JPS6216242Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は工作機械のアンローダに関する。

工作機械において棒材加工を行ない、該加工終
了後突切り工具で切落とされるワークを受けて、
該ワークを回収するアンローダとして、従来主軸
台等の固定部に固定的に取付けられた搬出装置が
一般に使用されていた。然しながらこの搬出装置
は、突切り工具で切落されるワークを受けるべ
く、該搬出装置のワーク受領部を、加工中の工具
あるいは刃物台等との干渉を回避する範囲内で可
能な限りワーク落下位置に接近した位置に設ける
から、加工により発生した切屑がワーク受領部か
ら該搬出装置内に入つてワークの通路に堆積して
ワークの通りが悪くなつたり又切屑が絡まつて通
路を塞ぐなど、搬出装置に於けるワークの流れに
支障を生ずるものであつた。また別の従来技術に
係るアンローダとして、刃物台上に固定したワー
ク受けでワークを受け取り刃物台と共に可動し機
外へ排出する搬出装置が使用されていた。即ち、
この様な搬出装置は工具を載置するクロススライ
ド上にワーク受けを取付け、NC制御の指令でワ
ークを機外に排出するもので、搬送速度が制約さ
れる欠点があるうえ、シユートをチヤツク近傍に
固定的に設けると切粉が堆積しワークの流れに支
障を来たす等の問題があつた。また主軸の数が複
数の場合にそれに対応するワーク受けをクロスス
ライド上に設けることは、工具に制約されて困難
である。

本考案の目的は上記の従来技術の欠点を克服
し、突切り作業時にワーク落下位置にて加工済み
のワークを受けて排出し、またワーク加工時等に
は迅速に待避して切屑が排出シユート内に入らな
いようにする工作機械のアンローダを提供するこ
とにある。

以下本考案の一実施例について図面に基づき説
明すると、第１図は本考案に係るアンローダ１を
装着した数値制御旋盤２を表わす全体斜視図、第
２図はアンローダ及びその周辺部分の要部を一部
断面で示す正面図、第３図はアンローダの回動駆
動部を示す平面図である。本考案のアンローダに
ついて説明する前に数値制御旋盤２について概略
を説明する。３は固定カバー、４は移動カバーで
ある。移動カバー４は、ローラ６により、前記固
定カバー３にブラケツト７を介して横設されたレ
ール８に沿い走行移動可能となつている（第２図
参照）。両カバー３，４内で、９はベツド、１０
はサドル、１１はクロススライド、１２は工具ホ
ルダ、１３は工具である。一方１４は主軸台、１
５，１５は主軸端に取付けられた２つのチヤツク
であり、各チヤツク１５は主軸台１４の後方から
ワーク供給口１６を通してチヤツク前面に送られ
る棒材等のワークをチヤツク爪１７にて掴持し得
るものである。１８はチヤツク１５の上方位置で
主軸台１４側に取付けられた突切り工具１９用の
工具ホルダ、２０は操作盤である。そこでこの数
値制御旋盤２は、主軸台１４の後方から供給され
た棒材をチヤツク爪１７にて掴持しながら、刃物
台を数値制御して工具１３により該棒材に所定の
加工を行ない、この加工が終了した後突切り工具
１９にて棒材を所定長に切り離し、残りの棒材を
チヤツク１５前面に所定長送り出して順次加工を
自動で行なうものである。

この様に加工後に切り離されたワークを機体外
に回収するために設けられた本考案のアンローダ
１は、夫々前記２つのチヤツク１５，１５に対応
して一対の排出シユート２１，２１ａと、シユー
ト作動機構２２を有している。排出シユート２１
は略Ｚ字状に屈折した頂部にキヤツプ２４が着脱
自在に被嵌され、該キヤツプ２４にはチヤツク１
５側に接近した位置に突切り工具１９で切離され
たワークが通過可能な穴を形成した受領口２５が
設けられる。また排出シユート２１の下端は、排
出口２６を具備すると共に、主軸台１４に固定さ
れたブラケツト２７に設けられた軸受２８により
回動自在に保持されている。そこで排出シユート
２１はその下端を中心にして回動することによ
り、図中に実線で示す如くワーク受領口２５がチ
ヤツク１５の前方に於いてワーク受領位置Ａにあ
る状態と、図中に鎖線で示す如くワーク受領口２
５がチヤツク１５から離れて工具又は刃物台等と
干渉しない待避位置Ｂにある状態とをとり得る。
排出シユート２１のワーク受領口２５が待避位置
Ｂにあるとき、ワーク受領口２５は主軸台１４に
取付けられた遮蔽部材４２により遮蔽される。排
出シユート２１は、排出口２６から排出されたワ
ークを機体外まで搬送するために、固定シユート
２９及び移動カバー貫通シユート３０を具える。
固定シユート２９は主軸台１４に固定される。ま
た移動カバー貫通シユート３０は、移動カバー４
を閉じた状態に於いて前記固定シユート２９に一
致する位置に該移動カバー４を貫通して取付けら
れている。而して排出シユート２１のワーク受領
口２５をワーク受領位置Ａに位置せしめ且つ移動
カバー４を閉じたとき、排出シユート２１、固定
シユート２９及び移動カバー貫通シユート３０が
チヤツク１５の近傍から機体外まで連続してワー
クの排出通路を形成する。尚３１は機体外に於い
て移動カバー貫通シユート３０を通じて送られる
ワークを受ける可搬型のワーク受け箱、３２はワ
ーク受け箱３１の載置台である。

一方の排出シユート２１ａは、前述した排出シ
ユート２１とほぼ対称の構成をとる。即ち、排出
シユート２１ａの下端部が、排出口２６ａをなす
と共に、主軸台１４に固定されたブラケツト２７
ａに回動可能に保持されて、キヤツプ２４ａに設
けたワーク受領口２５ａをワーク受領位置Ａと待
避位置Ｂとに位置せしめ得るものである。ワーク
受領口２５ａが待避位置Ｂにあるとき、このワー
ク受領口２５ａは図示しない遮蔽部材で遮蔽され
ることはいうまでもない。なお２９ａは、排出口
２６ａから排出されたワークを適宜機体外まで搬
送するため、主軸台１４に取付けられた固定シユ
ートである。

両排出シユート２１，２１ａは前記シユート作
動機構２２により、ワーク受領口２５，２５ａを
ワーク受領位置Ａと待避位置Ｂとに位置せしめ得
る。シユート作動機構２２は、主軸台１４に取付
けられたブラケツト３３に、トルクアクチユエー
タ３４にて回動駆動されると共にその回転範囲が
ピン３５で規制される扇形歯車３６と、該扇形歯
車３６に噛合する歯車３６ａとが回転自在に支承
され、各歯車３６，３６ａに偏心して植設したピ
ン３７，３７ａと、前記排出シユート２１，２１
ａの下端近傍上面に於いてその回動中心に対し偏
心して植設したピン３８，３８ａとを、長さ調整
用の継手３９，３９ａを具備する連結桿４０，４
０ａにて連結してなるものである。尚４１は一方
の連結桿４０の移動位置を検出するリミツトスイ
ツチである。而してトルクアクチユエータ３４の
駆動により歯車３６が第３図矢示イの如く回動す
ると、連結桿４０が矢示ロの方向に牽引すること
により排出シユート２１が矢示ハの如く回動し
て、そのワーク受領口２５はワーク受領位置Ａか
ら待避位置Ｂに移動する。また歯車３６の回動に
つれて歯車３６ａも回動するから、連結桿４０ａ
の牽引により排出シユート２１ａが矢示ニの如く
回動して、そのワーク受領口２５ａはワーク受領
位置Ａから待避位置Ｂに移動する。トルクアクチ
ユエータ３４を逆回転させれば、ワーク受領口２
５，２５ａが待避位置Ｂからワーク受領位置Ａに
移動すること勿論である。

以上のアンローダ１の作用効果について、該ア
ンローダ１を設けた工作機械として数値制御旋盤
２の作動と併わせて説明すれば、主軸台１４の後
方からワーク供給口１６を通してチヤツク前面に
送られる棒材が所定長突出した状態で位置決めさ
れると、前記棒材は爪１７にて強固に把持され
る。この時各排出シユート２１，２１ａのワーク
受領口２５，２５ａは待避位置Ｂにある。そこで
数値制御にて工具１３，１３を加工位置に移動さ
せて所定の棒材加工を行なう。加工終了後工具１
３を後退させると共に、トルクアクチユエータ３
４の駆動により排出シユート２１，２１ａのワー
ク受領口２５，２５ａをワーク受領位置Ａに移動
し、次いで突切り工具１９により棒材の加工済み
の部分を所定長に切り落とす。斯くして切り落と
されたワークはワーク受領口２５，２５ａから排
出シユート２１，２１ａ、固定シユート２９，２
９ａ及び移動カバー貫通シユート３０を経て機体
外に回収される。またワークの突切り作業が終わ
ると再びワーク受領口２５，２５ａが待避位置Ｂ
に移動し、棒材が更に送られて上記と同様に加工
を繰返すものである。この様な棒材加工の繰返し
に於いて、加工中はワーク受領口２５，２５ａが
待避位置Ｂにあるから切屑などが排出シユート２
１，２１ａ内に入ることがなく、ワークを切り落
とすときはワーク受領口２５，２５ａが自動的に
ワーク受領位置Ａに移動するからワークを機体外
に搬出することが可能である。またワーク受領口
２５，２５ａのキヤツプ２４は排出シユート２
１，２１ａに着脱自在に被嵌されているから、ワ
ークの種類、形状、寸法に応じてキヤツプ２４を
交換することも可能である。更に一方の排出シユ
ート２１に連続するシユート３０は移動カバー４
を貫通して設けられているから、連続加工中であ
つても移動カバー４を開く必要がなくワークを排
出することができる。

以上本考案の一実施例について説明をしたが、
本考案は図示の実施例に限定されることなく種種
変形をすることができる。例えば上記の実施例で
２基の排出シユートを共通の駆動源としてのトル
クアクチユエータにより同時的に作動する機構と
なつているが、必要によつては一方を切離し単独
動作で行なうことも可能であり、また各々独立で
動作させることも可能である。

以上の様に本考案のアンローダは棒材等を加工
する工作機械に適用して加工済みのワークを、切
屑等の影響を受けることなく円滑に機体外に排出
することができる実用上有用な効果をもたらすも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を表わし、第１図はア
ンローダを設けた工作機械の全体斜視図、第２図
は要部正面図、第３図は要部平面図である。 １……アンローダ、２１，２１ａ……排出シユ
ート、２２……シユート作動機構、２５……ワー
ク受領口、２６……排出口、４２……遮蔽部材、
Ａ……ワーク受領位置、Ｂ……待避位置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主軸台に回転自在に軸承された主軸を有し、該
   主軸に取付けられたチヤツクでワークを把持し加
   工するNC旋削工作機械において、加工完了ワー
   クを受領すべく一端上部に開口したワーク受領口
   及び他端下部に垂直に設けられたワーク排出口と
   を傾斜通路で連絡する筒形の排出シユートと、該
   排出シユートの排出口を回動可能に軸承すべく前
   記工作機械の固定部に設けられた排出シユート支
   持部材と、前記排出シユートのワーク受領口をワ
   ーク落下位置と待避位置との間で水平回動させる
   駆動源と、前記ワーク受領口が待避位置にあると
   き該ワーク受領口を遮蔽すべく主軸台側に設けら
   れた遮蔽部材とから成り、ワーク加工時にはワー
   ク受領口を待避位置に待避させワーク加工終了時
   にはワーク受領口をワーク落下位置に回動位置決
   めすることを特徴とする工作機械のアンローダ。