JP3991899B2 - ディスクカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はディスク状記録媒体を保護して取り扱いを容易にすると共に、記録再生装置に装着してディスク状記録媒体の記録再生を可能とするためのディスクカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、大容量の光ディスクが登場し、PC用バックアップメディアやビデオレコーダ等の用途で急速に普及が進んでいる。しかしながらこのような高密度記録を行う光ディスクシステムでは、ディスクの記録面に付着したダストや指紋の影響が無視できず、正常な記録再生の妨げとなる。そのため光ディスクは、通常ユーザに直接触られることのできないよう密閉構造をとったディスクカートリッジに格納されているものが多い。
【0003】
このようなディスクカートリッジの一例として、特開平10−199184号公報がある。以下、その構成について図12を用いて説明する。
【0004】
図12に示すように、ディスクカートリッジ11は、上シェル13と下シェル14を一体的に重ね合わせることで、内部に光ディスク12を回転自在に格納している。ディスクカートリッジ11の上シェル13及び下シェル14には、およそ中心部から一方向に連通した開口部15が設けられ、ディスク回転駆動機構のターンテーブルと光学ピックアップ装置の光学ヘッドを光ディスク12に臨ませることが可能である。開口部15は、ディスクカートリッジ11の一辺に沿って直線的に移動するシャッター部材16により開閉させることが可能とし、通常はユーザが光ディスク12に触れることができない構成としている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−199184号公報
【特許文献2】
特開2001−332054号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術に示すディスクカートリッジでは、開口部15を覆うシャッター部材16を直線的に移動させて開口部15より平面的に退避させるため、開口部15の側方に開口部15と同等以上の面積が必要となる。よってディスクカートリッジ11の平面的な面積に対して、相対的に大きな面積の開口部15が要求される場合には、ディスクカートリッジ11の面積を小さくすることができないという問題があった。
【0007】
また、シャッター部材16がディスクカートリッジ11の外側に露出しており、ユーザが扱う時にシャッター部材16と上シェル13あるいは下シェル14の間に指が係って不用意に隙間が拡大する、さらには容易にシャッター部材16を開放位置まで移動させて光ディスク12を露出させてしまうという、ディスクカートリッジ11の密閉性の面で問題を有する。
【0008】
この密閉性については、光ディスクの高密度化の進展が、微少な塵埃や指紋がディスク表面に付着することによっても、光学ヘッドを光ディスク上のトラックに安定して追従させることが困難となる状況を生み出しており、近年特に重要な問題となっている。
【0009】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、ディスクを露出させるための大きな開口部面積が求められる場合においても、外形寸法を小型化・薄型化し、密閉性とシャッターの動作信頼性を確保して、組立性にも優れたディスクカートリッジを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本出願の請求項1記載のディスクカートリッジは、上シェルと、上シェルとの間にディスクを内蔵するための収納部と、ディスクの回転中心部から上シェルの前面部側まで連通して形成されディスクを外部に露出させる開口部とを有する下シェルと、上シェルと下シェルに回転自在に支持され、回転によって開口部の一部を開放及び閉塞する中シェルと、上シェルあるいは下シェル上に回動支点を有し、開口部側の中シェル平面上に重合されるとともに、開口部の一部を開放及び閉塞させる第1のシャッターと、第1のシャッター上に回動支点を有し、開口部側の中シェル平面上に重合されるとともに、開口部の一部を開閉及び閉塞させる第2のシャッターとを備え、第1のシャッターと中シェルとの間に設けたガイド機構に基づいて、中シェルの回転移動を第1のシャッターの相対移動に変換し、第2のシャッターと中シェルとの間に設けたガイド機構に基づいて、中シェルの回転移動を第2のシャッターの相対移動に変換するように構成したものである。
【0013】
また本出願の請求項2記載のディスクカートリッジは、中シェル、第1のシャッター、第2のシャッターに設けたガイド軸とガイド溝の抜け止め防止手段として、ガイド軸にフランジ部を設けることが望ましい。
【0014】
また本出願の請求項3記載のディスクカートリッジは、第2のシャッターの回動支点回りの位置規制を行う補助規制手段を備えることが望ましい。
【0015】
また本出願の請求項4記載のディスクカートリッジは、補助規制手段を、第2のシャッター及び前記中シェルの一方に設けた規制軸と他方に設けた規制溝との組み合わせにより構成する、
あるいは、第2のシャッター及び中シェルの一方に設けた規制軸と他方に設けた規制溝との組み合わせにより構成することが望ましい。
【0016】
また本出願の請求項6記載のディスクカートリッジは、第1のシャッターの回動支点を、略円筒形状の中シェルの外径より外側に配置したことが望ましい。
【0017】
また本出願の請求項7記載のディスクカートリッジは、第1のシャッターの回動支点を、内蔵した円盤状のディスクの中心を基準として、中シェルが開口部を閉塞から開放へ移行させる回転方向側、かつ開口部が形成される上シェルの前面部側と反対方向の背面部側の空間に配置することが望ましい。
【0018】
また本出願の請求項8記載のディスクカートリッジは、開口部閉塞時において、第1のシャッターと第2のシャッターとの間に、ディスクカートリッジ厚さ方向でのシャッター重合部を3箇所以上設け、隣接するシャッター重合部は第1のシャッターと前記第2のシャッターの上下関係が逆となるよう構成することが望ましい。
【0019】
また本出願の請求項9記載のディスクカートリッジは、重合部は、第1のシャッター上に形成される第2のシャッターとの回動連結部と、開口部閉塞時における開口部内に設けられた2箇所の密閉重合部とを有して構成されることが望ましい。
【0020】
また本出願の請求項10記載のディスクカートリッジは、開口部閉塞時において、第1のシャッターの回動支点と第2のシャッターの回動支点とを結ぶ直線に対し、第2のシャッターの回動支点と中シェルに設けられた第2のガイド軸とを結ぶ直線が略直交することが望ましい。
【0021】
また本出願の請求項11記載のディスクカートリッジは、開口部閉塞時において、開口部内の中シェル上に、第1のシャッターをディスクカートリッジ厚方向に位置規制する規制部を設けることが望ましい。
【0022】
また本出願の請求項12記載のディスクカートリッジは、規制部が、開口部内で最も前面部側の密閉重合部である前端重合部の近傍に配置され、前端重合部が、第1のシャッターが下シェル側、第2のシャッターが中シェル側の上下関係で重合することが望ましい。
【0023】
上記の構成により、本出願の請求項1記載のディスクカートリッジでは、開口部閉塞時に開口部を密閉する中シェルと第1のシャッターと第2のシャッターの部品3点について、開口部閉塞状態から開口部開放状態への移行において、まず中シェルは上シェルにガイドされた回転により開口部側方へ平面的に離間させる。また開口部の大きな面積を閉塞させる略円弧形状の第1のシャッターを、上シェルあるいは下シェル上の回動支点中心に大きく回転させて開口部より背面部側に、開口部の小さな面積を閉塞させる第2のシャッターは、第1のシャッター上に設けた回動支点で、第1のシャッターの回転に伴いわずかな距離だけ背面部方向に移動させながら回転させて開口部側方の背面部側に移動させる。このように、両シャッターを開口部から平面的に離間させて光ディスクの略直径内の領域に効率良く格納することが可能となる。よって、開口部が下シェルに比べ相対的に大きい面積が必要となる場合にも、カートリッジ筐体を小型化することができる。かつ、シャッター駆動手段は、積層する中シェルと第1のシャッター及び第2のシャッターのそれぞれに設けられたガイド軸とガイド軸の係合のみで構成され、第1のシャッター及び第2のシャッターが中シェル平面上に重合されるため、開口部から露出する第1のシャッターあるいは第2のシャッターをユーザが手で持って押さえた場合にも、シャッターは中シェルに押し付けられるだけで、両者の係合が外れてシャッター駆動手段が分離することがないため、ディスクカートリッジのシャッター構成の信頼性が高く、高い密閉性能を維持することができる。
【0026】
本出願の請求項2記載のディスクカートリッジでは、ディスクカートリッジの落下時の衝撃などで、積層する中シェルの面と第1のシャッターの面が離間する方向で両部品に変形が加わった場合でも、フランジ部が中シェル上の第1のガイド溝の端面に引っ掛かって抜けを防止し、中シェルと第1のシャッターの係合が外れてシャッター駆動手段が分離することはなく、シャッター構成の信頼性を向上させることができる。
【0027】
本出願の請求項3、4及び5記載のディスクカートリッジでは、開口部開放時に、第2のシャッターを中シェル外周部付近などのより回動支点から離れた位置で規制し、部品の精度ばらつき等で開口部の内側に第2のシャッターの一部がはみ出すようなことを防止して動作信頼性の高いシャッター構成を実現できる。
【0028】
本出願の請求項6記載のディスクカートリッジでは、これにより上シェルに回動支点を設けることで、カートリッジ筐体12の組立作業において、上シェル上にディスク、中シェル、第1及び第2のシャッターの順で、それぞれ上シェル側の部品に対して目視で位置決めしながら組み付けていき、最後に下シェルは他の可動部品との係合を考慮することなく上シェルへ取り付けることができる、非常に組立性のよいディスクカートリッジを実現できる。
【0029】
本出願の請求項7記載のディスクカートリッジでは、第1のシャッターの回動支点の配置により、開口部閉塞状態で中シェルによって塞げていない開口部の大きな面積を閉塞させる略円弧形状の第1のシャッターを、開口部開放状態で円弧形状をディスク外周側の円弧形状に沿わせるように背面部側に移動させ、略ディスク直径の範囲内へ待避させることができ、ディスクカートリッジの小型化が可能となる。
【0030】
本出願の請求項8記載のディスクカートリッジでは、開口部閉塞時において第1のシャッターと第2のシャッターは、3箇所以上の重合部を持たせていることで、一方のシャッターの厚さ方向に加わる撓み荷重及びねじり荷重に対しても他方のシャッターが一体となって変形するため、基本的に両シャッター間に隙間を生じたり噛み合いが外れることはなく、ディスクカートリッジに生じる落下衝撃時やユーザが第1及び第2のシャッターを強い力で押さえた時でも、ディスクカートリッジの密閉性を確保することができる。
【0031】
本出願の請求項9記載のディスクカートリッジでは、第2のシャッターの回動支点における第1のシャッターとの軸と軸受け間の係合外れを防止するとともに、開口部から露出した第1のシャッターと第2のシャッターとの間の密閉性を確実に確保することができる。
【0032】
本出願の請求項10記載のディスクカートリッジでは、開口部閉塞時から第1のシャッターを回転駆動することにより第2のシャッターの回動支点に対して加わる回転接線方向の力(第1のシャッターの回動支点と第2のシャッターの回動支点を結ぶ直線に垂直な方向の力)は、略直交する直線上に位置する中シェル上の第2のガイド軸と当接する第2のシャッターに対してはほぼ等価で作用する。よって、第2のシャッターを回転駆動するために必要な第1のシャッターに対する駆動力を抑えることができ、即ち軽い力で中シェルを回転駆動することで開口部開放動作を開始することが可能となる。
【0033】
本出願の請求項11記載のディスクカートリッジでは、開口部内におよそ片持ち支持されるかたちで露出する第1のシャッターを、中シェルに対して厚方向に位置規制することで、ユーザが不用意に第1のシャッターに触れた時に、第1のシャッターの前面部側が浮き上がり、中シェルとの間に隙間を生じることを防止し、ディスクカートリッジの密閉性を保つことができる。
【0034】
本出願の請求項12記載のディスクカートリッジでは、中シェルに対して厚方向に位置規制した第1のシャッターによって、第2のシャッターの前面部側を中シェルとの間に挟み込む構造として、第2のシャッターが浮き上がって密閉性が損なわれることを防止できる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1〜11は、本発明の実施の例を示すものである。図1はディスクカートリッジの分解斜視図、図2はディスクカートリッジの密閉状態での下シェル1側から見た平面図、図3は図2に対して下シェル1を取り除いた状態での内部構造を示す平面図、図4は逆に上シェル2側から見た平面図で上シェル2と中シェル3とディスク6とチャッキングプレート7を取り除いたもの、図5はディスクカートリッジの中シェル3と大シャッター4の係合を示す部分断面図、図6はディスクカートリッジの内部構造を示す断面図、図7はディスクカートリッジの中シェル3と大シャッター4の抜け止め構成を示す部分断面図、図8〜11はディスクカートリッジの開放動作過程の内部構造を示す平面図である。
【0036】
以下、図1を用いてディスクカートリッジ9の構成について説明する。
【0037】
ディスクカートリッジ9は、ディスク状記録媒体としてオーディオ情報としての音楽信号やビデオ情報としての映像信号及び音楽信号などの各種の情報信号が記録された、あるいは情報の記録が可能な光ディスク6を収納したものである。このディスクカートリッジ9は、図1に示す様に下シェル1と上シェル2とを重ね合わせることによって形成される空間に回転自在に保持される光ディスク6と、光ディスク6と上シェル2で挟まれる空間に保持されてディスク回転駆動機構のターンテーブルに対して光ディスク6を脱着可能に装着するためのチャッキングプレート7と、下シェル1に形成された開口部8を開閉する中シェル3と第1のシャッターとしての大シャッター4と第2のシャッターとしての小シャッター5とを少なくとも備えて構成される。
【0038】
次に、図1を用いてディスクカートリッジ9の各構成部品の特徴について説明する。
【0039】
下シェル1は、図1に示すように、円弧状の曲面で構成された前面部1aと、平面形状で形成される左右の側面部1b、1cと、曲面部1aに対峙した背面部1dと、底面部1eとから構成される。
【0040】
下シェル1には、開口部8が形成されており、この開口部8は、ディスク回転駆動機構のターンテーブルと光学ピックアップ装置の光学ヘッドを光ディスク6に臨ませるもので、これらが自由に出入りできる広さに設定されている。
【0041】
下シェル1は上シェル2に対して、例えばネジのような複数の締結部品によって位置決め固定されるが、図1ではその具体構成を省略している。
【0042】
上シェル2は、図1に示すように下シェル1とほぼ同一の外形寸法のものであり、円弧状の曲面で構成された前面部2aと平面形状で形成される左右の側面部2b、2cと、曲面部2aに対峙した背面部2dと、天面部2eとから構成される。
【0043】
上シェル2には、円形のリブ2fが形成されており、このリブ2fの外周面2gが中シェル3を上シェル2に対して回動自在に支持している。
【0044】
上シェル2に形成されたシャッター軸2hは、大シャッター4を回転自在に支持している。
【0045】
光ディスク6は、下シェル1と上シェル2との間に収納された中シェル3と上シェル2に挟まれた空間に、半径方向及び厚さ方向に所定の隙間を確保して収納されている。
【0046】
光ディスク6は、記録再生装置に装着された時にターンテーブルの一部によって位置決めするために用いられるセンター孔6aが中心部に設けられている。また光学的記録再生が可能な記録部材をその板面内に備えて構成されており、下シェル1に形成された開口部8から光学ヘッドが挿入されることで、信号の記録再生が可能となる。
【0047】
なお、ここではディスクカートリッジ9に内蔵されるのは光ディスク6としたが、磁気記録が可能な磁気ディスク等の他の円盤状記録媒体に適用することも可能である。
【0048】
チャッキングプレート7は、上シェル2の天面部2eと光ディスク6と上シェル2に設けられた円形の規制リブ2iによって囲まれた空間に回転自在に収納される。規制リブ2iにより、チャッキングプレート7の半径方向の位置が光ディスク6とおよそ同心に保たれるよう拘束されている。またチャッキングプレート7は、磁性材料で構成されており、記録再生装置に装着された状態では、ターンテーブルに設けられたマグネットの磁力により吸着されて、光ディスク6をターンテーブルとの間に挟持する。また同時にターンテーブルの一部が光ディスク6のセンター孔6aに勘合されるので、光ディスク6がターンテーブルに位置決め一体化され、ターンテーブルが取り付けられるディスク回転駆動機構の駆動により回転させられる。
【0049】
なお、チャッキングプレート7は、ディスクカートリッジ6に必ずしも内蔵されている必要はない。チャッキングプレート7を装着する機器側に設置する場合や、光ディスク6と一体にターンテーブルとの勘合部が形成されている場合等は、チャッキングプレート7を内蔵しないでディスクカートリッジ6を構成すればよい。さらに、チャッキングプレート7を機器側に設置する場合には、外部からチャッキングプレート7を挿抜するための孔を、上シェル2の天面部2eに設けて構成することも可能である。
【0050】
中シェル3は、図1に示す形状をなし、平面部3cと、平面部3cの外周端部に形成されるリング部3aとを備える。リング部3aの内周面3bが、上シェル2に形成されるリブ2fの外周面2gと摺動し、上シェル2に対して回動自在に支持される。また中シェルの平面部3cには、下シェル1に形成された開口部8と略同形状に、図1に示す円筒形状の中シェル3の中心部から一方向の外周にかけて大きくくり貫かれた中シェル開口部3fが形成されている。
【0051】
中シェル3の平面部3cには、シャッター駆動手段としての大シャッターガイド溝3dと小シャッターガイド軸3eが形成される。大シャッターガイド溝3dは、平面部3cを貫通した溝として形成され、大シャッター4と係合してその姿勢を制御する。小シャッターガイド軸3eは、平面部3cから下シェル側へ凸に形成され、小シャッター5と係合してその姿勢を制御する。
【0052】
また中シェル3の平面部3cには、開口部閉時に大シャッター4と係合させる規制ピン3gが下シェル側へ凸に形成されており、規制ピン3gは根元がアンダーカット形状となっている。
【0053】
中シェル3の平面部3cの最外周部には、下シェル側へ凸に形成された係止リブ3hが、開口部開時に小シャッター5と当接するように設けられる。
【0054】
また中シェル3が開口部8の曲線部1a側から露出する部分には、開閉駆動部(図示せず)が設けられ、この開閉駆動部を記録再生装置により駆動することで、中シェル3は所定角度回転させることができる。また中シェル3は、この中シェル3の外縁部に沿って上シェル2との間に架張されるバネ(図示せず)により常時中シェル3の平面部3cが開口部8を閉塞する方向に付勢されており、記録再生装置により開放駆動部の規制を解除すれば、中シェル3は図2の閉塞位置に自動的に復帰する。この開閉駆動部は、開口部8内の下シェル1の前面部1a側に露出した部分にレバー形状で中シェル3に設けることが望ましく、それによりレバーをおよそ開口部8の幅だけ移動させる簡単な動作で開口部8の開閉を行うことが可能となる。
【0055】
大シャッター4は、図1に示すとおり、一端に支点孔4aが設けられ、この支点孔4aは上シェル2に形成されたシャッター軸2hと係合することで上シェルに対し回転自在に支持される。同時に、大シャッター4に形成された大シャッターガイド軸4bが、中シェル3の大シャッターガイド溝3dと係合して、大シャッター4の姿勢を規制している。
【0056】
また大シャッター4には、小シャッター5の回動支点となる小シャッター軸4cが形成される。
【0057】
大シャッター4が小シャッター5と当接する部分には、開口部閉時の密閉性を確保する目的で、ディスクカートリッジ9の厚方向に重合する部分が3箇所設けられている。即ち前重合部4eと、中重合部4fの2箇所が設けられ、さらに小シャッター5の回動支点となる小シャッター軸4cの形成される部分に支点重合部4gが設けられている。
【0058】
同じく開口部閉時の密閉性を確保する目的で、中シェル3の規制ピン3gと係合する規制溝4dが、大シャッター4上に形成されている。
【0059】
小シャッター5は、図1に示すように、支点孔5aが大シャッター4の小シャッター軸4cと係合し、支点孔5aを中心に大シャッターに対して回転自在に支持される。同時に、小シャッター5を貫通して形成される小シャッターガイド溝5bが中シェル3の小シャッターガイド軸3eと係合して、開口部開閉動作中の小シャッター5の姿勢を規制している。
【0060】
また小シャッター5には、開口部開時に中シェル3の係止リブ3hが当接して小シャッター5の姿勢を規制するための係止部5hを設けている。
【0061】
さらに小シャッター5には、開口部閉時に大シャッター4の前重合部4e、中重合部4f、支点重合部4gとそれぞれ重合する、前重合部5e、中重合部5f、支点重合部5gが設けられる。
【0062】
次に、上記構成によるディスクカートリッジ9の組立手順を説明する。
【0063】
まず天面部2eを図1に示されるように上に向けて上シェルを固定し、その上にチャッキングプレート7と光ディスク6を順に重ねる。次に上シェル2のリブ2fに合わせて中シェル3を配置する。この時中シェル3は、開口部8の開時の位置で上シェル2に対して仮固定する。次に中シェル3の上に、大シャッター4と小シャッター5を開口部8の開時の位置で設置する。即ち小シャッター軸4cと支点孔5aとを係合させながら、上シェル2のシャッター軸2hと大シャッター4の支点孔4aを、中シェルの大シャッターガイド溝3dと大シャッター4の大シャッターガイド軸4bを、中シェル3の小シャッターガイド軸3eと小シャッター5の小シャッターガイド溝5bを、それぞれこの順に合わせて設置する。この状態で上シェル2と中シェル3の間に中シェル3の外縁部に沿ってバネ(図示せず)を架張し、最後に下シェル1を上シェル2に対して位置決めして組み付ける。
【0064】
このように、最初に上シェル2を固定した上で、上シェル2よりも相対的に小さくて位置決めしやすい部品を重ねていくことで可動部品の組立が可能であり、最後に下シェル1を内部の可動部品と一切係合させることなく、直接上シェルに組み付けることのできるシンプルな構成であり、組立性に優れたディスクカートリッジを実現している。
【0065】
次に、上記の構成における開口部閉時での、ディスクカートリッジ9の構成を図1〜7により説明する。
【0066】
まずディスクカートリッジ9の密閉性を確保する構成について説明する。
【0067】
図2、図3及び図4に示すように、中シェル3の平面部3cは開口部8の外周付近を、大シャッター4は開口部8の側面1c側から背面部1d側を、小シャッター5は開口部8の側面部1c側を覆い、平面的に開口部8を閉塞させている。さらに図4に示す通り、下シェル1と中シェル3の平面部3cとの間を大シャッターと小シャッター5と下シェル1に設けた閉塞リブ1fとが塞いでいる。これらによって、開口部8は基本的に各部材により密閉され、ディスクカートリッジ9は開口部8から塵埃が侵入しにくい構成となっている。
【0068】
次に開口部8から露出した大シャッター4が、中シェル3に対して浮き上がって隙間を生じないための構成について説明する。
【0069】
図2に示すように、大シャッター4は、開口部8から露出する部分において中シェル3の平面部3cと重合するとともに、中シェル3に形成する規制ピン3gと係合している。図5は規制ピン3gを通り、図2の紙面に垂直な面で切り取った断面図である。図5に示すように、規制ピン3gは根元がアンダーカット形状で、大シャッター4の面取りを施した規制溝4dと噛み合う構成となっており、ユーザが大シャッター4を開口部8から露出した前面部1a側の端部を持ち上げようとしても、規制ピン3gにより中シェル3の平面部3cも一体で持ち上がろうとするため、重合する中シェル3と大シャッター4の間に隙間が生じることを防止している。
【0070】
次に、上記構成による大シャッター4と小シャッター5の間に隙間を生じさせないための構成について説明する。
【0071】
図1に示すように大シャッター4と小シャッター5は、前述のようにディスクカートリッジ9の厚方向に関する重合部を有し、下シェル1の前面部1a側から順に前重合部4e、5e、中重合部4f、5f、支点重合部4g、5gがそれぞれ設けられている。これらの重合関係は、隣接する重合部は互いに大シャッター4と小シャッター5の上下関係が逆となるよう構成される。具体的には、大シャッター4の前重合部4eを小シャッター5の前重合部5eよりも上側になるように、大シャッター4の中重合部4fを小シャッター5の中重合部5fを下側になるように、大シャッター4の支点重合部4gを小シャッター5の支点重合部5gよりも上側になるようにそれぞれ構成している。この3箇所の重合構成によって、大シャッター4と小シャッター5の一方に厚方向の撓み荷重やねじり荷重が加わった場合でも、常に他方のシャッターに挟まれた状態が維持される。よって一方のシャッターの変形に他方のシャッターも追従して、大シャッター4と小シャッター5の間に隙間が発生し難い構造となっている。その結果、開口部8から露出した大シャッター4あるいは小シャッター5がユーザに押さえられた場合や、あるいは落下時の衝撃で大シャッター4と小シャッター5が相互に離間するような力が加わった場合でも、開口部から露出した前重合部4e、5eと中重合部4f、5fにおいて両シャッター間に隙間が生じることなく、高い密閉性を維持できる。また支点重合部4g、5gにそれぞれ設けられた大シャッター4の小シャッター軸4cと小シャッター5の支点孔5aとの係合が外れることはなく、信頼性の高いシャッター駆動機構を実現している。
【0072】
また、上記のような構成とすることで、ユーザが小シャッター5を開口部8から露出した前面部1a側の端部で持ち上げようとしても、規制ピン3gによって大シャッター4の前重合部4eが小シャッター5をの前重合部5eを規制すると共に、中シェル3と小シャッター5の間に隙間が生じることを防止している。
【0073】
次に、ユーザの不用意な取り扱いでシャッター駆動機構が分離しないための構成について説明する。
【0074】
図6のディスクカートリッジ9の断面図に示すように、開口部8を閉塞させる中シェル3、大シャッター4、小シャッター5は重層構造をとり、下シェル1上に大シャッター4と小シャッター5が略同一面内に配置され、その上に中シェル3の平面部3cが位置している。
【0075】
ここで類似した構成をとるディスクカートリッジの一例として、特開2001−332054号がある。図6と同様の配置の重層構造を有しており、シャッター部材に設けた開閉溝と下シェルに設けた操作凸部とを係合させ、中シェルの回転により2枚のシャッター部材の駆動を行っている。しかしながら開口部に露出したシャッター部材が押圧されると、シャッター部材は下シェルと離間する方向に変形する。よってシャッター部材の開閉溝と下シェルの操作凸部との係合が外れて、シャッター部材が分離し易い構成である。
【0076】
これに対し、本発明のディスクカートリッジ9は、図1に示したように大シャッター4に形成された大シャッターガイド軸4bと中シェル3の大シャッターガイド溝3dとを係合させ、小シャッター5に貫通孔として形成される小シャッターガイド溝5bと中シェル3の小シャッターガイド軸3eとを係合させ、中シェル3と大シャッター4、小シャッター5の係合関係のみでシャッター駆動機構を構成おり、シャッター駆動機構と下シェルとの間に係合関係は存在しない。
【0077】
しかるに、図6から明らかなように、開口部8に露出した大シャッター4あるいは小シャッター5が押圧されて、下シェル1と離間する方向に変形する場合でも、両シャッターは中シェル3に押し付けられるだけであり、シャッター駆動機構を構成する大シャッター4あるいは小シャッター5と中シェル3の係合関係が外れて分離することはない。
【0078】
またシャッター駆動機構が分離しないために大シャッター4の動作の信頼性を上げる手段として、図7に示すように、大シャッターガイド軸4bの先端部にフランジ部4hを形成することも考えられる。ここで、図7に示した断面図で紙面に垂直な方向のフランジ部4hの幅寸法は、大シャッターガイド溝3bの溝幅寸法より小さく構成する。そして組立時には、大シャッター4のフランジ部4hの長手方向を中シェル3の大シャッターガイド溝3bの長手方向に合わせて差し込み、その上で中シェル3に対して回転させることで、フランジ部4hが大シャッターガイド溝3bの端面に係ることとなる。これにより落下時の衝撃などによって中シェル3の平面部3cと大シャッター4が離間するような変形が生じた場合にも、フランジ部4hが大シャッターガイド溝3dの端面を抱え込んでいるため、大シャッターガイド軸3dと大シャッターガイド軸4bの係合が外れることはなく、より信頼性の高いシャッター駆動機構とすることができる。
【0079】
次に、ディスクカートリッジ9のシャッター開放動作時に必要な中シェルの駆動トルクを抑えるための構成について説明する。
【0080】
図3に示すように、本構成では開口部閉塞時において、大シャッター4の回動支点である支点孔4aと小シャッター5の回動支点である支点孔5aとを結ぶ直線Lに対し、支点孔5aと中シェル3に設けられた小シャッターガイド軸3eとを結ぶ直線Mが略直交するよう配置されている。
【0081】
この位置関係により次のような効果がある。即ち開口部閉塞時から中シェル3の回転に伴い、大シャッター4が右方向に回転駆動される。それによって小シャッター5の支点孔5aに対して直線Lに垂直方向の力が加わる。この力は直線Lと略直交する直線M上に位置する中シェル3上の小シャッターガイド軸3eに対してはほぼ等価に作用し、その結果これに当接する小シャッターガイド溝5bに対して小シャッター5を回転駆動するために効率的に作用することとなる。
【0082】
したがって開口部開放動作の初期動作において、小シャッター5を回転駆動するために必要な大シャッター4に対する駆動力を抑えることができ、外部から中シェルに加えるべき回転駆動トルクを小さくする、即ち軽い力で開口部開放動作を開始することが可能となる。
【0083】
次に、このようなディスクカートリッジ9を記録再生装置に挿入した場合の、開口部8の開閉動作について図8〜11を用いて説明する。
【0084】
まず図8に示すように記録再生装置に設けられる開閉機構によって、ディスクカートリッジに9に設けられた図示しないロック部材によるロック状態が解除された後、中シェル3の開閉駆動部(図示せず)が中シェル3の円周方向に左回りに押圧され、まず中シェル3が回転を始める。大シャッター4を駆動する大シャッターガイド溝3dには、中シェル3の円周方向に形成される第1の不感帯部3d1が、また小シャッター5に設けられた小シャッターガイド溝5bには、中シェル3の円周方向に形成される第2の不感帯部5b2が設けられており、この位置で大シャッター4と小シャッター5はまだ回転していない。この第1の不感帯3d1と第2の不感帯5b2により、開口部8の閉状態での中シェル3の停止位置にバラツキが発生する場合にも、大シャッター4と小シャッター5の位置を安定させ、ディスクカートリッジ9の密閉性を高めることができる。
【0085】
さらに中シェル3が回転すると、図9に示すように、開口部8の外周側を塞いでいた中シェル3の平面部3cは、開口部8の上シェル側面部2b側へ格納されていく。大シャッター4の大シャッターガイド軸4bが中シェル3の大シャッターガイド溝3dに沿って駆動され、大シャッター4はシャッター軸2hを中心に回転し、上シェル2の背面部2d側へ格納されていく。また大シャッター4の回転により小シャッター5の回動支点である支点孔5aが背面部2d側へ移動し、中シェル3の小シャッターガイド軸3eが小シャッターガイド溝5bに沿って駆動されることで小シャッター5は支点孔5aを中心に回転し、上シェル2の側面部2b側へと格納されていく。
【0086】
図10に示すように、中シェル3が回転して開口部8がほぼ開放された状態で、小シャッター5に設けられた係止部5hが、中シェル3の最外周付近に下シェル側へ凸に形成された係止リブ3hに当接する。この時点以降に、中シェル3の小シャッターガイド軸3eが通過する小シャッターガイド溝5bは溝幅を若干拡大しており、小シャッター5の姿勢は最終的に係止リブ3hと係止部5hで制御する構成としている。開口部8の開状態で小シャッターガイド溝5bと中シェルの小シャッターガイド軸3eとの関係で姿勢を決めようとすると、小シャッター5の回動支点が大シャッター4という移動体の上に存在することに加え、小シャッターガイド軸3eが回動支点である支点孔5aから近い位置にあるために小シャッター5の位置が精度良く決まりにくい点が問題となる。しかし支点孔5aから比較的離れた位置の係止部5hで姿勢を決めてやることで小シャッター5の位置決め精度を向上させ、確実に開口部8を開放することを可能としている。
【0087】
そして図11に示すように中シェル3が回転しきって開口部8が全て開放となるまで所定角度回転した状態では、中シェル3は下シェル1に完全にカバーされた状態に格納されて、開口部8から平面的に離間し、大シャッター4は背面部2d側まで回転して開口部8から平面的に離間し、小シャッター5はさらに背面部2d側へ移動しながら側面部2b側に回転して開口部8から平面的に離間する。ここで、開口部8の開閉動作中における小シャッター5の移動量は、駆動点である大シャッター4上の小シャッター軸4cが大シャッター4の回動支点である支点孔4aから近い距離にあるため、わずかな距離にとどまり、小シャッター5の移動中における占有面積は小さく抑えられている。そしてこの時点で開口部8は完全に開放された状態となり、ディスク回転駆動装置のターンテーブルと光学ピックアップ装置の光学ヘッドとが挿入されることが可能となる。また大シャッター4の回動支点であるシャッター軸2hを、中シェル3の外縁部より外側であり、内蔵した円盤状の光ディスク6の中心を基準として中シェル3が開口部を閉塞から開放へ移行させる回転方向側の上シェル側面部2b側かつ上シェル2の背面部2d側の空間に配置することによって、開口部閉時に中シェル3の平面部3cによって塞げていない開口部8の大きな面積を閉塞させる略円弧形状の大シャッター4を、開口部開時で円弧形状を光ディスク6の外周側の円弧形状に沿わせるように背面部2d側に移動させ、およそ光ディスク6の直径の内側に待避させることができ、ディスクカートリッジ9の平面寸法を小型化することが可能となっている。
【0088】
上記の動作とは逆に、ディスクカートリッジ9が記録再生装置から排出される場合には、中シェル3の開放駆動部(図示せず)に対する開閉機構の規制を解除してやると、中シェル3と上シェル2の間に架張されたバネ(図示せず)により、中シェル3は開口部8を閉塞させる方向(図8〜11上の円周方向右回り)に回転し、連動する大シャッター4と小シャッター5が駆動されて上記の動作と逆の手順で移動し、結果図3に示すような開口部8の閉塞状態に復帰する。
【0089】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記の構成例により限定されるものではない。例えば、ここでは中シェル3に設ける大シャッター4を案内する大シャッターガイド溝3bは平面部3cを貫通する溝としたが、光ディスク6に対する密閉性を優先させて、大シャッターガイド溝3bのディスク側の面を残した凹形状とすることも可能である。
【0090】
また、中シェル3側に大シャッター4の浮き上がりを防止する規制部材としての規制ピン3gを配置して構成したが、逆に大シャッター4側に規制部材を配置することも可能であり、これによって全く同じ効果を得られる。
【0091】
さらに本実施の形態では、大シャッター4の回動支点を上シェル2上に設ける構成としているが、従来の技術に記載するような中シェル3上に第1のシャッターの回動支点を設ける場合にも、第1のシャッター上に第2のシャッターの回動支点を設けることで、第2のシャッターの占有空間を抑える効果を得ることができる。
【0092】
以上の構成により本発明のディスクカートリッジ9は、良好な組立性を有し、開口部8の閉塞状態において、ユーザの不注意による落下時の衝撃や、ユーザが開口部から露出した大シャッター4あるいは小シャッター5を誤って強く押された場合にも、シャッターの回動軸あるいはガイド軸の外れやシャッター間の隙間が発生しない密閉性、ならびにシャッター駆動手段の信頼性の高い開口部開閉機構を実現している。
【0093】
さらに下シェル1、上シェル2の形状に対して開口部8が相対的に大きい面積を占める場合にも、上記の構成により開口部8を閉塞させる部品3点を、中シェル3を側面部2b側に退避させ、また大シャッター4を背面部2d側に、小シャッター5を側面部2b側にと、略同一平面内に配された両シャッターを、移動中の占有面積を抑えて開口部8の密閉性を確保する下シェル1の閉塞リブ1eとの干渉を回避しながら、光ディスク6の略直径内の領域に退避させ、カートリッジ筐体の小型化を実現している。
【0094】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1に記載のディスクカートリッジによれば、ディスクカートリッジの開口部閉塞を、上シェルあるいは下シェルに回転自在に支持される中シェルと、上シェルあるいは下シェル上に回動支点を有する第1のシャッターと、第1のシャッター上に回動支点を有し、第1のシャッターと略同一平面内に配置される第2のシャッターとで行い、中シェルの回転により第1のシャッター及び第2のシャッターを駆動する構成により、開口部閉塞状態から開口部開放状態への移行において、中シェルは開口部側方へ平面的に離間させ、また大きな面積を占める第1のシャッターを上シェルあるいは下シェル上の回動支点中心に大きく回転させて開口部より背面部側に、第2のシャッターは第1のシャッター上に設けた回動支点で、第1のシャッターの回転に伴いわずかな距離だけ背面部方向に移動させながら回転させて開口部側方の背面部側にと移動するものとして、両シャッターを開口部から平面的に離間させながら光ディスクの略直径内の領域に効率良く格納する。よって、カートリッジ筐体の小型化を実現できる。また、第1のシャッター及び第2のシャッターの駆動を、中シェルとの間の軸と溝の係合と、中シェルの回転に伴う両シャッターとの相対移動により行う構成とすることで、外部から中シェルを回転駆動させる簡単な操作で開口部の開放・閉塞を行うことができ、また、第1のシャッター及び第2のシャッターが中シェル平面上に重合されるため、開口部から露出したシャッターをユーザが持って押さえた場合にも、シャッターが中シェルに押し付けられるだけで、両者の係合が外れてシャッターが開放されてしまうことはなく、シャッター構成の信頼性を高め、ディスクカートリッジの密閉性を確保することができる。
【0096】
また、本発明の請求項2に記載のディスクカートリッジでは、中シェル、第1のシャッター、第2のシャッターに設けられたガイド溝とガイド軸の抜け止め手段として、ガイド軸の先端にフランジ部を設けることで、落下衝撃などによる両者の係合外れを防止し、シャッター構成の信頼性を高めることができる。
【0097】
また、本発明の請求項3〜5に記載のディスクカートリッジでは、開口部開放時の第2のシャッターの位置決めに、ガイド溝とは別に中シェルあるいは下シェルとの間に補助規制手段を備えることで、第2のシャッターの位置決め精度を向上させることができ、シャッター構成の信頼性を高めている。
【0098】
また、本発明の請求項6に記載のディスクカートリッジでは、第1のシャッターの回動軸を、中シェル外形より外側に配置することで、上シェル側に回転軸を設け、ディスクカートリッジ組立時に全ての構成部品を上シェル側に位置決めしながら組み付けることができ、良好な組立性を実現する。
【0099】
また、本発明の請求項7に記載のディスクカートリッジでは、第1のシャッターの回動軸を、内蔵した円盤状のディスクの中心を基準として、中シェルが開口部を閉塞から開放へ移行させる回転方向側、かつ開口部が形成される上シェルの前面部側と反対方向の背面部側の空間に配置して、開口部閉塞状態で中シェルによって塞げていない開口部の大きな面積を閉塞させる略円弧形状の第1のシャッターを、開口部開放状態で円弧形状をディスク外周側の円弧形状に沿わせるように背面部側に移動させ、略ディスク直径の範囲内へ待避させることができ、ディスクカートリッジの小型化が可能となる。
【0100】
また、本発明の請求項8及び9に記載のディスクカートリッジでは、開口部閉塞時に第1のシャッターと第2のシャッターに厚方向の重合部を3箇所以上設け、隣接する重合部の上下関係を逆に構成することで、シャッターに加わる撓みやねじりに対しても両者間に隙間を生じたり噛み合いが外れることはなく、落下衝撃時にも密閉性を確保できる。
【0101】
また、本発明の請求項10に記載のディスクカートリッジでは、開口部閉塞時に、第1のシャッターの回動支点と第2のシャッターの回動支点を結ぶ直線に対し、第2のシャッターの回動支点と中シェルに設けられた第2のガイド軸とを結ぶ直線が略直交するように各部を配置することで、開口部閉塞時から第1のシャッターを回転駆動する力を、効率的に第2のシャッターの回転駆動に作用させ、第2のシャッターを回転駆動するために必要な中シェルに加えるべき回転トルクを抑えて、少ないトルクで開口部開放動作を開始することが可能となる。
また、本発明の請求項11及び12に記載のディスクカートリッジでは、開口部閉塞時に、開口部内の中シェル上に第1のシャッターを厚方向に規制する規制部を設け、さらに第1のシャッターと中シェルで第2のシャッターを挟み込む構造とすることで、開口部内のシャッターにユーザが触れても、シャッターが中シェルに対して浮き上がって隙間を生じることがなく密閉性を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスクカートリッジの分解斜視図
【図2】本発明のディスクカートリッジの密閉状態での下シェル側から見た平面図
【図3】本発明のディスクカートリッジの密閉状態での下シェル側から見た内部構造を示す平面図
【図4】本発明のディスクカートリッジの密閉状態での上シェル側から見た内部構造を示す平面図
【図5】本発明のディスクカートリッジの中シェルと大シャッターの係合を示す部分断面図
【図6】本発明のディスクカートリッジの内部構造を示す断面図
【図7】本発明のディスクカートリッジの中シェルと大シャッターの抜け止め構成を示す部分断面図
【図8】本発明のディスクカートリッジの開放動作初期の内部構造を示す平面図
【図9】本発明のディスクカートリッジの開放動作中期の内部構造を示す平面図
【図10】本発明のディスクカートリッジの開放動作末期の内部構造を示す平面図
【図11】本発明のディスクカートリッジの開放動作完了時の内部構造を示す平面図
【図12】従来の技術によるディスクカートリッジの斜視図
【符号の説明】
1 下シェル
2 上シェル
3 中シェル
4 大シャッター
5 小シャッター
6 光ディスク
7 チャッキングプレート
8 開口部
9 ディスクカートリッジ
Claims (12)
- 上シェルと、
ディスクの回転中心部から前記上シェルの前面部側まで連通して形成され前記ディスクを外部に露出させる開口部を有する下シェルと、
前記上シェルと前記下シェルに回転自在に支持され、回転によって前記開口部の一部を開放及び閉塞する中シェルと、
前記上シェルあるいは前記下シェル上に回動支点を有し、前記開口部側の前記中シェル平面上に重合されるとともに、前記開口部の一部を開放及び閉塞させる第1のシャッターと、
前記第1のシャッター上に回動支点を有し、前記開口部側の前記中シェル平面上に重合されるとともに、前記開口部の一部を開閉及び閉塞させる第2のシャッターとを有し、
前記第1のシャッターと前記中シェルとの間に設けたガイド機構に基づいて、前記中シェルの回転移動を前記第1のシャッターの相対移動に変換し、前記第2のシャッターと前記中シェルとの間に設けたガイド機構に基づいて、前記中シェルの回転移動を前記第2のシャッターの相対移動に変換することを特徴とするディスクカートリッジ。 - 前記中シェル、前記第1のシャッター、前記第2のシャッターに設けたガイド機構の抜け止め防止手段として、前記ガイド機構にフランジ部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のディスクカートリッジ。
- 前記第2のシャッターの回動支点回りの位置規制を行う補助規制手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のディスクカートリッジ。
- 前記補助規制手段は、前記第2のシャッター及び前記中シェルの一方に設けた規制軸と他方に設けた規制溝との組み合わせにより構成することを特徴とする請求項3に記載のディスクカートリッジ。
- 前記補助規制手段は、前記第2のシャッター及び前記下シェルの一方に設けた規制軸と他方に設けた規制溝との組み合わせにより構成することを特徴とする請求項3に記載のディスクカートリッジ。
- 前記第1のシャッターの回動支点を、前記中シェルの外縁より外側に配置したことを特徴とする請求項1に記載のディスクカートリッジ。
- 前記第1のシャッターの回動支点を、前記中シェル回動中心を基準として、前記中シェルが前記開口部を閉塞から開放へ移行させる回転方向側、かつ前記開口部と反対方向の空間に配置することを特徴とする請求項6に記載のディスクカートリッジ。
- 前記開口部閉塞時において、前記第1のシャッターと前記第2のシャッターとの間に、前記ディスクカートリッジ厚さ方向でのシャッター重合部を3箇所以上設け、隣接する前記シャッター重合部は前記第1のシャッターと前記第2のシャッターの上下関係が逆となるよう構成することを特徴とする請求項1に記載のディスクカートリッジ。
- 前記重合部は、前記第1のシャッター上に形成される第2のシャッターとの回動連結部と、前記開口部閉塞時における前記開口部内に設けられた2箇所の密閉重合部とを有して構成されることを特徴とする請求項8に記載のディスクカートリッジ。
- 前記開口部閉塞時において、前記第1のシャッターの回動支点と前記第2のシャッターの回動支点とを結ぶ直線に対し、前記第2のシャッターの回動支点と前記中シェルに設けられた前記第2のガイド軸とを結ぶ直線が略直交することを特徴とする請求項1に記載のディスクカートリッジ。
- 前記開口部閉塞時において、前記開口部内の前記中シェル上に、前記第1のシャッターを前記ディスクカートリッジ厚方向に位置規制する規制部を設けることを特徴とする請求項1に記載のディスクカートリッジ。
- 前記規制部は、前記開口部内で最も前記前面部側の前記密閉重合部である前端重合部の近傍に配置され、前記前端重合部は、前記第1のシャッターが前記下シェル側、前記第2のシャッターが前記中シェル側の上下関係で重合することを特徴とする請求項11に記載のディスクカートリッジ。
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