JP4626367B2 - ディスクカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、ディスクの一部を外部に臨ませる開口部を開閉するシャッタ板の衝撃時の変位を防止したディスクカートリッジに関する。
ディスクカートリッジには、下記特許文献1のようなものがある。この特許文献1のディスクカートリッジは、カートリッジ本体内にインナーロータと一対のシャッタ板とを備え、インナーロータの中に光ディスクを収納している。インナーロータは、カートリッジ本体内を回動し、光ディスクの外部に臨ませる開口部がカートリッジ本体の開口部と一致したとき、一対のシャッタ板がこれらの開口部を開放し収納した光ディスクを外部に臨ませる。この種のディスクカートリッジに用いる光ディスクは、情報信号が極めて高密度に記録されるものであり、従って、信号記録面に塵埃等の異物が付着すると、正確な情報信号の記録や再生を行うことができなくなってしまう。このため、このディスクカートリッジは、開口部を閉塞するシャッタ機構に一対のシャッタ板を用い、非使用時には二枚のシャッタ板を結合させることで隙間を無くし、カートリッジ本体内に異物が浸入しにくい構造となっている。具体的に、このディスクカートリッジの一対のシャッタ板は、シャッタ板に設けられた軸孔に支軸を挿通することによってインナーロータの回動に連動して回動するように構成されている。
しかしながら、このディスクカートリッジは、高所から落下されると、衝撃によってカートリッジ本体を構成するシェルやカートリッジ本体内のインナーロータやシャッタ板が変形してしまう。また、ディスクカートリッジは、この衝撃によって一時的にインナーロータが回動してしまい、このとき、シャッタ板の先端部がばたついてしまうことがある。そして、シャッタ板の先端部は、このばたつきによってインナーロータの開口部より光ディスクが収納された内部に入り込んでしまうことがある。インナーロータの内部にシャッタ板の先端部が進入しシャッタ板の先端部が光ディスクに接触すると、光ディスクが汚損してしてしまう。光ディスクが汚損すると、光ディスクに正確に情報信号を記録することができなくなり、また、光ディスクに記録された情報信号を正確に読み出すことができなくなってしまうおそれがある。また、インナーロータの回動位置が衝撃によってずれてしまうと、例えば、インナーロータを回動する記録及び/又は再生装置側の機構がインナーロータを回動することができなくなってしまい、記録及び/又は再生装置の故障の原因ともなってしまう。
また、ディスクカートリッジは、衝撃時に、インナーロータが回動しないまでも、シャッタ板がばたつき、その隙間から塵埃等の異物がカートリッジ本体内に進入し、進入した異物が光ディスクに付着するおそれもある。光ディスクに異物が付着すると、同様に、光ディスクの記録再生を正確に行うことができなくなってしまう。
特開2003−109343号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、カートリッジが外部から衝撃を受けた場合でも、シャッタ板の変位を防止し、ディスクの保護やカートリッジ本体内への塵埃等の異物の浸入を防止することができるディスクカートリッジを提供することにある。
また、本発明の目的は、シャッタ板の回動を円滑に行うことができるディスクカートリッジを提供することにある。
更に本発明の目的は、製造が容易なディスクカートリッジを提供することにある。
本発明に係るディスクカートリッジは、記録及び/又は再生用の第1の開口部が形成された下シェルと、この下シェルに付き合わされる上シェルとからなるカートリッジ本体と、上記ディスクを収納し、この収納したディスクを外部に臨ませる上記第1の開口部に対応した第2の開口部が形成されると共に上記カートリッジ本体内に回転可能に収納されるローテーションホイールと、上記カートリッジ本体の第1の開口部が形成された底面と上記ローテーションホイールとの間に位置して、上記ローテーションホイールの回転に連動して回動する一対の第1及び第2のシャッタ板を有し、上記ローテーションホイールの回転に伴って上記第1の開口部と上記第2の開口部とが一致したとき、上記第1の開口部と上記第2の開口部とを開放するシャッタ機構とを備える。上記第1のシャッタ板は、上記カートリッジ本体に回動可能に取り付けられ、上記ローテーションホイールの回転に伴って回動し、上記第2のシャッタ板は、上記第1のシャッタ板に回動可能に取り付けられ、上記第1のシャッタ板の回動に伴って回動する。上記下シェルの内面には、この下シェルの内面との間に、上記第1のシャッタ板の先端部が進入して係合することで、上記第1のシャッタ版の先端部のばたつきを規制する変位規制突起が該下シェルと一体的に形成され、上記第1のシャッタ板の先端部は、上記第1及び第2の開口部を閉塞しているとき、上記下シェルの内面と上記変位規制突起との間に進入して係合され、上記ローテーションホイールには、上記第1及び第2の開口部を閉塞するとき、上記第1のシャッタ板を上記下シェルの方向に持ち上げるリフタが形成されている
本発明によれば、第1のシャッタ板の先端部は、第1及び第2の開口部を閉塞しているとき、下シェルの内面で構成される主面部と下シェルの内面に一体的に形成された変位規制突起との間に進入して係合されるので、非使用時に衝撃が加わってもばたつくことが防止され、第1のシャッタ板とカートリッジ本体との間に隙間等が発生することを防止し、ディスクの保護やカートリッジ本体内への塵埃等の異物の浸入を防止する。ローテーションホイールの第1のシャッタ板を下シェルの方向に持ち上げるリフタは、第1及び第2の開口部を閉塞するとき、第1のシャッタ板を下シェル側に持ち上げるようにして、第1のシャッタ板の先端部が変位規制突起に円滑に係合するようにする。
以下、本発明が適用されたディスクカートリッジについて、図面を参照して説明する。本発明を適用したディスクカートリッジは、上述した特許文献1に示した標準的大きさのディスクカートリッジの記録及び/又は再生装置にも装着可能な小型のディスクカートリッジである。特許文献1のディスクカートリッジは、直径略12cmの光ディスクを記録媒体に用いるのに対して、本発明を適用したディスクカートリッジは、標準的大きさのディスクカートリッジの光ディスクより小径の光ディスクを記録媒体に用いる。本発明を適用したディスクカートリッジは、特許文献1のディスクカートリッジに比べて小径の光ディスクを用い小型であるから、記録容量は標準的大きさのディスクカートリッジに比べ小さいものの、携帯性に優れている。
図1乃至図3に示すように、本発明を適用したディスクカートリッジ1は、カートリッジ本体2の内部に、光ディスク3が収納されるローテーションホイール4と、シャッタ機構となる一対の第1及び第2のシャッタ板5a,5bとを収納してなる。このカートリッジ本体2は、互いに組み合わされる一組の上シェル6と下シェル7とを付き合わせて構成されている。
このディスクカートリッジ1に用いられる光ディスク3は、中心部に、記録及び/又は再生装置側のディスク回転駆動機構が係合されるセンタ孔3aが形成されている。なお、光ディスク3としては、記録する情報信号に対応したピットパターンがディスク基板に形成された再生専用の光ディスクであっても良く、また、記録層に相変化材料を用いる書換型光ディスクであっても良く、更に、記録層に有機色素材料等を用いる追記型の光ディスクであっても良い。更に、使用される記録媒体としては、光ディスクの他、光磁気ディスク、磁気ディスク等であっても良く、更には、クリーニングディスクであっても良い。
カートリッジ本体2を構成する上シェル6は、図4に示すように、樹脂材料を射出成形することにより形成されている。この上シェル6は、全体略矩形状の主面のうち、記録及び/又は再生装置への挿入端側となる前面が略円弧形状とされている。また、この上シェル6には、カートリッジ本体2の側面をなす外周壁8が主面の外周縁に沿って立設されている。
外周壁8には、前面側の中央部に位置して、記録及び/又は再生装置側の光ピックアップを進入させるための第1のピックアップ進入用凹部9が形成されている。また、外周壁8には、下シェル7と結合するためのねじ穴を形成した複数のボス10が例えば各コーナ部近傍に形成されている。
また、外周壁8の内周側には、ローテーションホイール4を回動可能に収納する略円環状の内周壁11が外周壁8に内接するように形成されている。この内周壁11には、前面側の中央部に位置して、記録及び/又は再生装置側の光ピックアップを進入させるための第2のピックアップ進入用凹部12が形成されている。この内周壁11は、内側にローテーションホイール4が回動可能に収納され、ローテーションホイール4が回動するときのガイド壁として機能する。また、上シェル6の主面部は、ローテーションホイール4が収納されたとき、ローテーションホイール4とでディスク収納部を構成する。
上シェル6の内面略中央部には、記録及び/又は再生装置側のディスク回転駆動部を構成するディスクテーブルと共に光ディスク3を挟持するクランピングプレート13が取り付けられている。このクランピングプレート13は、取付リング13aによって取り付けられる。具体的に、クランピングプレート13は、取付リング13aと上シェル6の内面略中央部とで挟み込むようにし、取付リング13aを上シェル6の内面略中央部に溶着等により固定することによって取り付けられる。光ディスク3は、センタ孔3aにディスクテーブルが係合し、更にディスクテーブルとクランピングプレート13で挟持されることにより、ディスク収納部内で回転可能な状態となる。
なお、上シェル6の内面には、更に、後述する下シェル7のロケーションホール26aを構成する立ち上がり壁16aやアライメントホール26bを構成する立ち上がり壁16bが形成されている。
以上のように構成される上シェル6に結合される下シェル7は、図2、図3及び図5に示すように、上述した上シェル6と同様に、樹脂材料を射出成形することにより形成されている。この下シェル7は、全体略矩形状の主面のうち、記録及び/又は再生装置に挿入される前面側が略円弧形状とされている。この下シェル7には、カートリッジ本体2の側面をなす外周壁21が主面の外周縁に沿って立設され、更に、外周壁21に内接するように、内周壁28が形成されている。
この下シェル7には、外周壁21の前面側の中央部が光ピックアップやディスクテーブルが進入できるように開放された第1の開口部24が形成されている。この第1の開口部24は、前面側の開放端から光ディスク3の信号記録面の一部を内外周に亘って外方へ臨ませる略矩形状の光ピックアップ用開口部24aと、光ピックアップ用開口部24aと連続した光ディスク3のセンタ孔3aを外部に臨ませる回転駆動用開口部24bとから構成されている。光ピックアップ用開口部24aは、記録及び/又は再生装置の光ピックアップをカートリッジ本体2の内部に進入させるのに足る大きさに形成されており、回転駆動用開口部24bは、記録及び/又は再生装置のディスク回転駆動機構を構成するディスクテーブルをカートリッジ本体2の内部へと進入させるのに足る大きさに形成されている。更に、光ピックアップ用開口部24bの一方の開口端側は、開口端が拡幅する方向に傾斜するテーパ部24cが形成されている。このテーパ部24cは、後述するローテーションホイール4の被操作部45が第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1の開口部24を開放した状態に位置したとき、被操作部45が収容される部分となる。
第1の開口部24を構成する記録再生用開口部24aの一方の側縁部及び回転駆動用開口部24bの一方の側縁には、一対の第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1の開口部24を閉塞しているとき、カートリッジ本体2内に塵埃等が浸入することを防止する凸部27が複数形成されている。
また、外周壁21の背面側には、上述した上シェル6側のねじ穴が形成されたボス10に付き合わされる貫通孔が形成されたボス22が形成されている。図2及び図3に示すように、上シェル6と下シェル7とは、下シェル7のボス22の貫通孔よりねじ23を挿通し、上シェル6のボス10のねじ穴に螺合することによって結合される。
更に、下シェル7の前面には、両脇に、ディスクカートリッジ1を記録及び/又は再生装置に挿入される際に記録及び/又は再生装置側の挿入ガイド部材が係合する挿入ガイド溝25a,25bが形成されている。挿入ガイド溝25a,25bは、前面開口端側が最も幅広に形成され、挿入ガイドピンが進入し易く形成されている。
更に、下シェル7の背面側の一方のコーナ部近傍には、図2及び図5に示すように、ディスクカートリッジ1を記録及び/又は再生装置に位置決めして装着するための基準穴となるロケーションホール26aが形成されている。また、他方のコーナ部近傍には、調整用のアライメントホール26bが形成されている。
なお、上シェル6と下シェル7とが付き合わされて構成されたカートリッジ本体2の記録及び/又は再生装置への挿入方向と平行な両側面部には、図1及び図2に示すように、前面側から背面側に亘って、記録及び/又は再生装置へ挿入する際のガイド溝15が形成されている。
上シェル6と下シェル7とが付き合わされると、内周壁11の内側にローテーションホイール4を収納する収納部が構成される。この収納部に収納されるローテーションホイール4は、図6及び図7に示すように、樹脂材料を射出成形することにより形成されている。このローテーションホイール4の主面部は、略皿状をなし、凹部側がカートリッジ本体2内に配設されたとき、上シェル6と第1及び第2のシャッタ板5a,5bの一方の主面部とでディスク収納部を構成する。このローテーションホイール4は、略円形に形成されており、その外周縁部には、リング部43が立設されている。ローテーションホイール4の主面部には、下シェル7に設けられた第1の開口部24と略同じ大きさの第2の開口部44が形成されている。
この第2の開口部44は、下シェル7の第1の開口部24と一致したとき、収納した光ディスク3を外部に臨ませる。すなわち、この第2の開口部44は、第1の開口部24の光ピックアップ用開口部24aに対応した開口部と回転駆動用開口部24bに対応した開口部で構成されている。また、この第2の開口部44は、第1の開口部24との誤差を吸収するため、中心側から外周側に向かって徐々に拡幅するように形成され、ローテーションホイール4の製造誤差や取付誤差によって、第1の開口部24が小さくならないようにしている。例えば、第2の開口部44は、径方向の両側縁又は何れか一方の側縁が1°程度外側に傾斜するように形成されている。
また、リング部43の基端部は、主面部側へ傾斜するテーパ部42が形成されている。テーパ部42は、光ディスク3の外周縁を線接触で支持し、光ディスク3の信号記録面がローテーションホイール4の主面部と面接触し、傷が付かないようにしている。
ローテーションホイール4の第2の開口部44近傍には、図7及び図8に示すように、外側に突出して、記録及び/又は再生装置側のシャッタ開放機構を構成するシャッタ開放ピン41が係合する被操作部45が形成されている。被操作部45は、第1の被操作片45aと第2の被操作片45bとにより記録及び/又は再生装置側を開放した凹部を構成しており、ここに、記録及び/又は再生装置側のシャッタ開放ピン41が係合される。第1の被操作片45aは、ローテーションホイール4を、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を開放する方向に回動するときに、シャッタ開放ピン41が突き当たる片であり、第2の被操作片45bは、ローテーションホイール4を、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞する方向に回動するときに、シャッタ開放ピン41が突き当たる片となる。
以上のように構成された被操作部45は、ローテーションホイール4の回動に伴って、第1の開口部24が形成された下シェル7の前面より外部に露出し、第1の開口部24の幅方向に移動する。被操作部45は、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1の開口部24を開放しているとき、テーパ部24cにより拡幅された部分に位置する。
この被操作部45には、第1の被操作片45aと第2の被操作片45bの基端部に、第1のシャッタ板5aに係合する係合溝45cが形成されている。係合溝45cは、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、第1のシャッタ板5aに係合することで、第1のシャッタ板5aの浮き上がりや浮き沈みを防止する。したがって、第1の開口部24の周縁部と第1のシャッタ板5aとの隙間が無くなり、カートリッジ本体2内に塵埃等が浸入することを防止することができる。
以上のように構成されたローテーションホイール4は、後述する付勢部材48により第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞する方向に付勢されており、被操作部45が記録及び/又は再生装置側のシャッタ開放ピン41によって、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を開放する方向に回動される。このとき、内周壁11は、ローテーションホイール4が回動するときのガイド壁として機能する。
下シェル7に形成された第1の開口部24やローテーションホイール4に形成された第2の開口部44を開閉するシャッタ機構を構成する一対の第1及び第2のシャッタ板5a,5bは、図8に示すように、第1のシャッタ板5aが大きく、第2のシャッタ板5bが第1のシャッタ板5aに対して小さく形成されている。
大きい方の第1のシャッタ板5aは、第1及び第2の開口部24,44を閉塞する第1のシャッタ部51と、上シェル6の内面であって外周壁8と内周壁11との間に形成された第1の支軸52に回動支持される第1の回動支持部53と、小さい方の第2のシャッタ板5bが取り付けられる第2の軸孔54とを備える。
第1のシャッタ部51は、第2の開口部44の閉塞時にローテーションホイール4の第2の開口部44の一側縁に位置する第1の側縁部51aと、第1の側縁部51aに連続した第2の側縁部51bと、第2の側縁部51bに連続した第3の側縁部51cとを有する。第2の側縁部51bは、第1の側縁部51aより内方に折曲し、第3の側縁部51cは、第2の側縁部51bに対して外側に折曲するように形成されている。更に、第1乃至第3の側縁部51a〜51cと対向する第4の側縁部51dは、上シェル6や下シェル7の一方のコーナ部に形成されたボス10,22、ロケーションホール26a、誤記録防止部材等を逃げるための逃げ部51eとなっている。第2の側縁部51bと第3の側縁部51cとは、互いに逆向きにテーパ部で構成されている。
更に、第1のシャッタ部51には、下シェル7側の面に、下シェル7の第1の開口部24の周縁部に形成された凸部27と係合する溝部51fが形成されている。溝部51fは、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、第1の開口部24の周縁部に形成された凸部27と係合することで、カートリッジ本体2内に塵埃等が浸入することを防止する。
更に、第1のシャッタ部51には、光ディスク3側の面に、第1のシャッタ板5aの変位を規制する第1及び第2の規制突起51h,51gが形成されている。第1及び第2の規制突起51h,51gは、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、光ディスク3のセンタ孔3aの周囲の内周側非信号記録領域に対応する位置に設けられ、仮に第1のシャッタ板5aが押されて内側に変位したときであっても、光ディスク3の信号記録領域を傷つけないようにしている。この第1及び第2の規制突起51h,51gは、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を開放しているとき、ローテーションホイール4の中央よりに第2の開口部44側が開口された逃げ溝55,56に進入し、第1のシャッタ板5aの回動を阻害しないようになっている。この逃げ溝55,56も、有底の溝であり、光ディスク3が収納されているローテーションホイール4の反対側と分離し、第1及び第2の規制突起51h,51gとの接触等により発生する摩耗粉等の異物が光ディスク3が収納されている空間に進入しないようにしている。なお、何れか一の規制突起で第1のシャッタ板105aの変位を規制するようにしても良い。
更に、第1のシャッタ部51には、駆動突起51iが形成されており、この駆動突起51iは、ローテーションホイール4の主面部に形成された駆動溝49に係合する。駆動溝49は、有底溝であり、光ディスク3が収納されたローテーションホイール4内に摩耗粉等の異物が浸入しないようにしている。駆動突起51iは、ローテーションホイール4の回動に伴って第1のシャッタ板5aを回動制御する。この駆動溝49は、第1のシャッタ板5aが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているときの駆動突起51iの位置、すなわち一端部に第1の非作用部49aが形成され、第1の非作用部49aに連続して作用部49bが形成され、第1のシャッタ板5aが第1及び第2の開口部24,44を開放するときの駆動突起51iの位置、すなわち他端部に第2の非作用部49cが形成されている。第1及び第2の非作用部49a,49cは、ローテーションホイール4の回動時における駆動突起51iの軌跡と一致させる又は幅広に形成し、駆動突起51iと溝とを非接触にすることにより形成することができ、作用部49bは、駆動突起51iの軌跡と異ならせることによって形成することができる。駆動突起51iが第1及び第2の非作用部49a,49cにあるとき、ローテーションホイール4のみが回動し、第1のシャッタ板5aは、回動しないことになる。このとき、各非作用部49a,49cは、第1のシャッタ板5aのばたつき等を防止するための姿勢制御の機能を果たす。
したがって、第1のシャッタ板5aの回動開始に当たって、記録及び/又は再生装置側のシャッタ開放機構の駆動力は、付勢部材48に抗してローテーションホイール4を回動する駆動力とローテーションホイール4の第2の開口部44の近傍に形成されている第1の突部59aと第1のシャッタ板5aの第1の凹部58aの係合状態を解除するための駆動力のみを必要とし、第1のシャッタ板5aの回動をするための駆動力が必要なくなり、全体としての駆動力を小さくすることができる。また、第2の非作用部49cは、ローテーションホイール4の回動量の誤差吸収のために形成されており、駆動突起51iが第2の非作用部49cにあるとき、ローテーションホイール4が回動し、第1のシャッタ板5aは回動しないことになる。
第1のシャッタ板5aの第1の回動支持部53には、筒状部が形成され、中心に、上シェル6に形成された第1の支軸52が挿通される第1の軸孔53aが形成されている。したがって、第1のシャッタ板5aは、上シェル6に対して回動可能に取り付けられ、ローテーションホイール4上で回動する。なお、第1のシャッタ板5aは、下シェル7に第1の支軸52に代わって形成した支軸によって軸支するようにしても良い。
上シェル6の第1の支軸52に回動可能に取り付けられた第1のシャッタ板5aとローテーションホイール4とは、コイルバネ等で構成された付勢部材48によって連結され、この付勢部材48は、ローテーションホイール4を第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞する図9中矢印A方向に回動付勢している。この付勢部材48は、図9に示すように、一端がローテーションホイール4のリング部43に形成された係止片48aに係止され、他端が第1のシャッタ板5aの第1の回動支持部53の第1の軸孔53aの近傍に形成された係止突起48bに係止されている。この付勢部材48は、上シェル6の第1の支軸52に回動可能に取り付けられた第1のシャッタ板5aの第1の回動支持部53の係止突起48bとローテーションホイール4の係止片48aに係止されることで、ローテーションホイール4のリング部43の外周に沿うように湾曲して配設されることとなる。そして、付勢部材48は、常時、ローテーションホイール4を第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞する図9中矢印A方向に回動付勢し、第1及び第2の開口部24,44を開放する方向に回動するとき伸長する。
なお、第1のシャッタ板5aの第1の回動支持部53に形成された係止突起48bは、第1の軸孔53aの近傍に形成する、すなわち回動支点の近くに形成することによって、第1のシャッタ板5aの回動時に描く円弧状の軌跡の半径を小さくし、係止突起48bが上下シェル6,7の外周壁8,21等に衝突し無いようにしている。
ところで、図8及び図9に示すように、第1のシャッタ板5aとローテーションホイール4には、第1のシャッタ板5aがローテーションホイール4の主面部から脱落することを防止する第1の脱落防止機構31が設けられている。この第1の脱落防止機構31は、第1のシャッタ板5aの第1の回動支持部53に隣り合って形成された突片32aに形成された脱落防止突起32と、ローテーションホイール4の主面部に内側から外周に向かって形成された脱落防止溝33とを備えている。
第1シャッタ板5a側の脱落防止突起32は、図8及び図9に示すように、突片32aに一体的に形成された軸部32bの先端部に張り出し形成された抜け止め部32cが形成されてなる。一方、ローテーションホイール4の主面部に形成された脱落防止溝33は、図6、図7及び図9に示すように、被操作部45の略反対側に、中程から外周部に向かい外周部が開放されている。脱落防止溝33は、開口端が幅広に形成され、脱落防止突起32が進入し易いように形成されている。また、脱落防止溝33は、図10に示すように、貫通溝であり、光ディスク3の載置面側の貫通溝の両側に薄肉部33aが形成されている。脱落防止突起32の抜け止め部32cは、薄肉部33aに係合することで抜け止めが図られる。脱落防止溝33は、溝幅W1が挿通される脱落防止突起32の軸部32bの直径W2より大きくなるように形成され、脱落防止突起32が脱落防止溝33に進入しているとき、軸部32bが脱落防止溝33の両端面33bに、すなわち脱落防止溝33の幅方向非接触となるように形成されている。これにより、脱落防止突起32が脱落防止溝33に接触することが無くなり、カートリッジ本体2内で摩耗粉等の異物が発生することを防止することができる。また、薄肉部33aにおける深さDは、抜け止め部32cの厚さTより深くなるように、すなわちD>Tとなるように形成されて、光ディスク3と抜け止め部32cが接触しないようにしている。薄肉部33aは、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞する状態にあるとき、抜け止め部32cが光ディスク3側に突出しないようにする。
また、薄肉部33aにおける深さDは、抜け止め部32cの厚さTより薄く形成されて、光ディスク3と抜け止め部32cが接触しないようにしている。
この脱落防止突起32は、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、脱落防止溝33に係合し、第1のシャッタ板5aがローテーションホイール4の主面部より脱落しないようにしている。ディスクカートリッジ1に大きな衝撃が加わり第1のシャッタ板5aがローテーションホイール4の主面部より脱落するおそれのあるのは、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞している非使用時であるからである。
また、第1及び第2のシャッタ部材5a,5bは、ローテーションホイール4と下シェル7との間に配設される部材であり、第1のシャッタ部材5aの第1の回動支持部53に形成された脱落防止突起32は、上シェル6側であるローテーションホイール4側に突出する。下シェル7の内面には、図3、図5及び図11に示すように、背面側に、第1のシャッタ板5aの脱落防止突起32がローテーションホイール4の脱落防止溝33に進入する際に、第1のシャッタ部材5aをローテーションホイール4側に持ち上げるリフタ35が形成されている。このリフタ35は、ローテーションホイール4側がテーパ部35aとなっており、第1のシャッタ板5aを円滑に持ち上げることができるようにしている。
なお、図9に示すように、ローテーションホイール4のリング部43には、脱落防止溝33の近傍に、周回り方向に沿ってストッパ片34が形成されている。図9に示すように、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、脱落防止溝33の開口端の近傍には、第1のシャッタ板5aの第1の回動支持部53が位置し、付勢部材48が延在することになる。したがって、リング部43に沿って延在した付勢部材48は、脱落防止突起32が脱落防止溝33を出入りする際の妨げとなるおそれがある。リング部43の外周に沿って形成されたストッパ片34は、付勢部材48の伸縮時等に付勢部材48が暴れることを規制し、円滑に脱落防止突起32が脱落防止溝33に出入りできるようにしている。
なお、この脱落防止突起32及び脱落防止溝33は、脱落防止突起32を脱落防止溝33に接触させることによって、脱落防止突起32を上述した駆動突起51iに代え、脱落防止溝33を駆動溝49に代えも良い。これにより、駆動突起51iや駆動溝49を形成する必要が無くなり、第1のシャッタ板5aやローテーションホイール4の構成の簡素化を図ることができる。
また、下シェル7には、図11に示すように、第1のシャッタ板5aの先端部のばたつき、すなわち変位を防止する変位規制突起36が一体的に形成されている。この変位規制突起36は、第1のシャッタ板5aが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、第1のシャッタ板5aの先端部に係合し、衝撃が加わったとき等の振動による第1のシャッタ板5aの先端部のばたつきを防止する。第1のシャッタ板5aの先端部は、下シェル7の主面部と変位規制突起36との間に円滑に進入し係合し得るように薄肉部37が形成されている。また、第1のシャッタ板5aは、先端部に薄肉部37を形成することによって全体の薄型化を図っている。一方、第1のシャッタ板5aが配設されるローテーションホイール4の主面部には、図7乃至図9に示すように、リフタ38が形成されている。このリフタ38は、第1のシャッタ板5aを下シェル7側に持ち上げるようにして、第1のシャッタ板5aの先端部の薄肉部37が変位規制突起36に円滑に係合するようにしている。
以上のような第1のシャッタ板5aに係合する第2のシャッタ板5bは、図8及び図9に示すように、第1のシャッタ部51と共に、第1及び第2の開口部24,44を閉塞する第2のシャッタ部61と、第1のシャッタ板5aに形成された第2の軸孔54に取り付けられる第2の回動支持部62とを有する。
第2のシャッタ部61は、第1のシャッタ部51の第2の側縁部51bと係合する第1の側縁部61aと、第1の側縁部61aと連続し第1のシャッタ部51の第3の側縁部51cと係合する第2の側縁部61bと、第2の側縁部61bの反対側に第1の側縁部61aと連続した第3の側縁部61cとを有する。第1の側縁部61aは、第1のシャッタ部51の第2の側縁部51bのテーパ部とは逆向きのテーパ部で構成され、第2の側縁部61bは、第1のシャッタ部51の第3の側縁部51cのテーパ部と逆向きのテーパ部で構成されている。更に、第1の側縁部61aのテーパ部と第2の側縁部61bのテーパ部も逆向きに形成されている。第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞したとき、第1のシャッタ部51の第2の側縁部51bと第2のシャッタ部61の第1の側縁部61aのテーパ部とが噛み合い、更に、第1のシャッタ部51の第3の側縁部51cのテーパ部と第2のシャッタ部61の第2の側縁部61bのテーパ部とが噛み合い、それぞれは、逆向きに噛み合う。したがって、一対の第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、第1及び第2のシャッタ板5a,5bは、互いに噛み合うことで、結合部より内部に塵埃等が浸入することを防止すると共に、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが押されたとき、撓みにくくしている。
また、図8に示すように、第1のシャッタ部51の第1の側縁部51aには、直線状の第1の凹部58aが形成され、第1の側縁部51aに噛み合うローテーションホイール4の第2の開口部44の側縁部には、第1の凹部58aが係合する第1の突部59aが形成されている。また、第1のシャッタ部51の第2の側縁部51bには、直線状の第2の凹部58bが形成され、第2の側縁部51bに噛み合う第1の側縁部61aには、第2の凹部58bに係合する第2の突部59bが形成されている。更に、第1のシャッタ部51の第3の側縁部51cには、直線状の第3の凹部58cが形成され、第3の側縁部51cに噛み合う第2の側縁部61bには、第3の突部59cが形成されている。また、第2のシャッタ部61にも、ローテーションホイール4の第1の突部59aに係合する第4の凹部58eが形成されている。第1乃至第4の凹部58a〜58eと第1乃至第3の突部59a〜59cは、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞したとき、互いに係合し、結合部より内部に塵埃等が浸入し無いようにする。なお、凹部、突部を設けるシャッタ板は、上述の例に限定されるものではなく、この例とは逆であっても同様な効果を得ることができる。
第2の回動支持部62には、図8、図12及び図13に示すように、第2の支軸62aが形成されている。この第2の支軸62aは、第2の脱落防止機構60に脱落防止された状態で第1のシャッタ板5aの第1の回動支持部53に形成された第2の軸孔54に挿通される。具体的に、この第2の支軸62aは、第2の脱落防止機構60として、スリット62bを介して形成された弾性片62c,62dで構成され、更に、各弾性片62c,62dの先端部には、先端側から広がる抜け止め部となる係止部62e,62fが形成されている。これら係止部62e,62fは、外面がR面(曲面)又はC面(傾斜面)で構成されたガイド部となっている。係止部62e,62fは、基端側が第2の支軸62aが挿通される第1のシャッタ板5aの第2の軸孔54の径より大きくなるように形成されている。また、第2の軸孔54の周囲には、係止部62e,62fが係止される凹部54aが形成されている。第2の支軸62aは、係止部62e,62fのガイド部にガイドされて第2の軸孔54に挿通される。このとき、弾性片62c,62dは、互いに近接する方向に弾性変位することで第2の支軸62aが第2の軸孔54に挿通されるようにし、係止部62e,62fが挿通したとき、弾性復帰する。これにより、係止部62e,62fは、第2の軸孔54の周囲の凹部54aの底面に係止されることになる。凹部54aは、係止部62e,62fが位置することで、ディスクカートリッジ1の全体の薄型化を図るようにしている。このように、第2の支軸62aは、係止部62e,62fによって第2の軸孔54に確実に係止され、落下等の衝撃によっても第2の軸孔54から外れないようになっている。なお、弾性片62c,62dの数は、2本に限定されるものではなく、3本以上であっても良い。
なお、第2の支軸62aが樹脂材料で形成されているとき、上述した係止部62e,62fは、弾性片62c,62dの先端部を超音波又は熱によって溶融することで形成するようにしても良い。また、第2の支軸62aは、スリット62bを設けることなく、すなわち分割すること無く形成し、第2の軸孔54に挿通されたのち、先端部を超音波又は熱で溶融して係止部を設けるようにしても良い。また、以上の例では、第2のシャッタ板5b側に第2の支軸62aを設け、第1のシャッタ板5a側に第2の軸孔54を設けた場合を説明したが、第2のシャッタ板5b側に第2の軸孔54を設け第1のシャッタ板5a側に第2の支軸62aを設けるようにしても良い。
また、第2の支軸62aは、図12に示すように、第2の回動支持部62に一体的に設けられた台座部62gに設けられている。台座部62gは、第2の支軸62aが設けられた部分を補強する補強部であり、他の部分より肉厚に形成されている。台座部62gは、ローテーションホイール4側に他の領域より肉厚に形成されている。そこで、ローテーションホイール4には、台座部62gを逃げるための逃げ溝46が形成されている。また、図5に示すように、下シェル7の内面には、第2の支軸62aの先端部の逃げとなる凹部63eが形成されている。
また、図8及び図13に示すように、第2のシャッタ部61には、ローテーションホイール4に形成された第1の制御突起63が係合される貫通溝で構成された第1のカム部64が形成されている。この第1のカム部64は、第1の制御突起63が係合することで、第2のシャッタ板5bの回動を制御する。第1のカム部64は、第2のシャッタ板5bの回動支点となる第2の支軸62aから離れた側の第1の作用部64aと、第2の支軸62aに近い側の第1の作用部64aと連続した第1の非作用部64bとを有する。連続した第1の作用部64aは、第1の方向に湾曲し、第1の非作用部64bは、第2の方向に湾曲し、第1の作用部64aと第1の非作用部64bとは、互いに逆向きに湾曲した貫通溝で形成されている。第2の支軸62aから離れた側の第1の作用部64aは、第2のシャッタ板5bが第1及び第2の開口部24,44を開放する際の前半部分で第2のシャッタ板5bを回動させる際に作用し、第2の支軸62aに近い側の第1の作用部64aと連続した第1の非作用部64bは、第2のシャッタ板5bが第1及び第2の開口部24,44を開放する際の後半部分で何も作用しない部分となる。
なお、第1の作用部64aは、ローテーションホイール4の回動時における第1の制御突起63の軌跡と異ならせることによって形成することができ、第1の非作用部64bは、第1の制御突起63の軌跡と一致させる又は幅広に形成し、第1の制御突起63と溝とを非接触にすることにより形成することができる。
図13に示すように、この第1の制御突起63は、第3の脱落防止機構63aによって確実にローテーションホイール4上に配置されている。第3の脱落防止機構63aとなるローテーションホイール4の第1の制御突起63は、軸部63bの先端部に張り出し形成された抜け止め部63cが形成されてなる。この抜け止め部63cは、全周ではなく突起状に突出するように形成され、成形金型を簡素化するようにしている。一方、第1のカム部64を構成する貫通溝は、その幅が軸部63bが挿通可能に形成されており、その両側に、抜け止め部63cが係止される薄肉部63dが形成されている。抜け止め部63cは、薄肉部63dに係合することによって、薄型化が図られている。なお、下シェル7の内面には、図5に示すように、更に、抜け止め部63cの逃げとなる凹部62hが形成されている。
なお、この第3の脱落防止機構63aも、上述した第2の脱落防止機構60のように構成しても良い。
また、図8に示すように、第2のシャッタ部61には、ローテーションホイール4の主面部に形成された溝で構成された第2のカム部65に係合する第2の制御突起66が形成されている。第2のカム部65は、ローテーションホイール4の中央側で第1の方向に湾曲した第2の非作用部65aと、ローテーションホイール4の外周側で第1の方向とは反対向きの第2の方向に湾曲した第2の作用部65bとからなる。この第2のカム部65は、有底溝で形成され、光ディスク3の収納されたローテーションホイール4内に摩耗粉等の塵埃等の異物が浸入しないようにしている。第2の非作用部65aは、第2のシャッタ板5bが第1及び第2の開口部24,44を開放する際の前半部分で何も作用せず、第2の作用部65bは、第2のシャッタ板5bが第1及び第2の開口部24,44を開放する際の後半部分で作用する。したがって、第2の非作用部65aは、第2のシャッタ板5bが第1及び第2の開口部24,44を開放する際の前半部分で何も作用せず、第2の制御突起66が第2の非作用部65aから第2の作用部65bに移動すると、すなわち第2のシャッタ板5bの回動の後半部分で、第2の作用部65bは、上述の第1のカム部64の第1の作用部64aに代わって、第2のシャッタ板5bを回動する。このように、ディスクカートリッジ1は、第2のシャッタ板5bが第1及び第2の開口部24,44を開放時において、前半部分と後半部分とで作用部を分けることによって、摩耗によって塵埃等が発生することを防止するようにしている。
なお、第2の非作用部65aは、ローテーションホイール4の回動時における第2の制御突起66の軌跡と一致させる又は幅広に形成し、第2の制御突起66と溝とを非接触にすることにより形成することができ、第2の作用部65bは、第2の制御突起66の軌跡と異ならせることによって形成することができる。
ところで、上述したローテーションホイール4に形成された第1の制御突起63が係合される第1のカム部64は、図8及び図13に示すように、第2のシャッタ板5bの回動支点となる第2の支軸62aから離れた側であって第1の作用部64aの上手側、すなわち第1の非作用部64bとは反対側に第3の非作用部64cが形成されている。この第3の非作用部64cには、第2のシャッタ板5aが第1及び第2の開口部24,44を閉塞する位置にあるときに第1の制御突起63が位置している。第3の非作用部64cは、ローテーションホイール4が第2のシャッタ板5bが第1及び第2の開口部24,44を開放する方向に回動を開始したとき、第1の制御突起63の軌跡と一致又は幅広とするように形成されている。したがって、第1の制御突起63が第3の非作用部64cにあるとき、ローテーションホイール4のみが回動し、第2のシャッタ板5bは回動しない。そして、ローテーションホイール4の第2の開口部44の近傍に形成されている第1の突部59aと第2のシャッタ板5bの第4の凹部58eの係合状態が解除されるのみとなる。このとき、第3の非作用部64cは、第2のシャッタ板5bのばたつき等を防止するための姿勢制御の機能を果たす。次いで、第1の制御突起63が第3の非作用部64cに次ぐ第1の作用部64aに移動したとき、第2のシャッタ板5bの回動は開始することになる。なお、この後、第1の制御突起63は、第1の非作用部64bに移動することになる。
以上のように、ディスクカートリッジ1が記録及び/又は再生装置に装填されて回動を開始したとき、記録及び/又は再生装置側のシャッタ開放機構の駆動力は、付勢部材48に抗してローテーションホイール4を回動する駆動力とローテーションホイール4の第2の開口部44の近傍に形成されている第1の突部59aと第2のシャッタ板5bの第4の凹部58eの係合状態が解除するための駆動力を必要とし、第2のシャッタ板5bの回動をするための駆動力を必要としないことから、全体としての駆動力を小さくすることができる。そして、第1の制御突起63が第1の作用部64a及び第1の非作用部64bに移動したときには、付勢部材48に抗してローテーションホイール4を回動する駆動力と第1及び第2のシャッタ板5a,5bの回動をするための駆動力を必要とするだけで良く、ローテーションホイール4の第2の開口部44の近傍に形成されている第1の突部59aと第2のシャッタ板5bの第4の凹部58eの係合状態が解除するための駆動力は必要が無くなり、シャッタ開放機構の全体の駆動力を小さくすることができる。なお、第2のシャッタ板5bは、第1の制御突起63が第1の非作用部64bにあるとき、第2の制御突起66が第2のカム部65の第2の作用部65bによって回動されることになる。
また、第2のカム部65の第2の作用部65bの下手、すなわち第2の非作用部65aの反対側には、更に、第4の非作用部65cが形成されている。この第4の非作用部65cは、第2のシャッタ板5bが第1及び第2の開口部24,44を開放したとき、第2の制御突起66が最後に位置する部分である。この第4の非作用部65cは、ローテーションホイール4が第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を開放した最後の部分で、第2の制御突起66の軌跡と一致又は幅広とするように形成されている。したがって、第2の制御突起66が第2の作用部65bから移動して第4の非作用部65cにあるとき、ローテーションホイール4が回動し、第2のシャッタ板5a,5bは回動しない。この第4の非作用部65cは、ローテーションホイール4の回動量の誤差吸収のために形成されており、第2の制御突起66が第4の非作用部65cにあるとき、ローテーションホイール4が回動し、第2のシャッタ板5bは回動しないことになる。
ここで、ローテーションホイール4の回動、第2のシャッタ板5a,5bの回動に関して、第1及び第2の制御突起63,66及び第1及び第2のカム部64,65の関係をまとめて説明する。先ず、ディスクカートリッジ1の非使用時、すなわち第2のシャッタ板5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞する位置にあるとき、第1の制御突起63は、第1のカム部64の第3の非作用部64cにあり、ローテーションホイール4が回動を開始すると、第3の非作用部64cから第1の作用部64aに移動し、第2のシャッタ板5bの回動を開始する。このとき、第2の制御突起66は、第2のカム部65の第2の非作用部65aに位置し、何も作用していない。
更に、ローテーションホイール4が回動すると、第1の制御突起63は、第1のカム部64の第1の作用部64aから第1の非作用部64bに移動する。そして、第2の制御突起66は、第2のカム部65の第2の非作用部65aから第2の作用部65bに移動する。すなわち、第2のシャッタ板5bは、第1のカム部64の第1の非作用部64bに係合している第1の制御突起63に代わって第2のカム部65の第2の作用部65bに係合している第2の制御突起66によって回動されるようになる。
そして、最後に、第2の制御突起66は、第2のカム部65の第2の作用部65bから第4の非作用部65cに移動する。このとき、第1の制御突起63は、依然として第1のカム部64の第1の非作用部64bに位置している。かくして、第2のシャッタ板5a,5bによる第1及び第2の開口部24,44の開放動作が完了する。
以上のように構成されるディスクカートリッジ1の組立方法について説明する。先ずディスクカートリッジ1を組み立てるには、先ず、図12に示すように、第1のシャッタ板5aの第2の軸孔54に第2のシャッタ板5bの第2の支軸62aを取り付けることによって、第2の脱落防止機構60によって脱落が防止された状態で第1のシャッタ板5aと第2のシャッタ板5bとが組み合わされる。すなわち、第2の支軸62aを第2の軸孔54に挿通し、係止部62e,62fを第2の軸孔54の周囲の凹部54aの底面に係止させることによって、第1のシャッタ板5aと第2のシャッタ板5bとが組み合わされる。
次いで、組み合わされた第1及び第2のシャッタ板5a,5bは、ローテーションホイール4上に配設される。すなわち、第1及び第2のシャッタ板5a,5bは、第1のシャッタ板5aの第1の脱落防止機構31を構成する脱落防止突起32をローテーションホイール4の脱落防止溝33に係合させ、また、第3の脱落防止機構63aが構成されたローテーションホイール4の第1の制御突起63aを抜け止め部63cを第2のシャッタ板5bの第1のカム部64の溝に係合させ、更に、第1のシャッタ板5aの駆動突起51iをローテーションホイール4の駆動溝49に係合させ、更に、第2のシャッタ板5aの第2の制御突起66を第2のシャッタ板5bの第2のカム部65に係合させることによって、ローテーションホイール4上に配設される。
ローテーションホイール4に第1及び第2のシャッタ板5a,5bを配設すると、次いで、図9に示すように、付勢部材48が一端をローテーションホイール4のリング部43に形成された係止片48aに係止し、他端を第1のシャッタ板5aの第1の回動支持部53の第1の軸孔53aの近傍に形成された係止突起48bに係止することによって取り付けられる。付勢部材48がローテーションホイール4と第1のシャッタ板5aに掛け渡されると、次いで、第1及び第2のシャッタ板5a,5b及び付勢部材48が取り付けられたローテーションホイール4は、上シェル6の内面に形成された第1の支軸52を、第1のシャッタ板5aの第1の軸孔53aに挿通させた状態で、被操作部45を前面側にして上シェル6に回転可能に配設される。この際、ローテーションホイール4は、第1のシャッタ板5aとローテーションホイール4との間に付勢部材48を掛け合わせた状態で上シェル6に取り付けられることから、ローテーションホイール4を上シェル6に配設してから付勢部材48を第1のシャッタ板5aとローテーションホイール4との間に掛け渡す場合に比べて組立作業を容易に行うことができる。
この後、ディスクカートリッジ1は、ローテーションホイール4及び第1及び第2のシャッタ板5a,5bが配設された上シェル6に、下シェル7を組み合わせ、ねじ23によって結合することにより完成する。
上述したような構成を有するディスクカートリッジ1が記録及び/又は再生装置に装着される前には、図1、図2及び図14に示すような状態にある。すなわち、一対の第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、ローテーションホイール4は、付勢部材48の付勢力により図14中矢印D方向に回動付勢された状態にあり、被操作部45は、第1の開口部24の一側縁に位置し、また、下シェル7の第1の開口部24とローテーションホイール4の第2の開口部44の位置は不一致の状態にある。そして、被操作部45の係合溝45cは、図2に示すように、第1のシャッタ板5aが係合することで、第1のシャッタ板5aの浮き上がりや浮き沈みを防止している。更に、図8に示すように、第1のシャッタ部51の第2の側縁部51bと第2のシャッタ部61の第1の側縁部61aのテーパ部とが噛み合い、更に、第1のシャッタ部51の第3の側縁部51cのテーパ部と第2のシャッタ部61の第2の側縁部61bのテーパ部とが噛み合い、それぞれは、逆向きに噛み合っている。すなわち、ディスクカートリッジ1は、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが噛み合い、撓み変形しにくくされていると共に、第1のシャッタ板5aの浮き上がりが防止されていることで、カートリッジ本体2内に塵埃等の異物が浸入しないようにしている。また、第1乃至第4の凹部58a〜58eと第1乃至第3の突部59a〜59cは、互いに係合し、結合部より内部に塵埃等が浸入し無いようにしている。
このとき、図14に示すように、第1のシャッタ板5aの駆動突起51iは、ローテーションホイール4の駆動溝49の一端部の第1の非作用部49aに位置し、第1のシャッタ板5aは、第1及び第2の開口部24,44を閉塞する位置にある。また、第2のシャッタ板5bの第1のカム部64には、第1の制御突起63が第3の非作用部64cに係合し、第2のシャッタ板5bの第2の制御突起66は、ローテーションホイール4の第2のカム部65の第2の非作用部65aに係合し、第2のシャッタ板5bは、図2に示すように、下シェル7の第1の開口部24を閉塞した状態となっている。
また、第1のシャッタ板5aのガイド突起51g及び規制突起51hは、第2の開口部44内に位置している。この第1のシャッタ板5aのガイド突起51g及び規制突起51hは、ローテーションホイール4内に収納されている光ディスク3のセンタ孔3aの周囲の内周側非信号記録領域に対応して位置している。したがって、仮に、第1のシャッタ板5aが押されたときであっても、第1のシャッタ板5aのガイド突起51g及び規制突起51hは、光ディスク3の内周側非信号記録領域に突き当たり、第1のシャッタ部51が光ディスク3の信号記録領域に接触することもないことから、信号記録領域に傷が付くことを防止することができる。
以上のような、ディスクカートリッジ1の非使用時においては、ユーザが記録及び/又は再生装置に挿入する際や持ち運びの際等に誤ってディスクカートリッジ1を落下させてしまうことがある。すなわち、ディスクカートリッジ1は、非使用時において大きな衝撃が加わることが多い。そこで、このディスクカートリッジ1では、第1の脱落防止機構31を設けることによって、第1のシャッタ板5aがローテーションホイール4上から脱落することを防止している。すなわち、ディスクカートリッジ1の非使用時において、脱落防止突起32は、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、脱落防止溝33に係合し、第1のシャッタ板5aがローテーションホイール4の主面部より脱落しないようにしている。
また、このディスクカートリッジ1には、第2のシャッタ板5bが第1のシャッタ板5aから脱落する第2の脱落防止機構60が設けられている。すなわち、第1の脱落防止機構31によってローテーションホイール4上から脱落が防止された第1のシャッタ板5aに取り付けられる第2のシャッタ板5bは、第1のシャッタ板5aの第2の軸孔54に第2のシャッタ板5bの第2の支軸62aの係止部62e,62fを係止させることによって、第1のシャッタ板5a上からの脱落が防止されている。
更に、ディスクカートリッジ1は、第3の脱落防止機構63aによって、第2のシャッタ板5bがローテーションホイール4上からの脱落が防止されている。すなわち、ローテーションホイール4に形成されている第1の制御突起63は、先端部に形成された抜け止め部63cが第1のカム部64を構成する貫通溝の薄肉部63dに係合されることによって、第2のシャッタ板5bのローテーションホイール4上からの脱落が防止されている。
以上のように、ディスクカートリッジ1は、第1のシャッタ板5bが第1の脱落防止機構31によりローテーションホイール4上からの脱落が防止され、第2のシャッタ板5bが第2の脱落防止機構60によって第2のシャッタ板5b上からの脱落が防止され、更に、第3の脱落防止機構63aによって第2のシャッタ板5bのローテーションホイール4上から脱落が防止されているので、非使用時に大きな衝撃が加わったとしても、ローテーションホイール4上から第1及び第2のシャッタ板5a,5bからの脱落を防止することができ、ローテーションホイール4が回動しなくなったり、また、第1及び第2のシャッタ板5a,5bが回動しなくなったりといった故障を防止することができる。
また、ディスクカートリッジ1は、非使用時において、第1のシャッタ板5aの先端部の薄肉部37が下シェル7の変位規制突起36に係合しているので、大きな衝撃がカートリッジ本体2に加わったとしても、ばたつくことを防止することができる。したがって、例えば、第1のシャッタ板5aの先端部が衝撃によりばたついてローテーションホイール4の第2の開口部44からローテーションホイール4内に入り込んでしまい、収納されている光ディスク3を傷つけたり、また、第1のシャッタ板が回動しなくなることを防止することができる。この変位規制突起36は、下シェル7に一体成形成形されているので、変位規制突起36を形成するための2次加工が不要となり、製造工程の簡素化を図ることができる。
以上のようなディスクカートリッジ1は、記録及び/又は再生装置に対して略円弧状に形成された前面を挿入端として挿入される。記録及び/又は再生装置に挿入されると、先ず、記録及び/又は再生装置の装着部に形成された一対の挿入ガイドピンが挿入ガイド溝25a,25bに挿入される。そして、ディスクカートリッジ1は、挿入ガイドピンにガイドされて記録及び/又は再生装置の装着部に装着されたとき、装着部の位置決めピンが、ロケーションホール26aとアライメントホール26bに係合することによって、記録及び/又は再生装置内の装着部に正確に位置決めされた状態で装着される。そして、ローテーションホイール4の被操作部45には、記録及び/又は再生装置側のシャッタ開放機構を構成するシャッタ開放ピン41が係合する。すると、ローテーションホイール4は、ローテーションホイール4の被操作部45に係合している記録及び/又は再生装置側のシャッタ開放ピン41によって図14中矢印A方向に回動される。ローテーションホイール4は、シャッタ開放ピン41によって、付勢部材48の付勢力に抗して図14中反矢印A方向に回動される。
ローテーションホイール4の開始時において、第1のシャッタ板5aは、第1のシャッタ部51に形成されている駆動突起51iがローテーションホイール4に形成された駆動溝49の第1の非作用部49a内を作用部49bに向かって移動することから、回動することはない。また、ローテーションホイール4の開始時において、第2のシャッタ板5bは、ローテーションホイール4に形成された第1の制御突起63が第1のカム部64の第3の非作用部64c内を第1の作用部64aに向かって移動し、第2のシャッタ板5bの第2の制御突起66が第2のカム部65の第2の非作用部65a内を第2の作用部65bに向かって移動することから、回動することはない。すなわち、ローテーションホイール4の回動開始時においては、ローテーションホイール4のみが図14中反矢印A方向に回動し、第1及び第2のシャッタ板5a,5bは回動しない。ローテーションホイール4のみが回動することによって、ローテーションホイール4の第2の開口部44の近傍に形成されている第1の突部59aと第1のシャッタ板5aの第1の凹部58a及び第2のシャッタ板5bの第4の凹部58eの係合状態が解除される。ローテーションホイール4の回動開始時において、記録及び/又は再生装置側のシャッタ開放機構の駆動力は、付勢部材48に抗してローテーションホイール4を回動する駆動力とローテーションホイール4の第2の開口部44の近傍に形成されている第1の突部59aと第1のシャッタ板5aの第1の凹部58a及び第2のシャッタ板5bの第4の凹部58eの係合状態が解除するための駆動力だけで良く、第1及び第2のシャッタ板5a,5bの回動をするための駆動力を必要としないことから、全体としての駆動力を小さくすることができる。
更に、ローテーションホイール4が図14中反矢印A方向に回動されると、第1のシャッタ板5aは、第1のシャッタ部51に形成されている駆動突起51iがローテーションホイール4に形成された駆動溝49の第1の非作用部49aから作用部49bに移動することによって、上シェル6の第1の支軸52を中心にして、図14中矢印B方向に回動を開始する。第1のシャッタ板5aの回動に伴って、第2のシャッタ板5bは、ローテーションホイール4に形成された第1の制御突起63が第1のカム部64の第3の非作用部64cから第1の作用部64aに移動し、第2のシャッタ板5bの第2の制御突起66が第2のカム部65の第2の非作用部65a内を第2の作用部65bに向かって移動することによって、第1のシャッタ板5aの第2の軸孔54に取り付けられた第2の支軸62aを中心にして図14中矢印C方向に回動を開始する。すなわち、第2のシャッタ板5bの第2の制御突起66は、第2のカム部65の第2の非作用部65a内を移動しているのみであるから、第2のシャッタ板5bの回動に対して何も作用しておらず、第2のシャッタ板5bは、ローテーションホイール4の第1の制御突起63が第1のカム部64の第1の作用部64aを移動することによって回動される。
更に、ローテーションホイール4が図14中反矢印A方向に回動すると、図15に示すように、第1のシャッタ部51に形成されている駆動突起51iは、ローテーションホイール4に形成された駆動溝49の作用部49b内を移動することによって、シェル6の第1の支軸52を中心にして、図14中矢印B方向に回動する。また、第1のシャッタ板5aの回動に伴って、第2のシャッタ板5bは、ローテーションホイール4に形成された第1の制御突起63が第1のカム部64の第1の作用部64aから第1の非作用部64bに移動し、第2のシャッタ板5bの第2の制御突起66が第2のカム部65の第2の非作用部65aから第2の作用部65bに移動することによって、引き続き第1のシャッタ板5aの第2の軸孔54に取り付けられた第2の支軸62aを中心にして図14中矢印C方向に回動する。すなわち、第2のシャッタ板5bは、図15に示す時点以降の後半部分において、第2のシャッタ板5bの第2の制御突起66が第2のカム部65の第2の作用部65b内を移動することによって回動され、これまで作用していたローテーションホイール4の第1の制御突起63は、第1の作用部64aから第1の非作用部64bに移動することによって作用しなくなる。図15に示す状態を境に、第2のシャッタ板5bを回動させるための制御突起は、第1のカム部64の第1の作用部64aに係合していた第1の制御突起63から第2のカム部65の第2の作用部65bに係合する第2の制御突起66に引き継がれることになる。
更に、ローテーションホイール4が図14中反矢印A方向に回動すると、図16に示すように、下シェル7の第1の開口部24とローテーションホイール4の第2の開口部44の位置が一致した状態となる。このとき、第1のシャッタ部51に形成されている駆動突起51iは、ローテーションホイール4に形成された駆動溝49の作用部49b内を移動し、更に、第2の非作用部49cまで移動することによって、第1のシャッタ板5aをシェル6の第1の支軸52を中心にして、図16中矢印B方向に回動し、第1及び第2の開口部24,44を開放した状態とする。また、第1のシャッタ板5aの回動に伴って、第2のシャッタ板5bは、ローテーションホイール4に形成された第1の制御突起63が第1のカム部64の第1の非作用部64b内を端部まで移動し、第2のシャッタ板5bの第2の制御突起66が第2のカム部65の第2の作用部65b内を移動し、更に、第4の非作用部65cまで移動することによって、引き続き第1のシャッタ板5aの第2の軸孔54に取り付けられた第2の支軸62aを中心にして図16中矢印C方向に回動し、図17に示すように、第1及び第2の開口部24,44を開放した状態とする。
なお、第1のシャッタ板5aは、駆動突起51iが駆動溝49の作用部49bから第2の非作用部49cに以降する時点で開ききり、第2のシャッタ板5bは、第2の制御突起66が第2のカム部65の第2の作用部65bから第4の非作用部65cに移行する時点で開ききる。これに対して、ローテーションホイール4は、僅かに図16中反矢印A方向に回動し、このとき、第1のシャッタ板5aは、駆動突起51iが駆動溝49の第2の非作用部49c内を移動し、第2のシャッタ板5bは、第2の制御突起66が第2のカム部65の第4の非作用部65c内を移動することから、第1及び第2のシャッタ板5a,5bは、回動しないことになる。この最終段階におけるローテーションホイール4のみの回動は、ローテーションホイール4の回動量の誤差吸収のためである。
また、図16に示すように、第2のシャッタ板5bは、回動操作の後半部分で、第2のシャッタ板5bの回動支点となっている第2の支軸62aに近づく第1の制御突起63を用いないようにし、第2の支軸62aより離れている第2の制御突起66を第2のカム部65の第2の作用部65bに係合させることによって、弱い駆動力で回動操作できるようになっている。すなわち、図16に示すように、第2のシャッタ板5bの回動支点である第2の支軸62aから第1のカム部64の第1の非作用部64bに位置している第1の制御突起63までの距離L1よりも第2のカム部65の第2の作用部65b又は第4の非作用部65cに位置している第2の制御突起66までの距離L2の方が長くすることによって、第2のシャッタ板5bを弱い駆動力で回動操作できるようにしている。また、ディスクカートリッジ1は、第1及び第2のシャッタ板5a,5bの回動に当たって前半部分と後半部分とで作用部を分ける、すなわち第1のカム部64の第1の作用部64aと第2のカム部65の第2の作用部65bとを用いるようにし、カートリッジ本体2内において第1及び第2のシャッタ板5a,5bの回動に伴う摩耗粉等の塵埃の発生を防止することができる。
また、図15に示す状態の後から第1の脱落防止機構31の脱落防止突起32は、ローテーションホイール4の回動及び第1のシャッタ板5aの回動に伴ってローテーションホイール4の脱落防止溝33から外れ、光ディスク3の収納空間から待避する。ローテーションホイール4が回動し第1及び第2のシャッタ板5a,5bが回動する一連の過程で、ローテーションホイール4が回動することに伴って付勢部材48は、伸長することになるが、ローテーションホイール4のリング部43に形成されたストッパ片34によって暴れることが規制され、脱落防止突起32は、円滑に脱落防止溝33から待避することができる。
そして、ローテーションホイール4内に回転可能に収納されている光ディスク3は、記録及び/又は再生装置側のディスク回転駆動機構のディスクテーブルにセンタ孔3aが係合すると共に、上シェル6に設けられたクランピングプレート13とディスクテーブルによって挟持され、ディスクテーブルによって回転可能な状態になる。光ディスク3に情報信号を記録し、また、光ディスク3に記録された情報信号を再生するときには、光ディスク3がディスクテーブルによってCLV(constant linear velocity)、CAV(constant angular velocity)又はこれらの組み合わせで回転される。これと共に、第1及び第2の開口部24,44内に進入した光ピックアップは、光ディスク3の信号記録領域に半導体レーザより出射された波長が400nm程度の光ビームを対物レンズで集光し、光ディスク3の信号記録面に照射し、この信号記録面で反射された戻りの光ビームを検出することによって、光ディスク3に情報信号を記録し、又は、光ディスク3に記録された情報信号の読み出しを行う。
なお、ディスクカートリッジ1が記録及び/又は再生装置より排出されると、ローテーションホイール4は、シャッタ開放ピン41が被操作部45より外れることで、付勢部材48の付勢力により図16中矢印A方向に回動し、図15の状態を介して図14の状態に戻る。ローテーションホイール4が図16中矢印A方向に回動する一連の過程で、第1のシャッタ板5aの駆動突起51iは、ローテーションホイール4の駆動溝49の第2の非作用部49cから作用部49bを経て第1の非作用部49aに移動し、第1のシャッタ板5aを、図14乃至図16中反矢印B方向に回動し、第1及び第2の開口部24,44を閉塞した状態にする。また、第2のシャッタ板5bを回動するためのローテーションホイール4の第1の制御突起63は、第1のカム部64の第1の非作用部64bから第1の作用部64aを経て第3の非作用部64cに移動し、第2のシャッタ板5bの第2の制御突起66は、第4の非作用部65cから第2の作用部65bを経て第2の非作用部65aに移動する。これにより、第2のシャッタ板5bは、図14乃至図16中反矢印C方向に回動し、第1及び第2の開口部24,44を閉塞した状態にする。
図15に示すように、第1のシャッタ板5aは、図15中反矢印B方向に回動することよって、先端の薄肉部37が下シェル7の変位規制突起36ち下シェル7の主面部との間に係合する。第1のシャッタ板5aの先端の薄肉部37が変位規制突起36に進入するとき、第1のシャッタ板5aは、ローテーションホイール4のリフタ38によって下シェル7側に持ち上げられることから、薄肉部37を円滑に変位規制突起36と下シェル7の主面部との間に係合させることができる。また、付勢部材48は、このとき収縮するが、ローテーションホイール4のリング部43に形成されたストッパ片34によって暴れることが規制され、脱落防止突起32は、円滑に脱落防止溝33に進入することができる。更に、図15に示すように、第1のシャッタ板5aの脱落防止突起32は、第1のシャッタ板5aが図15中反矢印B方向に回動することによって、脱落防止溝33に進入する。この際、第1のシャッタ板5aは、下シェル7のリフタ35によって持ち上げられ、これにより、脱落防止突起32は、円滑にローテーションホイール4の脱落防止溝33に進入することができる。
以上、本発明を適用した小型のディスクカートリッジ1を例に取り説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、特許文献1に示されたような標準的大きさのディスクカートリッジに適用することもできる。
本発明を適用したディスクカートリッジを上シェル側から見た斜視図である。 上記ディスクカートリッジを下シェル側から見た斜視図である。 上記カートリッジの分解斜視図である。 上記ディスクカートリッジを構成する上シェルの内面側から見た平面図である。 上記カートリッジを構成する下シェルの内面側から見た平面図である。 ローテーションホイールを光ディスクが収納される面側から見た斜視図である。 ローテーションホイールを下シェル側の面から見た斜視図である。 シャッタ板とローテーションホイールとを示す分解斜視図である。 第1及び第2のシャッタ板がローテーションホイール上に組み付けられ、第1及び第2のシャッタ板が閉塞位置にある状態を示す斜視図である。 第1の脱落防止機構の要部断面図である。 下シェルに第1及び第2のシャッタ板が組み付けられ、第1の開口部を閉塞した状態を下シェルの内側から見た斜視図である。 第1のシャッタ板と第2のシャッタ板の関係を示す要部分解斜視図である。 第2及び第3の脱落防止機構を示す要部斜視図である。 第1及び第2のシャッタ板が第1及び第2の開口部を閉塞した状態を上シェル及び光ディスクを除いた状態で示した平面図である。 第1及び第2のシャッタ板が第1及び第2の開口部を開放する途中段階を上シェル及び光ディスクを除いた状態で示した平面図である。 第1及び第2のシャッタ板が第1及び第2の開口部を開放した状態を上シェル及び光ディスクを除いた状態で示した平面図である。 第1の開口部を開放した状態を示すディスクカートリッジの斜視図である。
符号の説明
1 ディスクカートリッジ、2 カートリッジ本体、3 光ディスク、4 ローテーションホイール、5a 第1のシャッタ板、5b 第2のシャッタ板、6 上シェル、7 下シェル、8 外周壁、11 内周壁、13 クランピングプレート、21 外周壁、24 第1の開口部、28 内周壁、31 第1の脱落防止機構、32 脱落防止突起、32a 突片、32b 軸部、32c 抜け止め部、33 脱落防止溝、33a 薄肉部、33b 端面、34 ストッパ片、35 リフタ、35a テーパ部、36 変位規制突起、37 薄肉部、38 リフタ、41 シャッタ開放ピン、42 テーパ部、43 リング部、44 第2の開口部、45 被操作部、48 付勢部材、49 駆動溝、49a 第1の非作用部、49b 作用部、49c 第2の非作用部、51 第1のシャッタ部、51g ガイド突起、51h 規制突起、51i 駆動突起、52 第1の支軸、53 第1の回動支持部、53a 第1の軸孔、54 第2の軸孔、54a 凹部、60 第2の脱落防止機構、61 第2のシャッタ部、62 回動支持部、62a 第2の支軸、62b スリット、62c,62d 弾性片、62e,62f 係止部、63 第1の制御突起、63a 第3の脱落防止機構、63b 軸部、63c 抜け止め部、63d 薄肉部、64 第1のカム部、64a 第1の作用部、64b 第1の非作用部、64c 第3の非作用部、65 第2のカム部、65a 第2の非作用部、65b 第2の作用部、65c 第4の非作用部、66 第2の制御突起

Claims (2)

  1. 記録及び/又は再生用の第1の開口部が形成された下シェルと、この下シェルに付き合わされる上シェルとからなるカートリッジ本体と、
    ディスクを収納し、この収納したディスクを外部に臨ませる上記第1の開口部に対応した第2の開口部が形成されると共に上記カートリッジ本体内に回転可能に収納されるローテーションホイールと、
    上記カートリッジ本体の第1の開口部が形成された底面と上記ローテーションホイールとの間に位置して、上記ローテーションホイールの回転に連動して回動する一対の第1及び第2のシャッタ板を有し、上記ローテーションホイールの回転に伴って上記第1の開口部と上記第2の開口部とが一致したとき、上記第1の開口部と上記第2の開口部とを開放するシャッタ機構とを備え、
    上記第1のシャッタ板は、上記カートリッジ本体に回動可能に取り付けられ、上記ローテーションホイールの回転に伴って回動し、
    上記第2のシャッタ板は、上記第1のシャッタ板に回動可能に取り付けられ、上記第1のシャッタ板の回動に伴って回動し、
    上記下シェルの内面には、この下シェルの内面との間に、上記第1のシャッタ板の先端部が進入して係合することで、上記第1のシャッタ版の先端部のばたつきを規制する変位規制突起が該下シェルと一体的に形成され、
    上記第1のシャッタ板の先端部は、上記第1及び第2の開口部を閉塞しているとき、上記下シェルの内面と上記変位規制突起との間に進入して係合され
    上記ローテーションホイールには、上記第1及び第2の開口部を閉塞するとき、上記第1のシャッタ板を上記下シェルの方向に持ち上げるリフタが形成されているディスクカートリッジ。
  2. 上記第1のシャッタ板は、先端部が薄肉部である請求項1記載のディスクカートリッジ。
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