JP2911635B2 - モノフルオロベンゼン環を含む液晶化合物 - Google Patents

モノフルオロベンゼン環を含む液晶化合物

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JP2911635B2
JP2911635B2 JP12208591A JP12208591A JP2911635B2 JP 2911635 B2 JP2911635 B2 JP 2911635B2 JP 12208591 A JP12208591 A JP 12208591A JP 12208591 A JP12208591 A JP 12208591A JP 2911635 B2 JP2911635 B2 JP 2911635B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モノフルオロベンゼン
環を含む液晶化合物に関し、詳しくは液晶表示素子に使
用するのに適したモノフルオロベンゼン環を含む強誘電
性あるいは反強誘電性を有する液晶化合物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
各種表示素子,電子光学デバイスなど、液晶の利用分野
が著しく拡大しつつあり、それに伴って様々な構造の液
晶化合物が提案されてきた。特にカイラルスメクチック
C相(SmC* ) を有する強誘電性液晶は1980年に
ClarkとLagawallによりそのマイクロ秒オーダーの高速
応答性とメモリー性が報告されて以来、ネマチック液晶
を用いた液晶表示素子に代わる新しい表示素子の材料と
して注目され、多くの液晶化合物が合成されてきた。
【0003】強誘電性液晶の応答速度は、τ=η/Ps・
Eで知られている。ここで、ηは回転粘性を示し、Psは
自発分極を示し、Eは電界強度を示す。これから、高速
応答性を得るため、粘性が小さく、自発分極の大きな液
晶材料が開発目標とされてきた。また、液晶材料として
は、化学的安定性,広動作温度範囲などの特性が要求さ
れるが、単一の化合物でこれらの諸特性を満たすことは
困難であった。したがって、従来、複数のカイラルスメ
クチックC相(SmC* )を有する化合物どうしを混合
したり、粘性の低いスメクチックC相(SmC)を有す
る母体液晶に光学活性な化合物を添加して所望の性能を
有するSmC* 相を有する強誘電性液晶組成物を得る方
法が用いられてきた。
【0004】後者の場合には、添加するカイラルドーパ
ントは、それ自体SmC* 相を有していても、有してい
なくてもよく、母体液晶との相溶性が良好で、大きな自
発分極を誘起し、粘性を増大させないことが要求され
る。
【0005】さらに近年、新しいスメクチック相として
見出された反強誘電性カイラルスメクチックC相(Sm
A * ) を利用する液晶表示素子が注目を集めている
(Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 27,pp
L 729,1988) 。反強誘電性液晶では、三安定状態間の
スイッチングが起こること、明確なしきい値特性を有
すること、ダブルヒステリシスが存在すること、良
好なメモリー性を有すること、及び層構造が電界によ
りスイッチングすることなどの特徴を有することから、
新しい液晶表示素子へ応用が試みられている(Japanese
Journal of Applied Pysics, Vol.29, pp.L 107, 1990
及びJapanese Journal of Applied Physics, Vol.29, p
p.L 111, 1990)。
【0006】反強誘電性カイラルスメクチックC相を有
する液晶化合物については、特開平1−213390号
公報, 同1−316367号公報,同1−316372
号公報及び同2−28128号公報等に記載されている
が、未だ十分な性能を有するものが得られていないのが
実状である。
【0007】本発明はこれらの点に鑑み、新しい液晶表
示素子として利用できる反強誘電性カイラルスメクチッ
クC相を有する新規な液晶化合物を探索した結果、モノ
フルオロベンゼン環を含む特定の液晶化合物が、室温を
含む広い温度範囲で反強誘電性カイラルスメクチックC
相を示すことを見出した。本発明は、かかる知見に基い
て完成したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
【化5】 〔式中、Rfは炭素数1又は2のフルオロアルキル基を
示し、Rは炭素数3〜18の直鎖又は分岐鎖アルキル
基を示し、nは0又は1を示し、Rは炭素数5〜15
の直鎖又は分岐鎖アルキル基を示し、Aは−CHO−
又は−OCH−を示し、*は不斉炭素原子を示し、X
【化6】 を示し、X及びXのうち少なくとも一方は、
【化7】 である。〕で表されるモノフルオロベンゼン環を含む液
晶化合物を提供するものである。
【0009】本発明のモノフルオロベンゼン環を含む液
晶化合物は、Rf の種類により様々なものであるが、い
ずれもフルオロアルキル基に結合する炭素原子が不斉中
心となった光学活性化合物である。
【0010】一般式(I)において、上記のようにRf
は炭素数1又は2のフルオロアルキル基を示し、具体的
にはトリフルオロメチル基,ジフルオロメチル基,クロ
ロジフルオロメチル基,ペンタフルオロエチル基などで
あり、好ましくはトリフルオロメチル基である。
【0011】また、R1 は炭素数3〜18の直鎖又は分
岐鎖アルキル基、例えばn−プロピル基,イソプロピル
基,n−ブチル基,イソブチル基,sec −ブチル基,te
rt−ブチル基,n−ペンチル基,n−ヘキシル基,n−
ヘプチル基,n−オクチル基,n−ノニル基,n−デシ
ル基,n−ウンデシル基,n−ドデシル基,n−トリデ
シル基,n−テトラデシル基,n−ペンタデシル基,n
−ヘキサデシル基,n−ヘプタデシル基,n−オクタデ
シル基などである。これらのうち、分岐鎖アルキル基で
あって、不斉炭素を有する基は、光学活性基である。
【0012】さらに、R2 は炭素数5〜15の直鎖又は
分岐鎖アルキル基、例えばn−ペンチル基,イソペンチ
ル基,1−メチルブチル基,n−ヘキシル基,n−ヘプ
チル基,1−メチルヘプチル基,n−オクチル基,1−
エチルヘプチル基,1−メチルオクチル基,n−ノニル
基,1−エチルオクチル基,1−メチルノニル基,n−
デシル基,n−ウンデシル基,n−ドデシル基,n−ト
リデシル基,n−テトラデシル基,n−ペンタデシル基
などである。R2 が分岐鎖アルキル基である場合、不斉
炭素を有する基は、光学活性基である。
【0013】また、Aは−CH2O−又は−OCH2−を
示す。
【0014】また、X及びXは、前記の式で示した
基を表す。例えば、X
【化8】 である場合、X
【化9】 を示し、X
【化10】 である場合、X
【化11】 を示す。
【0015】一般式(I)において、R1 又はR2 が光
学活性基である場合、4種の光学異性体が存在し、R1
とR2 が同時に光学活性基であれば、8種の光学異性体
が存在するが、本発明は特定の光学異性体に限定するも
のではない。また、光学純度は望ましくは100%e
e、100%deであるが、特にこれを規定するもので
はない。
【0016】本発明による一般式(I)の化合物は、様
々な方法で製造することができるが、例えば以下の工程
により製造することができる。A=−CH2O−の場
合、一般式(II) BzO−X2−COCl ・・・(II) 〔式中、X2 は前記と同じであり、Bzはベンジル基を示
す。〕で表される化合物を一般式(III)
【化12】 〔式中、Rf 及びR2 は前記と同じである。〕で表され
る化合物と反応させて、一般式(IV)
【化13】 〔式中、Rf, Bz, X2 及びR2 は前記と同じであ
る。〕で表わされる化合物を得る。この反応は、有機塩
基、例えばピリジン,トリエチルアミン等の存在でトル
エン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒中で−20℃〜
80℃の温度で行うことができる。
【0017】次に、得られた一般式(IV)の化合物中の
ベンジル基を常法で脱離させれば、一般式(V)
【化14】 〔式中、X2 、Rf 及びR2 は前記と同じである。〕で
表される化合物が生成する。この脱ベンジル化反応は、
例えばPd −C触媒の存在でメタノール,エタノール,
プロパノール等のアルコール性溶媒あるいは酢酸を用い
て常圧で水素化分解することによって行うことができ
る。
【0018】上記のようにして得た一般式(V)の化合
物を一般式(VI) R1−(O)n−X1−CH2Y ・・・(VI) 〔式中、R1 ,X1 及びnは前記と同じであり、Yは塩
素,臭素,ヨウ素又はトシル基を示す。〕で表される化
合物と反応させることにより上記一般式(I)の化合物
を得る。この反応は、一般式(V)の化合物にアルカリ
金属ヒドリドあるいは水酸化ナトリウムあるいは水酸化
カリウムで代表される塩基を作用させた後、一般式(V
I)の化合物を加えることにより行うことができる。
【0019】また、A=−OCH2−の場合、一般式(V
II) YCH2−X2−COCl ・・・(VII) 〔式中、Y及びX2 は前記と同じである。〕で表される
化合物を、上記一般式(III)の化合物と反応させて、一
般式(VIII)
【化15】 〔式中、Rf ,Y,X2 及びR2 は前記と同じであ
る。〕で表される化合物を得る。この反応は、有機塩
基、例えばピリジン,トリエチルアミン等の存在下にト
ルエン,ベンゼン,塩化メチレン等の溶媒中で−20〜
80℃の温度で行うことができる。
【0020】次に、一般式(IX) R1−(O)n−X1−OH ・・・(IX) 〔式中、n,R1 及びX1 は前記と同じである。〕で表
される化合物に、上記一般式(VIII)で表される化合物
を反応させて、上記一般式(I)で表される化合物を得
る。この反応は、一般式(IX) の化合物にアルカリ金属
ヒドリドあるいは水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリ
ウムで代表される塩基を作用させた後、一般式(VIII)
の化合物を加えることにより行うことができる。
【0021】本発明による一般式(I)の化合物の具体
例を以下に列挙する。
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【0022】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0023】実施例1 (R)−4−(4−オクチルオキシビフェニル−4’−
メチレンオキシ)−3−フルオロ安息香酸−1−トリフ
ルオロメチル−1−ヘプチルエステルの合成
【化29】 a)4−ベンジルオキシ−3−フルオロ安息香酸クロリ
ド 2.15g(8.1ミリモル)と(R)−1,1,1−ト
リフルオロ−2−オクタノール1.25g( 6.8ミリモ
ル)のトルエン溶液5ml中に無水ピリジン3mlを加え、
室温で22時間反応させた。この反応溶液に1N塩酸を
加えて反応を停止させ、エーテルにより抽出した。次い
で、1N水酸化カリウム溶液及び飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテルを減圧
留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
り分離精製した。収量 2.48g
【0024】b)上記a)で得られたベンジルエーテル
化合物のエタノール(15ml)・酢酸(3ml)混合溶液
に10%パラジウムチャーコール0.25gを添加し、水
素雰囲気下に室温で水素化分解を60時間行った。その
後、反応溶液をろ過し、溶媒を減圧留去した後、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製した。収
量 1.74g
【0025】c)60%水素化ナトリウム 0.13g( 3.
2ミリモル)をテトラヒドロフラン5mlに加え、窒素雰
囲気下に0℃で上記b)で得られたアルコール化合物
0.87g( 2.7ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液
(5ml)を滴下した。30分反応させた後、室温で4’
−クロロメチル−4−オクチルオキシビフェニル 1.07
g(3.2ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液(5ml)
を滴下し、ジメチルスルホキシド5mlを加え、室温で3
0分、60℃で22時間反応させた。
【0026】1N塩酸を加えて反応を停止し、エーテル
により抽出した。次いで、飽和炭酸水素ナトリウム溶液
及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。エーテルを減圧留去した後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより分離精製し、目的化合物で
ある(R)−4−(4’−オクチルオキシビフェニル−
4−メチレンオキシ)−3−フルオロ安息香酸−1−ト
リフルオロメチル−1−ヘプチルエステル 0.68gを得
た。
【0027】 得られた化合物の物理的性質を以下に示す。 分子式:C364444 1 H−NMR;δ(ppm ) 0.80〜0.98(m,6H),1.19〜1.56(m,1
8H),1.75〜1.90(m,4H),3.99(t,J
=6.6Hz,2H),5.25(s,2H),5.50(tq,
J=6.7,6.7Hz,1H),6.97(d,J=8.7Hz,
2H),7.07(dd,J=8.4,8.5Hz,1H),7.
48(d,J=8.8Hz,2H),7.51(d,J=9.0
Hz,2H),7.58(d,J=8.2Hz,2H),7.77
〜7.85(m,2H)19 F−NMR(基準CFCl3 );δ(ppm ) −77.53(d,J=6.6Hz,3F),−133.23
(m,1F) IR(cm-1); 1740,1620,1505,11
90,1130 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 616.3175 実測値 616.3165 〔α〕D 25=+27.9°(c=1.08,CHCl3
【0028】得られた化合物は、液晶性を示し、その相
転移温度はDSC(示差走査熱量計)測定及び偏光顕微
鏡による観察から次のとおりであった。
【化30】 ここで、Cryは結晶を、SmCA * は反強誘電性カイ
ラルスメクチックC相を、SmAはスメクチックA相
を、Isoは等方相をそれぞれ表す。
【0029】実施例2 (R)−4−(4−デシルオキシビフェニル−4’−メ
チレンオキシ)−3−フルオロ安息香酸−1−トリフル
オロメチル−1−ヘプチルエステルの合成
【化31】 実施例1b)で得られたアルコール化合物 0.87g( 2.
7ミリモル)と4’−クロロメチル−4−デシルオキシ
ビフェニル 1.16g( 3.2ミリモル)を用いて実施例1
c)と同様の反応を行い、目的化合物である(R)−4
−(4−デシルオキシビフェニル−4’−メチレンオキ
シ)−3−フルオロ安息香酸−1−トリフルオロメチル
−1−ヘプチルエステル1.12gを得た。
【0030】 得られた化合物の物理的性質を以下に示す。 分子式:C384844 1 H−NMR;δ(ppm ) 0.82〜0.97(m,6H),1.17〜1.56(m,2
2H),1.75〜1.88(m,4H),3.99(t,J
=6.5Hz,2H),5.25(s,2H),5.50(tq,
J=6.6,6.6Hz,1H),6.97(d,J=8.3Hz,
2H),7.07(dd,J=8.2,8.6Hz,1H),7.
48(d,J=8.5Hz,2H),7.51(d,J=8.9
Hz,2H),7.58(d,J=8.0Hz,2H),7.78
〜7.84(m,2H)19 F−NMR(基準CFCl3 );δ(ppm ) −77.53(d,J=6.7Hz,3F),−133.22
(m,1F) IR(cm-1); 1730,1620,1505,12
00,1140 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 644.3489 実測値 644.3463 〔α〕D 27=+27.0°(c=1.08,CHCl3
【0031】得られた化合物は、液晶性を示し、その相
転移温度はDSC(示差走査熱量計)測定及び偏光顕微
鏡による観察から次のとおりであった。
【化32】
【0032】実施例3 (R)−4’−(4−デシルオキシ−3−フルオロフェ
ニル−1−メチレンオキシ)−4−ビフェニルカルボン
酸−1−トリフルオロメチル−1−ヘプチルエステルの
合成
【化33】 a)4’−ベンジルオキシ−4−ビフェニルカルボン酸
クロリド 4.21g( 13.0ミリモル)と(R)−1,1,
1−トリフルオロ−2−オクタノール 2.00g(10.9
ミリモル)のトルエン溶液15ml中に無水ピリジン5ml
を加え、室温で22時間反応させた。この反応溶液に1
N塩酸を加えて反応を停止させ、エーテルにより抽出し
た。次いで、1N水酸化カリウム溶液及び飽和食塩水で
順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテ
ルを減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにより分離精製した。収量 2.15g
【0033】b)上記a)で得られたベンジルエーテル
化合物のエタノール(10ml)・トルエン(10ml)混
合溶液に10%パラジウムチャーコール 1.00gを添加
し、水素雰囲気下に室温で水素化分解反応を5日行っ
た。その後、反応溶液をろ過し、溶媒を減圧留去した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精
製した。収量 1.14g
【0034】c)60%水素化ナトリウム 0.07g( 1.
8ミリモル)をテトラヒドロフラン5mlに加え、窒素雰
囲気下に0℃で上記b)で得られたアルコール化合物
0.57g( 1.5ミリモル)のテトラヒドロフラン溶液
(5ml)を滴下した。30分間反応させた後、室温で4
−クロロメチル−2−フルオロ−1−デシルオキシベン
ゼン0.54g( 1.8ミリモル)のテトラヒドロフラン溶
液(5ml)を滴下し、ジメチルスルホキシド5mlを加
え、室温で30分、60℃で5日反応させた。
【0035】1N塩酸を加えて反応を停止し、エーテル
により抽出した。次いで、飽和炭酸水素ナトリウム溶液
及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。エーテルを減圧留去した後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより分離精製し、目的化合物で
ある(R)−4’−(4−デシルオキシ−3−フルオロ
フェニル−1−メチレンオキシ)−4−ビフェニルカル
ボン酸−1−トリフルオロメチル−1−ヘプチルエステ
ル 0.62gを得た。
【0036】 得られた化合物の物理的性質を以下に示す。 分子式:C384844 1 H−NMR;δ(ppm ) 0.84〜0.97(m,6H),1.20〜1.53(m,2
2H),1.77〜1.94(m,4H),4.03(t,J
=6.6Hz,2H),5.03(s,2H),5.57(tq,
J=6.6,6.6Hz,1H),6.93〜7.22(m,5
H),7.57(d,J=8.7Hz,2H),7.65(d,
J=8.4Hz,2H),8.12(d,J=8.9Hz,2H)19 F−NMR(基準CFCl3 );δ(ppm ) −77.50(d,J=6.7Hz,3F),−134.40
(m,1F) IR(cm-1); 1735,1605,1530,12
00,1020 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 644.3489 実測値 644.3477 〔α〕D 25=+36.8°(c=1.06,CHCl3
【0037】得られた化合物の相転移温度はDSC(示
差走査熱量計)測定及び偏光顕微鏡による観察から次の
とおりであった。
【化34】
【0038】実施例4 (R)−4−(4−オクチルオキシビフェニル−4’−
メチレンオキシ)−2−フルオロ安息香酸−1−トリフ
ルオロメチル−1−ヘプチルエステルの合成
【化35】 a)4−ベンジルオキシ−2−フルオロ安息香酸クロリ
ド 2.47g(9.4ミリモル)と(R)−1,1,1−ト
リフルオロ−2−オクタノール1.43g( 7.8ミリモ
ル)を実施例1a)と同様の操作で反応させ、ベンジル
エーテル化合物 2.75gを得た。
【0039】b)上記a)で得られたベンジルエーテル
化合物を用いて実施例1b)と同様の操作で水素化分解
反応を行い、アルコール化合物 2.04gを得た。
【0040】c)上記b)で得られたアルコール化合物
0.68g( 2.1ミリモル)と4’−クロロメチル−4−
オクチルオキシビフェニル 0.84g( 2.5ミリモル)を
用い、実施例1c)と同様の反応を行い、目的化合物で
ある(R)−4−(4−オクチルオキシビフェニル−
4’−メチレンオキシ)−2−フルオロ安息香酸−1−
トリフルオロメチル−1−ヘプチルエステル 0.81gを
得た。
【0041】 得られた化合物の物理的性質を以下に示す。 分子式:C364444 1 H−NMR;δ(ppm ) 0.80〜0.95(m,6H),1.13〜1.51(m,1
8H),1.74〜1.89(m,4H),4.00(t,J
=6.6Hz,2H),5.18(s,2H),5.54(tq,
J=6.8,6.8Hz,1H),6.69〜6.80(m,2
H),6.97(d,J=8.8Hz,2H),7.49〜7.5
9(m,6H),7.92(dd,J=6.8,8.6Hz,1
H)19 F−NMR(基準CFCl3 );δ(ppm ) −77.31(d,J=6.7Hz,3F),−102.80
(m,1F)IR(cm-1); 1750,1610,1
505,1180,1120 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 616.3176 実測値 616.3146 〔α〕D 27=+14.7°(c=1.01,CHCl3
【0042】実施例5 (R)−4−(4−デシルオキシビフェニル−4’−メ
チレンオキシ)−2−フルオロ安息香酸−1−トリフル
オロメチル−1−ヘプチルエステルの合成
【化36】 実施例4b)で得られたアルコール化合物 0.91g( 2.
8ミリモル)と4’−クロロメチル−4−デシルオキシ
ビフェニル 1.22g( 3.4ミリモル)を用い、実施例1
c)と同様の反応を行い、目的化合物である(R)−4
−(4−デシルオキシビフェニル−4’−メチレンオキ
シ)−2−フルオロ安息香酸−1−トリフルオロメチル
−1−ヘプチルエステル 1.13gを得た。
【0043】 得られた化合物の物理的性質を以下に示す。 分子式:C384844 1 H−NMR;δ(ppm ) 0.81〜0.95(m,6H),1.18〜1.53(m,2
2H),1.74〜1.88(m,4H),3.99(t,J
=6.6Hz,2H),5.18(s,2H),5.55(tq,
J=6.7,6.7Hz,1H),6.68〜6.80(m,2
H),6.97(d,J=8.7Hz,2H),7.49〜7.5
9(m,6H),7.92(dd,J=6.8,8.7Hz,1
H)19 F−NMR(基準CFCl3 );δ(ppm ) −77.31(d,J=6.7Hz,3F),−102.80
(m,1F) IR(cm-1); 1750,1610,1505,11
80,1115 質量分析 m/e(M+ ) 計算値 644.3489 実測値 644.3472 〔α〕D 25=+14.1°(c=1.01,CHCl3
【0044】実施例6 ITO(酸化インジウムと酸化スズとの混合酸化物)電
極付の一対のガラス基板にポリイミドをコーティングし
た後、ラビング処理してセル間隔 2.3μmの液晶素子を
作製した。この素子に実施例1で得られた液晶化合物
(R)−4−(4−オクチルオキシビフェニル−4’−
メチレンオキシ)−3−フルオロ安息香酸−1−トリフ
ルオロメチル−1−ヘプチルエステルを等方相(Is
o)において注入した後、徐冷してSmA相とした。
【0045】この素子に温度50℃で±30V,1Hzの
三角波電圧を印加したときの透過光強度変化をフォトマ
ルチプライマー付の偏光顕微鏡を用いて観察したとこ
ろ、図1に示したエレクトロクリニック効果が認められ
た。さらに降温してSmCA * 相とし、温度30℃で±
30V,0.02Hzの三角波電圧を印加したところ、図2
に示したようなダブルヒステリシスが観察され、反強誘
電性カイラルスメクチックC相であることを確認した。
この温度におけるみかけのチルト角は19°であり、自
発分極の値は81nC/cm2 であった。さらに±30Vの
矩形波電圧を印加したときの応答速度τ10-90 は36μ
秒であった。
【0046】実施例7 実施例6と同様にして液晶セルを作製し、この素子に実
施例2で得られた化合物(R)−4−(4−デシルオキ
シビフェニル−4’−メチレンオキシ)−3−フルオロ
安息香酸−1−トリフルオロメチル−1−ヘプチルエス
テルを等方相において注入した後、徐冷してSmCA *
相とした。
【0047】この素子に温度30℃で実施例6と同様に
±30V,0.02Hzの三角波電圧を印加したとき、図2
と同様のダブルヒステリシスを確認した。また、この温
度におけるみかけのチルト角は22°であり、自発分極
の値は93nC/cm2 であった。さらに±30Vの矩形波
電圧を印加したときの応答速度τ10-90 は49μ秒であ
った。
【0048】
【発明の効果】本発明のモノフルオロベンゼン環を含む
液晶化合物は、室温を含む広い温度範囲で反強誘電性カ
イラルスメクチックC相を示し、大きな自発分極を持つ
ため、高速応答性を示し、各種表示素子,電子光学デバ
イスなどに好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例6で測定した印加電圧と透過光強度との
関係を示すグラフである。
【図2】実施例6で測定した印加電圧と透過光強度との
関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 239/26 C07D 239/26 239/32 239/32 C09K 19/20 C09K 19/20 19/30 19/30 19/32 19/32 19/34 19/34 G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 (72)発明者 小林 正明 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島 石油株式会社内 (72)発明者 伊藤 恵造 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島 石油株式会社内 (72)発明者 竹田 充範 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島 石油株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−316562(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/76 C07C 69/92 C07D 213/64 - 213/79 C07D 237/14 C07D 239/26 - 239/32 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、Rfは炭素数1又は2のフルオロアルキル基を
    示し、Rは炭素数3〜18の直鎖又は分岐鎖アルキル
    基を示し、nは0又は1を示し、Rは炭素数5〜15
    の直鎖又は分岐鎖アルキル基を示し、Aは−CHO−
    又は−OCH−を示し、*は不斉炭素原子を示し、X
    は 【化2】 を示し、X及びXのうち少なくとも一方は、 【化3】 である。〕で表されるモノフルオロベンゼン環を含む液
    晶化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、Aが−CH2
    −であり、X1 及びX2 が 【化4】 であり、X1 及びX2 のうち少なくとも一方が後者の基
    である請求項1記載のモノフルオロベンゼン環を含む液
    晶化合物。
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