JP3992662B2 - 装身具の製造方法及びその装身具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、装身具の製造方法及びその装身具に関し、詳しくは、漆にて貴金属の表面が被覆された装身具の製造方法及びその装身具に関する。
【0002】
【従来の技術】
指輪やブローチに代表される装身具には、金やプラチナなどの貴金属を用いたものが広く見受けられる。
これらの装身具は、人目を引く装飾性の高いものが求められた。
このようなことから、貴金属の表面を漆で被覆することにより、貴金属の光沢とは異なる装飾性を備えた装身具が提案され市場に供給されている。
【0003】
通常、貴金属表面に漆を塗布して定着させる場合、K18を含む金合金や、銀合金、銅合金には、下地として漆の焼付けが可能である。一方、プラチナ合金に対しては、漆焼付けによる定着は不可能である。
そのため、一般には、各種金属に対してはプライマーと呼ばれる高分子製品を塗布して下地とし、その上に漆を塗り重ねた。即ち、プライマーを接着剤として、漆を固定するのである。
【0004】
しかし、プライマーは、高分子製品であるため、漆と同等の、耐熱性(硬化後約200℃)や耐酸性、耐アルカリ性の性質を持たず、溶剤に耐性が無く、更に日常使用の熱湯の温度で変質する危惧がある。このように下地が変質するとその上の漆面は亀裂や剥離を引き起こす。
【0005】
上記の漆の焼付けについては、漆の硬化に必要な酵素を熱によって破壊してしまう。即ち、漆本来の性質である、酵素による重合硬化を殺した使用法といえる。
このような焼付けを行う方法において、プライマーによる耐衝撃性の低下を考慮して、例えば、装飾部の金属表面を1〜50μmの粗さにし、更に、漆に沈殿させる蒔絵の材料を装飾部の金属と同種の金属粉で構成して、漆の定着性の向上を図ったものも提案されている(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−141995号公報
【0007】
しかし、この場合も、焼付けを行うのが前提であり、焼付けによる漆本来の性質が損なわれる点は変わらない。即ち、漆の持つ酵素による重合硬化作用にて時間と共に硬化し、経時における透明感や光沢の増加、落ち着いた漆特有の色合いを獲得するという性質が損なわれてしまう。
一方、貴金属における装飾としての上記漆を採用した手法も、市場において、更に目新しさが望まれ、また、単に目新しいだけでなく、実用に耐える耐久性が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、漆を用いた貴金属などの装飾品において、プライマーと共に漆焼付けの処理の排除を可能とし、漆の耐磨耗性を向上させつつ、より斬新な装飾性を獲得して、上記課題の解決を図る。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本願第1の発明に係る装身具の製造方法は、金或いは白金などの貴金属製部分を備えた装身具1について、当該貴金属製部分を漆にて被覆するものであり、次の構成を採るものである。
即ち、この装身具1の製造方法は、貴金属表面に、生漆をプライマーなどの接着剤を介さずに直接0.05〜0.1mmの厚みに塗布する地塗工程と、地塗工程にて塗布した生漆の乾燥前に、当該生漆の上に、乾燥した天然の砂をふりかけて生漆中に砂を分布させる砂配合工程と、上記の砂配合工程の後に、生漆を時効により硬化させる硬化工程と、上記硬化工程後、生漆に定着しなかった砂を除去する砂除去工程と、砂除去工程を経た生漆の上に、生漆を塗布する重塗工程とを、順次遂行するものである。そして、上記の砂には、粒度100〜150メッシュのものを砂全体の70重量%以上含むものを採用する。また、上記の重塗工程により漆各層の厚みの合計を0.25〜3mmとする装身具を得る。
【0010】
本願第2の発明に係る装身具は、本願第 1 の発明により製造したことを特徴とする。
【0011】
本願第3の発明に係る装身具では、上記本願第2発明に係る装身具にあって、上記の貴金属表面が、上面と、上面の周縁から下方に位置する側面とを備える。上記の生漆は、貴金属表面の上記上面に塗布され、且つ、当該上面の漆と繋がった状態に上記側面側へはみ出すように塗布されたものである。
【0012】
上記本願第1乃至3の発明にあっては、天然の砂を生漆に配合し分布させることによって、貴金属の表面に対する当該生漆の実用的な固着強度を確保し、プライマー及び焼付けを不要とした。このような砂の混在による貴金属に対する漆の固着力の向上について、そのメカニズムを十分に解明していないが、漆中に砂が分布することによって、砂が骨材として、漆の強度を向上させ、対衝撃性を向上させているものと推測される。このため、上記の通り、漆と貴金属表面との間に、漆にとって既述の害があるプライマーを介在させず、また、漆の性質を阻害する焼付けの工程を経ずとも、実用的な固着強度を備えた漆を用いた貴金属の装身具を提供することを可能とした。
特に、砂の混在により、砂の硬度にて、漆の耐磨耗性が向上した。また、貴金属の表面着色の観点から、色彩のみでなく新たな素材感、質感を獲得できる。例えば、この発明に係る方法にて得た下地(地塗層)は、微細な凹凸面を作るが、そのまま砂を混ぜない漆を塗り重ねて研ぎだすことによって、従来の木を土台にした漆塗りと同じ透明感のある漆の光沢と透明感を、通常の技法では固着できなかった貴金属や金属上でも獲得できるのである。一方、微細な凹凸陰影を生かした質感をそのまま着色すれば革や陶器テラコッタを連想させる色を出すこともできる。
【0013】
即ち、焼付けを排除することによって、漆の性質を殺さずに用い、漆の持つ酵素による重合硬化作用を下地から上塗りまで全てに確保することができる。その下地作りの際、金属地(貴金属表面)に本漆を塗布し漆が硬化する前に表面の形状、調整された粒度の砂を分布させ、その後の漆の硬化により、硬度があり結着硬化後に割れにくい砂下地を作った上に、更に、漆を塗って行くことによって、時間の経過と共に硬化する漆の透明感や光沢が増し落ち着いた漆特有の色合いを備えた装身具を得ることができる。
上記の天然の砂として、特に川砂を採用すれば、当該川砂は、海岸で採取した砂のように塩分を含まないので、塩分による漆への悪影響がない。従って、川砂の採用により、このような塩分の除去といった対策を講ずる必要がない。
また、上記において、上記の生漆は、貴金属表面の上記上面に塗布され、且つ、当該上面の漆と繋がった状態に上記側面側へはみ出すように塗布されることにより、硬化後側面被覆部としてこのようなはみ出し部分が側面を挟持するようにすれば、より強固に漆の貴金属製部分への固着が行える。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態について説明する。
図1及び図2へ、本願発明に係る一実施の形態を示す。
図1(A)(B)(C)は、この装身具の製造工程の説明図である。図2は、この装身具の一実施の形態の斜視図である。
各図において、説明の便宜上、Uは上方を、Sは下方を、夫々示している。
【0015】
この装身具の製造方法は、順次遂行される、地塗工程と、砂配合工程、硬化工程と、砂除去工程と、重塗工程とを備える。
以下、各工程について、順に説明する。
【0016】
先ず、地塗工程について説明する。
図1(A)へ示す通り、金や白金(プラチナ)などの貴金属にて形成された、装身具1の基材2を用意する。この基材2は、上面20と、上面20の周縁から下方に位置する側面21とを備える。
ここでいう貴金属には、通常の貴金属に加えて、銅も含む。即ち、金、銀、白金、銅、若しくは、これら貴金属の合金にて基材を形成する。特に、基材2に採用する貴金属として、k20、k18、k16、k14の金合金(ホワイトゴールドを含む。)、Pt1000、P t 950、P t 900のプラチナ合金、赤銅(装身具用銅合金)、Sv925、Sv900などの銀合金が、好ましい。
銀合金については、四分一(しぶいち)といわれる銀合金を薬液煮沸することによって発色性を得ることができる。
【0017】
上記の上面20に、生漆を、プライマーなどの接着剤を介さずに、直接塗布する。この塗布にて、地塗層3を基材2上面に形成する。この塗布には、吹き付け(希釈吹付けを含む。)或いは、刷毛やその他の塗布用具を用いて行う周知の手法により行う。
地塗層3の(を形成するために塗布する漆の)厚みは、極力薄くするのが好ましい。具体的には、地塗層3は、厚みを0.05〜0.1mmとするのが好ましい。
【0018】
上記の地塗層3の形成については、基材2表面に生漆を塗布し、硬化後に再度生漆を塗布することにて行う。この場合漆には何も混入せずに1〜2層の漆膜を作り、更に、漆膜の硬化後、再び生漆を薄く塗って、上記の厚みの、地塗層3を形成する。但し、このように塗り重ねて、地塗層3を形成するのではなく、一回の漆の塗布により、地塗層3を形成するものとしても実施可能である。
【0019】
上記の漆の塗布にて、基材2の上面のみを漆にて被覆するものとしてもよいが、特に、図1に示す通り、基材2の上面20と共に当該上面20の漆と繋がった状態に側面21側にはみ出すように生漆を塗布して地塗層3を形成するのが好ましい。即ち、このようなはみ出し部分を地塗層3に形成し、硬化後側面被覆部31としてこのようなはみ出し部分が基材2の側面を挟持するようにすれば、より強固に漆の基材2への固着が行える。但しこのようなはみ出し部分を設けずに実施することも可能である。
【0020】
次に、砂配合工程について説明する。
上記地塗工程によって形成された地塗層3の乾燥前に、図1(B)へ示す通り、地塗層3表面に砂10をふりかける。具体的には、上記地塗工程にて最後に塗った生漆が乾燥するまでに、天然の砂10をふりかける。
上記の天然の砂は、柘榴石(ガーネットや金剛石も同様である。)、石英、長石類、輝石類、角閃石、黒雲母又はかんらん石などの造岩鉱物、頁岩(堆積岩)、粘板岩、火山ガラスなどの岩石片の、少なくとも何れか一種にて構成された、河川で採取されたものを採用する。特に、静岡県の阿部川で採取した砂を採用するのが好ましい。阿部川の上流には、頁岩や粘板岩が多く、採取した砂は使用に適し、入手も容易で、コスト面でも有利だからである。
上記の天然の砂について、粒度が100〜150メッシュのものを、砂全体の70重量%以上含むものを採用するのが、好ましい。このような粒度の砂の配合比率は、100%に近いほど好ましい(配合重量%を100%とするのが最も好ましい)。
また、上記の粒度についても、110〜130メッシュとするのが、より好ましい。配合する砂について最も好ましいのは、粒度120メッシュの天然の砂を100%とするものである。粒度の調整については、篩などの周知の手段を用いて行えばよい。
通常(基材2の表面が平らな場合など)、砂は、地塗層3が保持できる最大量(体積)を、地塗層3に分布させる(この最大砂量のについては、後述の砂除去工程の説明において述べる)。但し、基材2の表面が曲面の場合や、過度の研磨により表面が極度に平滑にされている場合、地塗層3が保持できる最大量よりも3割程度少なめに砂を地塗層3に分布させるのが好ましい。また、曲面の場合は、基材2に対して、漆層(地塗層3)は、剥離しやすくなる。これに対して、上記分布させる砂の粒度を粗くすること(メッシュ数を小さくすること)によって、漆層(地塗層3)の柔軟性を確保することができ、基材2の曲面形状による剥離のしやすさを、当該漆の柔軟性にてカバーできる。例えば、通常、漆塗りする部位全体が曲面の場合、100メッシュ程度の粒度の砂を、平面の場合に保持することができる砂の最大量の2割減とするのが好ましい。
【0021】
より詳しくは、水干乾燥後の、粒度を特に120メッシュ前後に整えた天然砂を、地塗層3の上に蒔きつける。この場合地塗層3は薄く、蒔かれる砂の密度が均一なほど強度を得やすい。特に、粒度を上記の範囲(最も好ましくは120メッシュ)とすることによって、基材2の上面が、平面の場合、曲面の場合、ともに強度を得やすい。
但し、砂の粒度構成については、基材の硬度や面積、表面状態により使用する砂の粒子のサイズを調整して実施する。例えば、川砂を粒度別に分類の上,目的や漆をつける個所に応じて、粒度構成を調整する。
上記の通り、地塗層3の表面に蒔く砂は、天然の砂のみで構成されたものが好ましい。
漆器において、下地に使用されることのある材料の泥土、焼成して粒度を揃えた土(地の粉)、砥の粉、を漆に混入したり漆塗布後に砂以外のものを蒔きつけると、硬化後割れを生じた際、進行して剥離につながる。砂を用いる以上に強度のある漆器としては、下地に麻などの繊維を混入する以外不可能である。従って、貴金属の滑らかな平面、又は曲面に対する下地作りでは、上記の砂が最適の材料である。
【0022】
上記の硬化工程について説明する。
上記の砂配合工程の後に、生漆を時効により硬化させて、上記の地塗層3を完成させる。これは、湿度50〜90%の常温下において、基材2を放置して行う。具体的には、温度15〜25℃、湿度60〜80%の環境で、最低15時間放置する。特に、温度15〜22℃で湿度を70%とした場合、硬化の確実を期すため、上記15時間に1日(24時間)加えて、合計39時間放置するのが好ましい。
但し、温度や(加湿器を用いて)湿度を上げることによって、放置に要する時間を短縮することができる。例えば、上記において、湿度70%、温度22〜25℃の環境に限定すれば、放置時間を8時間とすることも可能である。但し、目的とする色彩を確実に得るためには、上記の通り、15時間以上の放置時間を確保するのが望ましい。
【0023】
次に、砂除去工程にて、上記の硬化工程後、漆に定着しなかった砂を除去する。即ち、砂を蒔いた生漆の地塗層3が硬化した後、漆皮膜(地塗層3)で保持できない余った砂を全て払い落とす。
砂の除去は、刷毛を用いたり、エアーを硬化後の地塗層3表面に噴きつけるなどの、周知の方法により行う。
通常(漆の塗布面が平らな場合)、除去工程後、残った砂の量が、砂配合工程で述べた、漆層1層が保持できる最大砂量(100%)である。
【0024】
上記の重塗工程について説明する。
上記の除去工程を経た地塗層3の上に、更に、層を形成する。
図1(C)に示す通り、地塗層3の上に、地塗層3と同様の生漆を地塗層3の表面に塗布し中層4を地塗層3の表面に形成する。中層4の形成は、地塗層3の形成と同様の方法により行う。特に、地塗層3の硬化後、地塗層3の上に2〜3回生漆を塗布して、中層4を形成するのが好ましい。この中層4について、上記の砂配合工程、硬化工程と、砂除去工程とを施す。中層4の上に、色漆を塗布することにより、彩色部として上層5を形成する。
この色漆とは、蝋色漆に顔料を練りこんだものである。
上記の上層5の形成については、中層4硬化後に、1回〜2回蝋色漆を塗布することにて行うのが好ましい。
この実施の形態において、地塗層3、中層4、上層5によって、装飾部6が構成されている。装飾部6全体の厚み(各層の厚みの合計)は、0.25〜0.3mmとする。この数値については、3層以外の層数(3層より多い又は少ないもの)であっても同様である。
例えば、平均粒度を120〜100メッシュの砂を通常、通常塗った漆が保持できる砂量で、漆を3回塗り重ねることにて地塗層3を形成(漆を3回塗り重ねて1層の漆層を地塗層3として形成)した場合、上記の通り、装飾部6全体の厚み(各層の厚みの合計)を0.25〜0.3mmとするのである。
地塗層3とその上形成した漆の層(上記において中層4)の2つの層を備えておれば、漆の固着や耐磨耗性の獲得などの機能面においては問題ない。従って、このような層以外は、省いて実施することが可能である。一方、上記の通り、目的とする装飾に応じ、上記の色漆などの装飾層を所望の層数塗り重ねて実施することができる。
【0025】
また、上述の通り、3層形成する場合、図1(C)に示す通り、中層4及び上層5についても、地塗層3と同様の、側面被覆部41,51を形成するのが好ましい。
このようにして、完成した装身具は、図2に示す通り、基材2に独特の装飾部6を形成し、長期に渡って、その装飾美を楽しむことができる。
【0026】
この発明において、天然の砂に着目し、本来金属のベースの上では薄く乾くとはがれやすくなる漆を地塗層に天然砂を分布させることにより、木以外の吸湿性を持たず多孔性のない素材上において、地塗層を剥離しにくい堅牢なものとすることを可能とした。
特に、漆に様々な異素材を加えた層を積み重ね強度のある造形を形成する乾漆に似た素材感を得ることが可能な加工方法をとることによって、金属の持つシャープな質感や、透明石の強い輝きに組み合わせることができる耐久性に富む鮮やかな色彩得ることができる。ともすれば全反射する金属と、時により光が透過しまた全反射する石という2つの要素で成り立つジュエリーに新たな要素として、色彩それも瑞々しさや艶やかさといった感触を含む彩りを加えることができる。その基盤となる方法として、色と耐久性に優れた本技法を採用し、ここでは、特殊な硬さのある粉粒と接着力の強い漆を用いることで金属の表面に水仕事など日常の使用では剥がれない強靭な皮膜をつくる。その結果金属の表面に陰影のある独特なテクスチュアを持つ色合いを表現できるようになり、伝統の漆色である朱や紅柄の赤や松煙の黒に加え今まで漆製品には殆ど使われなかった色合いやグラデーションが使えるようになり一段と色彩の巾が拡大した。
【0027】
表1〜表3へ、最良の実施の形態を、まとめて示す。
各表に示す通り、(A)厚み(地金厚)0.9〜1.5mmのk18ホワイトゴールド、(B)厚み(地金厚)0.9〜1.5mmのk18イエローゴールド、(C)厚み(地金厚)0.9〜1.5mmのプラチナ合金、(D)厚み(地金厚)0.9〜2.5mmのシルバー合金、(E)厚み(地金厚)0.9〜2.5mmの真鍮やその他の銅を母材として銀を含む銅合金(表中まとめて「その他の合金」と示す。)を、基材2として採用することができる。
上記の各基材2(A〜E)において、
a)ゴルフボール表面のディンプルのような複数の凹曲面或いは凸曲面(表中まとめて凹凸曲面と示す。)を備えたもの、
b)塗面全体が円筒や、その他輪郭が直線にて形成された多角形の回転体などの単曲面、又は紡錘型に代表される曲線の回転体などの2次曲面、
c)塗面全体が球面のもの
d)塗面全体が平面のもの
e)塗面全体が平面であり、透かしなどの切欠き部分(基体2の表裏に貫通する部分)を備えもの(平面切欠きあり)
f)多面体などのように塗布面が複数の(交差する)平面にて構成されたもの(平面交差あり)
の夫々について、地塗層3の厚み(第一層漆厚/単位mm)、使用する砂の70重量%以上についての粒度範囲(メッシュ)、砂量(一つの漆層が保持できる最大砂量の総体積を100%として、分布させる砂量)、地塗層3の上に形成する層の数(繰り返し1〜2というのは、地塗層3の上に形成された層の層数が1〜2層であることを示している。)の最適な数値を示している。但し、これらの数値は、変更可能である。例えば、基材2の厚み(地金厚)を0.9mm未満とすることも可能であり、その場合、砂量は、表中に示すものから更に、10%減ずるのが好ましい。
表1は、漆の塗布に際して一塗りの塗り方向と交差する方向の幅(漆を塗る筆の筆先の太さと考えて差し支えない。)が25mm以上のものに適するもの(塗布面積大と呼ぶ。)、表2は、同幅が5mm以上25mm未満に適するもの(塗布面積中と呼ぶ。)、同幅が5mm未満に適するもの(塗布面積小と呼ぶ。)を示している。
A〜Eの各基材の各形状について、総じて、地塗層3(第1層漆厚)を0.05〜0.1mm、砂の粒度を150〜70メッシュ、砂量を70〜100%とするのが好ましい。そして、地塗層3の上に、1〜3層漆層を形成するのが好ましい。
Aに示すk18ホワイトゴールドを基材とする場合に限っても、塗布面積の大中を問わず、地塗層3(第1層漆厚)を0.05〜0.1mm、粒度を150〜70メッシュ、砂量を70〜100%とするのが好ましい。そして、地塗層3の上に、1〜3層漆層を形成するのが好ましい。但し、Aの場合、上記において、塗布面積小では、砂の粒度を150〜100メッシュとする。この場合、他の数値は上記と同様である。
Bに示すk18イエローゴールドを基材とする場合に限っても、塗布面積大中において、地塗層3(第1層漆厚)を0.05〜0.1mm、砂の粒度を150〜70メッシュ、砂量を70〜100%とするのが好ましい。そして、地塗層3の上に、1〜3層漆層を形成するのが好ましい。但し、Bの場合、上記において、塗布面積小では、砂の粒度を150〜100メッシュとする。この場合、他の数値は上記と同様である。
Cに示すプラチナ合金を基材とする場合に限っても、塗布面積大において、地塗層3(第1層漆厚)を0.05〜0.1mm、砂の粒度を150〜70メッシュ、砂量を70〜100%とするのが好ましい。そして、地塗層3の上に、1〜3層漆層を形成するのが好ましい。但し、Cの場合、上記において、塗布面積中小では、砂の粒度を140〜80メッシュとする。この場合他の数値は上記と同様である。
Dに示すシルバー合金を基材とする場合に限ると、塗布面積大中小において、地塗層3(第1層漆厚)を0.07〜0.15mm、粒度を150〜70メッシュ、砂量を70〜100とするのが好ましい。そして、地塗層3の上に、1〜3層漆層を形成するのが好ましい。
Eに示す真鍮その他の銅合金を基材とする場合に限ると、塗布面積大中小において、地塗層3(第1層漆厚)を0.07〜0.15mm、砂の粒度を150〜70メッシュ、砂量を70〜100%とするのが好ましい。そして、地塗層3の上に、1〜3層漆層を形成するのが好ましい。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【実施例1】
表2の(B)のb)のタイプの実施例について説明する。
基体2の厚み(地金厚)1.2mmのk18イエローゴールドの指輪(円筒形)外周面全体に、0.1mm厚の地塗層3を形成し、砂の粒度140〜100メッシュの砂を砂量80%分布させ、地塗層3の上に漆層を2層(繰り返し2層)形成し、指とのサイズ合わせのために通常行われる指輪の内径を大きくするための修正加工を行った。
通常指輪の内側には、指に対する微少な調整を行うための突起が3箇所に設けられている。指輪が窮屈であった場合、このような突起を一つづつ切除して、大きさの調整を行うことができる。そして、3つ総べて削っても窮屈である場合は、更に指輪の内周面全体を研磨するのである。
ここでは、このような突起の切除と指輪内周面の研磨とを行った。具体的には、漆層の硬化後、全突起切除と、指輪の内径の研磨による内径0.2mmの拡大を行った。
突起の切除には、中刃の糸鋸刃を使用し、指輪の内周面の研磨には中目鑢及び細目鑢を使用した。更に、直径10mm、シリコンポイント#300、#700、#1000(夫々紙やすりの300番、700番、1000番に相当)、及び金属用研磨剤ポリアート#4300を電動機(リュウター)3000rpm〜3500rpmで使用した。
その結果、切除時の振動・微動・摩擦熱に対して塗装面に、割れ、亀裂、剥離を含む、いかなる変化も見られなかった。
【0032】
【実施例2】
表2の(B)のa)のタイプの実施例について説明する。
基体2の厚み(地金厚)1.2mmのk18イエローゴールドの指輪であって、指輪全周の三分の一相当の周方向幅(17mm)に渡り、指輪の他の部位よりも指輪の軸方向幅が大きな装飾用部位を備えたものを採用した。
ここでも、実施例1と同様、0.1mm厚の地塗層3を形成し、粒度120〜80メッシュの砂を砂量80%分布させ、地塗層3の上に漆層を2層(繰り返し2層)形成した。
ここでは、指に対して指輪が大きい(緩い)場合にサイズをつづめる加工を行った。具体的には、環状の指輪の装飾部と反対位置を切断の上、長さ(周方向幅)3mm、幅6.5mm(上記反対位置の指輪の軸方向の幅が6.5mmということである。)を切断し(C字状に切欠させ)、短縮の上(切欠部をつき合わせてサイド環状とした上)溶接した。
切断には実施例1と同様の糸鋸刃を使用し、溶接には、k18金鑞#3で、融点780℃前後と都市ガス用酸素トーチを使用した。溶接後の研磨についても、実施例と同じ機材を同じ条件で使用した。
そして、溶接個所周辺(周方向について)長さ約15〜20mmに渡り打撃と研磨により指輪を円形に修整したが、溶接の際の伝導熱及び衝撃・振動による亀裂・剥離などのいかなる変化も発生しなかった。
【0033】
【実施例3】
表2の(B)のa)のタイプの更に他の実施例について説明する。
ここでは、実施例2と同様の指輪について、上記のサイズをつづめる加工に代え、サイズを拡大する加工を施した。
具体的には、上記と同様の反対箇所一箇所を切断し、指輪を周方向に広げて、周方向に対応する長さ5mm、巾6.5mmの指輪と同一素材の矩形の金属片を挟み込み溶接により固定した。この溶接後、溶接個所2ヶ所の周辺と未塗装金属部分に打撃と研磨による円形化修整を行った。
上記の切断、溶接、研磨に使用した機材及び使用条件は、実施例2と同じである。
溶接時の伝導熱及び切断・研磨による振動に対して、いかなる変化も起こらなかった。
【0034】
【実施例4】
表2の(A)のd)のタイプ(平面)の実施例について説明する。
この実施例では、基体2の厚み(地金厚)1.4mmのk18ホワイトゴールドの基材表面全体に、0.1mm厚の地塗層3を形成し、粒度140〜120メッシュの砂を砂量100%分布させ、地塗層3の上に漆層を3層(繰り返し3層)形成した。
このような塗装が施されたテストピース(試験片)に対して、装飾が施された面と反対側の面(裏面)から、直径3mmの焼入れ鋼製円錐状棒を金槌の打撃にて打ち込み、装飾部の表面側に高さ0.05mm直径1.5mmの突起を打ち出した。しかし、このような突起の形成(変形)によっても突起部及びその周辺に剥離は見られなかった。更に、上記の打ち出しを続けると、突起を高さ0.15mm直径を2mmとした時点で、突起周辺の(半径)3mm範囲に剥離を確認したが、亀裂は見られなかった。そして、上記で生じた剥離部分について、突起を圧迫し、約3×4mmの範囲について剥離部分を割り、地金(基材2表面)を露出させても、上記で生じた剥離部分の範囲は変化せず、当初の剥離部分より外側への剥離、即ち、連鎖剥離は見られなかった。
【0035】
【実施例5】
実施例1と同様の素材(未鍍金のK18イエローゴールド合金)・条件で半周に渡り実施例1と同じ装飾部を形成した円筒状体(テストピース)について、塗装硬化後、常温の洗剤溶液に入れて30分間の超音波洗浄(50ワット出力)しても何ら変化が見られなかった(実施例5の1)。
尚、テストピースの形状を平面(板状体)としても同様であった(実施例5の2)。
また、基材を平滑に研磨の上ロジウム鍍金を施されたホワイトゴールド合金として、他の条件を変えずに形成したテストピースについて、同様の洗浄を行っても変化はなかった(実施例5の3)。
【0036】
【実施例6】
実施例5と同様の素材(k18イエローゴールド)にて同様のテストピースを形成した。この場合、円筒状全周に、装飾部(3層)全体の厚みを0.3mmとして、漆着色とした。他の条件は、実施例5と同様である(実施例6の1)。
このテストピースを2 時間煮沸したが、漆面(装飾部)には何の変化も生じなかった。
尚、平滑に鏡面研磨仕上げをしてロジウム鍍金を施したk18ホワイトゴールドを採用し、他の条件を同じにして、上記煮沸を行っても、変化は生じなかった(実施例6の2)。テストピースを平面(板状体)としても同様であった(実施例6の3)。
【0037】
【実施例7】
表2の(D)のd)のタイプ(平面)の実施例について説明する。
度925銀合金の細仕上げ面に、地塗層3の厚み0.15mm、粒度150〜120メッシュの砂で、砂量100%、繰り返し3層の装飾部を形成した。
漆の硬化後、直径1.2mmのハイスピード鋼製ドリルを、基材2の裏側から穿入させた。その結果、ドリルの中心軸より最大直径4.5mmの範囲に亀裂と塗装面の割れ・ 剥離を見たものの、その後超音波洗浄による振動を与えても連鎖剥離は起きなかった。
【0038】
【発明の効果】
本願第1乃至第3の発明の実施によって、貴金属において、従来にない、漆の性質を生かした装飾を施すことを可能とした。即ち、プライマーや漆焼付けの処理を排除して、これらの処理によって従来生じた割れや漆の本来の美観の喪失という問題を排除した。また、漆の層中に、砂を分布させることで、砂の硬度により、層の耐磨耗性を向上した。特に、このような砂の分布にて、従来にない斬新な装飾性を獲得した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施の形態に係るの全体斜視図である。
【図2】上記の斜視図である。
【符号の説明】
1 装身具
Claims (3)
- 金或いは白金などの貴金属製部分を備えた装身具について、当該貴金属製部分を漆にて被覆する装身具の製造方法において、
貴金属表面に生漆を、プライマーなどの接着剤を介さずに直接0.05〜0.1mmの厚みに塗布する地塗工程と、
地塗工程にて塗布した生漆の乾燥前に、当該生漆の上に、乾燥した天然の砂をふりかけて生漆中に砂を分布させる砂配合工程と、
上記の砂配合工程の後に、生漆を時効により硬化させる硬化工程と、
上記硬化工程後、生漆に定着しなかった砂を除去する砂除去工程と、
砂除去工程を経た生漆の上に、生漆を塗布する重塗工程とを、順次遂行するものであり、
上記の砂には、粒度100〜150メッシュのものを砂全体の70重量%以上含むものを採用し、上記の重塗工程により漆各層の厚みの合計を0.25〜3mmとする装身具を得る装身具表面の装飾方法。 - 請求項1の方法によって製造した装身具。
- 上記の貴金属表面は、上面と、上面の周縁から下方に位置する側面とを備え、
上記の生漆は、貴金属表面の上記上面に塗布され、且つ、当該上面の漆と繋がった状態に上記側面側へはみ出すように塗布されたものであることを特徴とする請求項2記載の装身具。
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