JP3994668B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は自動変速機の変速制御装置に係り、特にシフトダウン禁止制御の実施を解除して不用意な変速を発生させない自動変速機の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両においては、内燃機関と自動変速機とを搭載しているものがある。この自動変速機を搭載する変速制御装置は、例えばアクセル開度及び車速の検出信号を入力して、内燃機関と自動変速機間に配設されるクラッチの断接操作と自動変速機の変速操作とを自動的に行っている。
【0003】
前記自動変速機の変速制御装置としては、特開平5−231532号公報に開示されるものがある。この公報に開示される自動変速機の制御装置は、変速したときから所定時間は変速前の変速段に戻す方向の変速を禁止する一時変速禁止手段を有する自動変速機の制御装置において、運転条件に応じて所定時間を可変設定する時間可変手段を有し、運転条件として車速、加速度、スロットル変化速度、スロットル開度及びエンジントルクを用い、これらの信号に基づいて所定時間がファジィ推論され、変速後に変速前の変速段に戻る方向の変速を所定時間禁止するものの場合に、変速フィーリングを向上させている。
【0004】
また、特開平5−231533号公報に開示されるものがある。この公報に開示される自動変速機の制御装置は、スロットル開度を増大させていった場合にダウンシフトが判断されると、この時点から所定時間が経過するまでは変速が保留され、それまでの変速段に保持され、所定時間が運転条件に応じてファジィ推論されるとともに、所定時間の経過後は、その時点の運転条件に応じて変速段が決定され、スロットル開度を増大させたときのダウンシフトの場合に、短時間のうちに複数回の変速が行われることを防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の自動変速機の変速制御装置において、自動変速機の使用されるギヤ段である変速段は、一般に、アクセル開度と車速とからなる変速マップによって決定されることが多い。
【0006】
しかし、変速マップによる制御では、登坂路や渋滞路のようにアクセル開度の開閉状態が頻繁に変化する条件で、変速がビジー状態となり、スムーズな走行を行えなくなる場合があるという不具合がある。
【0007】
このような不具合の対処策に関して、公知の技術として特開平1−164846号に開示されるものがある。この公報に開示されるものは、シフトアップを行った後に、所定時間だけシフトダウンを禁止する一方で、シフトダウンを行った後に所定時間だけシフトアップを禁止するものである。
【0008】
また、特開平5−133459号に開示されるものがある。この公報に開示されるものは、加速時のエンジン吸入空気の変化量が規定値以下の場合にシフトダウンを禁止するものである。
【0009】
ところで、自動変速機の中でも、常時噛み合い式マニュアルトランスミッションを変速用の電動式アクチュエータと内燃機関と常時噛み合い式マニュアルトランスミッション間に配設された電磁式クラッチ等により自動変速するシステム(図7及び図8参照)の場合、変速を行う際にクラッチの断続及びスロットルの開閉を行う必要があり、加減速が途切れるという不都合がある。
【0010】
そして、このシステムの場合に、運転者が加速しようとしてアクセルペダルを踏み込んだ際に、変速マップ上のキックダウン線を横切りシフトダウンが行われると、クラッチ断のためにいったん車両の加速がなくなり、変速後に加速を始めることになり、運転者に違和感を与えるだけでなく、加速を要する場面では操作性が悪化するものである。
【0011】
このような対処策として、上述した如く、所定時間だけ変速を禁止する方策はある程度有効であるが、2回目の変速を所定時間だけ禁止する制御のため、アクセル踏み込みの初回は変速が行われてしまう。
【0012】
また、所定時間経過後には、ある程度の加速が得られる場合でも変速を行ってしまう。
【0013】
更に、上述した加速時の吸気量変化が規定値以下の場合に変速を禁止する方策においては、ある程度有効ではあるが、大きな加速を要求しているとき、つまりアクセルを大きく踏み込んだ時に、変速が起きてしまい、要求している運転状況に即したものとは言えないという不都合がある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、内燃機関と変速部との間に動力の断接を行うクラッチを有する自動変速機と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記アクセル開度検出手段及び車速検出手段からの検出信号を入力し、前記クラッチの断接操作と前記変速部の変速操作とを自動的に行うべく前記自動変速機を制御する制御手段とを設けた自動変速機の変速制御装置において、前記アクセル開度検出手段により検出されたアクセル開度の単位時間当たりの変化量を基に算出するアクセル開度変化量を算出し、算出された前記アクセル開度変化量の値が設定アクセル開度変化量よりも大きく、かつ変速マップ上ではシフトダウンが要求されるエリアへと変動した場合には、シフトダウンを禁止制御し、前記シフトダウン禁止制御実施後、前記変速マップ上ではシフトダウンが要求されるエリアからシフトダウンが要求されないもとのエリアへ戻った場合には、シフトダウン禁止制御の実施を解除することを特徴とする。
【0015】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0016】
図1〜図11はこの発明の実施例を示すものである。図7において、2は内燃機関、4は自動変速機である。
【0017】
この自動変速機4は、内燃機関(「E/G」ともいう)2と変速部6との間に動力の断接を行う電磁式クラッチ8を有している。
【0018】
また、自動変速機4の変速部6は、常時噛み合い式マニュアルトランスミッション(「T/M」ともいう)10と変速用アクチュエータ12とを有し、常時噛み合い式マニュアルトランスミッション(「T/M」ともいう)10を前記クラッチ8と変速用アクチュエータ12等により自動変速するものである。
【0019】
すなわち、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段であるアクセルポジションセンサ14を設けるとともに、車速を検出する車速検出手段である車速センサ16を設け、アクセルポジションセンサ14及び車速センサ16からの検出信号を入力し、前記クラッチ8の断接操作と前記変速部6の変速操作とを自動的に行うべく前記自動変速機を制御する制御手段(「ECM」ともいう)18を設けている。
【0020】
そしてこのとき、制御手段18の入力側には、図8に示す如く、セレクト位置センサ20と、シフト位置センサ22と、T/Mインプット速度センサ24と、T/Mアウトプット速度センサ26と、前記車速センサ16と、スロットルポジションセンサ28と、前記アクセルポジションセンサ14とが接続され、エンジン回転信号30やシフトスイッチ信号32が入力されるとともに、キックダウンスイッチ34やエンジンコントローラ36、電子制御スロットルコントローラ38も接続されている。
【0021】
また、前記制御手段18の出力側には、図8に示す如く、セレクトモータ40と、シフトモータ42と、前記電磁式クラッチ8と、エンジンコントローラ36と、電子制御スロットルコントローラ38とが接続されている。
【0022】
更に、運転者の加速操作状態を検出する図示しない加速操作検出手段を設ける。この加速操作検出手段は、前記アクセル開度検出手段であるアクセルポジションセンサ14による検出信号APから所定時間のアクセル開度変化量であるΔAPを求め、このアクセル開度変化量ΔAPによって運転者の加速操作状態を判定するものである。
【0023】
このとき、通常の変速制御において変速すべきアクセル開度状態にあっても、前記加速操作検出手段からの検出信号で運転者の加速意思によるアクセル開度状態と判断された場合には、変速指令を保留状態とすべく制御する機能を前記制御手段18に付加して設ける構成とする。
【0024】
詳述すれば、この制御手段18は、アクセル開度変化量ΔAPが加速判定アクセル変化量XDTHKDJGを越えている場合に、運転者の加速意思があると判断し、通常の変速制御において変速すべきアクセル開度状態にあっても、変速指令を保留状態、つまりシフトダウン禁止状態とするものである。
【0025】
また、前記制御手段18は、車両の加速度と各変速段における所定の加速度であるシフト別シフトダウン禁止解除判定加速度TKDJGとを比較し、所定の加速度であるシフト別シフトダウン禁止解除判定加速度TKDJGが得られない状態が所定時間であるシフトダウン禁止解除判定時間XTGKDJG(sec)継続した場合に、変速指令を出力、つまりシフトダウン禁止を解除すべく制御する。
【0026】
更に、前記制御手段18は、運転者の加速操作によりシフトダウンの変速が行われた後に、車速とシフトダウンの変速時の車速に変速段毎の所定値を加算した値とを比較し、この値よりも車速が小さい場合には、シフトアップの指令出力を制限すべく制御する機能をも有している。
【0027】
すなわち、車速と、シフトダウンの変速時の車速である読込車速に変速段毎の所定値であるシフトアップ制限車速上乗せ値XVSUPINHを加算した値とを比較し、読込車速にシフトアップ制限車速上乗せ値XVSUPINHを加算した値よりも車速が小さい場合に、前記制御手段18によってシフトアップの指令出力を制限すべく制御するものである。
【0028】
追記すると、この実施例においては、加速時シフトダウン禁止制御で、アクセルペダルの変化量であるアクセル開度変化量ΔAPにより運転者の加速意思を検出し、加速時に変速マップのシフトダウン線を横切った時にシフトダウンを禁止することで、アクセル踏み込み直後の変速による加速抜けを防止するものである。
【0029】
また、シフトダウン禁止中の車両加速度より、現在の変速段に見合った加速が得られているかを判断し、十分な加速が得られない状態が所定時間であるシフトダウン禁止解除判定時間XTGKDJG(sec)継続した時点ではじめてシフトダウン禁止を解除し、シフトダウンを実行することで運転者が「この加速ではシフトダウンが発生するかも知れない」と予測でき、シフトダウン実行時の加速抜けに対して身構える時間的、精神的余裕を作る。
【0030】
更に、現在の変速段で十分な加速が得られず、シフトダウンが実行された時には、シフトアップ制限制御を働かせる。このシフトアップ制限制御は、シフトダウンが実行された車速である読込車速にシフトアップ制限車速上乗せ値XVSUPINHを加算した値よりも車速が小さい場合にシフトアップを禁止し、登坂路での頻繁なアクセル開閉によるシフトアップ・シフトダウンを防止し、最適な変速段を使用可能とするものである。
【0031】
次に作用を説明する。
【0032】
先ず、図1の自動変速機の変速制御装置の加速時シフトダウン禁止用フローチャートに沿って説明する。
【0033】
加速時シフトダウン禁止用プログラムがスタート(100)すると、運転者の加速意思の検出を行う。つまり、アクセル開度変化量ΔAPが加速判定アクセル変化量XDTHKDJGを越えているか否かの判断(102)を行う。
【0034】
そして、判断(102)がNO、つまり運転者の加速意思が検出できない場合には、この判断(102)がYESになるまで繰り返し行い、判断(102)がYES、つまり運転者の加速意思が検出された場合には、アクセル開度変化量ΔAPが加速判定アクセル変化量XDTHKDJGを越えた後から加速判定時間XTKDJG(sec)が経過したか否かの判断(104)を行う。
【0035】
この判断(104)がYESの場合には、アクセル開度変化量ΔAPが加速判定アクセル変化量XDTHKDJGを越えているか否かの判断(102)に戻り、判断(104)がNOの場合には、シフトダウン線を横切ったか否かの判断(106)を行う。
【0036】
そして、シフトダウン線を横切ったか否かの判断(106)がNOの場合には、アクセル開度変化量ΔAPが加速判定アクセル変化量XDTHKDJGを越えた後から加速判定時間XTKDJG(sec)が経過したか否かの判断(104)に戻り、判断(106)がYESの場合には、シフトダウンを禁止すべく制御する。
【0037】
その後、シフトダウン禁止からの脱出判定に移行し、加速度がシフト別シフトダウン禁止解除判定加速度TKDJG未満の状態がシフトダウン禁止解除判定時間XTGKDJG(sec)継続したか否かの判断(110)を行い、この判断(110)がYESの場合には、シフトアップ制限制御のスタート(112)に移行し、判断(110)がNOの場合には、キックダウンスイッチ(「キックダウンSW」ともいう)34がONしたか否かの判断(114)を行う。
【0038】
ここで、キックダウンスイッチ34に関して説明すると、キックダウンスイッチ34は、図2に示す如く、アクセルペダルの全開付近に設けられ、キックダウンスイッチ34のON・OFF位置が運転者に判るようにペダル踏力に変化を付けており、これ以上アクセルペダルを踏み込むとキックダウンが発生するかも知れないと運転者に認知させる効果がある。
【0039】
このため、キックダウンスイッチ34がONしたか否かの判断(114)において、判断(114)がYESの場合には、強制的にシフトダウン禁止を解除(122)し、プログラムのエンド(124)に移行させる。なお、運転者がキックダウン禁止中の加速力に不満を覚える時には、前記キックダウンスイッチ34の働くポジションまでアクセルペダルを踏み込むと、キックダウン禁止が解除され、シフトダウンが実行されて加速力がアップする。そして、キックダウンスイッチ34の作動ポイントは、上述した如く、運転者に判るようになっており、不意に変速が行われず、フィーリングが損なわれることがない。
【0040】
また、前記キックダウンスイッチ34がONしたか否かの判断(114)がNOの場合には、車速がシフト別シフトダウン禁止最低車速TVKDJGOF未満であるか否かの判断(116)を行う。
【0041】
このとき、シフト別シフトダウン禁止最低車速TVKDJGOF(km/h)は、図3に示す如きテーブルからなり、このテーブルにおいて、各ギヤ位置、つまり各変速段で加速しても十分な加速が得られる見込みのない低エンジン回転数になる車速を設定している。なお、各ギヤ位置、つまり各変速段の守備車速の下限速度では、アクセル踏み込み後に、早急にシフトダウンする必要がある。この状態で上述した加速度がシフト別シフトダウン禁止解除判定加速度TKDJG未満の状態がシフトダウン禁止解除判定時間XTGKDJG(sec)継続したか否かの判断(110)が成立するまで待っていては、登坂路等では失速する惧れがあるため、車速がシフト別シフトダウン禁止最低車速TVKDJGOF未満であるか否かの判断(116)が成立、つまりYESの場合には、強制的にキックダウン禁止を解除する処理(122)に移行させる。
【0042】
更に、車速がシフト別シフトダウン禁止最低車速TVKDJGOF未満であるか否かの判断(116)がNOの場合には、シフトアップ線を横切ったか否かの判断(118)を行い、この判断(118)がYESの場合には、強制的にキックダウン禁止を解除する処理(122)に移行させ、判断(118)がNOの場合には、アクセル開度APがシフト別シフトダウン禁止解除アクセル開度TTHKDJGOF未満であるか否かの判断(120)に移行させる。
【0043】
ここで、上述のシフトアップ線を横切ったか否かの判断(118)に関して説明する。判断(118)に際して、図4に示す如き変速マップを有し、この変速マップに運転状況を点A1〜A3で示す。そして、点A1から点A2にアクセルペダルを踏み込み、シフトダウン禁止が働いたとすると、加速要求が終わって点A3になった時には、シフトダウン禁止を解除しておく必要があるため、図4中の「1→2」のシフトアップ線を横切ったことをトリガにしてシフトダウン禁止を解除するものである。なお、この判断(118)によって、キックダウン禁止を解除しても、変速マップ上は現在のシフト位置エリアにあるため、不用意な変速が発生しないというメリットがある。
【0044】
上述のアクセル開度APがシフト別シフトダウン禁止解除アクセル開度TTHKDJGOF未満であるか否かの判断(120)において、判断(120)がYESの場合には、強制的にキックダウン禁止を解除する処理(122)に移行させ、判断(120)がNOの場合には、加速度がシフト別シフトダウン禁止解除判定加速度TKDJG未満の状態がシフトダウン禁止解除判定時間XTGKDJG(sec)継続したか否かの判断(110)に戻る。
【0045】
追記すると、アクセル開度APがシフト別シフトダウン禁止解除アクセル開度TTHKDJGOF未満であるか否かの判断(120)に際して、図5に示す如きテーブルを有し、図4の変速マップに運転状況を点B1〜B3で示す。そして、点B1からB2にアクセルペダルを踏み込み、シフトダウン禁止が働いた後に加速要求がなくなり、点B3に移った時のようにアクセルペダルをもどしても、シフトアップ線を横切ることができない状態があり得る。この場合でもアクセル開度APがシフト別シフトダウン禁止解除アクセル開度TTHKDJGOF未満となったら、加速要求が終了したものとみなし、シフトダウン禁止を解除する。また、低アクセル開度では変速時のクラッチOFFによるトルク抜けがフィーリング的に許容できるため、シフトダウンを許可する働きもある。
【0046】
次に、図1の自動変速機の変速制御装置の加速時シフトダウン禁止用フローチャート中のシフトアップ制限制御のスタート(112)に関して、図6の自動変速機の変速制御装置の加速時シフトアップ禁止用フローチャートに沿って説明する。
【0047】
シフトアップ制限制御のスタート(112)に移行すると、加速時シフトアップ禁止用プログラムがスタート(112)となり、このスタート(112)からシフトアップ制限判定待ち時間XTSUPINH(sec)が経過したか否かの判断(112−1)を行う。
【0048】
そして、この判断(112−1)がYESの場合には、加速時シフトアップ禁止用プログラムのエンド(112−11)に移行させ、判断(112−1)がNOの場合には、シフトダウンが実行されたか否かの判断(112−2)を行う。
【0049】
このシフトダウンが実行されたか否かの判断(112−2)がNOの場合には、スタート(112)からシフトアップ制限判定待ち時間XTSUPINH(sec)が経過したか否かの判断(112−1)に戻り、シフトダウンが実行されたか否かの判断(112−2)がYESの場合には、シフトダウンのパターンが飛び越し変速されたか否かの判断(112−3)を行う。
【0050】
シフトダウンのパターンが飛び越し変速されたか否かの判断(112−3)がYESの場合には、加速時シフトアップ禁止用プログラムのエンド(112−11)に移行させ、シフトダウンのパターンが飛び越し変速されたか否かの判断(112−3)がNOの場合には、車速の読み込み(112−4)を行い、読み込んだ読込車速にシフトアップ制限車速上乗せ値XVSUPINHを加えてシフトアップ制限車速を設定(112−5)し、シフトアップ制限(112−6)を行う。
【0051】
また、車速が読込車速にシフトアップ制限車速上乗せ値XVSUPINHを加えて設定したシフトアップ制限車速を越えているか否かの判断(112−7)を行い、この判断(112−7)がNOの場合には、エンジン回転速度Neがシフトアップ制限解除回転速度を越えているか否かの判断(112−8)を行い、判断(112−7)がYESの場合には、後述するシフトアップ制限解除(112−10)に移行させる。
【0052】
更に、エンジン回転速度Neがシフトアップ制限解除回転速度を越えているか否かの判断(112−8)において、この判断(112−8)がNOの場合には、シフトダウンが実行されたか否かの判断(112−9)を行い、判断(112−8)がYESの場合には、後述するシフトアップ制限解除(112−10)に移行させる。
【0053】
そして、シフトダウンが実行されたか否かの判断(112−9)がNOの場合には、車速が読込車速にシフトアップ制限車速上乗せ値XVSUPINHを加えて設定したシフトアップ制限車速を越えているか否かの判断(112−7)に戻り、シフトダウンが実行されたか否かの判断(112−9)がYESの場合には、シフトアップ制限解除(112−10)を行い、加速時シフトアップ禁止用プログラムのエンド(112−11)に移行させる。
【0054】
ここで、図9の変速マップ及び図10のタイムチャートに沿って説明すると、運転者が、図9にの点Aに示す位置から加速しようとして点A1までアクセルペダルを踏み込んだ時に、従来は図10に破線で示す如く、アクセル踏み込み直後にシフトダウンが開始され、いきなり加速力を失う状態となっていたのに対して、本実施例のものは、図10に実線で示す如く、アクセル踏み込み直後の加速が保証される。
【0055】
なお、図10に示すタイムチャートは、現在の変速段で加速できた場合のタイムチャートであるが、十分な加速が得られない場合には、図11のタイムチャートを利用する。
【0056】
すなわち、図11のタイムチャートにおいては、所定時間であるシフトダウン禁止解除判定時間XTGKDJG(sec)の間は現在の変速段にて加速を行い、運転者に現在の変速段による加速力を認識させ、シフトダウンが発生するかも知れないという予感を持たせるだけの十分な時間的余裕を設ける。その後、シフトダウンを行うことで、運転者にとってはシフトダウンに対する心の準備ができ、シフトダウン後の加速力をも保証している。
【0057】
これにより、加速抜けを防止することができるとともに、運転者の加速意思に反する加速及び動力の中断を確実に防止することができ、運転者の違和感を防止し得る。
【0058】
また、前記制御手段18は、車両の加速度と各変速段における所定の加速度であるシフト別シフトダウン禁止解除判定加速度TKDJGとを比較し、所定の加速度であるシフト別シフトダウン禁止解除判定加速度TKDJGが得られない状態が所定時間であるシフトダウン禁止解除判定時間XTGKDJG(sec)継続した場合に、変速指令を出力、つまりシフトダウン禁止を解除すべく制御することにより、運転者が車両の加速状態及び車両が加速しようとしていることを知ることができ、シフトダウンによる動力の中断を予測し得るものである。
【0059】
更に、前記制御手段18は、運転者の加速操作によりシフトダウンの変速が行われた後に、車速とシフトダウンの変速時の車速に変速段毎の所定値を加算した値とを比較し、この値よりも車速が小さい場合には、シフトアップの指令出力を制限すべく制御する機能をも有していることにより、登坂路での頻繁な変速を防止し得るとともに、変速段を保持することが可能となり、運転操作性を向上し得て、しかもシフトダウン後の十分な加速・増速を確保し得て、実用上有利である。
【0060】
なお、この発明は上述実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
【0061】
例えば、この発明の実施例においては、加速時シフトダウン禁止制御で、アクセルペダルの変化量であるアクセル開度変化量により運転者の加速意思を検出する構成としたが、アクセル開度変化量の代わりに、内燃機関の吸入空気量変化や吸気圧力変化量を代用する構成とすることも可能である。
【0062】
また、この発明の実施例においては、制御手段に、加速操作検出手段からの検出信号による運転者の加速意思に反する場合には、変速指令を保留状態とすべく制御する機能を付加して設けたが、運転者が加速を行う際に押圧し、変速指令を保留状態とする保留スイッチを設ける特別構成とすることも可能である。
【0063】
さすれば、保留スイッチを押圧することによって、運転者の加速意思が制御手段に確実に入力されることとなり、制御の信頼性を向上し得る。
【0064】
更に、車両の傾斜状態を検出する傾斜検出手段を設ける特別構成とすることも可能である。
【0065】
すなわち、登坂路等においては、シフトダウンを行って加速力を確保する必要があり、このような状況を前記傾斜検出手段によって検出し、制御手段による変速指令を保留状態とする制御を解除、あるいは変速指令を保留状態とする制御への移行を阻止し、十分な加速力を確保し、登坂路の走行状態を良好に維持するものである。
【0066】
さすれば、登坂路の走行状態が良好となり、運転性の向上に寄与し得る。
【0067】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如くこの発明によれば、シフトダウン禁止制御の実施を解除して不用意な変速を発生させないというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す自動変速機の変速制御装置の加速時シフトダウン禁止用フローチャートである。
【図2】アクセル開度とアクセル踏力との関係におけるキックダウンスイッチ(「キックダウンSW」ともいう)のON・OFF状態を示す図である。
【図3】シフト別シフトダウン禁止最低車速TVKDJGOFを示すテーブルである。
【図4】車速とアクセル開度の関係における変速線を示す変速マップである。
【図5】シフト別シフトダウン禁止解除アクセル開度TTHKDJGOFを示すテーブルである。
【図6】自動変速機の変速制御装置の加速時シフトアップ禁止用フローチャートである。
【図7】内燃機関と自動変速機とを示す概略説明図である。
【図8】自動変速機の変速制御装置の概略システム図である。
【図9】車速とアクセル開度の関係における変速線を示す変速マップである。
【図10】現在の変速段で加速できた場合のタイムチャートである。
【図11】現在の変速段で十分な加速が得られない場合のタイムチャートである。
【符号の説明】
2 内燃機関
4 自動変速機
6 変速部
8 電磁式クラッチ
10 マニュアルトランスミッション(「T/M」ともいう)
12 変速用アクチュエータ
14 アクセルポジションセンサ
16 車速センサ
18 制御手段(「ECM」ともいう)
20 セレクト位置センサ
22 シフト位置センサ
24 T/Mインプット速度センサ
26 T/Mアウトプット速度センサ
28 スロットルポジションセンサ
30 エンジン回転信号
32 シフトスイッチ信号
34 キックダウンスイッチ
36 エンジンコントローラ
38 電子制御スロットルコントローラ
40 セレクトモータ
42 シフトモータ
Claims (1)
- 内燃機関と変速部との間に動力の断接を行うクラッチを有する自動変速機と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記アクセル開度検出手段及び車速検出手段からの検出信号を入力し、前記クラッチの断接操作と前記変速部の変速操作とを自動的に行うべく前記自動変速機を制御する制御手段とを設けた自動変速機の変速制御装置において、前記アクセル開度検出手段により検出されたアクセル開度の単位時間当たりの変化量を基に算出するアクセル開度変化量を算出し、算出された前記アクセル開度変化量の値が設定アクセル開度変化量よりも大きく、かつ変速マップ上ではシフトダウンが要求されるエリアへと変動した場合には、シフトダウンを禁止制御し、前記シフトダウン禁止制御実施後、前記変速マップ上ではシフトダウンが要求されるエリアからシフトダウンが要求されないもとのエリアへ戻った場合には、シフトダウン禁止制御の実施を解除することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001021266A JP3994668B2 (ja) | 2001-01-30 | 2001-01-30 | 自動変速機の変速制御装置 |
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