JP3991818B2 - 多層配線付きテープキャリア - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子をプリント配線板上に実装するための半導体パッケージの部材として用いられるテープ状の多層配線付きテープキャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】
パソコンやOA機器、家電製品、音響機器、ゲーム機などに代表される電子機器においては半導体素子を直接プリント配線板上に実装することが難しいため、ほとんどの場合、半導体素子はインターポーザーと呼ばれる基板等に搭載された半導体パッケージという形態にしてから、電子機器装置に実装されている。
【0003】
近年、これらの電子機器は小型・高性能化の一途をたどっており、半導体パッケージについても更なる小型化、配線の高密度化の要求が高まってきている。
【0004】
半導体パッケージにおいて半導体素子の搭載される電子回路基板には板状の絶縁性材料の表面に電気的な導通をとるための配線層が設けられている。配線層の設け方については、絶縁性材料の片面側に配線層のあるものから始まり、配線の高密度化が進むにつれて、両面配線板、あるいは絶縁層と配線層を交互に積み重ねた多層型配線板が作り出される様になってきた。
【0005】
代表的な電子回路基板として、ポリイミドに代表される絶縁性材料のテープや板材を芯材とした配線板があり、近年は両面に配線が存在するテープ状の両面配線板(通称2メタルテープ)や、さらに絶縁材料のテープを積層してその表面に配線を形成することを繰り返した多層配線板に対する要求が高くなっている。
【0006】
両面配線板は片面配線板に比べて両面に配線層が存在するだけでは無く、バイアホールと呼ばれる表裏の配線層間を電気的に接続するための構造を有する点に特徴がある。これは、テープ状の絶縁性材料の表裏面に導体箔を貼り付けた両面導体箔付きテープ基板の表裏どちらか片側の導体層と絶縁性材料について部分的に取り除き、その取り除いた部分をに導体めっき処理を行うことで表裏の導体箔間を電気的に接続可能な構造を形成する方法が用いられている。
【0007】
また多層配線板は、両面配線板の表裏面のどちらかまたは両方の上に、さらに帯状の絶縁性材料を積層しその上に配線層を形成することを繰り返して製造するが、両面配線板の場合と同様にバイアホールにより内側(下層)にある配線層との電気的接続を形成している。
【0008】
この両面配線板および多層配線板の作製には片面配線板を作る以上の工程数を必要とするため、途中工程で不良が発生していないかどうかを逐一確認することが必要で、工程中では様々な検査が行なわれている。
【0009】
両面配線板および多層配線板は、層間を電気的に導通させるバイアホールを作る工程や各層に配線層を形成する工程などいくつかの工程を経て製品となるため、工程内で不良品が発生した場合はいち早く対策をとったり、場合によっては加工を中止する判断が必要になる場合がある。また多層配線板の場合には、積層されると内層になってしまって検査や測定が困難になったり不可能になるような部分が存在する。そのため、両面配線板および多層配線板では、製造工程中の各所で各種検査や各種測定が行われる。
【0010】
欠陥が重大で多数発見された場合は、それ以降の加工をやめることがあるが、軽微な欠陥の場合は、そのまま加工を続ける場合があり、その際は欠陥部分を切り抜いたり、マークをしておく方法がある。
【0011】
しかし欠陥部分を切り抜いてしまうと、それ以後の工程において欠落した部分が搬送系に引っかかってしまったり、塗布工程では液が裏側に抜けてしまう問題があった。また多層配線板では切り抜かれて欠落した部分があると、積層がうまく出来なくなるという問題もあった。
【0012】
また、テープの端部や欠陥部分などにインキなどでマークを付ける方法では、導体めっきをしてしまうとマーキングした部分にめっきした導体が被さってしまい、判別出来なくなるという問題があった。
【0013】
つまり、工程中で検査をして不良個所を見つけたとしても、取り除いたり、マークすることが難しいため、不良個所を後から特定することが非常に困難であるか、欠陥個所の場所をだいたいの位置を記録しておき、最終的にそこに近い部分を大きく切り取ることで対応すると、収率が低下したり、前に見つけた欠陥部分を探すための巻き戻しの手間が増えるなどの問題点があった。
【0014】
片面配線板の場合は、特開平3―154685号広報にある様に配線を形成する際に導体配線回路の中に識別番号のパターンを露光、現像、エッチングすることで導体配線回路と同時に認識パターンを設ける方法がある。こうすることで、その後の検査工程で不良個所を検出した際に識別番号を記録しておくことで、切り抜きやマーキングをすることなく、不良個所を特定できる様になるというものである。
【0015】
しかし、この方式を両面配線板および多層配線板に適用すると、導体配線回路形成の工程よりも前にもいくつかの製造工程があり、それらの工程での検査で見つけた欠陥の位置の特定はできないことになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み考案されたものであり、テープ基板の端部にレーザー加工機にて識別番号や位置情報を貫通穴または非貫通穴からなるパターンを作ることで、基板の両側から認識ができて、両面配線板および多層配線板を形成する工程毎で行われる検査で不良個所を抜き取らずに、識別番号や位置情報を記録しておき、製品の出荷前検査にて確実な抜き取り作業ができるようにするためのテープキャリアを提供することを目的とする。
【0019】
本発明の請求項に係る発明は、絶縁材料でできた帯状の芯となる基板の表裏面に、複数個の導体配線回路を形成し、さらにその上に絶縁材料でできた帯状の積層用基板を積層して、その表面に導体配線回路を形成することを繰り返した多層配線板において、個々の導体配線回路の識別番号をあらわす識別パターン、少なくとも以下の工程[a]〜[c]を含む工程で作製されていることを特徴とする多層配線付きテープキャリアである。
【0020】
[a]絶縁材料でできた帯状の基板の表裏面に導体層が形成されている基材の片面側から、レーザー加工機でバイアホールを加工するときに、該レーザー加工機により前記識別番号を表す識別パターンを貫通穴または非貫通穴で形成する工程。
[b]前記識別パターンを含む領域の前記レーザー加工機の加工面でない面の導体層を、除去するかしないかを予め決めておき、除去する場合は該導体層への配線パターン形成と同時に除去する工程。
[c]前記芯となる基板の幅よりも狭い幅をもつ前記積層用基板を、前記識別パターンの形成領域を隠さないように積層する工程。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。 図2は本実施例の多層配線付きテープキャリアの芯となる両面導体箔付きテープ基板1にバイアホール用の非貫通穴パターン3と識別用パターン穴4を加工した状態を示す。本実施例では導体配線回路13をテープ基板1にすき間無く配置するのではなく、搬送方向にはスプロケット4個分のエリアを単位として、テープの幅方向に導体配線回路を2個並べた形に配置した。本実施例ではレーザー加工時の1回の位置決めで、幅方向に並んだ2個の導体配線回路13用の非貫通穴パターン3と1つの識別用パターン穴4からなるレーザー加工範囲17を加工することとした。
【0023】
また多層配線板の場合には、芯になるテープ基板の幅よりも積層されるテープ基板の幅を細くして、芯になるテープ基板上で製造工程中ずっと積層されない部分があるようにしておき、バイアホール形成するためにレーザー加工機で穴明け加工する際にその部分に識別番号や位置を示す貫通穴または非貫通穴で構成されるパターンを予め形成するものである。
【0024】
レーザー加工機を使わない片面配線基板への適用に関しては、貫通穴を形成する方法として1回ずつ穴開けパターンを変える金型システムを使用してもよい。しかし、新たに金型を作成したり、その後の管理を考えると、インキなどを使用したマーキングの方が有利であり、また両面配線板および多層配線板ではレーザー加工機を既に製造用設備として使用しているので、新たな投資をすることなく、使える点からも有利と言える。
【0025】
図1は本実施例の貫通穴又は非貫通穴からなる識別用パターン穴4である。識別用パターン穴4は各導体配線回路13内に形成することも可能であるが、導体配線回路内に例えば貫通する穴4を設けてしまうと、後の工程で、液体レジスト剤を塗工する際に裏側にしみ出すこともあるため、できるだけ端の方に作ることとした。また、導体めっきの際にスプロケットホール2の内側に導体がついてしまうとその後の搬送に支障があるため、めっきが付かない様に保護をするので貫通穴の識別用パターン穴4もその近くにあれば、導体めっきされることがないという点もこの位置に配置する理由である。
【0026】
識別用パターンとして人間が可読な文字や数字を使うと人間が一瞥しただけで認識することができる。しかし、文字や数字のパターンを打ち抜くには、穴の数が多くなるため、そこからテープ基板が折れる問題点があるため、貫通穴の識別用パターン穴4の開いた位置に意味を持たせたパターンを使うことにした。
【0027】
識別用パターンは貫通穴又は非貫通穴(以下非又は貫通穴と記す)の集合であることから、透過光をCCDアレイセンサーなどのイメージングアレイで読みとり、明暗の位置情報から固有の番号に変換することができる。
【0028】
さらに、本実施例の識別用パターン穴4の位置により、2種類の意味を持たせた。パターンの位置や方向を示すための識別用パターン穴4と、識別番号を意味する識別用パターン穴4の2つである。パターンの位置を示す識別用パターン穴穴4は、イメージングアレイで読みとる範囲を示すのと同時に、搬送方向とテープ基板の裏表の識別をすることを目的として、前記パターンの位置や方向を示すために、15a、15b、15c、の3つの基準穴15を配置した。
【0029】
識別用パターン穴4は14個として、識別用穴1(101)の位置に穴が開いていれば1を足し、識別用穴2(102)では2を、識別用穴3(103)では4という具合に、それぞれ2の識別用穴番号からマイナス1し、累乗した数値を足す変換する意味を持たせて、識別番号を認識させる様にすることで、読みとった穴の位置の情報から認識番号に変換できる様になる。
【0030】
今回の使用した図1に示すように、例えば、識別用パターン穴4では32768通りの識別番号を設けることができる。また、識別用穴1(101)と識別用穴3(103)が開いているので、識別番号としては5を意味することとなる。
【0031】
非または貫通穴で作成した識別用パターンは検査工程で、最初に識別用パターンを読みとることで、検査している導体配線回路を個々に認識することができる。検査をして欠陥個所を発見した場合、欠陥情報として識別パターンの情報、すなわち、識別番号を記憶しておくことで、出荷前検査にて欠陥のある導体配線回路を抜き取ったり、マーキングできる様になる。
【0032】
貫通穴の場合の識別用パターンの読み取りに関しては、両面配線板または多層配線板のテープ基板をはさんで片側に照明光源を、反対側に読み取り用のカメラやセンサなど配置することにより、識別用パターンを透過照明で読み取ることができる。色やツヤなどの表面状態は、製品の品種や製造工程中の処理などにより様々に変化するため反射照明では読み取りにくいことがあるが、透過照明ではそのような影響が少なくなるという利点がある。また貫通穴の場合には、表裏両面から認識可能という利点もあり、その際にはどちらの面から読んでも誤り無い様にすることが必要である。
【0033】
非貫通穴の場合の識別用パターンの読み取りに関しては、両面配線板または多層配線板のテープ基板の同じ側に照明光源と読み取り用のカメラやセンサなどを配置して、識別用パターンを反射照明で読み取ることになる。ただし、テープ基板の光学特性や非貫通穴の形成方法によっては、貫通穴と同様の透過照明での読み取りが可能になる場合もある。
【0034】
まず、最初に、本発明の第一の実施例である多層配線付きテープキャリアの芯となる両面導体箔付きテープ基板1に、貫通穴の識別用パターンを形成する場合を説明する。図3はスプロケットホール加工をした両面導体箔付きテープ基板1の表面を第一層目の導体層5側から見た図である。このテープ基板1の層構成は厚さ20〜70μmのポリイミド18のテープ状の基板の表裏両面に厚み5〜30μmの導体箔を貼り合わせ、表側に第一層目の導体層5と、裏側に第二層目の導体層6を形成する。ここで貼り付ける導体箔の厚みは表裏で必ずしも同じである必要はない。
【0035】
本実施例では厚み50μmポリイミドの表裏に、厚み12μmの導体箔を貼り付けたテープ基板を使用した。
【0036】
さらに上記テープ基板1にスプロケットホール2を形成する。スプロケットホール2の形成は金型で打ち抜いて作る方法が一般的である。穴の中心間隔は4〜5mmの等間隔である。また、穴の形状は矩形で4隅の角を丸く落とした形状で一辺は1〜2mmの大きさの貫通穴である。この穴は主にテープ基板の搬送に使われ、さらにテープ基板上に導体配線回路13を配置する際の単位にもなっている。
【0037】
テープ基板の表裏間の電気的導通構造を作るためには、両面導体箔付ポリイミド基板に第1層目の導体層5とポリイミド層18を除去し、第2層目の導体層6を残した非貫通穴3を開ける必要がある。
【0038】
穴開け加工する装置としては、プレス打抜き装置の金型の打ち抜きでは片側の導体の層を残して打ち抜くことが難しいため、レーザー加工装置が適している。また、レーザー加工機の種類としては導体とポリイミドを除去ができるUV−YAGレーザー加工機を使用した。
【0039】
図4はレーザー加工の概要を示したものである。レーザー加工機の全体を制御手段を備えた制御部7にてコントロールする。前記制御部7は、始めに、スプロケットホールによる搬送手段を備えたテープ搬送部10を用いて両面箔付きテープ基板1を所定の方法で搬送管理し、さらに、予め付与したバイアホール用座標データ12を用いた加工データと、認識番号用の座標データ11を自動的に生成する手段を備えた座標データ生成部9と、前記座標データ生成部9から出力した認識番号用の座標データ11を用いた加工データとを保管、及び順次出力する手段をコントロールする。最後に、レーザー加工機は、該加工データと、又所要の照射条件のレーザー光を放射して穴開け加工する手段を備えたレーザー出射部8より構成する。
【0040】
次にレーザー加工の概略を説明すると、スプロケットホールによる搬送手段を備えたテープ搬送部10を用いて、テープ基板1をスプロケットホールの規定数搬送して、位置決めした後、座標データで指定された位置に穴開け加工して、穴開け加工が終わるとテープ基板1を前記規定数を搬送する、搬送動作を繰り返している。
【0041】
レーザーによる穴開け加工する際、バイアホール用の非貫通穴3と、例えば貫通穴の識別用パターン穴4ではレーザーの出力値の設定が異なるため、非貫通穴3の加工に続いて、貫通穴4の加工を行った。この順番に特に意味はない。前記穴開け加工は1穴ずつ行い、その穴位置は座標データとして用意されていて、これに基づいて1穴ずつ、レーザー出射部8からレーザー光を放射して穴開け加工が行われる。
【0042】
バイアホール用の非貫通穴3は直径30〜150μmが適当な大きさであるが、導体配線回路13を位置決めする時のズレ量を考慮して、直径70μmの非貫通穴3を作成した。レーザー加工穴の直径に関しては第1層の導体層5の上側で計測した値である。この非貫通穴3の配置は毎回同じ位置関係で加工するため、毎回同じバイアホール用座標データ12を用いて加工を行った。
【0043】
一方、識別用パターン穴4に関してはスプロケットホール2の近くに作成し、直径は150μmとした。この貫通穴の配置は毎回、穴を開ける位置や数が規則性を持って変わるため、座標データ生成部9で自動的に生成した認識番号用の座標データ11を用いて加工を行った。今回は座標データ生成部9としてパソコンを用いてサイクルごとの認識番号用座標データ11を生成し、これを用いて加工を行った。
【0044】
図5は第一層の導体層5と第二層の導体層5を化学エッチングして導体配線回路13を作成した両面配線テープ基板を第一層の導体層5側から見たものである。
【0045】
また、本実施例では認識番号パターン4は個々の導体配線回路13に対応しているのではなく、幅方向の列に対して1つとなっている。つまり、導体配線回路13は幅方向に上下2個形成に対して1つの認識番号となっているので、図5に示すテープ基板において識別番号に近い下側の導体配線回路にはA列、上側にはB列と付けて導体配線回路を1つずつ区別する様にした。この様にテープ基板毎に、認識番号の枝番規則を付けておけば、例えば1A、1B、まとめて認識パターンを作ることができるので、穴開け加工の回数を減らすことができる。また欠陥部分は欠陥表示パターン19を打抜くこともできる。
【0046】
本実施例の多層配線付きテープキャリアの芯となる両面導体箔付きテープ基板1において、図1の識別用パターン穴4を導体配線回路13に対して作成するのではなく、テープ基板1の搬送方向に、10cmごとに貫通穴パターンを作成する様に座標データ11を作成し、貫通穴のパターン14を作成することで、テープの端からの距離を示す位置情報を知ることもできる。このテープ基板1に、後述するような積層工程を所定回数繰り返して多層配線テープキャリアとする。
【0047】
次に、本発明の第二の実施例である多層配線テープキャリアで非貫通穴または貫通穴の識別用パターンが形成されている、別の形態について説明する。
【0048】
図6は多層配線テープキャリアの芯になる両面導体箔付きテープ基板21の表面を、第一層目の導体層25側から見た図である。このテープ基板21の層構成は、厚さ20〜70μmのポリイミド22のテープ基板の表裏両面に厚み5〜30μmの導体箔を貼り合わせ、表側に第一層目の導体層25を、裏側に第二層目の導体層26を形成する。
【0049】
本実施例では厚さ25μmのポリイミドの表裏に厚さ12μmの導体箔を貼り付けたテープ基板を使用した。
【0050】
本実施例では上記テープ基板21にはスプロケットホールは形成しなかった。スプロケットホール搬送が可能な厚さのテープ基板を使う場合には、本発明の第一の実施例のようにスプロケットホールを形成してもよい。
【0051】
領域27は、テープ基板21の導体層25および導体層26に配線パターンなどが形成された後に、積層用のテープ基板が積層される部分である。この積層領域27は積層工程後に外部からは見えなくなってしまうため、全工程にわたって外部から観察可能な識別用パターンの形成には適さない。そこで積層用のテープ基板の幅を、芯になるテープ基板21の幅よりも細くしておけば非積層領域28を形成することができ、本実施例ではここに識別用パターンを形成した。
【0052】
レーザー加工機での加工は本発明の第一の実施例とほとんど同様であるので、相違点を中心に述べる。テープ搬送部10は、本実施例ではスプロケットホールのないテープ基板に対応した搬送手段を備えたものとする。テープ搬送部10は、すべりがないようにテープ基板21を搬送できるローラーなどを具備することにより、その回転量をもとに規定量の搬送を行うことができる。
【0053】
バイアホール用の非貫通穴23は、直径30〜150μmが適当な大きさであるが本実施例では直径60μmとした。また本実施例では配線パターンは全て積層領域27に形成したのでバイアホール用の非貫通穴23も積層領域27に形成したが、配線パターンが非積層領域28にもある場合にはバイアホール用の非貫通穴23を非積層領域28に形成してもかまわない。
【0054】
また、識別用パターン穴4は、非積層領域28に形成し直径100μmとした。バイアホール用の非貫通穴23は内側の層と導通をとるためにめっき工程などにより金属などの導電体でその内部を完全に埋める必要があるが、識別用パターン穴4は同じ工程を通ってもその内部が完全には埋まらないようにしておかなければならない。従って識別用パターン穴4の直径はバイアホール用の非貫通穴23の直径よりも一般的に大きくしておく必要がある。
【0055】
反射照明でこの識別用パターン穴4による識別用パターンを読み取る場合、工程や品種により表面の色やツヤが変化して、読み取りが困難になったり読み取り条件を変更する必要が出て来たりすることがある。識別用パターンを透過照明で読み取ることが出来ればそのような事態は避けることが出来るので、本実施例では識別用パターン穴4を透過照明で読み取り可能な構造となるようにした。
【0056】
識別用パターン穴4としては、第1実施例で示したもの以外に2通りの構造が考えられる。第1の構造は非貫通穴でその概略を図7(a)〜(c)に示す。図7(a)は識別用パターン穴4を含んだテープ基板21の断面図であり、少なくとも導体層25を完全に取り除きポリイミド22の全部または一部を残すようにレーザー加工機での穴あけ加工を行う。そのあと図7(b)のように、識別用パターン穴4を形成した領域の裏側の領域29の導体層26を、配線パターンを形成するためのエッチング工程でエッチングで落とす。図7(c)は、図7(b)を導体層25側からみた図である。
【0057】
ポリイミド22には透明または半透明なものがあり、透過照明用光源を照度や波長特性を考慮して選択すれば、透過照明での読み取りが十分可能な識別用パターン穴4を非貫通で形成することが出来た。
【0058】
識別用パターン穴4の第2の構造は貫通穴で、その概略を図8(a)〜(c)に示す。図8(a)は識別用パターン穴4を含んだテープ基板21の断面図であり、少なくとも導体層25とポリイミド22を完全に取り除き導体層26の全部または一部を残すようにレーザー加工機での穴あけ加工を行う。そのあと図8(b)のように、識別用パターン穴4を形成した領域の裏側の領域29の導体層26を、配線パターンを形成するためのエッチング工程でエッチングで落とす。図8(c)は、図8(b)を導体層25側からみた図である。
【0059】
ポリイミド22が不透明だったり、半透明でも十分な透過率が得られない場合にはこのような貫通穴の識別用パターン穴4の構造が適している。
【0060】
第1実施例のようにレーザー加工機でいきなり貫通穴を加工しないで、識別用パターン穴4を形成した領域のちょうど裏側にある領域29の導体層26をエッチングで落とすという加工方法には、レーザー加工機の出力が小さくて済むという利点と、導体層26側にバリが出なくて済むという利点がある。
【0061】
また全工程で透過照明で読み取り出来るようにするためには、図9のように識別用パターン穴4を形成した領域の表裏面にはソルダーレジスト30を塗布しないほうがよい。なぜならば識別用パターン穴4の内部や領域29にソルダーレジスト30が詰まって、穴4の透過率や穴径が変化して読み取り不能になる可能性があるからである。ところがソルダーレジスト30を塗布せずに導体が剥き出しになっているとその部分にめっきが付く。半導体パッケージの表面めっきとしてよく使われる金めっきなどは高価なため、不必要な箇所にはなるべく付かないように設計しておくことが望ましい。そのためには識別用パターン穴4の裏側の領域29だけでも導体がないことはめっき液の節約になるという利点がある。
【0062】
本発明の識別用パターン穴4の側断面図であり、図8に示す(b)の破線部分4は、貫通穴であり、図9に示す破線部分4は、非貫通穴である。両方とも透過光であり読みとりは同じ方法で行える。
【0063】
本実施例では、識別用パターンとして2次元コードであるDataCode(DataMatrix)を使用したが、他の形式の2次元コードを使用することも可能である。また、識別用パターンとして文字や数字を使用したり、本発明の第1の実施例で示したようなコードを使用することも可能である。
【0064】
以上で説明した本発明の第一の実施例および第二の実施例の手順により、多層配線テープキャリアの芯になる両面導体箔付きテープ基板21上に、識別用パターンおよび配線パターンを形成した後、積層用テープ基板を積層してその上にバイアホールや配線パターンを形成するということを所定回数繰り返して、多層配線テープキャリアを製造する。識別用パターンは前述のように非積層領域28に形成されているため、常に外部から簡単に読み取ることが出来る。
【0065】
【発明の効果】
本発明の多層配線付きテープキャリアは、そのテープ基板の導体配線回路の検査等の出荷前検査を行い、欠陥部分のあった導体配線回路に対しては識別パターンから読みとったコードとテープ基板についていた識別コードを組み合わせた文字列をマーキング装置で前記テープ上の欠陥部分に記入したのち、断裁機で欠陥表示パターンを打ち抜く事ができ、或いは、発見した欠陥のあるパターンをそのままにして、この導体配線回路の識別コードを記録した情報を客先に提出することで、客先での加工工程内でその部分を加工をしないようにすることもできる。また、各加工装置の加工長ごとの品質のばらつきを調べる目的で使う品質管理用テープ基板としても利用することができ、テープ基板の端部にレーザー加工機にて識別番号や位置情報を貫通した穴からなるパターンを作ることで、基板の両側から認識ができて、多層配線板を形成する工程毎で行われる検査で不良個所を抜き取らずに、識別番号や位置情報を記録しておき、製品の出荷前検査にて確実な抜き取り作業を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における識別用パターンの一例である。
【図2】本発明の第1の実施例におけるテープ基板にレーザー加工機で穴開け加工したテープ基板の一例である。
【図3】本発明の第1の実施例におけるスプロケットホール加工をした両面導体箔付きテープ基板の一例である。
【図4】本発明の第1の実施例におけるレーザー加工機の概要である。
【図5】本発明の第1の実施例における複数の配線回路パターンを形成したテープ基板の一例である。
【図6】本発明の第2の実施例における複数の配線回路パターンを形成したテープ基板の一例である。
【図7】本発明の第2の実施例における識別用パターン穴4の第1の構造で、(a)は、レーザー加工機での孔あけ加工後の断面図で、(b)は、裏側の導体層26をエッチングで落とした後の断面図であり、(c)は、図7(b)を導体層25側から見た平面図である。
【図8】本発明の第2の実施例における識別用パターン穴4の第2の構造で、(a)は、レーザー加工機での孔あけ加工後の断面図で、(b)は、裏側の導体層26をエッチングで落とした後の断面図であり、(c)は、図8(b)を導体層25側から見た図である。
【図9】本発明の識別用パターン穴4を形成した領域の表裏面以外の部分にソルダーレジスト30を塗布した場合の概略を示す図である。
【符号の説明】
1…両面導体箔付きテープ基板
2…スプロケットホール
3…バイアホール用の非貫通穴
4…(識別番号の)識別用パターン穴
5…第1層目の導体層
6…第2層目の導体層
7…レーザー制御部
8…レーザー出射部
9…座標データ生成部
10…テープ搬送部
10a…搬送ガイド手段
11…識別用穴座標データ
12…バイアホール用座標データ
13…導体配線回路
15…基準穴
17…レーザー加工範囲
18…ポリイミド層
19…欠陥表示パターン
101…識別用穴1
102…識別用穴2
103…識別用穴3
104…識別用穴4
105…識別用穴5
106…識別用穴6
107…識別用穴7
108…識別用穴8
109…識別用穴9
110…識別用穴10
111…識別用穴11
112…識別用穴12
113…識別用穴13
114…識別用穴14
21…多層配線テープキャリアの芯になる両面導体箔付きテープ基板
22…ポリイミド層
23…バイアホール用の非貫通穴
25…第1層目の導体層
26…第2層目の導体層
27…積層領域
28…非積層領域
29…識別パターンの裏側の領域
30…ソルダーレジスト

Claims (1)

  1. 絶縁材料でできた帯状の芯となる基板の表裏面に、複数個の導体配線回路を形成し、さらにその上に絶縁材料でできた帯状の積層用基板を積層して、その表面に導体配線回路を形成することを繰り返した多層配線板において、個々の導体配線回路の識別番号をあらわす識別パターン、少なくとも以下の工程[a]〜[c]を含む工程で作製されていることを特徴とする多層配線付きテープキャリア。
    [a]絶縁材料でできた帯状の基板の表裏面に導体層が形成されている基材の片面側から、レーザー加工機でバイアホールを加工するときに、該レーザー加工機により前記識別番号を表す識別パターンを貫通穴または非貫通穴で形成する工程。
    [b]前記識別パターンを含む領域の前記レーザー加工機の加工面でない面の導体層を、除去するかしないかを予め決めておき、除去する場合は該導体層への配線パターン形成と同時に除去する工程。
    [c]前記芯となる基板の幅よりも狭い幅をもつ前記積層用基板を、前記識別パターンの形成領域を隠さないように積層する工程。
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