JP3991579B2 - ボルト&ワッシャー組付装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表裏を有するワッシャーをその表裏を揃えてボルトに組み付けるためのボルト&ワッシャー組付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、ボルトに対してワッシャーを組み付けるには、一つずつ手作業によって行われているのが現状であるが、大量のボルトを必要とする機械組立工場等においてはその作業は膨大なものとなることから、近年では大量のボルトとワッシャーを自動的かつ効率的に組み付けるための装置が各種提案されている(特公平6−47216号等)。
【0003】
しかしながら、これら従来のボルトワッシャー組合わせ装置は、単にボルトの軸部に対して所定サイズのワッシャーをはめ込んで自動的に組み合わせるだけのものであり、表裏を有するワッシャーに対しては対応することはできない。
【0004】
すなわち、例えば図12に示すように、締結後の脱落や空回り等を防止するために、予めその片面(表面)側に接着層sが設けられて表裏を有するワッシャー1の場合には、単にボルト2の軸部に対してワッシャー1をはめ込むだけでなく、その表裏を一致させてはめ込む必要があり、このような表裏を有するワッシャーの場合にあっては、従来の組合わせ装置をそのまま使用することは不可能であった。
【0005】
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、表裏を有するワッシャーをその表裏を揃えてボルトに組み付けることができる新規なボルト&ワッシャー組付装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のボルト&ワッシャー組付装置は、請求項1に示すように、表面側に接着層が設けられたワッシャーをボルトに該ボルトの頭部に上記ワッシャーの裏面が当接するように組み付けるための装置において、上記ワッシャーを接着層を上にして横臥状態で一つずつ供給するワッシャー供給部と、上記ボルトをその頭部を逆さに立てた状態で一つずつ供給するボルト供給部と、このボルト供給部から供給されたボルトの軸部に上記ワッシャー供給部から供給されたワッシャーを上記ボルトの軸部の上方から落下させて組み付ける組付け部とを備え、上記ワッシャー供給部は、上記ワッシャーの表面と裏面とを揃えずに該ワッシャーを立てた状態で転動させながら案内して投下位置にて垂直に落下させるワッシャー案内レールと、そのワッシャー案内レールから落下直前のワッシャーの表裏を検出する表裏検出センサーと、上記ワッシャー案内レールから落下するワッシャーを受けて案内する2つの変換通路を有すると共に、いずれかの変換通路が上記投下位置の直下に位置して落下するワッシャーを受けるように該変換通路を揺動可能に軸支し、それぞれの変換通路でワッシャーの裏面を滑らせながら該ワッシャーを案内して表面が上向きの横臥状態に変換すべく、該変換通路の下端部を水平方向に各々湾曲し、それら変換通路をほぼハの字形に組み合わせてなる表裏反転部材と、その表裏反転部材の変換通路のいずれか一方を選択して上記ワッシャーを案内させるべく、上記表裏検出センサーの指示に基づき上記表裏反転部材を揺動させるアクチュエーターとを備え、上記表裏反転部材の変換通路は、上下に延び上端が開口した垂直部分と、その垂直部分の下部に連続し水平方向に湾曲して延びる湾曲部分と、その湾曲部分の先端部から該湾曲部分の延出方向と反対側に下方に傾斜して延び先端が開口した傾斜部分とで構成され、上記表裏反転部材は、上記変換通路の垂直部分が上記ワッシャー案内レールから垂直に落下するワッシャーの表裏面に直交する方向に沿って左右に並ぶよう、かつ湾曲部分が左右に各々延びるように該変換通路をほぼハの字形に組み合わせて形成されると共に、上記湾曲部分の間にて左右に揺動可能に軸支され、上記表裏検出センサーは、上記表裏反転部材に上記ワッシャーを落下させるに際して、落下するワッシャーの接着層が設けられている面が左側であるときは、上記アクチュエーターにより左側の変換通路が投下位置の直下になるように上記表裏反転部材を揺動させ、接着層が設けられている面が右側であるときは、右側の変換通路が投下位置の直下になるように上記表裏反転部材を揺動させるものである。
【0007】
すなわち、ワッシャー供給部から供給される横臥状態のワッシャーをボルト供給部から供給される逆さ状態のボルト側に組み付けるに際して、予めワッシャー供給部においてワッシャーの表裏を揃えるようにしたことから、表裏のあるワッシャーであってもその表裏がバラバラになることなく、常に表裏を一致させて自動的にボルトに組み付けることができる。
【0008】
れによって確実にワッシャーの表裏を揃えて供給することができる。
【0010】
また、請求項に示すように、上記ワッシャー案内レールの落下端部に、上記ワッシャーを一時的に係留させると共に、その係留されたワッシャーを所定のタイミングで落下させるワッシャー係留機構を備えることによってワッシャー案内レールに複数のワッシャーを纏めて流した場合でも一つずつ確実にその表裏を検出できると共に、これを最適のタイミングで表裏反転機構側に落下させることができる。
【0011】
さらに、請求項に示すように、上記ワッシャー案内レールの所定の位置に、そのワッシャー案内レール内のワッシャーの有無を検出するワッシャー検出センサーを備え、このワッシャー検出センサーの検出情報に応じて上記ワッシャー取出し手段を作動させるようにすれば、常にワッシャー案内レール内に一定量のワッシャーを供給できる。
【0012】
一方、上記ボルト供給部としては、請求項に示すように、ボルトをその頭部が上方になった状態で斜め下方に滑らせながら案内し、該ボルトを頭部の重量により上下反転させるべく落下させるボルト案内レールと、そのボルト案内レール端部から落下して頭部が逆さ立ったボルトをその上下逆さ状態で上記組付け部側に供給するためのガイド管とを備えたものである。
【0013】
このため、ボルト側にあってはその頭部を上方にした状態でボルト案内レールを滑り落ちながらその端部から落下する際にその重量の重い頭部側からガイド管内に入り込み、そのガイド管をさらに落下することによって頭部が下向きになるように完全に上下逆になった状態で組付け部側に供給することができる。
上記ボルト案内レールは、直線状をした一対の金属ロッドを、ボルトの軸部より広く、かつボルトの頭部よりも狭い間隔で平行に配列して形成され、それら金属ロッドの間にボルトの軸部を落し込むと共に、その頭部を下面側を両側から支持しながらその端部から上記ガイド管側に滑り落とすことでボルトを上下逆さ状態で落下させるものでもよい。
【0014】
また、請求項に示すように、このボルト供給部においても、そのボルト案内レールの傾斜下端部に、上記ボルトを一時的に係留させると共に、その係留されたボルトを所定のタイミングで落下させるボルト係留機構を備えることによって、請求項と同様にボルト案内レールに複数のボルトを纏めて流した場合でもこれを最適のタイミングで組付け部側に供給することができる。
【0015】
加えて、請求項に示すように、上記ボルト案内レールの所定の位置に、そのボルト案内レール内のボルトの有無を検出するボルト検出センサーを備え、このボルト検出センサーの検出情報に応じて上記ボルト取出し手段を作動させるようにすれば、常にボルト案内レール内に一定量のボルトを供給できる。
【0016】
他方、上記組付け部としては、請求項に示すように、上記ワッシャー供給部から供給されたワッシャーを横臥状態で上記ボルト供給部方向へ移動させるワッシャー移動機構と、上記ボルト供給部からその頭部を下方にして立てた状態で供給されたボルトをその状態で上記ワッシャー供給部方向へ移動させるボルト移動機構とを上下段違いに備えたものである。
【0017】
このため、ボルト移動レール側から頭部を下向きにして立てた状態でそのままボルトをワッシャー供給部方向へ移動させた後、ワッシャー移動レール側から横臥状態のワッシャーをボルト供給部方向へ移動させ、その端部からボルトの軸部側へ落下させることで、予め表裏が揃えられたワッシャーをボルトに対して表裏を一致させて組み付けることができる。
【0018】
上記ボルト移動機構は、上記ボルト供給部から供給されたボルトが載置されるボルト側ベースと、そのボルト側ベース上にスライド可能に設けられ上記ボルトに係合可能な係合溝が形成されたスライド板と、そのスライド板をスライドさせて、該スライド板の係合溝に上記ボルトを係合させると共に、そのボルトを上記ボルト側ベースの端部に位置決めするためのアクチュエータとを備え、上記ワッシャー移動機構は、上記ボルト側ベースに隣り合わせて、かつ上方に位置させて配置され、上記ワッシャー供給部から供給されたワッシャーが載置されるワッシャー側ベースと、そのワッシャー側ベース上にスライド可能に設けられ上記ワッシャーを収容する楕円穴が形成されたスライド板と、そのスライド板の楕円穴に収容されたワッシャーを、上記ワッシャー側ベースの端部から落下させて上記ボルト側ベースの端部に位置決めされたボルトの軸部にはまり込ませるために、該スライド板を上記ボルト側ベースに向かいスライドさせるアクチュエータとを備えたものでもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施する好適一形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、本発明に係るボルト&ワッシャー組付装置の実施の一形態を示したものである。
【0021】
図示するように、このボルト&ワッシャー組付装置は、上述したように表裏が明確なワッシャー1を一つずつ順に供給するワッシャー供給部3と、このワッシャー1を組み付けるボルト2を一つずつ順に供給するボルト供給部4と、このボルト供給部4から供給された一本のボルト2に対して一つのワッシャー1を組み付ける組付け部5とから主に構成されている。尚、これらワッシャー供給部3、ボルト供給部4、組付け部5はそれぞれ架台6に一体的に据え付けられた状態となっており、また、図中、7はこれらワッシャー供給部3,ボルト供給部4,組付け部5の後述する各機構を制御するための制御部、8は組付け部5で組み付けられたボルト&ワッシャーを回収する回収ケースである。
【0022】
先ず、このワッシャー供給部3は、多量のワッシャー1が纏めて投入されたワッシャーホッパー9と,このワッシャーホッパー9内のワッシャー1を立てた状態で取り出すワッシャー取出し機構10(図5参照)と、このワッシャー取出し機構10で取り出されたワッシャー1をそのまま立てた状態で組付け部5側へ転動させて案内するワッシャー案内レール11と、そのワッシャー案内レール11端部から落下するワッシャー1をその表裏を揃えて組付け部5側に横臥状態にして供給する表裏反転機構12とから構成されている。
【0023】
この表裏反転機構12は、図2に示すように、ワッシャー案内レール11の端部から落下するワッシャー1を通過させて横臥状態に変換すべくハの字形の表裏反転部材13と、この表裏反転部材13の支持軸14を軸として左右に揺動させるアクチュエーター15と、ワッシャー案内レール11の端部から落下直前のワッシャー1の表裏を検出してそのアクチュエーター15を作動する表裏検出センサー16とから構成されており、この表裏検出センサー16で落下直前のワッシャー1の表裏を検出し、その判別結果に応じてアクチュエータ15が表裏反転部材13を揺動させ、その表裏反転部材13を構成する一対の変換通路17、18のいずれか一方側にワッシャー1を落下させることによって落下直前のワッシャー1の表裏状況に拘わらず、その表面又は裏面が常に揃った状態でワッシャー1が組付け部5側に供給されるようになっている。
【0024】
すなわち、図3に示すように、この表裏反転部材13を構成する一対の変換通路17,18は、それぞれ落下してきたワッシャー1をそのまま垂直に通過させる垂直部分17a、18aの下方を軸支部14の外側にそれぞれ緩やかに湾曲させると共に、さらにその湾曲部分17b,18bの下部にその中心部分に傾斜した傾斜部分17c、18cを備えたものであり、図4に示すように、垂直部分17a、18aから垂直に落下してきたワッシャー1を湾曲部分17b,18bで水平に横臥させた後、その傾斜部分17c、18cで折り返してその真下に落下させるようになっている。
【0025】
従って、例えば、図4(1)に示すように、この表裏反転部材13にワッシャー1を落下させるに際してその表面、すなわち、接着層sが設けられている面が図中左側である場合には、アクチュエーター15によって変換通路17側が投下位置の直下になるように表裏反転部材13を揺動させた後、その変換通路17側にワッシャー1を投下すると、図示矢印に示す如くこの変換通路17側に投下されたワッシャー1はその湾曲部分17bで表面側が上方になるように左側に流れ、横臥状態になった後、そのまま傾斜部分17cで折り返して表裏反転部材13の直下に落下することとなる。また、図4(2)に示すように、その表面が反対向きである場合は、再びアクチュエーター15によって変換通路18側が投下位置の直下になるように表裏反転部材13を揺動させた後、その変換通路18側にワッシャー1を投下すると、図示矢印に示す如くこの変換通路18側に投下されたワッシャー1はその湾曲部分18bで表面側が上方になるように右側に流れ、横臥状態になった後、そのまま傾斜部分18cで折り返して同じく表裏反転部材13の直下に落下することとなる。
【0026】
表裏検出センサー16は、例えば、ファイバーセンサー等から構成されており、図2に示すように落下直前のワッシャー1の片面(露出面)側に光を照射し、その反射率を検知して表裏を判別するようにしたものである。例えば、接着層sが形成されているワッシャー1の表面は光の反射率が低いことから検知された反射率が低い場合には、それが表面であると判別でき、反対に接着層sが形成されていない裏面は金属光沢によって光反射率が高いことから、検知された反射率が高い場合には、裏面であると判別することができる。そして、この判別信号は制御部7を介してアクチュエーター15の作動部19側に送られ、作動部19からアクチュエーター15を任意に作動するようになっている。尚、このアクチュエーター15としては、表裏反転部材13を任意のタイミングで交互に揺動制御できるものであれば特に限定されるものでなく、例えば、高圧エアーによって作動するエアーシリンダや液圧によって作動する油圧シリンダ等から構成されている。
【0027】
この表裏反転部材13にワッシャー1を投下するワッシャー案内レール11は、図5に示すように、ワッシャーホッパー9から表裏反転部材13に亘って傾斜した金属板20に沿ってワッシャー1が転動する案内溝21を形成すると共に、図2に示すようにその案内溝21側にアクリル板または透明ガラス等の透明板22を重ね合わせたものであり、ワッシャーホッパー9から送られてきたワッシャー1をその案内溝21内のワッシャー1の途中での脱落を防止し、かつその表裏状況が目視及び表裏検出センサー16で容易に検知できるようになっている。
【0028】
また、図2に示すように、このワッシャー案内レール11の落下端部には、ワッシャー係留機構23が設けられており、落下直前のワッシャー1を一時的に係留し、所定のタイミングで落下させるようになっている。尚、上述したような表裏検出センサー16によるワッシャー1の表裏の判別は、このワッシャー係留機構23で一時的に係留された位置で行われるようになっている。
【0029】
ワッシャーホッパー9に設けられたワッシャー取出し機構10は、図5及び図6に示すように、ワッシャーホッパー9の内壁面に沿って昇降する取出板24と、この取出板24を昇降動するアクチュエーター25と、ワッシャー案内レール11内のワッシャー1の有無を検知するワッシャー検出センサー26とから主に構成されており、ワッシャー検出センサー26による信号に応じて制御部7がアクチュエーター25を作動し、ワッシャーホッパー9内に乱雑に投入されたワッシャー1の一部を取出板24の昇降によって垂直に立てた状態で取り出した後、これをワッシャー案内レール11側に供給するようになっている。すなわち、この取出板24の上縁部は、図5に示すように、ワッシャー案内レール11の傾斜角とほぼ一致するように斜め方向に傾斜すると共に、図6に示すようにその内壁側に切欠き25が形成されており、図6(1)に示すように、この取出板24を一旦ワッシャーホッパー9の底部まで降下させた後、図6(2)に示すように、この取出板24をそのまま垂直上方に上昇させることで図5に示すようにワッシャーホッパー9内のワッシャー1の一部をその上縁部に沿って垂直に立てた状態で取り出し、そのままワッシャー案内レール11の案内溝21側に転げ落とすことができるようになっている。尚、図5に示すように、このワッシャー案内レール11の上流側端部には、さらにもう一つのワッシャー検出センサー27が設けられており、このワッシャー検出センサー27からのワッシャー存在信号、すなわち、ワッシャー案内レール11内がワッシャー1で満杯状態である場合には、ワッシャー取出し機構10を停止させることができるようになっている。
【0030】
次に、ボルト供給部4は、図7及び図8に示すように、ボルト2をその頭部が上方になった状態で斜め下方に滑り落としながら上記組付け部側へ案内するボルト案内レール28と、そのボルト案内レール28の端部から落下するボルト2を上下逆さ状態にして上記組付け部5側に供給すべくガイド管29と、このボルト案内レール28にボルトホッパー30内のボルト2を取り出して供給するボルト取出し機構31とから主に構成されている。
【0031】
このボルト案内レール28は、図7に示すように直線状をした一対の金属ロッド32,32を一定の間隔、すなわち、ボルト2の軸部よりやや広く、かつボルト2の頭部よりも狭い間隔で平行に配列したものであり、図示するようにその間にボルト2の軸部落し込むと共に、その頭部を下面側を両側から支持しながらその端部からガイド管29側に滑り落とすことでボルト2を上下逆さ状態で落下させるようになっている。すなわち、図示するように、ボルト2をその頭部が上方になった状態でそのまま斜め下方に落下させると、ガイド管29側に到達する前に重量の大きい頭部が下方に反転し、そのままガイド管29側に落下することとなる。尚、この金属ロッド32,32は図中点線で示した金属フレーム33によって斜めかつ平行に支持されるようになっている。
【0032】
そして、このガイド管29は、垂直管部29aの上端が漏斗状に広がった状態となっていることから、ボルト案内レール28から落下したボルト2は、上下が逆さになった後、そのまま漏斗部29bから垂直管部29a側に落下し、その下端部から上下逆さに立った状態で組付け部5側に案内されることになる。
【0033】
また、このボルト案内レール28の落下端部には、ボルト2を一時的に係留しておくためのボルト係留機構34が設けられており、上記ワッシャー案内レール11の係留機構23と同様に、落下直前のボルト2を一時的に係留し、所定のタイミングで落下させるようになっている。すなわち、このボルト係留機構34は、最下端部のボルト2を係留する第一係留ピン35と、その上流側のボルト2を係留する第二係留ピン36をレール28の横断方向前後にずらして配置すると共にアクチュエータ37によってそれぞれ同時に出没自在としたものであり、これら第一及び第二係留ピン35,36を同時に突出させると、最下端部のボルト2の係留が解かれると同時に次のボルト2が第二係留ピン36によって係留され、反対に、これら第一及び第二係留ピン35,36を同時に引っ込めると、第二係留ピン36で係留されていたボルト2の係留が解かれて最下端部まで滑り落ちて第一係留ピン35に係留されることで、ボルト案内レール2上のボルトを一時的に係留すると共に、任意のタイミングで一つずつ落下させることができるようになっている。
【0034】
また、ボルトホッパー30内のボルト2を取り出すボルト取出し機構31は、図8及び図9に示すように、ボルトホッパー30内の中央部を上下に縦断するように上下動するボルト取出部材38と、このボルト取出部材38を作動させるアクチュエーター39とから主に構成されており、ボルトホッパー30内に乱雑に投入された多量のボルトの一部をボルト取出部材38で取り出し、そのままボルト案内レール28側に供給するようになっている。すなわち、このボルト取出部材38は、図8及び図9に示すように、上縁部が下方に湾曲した一対の取出板40,40を上述したボルト案内レール28の金属ロッド32,32と同じ間隔を隔てて重ね合わせると共に、その端部をボルト案内レール28側に揺動自在に軸支したものであり、図8(1)に示すように、そのボルト取出部材38の上縁部をボルトホッパー30の底部側に揺動させた後、そのまま上方に揺動させることによって同図(2)及び図9に示すように、ボルトホッパー30内のボルト2の一部がその頭部を上方にした状態でボルト取出部材38の上縁部に沿って配列するように取り出され、そのまま、図8(3)に示すように、ボルト案内レール28側に滑り落ちることとなる。尚、このボルト取出し機構31側にも、ボルト案内レール28上のボルトの有無を検知するボルト検知センサー41等が備えられており、ボルト供給部と同様にこのボルト検知センサー41の検出信号に応じて間欠的に作動するようになっている。
【0035】
一方、組付け部5は、図10に示すように、上述したワッシャー供給部3から表裏が揃えられて供給されたワッシャー1を横臥状態で上記ボルト供給部4方向へ移動させるワッシャー移動機構42と、上記ボルト供給部4からその頭部を下方にして立てた状態で供給されたボルト2をその状態で上記ワッシャー供給部3方向へ移動させるボルト移動機構43とから主に構成されている。
【0036】
このワッシャー移動機構42は、ワッシャー供給部3の表裏反転部材13の下部に位置するワッシャー側ベース44上を図示しないアクチュエータによってボルト供給部4のガイド管29側にスライドするスライド板45に、表裏反転部材13を落下してきたワッシャー1を収容する楕円穴46を備えたものであり(図2参照)、図10(1)から(3)に示すように、表裏反転部材13で表裏が揃えられたワッシャー1をこの楕円穴46内に落下収容した後、そのベース44端部までスライド移動させ、その端部からその下段に位置するボルト側ベース47上に落下させるようになっている。また、ボルト移動機構43は、このボルト側ベース47上を図示しない他のアクチュエータによって表裏反転部材13側にスライドするスライド板48の先端に、ガイド管29を落下してきたボルト2を上下逆さに立てた状態で押し出す係合溝49を備えたものであり(図7参照)、図10(1)から(3)に示すように、ガイド管29を落下してきたボルト2を上下逆さに立てた状態でそのまま、そのボルト側ベース47上をスライド移動させ、その端部に位置決めするようになっている。
【0037】
すなわち、図10(1)から(3)に示すように、ボルト側ベース47上に落下してきたボルト2をスライド板48でそのボルト側ベース47の端部までスライド移動させた後、ワッシャー側ベース44上に落下してきたワッシャー1をスライド板45によって横臥状態のままそのワッシャー側ベース44から落下させると、図11に示すように、このワッシャー1がボルト2の軸部にはまり込むように落下することでワッシャー1がボルト2に組み付けられることになる。
【0038】
そして、図示するように、このボルト2とワッシャー1とが組み付けられるボルト側ベース47端部には落下穴50とこの落下穴50を開閉する開閉蓋51が設けられており、ワッシャー1とボルト2を組み付けた後、他のアクチュエータ52を作動して開閉蓋51を開くことでそのワッシャー1が組み付けられたボルト2を図1に示すボルト回収ケース8内に落下させて収容することになる。
【0039】
このように本発明のボルト&ワッシャー組付装置は、表裏を有するワッシャー1をその表裏を揃えて横臥状態で一つずつ供給するワッシャー供給部3と、このワッシャー1が組み付けられるボルト2をその頭部を逆さに立てた状態で一つずつ供給するボルト供給部4と、このボルト供給部4から供給されたボルト2の軸部に上記ワッシャー1をその上方から落下させて組み付ける組付け部5とを備えたものであることから、従来装置では不可能であった、表裏を有するワッシャー1をその表裏を揃えて確実に組み付けることが可能となり、従来、手作業に頼わざるを得なかった表裏ワッシャー1の組み付け作業労力及び時間を大幅に軽減することができる。
【0040】
尚、本実施の形態にあっては、ボルト案内レール28上をボルト2が斜め下方に滑り落ちるに際して、ボルト頭部が浮いてしまい、相互に重なりあって引っかかってしまったり、あるいは、一旦係留した後にその係留を解除してもレールとの摩擦抵抗によりスムーズに滑り落ちないといったことがある。そのため、このボルト案内レール28上にこれと平行になるようにさらにロッドを付設してボルト2の浮き上りを防止したり、また、ボルト案内レール28の端部に係留解除と同時にボルト2に高圧エアーを吹き付けるノズル等をさらに付け加えるようにしても良い。
【0041】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、従来装置では不可能であった、表裏を有するワッシャーをその表裏を揃えて確実に組み付けることが可能となり、従来、手作業に頼わざるを得なかった表裏ワッシャー1の組み付け作業労力及び時間を大幅に軽減することができる等といった優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボルト&ワッシャー組付装置の実施の一形態を示す概略斜視図である。
【図2】ワッシャー供給部の供給先端付近を示す部分斜視図である。
【図3】ワッシャー供給部の表裏反転部材の構造及びその作用を示す説明図である。
【図4】ワッシャー供給部の表裏反転部材によるワッシャ反転作用を示す説明図である。
【図5】ワッシャー供給部のワッシャー案内レール及びワッシャーホッパーを示す説明図である。
【図6】図5中A−A線断面図である。
【図7】ボルト供給部の供給先端付近を示す部分斜視図である。
【図8】ボルト供給部のボルト取出し機構の作用を示す説明図である。
【図9】図8(2)中A−A線断面図である。
【図10】組付け部の構成及び作用を示す説明図である。
【図11】ボルトとワッシャーとの組付け状態を示す説明図である。
【図12】表裏を有するワッシャーの一例及びこれを組み付けた状態のボルトを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ワッシャー
2 ボルト
3 ワッシャー供給部
4 ボルト供給部
5 組付け部
9 ワッシャーホッパー
10 ワッシャー取出し機構
11 ワッシャー案内レール
12 表裏反転機構
13 表裏反転部材
15 アクチュエーター
16 表裏検出センサー
17,18 変換通路
28 ボルト案内レール
29 ガイド管
31 ボルト取出し機構
42 ワッシャー移動機構
43 ボルト移動機構

Claims (9)

  1. 表面側に接着層が設けられたワッシャーをボルトに該ボルトの頭部に上記ワッシャーの裏面が当接するように組み付けるための装置において、上記ワッシャーを接着層を上にして横臥状態で一つずつ供給するワッシャー供給部と、上記ボルトをその頭部を逆さに立てた状態で一つずつ供給するボルト供給部と、このボルト供給部から供給されたボルトの軸部に上記ワッシャー供給部から供給されたワッシャーを上記ボルトの軸部の上方から落下させて組み付ける組付け部とを備え、
    上記ワッシャー供給部は、上記ワッシャーの表面と裏面とを揃えずに該ワッシャーを立てた状態で転動させながら案内して投下位置にて垂直に落下させるワッシャー案内レールと、そのワッシャー案内レールから落下直前のワッシャーの表裏を検出する表裏検出センサーと、上記ワッシャー案内レールから落下するワッシャーを受けて案内する2つの変換通路を有すると共に、いずれかの変換通路が上記投下位置の直下に位置して落下するワッシャーを受けるように該変換通路を揺動可能に軸支し、それぞれの変換通路でワッシャーの裏面を滑らせながら該ワッシャーを案内して表面が上向きの横臥状態に変換すべく、該変換通路の下端部を水平方向に各々湾曲し、それら変換通路をほぼハの字形に組み合わせてなる表裏反転部材と、その表裏反転部材の変換通路のいずれか一方を選択して上記ワッシャーを案内させるべく、上記表裏検出センサーの指示に基づき上記表裏反転部材を揺動させるアクチュエーターとを備え
    上記表裏反転部材の変換通路は、上下に延び上端が開口した垂直部分と、その垂直部分の下部に連続し水平方向に湾曲して延びる湾曲部分と、その湾曲部分の先端部から該湾曲部分の延出方向と反対側に下方に傾斜して延び先端が開口した傾斜部分とで構成され、
    上記表裏反転部材は、上記変換通路の垂直部分が上記ワッシャー案内レールから垂直に落下するワッシャーの表裏面に直交する方向に沿って左右に並ぶよう、かつ湾曲部分が左右に各々延びるように該変換通路をほぼハの字形に組み合わせて形成されると共に、上記湾曲部分の間にて左右に揺動可能に軸支され、
    上記表裏検出センサーは、上記表裏反転部材に上記ワッシャーを落下させるに際して、落下するワッシャーの接着層が設けられている面が左側であるときは、上記アクチュエーターにより左側の変換通路が投下位置の直下になるように上記表裏反転部材を揺動させ、接着層が設けられている面が右側であるときは、右側の変換通路が投下位置の直下になるように上記表裏反転部材を揺動させることを特徴とするボルト&ワッシャー組付装置。
  2. 上記ワッシャー案内レールの落下端部に、上記ワッシャーを一時的に係留させると共に、その係留されたワッシャーを所定のタイミングで落下させるワッシャー係留機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のボルト&ワッシャー組付装置。
  3. 上記ワッシャー案内レールの所定の位置に、そのワッシャー案内レール内のワッシャーの有無を検出するワッシャー検出センサーを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のボルト&ワッシャー組付装置。
  4. 上記ボルト供給部は、ボルトをその頭部が上方になった状態で斜め下方に滑らせながら案内し、該ボルトを頭部の重量により上下反転させるべく落下させるボルト案内レールと、そのボルト案内レールの端部から落下して頭部が逆さ立ったボルトを、その上下逆さ状態で上記組付け部側に供給するためのガイド管とを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のボルト&ワッシャー組付装置。
  5. 上記ボルト案内レールは、直線状をした一対の金属ロッドを、ボルトの軸部より広く、かつボルトの頭部よりも狭い間隔で平行に配列して形成され、それら金属ロッドの間にボルトの軸部を落し込むと共に、その頭部を下面側を両側から支持しながらその端部から上記ガイド管側に滑り落とすことでボルトを上下逆さ状態で落下させることを特徴とする請求項4に記載のボルト&ワッシャー組付装置。
  6. 上記ボルト案内レールの傾斜下端部に、上記ボルトを一時的に係留させると共に、その係留されたボルトを所定のタイミングで落下させるボルト係留機構を備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載のボルト&ワッシャー組付装置。
  7. 上記ボルト案内レールの所定の位置に、そのボルト案内レール内のボ ルトの有無を検出するボルト検出センサーを備えたことを特徴とする請求項4からのいずれかに記載のボルト&ワッシャー組付装置。
  8. 上記組付け部は、上記ワッシャー供給部から供給されたワッシャーを横臥状態で上記ボルト供給部方向へ移動させるワッシャー移動機構と、上記ボルト供給部からその頭部を下方にして立てた状態で供給されたボルトをその状態で上記ワッシャー供給部方向へ移動させるボルト移動機構とを上下段違いに備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のボルト&ワッシャー組付装置。
  9. 上記ボルト移動機構は、上記ボルト供給部から供給されたボルトが載置されるボルト側ベースと、そのボルト側ベース上にスライド可能に設けられ上記ボルトに係合可能な係合溝が形成されたスライド板と、そのスライド板をスライドさせて、該スライド板の係合溝に上記ボルトを係合させると共に、そのボルトを上記ボルト側ベースの端部に位置決めするためのアクチュエータとを備え、
    上記ワッシャー移動機構は、上記ボルト側ベースに隣り合わせて、かつ上方に位置させて配置され、上記ワッシャー供給部から供給されたワッシャーが載置されるワッシャー側ベースと、そのワッシャー側ベース上にスライド可能に設けられ上記ワッシャーを収容する楕円穴が形成されたスライド板と、そのスライド板の楕円穴に収容されたワッシャーを、上記ワッシャー側ベースの端部から落下させて上記ボルト側ベースの端部に位置決めされたボルトの軸部にはまり込ませるために、該スライド板を上記ボルト側ベースに向かいスライドさせるアクチュエータとを備えたことを特徴とする請求項8に記載のボルト&ワッシャー組付装置。
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