JP3989870B2 - 足指マッサージ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、足指を保持して強制的に曲げ運動させることにより、足指のマッサージを行うマッサージ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
足指のマッサージ機として、特許文献1、特許文献2が提案されている。
特許文献1のマッサージ機は、5本の足指を夫々独立して嵌めて支持する足指保持部を二重壁構造とし、内壁と外壁との間に空気を断続的に吸排し、可撓性内壁で足指を繰り返し圧迫する。又、足指保持部を回転させて足指を捻り、足指保持部を前後に移動させて足指を引っ張ることによって足指のマッサージ行う。
特許文献2のマッサージ機は、足指間に嵌まる4本のマッサージ棒を上下させて、マッサージ棒と足指の摩擦によって足指をマッサージする。
【0003】
前者の場合、足指保持部に空気を断続的に給排する構成が複雑となる。又、足指保持部と足指の嵌合が緩いと、足指保持部を左右に回転又は前後に移動させても、足指保持部だけが回転或いは前後動するだけで、足指にマッサージ効果を得ることはできない。
後者の場合、足指の側面が上下動するマッサージ棒に接するだけであるから、マッサージ効果は小さい。
本発明は、足指を強制的に曲げ伸ばし運動させることにより、大きなマッサージ効果を得ることのできる足指マッサージ機を明らかにするものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−96017号
【特許文献2】
特開平11−178870号
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明は、足を支持する足支持部(2a)と、該足支持部(2a)によって支持した足の指を嵌めて保持する足指保持部(3)と、足指保持部(3)に連繋され該足指保持部を足指を曲げる方向に揺動させる揺動駆動手段(4)を具えた足指マッサージ機において、足指保持部(3)は、足指の1本づつを個別に嵌めることができ且つ夫々独立して前後位置調整可能なキャップ(31)を横並びに配備されており、
揺動駆動手段 ( 4 ) は、足支持部 (2a) に枢支され両端が自由端であるレバー ( 6 ) と、略中央部にキャップ (31) を具えた支持部材 ( 7 ) と、レバー ( 6 ) の両自由端と支持部材 ( 7 ) の両端を繋ぐバネ板 (74) と、レバー ( 6 ) に連繋され該レバーを揺動させる揺動機構 ( 5 ) とによって構成され、
支持部材 ( 7 ) は1個のキャップ (31) を中央に具えた支持板 (71) の集合であり、各支持板 (71) の両端が、バネ板 (74) を介してレバー ( 6 ) の両自由端に連繋されて各支持板 (71) はバネ板 (74) の撓みにより独立して上下動可能である。
【0006】
【作用及び効果】
各キャップ(31)を対応する足指に嵌める。各キャップ(31)を回すことによって、支持板(71)に対してキャップ(31)を前後に移動できるため、足指の配列傾斜に応じて個々のキャップ(31)を最適位置に調節して、各足指に嵌めることができる。
動力駆動又は手動駆動によってキャップ(31)を揺動させると、各キャップ(31)に挿入された足指は強制的に繰り返し曲げ伸ばしされる。
キャップ(31)に対して、足指が少し余裕のある状態に挿入されている場合でも、キャップ(31)の揺動に追従して足指は曲げ伸ばしされる。従来の足指保持部が前後に移動する場合の様に、足指保持部に対して足指が滑べって足指保持部だけが動き、足指にマッサージ効果が得られない問題を解消できる。
レバー ( 6 ) の両自由端と、キャップ (31) を具えた各支持板 (71) の両端が、バネ板 (74) にて連繋されているため、バネ板 (74) の弾性変形によって、足指に大きな負荷が掛かることは防止され、足指を傷めることはない。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1、図2に示す如く、マッサージ機は、足支持部(2a)である足裏置き部(2)をベース台(1)上に角度調節可能に設け、足裏置き部(2)上に足指保持部(3)及び該足指保持部(3)を上下方向に揺動させる揺動駆動手段(4)を配備している。
以下の説明で、「前」とは、ベース台(1)を床面に置いてマッサージ機を使用する際に、足裏置き部(2)に足を置いたときの指先側、「後」とは踵側を指す。又、「垂直」とは、ベース台(1)の接地面に対して垂直のことである。
【0008】
略長方形のベース台(1)は、長手方向の両側縁の稍後部側に支持壁(11)(11)を突設し、支持壁(11)(11)間に支持軸(14)を貫通させている。
足裏置き部(2)は、両側縁の後部に側壁(24)(24)を垂下し、ベース台(1)の支持壁(11)(11)間にて該側壁(24)(24)に上記支持軸(14)を貫通させている。
ベース台(1)の支持壁(11)の外側から、支持軸(14)の両端面に締付けネジ(12)を螺合し、該ネジの締め付けによって、ベース台(1)に対して足裏置き部(2)の角度を固定でき、ネジ(12)を緩めて足裏置き部(2)の角度を調整できる。
【0009】
足裏置き部(2)の上面が足置き面(20)となり、該足置き面は、足裏の踵側略半分が載る程度の大きさの矩形を呈している。
足置き面(20)に足の位置を決める位置決め部材(21)が設けられる。
位置決め部材(21)は、夫々両端が足置き面(20)に係止され前後に並んで配備された2本のベルト(22)(23)からなる。前側ベルト(22)に足先を嵌めて甲を当て、後ベルト(23)にアキレス腱を当てて使用する。
【0010】
足指保持部(3)は、足裏置き部(2)の前方に配備された支持部材(7)に取り付けられている。
足指保持部(3)は、5本の足指を個別に嵌める横並びの5つのキャップ(31)によって構成される。
支持部材(7)は、縦長の5つの支持板(71)を横方向に並べて構成され、各支持板の中央に各キャップ(31)を、その開口を足裏置き部(2)側に向けて取り付けている。
図4に示す如く、キャップ(31)は、閉塞端部に突設したネジ軸(32)を、支持板(71)に螺合して取り付けられており、キャップ(31)を回すことによって、支持板(71)からキャップ(31)の開口面までの距離を調節できる。
キャップ(31)は、開口側が徐々に拡大する形状であれば、足指を挿入し易い。
【0011】
前記ベース台(1)前部の左右両端に、前記足裏置き部支持用の支持軸(14)と直交する面内で、回動可能にレバー(6)(6)が支持される。
レバー(6)は、長手方向の中央部が軸(62)によって回動可能に支持されている。
対向するレバー(6)(6)の自由端どうしが連結軸(61)(61)によって連結され、2つのレバー(6)(6)は一体的に回動する。
上側の連結軸(61)と前記支持板(71)の上端が、下側の連結軸(61)と支持板(71)の下端が、夫々繋ぎ部材(72)(72)にて繋がれる。
繋ぎ部材(72)は、支持板(71)の端部に回転可能に突設された略V字状の止め片(73)と、該止め片と連結軸(61)を繋ぐ細帯状のバネ板(74)とによって構成される。
【0012】
揺動駆動手段(4)は、上記支持部材(7)、レバー(6)、繋ぎ部材(72)及びレバー(6)を揺動させる揺動機構(5)とによって構成される。
図2、図3に示す揺動機構(5)は、モータ(57)によって回転駆動される回転板(51)によってリンク(53)を前後に往復動させ、該リンク(53)によってレバー(6)を揺動させる。
回転板(51)及びレバー(6)は、夫々足裏置き部(2)の左右両側に配備される。
足裏置き部(2)の両側壁(24)(24)を貫通した回転軸(58)の両端に回転板(51)(51)が設けられる。
回転板(51)には、偏心位置に軸(52)が突設されている。
図3に示す如く、該軸(52)は、回転板(51)に開設された半径方向に延びる長孔(50)上にスライド可能に配備され、軸(52)の基端面に螺合した締付けネジ(52a)を締め付けることによって、長孔(50)上の任意の位置に固定できる。即ち、軸(52)の偏心距離を調節できる。
【0013】
回転板(51)とレバー(6)がリンク(53)によって連結される。
リンク(53)は長手方向に長孔(54)を有し、両端に該長孔(54)と直交する方向に長孔(55)(56)を有している。
足裏置き部(2)の左右の側壁(24)(24)に夫々2本づつ横並びに突設した軸(50)(50)、(50)(50)が、リンク(53)の中央部の該長孔(54)に嵌まってリンク(53)を前後にスライド可能に支持する。
リンク(53)の後側の長孔(55)に、前記回転板(51)上の軸(52)が嵌まり、前側の長孔(56)にはレバー(6)下端に突設した軸(63)が嵌まっている。
前記回転板(51)の回転軸(58)は、ギヤ列(59)を介してモータ(57)に連繋されている。
【0014】
然して、足裏置き部(2)に足を置き、前記の如く、位置決め部材(21)の2つのベルト(22)(23)によって足を位置決めする。
各キャップ(31)を対応する足指に嵌める。各キャップ(31)を回すことによって、支持板(71)に対してキャップ(31)を前後に移動できるため、足指の配列傾斜に応じて個々のキャップ(31)を最適位置に調節して、各足指に嵌めることができる。
【0015】
モータ(57)に通電し、揺動機構(5)を動作させる。
回転板(51)の偏心軸(52)の回転運動がリンク(53)の前後動に変換され、リンク(53)の前後動が、レバー(6)をその中央部の軸(62)を中心とする揺動運動に変換される。
【0016】
両レバー(6)(6)の上下端どうしを連結する上下の連結軸(61)(61)と、キャップ(31)を具えた支持部材(7)の上下端が、繋ぎ部材(72)によって連結されているから、レバー(6)の回動によって、支持部材(7)はキャップ(31)の取付け部付近を中心に前後に揺動する。
支持部材(7)の前後の揺動により、該支持部材(7)に対して略直交して突設されたキャップ(31)は、上下に揺動して足指を強制的に上下に動かす。即ち、足指を強制的に繰り返し曲げ伸ばしする。これによって、足指をマッサージできる。
足先は位置決め部材(21)によって、足裏置き部(2)上に位置決め保持されており、足先が後退して足指からキャップ(31)が外れることはない。
足指保持部(3)に対して、足指が少し余裕のある状態に挿入されている場合でも、足指保持部(3)に追従して上下に揺動する。従来の足指保持部が前後に移動する場合の様に、足指保持部に対して足指が滑べって足指保持部だけが動き、足指にマッサージ効果が得られない問題は解消できる。
【0017】
レバー(6)上の連結軸(61)と、キャップ(31)を具えた支持板(71)とを繋ぐ繋ぎ部材(72)には、細帯状のバネ板(74)が用いられているため、バネ板(74)の弾性変形によって、足指に大きな負荷が掛かることは防止され、足指を傷めることはない。
又、回転板(51)上の偏心軸(52)の偏心距離を調節することにより、レバー(6)の振れ量、即ち、キャップ(31)の揺動幅を調整できる。従って被験者に最適のキャップ(31)の揺動幅を選択できる。
尚、モータ(57)の回転数を変更する等により、回転板(51)の回転数を調整可能とすれば、キャップ(31)の単位時間当たりの揺動数も、被験者の好みに合わせることが出来る。
【0018】
ベース台(1)に対する足裏置き部(2)の角度を調整することにより、被験者の膝下に対する足裏の成す角度を調節できる。
足先のマッサージにおいて、足先を緊張状態にした方が、弛緩状態よりもマッサージ効果が高いことが知られている。足裏置き部(2)の角度調節によって、被験者の膝下に対する足裏の成す角度が90°以下となる様に角度設定することにより、自然に足先が緊張し、マッサージ効果を高めることができる。
【0019】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0020】
例えば、揺動機構 ( 5 ) を省略して、レバー ( 6 ) の連結軸 (61) にハンドル ( 図示せず ) を連繋し、該ハンドルを手動にて引っ張りと押しの操作をすることにより、足指保持部材 ( 3 ) を揺動させることができる。
【0021】
又、上記実施例の説明は、マッサージ機を床に置いて使用する場合であるが、これに限らず、例えば、マッサージ機のベース台 ( 1 ) を、部屋の縦壁に当て、被験者が横になった状態で、足置き台 ( 2 ) に側方から足を置き、足指保持部 ( 3 ) に足指を挿入して使用することもできる。この場合、足指保持部 ( 3 ) は水平方向に揺動することになる。即ち、足指保持部 ( 3 ) の揺動方向は、足載せ台 ( 2 ) の姿勢によって種々の方向を選択できるが、何れの場合も、足指を曲げ運動させることに変わりはない。
又、上記各実施例の足支持部 (2a) は、足裏を載せる足裏載せ台 ( 2 ) であるが、これに限定されることはなく、足指の位置が決まる様に足を支持できれば、足支持部 (2a) が支持する足の部位、形状、構成は問わない。要は、足指保持部 ( 3 ) に挿入した足指を、該足指保持部 ( 3 ) の揺動によって、足指を曲げ運動させることができれば、本発明の権利範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の前方側からの斜面図である。
【図2】第1実施例の後方側からの斜面図である。
【図3】第1実施例の揺動駆動手段の一部を示す斜面図である。
【図4】キャップ取付け状態を示す断面図である。
【符号の説明】
(1) ベース台
(12) 締付けネジ
(2a) 足支持部
(2) 足裏置き部
(3) 足指保持部
(31) キャップ
(4) 揺動駆動手段
(5) 揺動機構
Claims (4)
- 足を支持する足支持部(2a)と、該足支持部(2a)によって支持した足の指を嵌めて保持する足指保持部(3)と、足指保持部(3)に連繋され該足指保持部を足指を曲げる方向に揺動させる揺動駆動手段(4)を具えた足指マッサージ機において、足指保持部 ( 3 ) は、足指の1本づつを個別に嵌め且つ夫々独立して前後位置調整可能なキャップ (31) を横並びに配備しており、
揺動駆動手段 ( 4 ) は、足支持部 (2a) に枢支され両端が自由端であるレバー ( 6 ) と、略中央部にキャップ (31) を具えた支持部材 ( 7 ) と、レバー ( 6 ) の両自由端と支持部材 ( 7 ) の両端を繋ぐバネ板 (74) と、レバー ( 6 ) に連繋され該レバーを揺動させる揺動機構 ( 5 ) とによって構成され、
支持部材 ( 7 ) は1個のキャップ (31) を中央に具えた支持板 (71) の集合であり、各支持板 (71) の両端が、バネ板 (74) を介してレバー ( 6 ) の両自由端に連繋されて各支持板 (71) はバネ板 (74) の撓みにより独立して上下動可能である、足指マッサージ機。 - 足支持部(2a)は、足裏を置く足裏置き部(2)である、請求項1に記載の足指マッサージ機。
- 足裏置き部(2)は、ベース台(1)上に角度調節可能に設けられている、請求項2に記載の足指マッサージ機。
- 揺動駆動手段(4)は手動駆動される、請求項1乃至3の何れかに記載の足裏マッサージ機。
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