JP3994449B2 - 化粧板の補修方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅、建築物の内外装に使用する化粧板の補修方法に関し、特に転写法を用いた意匠性の高い化粧板の補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅や建築物の内外装にとして各種化粧板が使用されており、外装用途としては、窯業系サイディングやALCといった無機系の基材に単色の塗装を施したり、グラビアオフセットやインキジェットによる装飾が知られている。また、転写法により所望の絵柄を基材に転写する方法(特開昭54−116470号公報)も知られている。
【0003】
ところが、化粧板の塗装や装飾に傷や絵柄の抜けが生じた時は、単色板では同色の塗料を塗れば補修できたが、インキジェット、グラビアオフセット、または転写法による装飾では、絵柄と違和感無しに補修出来るのは直径数ミリ程度までであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、転写法による装飾絵柄を施した化粧板を、絵柄と違和感無しに広い範囲を補修できる化粧板の補修方法を提供することにある。
【0005】
本発明はこの課題を解決するため化粧板基材表面にベースコート層、転写による絵柄層、表面保護層を順次設けてなる化粧板の補修方法であって、前記絵柄層の抜けた場所に補修用ベースコート層を設け、該補修用ベースコート層表面が乾燥しないうちに前記絵柄を転写した際の転写シートと同一のものを重ね合わせ、常温硬化後転写シートの基体シートを剥離し、補修用表面保護層を設けてなることを特徴とする化粧板の補修方法を提供する。
【0006】
また、化粧板基材表面にベースコート層、転写による絵柄層、表面保護層を順次設けてなる化粧板の補修方法であり、前記化粧板基材の内部まで達しているキズを1液又は2液硬化型のパテにて埋める工程を有する補修方法であって、キズを1液又は2液硬化型のパテにて埋める工程の後、補修用ベースコート層を設け、前記絵柄を転写した際の転写シートと同一のものを重ね合わせ、常温硬化後転写シートの基体シートを剥離し、補修用表面保護層を設けてなることを特徴とする化粧板の補修方法。
【0007】
また、前記補修用ベースコート層に用いる樹脂が、ベースコート層と同じ種類の樹脂か、又は、油性アクリル、油性アクリルウレタン、油性ウレタン樹脂であることを特徴とする化粧板の補修方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明により補修される化粧板の断面の構造の一例を図1に示す。
化粧板基材11に、任意にシーラー層12、ベースコート層13、絵柄層14、表面保護層15を設けてなる。
【0009】
本発明の補修方法に用いる転写シートの断面の構造の一例を図2に示す。
転写シートの基体シート16に剥離層17、化粧板と同一の絵柄層14、接着層18を設けてなる。
【0010】
本発明の補修方法の補修工程の一例を図3に示す。
化粧板上に補修用ベースコート層19をハケ等により絵柄の抜けた部分に塗布し、表面が乾燥しないうちに補修用転写シートを重ね合わせ、ゴムローラ等によりエアー抜きを行ない、常温乾燥後転写シートの基体シートを剥離し、表面にハケ等により表面保護層を塗布し、再度常温乾燥する。
【0011】
補修用ベースコート層19としては、補修用ベースコート層が第一のベースコートと同じ種類又は、油性アクリル、油性アクリルウレタン、油性ウレタン樹脂を使うことができる。
【0012】
また、基材層の中まで達する傷を補修する場合は、市販されたパテで傷を埋めたあとパテ表面に直接絵柄を転写するか、必要に応じて補修用ベースコートを塗布してから転写する方法もある。
【0013】
【実施例】
<実施例1>
化粧板の基材として厚み15ミリの窯業系凹凸基材を用い、これにシーラーとしてウレタン樹脂系シーラーを施したあと、ベースコート層として酸化チタンの入った二液ウレタン樹脂系塗料(大日本塗料(株)製:「Vトップ」)を用い、これで乾燥後厚さ50g/m2 とした後、120℃で8分乾燥して基材温度を60℃にした。
【0014】
次に、転写シートの基体シートとして塩化ビニル樹脂(可塑剤8%)シート(80μm)を用い、これにポリビニルブチラール樹脂系インキ(着色顔料(フタロシアニンブルー)、酸化鉄系顔料の茶、黄土、体質顔料(硫酸バリウム)、溶剤)で絵柄層を印刷し、さらに(ポリビニルブチラール樹脂バインダー、体質顔料(硫酸バリウム)、溶剤)からなる接着層を設けて転写シートとした。
【0015】
この転写シートの一部の絵柄層を除去して、前記化粧板の基材のベースコート層と貼り合わせ、ゴム硬度40°の160℃に加熱したゴムロールで線圧20kgf/cm、ライン速度20m/minで絵柄層を転写した。この後、転写シートの基体シートを剥離して二液硬化型フッ素樹脂透明保護層(大日本塗料(株)製:「Vフロン#700」)を塗装して一部絵柄層のない化粧板を得た。
【0016】
この絵柄層のない部分にベースコート層に用いた樹脂と同様の樹脂を塗布し、同じ絵柄の転写シートを貼り合わせ、ハンドローラーでエアーを抜いたあと、約20℃の気温中で1時間硬化させ、基体シートを剥がし絵柄を転写した。これを24時間約20℃の気温中で硬化させたあと、二液硬化型フッ素樹脂透明保護層(大日本塗料(株)製:「Vフロン#700」)を刷毛で塗り約20℃の気温中で7日間硬化させ補修した。得られた化粧板は、一様の絵柄を有し、跡がほとんど区別できないほどに補修できたものとなった。
【0017】
<実施例2>
実施例1の絵柄層のない化粧板に、絵柄層のない部分に傷を設け、ここにプライマー(オート化学工業(株)製)をハケで塗布して、常温℃30分乾燥したあと一液湿気硬化型ウレタン弾性パテ(オート化学工業(株)製「オートアドハー3000」)にて傷を埋め、その後は実施例1と同様にして絵柄を転写して表面保護層を得て補修した。得られた化粧板は、一様の絵柄を有し、跡がほとんど区別できないほどに補修できたものとなった。
【0018】
<実施例3>
表面のウレタン樹脂透明保護層が劣化して白化した化粧コンクリートブロックの全面にウレタン樹脂系ベースコート(日本ペイント(株)製:「ルリール」)をハンドローラーにて塗布したあと、同一柄の転写紙を請求項1の条件で転写して、表面保護層を得て補修した。この結果、サンシャインウェザメター(スガ試験機(株)製)3000時間(JIS K 5400)しても変色やクラックのない補修した化粧板を得た。
【0019】
【発明の効果】
以上に示したように、本発明の化粧板の補修方法により、絵柄のみの傷でも、、基材の中まで傷の入った化粧板でも補修が可能であり、転写によることで、表面保護層の有無、化粧表面の凹凸に関係なく、同じ絵柄で補修できる。また、補修用ベースコート層に用いる材料を限定することでより丈夫な表面となる。これにより、化粧板の表面保護層が劣化して白化したり、基材のアルカリが表面に析出してエフロレッセンス(efllorescence、風化)を生じたり、絵柄や塗料の顔料が退色したような化粧板の表面を補修することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により補修される化粧板の断面の構造の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の補修方法に用いる転写シートの断面の構造の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の補修方法の補修工程を一例を示す説明図である。
【符号の説明】
11…化粧板基材 12…シーラー層 13…ベースコート層 14…絵柄層15…表面保護層 16…転写シートの基体シート 17…剥離層
18…接着層 19…補修用ベースコート
Claims (3)
- 化粧板基材表面にベースコート層、転写による絵柄層、表面保護層を順次設けてなる化粧板の補修方法であって、前記絵柄層の抜けた場所に補修用ベースコート層を設け、該補修用ベースコート層表面が乾燥しないうちに前記絵柄を転写した際の転写シートと同一のものを重ね合わせ、常温硬化後転写シートの基体シートを剥離し、補修用表面保護層を設けてなることを特徴とする化粧板の補修方法。
- 化粧板基材表面にベースコート層、転写による絵柄層、表面保護層を順次設けてなる化粧板の補修方法であり、前記化粧板基材の内部まで達しているキズを1液又は2液硬化型のパテにて埋める工程を有する補修方法であって、キズを1液又は2液硬化型のパテにて埋める工程の後、補修用ベースコート層を設け、前記絵柄を転写した際の転写シートと同一のものを重ね合わせ、常温硬化後転写シートの基体シートを剥離し、補修用表面保護層を設けてなることを特徴とする化粧板の補修方法。
- 前記補修用ベースコート層に用いる樹脂が、ベースコート層と同じ種類の樹脂か、又は、油性アクリル、油性アクリルウレタン、油性ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1あるいは2のいずれか記載の化粧板の補修方法。
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