以下、本発明が適用されたディスクカートリッジについて、図面を参照して説明する。本発明を適用したディスクカートリッジは、標準的大きさのディスクカートリッジの記録及び/又は再生装置にも装着可能な小型のディスクカートリッジである。標準的大きさのディスクカートリッジは、直径略12cmの光ディスクを記録媒体に用いるのに対して、本発明を適用したディスクカートリッジは、標準的大きさのディスクカートリッジの光ディスクより小径の光ディスクを記録媒体に用いる。本発明を適用したディスクカートリッジは、標準的大きさのディスクカートリッジに比べて小径の光ディスクを用い小型であるから、記録容量は標準的大きさのディスクカートリッジに比べ小さいものの、携帯性に優れている。
図1乃至図3に示すように、本発明を適用したディスクカートリッジ1は、カートリッジ本体2の内部に、光ディスク3が収納されるローテーションホイール4と、シャッタ機構となる一対のシャッタ板5a,5bとを収納してなる。このカートリッジ本体2は、互いに組み合わされる一組の上シェル6と下シェル7とを付き合わせて構成されている。
このディスクカートリッジ1に用いられる光ディスク3は、中心部に、記録及び/又は再生装置側のディスク回転駆動機構が係合されるセンタ孔3aが形成されている。なお、光ディスク3としては、記録層に相変化材料を用いる書換型光ディスクであっても良く、更に、記録層に有機色素材料等を用いる追記型の光ディスクであっても良い。更に、使用される記録媒体としては、光ディスクの他、光磁気ディスク、磁気ディスク等であっても良い。
カートリッジ本体2を構成する上シェル6は、図4に示すように、樹脂材料を射出成形することにより形成されている。この上シェル6は、全体略矩形状の主面の内、記録及び/又は再生装置への挿入端側となる前面が略円弧形状とされている。また、この上シェル6には、カートリッジ本体2の側面をなす外周壁8が主面の外周縁部に沿って立設されている。
外周壁8には、前面側の中央部に位置して、記録及び/又は再生装置側の光ピックアップを進入させるための第1のピックアップ進入用凹部9が形成されている。また、外周壁8には、下シェル7と結合するためのねじ穴を形成した複数のボス10が例えば各コーナ部近傍に形成されている。
外周壁8の内周側には、ローテーションホイール4を回転可能に収納する略円環状の内周壁11が外周壁8に内接するように形成されている。この内周壁11には、図5に示すように、前面側の中央部に位置して、記録及び/又は再生装置側の光ピックアップを進入させるための第2のピックアップ進入用凹部12が形成されている。この内周壁11は、内側にローテーションホイール4が回転可能に収納され、ローテーションホイール4が回転するときのガイド壁として機能する。また、上シェル6の主面部は、ローテーションホイール4が収納されたとき、ローテーションホイール4とでディスク収納部を構成する。また、内周壁11の内側基端部であって第2のピックアップ進入用凹部12の近傍には、ローテーションホイール4を持ち上げるリフタ14が形成されている。このリフタ14は、ローテーションホイール4が、シャッタ板5a,5b第1の開口部24を閉塞するとき、下シェル7側に持ち上げる。
上シェル6の内面略中央部には、記録及び/又は再生装置側のディスク回転駆動部を構成するディスクテーブルと共に光ディスク3を挟持するクランピングプレート13が取り付けられている。このクランピングプレート13は、取付リング13aによって取り付けられる。具体的に、クランピングプレート13は、取付リング13aと上シェル6の内面略中央部とで挟み込むようにし、取付リング13aを上シェル6の内面略中央部に溶着等により固定することによって取り付けられる。光ディスク3は、センタ孔3aにディスクテーブルが係合し、更にディスクテーブルとクランピングプレート13で挟持されることにより、ディスク収納部内で回転可能な状態となる。
なお、上シェル6の内面には、更に、後述する下シェル7のロケーションホール26aを構成する立ち上がり壁16aやアライメントホール26bを構成する立ち上がり壁16bが形成されている。
以上のように構成される上シェル6に結合される下シェル7は、図2、図3及び図6に示すように、上述した上シェル6と同様に、樹脂材料を射出成形することにより形成されている。この下シェル7は、全体略矩形状の主面の内、記録及び/又は再生装置に挿入される前面側が略円弧形状とされている。この下シェル7には、カートリッジ本体2の側面をなす外周壁21が主面の外周縁に沿って立設され、更に、外周壁21に内接するように、内周壁28が形成されている。
この下シェル7には、外周壁21の前面側の中央部が光ピックアップやディスクテーブルが進入できるように開放された第1の開口部24が形成されている。この第1の開口部24は、前面側の開放端から光ディスク3の信号記録面の一部を内外周に亘って外方へ臨ませる略矩形状の光ピックアップ用開口部24aと、光ピックアップ用開口部24aと連続した光ディスク3のセンタ孔3aを外部に臨ませる回転駆動用開口部24bとから構成されている。すなわち、光ピックアップ用開口部24aは、記録及び/又は再生装置の光ピックアップをカートリッジ本体2の内部に進入させるのに足る大きさに形成されており、回転駆動用開口部24bは、記録及び/又は再生装置のディスク回転駆動機構を構成するディスクテーブルをカートリッジ本体2の内部へと進入させるのに足る大きさに形成されている。更に、光ピックアップ用開口部24aの一方の開口端側は、開口端が拡幅する方向に傾斜するテーパ部24cが形成されている。このテーパ部24cは、後述するローテーションホイール4の被操作部45がシャッタ板5a,5bが第1の開口部24を開放した状態に位置したとき、被操作部45が収容される部分となる。
第1の開口部24を構成する光ピックアップ用開口部24aの一方の側縁部及び回転駆動用開口部24bの一方の側縁には、一対のシャッタ板5a,5bが第1の開口部24を閉塞しているとき、カートリッジ本体2内に塵埃等が浸入することを防止する凸部27が複数形成されている。
また、外周壁21の背面側には、上述した上シェル6側のねじ穴が形成されたボス10に付き合わされる貫通孔が形成されたボス22が形成されている。図2に示すように、上シェル6と下シェル7とは、下シェル7のボス22の貫通孔よりねじ23を挿通し、上シェル6のボス10のねじ穴に螺合することによって結合される。
更に、下シェル7の前面には、両脇に、ディスクカートリッジ1を記録及び/又は再生装置に挿入される際に記録及び/又は再生装置側の挿入ガイド部材が係合する挿入ガイド溝25a,25bが形成されている。挿入ガイド溝25a,25bは、図7に示すように、前面開口端側が最も幅広に形成され、挿入ガイドピン113が進入し易く形成されている。なお、挿入ガイド溝25a,25bの最奥部が挿入ガイドピン113の太さと略同じになるように形成しても良い。これにより、ディスクカートリッジ1が記録及び/又は再生装置の装着部に装着されたときにも、面方向の位置決めを図ることができ、がたつきを防止することができる。また、一方の挿入ガイド溝25bには、後述するが、ロック機構71が設けられ、ロック機構71を構成するロック部材72のロック解除片77が臨まされ、挿入ガイド溝25bに係合する挿入ガイドピン113は、ロック解除片77を押圧するロック解除ピンとして機能する。
更に、下シェル7の背面側の一方のコーナ部近傍には、図2及び図6に示すように、ディスクカートリッジ1を記録及び/又は再生装置に位置決めして装着するための基準穴となるロケーションホール26aが形成されている。また、他方のコーナ部近傍には、調整用のアライメントホール26bが形成されている。
なお、上シェル6と下シェル7とが付き合わされて構成されたカートリッジ本体2の記録及び/又は再生装置への挿入方向と平行な両側面部には、図1及び図2に示すように、前面側から背面側に亘って、記録及び/又は再生装置へ挿入する際のガイド溝15が形成されている。
上シェル6と下シェル7とが付き合わされると、内周壁11の内側にローテーションホイール4を収納する収納部が構成される。この収納部に収納されるローテーションホイール4は、図8及び図9に示すように、樹脂材料を射出成形することにより形成されている。このローテーションホイール4の主面部は、略皿状をなし、凹部側がカートリッジ本体2内に配設されたとき、上シェル6とシャッタ板5a,5bの一方の主面とでディスク収納部を構成する。このローテーションホイール4は、略円形に形成されており、その外周縁部には、リング部43が立設されている。ローテーションホイール4の主面部には、下シェル7に設けられた第1の開口部24と略同じ大きさの第2の開口部44が形成されている。
この第2の開口部44は、下シェル7の第1の開口部24と一致したとき、収納した光ディスク3を外部に臨ませる。すなわち、この第2の開口部44は、第1の開口部24の光ピックアップ用開口部24aに対応した開口部と回転駆動用開口部24bに対応した開口部で構成されている。また、この第2の開口部44は、第1の開口部24との誤差を吸収するため、中心側から外周側に向かって徐々に拡幅するように形成され、ローテーションホイール4の製造誤差や取付誤差によって、第1の開口部24が小さくならないようにしている。例えば、第2の開口部44は、径方向の両側縁が1°程度外側に傾斜するように形成されている。
また、リング部43の基端部は、図8に示すように、主面部側へ傾斜するテーパ部42が形成されている。テーパ部42は、光ディスク3の外周縁を線接触で支持し、光ディスク3の信号記録面がローテーションホイール4の主面部と面接触し、傷が付かないようにしている。
また、第2の開口部44の外側の面には、図2に示すように、一対のシャッタ板5a,5bが位置する。そこで、図9に示すように、第2の開口部44の相対向する側縁部には、一対のシャッタ板5a,5bが第2の開口部44内に入り込まないようにするためのテーパ部44a,44bが形成されている。更に、ローテーションホイール4には、シャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、シャッタ板5aに係合し、シャッタ板5aの浮き上がりを防止する係合溝50が形成されている。この係合溝50は、第1の開口部24の側縁部側を開口端として断面略L字状に形成された片により形成されている。
ローテーションホイール4の第2の開口部44近傍には、図10に示すように、外側に突出して、記録及び/又は再生装置側のシャッタ開放機構を構成するシャッタ開放ピン41が係合する被操作部45が形成されている。被操作部45は、第1の被操作片45aと第2の被操作片45bとにより記録及び/又は再生装置側を開放した凹部を構成しており、ここに、記録及び/又は再生装置側のシャッタ開放ピン41が係合される。第1の被操作片45aは、ローテーションホイール4を、シャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を開放する方向に回動するときに、シャッタ開放ピン41が突き当たる片であり、第2の被操作片45bは、ローテーションホイール4を、シャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞する方向に回動するときに、シャッタ開放ピン41が突き当たる片となる。後述するが、ローテーションホイール4は、付勢部材48によって、シャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞する図10中矢印A方向に付勢されており、従って、第1の被操作片45aには、第2の被操作片45bより大きな力が加わる。そこで、第1の被操作片45aは、機械的強度が増すように第2の被操作片45bより大きく形成され、ここでは、第1の被操作片45aの高さh1が、第2の被操作片45bの高さh2より大きくなるように形成されている。そして、第1の被操作片45aは、第2の被操作片45bより高く形成し、機械的強度を高め、更に、シャッタ開放ピン41がより確実に係合するようにしている。
以上のように構成された被操作部45は、ローテーションホイール4の回転に伴って、第1の開口部24が形成された下シェル7の前面より外部に露出し、第1の開口部24の幅方向に移動する。被操作部45は、シャッタ板5a,5bが第1の開口部24を開放しているとき、テーパ部24cにより拡幅された部分に位置する。
この被操作部45には、第1の被操作片45aと第2の被操作片45bの基端部に、図11に示すように、第1のシャッタ板5aに係合する係合溝45cが形成されている。係合溝45cは、シャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、第1のシャッタ板5aに係合することで、第1のシャッタ板5aの浮き上がりや浮き沈みを防止する。したがって、第1の開口部24の周縁部と第1のシャッタ板5aとの隙間が無くなり、カートリッジ本体2内に塵埃等が浸入することを防止することができる。すなわち、被操作部45の係合溝45cは、ローテーションホイール4の第2の開口部44近傍に形成された係合溝50と相俟って、第1のシャッタ板5aの浮き上がりや浮き沈みを防止する。したがって、第2の開口部44とシャッタ板5aとの隙間が無くなり、カートリッジ本体2内に塵埃等が浸入することを防止することができる。
なお、第2の被操作片45bは、図4に示すように、下シェル7の第1の開口部24の周縁部の一部と対向する上シェル6の外周壁8と内周壁11とを連結する規制部29に突き当たることで、ローテーションホイール4の回動領域を規制する。
以上のようなローテーションホイール4は、コイルバネ等で構成された付勢部材48によって、シャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞する方向に回動付勢されている。この付勢部材48は、一端がローテーションホイール4のリング部43に形成された係止片48aに係止され、他端が図4に示す上シェル6の内面に形成された係止突起48bに係止されている。そして、付勢部材48は、ローテーションホイール4の回転に伴って伸縮するが、上シェル6の内面であって内周壁11の外側に形成された立ち上がり壁と外周壁8とで形成されたガイド溝49でガイドされ、伸縮時にカートリッジ本体2内で暴れないようにしている。また、ローテーションホイール4の外周縁にも、図8及び図9に示すように、このガイド溝49をほぼ閉塞するフランジ部47が形成されている。
なお、上シェル6の内面に形成されている係止突起48bは、図12に示すように、上シェル6と下シェル7とが結合されたとき、先端部が下シェル7の内面に形成された略筒状の補強リブ48cに係合され、付勢部材48の付勢力が加わる係止突起48bを補強している。
以上のように構成されたローテーションホイール4は、付勢部材48によりシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞する方向に付勢されており、被操作部45が記録及び/又は再生装置側のシャッタ開放ピン41によって、シャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を開放する方向に回転される。このとき、内周壁11は、ローテーションホイール4が回転するときのガイド壁として機能する。
下シェル7に形成された第1の開口部24やローテーションホイール4に形成された第2の開口部44を開閉するシャッタ機構を構成する一対のシャッタ板5a,5bは、図13に示すように、5aが大きく、5bが5aに対して小さく形成されている。
図13に示すように、大きい方の第1のシャッタ板5aは、第1及び第2の開口部24,44を閉塞する第1のシャッタ部51と、上シェル6の内面であって外周壁8と内周壁11との間に形成された第1の支軸52に回動支持される第1の回動支持部53と、小さい方の第2のシャッタ板5bが取り付けられる第2の軸孔54とを備える。
第1のシャッタ部51は、第2の開口部44の閉塞時にローテーションホイール4の第2の開口部44の一側縁に位置する第1の側縁部51aと、第1の側縁部51aに連続した第2の側縁部51bと、第2の側縁部51bに連続した第3の側縁部51cとを有する。第2の側縁部51bは、第1の側縁部51aより内方に折曲し、第3の側縁部51cは、第2の側縁部51bに対して外側に折曲するように形成されている。更に、第1乃至第3の側縁部51a〜51cと対向する第4の側縁部51dには、上シェル6や下シェル7の一方のコーナ部に形成されたボス10,22、ロケーションホール26a、誤消去防止機構90等を逃げるための波線状の逃げ部51eが形成されている。第2の側縁部51bと第3の側縁部51cとは、互いに逆向きにテーパ部で構成されている。また、第1の側縁部51aは、ローテーションホイール4に形成された係合溝50に係合し、浮き上がりが防止される。
更に、第1のシャッタ部51には、下シェル7側の面に、下シェル7の第1の開口部24の周縁部に形成された凸部27と係合する溝部51fが形成されている。溝部51fは、シャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、ローテーションホイール4が上シェル6のリフタ14により下シェル7側に持ち上がり、第1の開口部24の周縁部に形成された凸部27と係合することで、カートリッジ本体2内に塵埃等が浸入することを防止する。
更に、第1のシャッタ部51の光ディスク3側の面には、ローテーションホイール4の主面部に形成されたガイド溝55に係合するガイド突起51gが形成されている。ガイド突起51gは、ローテーションホイール4のガイド溝55に係合することで、第1のシャッタ板5aの回動を規制する。更に、第1のシャッタ部51には、光ディスク3側の面に、シャッタ板5aの変位を規制する規制突起51hが形成されている。規制突起51hは、シャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、光ディスク3のセンタ孔3aの周囲の内周側非信号記録領域に対応する位置に設けられ、仮に第1のシャッタ板5aが押されて内側に変位したときであっても、光ディスク3の信号記録領域を傷つけないようにしている。この規制突起51hは、シャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を開放しているとき、ローテーションホイール4の中央よりに形成された逃げ溝56に進入し、シャッタ板5aの回動を阻害しないようになっている。
シャッタ板5aの第1の回動支持部53には、シャッタ部51より厚く強度が高くなるように形成され、ここに、上シェル6に形成された第1の支軸52が挿通される第1の軸孔53aが形成されている。第1の支軸52は、図14に示すように、第1の軸孔53aに挿通されたとき、第1の回動支持部53より突出する高さに形成されている。この第1の支軸52の先端部は、下シェル7に形成された軸受部57に係合し、落下等の衝撃が加わっても第1の回動支持部53が第1の支軸52から外れないようにすると共に、第1の支軸52の強度補強をしている。
以上のような第1のシャッタ板5aに係合する第2のシャッタ板5bは、図13に示すように、第1のシャッタ部51と共に、第1及び第2の開口部24,44を閉塞する第2のシャッタ部61と、第1のシャッタ板5aに形成された第2の軸孔54に取り付けられる第2の回動支持部62とを有する。
第2のシャッタ部61は、第1のシャッタ部51の第2の側縁部51bと係合する第1の側縁部61aと、第1の側縁部61aと連続し第1のシャッタ部51の第3の側縁部51cと係合する第2の側縁部61bと、第2の側縁部61bの反対側に第1の側縁部61aと連続した第3の側縁部61cとを有する。第1の側縁部61aは、第1のシャッタ部51の第2の側縁部51bのテーパ部とは逆向きのテーパ部で構成され、第2の側縁部61bは、第1のシャッタ部51の第3の側縁部51cのテーパ部と逆向きのテーパ部で構成されている。更に、第1の側縁部61aのテーパ部と第2の側縁部61bのテーパ部も逆向きに形成されている。シャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞したとき、第1のシャッタ部51の第2の側縁部51bと第2のシャッタ部61の第1の側縁部61aのテーパ部とが噛み合い、更に、第1のシャッタ部51の第3の側縁部51cのテーパ部と第2のシャッタ部61の第2の側縁部61bのテーパ部とが噛み合い、それぞれは、逆向きに噛み合う。したがって、一対のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、シャッタ板5a,5bは、互いに噛み合うことで、結合部より内部に塵埃等が浸入することを防止すると共に、シャッタ板5a,5bが押されたとき、撓みにくくしている。
また、図13及び図15に示すように、第1のシャッタ部51の第1の側縁部51aには、直線状の第1の凹条部58aが形成され、第1の側縁部51aに噛み合うローテーションホイール4の第2の開口部44の側縁部には、第1の凹条部58aが係合する第1の突条部59aが形成されている。また、第1のシャッタ部51の第2の側縁部51bには、直線状の第2の凹条部58bが形成され、第2の側縁部51bに噛み合う第1の側縁部61aには、第2の凹条部58bに係合する第2の突条部59bが形成されている。更に、第1のシャッタ部51の第3の側縁部51cには、直線状の第3の凹条溝58cが形成され、第3の側縁部51cに噛み合う第2の側縁部61bには、第3の突条部59cが形成されている。第1乃至第3の凹条部58a〜58cと第1乃至第3の突条部59a〜59cは、シャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞したとき、互いに係合し、結合部より内部に塵埃等が浸入し無いようにする。なお、凹条部、突条部を設けるシャッタ板は、上述の例に限定されるものではなく、この例とは逆であっても同様な効果を得ることができる。
また、図11に示すように、シャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、ローテーションホイール4に形成された被操作部45の係合溝45cには、第1のシャッタ板5aが係合し、更に、係合溝50には、第1のシャッタ部51の第1の側縁部51aが係合することによって、第1のシャッタ板5aの浮き上がりや浮き沈みを防止する。したがって、第1の開口部24の周縁部と第1のシャッタ板5aとの隙間が無くなり、カートリッジ本体2内に塵埃等が浸入することを防止している。
また、第3の側縁部61cの第1の側縁部61aと反対側の端部には、図13に示すように、突起部61dが形成されている。この突起部61dは、第2のシャッタ板5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、図6に示す下シェル7の前面側の第1の開口部24近傍に形成された係合部61eに係合され、第1の開口部24と第2のシャッタ板5bとの隙間から塵埃等が浸入しないようにしている。
第2の回動支持部62には、図13及び図15に示すように、第2の支軸62aが形成され、この第2の支軸62aは、第1のシャッタ板5aの第1の回動支持部53に形成された第2の軸孔54に挿通される。第2の支軸62aは、回動支持部62に一体的に設けられた台座部62iに設けられている。台座部62iは、第2の支軸62aが設けられた部分を補強する補強部であり、他の部分より肉厚に形成されている。台座部62iは、ローテーションホイール4側に他の領域より肉厚に形成されている。そこで、ローテーションホイール4には、台座部62iを逃げるための逃げ溝46が形成されている。
また、図13に示すように、第2のシャッタ部61には、ローテーションホイール4に形成された第1の制御突起63が係合される溝で構成された第1のカム部64が形成されている。この第1のカム部64は、第1の制御突起63が係合することで、第2のシャッタ板5bの回動を制御する。第1のカム部64は、ローテーションホイール4の外周側の幅狭な幅狭部64aと、ローテーションホイール4の中央よりの幅狭部64aより拡幅した拡幅部64bとからなり、幅狭部64aは、第2のシャッタ板5bが第1及び第2の開口部24,44を開放する際の前半部分で第2のシャッタ板5bを回動し、第1の制御突起63が拡幅部64bに移動すると、第2のシャッタ板5bに対しては何も作用しない。
また、図13に示すように、第2のシャッタ部61には、ローテーションホイール4の主面部に形成された溝で構成された第2のカム部65に係合する第2の制御突起66が形成されている。第2のカム部65は、ローテーションホイール4の中央側で第1の方向に湾曲した第1の湾曲部65aと、ローテーションホイール4の外周側で第1の湾曲部65aとは反対側の第2の方向に湾曲した第2の湾曲部65bとからなる。第1の湾曲部65aは、第2のシャッタ板5bが第1及び第2の開口部24,44を開放する際の前半部分で何も作用しない。そして、第2の制御突起66が第2の湾曲部65bに移動すると、すなわち第2のシャッタ板5bの回動の後半部分で、第2の湾曲部65bは、上述の第1のカム部64に代わって、第2のシャッタ板5bを回動する。
次に、ローテーションホイール4の回転と一対のシャッタ板5a,5bの動作について図16及び図17を参照して説明する。図16は、一対のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞した状態を示している。一対のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、ローテーションホイール4は、付勢部材48の付勢力により図16中矢印A方向に回動付勢された状態にあり、被操作部45は、第1の開口部24の一側縁に位置している。そして、第1のシャッタ部51の第2の側縁部51bと第2のシャッタ部61の第1の側縁部61aのテーパ部とが噛み合い、更に、第1のシャッタ部51の第3の側縁部51cのテーパ部と第2のシャッタ部61の第2の側縁部61bのテーパ部とが噛み合い、それぞれは、逆向きに噛み合って、結合部より内部に塵埃等が浸入することを防止すると共に、シャッタ板5a,5bが押されたとき、撓みにくくしている。また、第1乃至第3の凹条部58a〜58cと第1乃至第3の突条部59a〜59cは、互いに係合し、結合部より内部に塵埃等が浸入し無いようにしている。
このとき、第1のシャッタ板5aのガイド突起51gは、ローテーションホイール4のガイド溝55のローテーションホイール4の中央よりの一端に位置している。また、第2のシャッタ板5bの第1のカム部64には、第1の制御突起63が幅狭部64aに係合している。更に、第2のシャッタ板5bの第2の制御突起66は、ローテーションホイール4の第2のカム部65の第1の湾曲部65aに係合している。
そして、ローテーションホイール4は、被操作部45で付勢部材48の付勢力に抗して図16中反矢印A方向に回動されると、ローテーションホイール4のガイド溝55にガイド突起51gが係合された第1のシャッタ板5aは、上シェル6の第1の支軸52を中心にして、図16中矢印B方向に回動する。第1のシャッタ板5aの回動に伴って、第2のシャッタ板5bは、第1のシャッタ板5aの第2の支軸62aを中心に、第1のシャッタ板5aに対して矢印C方向に回動する。第2のシャッタ板5bの回動開始時は、ローテーションホイール4の第1の制御突起63が係合した第1のカム部64の幅狭部64aによって回動される。なお、第2のシャッタ板5bの回動開始時において、第2のシャッタ板5bの第2の制御突起66が係合したローテーションホイール4の第2のカム部65の第1の湾曲部65aは、何も作用しない。
更に、ローテーションホイール4が反矢印A方向に回動すると、図17に示すように、ローテーションホイール4のガイド溝55に係合したガイド突起51gは、ガイド溝55のローテーションホイール4の外周側の他端に移動する。第1のシャッタ板5aの回動に伴って、第2のシャッタ板5bは、第1のシャッタ板5aの第2の支軸62aを中心に、第1のシャッタ板5aに対して図16中矢印C方向に回動する。すると、ローテーションホイール4の第1の制御突起63の第1のカム部64の拡幅部64bに移動し、第2のシャッタ板5bに対して何も作用しなくなる。これに代わって、第2のシャッタ板5bの第2の制御突起66は、第1の湾曲部65aから第2の湾曲部65bに移動し、第2のシャッタ板5bを矢印C方向に回動する。これにより、図17に示すように、第1及び第2の開口部24,44は、開放され、ローテーションホイール4内に収納されている光ディスク3を内外周に亘って外部に臨ませることができる。
ところで、カートリッジ本体2内には、図16及び図17に示すように、ローテーションホイール4の回転を規制することで、シャッタ板5a,5bが第2の開口部24,44を閉塞した状態に保持するロック機構71が設けられている。具体的に、図16、図17及び図18に示すように、このロック機構71は、ローテーションホイール4をロックするロック部材72を有する。ロック部材72は、基体部73を有し、この基体部73には、下シェル7の内面に形成された支軸74が挿通される軸孔75が形成されている。また、基体部73は、ローテーションホイール4の回動をロックするロック部76と、記録及び/又は再生装置側のロック解除ピンとしても機能する挿入ガイドピン113により押圧されるロック解除片77と、基体部73の回動を規制する回動規制片78と、付勢部材の一端が係止される係止片79とが形成されている。このロック部材72は、下シェル7の背面側に形成されたアライメントホール26b側の挿入ガイド溝25b近傍に配設される。ロック部材72は、下シェル7の支軸74に軸孔75が挿通されることにより下シェル7に取り付けられる。
なお、支軸74は、ロック部材72が取り付けられた際にも先端部が基体部73より突出する。そして、突出した支軸74の先端部は、上シェル6側に設けられた軸受部86に係合され、落下等の衝撃が加わってもロック部材72が支軸74から外れないようにする、すなわち支軸74の強度補強をしている。
図18に示すように、ロック部材72は、ロック部76が内方を向き、ロック解除片77が挿入ガイド溝25b内に、挿入ガイド溝25bを構成する立ち上がり壁に形成された逃げ孔80より臨まされる。また、回動規制片78は、この立ち上がり壁に連続したボス22に突き当たることで、ロック部材72の回動を規制する。
ロック部材72が取り付けられる支軸74の近傍には、更に、ロック部材72を一方向に付勢する捻りコイルバネ等の付勢部材82が取り付けられる取付ピン83が形成されている。この取付ピン83には、付勢部材82のコイル部が巻挿される。取付ピン83に取り付けられた付勢部材82は、一方のアーム部がボス22に係止され、他端がロック部材の係止片79に係止され、ロック部材72を、ロック解除片77が挿入ガイド溝25bの開口端側に位置するように、ロック状態となる図16中矢印D方向に付勢する。
基体部73のロック部76は、ローテーションホイール4の外周部より僅かに内方に位置する。ローテーションホイール4には、外周部よりやや内側に、基体部73より突出したロック部76が係合するロック溝84が形成されている。このロック溝84には、内側に、係合凹部85が形成されている。係合凹部85は、図16中反矢印A方向にローテーションホイール4が回動されようとしたとき、上手側が略垂直壁で形成され、ロック部76の垂直壁と対向し確実に係合するようになっている。ロック部76は、この係合凹部85に係合することによって、ローテーションホイール4の回転をロックする。このロック溝84は、図19に示すように、ローテーションホイール4の光ディスク3が収納される側の面であって、リング部43の基端部に形成された光ディスク3の外周縁を支持するテーパ部42の下側に形成され、不必要に肉厚部を設けないようにしている。
なお、ロック部材72は、摺動性に優れた弾性材料、例えばポリアセタール樹脂で形成され、下シェル7や支軸74に対して摩擦抵抗が小さくなるように形成されている。
図16を用いて、シャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞している状態を説明すると、ロック部材72は、支軸74を中心にして、付勢部材82の付勢力により図16中矢印D方向に付勢されている。このとき、ロック部76は、内側に形成されたロック溝84の係合凹部85に係合している。したがって、ローテーションホイール4は、係合凹部85にロック部76が係合することで回動が禁止される。ここで、例えば無理に反矢印D方向にローテーションホイール4を回動する力が加わったとしても、このとき、ロック部76は、係合凹部85に食い込む図16中矢印D方向の力が働く。したがって、このロック部材72は、確実にローテーションホイール4の回転をロックすることができる。
また、ロック解除片77は、図20に示すように、逃げ孔80より挿入ガイド溝25b内の前面開口端側に臨まされ、記録及び/又は再生装置側のロック解除ピンとなる挿入ガイドピン113が押圧可能な状態になっている。具体的に、挿入ガイド溝25bの底面は、前面側が開口されている。ロック解除片77は、挿入ガイド溝25bの底面の端面87より更に前面開口端側に臨まされ、記録及び/又は再生装置側のロック解除ピンとなる挿入ガイドピン113が押圧可能な状態になっている。ロック解除片77は、挿入ガイド溝25b内に臨まされることで、誤操作が防止されている。
ディスクカートリッジ1が記録及び/又は再生装置に挿入されると、図21に示すように、ロック解除ピンが挿入ガイド溝25bに進入する。記録及び/又は再生装置のロック解除ピンとなる挿入ガイドピン113は、挿入ガイド溝25bに前面側開口端から進入すると、先ず、ロック解除片77を押圧し、次いで、挿入ガイドピン113の挿入位置を規制する規制部となる底面の端面87に突き当たる。これと共に、挿入ガイド溝25a側にも、挿入ガイドピン113が進入する。ロック解除片77は、挿入ガイドピン113によって、挿入ガイドピン113が規制部となる端面87に突き当たるまで押圧される。すると、ロック部材72は、図16に示すように、支軸74を中心に、付勢部材82の付勢力に抗して、図16中反矢印D方向に回動する。したがって、ロック部76は、ロック溝84内の係合凹部85内の係合状態が解除され、ロック部76は、ロック溝84内をローテーションホイール4の回転に従って移動する。
ところで、上シェル6と下シェル7とで構成されるカートリッジ本体2の背面側一方のコーナ部には、図16及び図17に示すように、ユーザが誤って光ディスク3に記録されている情報信号を消去してしまうことを防止する誤消去防止機構90が設けられている。具体的に、この誤消去防止機構90は、図22及び図23に示すように、カートリッジ本体2の背面側コーナ部の配設部93に配設される移動操作部材91と、この移動操作部材91に配設される誤消去防止部材92とを有する。
移動操作部材91は、図22及び図23に示すように、略円筒状の基体部94を有し、この基体部94の相対向する位置に移動をガイドする第1のガイド片95と第2のガイド片96が移動操作部材91の移動方向と平行で、互いに平行となるように設けられている。ここで、第1のガイド片95と第2のガイド片96は、移動操作時の操作力が行きと帰りで略同じとなるように、基体部94に対して両側に突出するように形成され、更に略同じ形状で同じ大きさになるように、ここでは略矩形をなすように形成されている。第1のガイド片95は、長手方向の一端部に、外側の面95a側に突出するようにユーザによって移動操作される摘みとなる操作部95bが形成されている。操作部95bが設けられた外側の面95aは、カートリッジ本体2の配設部93に配設された際に、カートリッジ本体2の背面の操作孔106より外部に臨む面であり、ユーザに移動操作部材91の位置を示す、すなわち移動操作部材91が記録可能位置にあるのか記録禁止位置にあるのかを示す側面表示部となっている。したがって、少なくとも側面表示部となる外側の面95aは、ユーザが識別し易くするためにカートリッジ本体2と異なる色に着色されていることが好ましい。また、第1のガイド片95と平行に設けられる第2のガイド片96の長手方向の一端部には、移動位置を規制する位置規制補助突起96aが外側に突出するように設けられている。
一対のガイド片95,96が設けられる基体部94には、一方の主面側に、略円形に突出して検出部97が設けられている。この検出部97は、カートリッジ本体2の配設部93に配設されたとき、下シェル7側の検出孔105に臨み、検出孔105内の位置が記録及び/又は再生装置側の検出素子に検出されるようになっている。
基体部94には、検出部97が設けられた一方の主面と対向する他方の主面を開口して誤消去防止部材92を収納するための収納部98が設けられている。この収納部98には、その底面側に、誤消去防止部材92の係止片が係止される係止孔98aが内周面の底面側に形成されており、また、開口端から底面側に亘って、誤消去防止部材92が収納部98の深さ方向、すなわち垂直方向に移動するように垂直ガイド溝99が形成されている。
この収納部98に収納される誤消去防止部材92は、誤消去防止部材92の垂直方向の位置を規制する位置規制部101と、この位置規制部101の裏面に設けられた弾性片102,102とを有する。位置規制部101は、移動操作部材91の基体部94に設けられた検出部97に対向する位置に設けられており、表面が略球面をなす主面表示部101aが形成され、その周囲に、上シェル6に設けられた貫通孔の係合孔112の周囲及び移動操作部材91の収納部98の開口端に係止される規制部となるフランジ部101bが形成されている。主面表示部101aは、記録禁止を示すものであるため、ユーザに識別し易くするため、カートリッジ本体2と異なる色、例えば警告をユーザに想起させる赤色に着色されている。また、この主面表示部101aは、配設部93側の係合凹部111と係合孔112に選択的に係合される。主面表示部101aは、略球面に突出するように形成することで、係合凹部111と係合孔112と係脱する際の力が略同じになるようにしている。また、この位置規制部101の裏面には、移動操作部材91の基体部94に設けられた収納部98の垂直ガイド溝99に係合される垂直ガイド部101cが突出して設けられている。
弾性片102は、位置規制部101の裏面に一体的例えば一対設けられている。一対の弾性片102の先端部には、移動操作部材91の収納部98に形成された係止孔98aに係止される係止片102aが形成されている。
図24は、移動操作部材91の収納部98に誤消去防止部材92が収納された状態を示す。図24に示すように、誤消去防止部材92は、移動操作部材91の収納部98に収納されると、誤消去防止部材92の弾性片102の先端部に設けられた係止片102aは、移動操作部材91の収納部98に形成された係止孔98aに係止されることによって、収納される。係止孔98aに係止片102aが係止された誤消去防止部材92は、弾性片102の弾性力によって、収納部98から突出する図24中矢印E方向に付勢され、フランジ部101bと収納部98の開口端とは離間した状態にある。フランジ部101bは、誤消去防止部材92が反矢印E方向に押圧されたときであっても、収納部98内に全体が入り込まないように収納部98の開口端とも突き当たる。
誤消去防止部材92が取り付けられた移動操作部材91は、上述のように、カートリッジ本体2の背面側の一方のコーナ部に設けられた配設部93に配設される。この配設部93は、カートリッジ本体2を構成する上シェル6や下シェル7の立ち上がり壁等で構成されている。そこで、先ず、図25を用いて配設部93の下シェル7側を説明する。図25に示すように、下シェル7側の配設部93は、カートリッジ本体2の背面を構成する外周壁21と平行にガイド壁103を有し、ガイド壁103は、カートリッジ本体2の背面を構成する外周壁21の内面とで移動操作部材91の水平方向、すなわち図25中矢印F方向及び反矢印F方向の移動をガイドする。また、ガイド壁103と垂直な立ち上がり壁は、移動操作部材91の移動量を規制する規制壁104となっている。配設部93の底面には、移動操作部材91の移動方向を長軸とした略楕円の検出孔105が形成されている。この検出孔105からは、移動操作部材91の検出部97が外部に臨まされる。検出部97は、略楕円の検出孔105内を、記録禁止位置と記録可能位置とに亘って移動する。また、外周壁21には、略凹状に切り欠いた切欠部106aが形成されている。この切欠部106aは、上シェル6側に形成された切欠部106bとで操作孔106を構成する。この操作孔106からは、移動操作部材91の操作部95bが外部に臨まされる。
カートリッジ本体2の背面を構成する下シェル7の外周壁21と平行なガイド壁103には、移動操作部材91の第2のガイド片96に形成された位置規制補助突起96aが選択的に係合される平行な第1の位置規制補助凹部107aと第2の位置規制補助凹部107bが形成されている。第1の位置規制補助凹部107aは、移動操作部材91が記録可能位置にあるときの第2のガイド片96に形成された位置規制補助突起96aが係合し、第2の位置規制補助凹部107bは、移動操作部材91が記録禁止位置にあるとき、位置規制補助突起96aが係合する。
ところで、誤消去防止部材92が取り付けられた移動操作部材91は、組立時において、下シェル7側の配設部93に取り付けられる。この際、ガイド壁103やカートリッジ本体2の背面を構成する外周壁21と第1のガイド片95と第2のガイド片96が平行であると、安定した姿勢で下シェル7側の配設部93に組み付けることができなくなる。そこで、図22の仮想線で示すように、第2のガイド片96を外側に折曲させ突出部を設けて、移動操作部材91の第1及び第2のガイド片95,96がガイド壁103やカートリッジ本体2の背面を構成する外周壁21に圧接されるようにし、下シェル7側の配設部93に移動操作部材91が組み付けられた後上シェル6が下シェル7に組み付けられるまでの間、移動操作部材91が安定した姿勢で下シェル7の配設部93に配設されるようにしても良い。なお、折曲するガイド片は、第1のガイド片95であっても良く、また、第1のガイド片95と第2のガイド片96の両方であっても良い。更に、外側に膨出する形状であれば、第1及び/又は第2のガイド片95,96を肉厚に形成するようにしても良い。
次に、上シェル6側の配設部93について図26を参照して説明する。図26に示すように、カートリッジ本体2の背面を構成する外周壁8に、上述の下シェル7側の切欠部106aと対をなして略矩形の操作孔106を構成する切欠部106bが形成されている。また、上シェル6の底面には、移動操作部材91の第1及び第2のガイド片95,96の端面が突き当たることにより、移動操作部材91の高さ方向の位置を規制する規制突起108,108が離間して形成されている。また、規制突起108,108の間には、移動操作部材91の移動方向に沿って、移動操作部材91に取り付けられた誤消去防止部材92の位置規制部101が選択的に係合する係合凹部111と係合孔112が形成されている。係合凹部111は、非貫通であり、誤消去防止部材92が取り付けられた移動操作部材91が記録可能位置にあるとき、誤消去防止部材92の位置規制部101の主面表示部101aが係合する。係合凹部111は、略球面をなす主面表示部101aの形状に対応した略球面の凹部で構成されている。係合孔112は、貫通孔であり、移動操作部材91が記録禁止位置にあるとき、位置規制部101が係合する。係合孔112も、略球面をなす主面表示部101aの形状に対応した貫通孔で構成されている。移動操作部材91が記録禁止位置に移動しているとき、誤消去防止部材92の主面表示部101aは、貫通孔の係合孔112より外部に臨まされることになる。弾性片112で弾性付勢されている誤消去防止部材92の位置規制部101の主面表示部101aが係合凹部111と係合孔112と係脱するときの力は、主面表示部101aと係合凹部111及び係合孔112の形状が対応して形成されていることで、略同じにすることができる。なお、主面表示部101aを設けない場合、係合孔112は、係合凹部111と同様に、非貫通の係合凹部にしても良い。
以上のように構成された誤消去防止機構90の動作について説明する。先ず、光ディスク3への情報信号の追記又は書換が可能な状態を図27及び図28を用いて説明する。情報信号の記録可能な状態において、誤消去防止部材92が取り付けられている移動操作部材91は、カートリッジ本体2の背面に沿った図27及び図28中反矢印F方向にスライドした状態にある。この状態において、弾性片102によって図24中矢印E方向に付勢されている誤消去防止部材92は、位置規制部101の主面表示部101aが係合凹部111に係合し、移動操作部材91は、記録可能位置が保持された状態にある。したがって、貫通孔でなる上シェル6の係合孔112は、貫通状態にあり、これにより、ユーザは、ディスクカートリッジ1が記録可能状態にあることを視認することができる。また、この移動操作部材91の記録可能位置は、第2のガイド片96の位置規制補助突起96aが第1の位置規制補助凹部107aに係合されることで保持されている。このとき、移動操作部材91の検出部97は、下シェル7の検出孔105の図27中反矢印F方向の端部に位置し、また、操作部95bも同様に、操作孔106の図27中反矢印F方向の端部に位置している。
ディスクカートリッジ1を記録禁止状態にするため、操作部95bを図27中反矢印F方向に移動すると、図29及び図30に示すように、弾性片102によって図24中矢印E方向に付勢されている誤消去防止部材92は、弾性片102が弾性変位することによって、位置規制部101の主面表示部101aが係合凹部111から外れ、次いで、係合孔112に係合し、移動操作部材91は、記録禁止位置が保持されることとなる。そして、位置規制部101の主面表示部101aが係合凹部111と係合孔112に係脱する際にクリック感が発生することになる。貫通孔でなる上シェル6の係合孔112は、位置規制部101の主面表示部101aにより閉塞され、赤色の主面表示部101aが外部に臨む。したがって、ユーザは、通常、ディスクカートリッジ1の表面と判断する上シェル6に設けられた係合孔112が赤色の主面表示部101aに閉塞されることで、容易にディスクカートリッジ1が記録禁止状態にあることを判断することができる。また、この移動操作部材91の記録禁止位置は、第2のガイド片96の位置規制補助突起96aが第2の位置規制補助凹部107bに係合されることで保持されている。このとき、移動操作部材91の検出部97は、下シェル7の検出孔105の図29中矢印F方向の端部に位置し、また、操作部95bも同様に、操作孔106の図29中矢印F方向の端部に位置している。
記録及び/又は再生装置では、ディスクカートリッジ1が装着されたとき、記録及び/又は再生装置側の押圧スイッチ等で構成された検出素子が押圧されるかどうかで判断される。例えば、検出部97が図27に示すように検出孔105の図27中反矢印F方向の端部の記録可能位置にあるとき、記録及び/又は再生装置の検出素子は、押圧されず、図29に示すように、検出部97が矢印F方向の端部の記録禁止位置にあるとき、記録及び/又は再生装置は、検出素子が押圧され、ディスクカートリッジ1が記録禁止状態にあると判断する。勿論、以上の例とは逆に、検出孔105が記録可能位置にあるとき、検出素子が押圧されるようにしても良い。
なお、再度、ディスクカートリッジ1を記録禁止状態から記録可能位置に戻すときは、図29及び図30に示す反矢印F方向に、操作部95bをスライドさせ、位置規制部101が係合凹部111に係合し、位置規制補助突起96aが第1の位置規制補助凹部107aに係合する状態に戻せば良い。
この誤消去防止機構90では、移動操作部材91に第1及び第2のガイド片95,96を基体部94に対して両側に延出するように設け、記録可能位置と記録禁止位置における移動操作部材91の保持力を、移動操作部材91に収納された誤消去防止部材92の位置規制部101を係合凹部111と係合孔112に係合させることにより発生させるようにしている。更に、主面表示部101aと係合凹部111及び係合孔112の形状が対応して形成されている。したがって、移動操作部材91を移動するときの操作力を、記録可能位置から記録禁止位置にするときと記録禁止位置から記録可能位置に移動するときとで略同じにすることができる。したがって、誤消去防止機構の強度設計等を容易に行うことができる。また、ユーザが切り換えを触感で感じ取るためのクリック感を、弾性片102によって移動操作部材91の移動方向と略直交する方向に付勢されている位置規制部101が係合凹部111又は係合孔112と係脱することによりに発生させることができる。
また、誤消去防止機構90では、ユーザによる状態の判断を、操作孔106から外部に臨まされた移動操作部材91の第1のガイド片95の外側に面95aに設けられた側面表示部で行うことができるようにした他、ユーザに最も目に付く上シェル6の係合孔112を開閉する誤消去防止部材92の位置規制部101に設けられた主面表示部101aで行うことができるようにし、記録及び/又は再生装置による検出を、検出孔105内の検出部97の位置で行うようにしている。この誤消去防止機構90では、ユーザによる状態判断を、側面表示部と主面表示部の2カ所で行うことができるようにしたので、ユーザがディスクカートリッジ1を記録及び/又は再生装置に装填するまでもなく、容易にディスクカートリッジ1が記録可能状態にあるか記録禁止状態にあるかの判断を容易に行うことができる。
上述したような構成を有するディスクカートリッジ1が記録及び/又は再生装置に装着される前には、図1、図2及び図16に示すような状態にある。すなわち、一対のシャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、ローテーションホイール4は、付勢部材48の付勢力により図16中矢印D方向に回動付勢された状態にあり、被操作部45は、第1の開口部24の一側縁に位置している。そして、被操作部45の係合溝45cは、図11に示すように、ローテーションホイール4の第2の開口部44近傍に形成された係合溝50と相俟って、第1のシャッタ板5aの浮き上がりや浮き沈みを防止している。更に、第1のシャッタ部51の第2の側縁部51bと第2のシャッタ部61の第1の側縁部61aのテーパ部とが噛み合い、更に、第1のシャッタ部51の第3の側縁部51cのテーパ部と第2のシャッタ部61の第2の側縁部61bのテーパ部とが噛み合い、それぞれは、逆向きに噛み合っている。すなわち、ディスクカートリッジ1は、シャッタ板5a,5bが噛み合い、撓み変形しにくくされていると共に、シャッタ板5aの浮き上がりが防止されていることで、カートリッジ本体2内に塵埃等の異物が浸入しないようにしている。また、第1乃至第3の凹条部58a〜58cと第1乃至第3の突条部59a〜59cは、互いに係合し、結合部より内部に塵埃等が浸入し無いようにしている。
このとき、第1のシャッタ板5aのガイド突起51gは、ローテーションホイール4のガイド溝55のローテーションホイール4の中央よりの一端に位置している。また、第2のシャッタ板5bの第1のカム部64には、第1の制御突起63が幅狭部64aに係合している。更に、第2のシャッタ板5bの第2の制御突起66は、ローテーションホイール4の第2のカム部65の第1の湾曲部65aに係合している。かくして、ディスクカートリッジ1は、図2に示すように、下シェル7の第1の開口部24を閉塞した状態となっている。また、仮に、第1のシャッタ板5aが押されたときであっても、第1のシャッタ板5aの規制突起51hは、光ディスク3の内周側非信号記録領域に突き当たり、第1のシャッタ部51が光ディスク3の信号記録領域に接触することもないことから、信号記録領域に傷が付くことを防止することができる。
また、シャッタ板5a,5bが第1及び第2の開口部24,44を閉塞しているとき、ローテーションホイール4が上シェル6のリフタ14により下シェル7側に持ち上がり、第1のシャッタ部51の溝部51fには、第1の開口部24の周縁部に形成された凸部27が係合され、カートリッジ本体2内に塵埃等が浸入することを防止する。
また、ロック機構71について説明すると、図16に示すように、ロック部材72は、支軸74を中心にして、付勢部材82の付勢力により図16中矢印D方向に付勢されている。このとき、ロック部76は、ロック溝84の係合凹部85に係合している。したがって、ローテーションホイール4は、係合凹部85にロック部76が係合することで回動が禁止される。仮に無理に反矢印D方向にローテーションホイール4を回動する力が加わったとしても、このとき、ロック部76は、係合凹部85に食い込む図16中矢印D方向の力が働く。したがって、このロック部材72は、確実にローテーションホイール4の回転をロックすることができる。
また、ロック解除片77は、図21に示すように、逃げ孔80より挿入ガイド溝25b内の前面開口端側に臨まされ、記録及び/又は再生装置側のロック解除ピンとなる挿入ガイドピン113が押圧可能な状態になっている。具体的に、挿入ガイド溝25bの底面は、前面側が開口されている。ロック解除片77は、挿入ガイド溝25bの底面の端面87より更に前面開口端側に臨まされ、記録及び/又は再生装置側のロック解除ピンとなる挿入ガイドピン113が押圧可能な状態になっている。
ユーザは、図27乃至図30に示すように、誤消去防止機構90の状態を見ることによって、記録及び/又は再生装置に挿入しようとするディスクカートリッジ1が記録可能状態にあるのか記録禁止状態にあるのかを判断することができる。具体的に、ユーザが最も目にする面は上シェル6の主面である。ユーザは、この上シェル6にも現れた係合孔112が主面表示部101aにより閉塞されているとき、ディスクカートリッジ1が記録禁止状態にあると判断することができ、係合孔112が主面表示部101aにより閉塞されていないとき、記録可能状態と判断することができる。また、ユーザは、カートリッジ本体2の背面に設けられた操作孔106の状態によってもディスクカートリッジ1の状態を判断することができる。すなわち、移動操作部材91の第1のガイド片95の外側の面95aは、図27に示すように、記録可能状態にあるとき、操作孔106より外部に臨み、記録禁止状態にあるとき、隠れた状態にある。ユーザは、第1のガイド片95の外側の面95aに設けられた側面表示部を見ることによっても、ディスクカートリッジ1が記録可能状態にあるか記録禁止状態にあるかを判断することができる。
以上のようなディスクカートリッジ1は、記録及び/又は再生装置に対して略円弧状に形成された前面を挿入端として挿入される。記録及び/又は再生装置に挿入されると、先ず、記録及び/又は再生装置の装着部に形成された一対の挿入ガイドピン113が挿入される。ここで、図7に示すように、挿入ガイド溝25a,25bは、前面開口端側が最も幅広に形成されていることから、ディスクカートリッジ1を装着部の所定位置に確実に案内することができる。また、挿入ガイド溝25a,25bの最奥部の幅を挿入ガイドピンの太さと略同じにしたときには、挿入ガイドピン113を以てして、ディスクカートリッジ1を、記録及び/又は再生装置の装着部の所定位置に正確に装着することができる。
図31に示すように、記録及び/又は再生装置の装着部に装着されたとき、挿入ガイドピン113が、ロケーションホール26aとアライメントホール26bに係合する。ここで、ロケーションホール26aは、ディスクカートリッジ1を装着する際の基準孔であり、アライメントホール26bは、調整孔である。このディスクカートリッジ1は、記録及び/又は再生装置に挿入するとき、ロック部材72のロック解除片77を付勢部材82の付勢力に抗して押圧する必要がある。そこで、ロック解除片77は、自由度のある調整側のアライメントホール26b側の挿入ガイド溝25bに設けるようにして、より正確な装着部での位置決めを行うことができるようにしている。
そして、ディスクカートリッジ1が装着部に装着されると、挿入ガイドピン113であるロック解除ピンは、挿入ガイド溝25bに前面側開口端から進入すると、先ず、ロック解除片77を押圧し、次いで、底面の端面87に突き当たる。ロック解除片77は、ロック解除ピン88によって、ロック解除ピン88が端面87に突き当たるまで押圧される。すると、ロック部材72は、図16に示すように、支軸74を中心に、付勢部材82の付勢力に抗して、図16中反矢印D方向に回動する。したがって、ロック部76は、ロック溝84内の係合凹部85内の係合状態が解除され、ローテーションホイール4は、回転可能な状態になる。
ディスクカートリッジ1が記録及び/又は再生装置の装着部に装着されると、ローテーションホイール4は、被操作部45で付勢部材48の付勢力に抗して図16中反矢印A方向に回動され、ローテーションホイール4のガイド溝55にガイド突起51gが係合された第1のシャッタ板5aは、上シェル6の第1の支軸52を中心にして、図16中矢印B方向に回動する。第1のシャッタ板5aの回動に伴って、第2のシャッタ板5bは、第1のシャッタ板5aの第2の支軸62aを中心に、第1のシャッタ板5aに対して図19中矢印C方向に回動する。第2のシャッタ板5bの回動開始時は、ローテーションホイール4の第1の制御突起63が係合した第1のカム部64の幅狭部64aによって回動される。なお、第2のシャッタ板5bの回動開始時において、第2のシャッタ板5bの第2の制御突起66が係合したローテーションホイール4の第2のカム部65の第1の湾曲部65aは、何も作用しない。
更に、ローテーションホイール4が図17中反矢印A方向に回動すると、図17に示すように、ローテーションホイール4のガイド溝55に係合したガイド突起51gは、ガイド溝55のローテーションホイール4の外周側の他端に移動する。第1のシャッタ板5aの回動に伴って、第2のシャッタ板5bは、第1のシャッタ板5aの第2の支軸62aを中心に、第1のシャッタ板5aに対して図17中矢印B方向に回動する。すると、ローテーションホイール4の第1の制御突起63の第1のカム部64の拡幅部64bに移動し、第2のシャッタ板5bに対しても作用しなくなる。これに代わって、第2のシャッタ板5bの第2の制御突起66は、第1の湾曲部65aから第2の湾曲部65bに移動し、第2のシャッタ板5bを図17中矢印C方向に回動する。これにより、被操作部45は、第1の開口部24のテーパ部24cにより拡幅された部分に位置し、第1及び第2の開口部24,44は、図32に示すように、開放され、ローテーションホイール4内に収納されている光ディスク3を内外周に亘って外部に臨ませることができる。
ここで、記録及び/又は再生装置は、ディスクカートリッジ1が記録及び/又は再生装置内の装着部に位置決めされて装着されると、記録可能状態にあるか記録禁止状態にあるかを判断する。例えば、検出部97が図27に示すように検出孔105の図27中反矢印F方向の端部の記録可能位置にあるとき、記録及び/又は再生装置の検出素子は、押圧されず、図29に示すように、検出部97が矢印F方向の端部の記録禁止位置にあるとき、記録及び/又は再生装置は、検出素子が押圧され、ディスクカートリッジ1が記録禁止状態にあると判断する。勿論、以上の例とは逆に、検出孔105が記録可能位置にあるとき、検出素子が押圧されるようにしても良い。
次いで、ローテーションホイール4内に回転可能に収納されている光ディスク3は、記録及び/又は再生装置側のディスク回転駆動機構のディスクテーブルにセンタ孔3aが係合すると共に、上シェル6に設けられたクランピングプレート13とディスクテーブルによって挟持され、ディスクテーブルによって回転可能な状態になる。
光ディスク3に情報信号を記録し、また、光ディスク3に記録された情報信号を再生するときには、光ディスク3がディスクテーブルによってCLV(constant linear velocity)、CAV(constant angular velocity)又はこれらの組み合わせで回転される。これと共に、第1及び第2の開口部24,44内に進入した光ピックアップは、光ディスク3の信号記録領域に半導体レーザより出射された波長が400nm程度の光ビームを対物レンズで集光し、光ディスク3の信号記録面に照射し、この信号記録面で反射された戻りの光ビームを検出することによって、光ディスク3に情報信号を記録し、又は、光ディスク3に記録された情報信号の読み出しを行う。
なお、ディスクカートリッジ1が記録及び/又は再生装置より排出されると、ローテーションホイール4は、付勢部材48の付勢力により図17中矢印D方向に回動し、図17の状態から図16の状態に戻る。そして、ロック部材72のロック部76はロック溝84内を移動し、係合凹部85に係合し、第1及び第2の開口部24,44を閉塞した状態に戻る。
以上のようなディスクカートリッジ1では、誤消去防止機構90を、移動操作部材91に第1及び第2のガイド片95,96を基体部94に対して両側に延出するように設け、記録器可能位置と記録禁止位置における移動操作部材91の保持力を、移動操作部材91に収納された誤消去防止部材92の位置規制部101の主面表示部101aを係合凹部111と係合孔112に係合させることにより発生させるようにしたので移動操作部材91を移動するときの操作力を、記録可能位置から記録禁止位置にするときと記録禁止位置から記録可能位置に移動するときとで略同じにすることができる。したがって、誤消去防止機構の強度設計等を容易に行うことができる。また、ユーザが切り換えを触感で感じ取るためのクリック感を、弾性片102によって移動操作部材91の移動方向と略直交する方向に付勢されている位置規制部101の主面表示部101aが係合凹部111又は係合孔112と係脱することで発生させることができる。
また、誤消去防止機構90では、ユーザによる状態の判断を、操作孔106から外部に臨まされた移動操作部材91の第1のガイド片95の外側に面95aに設けられた側面表示部で行うことができるようにした他、ユーザに最も目に付く上シェル6の係合孔112を開閉する誤消去防止部材92の位置規制部101に設けられた主面表示部101aで行うことができるようにし、記録及び/又は再生装置による検出を、検出孔105内の検出部97の位置で行うようにしている。この誤消去防止機構90では、ユーザによる状態判断を、側面表示部と主面表示部の2カ所で行うことができるようにしたので、ユーザがディスクカートリッジ1を記録及び/又は再生装置に装填するまでもなく、容易にディスクカートリッジ1が記録可能状態にあるか記録禁止状態にあるかの判断を容易に行うことができる。
以上のようなディスクカートリッジ1の誤消去防止機構90は、誤消去防止部材92に位置規制部101に一体的な弾性片102を設け、弾性片102の先端部に移動操作部材91の基体部94収納部98に設けられた係止孔98aに係止される係止片102aを設けた例を説明したが、誤消去防止機構90は、図33に示すような構成としても良い。図33では、弾性片102の代わりにコイルバネ等で構成された弾性部材121を用いている。すなわち、移動操作部材91の収納部98には、誤消去防止部材92の図33中矢印E方向及び反矢印E方向の移動領域を規制するガイド孔122が設けられている。一方、誤消去防止部材92には、弾性片102に代わって規制片123が設けられ、規制片123の先端部には、ガイド孔122に係合される係合片124が設けられている。弾性部材121は、複数の規制片123の間に配設される。
したがって、誤消去防止部材92は、弾性部材121の付勢力によって、係合片124が係合されたガイド孔122の範囲内で図33中矢印E方向及び反矢印E方向に垂直移動することになる。勿論、図示しないが、上述の誤消去防止部材92に、垂直ガイド部101cを設け、収納部98に垂直ガイド溝99を設けるようにしても良い。以上のような誤消去防止機構90では、弾性部材121の弾性力によって、誤消去防止部材92の位置規制部101の主面表示部101aが係合凹部111と係合孔112を係脱することになる。
以上、本発明を適用した小型のディスクカートリッジ1を例に取り説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特開2003−109343号公報、特開平11−3
53852号公報等に示すようなディスクカートリッジに適用することもできる。
また、本発明を適用した誤消去防止機構は、上述したようなディスクカートリッジ1の他、テープカートリッジの誤消去防止機構にも適用することができる。
例えば、図34に示すように、本発明を適用した誤消去防止機構が用いられるテープカートリッジ201は、上下一対の上ハーフ202と下ハーフ203とを突き合わせて、カートリッジ本体201aを構成する。カートリッジ本体201a内には、磁気テープ204を巻装する供給リール205と巻取リール206が回転自在に収納され、供給リール205と巻取リール206に巻回された磁気テープ204は、カートリッジ本体201aの前面に延在されている。上下ハーフ202,203は、ビス212によって結合されカートリッジ本体201aを構成する。
磁気テープ204が延在されるカートリッジ本体201aの前面部には、カートリッジ本体201aから外方に臨む磁気テープ204を保護するリッド207が回動可能に取り付けられ、このリッド207の内側には、更にバックリッド208がカートリッジ本体201aの前面に介して回動可能に取り付けられている。リッド207とバックリッド208とは、テープカートリッジ201が記録及び/又は再生装置に装填されたときに限って回動してカートリッジ本体201aの前面に延在されている磁気テープ204を外方に臨ませ、記録及び/又は再生装置側のローディング機構によって磁気テープ204を引き出し可能な状態にする。なお、リッド207とバックリッド208とは、テープカートリッジ201の非使用時において、捻りコイルバネ207aによって、カートリッジ本体201aの前面部を閉塞する方向に回動付勢されている。
更に、カートリッジ本体201a内に回転可能に配設された一対のテープリール205,206の間には、テープカートリッジ1の非使用時において、一対のテープリール205,206をロックするロック部材209が配設されている。ロック部材209は、コイルバネ210によって、一対のテープリール205,206のロック方向に付勢されており、テープカートリッジ1が記録及び/又は再生装置に装填されたとき、コイルバネ210の付勢力に抗して移動してこのロックを解除するようになっている。
そして、このテープカートリッジ201においても、カートリッジ本体201aの背面側の一方のコーナ部に、磁気テープ204にユーザが誤って情報信号を記録してしまうことを防止する誤消去防止機構90が設けられている。この誤消去防止機構90については、上述のディスクカートリッジ1の誤消去防止機構90と同様な構成を有するため詳細は省略する。以上のようなテープカートリッジ201に誤消去防止機構90を用いても、上述のディスクカートリッジ1の場合と同様な効果を得ることができる。
以上、一対のテープリールを用いるテープカートリッジ201を説明したが、テープカートリッジとしては、テープリールが一のテープカートリッジに適用することもできる。
以上、本発明を、ディスクカートリッジ1及びテープカートリッジ201を例に取り説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリを記録媒体に用いるICカードの誤消去防止機構にも適用することができる。