JP3991913B2 - 食器洗浄機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄ポンプで加圧された水を洗浄ノズルから噴射することで食器の洗浄を行う食器洗浄機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の食器洗浄機は図9および図10に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】
図9および図10に示すように、給水経路1は、水道水を食器洗浄機本体2へ給水するもので、給水弁3によって給水を制御する。洗浄槽4は、食器洗浄機本体2の内部に設け、この洗浄槽4の内部には給水した水を貯水する貯水部5を設け、貯水部5に連通して水位検知手段を備えた補助タンク6を設けている。
【0004】
貯水部5に貯水した水は、貯水部5に設けた温水ヒータ7で加熱されるとともに、洗浄ポンプ8で加圧され、複数個設けた洗浄ノズル9から食器かご10内の食器に向けて噴射し、食器を洗浄するようにしている。排水ポンプ11は洗浄槽4内の水を排出するものである。
【0005】
食器洗浄機本体2には前面ドア12を開閉自在に設け、食器かご10を出し入れできるようにしている。残菜フィルタ13は食器に付着していた残菜を捕捉するものである。
【0006】
シール部14は洗浄ノズル9から噴射した水が前面ドア12から漏れないようにシールするもので、食器乾燥用ヒータ16は食器洗浄後に食器を乾燥させるもので、この食器乾燥用ファンヒータ16で発生した熱風を送風路17を通して洗浄槽4へ送るようにしている。
【0007】
上記構成において動作を説明する。食器かご10内に食器を配置して洗浄槽4に収容し、運転を開始すると、給水弁3が開き、給水経路1を通して洗浄槽4に給水される。給水された水は、洗浄槽4の貯水部5に貯水され、補助タンク6内の水位検知手段により所定の水位を検知すると給水弁3を閉じて給水を終了し、洗浄ポンプ8を駆動する。
【0008】
これにより、貯水部5に貯水された水は、温水ヒータ7で加熱されるとともに、洗浄ポンプ8で加圧され、洗浄ノズル9から食器かご10の食器に向けて噴射され、食器を洗浄する。洗浄が終わると排水ポンプ11によって洗浄槽4内の水を排出する。
【0009】
また、他の従来例として、洗浄ノズルを使用せず、洗浄槽の上部から吸気し、洗浄槽の下部から送風する送風機によって洗浄槽内の洗浄液に泡を発生させ、この泡によって食器の洗浄を行う構成のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開昭60−75022号公報(第3頁、第2図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこのような従来の構成では、発泡しやすい洗剤を用いると、多量に発生した泡が食器表面でクッションとなって作用し、洗浄ノズル9から水を勢いよく噴射しても勢いがなくなって食器の汚れが落ちにくくなったり、洗浄ポンプ8へ多量の泡が吸引され洗浄ポンプ8の吐出圧が著しく低下したり、洗浄槽4内に泡が充満し、前面ドア12のシール部14や食器乾燥用ヒータ16と連通する送風路17などから泡が流出するなど、食器を正常に洗浄するのに支障をきたすことがあった。
【0012】
また、洗浄ノズルを使用せず発生した泡で食器を洗う構成のものでは、洗浄ノズルを使用したものに比べ食器の洗浄能力がはるかに劣り、商品化が困難であるといった問題を有していた。
【0013】
本発明は上記課題を解決するもので、洗浄槽内で泡が多量に発生しても、食器を正常に洗浄するのに支障をきたす前に泡の発生を迅速に検知し、使用者に対して報知を行ったり、泡を洗浄槽外へ排出することができる食器洗浄機を実現することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、食器を洗浄する洗浄槽に、洗剤によって発生した泡の略上面を検知する泡検知手段を有する補助タンクを連通し、洗剤を含む洗浄水を加圧する洗浄ポンプの運転をポンプ制御手段により制御するよう構成し、ポンプ制御手段は、食器を洗浄する前の運転初期において所定間隔で洗浄ポンプへの通電をオンオフして洗剤を含む洗浄水から泡を発生させる動作を行った後、さらに所定間隔より短い間隔で洗浄ポンプへの通電をオンオフして洗浄槽の向きと補助タンクの向きとに行き来する水流を生じさせることで、発生した泡を洗浄槽から補助タンクに送り込み、泡検知手段により発生した泡を検知させるよう構成したものである。
【0015】
これにより、洗浄槽内で泡が多量に発生しても、食器を正常に洗浄するのに支障をきたす前に泡の発生を迅速に検知することができ、使用者に対して報知を行ったり、泡を洗浄槽外へ排出することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、食器を洗浄する洗浄槽と、洗剤を含む洗浄水を加圧する洗浄ポンプと、洗剤によって発生した泡の略上面を検知する泡検知手段と、前記泡検知手段を有し洗浄槽と連通した補助タンクと、前記洗浄ポンプの運転を制御するポンプ制御手段とを備え、前記ポンプ制御手段は、食器を洗浄する前の運転初期において所定間隔で前記洗浄ポンプへの通電をオンオフして洗剤を含む洗浄水から泡を発生させる動作を行った後、さらに前記所定間隔より短い間隔で前記洗浄ポンプへの通電をオンオフして前記洗浄槽の向きと前記補助タンクの向きとに行き来する水流を生じさせることで前記発生した泡を前記洗浄槽から前記補助タンクに送り込み、前記泡検知手段により前記発生した泡を検知させるよう構成したものであり、泡を効率よく発生させた後、泡を洗浄槽から補助タンクに送り込むことができるので、洗浄槽内で泡が多量に発生しても、簡単な構成で、食器を正常に洗浄するのに支障をきたす前に泡の発生を迅速に検知することができ、使用者に対して報知を行ったり、泡を洗浄槽外へ排出することができる。
【0017】
請求項に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、ポンプ制御手段は、泡検知手段が泡の略上面を検知している間、洗浄ポンプを停止するよう構成したものであり、泡検知手段の検知精度を向上することができ、短時間で確実に泡の発生を検知することができる。
【0018】
請求項に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の発明において、ポンプ制御手段は、泡検知手段が泡の略上面を検知した直後、洗浄ポンプを所定時間停止するよう構成したものであり、泡検知手段の検知精度を一層向上することができ、短時間で確実に泡の発生を検知することができる。
【0019】
請求項に記載の発明は、上記請求項1〜に記載の発明において、泡検知手段は、洗浄糟の水位を検知できるよう構成したものであり、泡と水位とを1つのセンサで検知できるので、機器全体が小型化できる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0021】
(実施例1)
図1および図2に示すように、ポンプ制御手段18は、マイクロコンピュータ、双方向性サイリスタ(スイッチング手段)などを備え、洗浄ポンプ8の運転を制御するもので、洗浄ポンプ8により洗浄槽4の内部に設けた洗浄ノズル9から洗浄水を噴射する。
【0022】
補助タンク19は、洗浄槽4と水路19aによって連通しており、水路19aは貯水部5から補助タンク19へいくにつれて上方へ傾斜している。この補助タンク19は、図3に示すように、洗浄槽4の水位を検知する水位検知手段20と、洗浄槽4で発生する泡の略上面を検知する泡検知手段21とを有している。
【0023】
水位検知手段20は、フロート22、レバー23、マイクロスイッチ24からなり、補助タンク19内の水位の上昇に応じてフロート22が上昇し、レバー23を介してマイクロスイッチ24をオンオフすることで水位を検知する。また、泡検知手段21は、電圧を印加した対向する一対の電極25からなり、洗浄槽4から補助タンク19へ送られ、補助タンク19内の水面上部に堆積する泡の略上面が一対の電極25に接触し、電極25間が導通することで泡の略上面を検知するよう構成している。
【0024】
ここで、ポンプ制御手段18は、洗浄運転初期において所定間隔で洗浄ポンプ8への通電をオンオフして洗浄ポンプ8の運転を制御し、洗剤によって発生した泡を洗浄槽4から補助タンク19に送り込むよう構成している。
【0025】
上記構成において動作を説明する。食器かご10内に食器を配置して洗浄槽4内に収容し、洗剤を洗浄槽4に投入後、運転を開始すると、給水弁3が開き、給水経路1を通して洗浄槽4に給水される。給水された水は、洗浄槽4内の貯水部5に貯水され、補助タンク19内の水位検知手段20によって所定の水位を検知すると給水弁3を閉じて給水を終了し、ポンプ制御手段18により洗浄ポンプ8を駆動して、食器かご10内に配置した食器を洗浄する。
【0026】
今、参考のために、洗浄ポンプ8を連続に運転する場合について説明する。この場合、貯水部5に貯水された水は洗浄ポンプ8で加圧され、洗浄ノズル9から食器かご10内の食器に向けて噴射され、貯水部5に戻る経路で循環する。このとき、洗浄水には、洗浄ノズル9での噴射や洗浄ポンプ8での圧送の影響で泡が発生する。
【0027】
洗浄ポンプ8が連続運転されていると、洗浄ポンプ8の吸引力により、水路19aの内部には貯水部5の方向へ負圧が作用することになり、発生した泡は補助タンク19へ容易には到達せず、泡検知手段21で発生した泡を検知することが困難となる。
【0028】
発生する泡の量は洗剤の種類による影響が顕著であるが、発泡しやすい洗剤の場合、数分間運転するだけで多量の泡が発生し、食器表面に多量に付着する泡の影響で、洗浄ノズル8から噴射された洗浄水の勢いが弱められ洗浄能力が低下する。また、発生した多量の泡が洗浄ポンプ8に吸引され、洗浄ポンプ8が空回り運転状態となって吐出圧が著しく低下し、一層洗浄能力の低下を招く。
【0029】
また、洗浄槽4内に発生した多量の泡を放置したまま洗浄を続けると、やがては洗浄槽4から泡があふれて、前面ドア12のシール部14や食器乾燥用ファンヒータ16へ通じる送風路17から食器洗浄機本体2の外部へ漏れてしまうことになる。
【0030】
そこで、本実施例では、ポンプ制御手段18により、洗浄運転初期において所定間隔で洗浄ポンプ8への通電をオンオフして洗浄ポンプ8の運転を制御することで、水路19a内の洗浄ポンプ8の吸引による負圧を調節し、発生した泡が補助タンク19内へ到達しやすくする。
【0031】
図4(a)(b)に示すチャートは洗浄ポンプ8の運転状態と補助タンク19内の水位または発生した泡の略上面位置との関係を横に時間軸をとって表現したものである。
【0032】
図4(a)は、洗浄ポンプ8を連続運転した状態を示すもので、図中のPはポンプの運転状態、mは洗浄ポンプ8が運転時の水位、nは洗浄ポンプ8が停止した状態で最初に給水された時の水位、oは泡検知手段21の電極25が導通する時の水位または泡の略上面の位置を示している。またtは時間軸上の時刻である。
【0033】
食器洗浄機の運転を開始すると水位nまで給水が行われる。この間洗浄ポンプ8は停止した状態である。ここで、時刻t1において洗浄ポンプ8が運転を開始すると、洗浄ポンプ8の吸引力による負圧の影響で補助タンク19内の水位は時刻t2から下がり始める。t2がt1から少し遅れるのは、洗浄ポンプ8が起動しても直ちに大きな吸引力が発生しないためと、水路19a内の圧損による影響で吸引力が直ちに作用しにくいためである。
【0034】
水位は徐々に増えていくが、これは発生した泡が少しずつ補助タンク19内に堆積しているためで、水路19a内に洗浄ポンプ8による吸引力が作用していても少しずつ泡が補助タンク19内へ到達していくことがわかる。しかしながら、この増え方では泡を検知するのに時間がかかりすぎ、洗浄槽4内に泡が多量に発生してしまう。
【0035】
つぎに、図4(b)は、ポンプ制御手段18により、洗浄運転初期に所定間隔で洗浄ポンプ8への通電をオンオフして洗浄ポンプ8の運転を制御した状態を示すもので、符号は図4(a)と同じである。
【0036】
時刻t1で洗浄ポンプ8の運転を開始した後、時刻t3で洗浄ポンプ8の運転を停止すると、時刻t2で水位nから水位mまで下降した水位は時刻t4で上昇に転じる。時刻t5で洗浄ポンプ8の運転を開始すると、少し遅れた時刻t6から水位は下降し始めるが、時刻t6における水位は水位nを少し超えている。これは、洗浄槽4内で発生した泡が、洗浄ポンプ8の運転の停止に伴ない、水路19aを通って補助タンク19へ到達したためである。洗浄ポンプ8が停止し吸引力がなくなると、水路19aの傾斜に沿って泡が補助タンク19内へ流れるからである。
【0037】
また、時刻t6で下降した水位は水位mより少し上方にあるが、これは補助タンク6内に残った泡のためである。洗浄ポンプ8によって吸引力が生じていても補助タンク19内の水面上にある泡までを吸引するには至らないからである。時刻t7で洗浄ポンプ8を停止すると、時刻t8から水位は上昇し始め、時刻t9で洗浄ポンプ8が停止した少し後の時刻t10から水位は下降し始めるが、時刻t10における水位は前回よりも一段と高くなっており、泡が補助タンク19内でさらに増えたことを示している。
【0038】
このように本実施例によれば、ポンプ制御手段18は、洗浄運転初期において所定間隔で洗浄ポンプ8への通電をオンオフして洗浄ポンプ8の運転を制御することで、洗剤によって発生した泡を効率よく洗浄槽4から補助タンク19に送り込むことができて、短時間で泡を検知することができ、洗浄槽4内で泡が多量に発生しても、食器を正常に洗浄するのに支障をきたす前に泡の発生を迅速に検知することができ、使用者に対して報知を行ったり、泡を洗浄槽外へ排出することができる。
【0039】
(実施例2)
図1に示すポンプ制御手段18は、洗浄運転初期において所定間隔で洗浄ポンプ8への通電をオンオフした後、さらにこの所定間隔とは異なる間隔で洗浄ポンプ8への通電をオンオフするよう構成している。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0040】
上記構成において動作を説明する。なお、洗浄行程の基本的な動作は上記実施例1と同じであるので説明を省略する。
【0041】
図5に示すチャートは洗浄ポンプ8の運転状態と補助タンク19内の水位または発生した泡の略上面位置との関係を横に時間軸をとって表現したものである。符号は図4(a)と同じである。
【0042】
図4(b)と同様に、洗浄ポンプ8の運転と停止を繰り返しているが、最初の2回の洗浄ポンプ8の運転時間t1〜t3’およびt5’〜t7’を、図4(b)の洗浄ポンプ8の運転時間t1〜t3およびt5〜t7より長く設定している。また、逆に、運転時間t9’〜t11’は運転時間t9〜t11より短く設定しており、これを繰り返す。
【0043】
このとき、図5の場合の方が泡を検知する時間は短くなる。なぜなら、最初の2区間では、図5の場合は、図4(b)の場合に比べて洗浄ポンプ8の運転時間が長いので、洗浄槽4内で発生する泡は図5の場合の方が短時間で多くなる。つぎに、短い間隔で洗浄ポンプ8の運転と停止を繰り返すことで、水路19a内へ吸引力が断続的に作用し、これに伴って水路19a内に貯水部5の向きと補助タンク19の向きとに水が行ったり来たりするような水流が生じ、この水流に乗じて洗浄槽4内で発生した泡が補助タンク19へ到達しやすくなる。最初に泡を多く発生させ、この泡を効率よく補助タンク19へ送り込むので、図5の場合の方が短時間で泡を検知することができる。
【0044】
このように本実施例によれば、ポンプ制御手段18は、洗浄運転初期において所定間隔で洗浄ポンプ8への通電をオンオフした後、さらにこの所定間隔とは異なる間隔で洗浄ポンプ8への通電をオンオフするよう構成しているので、泡を効率よく発生させた後、泡を洗浄槽4から補助タンク19に送り込むことができ、一層短時間に泡の発生を検知することができる。
【0045】
(実施例3)
図1に示すポンプ制御手段18は、泡検知手段21が泡の略上面を検知している間、洗浄ポンプ8を停止するよう構成している。他の構成は上記実施例1または2と同じである。
【0046】
上記構成において動作を説明する。なお、洗浄行程の基本的な動作は上記実施例1と同じであるので説明を省略する。
【0047】
前述の図4(a)(b)および図5において、洗浄ポンプ8を停止した各区間で水位が最上位に到達している時間は短い。この時間が短いと電極24が導通する時間も短くなってしまい、誤検知が生じやすくなる。これを防止するには、電極24が導通する時間を長くする必要があるが、洗浄ポンプ8の停止時間を長くして運転と停止を繰り返した場合、食器を洗浄するのに要する時間が長くなってしまう。そこで、本実施例では、電極24が泡によって導通している間、洗浄ポンプ8を停止する。
【0048】
図6に示すように、時刻t15における洗浄ポンプ8の停止により、時刻t18に水位oに到達し電極24が導通すると同時に、すでに時刻t17で運転を開始した洗浄ポンプ8を再び停止する。時刻t17〜時刻t18の区間での洗浄ポンプ8の運転により、水位は時刻t19で下降するので電極24の導通はなくなり、これと同時に洗浄ポンプ8を運転する。
【0049】
時刻t18〜時刻t19の区間での洗浄ポンプ8の停止に伴い、水位は時刻t19から再び上昇し、時刻t20で電極24が導通する。時刻t19での水位の最上位は時刻t18での水位より高くなるが、これは前述の水路19a内に生じる水流に乗じて泡が補助タンク19内へ到達しやすくなったものである。
【0050】
時刻t19〜時刻t20の区間での洗浄ポンプ8の運転により水位は再び下降に転じるが、下降しても水位oより上方にあるので電極24は導通した状態となり、洗浄ポンプ8は停止した状態となるので時刻t21以降、水位が下降することはなく、電極24の導通時間は十分長いものとなり、誤検知がなくなって信頼性の高い泡の検知ができる。
【0051】
このように本実施例によれば、ポンプ制御手段18は、泡検知手段21が泡の略上面を検知している間、洗浄ポンプ8を停止するよう構成しているので、泡検知手段21の検知精度を向上することができ、短時間で確実に泡の発生を検知することができる。また、一旦電極24が導通してから洗浄ポンプ8の停止時間が増えるので、食器を洗浄する時間が長くなることはない。
【0052】
(実施例4)
図1に示すポンプ制御手段18は、泡検知手段21が泡の略上面を検知した直後、洗浄ポンプ8を所定時間以上停止するよう構成している。他の構成は上記実施例1〜3と同じである。
【0053】
上記構成において動作を説明する。なお、洗浄行程の基本的な動作は上記実施例1と同じであるので説明を省略する。
【0054】
図7に示すように、時刻t22における洗浄ポンプ8の停止により、時刻t25で水位oに到達し、電極24が導通すると同時に、すでに時刻t24で運転を開始した洗浄ポンプ8を所定時間tm停止する。時刻t24〜時刻t25の区間での洗浄ポンプの運転により水位は時刻t26で下降し、電極24の導通は一旦なくなるが、洗浄ポンプ8は停止した状態なので、そのまま水位は上昇に転じ、時刻t27で再び電極24は導通する。
【0055】
電極24が導通するので時刻t27から所定時間tmの洗浄ポンプ8停止があらためて行われることになり、洗浄ポンプ8は時刻t25からずっと停止した状態となる。したがって、上記実施例3の場合より一層短時間で泡を検知することができる。
【0056】
このように本実施例によれば、ポンプ制御手段18は、泡検知手段21が泡の略上面を検知した直後、洗浄ポンプ8を所定時間停止するよう構成したので、泡検知手段21の検知精度を一層向上することができ、短時間で確実に泡の発生を検知することができる。
【0057】
(実施例5)
図1に示すポンプ制御手段18は、洗浄ポンプ8を駆動するモータがインバータ方式の場合は電圧制御手段を有し、インダクションモータの場合は位相制御手段を有し、洗浄運転初期において所定間隔で洗浄ポンプ8の運転の強弱を繰り返すよう構成している。他の構成は上記実施例1〜4と同じである。
【0058】
上記構成において動作を説明する。なお、洗浄行程の基本的な動作は上記実施例1と同じであるので説明を省略する。
【0059】
洗浄運転初期において、洗浄ポンプ8を停止せずに、所定間隔で洗浄ポンプ8の運転の強弱を繰り返し、洗浄ポンプ8の運転を弱にしたときに、水路19aの傾斜に沿って洗浄槽4内で発生した泡が浮上する力よりも弱い吸引力しか発生しないように洗浄ポンプ8の運転を行うことにより、洗浄槽4内で発生した泡が、水路19aを通って補助タンク19へ到達し、泡検知手段21により泡を検知することができる。
【0060】
このように本実施例によれば、ポンプ制御手段18は、洗浄運転初期において所定間隔で洗浄ポンプ8の運転の強弱を繰り返すよう構成しているので、洗浄ポンプ8は運転状態を維持したままであり、洗浄ノズル8からの噴射を止めずに簡単な構造で短時間に泡の発生を検知することができ、洗浄ノズル9から絶えず水が噴射されるので、食器を洗浄する時間を短時間にすることができる。
【0061】
また、ポンプ制御手段18は、洗浄ポンプ8を駆動するモータがインバータ方式の場合は電圧制御手段を有し、インダクションモータの場合は位相制御手段を有するので、低コストで最適なポンプ制御を行うことができる。
【0062】
(実施例6)
図8に示すように、補助タンク26は、洗浄槽(図示せず)と水路26aによって連通しており、洗浄槽の水位を検知する水位検知手段27を備えている。水位検知手段27は、フロート22、レバー23、マイクロスイッチ28からなり、マイクロスイッチ28は2接点を有し、フロート22の高さに応じて2種類の出力を出力し、補助タンク26内の水位の上昇に応じてフロート22が上昇し、レバー23を介してマイクロスイッチ28をオンオフすることで、洗浄ポンプ8が停止した状態で最初に給水されたときの水位nと、泡の水位oを検知するよう構成している。なお、mは洗浄ポンプ8の運転時の水位である。他の構成は上記実施例1〜5と同じである。
【0063】
上記構成において動作を説明する。なお、洗浄行程の基本的な動作は上記実施例1と同じであるので説明を省略する。
【0064】
運転を開始すると、給水弁が開いて洗浄槽に給水され、給水された水が補助タンク26内に入り、補助タンク26内のフロート22が上昇し、水位検知手段27によって所定の水位nを検知すると給水弁を閉じて給水を終了し、洗浄ポンプを駆動して、食器かご内に配置した食器を洗浄する。
【0065】
洗浄ポンプが運転されることにより発生した泡は、上記実施例1〜5のように、補助タンク26内に入り、この泡によりフロート22が上昇し、水位oまで上昇すると泡を検知することができ、使用者に対して報知を行ったり、泡を洗浄槽外へ排出することができる。
【0066】
このように本実施例によれば、洗浄槽の水位を検知する水位検知手段27により泡を検知するよう構成したので、泡と水位とを1つのセンサで検知できるので、補助タンク26を小型化することができて、食器洗浄機全体を小型化することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、食器を洗浄する洗浄槽と、洗剤を含む洗浄水を加圧する洗浄ポンプと、洗剤によって発生した泡の略上面を検知する泡検知手段と、前記泡検知手段を有し洗浄槽と連通した補助タンクと、前記洗浄ポンプの運転を制御するポンプ制御手段とを備え、前記ポンプ制御手段は、食器を洗浄する前の運転初期において所定間隔で前記洗浄ポンプへの通電をオンオフして洗剤を含む洗浄水から泡を発生させる動作を行った後、さらに前記所定間隔より短い間隔で前記洗浄ポンプへの通電をオンオフして前記洗浄槽の向きと前記補助タンクの向きとに行き来する水流を生じさせることで前記発生した泡を前記洗浄槽から前記補助タンクに送り込み、前記泡検知手段により前記発生した泡を検知させるよう構成したから、泡を効率よく発生させた後、泡を洗浄槽から補助タンクに送り込むことができる、洗浄槽内で泡が多量に発生しても、食器を正常に洗浄するのに支障をきたす前に泡の発生を迅速に検知することができ、使用者に対して報知を行ったり、泡を洗浄槽外へ排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の食器洗浄機の側断面図
【図2】 同食器洗浄機の断面図
【図3】 同食器洗浄機の補助タンクの拡大断面図
【図4】 (a)同食器洗浄機の洗浄ポンプを連続運転したときの補助タンク内の水位変化を示すタイムチャート
(b)同食器洗浄機の洗浄ポンプをオンオフ運転したときの補助タンク内の水位変化を示すタイムチャート
【図5】 本発明の第2の実施例の食器洗浄機の補助タンク内の水位変化を示すタイムチャート
【図6】 本発明の第3の実施例の食器洗浄機の補助タンク内の水位変化を示すタイムチャート
【図7】 本発明の第4の実施例の食器洗浄機の補助タンク内の水位変化を示すタイムチャート
【図8】 本発明の第6の実施例の食器洗浄機の補助タンクの断面図
【図9】 従来の食器洗浄機の側断面図
【図10】 従来の食器洗浄機の断面図
【符号の説明】
4 洗浄槽
8 洗浄ポンプ
18 ポンプ制御手段
19 補助タンク
21 泡検知手段

Claims (4)

  1. 食器を洗浄する洗浄槽と、洗剤を含む洗浄水を加圧する洗浄ポンプと、洗剤によって発生した泡の略上面を検知する泡検知手段と、前記泡検知手段を有し洗浄槽と連通した補助タンクと、前記洗浄ポンプの運転を制御するポンプ制御手段とを備え、前記ポンプ制御手段は、食器を洗浄する前の運転初期において所定間隔で前記洗浄ポンプへの通電をオンオフして洗剤を含む洗浄水から泡を発生させる動作を行った後、さらに前記所定間隔より短い間隔で前記洗浄ポンプへの通電をオンオフして前記洗浄槽の向きと前記補助タンクの向きとに行き来する水流を生じさせることで前記発生した泡を前記洗浄槽から前記補助タンクに送り込み、前記泡検知手段により前記発生した泡を検知させるよう構成した食器洗浄機。
  2. ポンプ制御手段は、泡検知手段が泡の略上面を検知している間、洗浄ポンプを停止するよう構成した請求項1に記載の食器洗浄機。
  3. ポンプ制御手段は、泡検知手段が泡の略上面を検知した直後、洗浄ポンプを所定時間停止するよう構成した請求項1または2に記載の食器洗浄機。
  4. 泡検知手段は、洗浄糟の水位を検知できるよう構成した請求項1〜のいずれか1項に記載の食器洗浄機。
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