JP3992457B2 - バーリング加工装置のロール軸軸心移動機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、湾曲したパイプ等のバーリング加工に適したバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のバーリング加工装置としては、例えば、図7に示すように、予め被加工部材01に開穴された下穴に成形ヘッド02を挿入した後、成形ヘッド02に出入可能に設けられた2つの成形ピン03,03を突出させ、成形ヘッド02を軸心X1周りに回転させて成形ピン03,03を下穴の開口縁部04に接触させながら引き抜くことによって、開口縁部04を立上げるものが知られている。
【0003】
ところが、上述の成形ヘッド02は、両成形ピン03,03を出し入れする機構を備える構造上、成形ピン03,03を成形ヘッド02と一体的に形成することができないので、強度的に弱く、耐久性に劣るという問題があった。また、成形ピン03,03は回転時に開口縁部04と当接して大きな接触摩擦抵抗を受けるので、消耗が激しくランニングコストが高くつく。
さらに、図8のように、被加工部材01に対して斜め方向にバーリング加工を施す場合、常に片側の成形ピン03のみが開口縁部04と接触することとなり、両成形ピン03,03に均等に負荷が掛からないので、強度が弱く、成形ピン03,03の破損を招く虞がある。
【0004】
これに対し、図9に示すように、先端に成形ロール06を備えたロール軸05が知られている。このロール軸05は、下穴に挿入可能な範囲で径を可能な限り大きく形成するとともに、成形ロール06をロール軸05の軸心X1に対して傾斜した軸心X2を中心として回動自在に設けて加工時の接触摩擦抵抗を減らし、摩耗を最小限に抑えることによって、高強度・高耐久性を実現しており、前述した斜め方向のバーリング加工も問題なく行うことができる。
【0005】
このロール軸05は、径方向に突設した一つの成形ロール06を用いてバーリング加工を行う構造上、下穴の中心Oとロール軸05の軸心X1とを合わせた状態では成形ロール06が下穴の開口縁部04と接触して成形ロール06を下穴下方に挿入することができないので、図9(イ)のように、ロール軸05を下穴の一方側に寄せた状態で挿入し、その後、図9(ロ)に示すようにロール軸05の軸心X1を下穴の中心Oと一致させてから加工を行う必要がある。
【0006】
前記ロール軸05の軸心X1を図9(イ)の状態から図9(ロ)の状態まで移動させる軸心移動機構としては、図10,図11に示すようなものが知られている。ここで、両図において、07は加工時にロール軸05が垂設された回転主軸であり、この回転主軸07の軸心は下穴の中心Oと一致している。
図10に示す軸心移動機構は、エアシリンダ08を用いてロール軸05を直線運動させて軸心X1を移動する構成となっている。一方、図11に示す軸心移動機構では、回転主軸07の軸心(下穴の中心O)から偏心した位置に偏心軸09を回動自在に設け、この偏心軸09にロール軸05を固定し、モータ010を用いて偏心軸09を回転させて軸心X1を移動する構成となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のロール軸軸心移動機構にあっては、ロール軸05を直線運動させるエアシリンダ08や偏心軸09を回転させるモータ010等を回転主軸07側に取り付けなければならないので、回転主軸07の大型化および重量増を招いてしまい、加工時に回転主軸07を回転させるモータ等の負担が大きい。
また、加工時に高速回転する回転主軸07にエアや電力等の動力源を供給しなければならないので、装置が複雑化してメンテナンスに手間が掛かるし、構造の複雑化は故障を招く原因となり易い。
【0008】
本発明は、上記従来技術が抱える問題点に着目してなされたものであって、その目的とするところは、エアシリンダやモータ等を回転主軸側に設けることなくロール軸の軸心移動を実現することができ、装置の小型軽量化および簡素化によるメンテナンス作業の容易化の点で優れたバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明請求項1記載のバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構では、予め開穴された下穴を上方に向けた状態で被加工部材を支持する支持手段と、軸心が下穴の中心と一致するように下穴上方に上下方向昇降可能に設けられた回転主軸と、この回転主軸を回転駆動する駆動装置と、前記回転主軸の回転主軸軸心から偏心した位置に回動自在に軸支された偏心軸と、この偏心軸下端の偏心軸軸心から偏心した位置に垂下され、かつ、偏心軸回転時に軸心が前記回転主軸軸心上を通過するように設けられたロール軸と、このロール軸先端にロール軸軸心に対して傾斜した状態で回動自在に軸支され、偏心軸軸心方向に突設された成形ロールとを備え、前記偏心軸軸心と回転主軸軸心とが不一致の状態で回転主軸を下降させ成形ロールを下穴から被下降部材内部に挿入した状態で、偏心軸を回転させてロール軸軸心を回転主軸軸心と一致させるように構成されたバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構において、前記偏心軸の回転を阻止する回転阻止手段が係脱自在に設けられ、前記ロール軸軸心が回転主軸軸心と一致した状態から前記偏心軸を180度回転させた状態におけるロール軸の位置を成形ロール挿入位置とし、成形ロールを挿入した状態で、前記回転阻止手段で偏心軸の回転を阻止しながら回転主軸を180度回転させてロール軸の軸心移動を行うように構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明では、請求項1記載のバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構において、回転阻止手段が、偏心軸側面に形成された摺動面に対して平行に当接可能、かつ、摺動面に対して垂直方向に押圧可能な押圧手段であることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明では、請求項2記載のバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構において、偏心軸摺動面と押圧手段の少なくとも一方に転動体が左右方向回動自在に設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明では、請求項2または3記載のバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構において、押圧手段が、エアシリンダであることを特徴とする。
【0013】
【作用および効果】
請求項1記載のバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構では、まず、偏心軸軸心が回転主軸軸心と一致した状態から偏心軸を180度回転させた状態におけるロール軸の位置を成形ロール挿入位置とし、この状態で回転主軸を下降させて成形ロールを下穴から被加工部材の内部に挿入する。
次に、回転阻止手段により偏心軸の回転を阻止した状態で回転主軸を180度回転させる。このとき、偏心軸は向きを一定に保ったまま回転主軸の軸心周りを180度回転し、ロール軸軸心が回転主軸軸心と一致してバーリング加工が可能な状態となる。
【0014】
よって、本発明のロール軸軸心移動機構にあっては、回転主軸にシリンダやモータ等を設けることなくロール軸の軸移動が可能であるから、ロール軸を軸移動させるシリンダやモータ等を回転主軸に載せた従来装置と比較して、回転主軸の小型軽量化を図ることができるとともに、回転主軸に電力やエア等の動力源を送る必要がないので、故障の原因を招き易い構造の複雑化が避けられ、さらにメンテナンスの手間を軽減することができるという効果が得られる。
【0015】
請求項2記載のバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構では、回転主軸を180度回転させる軸心移動時において、偏心軸側面に形成された摺動面が押圧手段で押圧されることで、偏心軸が向きを一定に保ったままロール軸の軸移動を行うことができる。
【0016】
請求項3記載のバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構では、偏心軸の摺動面が押圧手段に対して横移動を行う際、転動体が回転して接触部位の摩擦抵抗を小さくすることができるので、偏心軸の横移動がスムーズとなり、偏心軸および押圧手段が長寿命となる。
【0017】
請求項4記載のバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構では、押圧手段としてエアシリンダを用いているので、偏心軸の回転運動に合わせてエアシリンダに送る空気圧を微調整しなくても、エアシリンダのロッドが偏心軸の動きに追従して進退し、押圧状態を保持することができるので、制御の容易化の点で優れている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1のバーリング加工装置の概略を示す正面図、図2は本実施の形態1のロール軸軸心移動機構の要部を示す正面図である。
図において、1は固定装置(支持手段)、2は昇降フレーム(昇降手段)、3は回転主軸、4は偏心軸、5はロール軸、6はエアシリンダ(押圧手段)、7はタイミングベルト、8はNCモータ(駆動手段)である。
また、前記固定装置1の内部に破線で描かれたWは、湾曲したパイプ形状のワーク(被加工部材)であって、長さ方向両端が図中の左右に配置され、予め所定の位置にワークWの長さ方向が長径となるように楕円形状の下穴hが開穴されている。
【0019】
前記固定装置1は、内部がワークWの形状に沿ってくり貫かれた上下二分割の割型にワークWを挟み込み、固定装置1下方に設けられた図示しない油圧シリンダを用いて上下方向に押圧し固定する構造となっている。そして、上部割型の上面には、ワークWの下穴hに面して前記ロール軸5の先端部を挿入可能な大きさを有するロール軸挿入口が穿設されている。また、固定装置1は、左右方向移動可能に設けられ、ワークWに複数の下穴hが開穴されている場合、ワークWを横移動させて連続的なバーリング加工が可能となっている。
【0020】
前記昇降フレーム2は、前記回転主軸3を上下動させるためのものであって、左右に立設されたガイド9,9に支持され、図示しない油圧シリンダによって上下方向昇降自在に設けられている。
【0021】
前記回転主軸3は、軸心X0が鉛直方向に延び、かつ、前記ワークWの下穴hの中心Oと一致した状態で前記昇降フレーム2に固定されている。この回転主軸3の上端には、タイミングプーリ10が周設されており、前記NCモータ8の動力がタイミングベルト7を介して伝達され、軸心X0周りを回転する構造となっている。
【0022】
前記偏心軸4は、前記ロール軸5の軸移動を行うためのもので、前記回転主軸3の軸心X0から偏心した位置に180度の範囲内で回動可能(詳細については後述する。)に軸支されている。この偏心軸4の上端は、回転主軸3よりも上方に突出しており、その突出部分側面の径方向対称位置には、円筒状に形成された受けローラ(転動体)11,11が左右方向回動自在に設けられている。
【0023】
前記ロール軸5は、前記偏心軸4の下端に固定され、図2の状態から偏心軸4が偏心軸4の軸心を中心として左回りに180度回転した際、その軸心X1が回転主軸3の軸心X0と一致するように偏心軸4の軸心に対して偏心した位置に設けられている。
前記成形ロール12は、前記ロール軸5の下端にロール軸5の軸心X1に対して傾斜し、かつ、偏心軸4の軸心の方向に突出した状態で回動自在に軸支されている。
【0024】
前記エアシリンダ6は、前記偏心軸4が軸移動を行う際に前記受けローラ11,11を一方向に押圧して偏心軸4の回転を阻止するためのもので、その中心を前記回転主軸3の軸心X0に向けた状態で昇降フレーム2に固定されている。また、このエアシリンダ6のロッド先端面13は平坦に形成されるとともに、前記偏心軸4が回転主軸3の軸心X0周りを回転する際、常に両受けローラ11,11に当接可能な十分な幅を有している。
前記NCモータ8は、図示しないNC制御装置によって制御されており、前記回転主軸3の回転は、NC制御装置に入力・設定された数値情報に基づいて制御されている。
【0025】
次に、ロール軸軸心移動機構の動作について説明する。
まず、固定装置1の上下割型にワークWを挟み込み、下方から油圧シリンダで押圧して固定する。このとき、図1に示すように、ワークWの下穴hの中心Oは、回転主軸3の軸心X0と一致した状態となっている。
続いて、図2のように、偏心軸4の軸心X1を回転主軸3の軸心X0と一致させた状態から偏心軸4を180度回転させた状態とした後、昇降フレーム2を下降させてロール軸5下端の成形ロール12を下穴hからワークWの内部に挿入する。このとき、偏心軸4は両受けローラ11,11側をエアシリンダ6に平行に向けた状態となっている。
【0026】
次に、図3(イ)に示すように、エアシリンダ6のロッドを伸長させ、ロッド先端面13で偏心軸4側面の受けローラ11,11を押圧しつつ、NCモータ8を駆動して回転主軸を右回りに180度回転させる。
このとき、偏心軸4は、エアシリンダ6によって一方向に押圧されているので、向きを一定に保ったまま回転主軸3の軸心X0周りを右回りに180度回転することとなる。
【0027】
ここで、偏心軸4の両受けローラ11,11は、エアシリンダ6のロッド先端面13と接触しながら横移動を行うが、受けローラ11,11は横方向回動自在に設けられているので、接触摩擦抵抗がほとんど生じず、スムーズに横移動が行われる。
また、偏心軸4は、90度回転するまではエアシリンダ6のロッド先端面13から遠ざかる方向に移動し、その後はロッド先端面13に接近する方向に移動することとなるが、この偏心軸4の動きに追従してエアシリンダ6のロッドが進退するので、エアシリンダ6に送る空気圧を微調整することなく押圧状態が保持され、偏心軸4の向きが一定に保たれる。
【0028】
図3(ロ)は回転主軸3を90度回転させた状態を示す図、図3(ハ)は回転主軸3を180度回転させた状態を示す図であり、また、図4(イ)〜(ハ)は図3(イ)〜(ハ)にそれぞれ対応した下穴hに対するロール軸5および成形ロール12の位置を示す図である。図で明らかなように、ロール軸5は向きを一定に保ったまま半円を描くように移動し、回転主軸3を180度回転させた時点で、ロール軸5の軸心X1が回転主軸3の軸心X0と一致し、軸移動が完了する。
【0029】
前記ロール軸5の軸移動が完了後、NCモータ8を駆動して回転主軸3を右回りに高速回転させつつ、成形ロール12がワークWから十分離れるまで昇降フレーム2を上昇させ、ワークWの下穴hにバーリング加工を施す。なお、このとき偏心軸4には偏心軸4の軸心を中心として左回りの力が加わるが、偏心軸4はこれ以上左回りに回転しない構造となっているので、加工時にロール軸5が偏心することはない。
成形ロール12がワークWから十分離れるまで上昇したら、回転主軸3の上昇および回転を停止させる。
【0030】
バーリング加工完了後、次のバーリング加工のため上述したロール軸5の軸移動と逆の手順を行う。まず、NCモータ8を駆動して回転主軸3を回転させ、偏心軸4の位置を図3(ハ)の状態としてから、エアシリンダ6のロッドを伸長させ、ロッド先端面13で偏心軸4側面を押圧しつつ、NCモータ8を駆動して回転主軸3を左回りに180度回転させることで、ロール軸5の位置が図2に示したロール軸挿入位置まで戻る。
【0031】
以上説明してきたように、本実施の形態1のバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構では、偏心軸4を押圧するエアシリンダ6を回転主軸3とは別体に昇降フレーム2に固定し、このエアシリンダ6と回転主軸3を回転させることによって、ロール軸5の軸心移動を行う構成としたので、回転主軸3にロール軸5を軸移動させるシリンダやモータ等の駆動装置を載せた従来品と比較して、回転主軸3の小型軽量化および構造の簡素化によるメンテナンス手間の軽減を図ることができる。
【0032】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。なお、本実施の形態2において前記実施の形態1と同一の構成部分には、実施の形態1と同一の符号を付してその具体的な説明は省略する。
図5は実施の形態2のロール軸軸心移動機構の要部を示す平面図であり、本実施の形態では、固定装置1にセットした状態で下穴の長さ方向がエアシリンダ6の押圧方向に対して45度傾斜した状態となるワークに対してバーリング加工を施す場合について説明する。
まず、構成を説明すると、本実施の形態2では、偏心軸4側面に互いに直角に隣接する2つの摺動面14a,14bを設け、さらに、エアシリンダ6のロッド先端面13に4つの受けローラ(転動体)15を左右方向回動自在に設けた点で実施の形態1と異なる。
【0033】
次に、ロール軸軸心移動機構の動作について説明する。
まず、図5に示すように、偏心軸4の軸心X1を回転主軸3の軸心X0と一致させた状態から偏心軸4を180度回転させた状態とする。
続いて、下穴hの長さ方向の傾斜角度に合わせて回転主軸3を左回りに45度回転させる。このとき、下穴hの長さ方向とロール軸5の成形ロッド13突出方向は一致し、かつ、偏心軸4の摺動面14aとエアシリンダ6のロッド先端面13とは互いに平行な状態となっている。
【0034】
次に、昇降フレーム2を下降させてロール軸5下端の成形ロール12を下穴hからワークWの内部に挿入する。
挿入作業完了後、図6(イ),(ロ)に示すように、エアシリンダ6のロッドを伸長させ、ロッド先端面13に設けられた4つの受けローラ15で偏心軸4の摺動面14aを押圧しつつ、NCモータ8を駆動して回転主軸3を右回りに180度回転させる。
このとき、偏心軸4は、エアシリンダ6によって一方向に押圧されているので、向きを一定に保ったまま回転主軸3の軸心X0周りを右回りに180度回転することとなる。
【0035】
ロール軸5の軸移動完了後は、実施の形態1と同様に、回転主軸3を右回りに高速回転させつつ、昇降フレーム2を成形ロール12がワークWから離れるまで上昇させてワークWにバーリング加工を施し、その後、NCモータ8を駆動して回転主軸3を回転させ、偏心軸4の位置を図6(ロ)の状態としてから、上述したロール軸5の軸移動と逆の手順を行い、ロール軸5の位置を図5の状態に戻す。
なお、下穴の長さ方向が逆に45度傾斜している場合には、回転主軸3を右回りに45度回転させ、エアシリンダ6が摺動面14bを押圧しながら軸移動を行う。
【0036】
本実施の形態2では、下穴の長さ方向に合わせて回転主軸3を回転させ、下穴の長さ方向とロール軸5の成形ロール12突出方向とを一致させることによって、傾斜した下穴に成形ロール12を挿入することができる。
【0037】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、本実施の形態2では、固定装置1にセットした下穴の長さ方向がエアシリンダ6の押圧方向に対して45度傾斜した下穴に対応するため、偏心軸4の側面に互いに直交する摺動面14a,14bを設けた構成を示したが、摺動面14a,14bが成す角度は下穴の傾斜角度に合わせて適宜設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のバーリング加工装置の概略を示す正面図である。
【図2】実施の形態1のロール軸軸心移動機構の要部を示す平面図である。
【図3】ロール軸移動時における回転主軸に対する偏心軸およびロール軸の位置関係を示す図である。
【図4】ロール軸移動時における下穴に対するロール軸および成形ロールの位置関係を示す図である。
【図5】実施の形態2のロール軸軸心移動機構の要部を示す平面図である。
【図6】ロール軸移動時における回転主軸に対する偏心軸およびロール軸の位置関係を示す図である。
【図7】従来の成形ヘッドを用いて被加工部材にバーリング加工を施す様子を示す側面図である。
【図8】成形ヘッドを用いて被加工部材に対して斜め方向にバーリング加工を施す様子を示す側面図である。
【図9】成形ロールの軸移動を説明する側面図である。
【図10】従来のロール軸軸心移動機構を示す説明図である。
【図11】従来のロール軸軸心移動機構を示す説明図である。
【符号の説明】
W ワーク(被加工部材)
h 下穴
1 固定装置(支持手段)
2 昇降フレーム(昇降手段)
3 回転主軸
4 偏心軸
5 ロール軸
6 エアシリンダ(押圧手段)
7 タイミングベルト
8 NCモータ(駆動手段)
9 ガイド
10 タイミングプーリ
11 受けローラ
12 成形ロール
13 ロッド先端面
14a,14b 摺動面
15 受けローラ
Claims (4)
- 予め開穴された下穴を上方に向けた状態で被加工部材を支持する支持手段と、軸心が下穴の中心と一致するように下穴上方に上下方向昇降可能に設けられた回転主軸と、この回転主軸を回転駆動する駆動装置と、前記回転主軸の回転主軸軸心から偏心した位置に回動自在に軸支された偏心軸と、この偏心軸下端の偏心軸軸心から偏心した位置に垂下され、かつ、偏心軸回転時に軸心が前記回転主軸軸心上を通過するように設けられたロール軸と、このロール軸先端にロール軸軸心に対して傾斜した状態で回動自在に軸支され、偏心軸軸心方向に突設された成形ロールとを備え、前記偏心軸軸心と回転主軸軸心とが不一致の状態で回転主軸を下降させ成形ロールを下穴から被下降部材内部に挿入した状態で、偏心軸を回転させてロール軸軸心を回転主軸軸心と一致させるように構成されたバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構において、
前記偏心軸の回転を阻止する回転阻止手段が係脱自在に設けられ、
前記ロール軸軸心が回転主軸軸心と一致した状態から前記偏心軸を180度回転させた状態におけるロール軸の位置を成形ロール挿入位置とし、成形ロールを挿入した状態で、前記回転阻止手段で偏心軸の回転を阻止しながら回転主軸を180度回転させてロール軸の軸心移動を行うように構成されていることを特徴とするバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構。 - 回転阻止手段が、偏心軸側面に形成された摺動面に対して平行に当接可能、かつ、摺動面に対して垂直方向に押圧可能な押圧手段であることを特徴とする請求項1記載のバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構。
- 偏心軸摺動面と押圧手段の少なくとも一方に転動体が左右方向回動自在に設けられていることを特徴とする請求項2記載のバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構。
- 押圧手段が、エアシリンダであることを特徴とする請求項2または3記載のバーリング加工装置のロール軸軸心移動機構。
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