台の両者
をＸ，Ｚ方向に移動させる旋削工作機械も知られ
ている。しかし、上記したような従来の工作機械
は、ロボツトまたはローダを装備するには不具合
な構成である。すなわち、加工物の試し削り、工
具破損や工具摩耗の際の工具セツテイングまたは
交換をするため作業者の工作機械に対する接近性
に難点があり、そのため工作機械装備のロボツト
やローダは、たとえばベツドの側面等の作業領域
を避けた位置、つまり作業者にとつて作業の妨げ
とならないところに固定されねばならない。

さらに、大物の加工物を搬送したり、複数の工
作機械を周囲に設置して１台のロボツトで加工物
の搬出入を行う場合は、搬送装置そのものが大型
化するので、工作機械とは切り離して別に設置し
なければならず、そのため広い床面積を必要と
し、しかもロボツトアームの振りまわし等のため
安全性に欠けるなどの問題点がある。また、汎用
工作機械に搬送装置を新たに取り付ける際は、据
付現場において搬送装置とチヤツクとの芯合せの
ための調整および電気的な信号の出入力の調整を
必要とし、取り付け時に多くの時間を要してい
た。

本発明は上記事情に鑑み、床の占有面積を少な
くし、安全性、作業性を高める等従来の欠点を解
消し搬送機能を高めた工作機械を提供せんとする
ものである。そして、上記目的達成のため、本発
明の工作機械は、床面に対して所定角度傾斜させ
た案内面を有するベツドと、該ベツトの案内面の
傾斜面に平行でかつ回転軸線が上下方向に設けら
れた主軸と、前記傾斜面内の主軸軸線方向および
この主軸軸線と直交する方向に移動自在であると
ともに、前記主軸を回転自在に軸承する主軸台
と、前記主軸線の軸線方向下端に設けられ被加工
物を把持するチヤツクと、前記チヤツク側の前記
ベツド上に設けられ、前記被加工物を切削する工
具を有する刃物台と、前記主軸と対向する位置に
設けられ複数の被加工物を載置するとともに、被
加工物受渡し位置において、前記チヤツクの把持
動作に応じて受渡し可能に被加工物を配設するよ
うにしたワークストツカとからなり、主軸台の軸
移動の動作で前記チヤツクに前記ワークストツカ
上の被加工物を直接把持可能にして受渡しを行う
ようにした構成としたものである。

以下に本発明を、図に示す実施例にもとずいて
説明する。第１図は、旋削工作機械の基本構成を
示す正面図、第２図はその右側面図、第３図はそ
の左側面図、第４図は旋削工作機械の斜視図であ
る。図中符号１はベツド、２は主軸台、３は刃物
台である。ベツド１は床面に据え付けられ、傾斜
する案内面４を有す。その案内面４は床面に対し
て60゜程傾斜され、摺動面とすべく案内面４の上
下方向（Ｚ方向）とは直角方向（Ｘ方向）に２本
のスライドレール４ａ，４ｂが形成されている。
案内面４には、摺動可能にサドル５が設けられ
る。そのサドル５は、サーボモータ１９によつて
スライドレール４ａ，４ｂ上を移動可能に設けら
れている。主軸台２を保持するクロススライド７
は、その下面に設けられた溝を、サドル５上のＺ
方向に設けられた案内レール５ａに嵌められて摺
動可能にされている。サーボモータ１２はサドル
５の一端に設けられ、第２図に示すように、前記
サーボモータ１２と連結し回転されるボールネジ
６にはクロススライド７と一体化するナツト体１
０が螺合されており、クロススライド７はＺ方向
に移動可能となつている。また、このクロススラ
イド７には、回転自在な主軸を有する主軸台２
と、この主軸をベルト９を介して回転させる主軸
駆動モータ８と、それらを覆うカバー１１とが設
けられている。主軸は主軸台２に軸承され、その
下端には加工物１３を把持すべくチヤツク１４が
設けられている。したがつて、主軸台２は、加工
物を把持してサドル５上をＺ方向に、またガイド
レール４ａ，４ｂ上をＸ方向に移動可能となる。

チヤツク１４の近傍には刃物台３が固設されて
いる。すなわち、刃物台３は、チヤツク１４のＺ
方向およびＸ方向の移動による加工可能な範囲の
位置に固設されており、また刃物台３の割出し可
能なタレツトヘツドには加工物１３を切削するバ
イト１５が固定されている。刃物台３の下方に
は、切削後の切屑を外部に排出させるためのチツ
プコンベア１６が設けられている。なお、符号１
７で示すものは、切削時の切屑が後方に飛散する
のを防止するカバーである。

次に、上記構成にもとずく工作機械の作動の一
例について説明する。加工物１３を間歇的に搬送
可能なワークストツカ１８上に載置し、加工され
るべき加工物１３′が所定の位置に搬送された後、
NC制御により先ずサーボモータ１９を働かせて
主軸２をＸ方向に移動して端末の加工物１３′上
に停止させる。次いで、主軸台２をＺ方向に移動
して加工物１３′に近ずけ、チヤツク１４により
加工物１３′を把持する。把持された加工物１
３′は、NC制御により主軸台２をＸ，Ｚ方向に
適宜移動させて刃物台３の近くに運ばれる。そし
て、加工物１３′は、さらにバイト１５に近ずけ
られて所定の切削加工が施こされる。切削中にあ
つては、加工物１３′は下方に向けて把持されな
がらバイト１５で加工されるので、切屑はチツプ
コンベア１６上に落ちる。チツプコンベア１６
は、切屑をコンベアで自動的に搬送して適宜処理
をする。

第５図は、加工物２３が棒材等の軸物である場
合の切削加工の例を示す旋削工作機械の斜視図で
ある。第５図と第４図とにおける旋削工作機械の
相違点は、軸加工に必要な心押台２１がクロスス
ライド７上に設けられることである。したがつ
て、第５図の説明では、第４図に示す部材と同一
部材については第４図と同一符号を用い、その部
材の詳細な説明は省略する。心押台２１は、主軸
台２の下端に固設されるチヤツク１４に一端をを
把持される加工物２３を、その他端において保持
するものである。よつて、加工物２３は一端がチ
ヤツク１４で把持され、心押台２１では加工物２
３の他端軸芯上を先鋭のセンター２２で押えら
れ、加工物２３が回転した際に偏心しないように
センター２２に保持される。チヤツク１４で把持
された加工物２３′は、他端を心押台２１のセン
ター２２で押えられ、そのまま刃物台３の近くま
で移動される。そこで、加工物２３′は回転され
て刃物台３のバイト１５で前述同様所定の形状に
切削される。

以上説明したように、本発明によれば、加工物
を把持するチヤツク自身が搬送機能を有している
ので、他に搬送装置を付加的に取り付ける必要が
なく、チヤツクに対する工作物の受け渡しのため
の芯合せを必要としない。そのため、電気的なイ
ンタロツクが不要となつて調整作業も不必要にな
り、搬送装置の保守作業がなくなり、従来の汎用
工作機械に比して占有面積が少なくなる。また、
チヤツクの移動で工作物を搬出入できるので、従
来のように工作物の重量に合わせた搬送装置の装
備が不必要になり、主軸台の剛性が高いことも相
俟つて工作物の制限重量範囲が拡大され、汎用性
が備わる。

また、主軸が傾斜してチヤツクは加工物を下向
きに把持するため、切屑はスムースに落下してバ
イト付近に留まらず、切削性はよくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す工作機械の基本
構成の正面図、第２図はその右側面図、第３図は
その左側面図、第４図は本発明の実施例を示す工
作機械の斜視図、第５図は工作物に軸加工を施こ
す場合の実施例を示す工作機械の斜視図である。 １……ベツド、２……主軸台、３……刃物台、
４……傾斜面、１３，２３……加工物、１４……
チヤツク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 床面に対して所定角度傾斜させた案内面を有
   するベツドと、 該ベツトの案内面の傾斜面に平行でかつ回転軸
   線が上下方向に設けられた主軸と、 前記傾斜面内の主軸軸線方向およびこの主軸軸
   線と直交する方向に移動自在であるとともに、前
   記主軸を回転自在に軸承する主軸台と、 前記主軸の軸線方向下端に設けられ被加工物を
   把持するチヤツクと、 前記チヤツク側の前記ベツド上に設けられ、前
   記被加工物を切削する工具を有する刃物台と、 前記主軸と対向する位置に設けられ、複数の被
   加工物を載置するとともに、被加工物受渡し位置
   において、前記チヤツクの把持動作に応じて受渡
   し可能に被加工物を配設するようにしたワークス
   トツカとからなり、 主軸台の軸移動の動作で前記チヤツクに前記ワ
   ークストツカ上の被加工物を直接把持可能にして
   受渡しを行うようにしたことを特徴とする工作機
   械。