JP3992271B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色素膜を記録層として有する光情報記録媒体に関し、特に350nm〜500nmのレーザーで記録・再生可能である化合物を含有した光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板上に反射層を有する光情報記録媒体としてCD(コンパクトディスク)規格に対応した追記可能なCD−Rが広く普及している。CD−Rの記録容量は700MB程度であるが、情報量の飛躍的増加に伴い、情報記録媒体に対する高密度化および大容量化への要求は高まっている。次に、更なる高密度光情報記録媒体が望まれ、CD−R(記録波長780nm)に続いて、DVD−R(記録波長635〜660nm)が開発されている。そして、次世代の記録媒体として、更に500nm以下の短波長レーザーを用いた光情報記録媒体の開発が望まれている。しかし、これまでの記録層は一般に色素等で構成されていたが、500nm以下に大きな吸収を有する色素はほとんど知られていないため、その開発が急務となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、500nm以下のレーザー波長に対して、優れた記録特性および再生特性を有する色素を用いた光情報記録媒体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1)基板上に少なくとも記録層を有する光情報記録媒体において、記録層中に一般式(1)で示される化合物を含有する光情報記録媒体、
【0005】
【化4】
【0006】
(式中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、置換基を有してもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、若しくはアリールスルホニル基を表し、これらのうち隣接位にあるものは互いに結合して環を形成してもよく、またその環は置換基を有していてもよい。またAは置換してもよいアリール基、またはヘテロアリール基を表す。)
(2)基板上に少なくとも上記の記録層および反射層を有する(1)に記載の光情報記録媒体、
(3)Aが下記式(2)
【0007】
【化5】
【0008】
(式中、Q1〜Q5はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、若しくはアルコキシル基を表す。)
または下記式(3)
【0009】
【化6】
【0010】
(式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、Q6〜Q10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、若しくはアルコキシル基を表す。)
で表される化合物である(1)または(2)に記載の光情報記録媒体、
(4)書き込み及び読み取りのレーザー波長がともに350nm〜500nmであることを特徴とする(1)ないし(3)に記載の光情報記録媒体、
に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の光情報記録媒体は、記録層中に一般式(1)で示される構造の化合物を少なくとも一種使用してなるものである。
【0012】
一般式(1)において、R1〜R8におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基等の炭素数1〜20のアルキル基、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられ、アリール基としてはフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基が挙げられ、ヘテロアリール基としてはチエニル基、フラニル基、ピロリル基、3−ピロニノ基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、1,2,3−オキサジアゾリル基、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピペラジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、インドーリル基、チオナフセニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾオキサゾイル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基、ベンゾトリアゾール−2−イル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、クマリニル基、シンノリニル基、キノキサリニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、フェナントロニリル基、フェノチアジニル基、フラボニル基、フタルイミド基、ナフチルイミド基等が挙げられる。
【0013】
R1〜R8におけるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子が挙げられ、アルコキシル基としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシル基が挙げられ、アリールオキシ基としてはフェノキシ基等が挙げられ、アルキルチオ基としてはメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基等が挙げられ、アリールチオ基としてはフェニルチオ基等が挙げられ、アルケニル基としてはビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基等の炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられ、アシル基としてはホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基等が挙げられ、アルキルアミノ基としてはメチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基等が挙げられる。
【0014】
R1〜R8におけるアルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等が挙げられ、アルキルアミノカルボニル基としてはメチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、n−プロピルアミノカルボニル基、n−ブチルアミノカルボニル基等が挙げられ、アルキルスルホニル基としてはメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基等が挙げられ、、アリールスルホニル基としてはフェニルスルホニル基などが挙げられる。
【0015】
これら置換基を有してもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルケニル基、アシル基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基に結合する置換基としては、シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボキシル基;テトラヒドロフリル基;前述に述べたのと同様のハロゲン原子;前述に述べたのと同様のアルコキシル基;メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシプロポキシ基、メトキシブトキシ基、エトキシブトキシ基等の炭素数2〜12のアルコキシアルコキシル基;アリルオキシ基;前述に述べたのと同様のアリールオキシ基;メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n−プロピルスルホニルアミノ基、イソプロピルスルホニルアミノ基、n−ブチルスルホニルアミノ基、tert−ブチルスルホニルアミノ基、sec−ブチルスルホニルアミノ基、n−ペンチルスルホニルアミノ基、n−ヘキシルスルホニルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基、n−ヘキシルカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基;メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、sec−ブトキシカルボニルオキシ基、n−ペンチルオキシカルボニルオキシ基、n−ヘキシルオキシカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニルオキシ基;前述に述べたのと同様の炭素数6〜12のアリール基等が挙げられる。
【0016】
また、R1〜R8のうち隣接位にあるものは互いに結合して環を形成してもよい。例えばR1とR2、R3とR4、R5とR6等がそれぞれ結合して縮合環(例えばピペリジン環、モルホリン環、芳香環等)を形成してもよい。またこれらには前述に述べたのと同様のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシル基などの置換基を有していてもよい。
【0017】
Aは置換してもよいアリール基、またはヘテロアリール基を表す。これらは前述したR1からR8のアリール基、またはヘテロアリール基と同様である。置換基についてはR1〜R8について前述したのと同様の、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、テトラヒドロフリル基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基、アリルオキシ基、アリールオキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数6〜12のアリール基等が挙げられる。これら置換してもよいアリール基、またはヘテロアリール基は、炭素数が20以下であることが好ましい。さらにAが下記式(2)であることが好ましい。
【0018】
【化7】
【0019】
(式中、Q1〜Q5は前記と同じ。)
または下記式(3)
【0020】
【化8】
【0021】
(式中、X及びQ6〜Q10は前記と同じ。)
である。
【0022】
式(2)及び(3)においてQ1〜Q10におけるハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基は前述したのと同様の置換基が挙げられ、Xが酸素原子の場合は1,3,4−オキサジアゾリル基であり、硫黄原子の場合は1,3,4−チアジアゾリル基である。
【0023】
次に、本発明の光情報記録媒体に使用する一般式(1)で示される化合物の具体例を表1に示す。表1中、conは縮合している事を表し、そのあとに記す()はその縮合環が()内の置換基を有していることを表す。またCyは環状、Phはフェニル基、Odは1,3,4−オキサジアゾリル基、Tdは1,3,4−チアジアゾリル基を表す。
【0024】
尚、表中化合物No.12,13および20のAは式(3)で表され、Xは酸素原子、Q6、Q7、Q9、Q10は水素原子、Q8はメチル基であることを示す。化合物No.19のAは式(2)で表され、Q1、Q2、Q4、Q5は水素原子、Q3は塩素原子であることを示す。
【0025】
【0026】
本発明の光情報記録媒体に使用される一般式(1)で表される化合物は、例えばスイス特許331512号公報、331514号公報、332480号公報、或いは英国特許825413号公報に記載された公知の方法で得ることができる。
【0027】
本発明の光情報記録媒体は、基板上に記録層を有するもので、該記録層は上記の一般式(1)の化合物を含有することを特徴とする。この記録層は、この化合物単独で含有されていても良く、またバインダー等の各種添加剤と混合して含有されていても良い。
【0028】
また、一般式(1)の化合物のほか、他の有機色素を含有させてもよい。このような併用しうる有機色素としては、一般的に知られている色素、例えばシアニン系色素、スクワリリウム系色素、インドアニリン系色素、フタロシアニン系色素、アゾ系色素、メロシアニン系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、ピリリウム系色素等が挙げられる。
【0029】
本発明の光情報記録媒体は、基板上に一般式(1)の化合物を含有する記録層を設けたもので、必要に応じ、反射層、保護層が設けられる。基板としては既知のものを任意に使用することが出来る。例えば、ガラス板、金属板又はプラスチック板もしくはフィルムがあげられ、これらを製造するためのプラスチックとしてはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂等があげられる。基板の形状については、ディスク状、カード状、シート状、ロールフィルム状等種々のものがあげられる。
【0030】
ガラスまたはプラスチック基板上には記録時のトラッキングを容易にするために案内溝を形成させてもよい。また、ガラスまたはプラスチック基板にはプラスチックバインダーまたは無機酸化物、無機硫化物等の下引き層を設けてもよく、下引層は基板より熱伝導率の低いものが好ましい。下引き層の膜厚は0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
【0031】
本発明の光情報記録媒体における記録層は、例えば、一般式(1)の化合物を公知の有機溶剤、例えばテトラフルオロプロパノール(TFP)、オクタフルオロペンタノール(OFP)、ダイアセトンアルコール、メタノール、エタノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジクロロエタン、イソホロン、シクロヘキサノン等に溶解し、必要に応じて、適当なバインダーを加え、その溶液をスピンコーター、バーコーター、ロールコーター等により基板上に塗布することにより得ることが出来る。その他の方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法もしくは基板を溶液中に漬けるディッピング法によっても得ることができる。ここにおいてバインダ−としてはアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等が使用されうる。
【0032】
記録層の膜厚は、記録感度や反射率を考慮すると、好ましくは0.01μm〜5μm、より好ましくは0.02μm〜3μmである。尚、塗布液の色素含有量は、好ましくは0.2から10重量%とするのがよい。
【0033】
本発明の光情報記録媒体には、必要により記録層の下に下引層を、また記録層上に保護層を設けることが出来、さらに記録層と保護層の間に反射層を設けることが出来る。反射層を設ける場合、反射層は金、銀、銅、アルミニウム等、好ましくは金、銀、もしくはアルミニウムの金属で構成され、これらの金属は単独で使用してもよく、2種以上の合金としてもよい。このものは真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等で成膜される。このような反射層の厚さは、0.02〜2μmである。反射層の上に設けられることのある保護層は、一般に、紫外線硬化樹脂をスピンコート法により塗装した後、紫外線を照射し、塗膜を硬化させて形成されるものである。その他、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等も保護膜の形成材料に用いられる。このような保護膜の厚さは、通常、0.01〜100μmである。
【0034】
本発明の光情報記録媒体における情報の記録、あるいは画像の形成は波長350nm〜500nmのレーザー光、例えば可視光領域の広範囲で波長選択のできる色素レーザー、410nmの青色または515nmの青緑色の半導体レーザー、波長445nmのヘリウムカドミウムレーザー、波長488nmのアルゴンレーザー、波長約860nmの半導体レーザーの第2高調波430nmの半導体レーザー、また半導体レーザー励起の固体レーザーの場合は、CrドープしたLiSrAlF6結晶(基本発振波長860nm)からの倍波の430nmなどを使用することができる。情報あるいは画像の記録は集束したこれらのレーザー光を基板を通して、もしくは基板と反対側から記録層に照射することにより行われ、情報あるいは画像の読み出しは、低出力のレーザービームを照射することにより、ピット部とピットが形成されていない部分の反射光量もしくは透過光量の差を検出することにより行われる。
【0035】
本発明に使用する化合物は各種溶媒への溶解度が高いので光情報記録媒体を製造しやすい。また、本発明の光情報記録媒体は耐光性、耐熱性が強く保存安定性に優れた記録物を得ることができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明が、これらの実施例に限定されるものではない。
【0037】
実施例1
(a)光情報記録媒体の製造
No.1で示される化合物(DMF中での吸収スペクトルはλmax=368nm、モル吸光係数57,600)(日本分光社製、紫外可視分光光度計V−530を使用し測定)のテトラフルオロペンタノール1重量%溶液を調製し、ろ過して、溶液を得た。この溶液を直径120mm、厚さ1.2mmのポリカーボネート基板上に滴下し、スピンコートし、乾燥した。次に、この塗布膜の上にスパッタリング法により、銀膜を成膜し、反射層を形成した。さらにこの反射層の上に紫外線硬化性樹脂をスピンコートし硬化させ、保護層を形成した。塗布膜の反射スペクトルのλmaxは397nmであった。(日本分光社製、紫外可視分光光度計V−530を使用し測定)
【0038】
(b)光情報記録法
上記光情報記録媒体に、中心波長410nmの半導体レーザー光を照射したところ、良好な記録ができ、読み取ることが出来た。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、一般式(1)で示される化合物を記録層として用いることにより、波長350nm〜500nmのレーザーで記録および再生が良好な高密度光記録媒体を提供することが可能となる。また一般式(1)で示される化合物は耐光性、耐熱性などが高く、この化合物を記録層として用いることにより保存安定性に優れた光記録媒体を得ることができる。さらに一般式(1)で示される化合物は各種溶媒への溶解度が高く、かつモル吸光係数が高いので、塗工液の溶媒、および濃度の選定の幅が広く、濾過性も良好であり、光記録媒体の製造上有用である。従って、本発明の光記録媒体は非常に有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、色素膜を記録層として有する光情報記録媒体に関し、特に350nm〜500nmのレーザーで記録・再生可能である化合物を含有した光情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板上に反射層を有する光情報記録媒体としてCD(コンパクトディスク)規格に対応した追記可能なCD−Rが広く普及している。CD−Rの記録容量は700MB程度であるが、情報量の飛躍的増加に伴い、情報記録媒体に対する高密度化および大容量化への要求は高まっている。次に、更なる高密度光情報記録媒体が望まれ、CD−R(記録波長780nm)に続いて、DVD−R(記録波長635〜660nm)が開発されている。そして、次世代の記録媒体として、更に500nm以下の短波長レーザーを用いた光情報記録媒体の開発が望まれている。しかし、これまでの記録層は一般に色素等で構成されていたが、500nm以下に大きな吸収を有する色素はほとんど知られていないため、その開発が急務となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、500nm以下のレーザー波長に対して、優れた記録特性および再生特性を有する色素を用いた光情報記録媒体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1)基板上に少なくとも記録層を有する光情報記録媒体において、記録層中に一般式(1)で示される化合物を含有する光情報記録媒体、
【0005】
【化4】
【0006】
(式中、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、置換基を有してもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、若しくはアリールスルホニル基を表し、これらのうち隣接位にあるものは互いに結合して環を形成してもよく、またその環は置換基を有していてもよい。またAは置換してもよいアリール基、またはヘテロアリール基を表す。)
(2)基板上に少なくとも上記の記録層および反射層を有する(1)に記載の光情報記録媒体、
(3)Aが下記式(2)
【0007】
【化5】
【0008】
(式中、Q1〜Q5はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、若しくはアルコキシル基を表す。)
または下記式(3)
【0009】
【化6】
【0010】
(式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、Q6〜Q10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、若しくはアルコキシル基を表す。)
で表される化合物である(1)または(2)に記載の光情報記録媒体、
(4)書き込み及び読み取りのレーザー波長がともに350nm〜500nmであることを特徴とする(1)ないし(3)に記載の光情報記録媒体、
に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の光情報記録媒体は、記録層中に一般式(1)で示される構造の化合物を少なくとも一種使用してなるものである。
【0012】
一般式(1)において、R1〜R8におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基等の炭素数1〜20のアルキル基、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられ、アリール基としてはフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基が挙げられ、ヘテロアリール基としてはチエニル基、フラニル基、ピロリル基、3−ピロニノ基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、1,2,3−オキサジアゾリル基、1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピペラジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、インドーリル基、チオナフセニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾオキサゾイル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾトリアゾール−1−イル基、ベンゾトリアゾール−2−イル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、クマリニル基、シンノリニル基、キノキサリニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、フェナントロニリル基、フェノチアジニル基、フラボニル基、フタルイミド基、ナフチルイミド基等が挙げられる。
【0013】
R1〜R8におけるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子が挙げられ、アルコキシル基としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシル基が挙げられ、アリールオキシ基としてはフェノキシ基等が挙げられ、アルキルチオ基としてはメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基等が挙げられ、アリールチオ基としてはフェニルチオ基等が挙げられ、アルケニル基としてはビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基等の炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられ、アシル基としてはホルミル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基等が挙げられ、アルキルアミノ基としてはメチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基等が挙げられる。
【0014】
R1〜R8におけるアルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等が挙げられ、アルキルアミノカルボニル基としてはメチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、n−プロピルアミノカルボニル基、n−ブチルアミノカルボニル基等が挙げられ、アルキルスルホニル基としてはメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基等が挙げられ、、アリールスルホニル基としてはフェニルスルホニル基などが挙げられる。
【0015】
これら置換基を有してもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルケニル基、アシル基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基に結合する置換基としては、シアノ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボキシル基;テトラヒドロフリル基;前述に述べたのと同様のハロゲン原子;前述に述べたのと同様のアルコキシル基;メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基、エトキシプロポキシ基、メトキシブトキシ基、エトキシブトキシ基等の炭素数2〜12のアルコキシアルコキシル基;アリルオキシ基;前述に述べたのと同様のアリールオキシ基;メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n−プロピルスルホニルアミノ基、イソプロピルスルホニルアミノ基、n−ブチルスルホニルアミノ基、tert−ブチルスルホニルアミノ基、sec−ブチルスルホニルアミノ基、n−ペンチルスルホニルアミノ基、n−ヘキシルスルホニルアミノ基等の炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基、n−ヘキシルカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基;メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、sec−ブトキシカルボニルオキシ基、n−ペンチルオキシカルボニルオキシ基、n−ヘキシルオキシカルボニルオキシ基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニルオキシ基;前述に述べたのと同様の炭素数6〜12のアリール基等が挙げられる。
【0016】
また、R1〜R8のうち隣接位にあるものは互いに結合して環を形成してもよい。例えばR1とR2、R3とR4、R5とR6等がそれぞれ結合して縮合環(例えばピペリジン環、モルホリン環、芳香環等)を形成してもよい。またこれらには前述に述べたのと同様のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシル基などの置換基を有していてもよい。
【0017】
Aは置換してもよいアリール基、またはヘテロアリール基を表す。これらは前述したR1からR8のアリール基、またはヘテロアリール基と同様である。置換基についてはR1〜R8について前述したのと同様の、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、テトラヒドロフリル基、ハロゲン原子、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基、アリルオキシ基、アリールオキシ基、炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜7のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニルオキシ基、炭素数6〜12のアリール基等が挙げられる。これら置換してもよいアリール基、またはヘテロアリール基は、炭素数が20以下であることが好ましい。さらにAが下記式(2)であることが好ましい。
【0018】
【化7】
【0019】
(式中、Q1〜Q5は前記と同じ。)
または下記式(3)
【0020】
【化8】
【0021】
(式中、X及びQ6〜Q10は前記と同じ。)
である。
【0022】
式(2)及び(3)においてQ1〜Q10におけるハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基は前述したのと同様の置換基が挙げられ、Xが酸素原子の場合は1,3,4−オキサジアゾリル基であり、硫黄原子の場合は1,3,4−チアジアゾリル基である。
【0023】
次に、本発明の光情報記録媒体に使用する一般式(1)で示される化合物の具体例を表1に示す。表1中、conは縮合している事を表し、そのあとに記す()はその縮合環が()内の置換基を有していることを表す。またCyは環状、Phはフェニル基、Odは1,3,4−オキサジアゾリル基、Tdは1,3,4−チアジアゾリル基を表す。
【0024】
尚、表中化合物No.12,13および20のAは式(3)で表され、Xは酸素原子、Q6、Q7、Q9、Q10は水素原子、Q8はメチル基であることを示す。化合物No.19のAは式(2)で表され、Q1、Q2、Q4、Q5は水素原子、Q3は塩素原子であることを示す。
【0025】
【0026】
本発明の光情報記録媒体に使用される一般式(1)で表される化合物は、例えばスイス特許331512号公報、331514号公報、332480号公報、或いは英国特許825413号公報に記載された公知の方法で得ることができる。
【0027】
本発明の光情報記録媒体は、基板上に記録層を有するもので、該記録層は上記の一般式(1)の化合物を含有することを特徴とする。この記録層は、この化合物単独で含有されていても良く、またバインダー等の各種添加剤と混合して含有されていても良い。
【0028】
また、一般式(1)の化合物のほか、他の有機色素を含有させてもよい。このような併用しうる有機色素としては、一般的に知られている色素、例えばシアニン系色素、スクワリリウム系色素、インドアニリン系色素、フタロシアニン系色素、アゾ系色素、メロシアニン系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、ピリリウム系色素等が挙げられる。
【0029】
本発明の光情報記録媒体は、基板上に一般式(1)の化合物を含有する記録層を設けたもので、必要に応じ、反射層、保護層が設けられる。基板としては既知のものを任意に使用することが出来る。例えば、ガラス板、金属板又はプラスチック板もしくはフィルムがあげられ、これらを製造するためのプラスチックとしてはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂等があげられる。基板の形状については、ディスク状、カード状、シート状、ロールフィルム状等種々のものがあげられる。
【0030】
ガラスまたはプラスチック基板上には記録時のトラッキングを容易にするために案内溝を形成させてもよい。また、ガラスまたはプラスチック基板にはプラスチックバインダーまたは無機酸化物、無機硫化物等の下引き層を設けてもよく、下引層は基板より熱伝導率の低いものが好ましい。下引き層の膜厚は0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
【0031】
本発明の光情報記録媒体における記録層は、例えば、一般式(1)の化合物を公知の有機溶剤、例えばテトラフルオロプロパノール(TFP)、オクタフルオロペンタノール(OFP)、ダイアセトンアルコール、メタノール、エタノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジクロロエタン、イソホロン、シクロヘキサノン等に溶解し、必要に応じて、適当なバインダーを加え、その溶液をスピンコーター、バーコーター、ロールコーター等により基板上に塗布することにより得ることが出来る。その他の方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法もしくは基板を溶液中に漬けるディッピング法によっても得ることができる。ここにおいてバインダ−としてはアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等が使用されうる。
【0032】
記録層の膜厚は、記録感度や反射率を考慮すると、好ましくは0.01μm〜5μm、より好ましくは0.02μm〜3μmである。尚、塗布液の色素含有量は、好ましくは0.2から10重量%とするのがよい。
【0033】
本発明の光情報記録媒体には、必要により記録層の下に下引層を、また記録層上に保護層を設けることが出来、さらに記録層と保護層の間に反射層を設けることが出来る。反射層を設ける場合、反射層は金、銀、銅、アルミニウム等、好ましくは金、銀、もしくはアルミニウムの金属で構成され、これらの金属は単独で使用してもよく、2種以上の合金としてもよい。このものは真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等で成膜される。このような反射層の厚さは、0.02〜2μmである。反射層の上に設けられることのある保護層は、一般に、紫外線硬化樹脂をスピンコート法により塗装した後、紫外線を照射し、塗膜を硬化させて形成されるものである。その他、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等も保護膜の形成材料に用いられる。このような保護膜の厚さは、通常、0.01〜100μmである。
【0034】
本発明の光情報記録媒体における情報の記録、あるいは画像の形成は波長350nm〜500nmのレーザー光、例えば可視光領域の広範囲で波長選択のできる色素レーザー、410nmの青色または515nmの青緑色の半導体レーザー、波長445nmのヘリウムカドミウムレーザー、波長488nmのアルゴンレーザー、波長約860nmの半導体レーザーの第2高調波430nmの半導体レーザー、また半導体レーザー励起の固体レーザーの場合は、CrドープしたLiSrAlF6結晶(基本発振波長860nm)からの倍波の430nmなどを使用することができる。情報あるいは画像の記録は集束したこれらのレーザー光を基板を通して、もしくは基板と反対側から記録層に照射することにより行われ、情報あるいは画像の読み出しは、低出力のレーザービームを照射することにより、ピット部とピットが形成されていない部分の反射光量もしくは透過光量の差を検出することにより行われる。
【0035】
本発明に使用する化合物は各種溶媒への溶解度が高いので光情報記録媒体を製造しやすい。また、本発明の光情報記録媒体は耐光性、耐熱性が強く保存安定性に優れた記録物を得ることができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明が、これらの実施例に限定されるものではない。
【0037】
実施例1
(a)光情報記録媒体の製造
No.1で示される化合物(DMF中での吸収スペクトルはλmax=368nm、モル吸光係数57,600)(日本分光社製、紫外可視分光光度計V−530を使用し測定)のテトラフルオロペンタノール1重量%溶液を調製し、ろ過して、溶液を得た。この溶液を直径120mm、厚さ1.2mmのポリカーボネート基板上に滴下し、スピンコートし、乾燥した。次に、この塗布膜の上にスパッタリング法により、銀膜を成膜し、反射層を形成した。さらにこの反射層の上に紫外線硬化性樹脂をスピンコートし硬化させ、保護層を形成した。塗布膜の反射スペクトルのλmaxは397nmであった。(日本分光社製、紫外可視分光光度計V−530を使用し測定)
【0038】
(b)光情報記録法
上記光情報記録媒体に、中心波長410nmの半導体レーザー光を照射したところ、良好な記録ができ、読み取ることが出来た。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、一般式(1)で示される化合物を記録層として用いることにより、波長350nm〜500nmのレーザーで記録および再生が良好な高密度光記録媒体を提供することが可能となる。また一般式(1)で示される化合物は耐光性、耐熱性などが高く、この化合物を記録層として用いることにより保存安定性に優れた光記録媒体を得ることができる。さらに一般式(1)で示される化合物は各種溶媒への溶解度が高く、かつモル吸光係数が高いので、塗工液の溶媒、および濃度の選定の幅が広く、濾過性も良好であり、光記録媒体の製造上有用である。従って、本発明の光記録媒体は非常に有用である。
Claims (4)
- 基板上に少なくとも記録層を有する光情報記録媒体において、記録層中に一般式(1)で示される化合物を含有する光情報記録媒体。
- 基板上に少なくとも上記の記録層および反射層を有する請求項1に記載の光情報記録媒体。
- 書き込み及び読み取りのレーザー波長がともに350nm〜500nmであることを特徴とする請求項1ないし3に記載の光情報記録媒体。
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