JP3991377B2 - 光学活性ビフェニルピリジニルエステル類 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示素子および液晶光スイッチング素子に非常に好適に使用できる新規な液晶性化合物、およびその化合物を含む液晶組成物、ならびにそれを用いた液晶素子に関する。
特に強誘電性、反強誘電性を用いた液晶表示に適した新規化合物に関する。
【0002】
【背景技術】
液晶は表示装置用材料として広く用いられている。その多くがネマチック相を呈する材料を使用している。ネマチック液晶を用いた比較的新しい表示方式として、各画素にスイッチング素子として薄膜トランジスター(TFT)等を用いるアクティブマトリックス方式やツイステッドネマチック方式(TN方式)のツイスト角を270°にしたスーパーツイステッドネマチック方式(STN方式)等がある。
これらの進歩により、TN方式よりは液晶表示の品質は向上したけれども、電気光学応答速度の面からは陰極線管(CRT)を用いる表示素子に比べて、液晶表示は劣っている。この応答速度の遅さを克服する表示方式として、強誘電性液晶を用いた表面安定化強誘電性液晶表示(SSFLC)方式が、1980年に、N.A.クラークとS.T.ラガウォールにより提案された。以来、強誘電性液晶表示素子の開発が続けられている。この表示方式の特徴としては、
1 電気光学応答が敏速である、
2 メモリー性がある、
3 視野角が大きい
などがあげられ、高密度表示への応用が期待されている。
【0003】
しかし、強誘電液晶表示には解決しなければならない問題が数多く残っている。例えば、
1 スイッチング不良、焼付き現象、
2 機械的ショックに対する安定性の悪さ、
3 「く」の字層構造の生成による明るさやコントラストの低下、
等である。
【0004】
これらのSSFLC表示方式の現状の課題を解決する方法として、反強誘電性液晶を用いた表示方式が提案され、活発に実用化に向けての研究開発が続けられている。反強誘電性液晶相は、1987年に古川らによって初めて見出され、カイラルスメクチックY(SY* )相と仮称された(フェロエレクトロニクス、85巻、451頁、1988年参照)。その後チャンダニらが、その相が反強誘電性液晶相であることを示した。(ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド
フィジックス、28巻、1265頁、1989年参照)。
【0005】
反強誘電液晶相状態は、電界の印加により強誘電相状態に転移し、電界除去により反強誘電相状態に戻る。強誘電相状態では2つ安定位置が存在し(双安定状態)、反強誘電相状態では唯一つの安定位置がある。これらを合わせた3状態をスイッチングに利用する。3状態スイッチングの特徴は、反強誘電相状態と強誘電相状態との転移に際の急峻なしきい値特性および幅の広い光学的ヒステリシスの存在である。この特徴を利用して、SSFLC表示方式と同等の広い視野角を有し、かつコントラストの高い表示素子の作成が可能である。
反強誘電相としては、これまでカイラルスメクチックC(Sc* )相およびカイラルスメクチックI(SI* )相の反強誘電相(ScA* 相、SIA* 相)が報告されているが、カイラルスメクチックF(SF* )相の反強誘電相(SFA* 相)も理論上は存在し得る。3状態スイッチングは反強誘電相であればどの相であっても可能である。しかし、通常は応答速度や出現する相の熱的な安定性を考慮して、ScA* 相を使用する。単に反強誘電相と呼ばれる場合は、ScA* 相を示唆していると考えられる。
【0006】
一般に、液晶組成物は液晶化合物あるいは非液晶化合物からでも構成できる。本発明に関する強誘電性液晶組成物は、強誘電性液晶化合物のみから構成する方法、非カイラルなスメクチックC,F,G,H,I等の傾いたスメクチック相(以下、Sc等の相と略記する)を呈する化合物及び組成物を基本物質として、1種以上の強誘電性液晶化合物あるいは非液晶の光学活性化合物を混合することにより、全体を強誘電性液晶相を呈する組成物となし得る方法がある。
他方、反強誘電性液晶組成物の場合は、現状では強誘電性液晶組成物の場合のような基本物質に対して光学活性化合物を添加する方法では達成されていない。換言すれば、反強誘電性液晶組成物の構成成分のほとんどすべてが反強誘電性液晶化合物である必要がある。
したがって、反強誘電性液晶表示用の光学活性化合物は、できるだけ広い温度で反強誘電性液晶相を呈する必要がある。
また、実際に液晶表示素子とした場合には、素子の駆動電圧に直接に影響するしきい値電圧が低いこと、低温でも結晶化してしまわないこと等が求められる。
【0007】
【従来の技術とその問題点】
反強誘電性液晶を光スイッチング素子等に使用する場合、動作温度範囲が室温付近を含む幅広い範囲であること、しきい値電圧が低いことなど、数多くの特性を満たさなければならない。これまでに多くの反強誘電性を示す化合物が報告されているが、動作温度範囲が狭いなど反強誘電性液晶化合物として満足できるものは得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、上記問題点の解決可能な液晶化合物を見出すべく鋭意研究を行った。その結果、前述の一般式(I)の化合物が、前記問題点を解決できることを知って本発明を完成した。
以上の記述から明らかなように本発明の目的は、強誘電性、反強誘電性液晶としての使用が可能であり、かつ高速応答が可能な構成成分として有効な化合物を提供することにある。
特に、反強誘電性液晶として有用な化合物を提供することにある。特に反強誘電性液晶相領域の温度が幅広く、しきい値電圧が低い化合物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は下記(1)ないし(8)の構成を有する。
(1)一般式(I)
【化9】
(式中、Rは直鎖状または分岐の炭素数2〜16のアルキル基またはアルコキシ基、R* は光学活性基、環A、Bはそれぞれ独立に
【化10】
のいずれかをを示す。ただし、A環、B環のどちらか一方は
【化11】
のいずれかである。)で表される化合物。
【0010】
(2)光学活性基R* が一般式(II)で表される前記(1)に記載の化合物。
【化12】
(式中、XおよびYは、それぞれ独立に炭素数1〜15のアルキル基または炭素数1〜10のペルフロロアルキル基である。ただし、X≠Yである。)
【0011】
(3)前記(1)において、A環は2,5−ピリジニレンを示し、B環は1,4−フェニレン若しくはモノ又はジフルオロ置換1,4−フェニレンから選ばれる化合物。
【化13】
【化14】
【0012】
(4)前記(1)において、A環は1,4−フェニレンを示し、B環は2,5−ピリジニレンで表される化合物。
【化15】
【化16】
【0013】
(5)前記(1)において、R* が−C* H(CH3 )C6 H13で表される化合物。
【0014】
(6)前記(1)において、R* が−C* H(CF3 )C6 H13で表される化合物。
【0015】
(7)前記(1)に記載の化合物を少なくとも1種含有する液晶組成物。
【0016】
(8)前記(1)に記載の化合物を少なくとも1種含有する液晶組成物を用いて構成された液晶素子。
【0017】
本発明の化合物は、三つの環構造を有し、かつそれらが互いに直接単結合によって接続されている骨格構造で、両端の環構造のどちらか一方がピリジン環であるコア構造である。加えて、コア構造と光学活性基部分がとがエステル結合により結ばれていることを特徴とする液晶性化合物、およびこの液晶性化合物を含有する液晶組成物、あるいは液晶性組成物を用いて構成された液晶素子である。
【0018】
一般式(I)式中において、Rは炭素数2〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、あるいはアルコキシ基である。Rがアルキル基の場合、具体的にはエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基が挙げられる。この中でも特にブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基が好ましい。
アルコキシ基では、具体的にはエトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基が挙げられる。この中でも特にブトキシ基、ペントキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基が好ましい。
【0019】
一般式(I)で表される化合物のうち、R* は以下の一般式で表わされる物が好ましい。
【0020】
【化17】
【0021】
(式中、XおよびYは、それぞれ独立に炭素数1〜15のアルキル基または炭素数1〜10のペルフロロアルキル基である。ただし、X≠Yである。)
アルキル基の具体的な例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基を挙げることができる。また炭素数1〜10のペルフロロアルキル基である。
R* の具体的な例の中でも、特に以下に示すいずれかの基が望ましい。
−C* H(CH3 )C4 H9 、−C* H(CH3 )C5 H11、−C* H(CH3 )C6 H13、−C* H(CH3 )C7 H15、−C* H(CH3 )C8 H17、−C* H(CH3 )C9 H19、−C* H(CH3 )C10H21、−C* H(CF3 )C4 H9 、−C* H(CF3 )C5 H11、−C* H(CF3 )C6 H13、−C* H(CF3 )C7 H15、−C* H(CF3 )C8 H17、−C* H(CF3 )C9 H19、−C* H(CF3 )C10H21
光学活性な2−アルカノールは既に知られており、本発明の化合物を合成するための出発原料として容易に入手可能である。
さらには、3−アルカノール、4−アルカノール、2−メチルブタノール、6−メチル−1−オクタノールあるいは2,6−ジメチルヘプタノール等が本発明に好適に使用できる。
【0022】
光学活性な1,1,1-トリフルオロ-2- アルカノールは下記の如くに知られているので、これらの化合物を出発原料にできる。
さらには、1−ペルフロロエチル−1−アルカノール、1−ペルフロロプロピル−1−アルカノール等も本発明に好適に使用できる。
これらの光学活性な1,1,1-トリフルオロ-2- アルカノールあるいは1−ペルフロロ−1−アルカノール等は、種々の方法で製造できる。例えば、化学的手法、生化学的手法等である。特に、近年では種々の生化学的手法により光学活性なアルコール類を容易に得ることができるようになった。
【0023】
環A,Bの中で、
【0024】
【化18】
【0025】
はフッ素化されたフェニル基を示すが、具体的には、
【0026】
【化19】
【0027】
をあらわしている。
本発明の化合物は、環A,Bの組み合わせで、フッ素置換を除いた基本的な骨格は、以下の(1−a)−(1−d)の4種類に分類できる。
【0028】
【化20】
【0029】
更に、フッ素置換された場合を含めた、具体的な好適な本発明の化合物の骨格構造を例示する。
【0030】
【化21】
【0031】
本発明の一般式(I)で示される化合物の具体例としては、表1〜23に示される化合物が挙げられる。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】
【表9】
【0041】
【表10】
【0042】
【表11】
【0043】
【表12】
【0044】
【表13】
【0045】
【表14】
【0046】
【表15】
【0047】
【表16】
【0048】
【表17】
【0049】
【表18】
【0050】
【表19】
【0051】
【表20】
【0052】
【表21】
【0053】
【表22】
【0054】
【表23】
【0055】
本発明者らは既に、ピリジン環を含有する液晶性化合物を特許出願している。その中でも、コア構造が3環構造で連結基を有さないものとしては以下があげられる。
【0056】
特開平1−106864号公報
【化22】
【0057】
特開昭64−63571号公報
【化23】
【0058】
特開平5−271658号公報
【化24】
【0059】
また、本出願人以外からも次の出願が行なわれている。
【0060】
特開昭64−71号公報
【化25】
【0061】
特開平1−106864号の化合物の構造は、本発明のコア構造に類似である。しかし光学活性基との連結基が異なっている。すなわち、本発明は連結基としてエステル結合を有しているのに対して、該出願はエーテル結合を有している。液晶特性としても、該出願の化合物は強誘電性液晶相のみを示すが、本発明の化合物の多くは反強誘電性液晶相を示し、反強誘電性液晶表示に好適に使用できる。
本発明の化合物が、直結のコア構造であって、両端の環構造のいずれかがピリジン環であるのに対して、特開昭64−63571号、特開平5−271658号、特開昭64−71号のいずれもがピリジン環を中央に含んでいる点において異なっている。
特に特開平5−271658号の化合物とは、ピリジン環の位置が異なるのみであるが、化合物の融点が低下し、反強誘電性液晶相温度範囲が広がっている。
【0062】
また本発明の化合物は、強誘電性液晶組成物の成分としても使用できる。既に述べた、基本物質に適当な濃度で混合することにより、優れた強誘電性液晶組成物を構成できる。
本発明の光学活性液晶化合物と混合して、強誘電性液晶組成物を構成するのに適しているこれまでに知られた化合物の骨格構造を例示する。
【0063】
【化26】
【0064】
【化27】
【0065】
ここで、Ra,Rbは直鎖または分岐のアルキル基、アルコシキ基、アルカノイルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基である。
【0066】
また、更に本発明の化合物はネマチック液晶に添加して、非常に短いカイラルネマチック長の組成物を構成できる。昨今の液晶表示方式の一翼をになっているSTN(Super Twisted Nematic)方式等には、カイラルピッチ長の短いネマチック液晶組成物が多用されている。
実施例に示した通り、本発明の化合物の誘起するカイラルネマチックピッチは、非常に短く、かつ温度依存性が少ない。
ピッチの温度依存性の少ない組成物は、表示特性の温度依存が低減され、より高品位の表示素子を構成できる。
【0067】
【化合物の製法】
次に本発明の化合物の製造方法を説明する。
本発明の化合物は基本骨格構造として、(1−a)−(1−d)に分類できることは既に述べた。(1−a)から(1−d)まで順に、それらの製造方法を説明する。
【0068】
(1−a)
(1−a)の基本骨格構造で表されるものは、例えば以下の方法で好適に製造することができる。
(環Aが2,5−ピリジニレン、環Bが1,4−フェニレンの化合物の場合)
【0069】
【化28】
【0070】
すなわち、特開昭60−163864号公報に記載された方法で製造できる5−置換−2−(4−ブロモフェニル)ピリジン(1−a−1)にn−ブチルリチウムを作用させ、ついでホウ酸トリメチルを反応させ、酸処理することによって対応するホウ素酸(1−a−2)を得ることができる。
p−ブロモ安息香酸と対応する光学活性アルコールから、例えばメチレンクロライドを溶媒として、ジシクロヘキシルカルボジイミドのような脱水縮合剤を用いてエステル化反応を行うことで製造される、光学活性−4−ブロモ安息香酸エステル(1−a−3)とホウ素酸(1−a−2)とを渡辺等(シンレット, p7, 1992年) のパラジウムなどの触媒を用いたクロスカップリング反応により一般式(1−a)で表される化合物を製造することができる。
【0071】
(1−b)で表される化合物は、例えば以下の経路で製造できる。
(環Aが2,5−ピリジニレン、環Bが1,4−フェニレンの骨格構造の場合)
【0072】
【化29】
【0073】
(図中、R’はRよりも炭素数2個だけ少ないアルキル基である。またPは適切な保護基をあらわす。)
M.Hard等(リキッド クリスタルズ,p741,Vol14,No3,1993年) の方法などにより2,5−ジブロモピリジン(1−b−1)に対してパラジウム触媒の存在下、アルキニル亜鉛試薬を反応させ、5−ブロモ−2−アルキン−1 −イル−ピリジン(1−b−2)を得ることができる。
4’−ブロモ−4−ヒドロキシビフェニル(1−b−3)の水酸基を保護基により保護した(1−b−4)にn−ブチルリチウムを作用させ、ついでホウ酸トリメチルを反応させ、酸処理することによって対応するホウ素酸(1−b−5)を得ることができる。
(1−b−2)と(1−b−5)をパラジウムなどの触媒の存在下反応させることにより2−(アルキン−1−ニル)−5(4’−置換ビフェニル−4−イル)ピリジン(1−b−6)を得ることができる。パラジウム/炭素のような水素化触媒の存在下、水素を吸収させることにより2−アルキル−5(4’−置換ビフェニル−4−イル)ピリジン(1−b−7)が得られる。脱保護基をおこなって2−アルキル−5(4’−ヒドロキシビフェニル−4−イル)ピリジン(1−b−8)を得ることができる。
(1−b−8)をピリジンなどの塩基の存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を反応させることによりトリフルオロメタンスルホン酸エステル(1−b−9)を得ることができる。これをM.R.I.Chamber等(J.Chem.Soc..Parkin Trans 1、p1361,1989年)のシアン化ナトリウムとニッケル触媒を用いる方法などにより、2−アルキル−5(4’−シアノビフェニル−4−イル)ピリジン(1−b−10)を得ることができる。これを塩基による加水分解を行い、対応するカルボン酸(1−b−11)とし、これと光学活性アルコール(4a)とをエステル化反応により、(1−b)を得ることができる。
【0074】
(1−c)で表される化合物は、例えば以下の経路で製造できる。
(環Aが1,4−フェニレン、環Bが2,5−ピリジニレンの化合物の場合)
【0075】
【化30】
【0076】
4’−置換−4−ブロモビフェニル(1−c−1)をリチオ化した後、ホウ酸トリメチル、加水分解をへてホウ素酸(1−c−2)へ誘導することができる。別途6−クロロニコチン酸と光学活性アルコールとのエステル化反応により誘導される、光学活性6−クロロニコチン酸エステル誘導体(1−c−3)とのクロスカップリング反応により(1−c)を製造をすることができる。
【0077】
(1−d)で表される化合物は、例えば以下の経路で製造できる。
(環Aが1,4−フェニレン、環Bが2,5−ピリジニレンの化合物の場合)
【0078】
【化31】
【0079】
すなわち、4’−置換−4−ブロモビフェニル(1−d−1)をグリニャ試薬(1−d−2)とし、これに別途、2−ヒドロキシ−5−クロルピリジンに適切な保護基を施した(1−d−3)を触媒存在下反応させ、(1−d−4)とし、これを脱保護基反応を行って2−ヒドロキシ−5−ビフェニルピリジン(1−d−5)とする。
これをトリフロロメタンスルホニル化(1−d−6)、シアノ化(1−d−7)、更には加水分解反応を経由してカルボン酸(1−d−8)とする。
これをアルコールと反応させることにより、所望のエステル(1−d)を得ることができる。
【0080】
これらの構造にフッ素が置換した骨格構造は、いずれもこれまでに述べた方法で、応する原料を用いることで、好適に製造できる。また、それとは別の方法で製造することもできる。
例えば(1−a)の中でも環Bがフッ素化された構造は以下のようにして好適に製造できる。
(環Aが2,5−ピリジニレン、環Bが1,5−ジフロオロ−3,6−フェニレンの化合物の場合)
【0081】
【化32】
【0082】
既に説明した(1−a−2)と3,5−ジフルオロブロモベンゼン(1−a−4)をパラジウムなどの触媒の存在下反応させることにより、5−置換−2−(3’,5’−ジフルオロ−4−ビフェニル)ピリジン(1−b−5)を得ることができる。これにn−ブチルリチウムを作用させ、ついで二酸化炭素を反応させることによりカルボン酸(1−a−6)を得ることができる。 これと光学活性なアルコールとをエステル化させることにより、(1−a)を得ることができる。
なお、上記の方法は本発明の化合物の製造方法の一例であり、本発明はこれらの製造方法によって限定されるものではない。
【0083】
【実施例】
以下実施例によって、本発明の化合物、組成物および液晶素子を更に詳細に説明する。
【0084】
実施例1
(R)−5−ヘプチル−2−{4’−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)−4−ビフェニル}ピリジン
((1)式に於いてR=C7 H15、A環は2,5−ピリジニレン、B環は1,4−フェニレン、R* は−C* H(CH3 )C6 H13)の製造(化合物No23)
(第1段階)
特開昭60−163864号公報に記載の方法により製造された5−ヘプチル−2−(4−ブロモフェニル)ピリジン5g をテトラヒドロフラン(以後THFと略す)100mlに溶解し、そこへ系内を−60℃に保ちながらn−ブチルリチウム(1.68Mヘキサン溶液)9mlを滴下した。−60℃を保ちながら30分攪拌した後、ホウ酸トリメチル3gを滴下し、さらに1時間攪拌した。
内温を徐々に室温にもどし6N−の塩酸水40mlを加え、ついでTHFを留去した。生じた固体を濾過し、再結晶することにより、4−(5−ヘプチルピリジン−2−イル)フェニルホウ素酸3gを得た。融点206〜214℃
(第2段階)
p−ブロム安息香酸30.1g(0.15mol) 、(R)−2−オクタノール19.5g(0.15mol) のジクロルメタン溶液にジシクロヘキシルカルボジイミド(以後、DCCと略称) 37g(0.18mol)、4−ジメチルアミノピリジン(以後DMAPと略す)0.02g(0.15mol)を加え、室温下で24時間攪拌した。反応液を濾過して不溶物を取り除き、トルエンで抽出、水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去して残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製し(R)−4−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)ブロモベンゼン32gを得た。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.98 (3H, t), 1.20-1.60(m), 1.60-1.90(m), 5.20 (1H,q), 7.63 (2H, d), 7.97 (2H, d).
(第3段階)
4−(5−ヘプチルピリジン−2−イル)フェニルホウ素酸0.5g(1.7mmol)、(R)−4−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル) ブロモベンゼン0.52g(1.6mmol)、炭酸ナトリウム0.3g、パラジウムテトラキストリフェニルフォスフィン (以下、Pd(TPP)4と略記する。) 0.05g、ジメトキシエタン(以下DMEと略称する。)12ml、水2mlを攪拌しながら8時間加熱還流した。
反応液をトルエンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製し、これをエタノールで再結晶して(R)−5−ヘプチル−2−{4’−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)−4−ビフェニル}ピリジン0.3gを得た。
この化合物の相転移点を表24に示す。
1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.87(6H, t, Me), 1.10 〜1.80 (m), 2.65 (2H, t), 5.23 (1H, q), 7.60〜7.79 (6H), 8.05 〜8.21 (4H), 8.53 (1H)
【0085】
実施例2
(R)−5−ヘプチル−2−{4’−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシカルボニル)−4−ビフェニル}ピリジン
((1)式に於いてR=C7 H15、A環は2,5−ピリジニレン、B環は1,4−フェニレン、R* は−C* H(CF3 )C6 H13)の製造(化合物No93)
(第1段階)
p−ブロモ安息香酸1.09g(5.4mmol) 、(R)−1−トリフルオロメチルヘプタノール1.00g(5.4mmol) を用い実施例1の第2段階と同様の方法で(R)−4−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシカルボニル)ブロモベンゼン0.8gを得た。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.86 (3H, t), 1.10-1.46 (m), 1.70-2.10 (m) 5.49 (1H, q), 7.60 (2H, d), 7.93 (2H, d)
(第2段階)
(R)−4−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシカルボニル)ブロモベンゼン0.36g(1mmol)と4−(5−ヘプチルピリジン−2−イル)フェニルホウ素酸0.30g(1mmol)を実施例1の第2段階と同様の方法で反応させ(R)−5−ヘプチル−2−{4’−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシカルボニル)−4−ビフェニル}ピリジン0.2g を製造した。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.87(6H, t, Me), 1.10 〜1.80 (m), 2.65 (2H, t), 5.62 (1H, q), 7.60〜7.79 (6H), 8.05 〜8.21 (4H), 8.53 (1H)
得られた化合物の相転移点を表24に示す。
【0086】
実施例3
(R)−5−ヘプチル−2−{3’−フルオロ−4’−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)−4−ビフェニル}ピリジン
((1)式に於いてR=C7 H15、A環は2,5−ピリジニレン、B環は3−フルオロ−1,4−フェニレン、R* は−C* H(CH3 )C6 H13)の製造(化合物No143)
【0087】
【化33】
【0088】
(第1段階)
4−ブロモ−2−フルオロ安息香酸5.0g(24mmol)、(R)−2−オクタノール 3.1g(24mmol)を用い実施例1の第2段階と同様の方法で(R)−3−フルオロ−4−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)ブロモベンゼン4.9gを得た。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.87 (3H, t), 1.10-1.90 (m), 5.12 (1H,q), 7.26-7.40 (2H, m), 7.70-7.89 (2H, m).
(第2段階)
(R)−3−フルオロ−4−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)ブロモベンゼン0.52g(1.63mmol)と4−(5−ヘプチルピリジン−2−イル)フェニルホウ素酸0.50g(1.68mmol)を用い実施例1、第2段階と同様の方法で表題の化合物を製造した。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.88(6H, t, Me), 1.10 〜1.80 (m), 2.57 (2H, t), 5.23 (1H, q), 7.60〜7.79 (5H), 8.05 〜8.21 (4H), 8.53 (1H)
得られた化合物の相転移点を表24に示す。
【0089】
実施例4
(R)−5−ヘプチル−2−{3’、5’−ジフルオロ−4’−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)−4−ビフェニル}ピリジン
((1)式に於いてR=C7 H15、A環は2,5−ピリジニレン、B環は3,5ジフルオロ−1,4−ジフェニレン、R* は−C* H(CH3 )C6 H13)の製造(化合物No153)
【0090】
【化34】
【0091】
(第1段階)
3、5−ジフルオロブロモベンゼンと4−(5−ヘプチルピリジン−2−イル)フェニルホウ素酸とから実施例1の第3段階と同様の方法により5−ヘプチル−2−(3’、5’−ジフルオロ−4−ビフェニル)ピリジン1gを製造した。このものは液晶相を示し、その相転移点は以下のようであった。
室温からSc 122 Iso
(第2段階)
5−ヘプチル−2−(3’、5’−ジフルオロ−4−ビフェニル)ピリジン1g(2.7mmol)をTHF20mlに溶解し、そこへ系内を−60℃に保ちながら1.6mlのn−ブチルリチウム(1.68Mヘキサン溶液) を滴下した。滴下終了後、−60℃で30分攪拌したのち1gのドライアイスを投入し1時間攪拌した。ついで系内の温度を室温にもどし一晩攪拌した。6N塩酸水30mlを加え攪拌すると結晶が析出した。
これをろ過により分取し、風乾した後、酢酸を用いて再結晶することにより4’−(5−ヘプチルピリジン−2−イル)−3、5−ジフルオロビフェニル−4−カルボン酸0.6gを得た。このものの融点は185〜186℃であった。
(第3段階)
4’−(5−ヘプチルピリジン−2−イル)−3、5−ジフルオロビフェニル−4−カルボン酸0.30g(0.73mmol)をジメチルホルムアミド(以下DMFと略称する。)20mlに溶解し、次いでカルボニルジイミダゾール(以下CDIと略称する)0.12g(0.74mmol)を加え、内温を40℃に保ちながら2時間攪拌した。
別途、(R)−2−オクタノール0.1g(0.76mmol)、水素化ナトリウム0.036g(1.52mmol)をジオキサン2mlに加え、2時間還流した。ここで得られた溶液を滴下ロートに移した。これを先の反応液に加え、5時間加熱還流した。水30mlを加え、トルエンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮した残留物をカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製し、エタノールを用いて再結晶して(R)−5−ヘプチル−2−(3’、5’−ジフルオロ−4’−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)−4−ビフェニル)ピリジン0.23gを得た。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.86 (6H, t), 1.10-1.90 (m), 5.20 (1H, q), 7.10-7.23 (2H, m), 7.58 (1H, d), 8.05 (1H, dd), 8.53 (1H,d).
得られた化合物の相転移点を表24に示す。
【0092】
実施例5
(R)−2−ヘプチル−5−{4’−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)}−4−ビフェニル}ピリジン
((1)式に於いてR=C7 H15、A環は2,5−ピリジニレン、B環は1,4−フェニレン、R* は−C* H(CH3 )C6 H13)の製造(化合物No173)
【0093】
(第1段階)
1−ヘプチン17.2g(0.18mol)をTHFに溶解し、反応液を0℃に冷却した。そこへ、128mlのn−ブチルリチウム(1.56Mヘキサン溶液) を15分かけて滴下した。さらに30分撹拌したのち、塩化亜鉛のTHF溶液(0.5M)400mlを30分かけて滴下した。反応温度を20℃まで30分かけて上昇させた。そこへ、Pd(TPP)4.25g、2.5−ジブロモピリジン37g(0.16mol)を加え、室温下で2日間撹拌した。
反応液に水200mlを加え、酢酸エチルを用いて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。これを濃縮し、再結晶することにより、2−(1−ヘプチニル)−5−ブロモピリジン41.8gを得た。
融点141−143℃
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.91 (3H, t), 1.10-1.60 (m), 2.10 (2H, t), 7.30 (1H, dd), 8.00 (1H, dd), 9.26 (1H,d)
(第2段階)
2−(1−ヘプチニル)−5−ブロモピリジン14.7g(58.3mmol)、4−メトキシメトキシ−4’−ビフェニルホウ素酸15g(58.3mmol)、炭酸ナトリウム10g(94mm0l)、Pd(TPP)41.3g(1.13mmol)、塩化リチウム2.4g(5.6mmol)、DME500ml、水40mlを用いて、実施例1の第3段階と同様な操作により、2−(1−ヘプチニル)−5−(4’−メトキシメトキシ−4−ビフェニル)ピリジン5.9gを得た。融点182℃。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.92 (3H, t) 1.20-1.28 (6H, m), 2.38 (2H, t) 3.49 (3H, s), 5.21 (2H, s), 7.00-7.25 (m), 7.25-7.90 (m), 8.81 (1H,d).
( 第3段階)
2−(1−ヘプチニル)−5−(4’−メトキシメトキシ−4−ビフェニル) ピリジン4.8g(12.5mmol)、パラジウム炭素1.2gを酢酸エチル150mlに溶解し、常圧で水素添加反応を行った。規定量の水素が消費された後、反応液をろ過してパラジウム炭素を除去した。濃縮して、2−ヘプチル−5−(4’−メトキシメトキシ−4−ビフェニル) ピリジン4.9gを得た。このものの融点は188℃であった。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.92 (3H, t) 1.20-1.28 (H, m),1.28-1.95 (2H, m), 2.84 (2H, t) 3.49 (3H, s), 5.21 (2H, s), 7.00-7.25 (m), 7.25-7.90 (m), 8.81 (1H,d).
( 第4段階)
2−ヘプチル−5−(4’−メトキシメトキシ−4−ビフェニル) ピリジン4.9g(15.1mmol)、ヨウ化ナトリウム5.5g(36.9mmol)、12N塩酸2gをアセトン150mlに溶解し、3時間加熱還流した。アセトンを留去した後、水酸化ナトリウム水溶液を加え、反応液を中性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮すると結晶が得られた。
このものをエタノールを用いて再結晶することにより、2−ヘプチル−5−(4’−ヒドロキシ−4−ビフェニル)ピリジン4.5gを得た。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.92 (3H, t) 1.10-1.60 (H, m),1.60-1.98 (2H, m), 2.84 (2H, t) 6.91-7.01 (m), 7.21-8.10 (m), 8.78 (1H,d).
(第5段階)
2−ヘプチル−5−(4’−ヒドロキシ−4−ビフェニル)ピリジン4.2g(12.0mmol)を乾燥ピリジン30mlに溶解し、内温を5℃まで冷やした後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物3.6g(13.0mmol)を滴下した。室温で2日間かくはんした後、氷水50mlに反応液をあけ、エーテル200mlで抽出した。エーテル層を3%塩酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮の後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、2−ヘプチル−5−(4’−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−4−ビフェニル)ピリジン2.7gを得た。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.92 (3H, t) 1.20-1.28 (H, m),1.28-1.95 (2H, m), 2.84 (2H, t) 7.19-7.41 (m), 7.60-7.90 (m), 8.81 (1H,d).
( 第6段階)
2−ヘプチル−5−(4’−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−4−ビフェニル)ピリジン2.0g(4.2mmol)、シアン化カリウム0.5g(9.0mmol)、臭化ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル0.15g(0.2mmol)、亜鉛粉末0.1g(1.2mmol)、トリフェニルホスフィン0.1g(0.4mmol)、アセトニトリル2.5mlを6時間加熱還流した。水10mlを加え、酢酸エチル50mlで抽出し、有機層を無水硫酸マウネシウムで乾燥した。
濃縮した残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、2−ヘプチル−5−(4’−シアノ−4−ビフェニル)ピリジン0.5gを得た。このものの融点は51℃であった。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.92 (3H, t) 1.20-1.40 (H, m),1.40-1.95 (2H, m), 2.84 (2H, t) 7.19-7.41 (m), 7.60-7.90 (m), 8.81 (1H,d).
(第7段階)
2−ヘプチル−5−(4’−シアノ−4−ビフェニル)ピリジン0.5g(1.4mmol)、水酸化ナトリウム0.5gをジエチレングリコール20mlに加え、12時間還流した。3%塩酸水溶液200mlに反応液を加えると、結晶が析出したので、これをろ過により分取し、風乾した。固体を酢酸を用いて再結晶することにより、4’- (2−ヘプチルピリジン−5−イル)−4−ビフェニルカルボン酸0.5gを得た。このものの融点は250℃以上であった。
(第8段階)
4’−(2−ヘプチルピリジン−5−イル)−4−ビフェニルカルボン酸0.45g(1.2mmol)、(R)−2−オクタノール0.23g(1.8mmolを実施例4の第3段階と同様な操作でエステル化し、(R)−2−ヘプチル−5−{4’−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)−4−ビフェニル}ピリジン0.2gを得た。得られた化合物の相転移点を表24に示す。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.84 (9H, t) 1.20-1.28 (H, m),1.28-1.95 (2H, m), 2.84 (2H, t), 5.15 (1H,q), 7.25-7.27 (m), 7.64-7.80 (m), 8.18-8.79 (m), 8.81 (1H,d).
【0094】
実施例6
(R)−2−ヘプチル−5−{4’−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシカルボニル)}−4−ビフェニル}ピリジン
((1)式に於いてR=C7 H15、A環は3,5−ピリジニレン、B環は1,4−フェニレン、R* は−C* H(CF3 )C6 H13)の製造(化合物No183)
4’−(2−ヘプチルピリジン−5−イル)−4−ビフェニルカルボン酸
0.43g(1.15mmol)、(R)−1−トリフルオロメチル−1−ヘプタノール0.31g(1.72mmol)、を用いて実施例5、第8段階と同じ方法でエステル化し、(R)−2−ヘプチル−5−{4’−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシカルボニル)}−4−ビフェニル}ピリジン0.15gを得た。得られた化合物の相転移点を表24に示す。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.84 (6H, t) 1.20-1.28 (H, m),1.28-1.95 (2H, m), 2.84 (2H, t), 5.55 (1H, q), 7.19-7.28 (m), 7.71-7.87 (m), 8.12-8.21 (m), 8.81 (1H,d).
【0095】
実施例7
(R)−4−ヘプチル−4’−{5−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)ピリジン−2−イル}ビフェニル
((1)式に於いてR=C7 H15、A環は1,4−フェニレン、B環は2,5−ピリジニレン、R* は−C* H(CH3 )C6 H13)の製造(化合物No193)
(第1段階)
6−クロロニコチン酸10g(63mmol)、(R)−2−オクタノール8.2g(63mmol)のジクロルメタン200ml、DMF100mlの混合溶媒中にDCC15.5g(75mmol)、DMAP0.01g(0.08mmol)を加え、室温下で24時間攪拌した。反応液を濾過して不溶物を取り除き、母液よりトルエンで抽出し、有機層を水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮した残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製し(R)−2−クロロ−5−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)ピリジン9.5gを得た。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.87 (3H, t), 1.10-1.60 (m), 1.60-1.90 (m), 5.17 (1H, q), 7.40 (1H, d), 8.23 (1H, dd), 8.98 (1H, d).
(第2段階)
4−ブロモ−4’−ヘプチルビフェニル10g(30mmol)、sec−ブチルリチウム(1.14Mヘキサン溶液)40ml、ホウ酸トリメチル10gを用い、実施例1の第1段階と同様な操作で、4’−ヘプチルビフェニル−4−ホウ素酸4.7gを得た。融点137−140℃
(第3段階)
4' −ヘプチルビフェニル−4−ホウ素酸1g(3.3mmol)、(R)−2−クロロ−5−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)ピリジン0.91g(3.4mmol)、炭酸ナトリウム0.9g、Pd(TPP)40.1gのDME35ml、水5mlの溶液を攪拌しながら4時間加熱還流した。反応液に水を加えた後、トルエンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製し、これをエタノールを用いて再結晶して(R)−4−ヘプチル−4’−{5−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)ピリジン−2−イル}ビフェニル1.1gを得た。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ 0.92 (6H, t), 1.15-1.60 (m), 1.60-1.90 (m), 5.20 (1H, q), 7.23-7.32 (2H, m), 7.54-7.89 (m), 8.09-8.40 (m), 9.29 (1H, d).
得られた化合物の相転移点を表24に示す。
【0096】
実施例8
(R)−2−ヘプチル−5−(4’−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシカルボニル)−4−ビフェニル)ピリジン
((1)式に於いてR=C7 H15、A環は1,4−フェニレン、B環は2,5−ピリジニレン、R* は−C* H(CF3 )C6 H13)の製造(化合物No203)
(第1段階)
6−クロロ−ニコチン酸1.57g,(10mmol)、(R)−1−トリフルオロメチル−1−ヘプタノール1.84g(10mmol)を用い実施例5の第1段階と同じ方法で(R)−2−クロロ−5−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシカルボニル)ピリジン3.1gを得た。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ0.86 (3H, t), 1.10-2.10 (m), 5.50 (1H, q), 7.44 (1H, d), 8.26 (1H, dd), 9.03 (1H, d).
(第2段階)
4’−ヘプチルビフェニル−4−ホウ素酸0.7g(2.3mmol)、(R)−2−クロロ−5−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシカルボニル)ピリジン0.74g(2.3mmol)を用い実施例5の第3段階と同様な操作で、(R)−2−ヘプチル−5−(4’−(1−トリフルオロメチルヘプチルオキシカルボニル)−4−ビフェニリル)ピリジン0.4gを得た。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ 0.88 (6H, t), 1.10-2.10 (m), 2.67 (2H, t) 5.50 (1H, q),7.23-7.32 (m), 7.54-7.92 (m), 8.15 (1H, d), 8.39 (1H, dd), 9.33 (d).
得られた化合物の相転移点を表24に示す。
【0097】
実施例9
(R)−2−(4’−ヘプチルオキシ−4−ビフェニル)−5−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)ピリジン
((1)式に於いてR=OC7 H15、A環は1,4−フェニレン、B環は2,5−ピリジニレン、R* は−C* H(CH3 )C6 H13)の製造(化合物No213)
(第1段階)
4−ブロモ−4’−ヘプチルオキシビフェニル5g(14.4mmol)、sec−ブチルリチウム(1.14Mヘキサン溶液)13ml、ホウ酸トリメチル5gを用い、実施例1の第1段階と同様な操作で、4’−ヘプチルオキシビフェニル−4−ホウ素酸1.7gを得た。
融点163−166℃
(第3段階)
4’−ヘプチルオキシビフェニル−4−ホウ素酸1g(3.3mmol)、(R)−2−クロロ−5−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)ピリジン0.91g(3.4mmol)を用い実施例1の第3段階と同様な操作で、(R)−2−(4’−ヘプチルオキシ−4−ビフェニル)−5−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)ピリジン0.8gを得た。
この化合物の1H−NMRは以下に示すとおりであった。
1H−NMR(CDC13)
δ 0.89 (6H, t), 1.10-2.10 (m), 4.00 (2H, t), 5.17 (1H, q), 6.93-7.03 (m), 7.53-7.83 (m), 8.11 (1H, d), 8.29 (1H, dd), 9.28 (1H, d).
【0098】
【表24】
【0099】
実施例10(組成物例)
各種の強誘電性、反強誘電性液晶物性の測定は、以下に従って行った。
自発分極値(Ps)はソーヤ・タウアー法にて、傾き角(θ)はホモジニアス配向させたセルに臨界電場以上の十分高い電場を印加し、らせん構造を消滅させ、更に極性を反転させ、直行ニコル下における消光位の移動角(2θに対応)より求めた。応答時間は、配向処理した電極間隔が2μmのセルに液晶を注入し、±10V/μm、100Hzの短波形を印加した場合の透過光強度の変化時間を採用した。
本発明の液晶化合物が反強誘電性を示すことは、偏光顕微鏡下の組織観察によるほか、液晶素子の電気光学応答における見掛けのチルト角対印加電圧曲線のヒステリシスの存在や電気光学応答における3状態スイッチングの発現によって確認した。
反強誘電性液晶のしきい値の測定は、透明電極を備えたガラス基板にポバール系配向膜を塗布した一組の基板の一方をラビング処理してお互いにに向き合わせ、電極間隔を5μmに調節したセルに液晶を高温下で注入した。
これをSCA* 相まで徐冷して均一な配向の液晶表示素子を作成した。反強誘電相および強誘電相間の相の電界印加による転移のしきい値電圧は、液晶セルに50mHzの三角波を印加した場合の光学応答と印加電圧との二現象オシロスコープで観察して、明確な相転移が観察される印加電圧を採用した。
【0100】
表24より明らかなように、実施例1〜3および7の化合物は広い範囲でSCA* 相を示している。表中においてSXは帰属不明の液晶相、Crは結晶相、Sc* はスメクチックC相、SCA* は反強誘電性Sc* 相、SA相はスメクチックA相、Isoは等方性液体相を表す。
実施例11
実施例1(化合物No23)の89℃における強誘電性液晶物性は以下に示すようであった。
自発分極(Ps)91.5nC/cm2、チルト角18.2゜、応答時間14.6μsec
比較例1
特開平5−271658号公報記載の化合物である以下の化合物の液晶温度範囲を実施例1の化合物と比較した。
【0101】
【化35】
【0102】
実施例1と比較例1の化合物の相転移温度を比較した。
実施例1 Cr45SCA* 92Sc98.8SA133.2Iso
比較例1 Cr57.8SCA* 86.7Sc98.1SA119.3Isoこのように、本発明の化合物は化合物の融点が低く、比較の化合物より広い範囲で反強誘電性液晶相を示した。
更に、実施例1と比較例1の化合物のしきい値電圧と応答時間を測定した。
このように、本発明の化合物は、反強誘電性液晶表示素子の駆動電圧に直接関わるしきい値電圧が低く、かつ応答時間も短いことがわかる。
【0103】
実施例12(組成物例1)
実施例1の化合物(No 23)と比較化合物(A)を50:50の重量比で混合して液晶組成物を調製した。この組成物の相転移は昇温過程でCr−8SCA* 97.1SA137.2Isoであり、室温を含む広い範囲で反強誘電相を示した。
【0104】
【化36】
【0105】
実施例12において調製した組成物と比較化合物(A)および化合物No23の種々の温度におけるしきい値電圧を図1に示した。図1から明らかなように、実施例12において調製した組成物は全温度領域にわたり、比較化合物(A)よりもしきい値電圧が低く、かつ温度依存性を示さないことが判明する。
【0106】
実施例13
メルク社製、ネマチック液晶組成物ZLI−1132に実施例1の(化合物No23)を1重量%添加したカイラルネマチック液晶のカイラルピッチは以下のようであった。
70℃ 9.47μm
60℃ 9.51μm
50℃ 9.35μm
40℃ 9.18μm
30℃ 9.04μm
25℃ 8.96μm
20℃ 8.90μm
このように本発明の化合物が誘起するネマチック相のカイラルピッチは短く、また温度によりあまり変化せず一定に近い。したがって、本発明の化合物を用いることで温度依存性の小さい表示素子を作成することができる。
【0107】
【発明の作用効果】
本発明の化合物と骨格構造が類似の構造(a)は、反強誘電性液晶相を呈さず、強誘電性液晶相のみを呈するので、反強誘電性液晶組成物の成分として使用することはできない。既に述べたように、反強誘電性液晶組成物を構成する際には、反強誘電性液晶相を示さない化合物を成分として用いることは困難である。したがって、特開平1−106864から本発明は容易には類推できない。なぜなら、本発明の化合物が反強誘電性液晶相を呈することを予見できないからである。
構造(c)は、本発明の化合物とピリジン骨格が異なる位置に存在している。かつ、構造(c)が反強誘電性液晶相を呈することは、報告されている。
しかし、本発明の化合物が構造(c)より更に、反強誘電性液晶組成物の成分として好適であることは、全く予知できるものではない。
実施例に示すように、本発明の化合物は、構造(c)の化合物に比較して、より広い反強誘電性液晶相が発現し、かつ、駆動電圧を直接左右するしきい値電圧を低く発現し、更に高速応答をしめす。
このような特性が本発明の化合物の優秀性を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例ならびに比較例化合物のしきい値電圧と温度の関係を示す。
Claims (7)
- 請求項1において、R* が−C* H(CH3 )C6 H13で表される化合物。
- 請求項1において、R* が−C* H(CF3 )C6 H13で表される化合物。
- 請求項1に記載の化合物を少なくとも1種含有する液晶組成物。
- 請求項1に記載の化合物を少なくとも1種含有する液晶組成物を用いて構成された液晶素子。
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