JP3989214B2 - 非常時切換装置付き変速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シフトレバー及びセレクトレバーを駆動する電動モータが故障したときに用いられる非常時切換装置を有する変速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の変速装置として、セレクトアクチュエータ(エアシリンダ)によりセレクトされたシフトフォークシャフトがシフトアクチュエータ(エアシリンダ)によりシフトされて変速されるように構成され、上記セレクトアクチュエータ及びシフトアクチュエータが制御装置からの指令にて開閉制御される電磁弁によりエアが給排されて作動するように構成された変速機の変速操作装置が開示されている(実開平2−21366号)。この変速操作装置では、上記セレクトアクチュエータ及びシフトアクチュエータの非常時作動用エア回路が設けられ、このエア回路が非常時用電磁弁を介して通常時用電磁弁の排気ポートに接続され、更に非常時用電磁弁の開閉制御を行う非常時制御装置が設けられる。
【0003】
このように構成された変速機の変速操作装置では、電磁弁又は制御装置が故障すると、非常時制御装置により非常時用電磁弁が開閉制御され、これによりセレクトアクチュエータ及びシフトアクチュエータが作動する。この結果、セレクトアクチュエータによりセレクトされたシフトフォークシャフトがシフトアクチュエータにより作動して変速ギヤがシフトされるので、車両を自走できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の実開平2−21366号公報に示された変速機の変速操作装置では、比較的高価な制御装置に加えて、これと同一又は同等の非常時制御装置を搭載しなければならず、製造コストを押上げる不具合があった。
また、上記従来の変速機の変速操作装置では、エアシリンダからなるシフトアクチュエータにてシフトフォークシャフトを作動させるため、このシャフトのシフトスピードをコントロールすることが難しい問題点もあった。
更に、上記従来の変速機の変速操作装置では、エアシリンダからなるセレクトアクチュエータ及びシフトアクチュエータが故障した非常時には、変速ギヤをシフト操作できない問題点もあった。
【0005】
本発明の第1の目的は、比較的安価な切換手段を追加するだけで、セレクト用電動モータ又はシフト用電動モータのいずれか一方又は双方が故障しても、手動で変速できる、非常時切換装置付き変速装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、シフト用電動モータにてシフトレバーのシフトスピード、シフト位置及びシフト力を微妙にコントロールすることにより、変速ギヤの破損を防止できる、非常時切換装置付き変速装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、切換手段の部品点数及び組付工数を低減でき、シフト用電動モータを小型化できるとともに非常時チェンジレバーを比較的小さい力で操作できる、非常時切換装置付き変速装置を提供することにある。
本発明の第4の目的は、変速操作に要する動力源を、電動モータから手動に切換える操作と、手動から電動モータに切換える操作のいずれも、運転席に着座したまま容易に行うことができる、非常時切換装置付き変速装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1及び図5に示すように、変速ギヤの複数のフォークシャフト12〜15のいずれかに選択的に係合可能であってこの係合したフォークシャフト12〜15をその軸方向に摺動可能なシフトレバー16と、シフトレバー16を複数のフォークシャフト12〜15のいずれかに選択的に係合させるセレクトレバー17と、セレクトレバー17を駆動するセレクト用電動モータ18と、シフトレバー16を駆動するシフト用電動モータ19と、運転席に設けられ運転者が操作する通常時チェンジレバー37と、通常時チェンジレバー37の操作位置を検出する操作検出スイッチ38と、操作検出スイッチ38の検出出力に基づいてセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19をそれぞれ制御するコントローラ44とを備えた変速装置であって、通常時チェンジレバー37とは別に運転席に設けられ運転者が操作する非常時チェンジレバー47と、通常時チェンジレバー37の操作によりセレクト及びシフト用電動モータ18,19を駆動してセレクト及びシフトレバー17,16を切換可能な通常位置と、非常時チェンジレバー47の操作によりセレクト及びシフト用電動モータ18,19を介さずにセレクト及びシフトレバー17,16を切換可能な非常位置とのいずれかに切換え可能な切換手段46とを更に備える。
上記切換手段46が、通常時及び非常時チェンジレバー37,47とは別に運転席に設けられ運転者の操作により通常位置又は非常位置に切換える手動・電動切換レバー45と、セレクト切換機構48と、シフト切換機構49とを備え、セレクト切換機構48は、セレクト用電動モータ18の回転運動が第1ボールねじ54により変換されて直線運動する第1セレクト摺動体51と、第1セレクト摺動体51に摺動可能に設けられかつセレクトレバー17に接続された第2セレクト摺動体52と、第2セレクト摺動体52に摺動可能に設けられかつ非常時チェンジレバー47に接続された第3セレクト摺動体53と、第2セレクト摺動体52に対する第1セレクト摺動体51の相対運動を阻止しかつ第3セレクト摺動体53の相対運動を許容する第1のセレクト摺動位置と第2セレクト摺動体52に対する第1セレクト摺動体51の相対運動を許容しかつ第3セレクト摺動体53の相対運動を阻止する第2のセレクト摺動位置とのいずれかに移動可能なセレクト用切換ピン55とを有し、シフト切換機構49は、シフト用電動モータ19の回転運動が第2ボールねじ64により変換されて直線運動する第1シフト摺動体61と、第1シフト摺動体61に摺動可能に設けられた第2シフト摺動体62と、第2シフト摺動体62に摺動可能に設けられかつ非常時チェンジレバー47に接続された第3シフト摺動体63と、第2シフト摺動体62に対する第1シフト摺動体61の相対運動を阻止しかつ第3シフト摺動体63の相対運動を許容する第1のシフト摺動位置と第2シフト摺動体62に対する第1シフト摺動体61の相対運動を許容しかつ第3シフト摺動体63の相対運動を阻止する第2のシフト摺動位置とのいずれかに移動可能なシフト用切換ピン65とを有することを特徴とする。
【0010】
この請求項に記載された非常時切換装置付き変速装置では、セレクト用電動モータ18又はシフト用電動モータ19等が故障して、変速操作に要する動力源をセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19から手動に切換えるときに、運転者は手動・電動切換レバー45を非常位置に操作した後に非常時チェンジレバー47を操作する。これによりセレクト用切換ピン55がセレクト用切換ピン駆動手段56により第1のセレクト摺動位置から第2のセレクト摺動位置に移動するとともに、シフト用切換ピン65がシフト用切換ピン駆動手段66により第1のシフト摺動位置から第2のシフト摺動位置に移動する。このため第2セレクト摺動体52に対する第1セレクト摺動体51の相対運動が許容されかつ第3セレクト摺動体53の相対運動が阻止されるとともに、第2シフト摺動体62に対する第1シフト摺動体61の相対運動が許容されかつ第3シフト摺動体63の相対運動が阻止される。この状態で運転者が非常時チェンジレバー47をセレクト方向に操作すると、セレクトレバー17が所定のフォークシャフト12〜15に係合し、非常時チェンジレバー47を更にシフト方向に操作すると、シフトレバー16がフォークシャフト12〜15をその軸方向に摺動して変速装置11が変速される。
【0011】
一方、変速操作に要する動力源を手動からセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19に戻すときには、運転者は手動・電動切換レバー45を通常位置に切換えた後に通常時チェンジレバー37を操作する。これによりセレクト用切換ピン55がセレクト用切換ピン駆動手段56により第2のセレクト摺動位置から第1のセレクト摺動位置に移動するとともに、シフト用切換ピン65がシフト用切換ピン駆動手段66により第2のシフト摺動位置から第1のシフト摺動位置に移動する。このため第2セレクト摺動体52に対する第3セレクト摺動体53の相対運動が許容されかつ第1セレクト摺動体51の相対運動が阻止されるとともに、第2シフト摺動体62に対する第3シフト摺動体63の相対運動が許容されかつ第1シフト摺動体61の相対運動が阻止される。この状態で運転者が通常時チェンジレバー37を操作すると、コントローラ44は操作検出スイッチ38の検出出力に基づいてセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19を制御する。即ち、コントローラ44は先ずセレクト用電動モータ18を制御してセレクトレバー17を駆動し、シフトレバー16を所定のフォークシャフト12〜15に係合させる。次にコントローラ44はシフト用電動モータ19を制御してシフトレバー16を駆動し、フォークシャフト12〜15をその軸方向に摺動して変速装置11が変速される。
【0012】
請求項に係る発明は、図8及び図13に示すように、変速ギヤの複数のフォークシャフト12〜15のいずれかに選択的に係合可能であってこの係合したフォークシャフト12〜15をその軸方向に摺動可能なシフトレバー16と、シフトレバー16を複数のフォークシャフト12〜15のいずれかに選択的に係合させるセレクトレバー17と、セレクトレバー17を駆動するセレクト用電動モータ18と、シフトレバー16を駆動するシフト用電動モータ19と、運転席に設けられ運転者が操作する通常時チェンジレバー37と、通常時チェンジレバー37の操作位置を検出する操作検出スイッチ38と、操作検出スイッチ38の検出出力に基づいてセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19をそれぞれ制御するコントローラ44とを備えた変速装置であって、通常時チェンジレバー37とは別に運転席に設けられ運転者が操作する非常時チェンジレバー47と、通常時チェンジレバー37の操作によりセレクト及びシフト用電動モータ18,19を駆動してセレクト及びシフトレバー17,16を切換可能な通常位置と、非常時チェンジレバー47の操作によりセレクト及びシフト用電動モータ18,19を介さずにセレクト及びシフトレバー17,16を切換可能な非常位置とのいずれかに切換え可能な切換手段46とを更に備える。
上記切換手段46が、通常時及び非常時チェンジレバー37,47とは別に運転席に設けられ運転者の操作により通常位置又は非常位置に切換える手動・電動切換レバー45と、セレクト切換機構48と、シフト切換機構49とを備え、セレクト切換機構78、セレクト用電動モータ18の回転運動が第1ボールねじ84により変換されて第1セレクト軸87を中心として回動運動る第1セレクトアーム81と、第1セレクト軸87と一体的に設けられかつセレクトレバー17に接続された第2セレクトアーム82と、第1セレクト軸87に回動可能に嵌入されかつ非常時チェンジレバー47に接続された第3セレクトアーム83と、第2セレクトアーム82に対する第1セレクトアーム81の相対回転を阻止しかつ第3セレクトアーム83の相対回転を許容する第1のセレクト回転位置と第2セレクトアーム82に対する第1セレクトアーム81の相対回転を許容しかつ第3セレクトアーム83の相対回転を阻止する第2のセレクト回転位置とのいずれかに移動可能なセレクト用切換ピン85とを有し、シフト切換機構79、シフト用電動モータ19の回転運動が第2ボールねじ104により変換されて第1シフト軸107を中心として回動運動る第1シフトアーム101と、第1シフト軸107に回動可能に嵌入されかつシフトレバー16に接続された第2シフトアーム102と、第1シフト軸107と一体的に設けられかつ非常時チェンジレバー47に接続された第3シフトアーム103と、第2シフトアーム102に対する第1シフトアーム101の相対回転を阻止しかつ第3シフトアーム103の相対回転を許容する第1のシフト回転位置と第2シフトアーム102に対する第1シフトアーム101の相対回転を許容しかつ第3シフトアーム103の相対回転を阻止する第2のシフト回転位置とのいずれかに移動可能なシフト用切換ピン105とを有することを特徴とする。
【0013】
この請求項に記載された非常時切換装置付き変速装置では、セレクト用電動モータ18又はシフト用電動モータ19等が故障して、変速操作に要する動力源をセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19から手動に切換えるときに、運転者は手動・電動切換レバー45を非常位置に操作した後に非常時チェンジレバー47を操作する。これによりセレクト用切換ピン85がセレクト用切換ピン駆動手段86により第1のセレクト回転位置から第2のセレクト回転位置に移動するとともに、シフト用切換ピン105がシフト用切換ピン駆動手段106により第1のシフト回転位置から第2のシフト回転位置に移動する。このため第2セレクトアーム82に対する第1セレクトアーム81の相対回転が許容されかつ第3セレクトアーム83の相対回転が阻止され、第2シフトアーム102に対する第1シフトアーム101の相対回転が許容されかつ第3シフトアーム103の相対運動が阻止される。この状態で運転者が非常時チェンジレバー47をセレクト方向に操作すると、セレクトレバー17が所定のフォークシャフト12〜15に係合し、非常時チェンジレバー47を更にシフト方向に操作すると、シフトレバー16がフォークシャフト12〜15をその軸方向に摺動して変速装置が変速される。
【0014】
一方、変速操作に要する動力源を手動からセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19に戻すときには、運転者は手動・電動切換レバー45を通常位置に切換えた後に通常時チェンジレバー37を操作する。これによりセレクト用切換ピン85がセレクト用切換ピン駆動手段86により第2のセレクト回転位置から第1のセレクト回転位置に移動するとともに、シフト用切換ピン105がシフト用切換ピン駆動手段106により第2のシフト回転位置から第1のシフト回転位置に移動する。このため第2セレクトアーム82に対する第3セレクトアーム83の相対回転が許容されかつ第1セレクトアーム81の相対回転が阻止され、第2シフトアーム102に対する第3シフトアーム103の相対回転が許容されかつ第1シフトアーム101の相対運動が阻止される。この状態で運転者が通常時チェンジレバーを操作すると、コントローラ44は操作検出スイッチ38の検出出力に基づいてセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19を制御する。即ち、コントローラ44は先ずセレクト用電動モータ18を制御してセレクトレバー17を駆動し、シフトレバー16を所定のフォークシャフト12〜15に係合させる。次にコントローラ44はシフト用電動モータ19を制御してシフトレバー16を駆動し、フォークシャフト12〜15をその軸方向に摺動して変速装置が変速される。
【0015】
請求項に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、更に図11及び図12に示すように、セレクト切換機構78及びシフト切換機構79が単一の切換ハウジング80に収容されたことを特徴とする。
この請求項に記載された非常時切換装置付き変速装置では、切換手段76の部品点数及び組付工数を低減できる。
【0016】
請求項に係る発明は、請求項1ないしいずれかに係る発明であって、更に図1及び図5に示すように、シフト切換機構49とシフトレバー16との間に、シフト用電動モータ19又は非常時チェンジレバー47によるシフトレバー16の駆動力を圧縮エアを用いて支援するパワーシフト手段28が介装されたことを特徴とする。
この請求項に記載された非常時切換装置付き変速装置では、パワーシフト手段28がシフト用電動モータ19又は非常時チェンジレバー47によるシフトレバー16の駆動力を支援するので、シフト用電動モータ19として比較的小出力のモータを用いることができ、シフト用電動モータ19を小型化できるとともに、非常時チェンジレバー47を比較的小さい力で操作できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1、図5及び図6に示すように、車両の変速装置11は変速ギヤの複数のフォークシャフト12〜15のいずれかに選択的に係合可能なシフトレバー16と、このシフトレバー16を複数のフォークシャフト12〜15のいずれかに選択的に係合させるセレクトレバー17と、セレクトレバー17を駆動するセレクト用電動モータ18と、シフトレバー16を駆動するシフト用電動モータ19とを備える。複数のフォークシャフト12〜15はこの実施の形態では4本であり、これらのフォークシャフト12〜15は所定の間隔をあけて互いに平行にかつ軸方向に摺動可能に設けられる(図5及び図6)。これらのフォークシャフト12〜15にはスリーブ(図示せず)に係合するシフタフォーク21(図6)がそれぞれ固着され、シフタフォーク21は上記フォークシャフト12〜15及び変速ギヤ(図示せず)とともにギヤケース22に収容される。フォークシャフト12〜15の上方には平面視で上記フォークシャフト12〜15に直交するように保持軸23が設けられ、シフトレバー16はこの保持軸23にスプライン嵌合される(図5及び図6)。保持軸23はその軸線を中心に回動可能にギヤケース22に挿入され、シフトレバー16は保持軸23の軸線に沿って摺動可能にかつ保持軸23に対して回動不能にギヤケース22に収容される。また保持軸23の一端はギヤケース22から突出し、この突出した保持軸23の一端には略L字状のシフト用ブラケット24が嵌着される。
【0018】
シフトレバー16は上記保持軸23にスプライン嵌合されたボス部16aと、このボス部16aの下端に突設されたシフト用突起16bとを有する(図5及び図6)。4本のフォークシャフト12〜15には上記シフト用突起16bを挟持可能な一対の挟持片12a〜15aがそれぞれ保持軸23の長手方向に並んで突設され、シフト用突起16bがこれらの挟持片12a〜15aに選択的に挟持されることによりシフトレバー16がフォークシャフト12〜15に選択的に係合可能に構成される。またシフトレバー16のボス部16a外周面には円周方向に延びる凹溝16cが形成される。なお、フォークシャフトは4本ではなく、2本、3本又は5本以上でもよい。
【0019】
一方、セレクトレバー17はギヤケース22に収容され、その基端はギヤケース22に回動可能に取付けられた支軸26に嵌着され、更にセレクトレバー17の先端には上記凹溝16cに遊挿される球状のセレクト用突起17aが突設される(図5及び図6)。また支軸26の上端はギヤケース22から突出し、この突出した支軸26の上端にはセレクト用ステー27の基端が嵌着される。セレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19はキャブ(図示せず)内に設けられ、セレクト用電動モータ18の出力軸18a(図1〜図4)は第1ワイヤケーブル31を介してセレクト用ステー27に接続される。またシフト用電動モータ19の出力軸19a(図1〜図4)は第2ワイヤケーブル32及びパワーシフト手段28を介してシフト用ブラケット24に接続される。上記セレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19は回転速度、回転角度及びトルクの制御が容易なサーボモータを用いることが好ましい。
【0020】
第1及び第2ワイヤケーブル31,32はそれぞれプッシュプルケーブルである(図1〜図4)。第1ワイヤケーブル31は車体に配索されたセレクト用アウタケーブル(図示せず)と、このアウタケーブルに挿通されかつこのアウタケーブル内を摺動可能なセレクト用インナケーブル31aとを有する。また第2ワイヤケーブル32は車体に配索されたシフト用アウタケーブル(図示せず)と、このアウタケーブルに挿通されかつこのアウタケーブル内を摺動可能なシフト用インナケーブル32aとを有する。なお、上記第1及び第2ワイヤケーブルに替えてリンク機構を用いてもよい。
【0021】
またパワーシフト手段28は、図7に詳しく示すように、入力に追従して圧縮エアを給排するバルブ部(図示せず)と、この圧縮エアを受けて出力を発生するパワーシリンダ部28aと、パワーシリンダ部28aで発生した出力をストライカ28bに伝達するシフタロッド28cとを有する。ストライカ28bは上記シフト用ブラケット24に接続され、シフタロッド28cの先端には略L字状のシフト用ステー29の基端が嵌着される。上記パワーシフト手段28はシフト用電動モータ19によるシフトレバー16の駆動力を圧縮エアを用いて支援するように構成される。なお、図1〜図4の符号36は上記パワーシフト手段28に接続されたエアタンクであり、このエアタンク36には上記パワーシフト手段28に供給される圧縮エアが貯留される。
【0022】
運転席には運転者が操作する通常時チェンジレバー37が設けられ、このチェンジレバー37近傍にはこのレバーの操作位置を検出する操作検出スイッチ38が設けられる(図1〜図4)。また車両には車速を検出する車速センサ39と、アクセルペダルの踏込み量(アクセル開度)を検出するアクセルセンサ41と、エンジンの回転速度を検出するエンジン回転センサ42とが設けられる。更にギヤケース22には変速位置を検出する変速位置センサ43が設けられる。操作検出スイッチ38、車速センサ39、アクセルセンサ41、エンジン回転センサ42及び変速位置センサ43の各検出出力はコントローラ44の制御入力に接続され、コントローラ44の制御出力はセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19にそれぞれ接続される。
【0023】
また運転席には通常時チェンジレバー37とは別に運転者が操作する非常時チェンジレバー47が設けられる。この非常時チェンジレバー47は下端が車体に第1ボールジョイント47aを介して枢着されたレバー本体47bと、第1ボールジョイント47aから水平方向に突設されたステー47cの先端に第2ボールジョイント47dを介して枢着された三角板47eとを有する(図1〜図4)。レバー本体47bを図3の実線矢印の方向に回転させると後述する第3セレクト摺動体53が摺動し、一点鎖線矢印の方向に回転させると後述する第3シフト摺動体63が摺動するように構成される。
【0024】
第1ワイヤケーブル31とセレクト用電動モータ18及び非常時チェンジレバー47との間と、第2ワイヤケーブル32とシフト用電動モータ19及び非常時チェンジレバー47との間には、切換手段46が設けられる(図1〜図5)。この切換手段46は、通常時チェンジレバー37の操作によりセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19を駆動してセレクトレバー17及びシフトレバー16を切換可能な通常位置と、非常時チェンジレバー47の操作によりセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19を介さずにセレクトレバー17及びシフトレバー16を切換可能な非常位置とのいずれかに切換え可能に構成される。即ち、切換手段46は、通常時チェンジレバー37及び非常時チェンジレバー47とは別に運転席に設けられ運転者が操作する手動・電動切換レバー45と、手動・電動切換レバー45の通常位置又は非常位置への操作によりセレクトレバー17をセレクト用電動モータ18又は非常時チェンジレバー47のいずれかに接続するセレクト切換機構48と、手動・電動切換レバー45の通常位置又は非常位置への操作によりシフトレバー16をシフト用電動モータ19又は非常時チェンジレバー47のいずれかに接続するシフト切換機構49とを有する。
【0025】
セレクト切換機構48は、セレクト用電動モータ18の回転運動を直線運動に変換する第1ボールねじ54の第1ナット54bに接続された第1セレクト摺動体51と、第1セレクト摺動体51に摺動可能に設けられた第2セレクト摺動体52と、第2セレクト摺動体52に摺動可能に設けられた第3セレクト摺動体53と、後述する第1のセレクト摺動位置(図1及び図2)と第2のセレクト摺動位置(図3及び図4)とのいずれかに移動可能なセレクト用切換ピン55と、この切換ピン55を第1のセレクト摺動位置又は第2のセレクト摺動位置のいずれかに移動させるセレクト用切換ピン駆動手段56とを有する。
【0026】
第1ボールねじ54は第1ねじ棒54a及び第1ナット54bからなる。第1ねじ棒54aはセレクト用電動モータ18の出力軸18aにカップリング57を介して接続され、第1ナット54bは第1ねじ棒54aに鋼球(図示せず)を介して螺合する。また第1セレクト摺動体51の一端にはセレクト用連結部材58が突設される。第1ナット54bはこのセレクト用連結部材58に固着され、第1セレクト摺動体51は第1ナット54bとともに直線運動するように構成される。第2セレクト摺動体52の他端は第1ワイヤケーブル31のセレクト用インナケーブル31aの一端に接続され、このケーブルの他端はセレクト用ステー27の先端に接続される。また第3セレクト摺動体53の一端は第3ワイヤケーブル33を介して非常時チェンジレバー47の三角板47eの上端に接続される。上記第1〜第3セレクト摺動体51〜53は図示しないケースに摺動可能に収容される。
【0027】
また第1及び第2セレクト摺動体51,52の略中央には、互いに連通可能な第1及び第2通孔51a,52aがそれぞれ形成され、第3セレクト摺動体53の略中央には、第2通孔52aに連通可能な第3穴53aと、この第3穴に連通しかつ第3穴より小径の第3通孔53bが形成される。上記第1通孔51a、第2通孔52a及び第3穴53aの内径はセレクト用切換ピン55が摺動可能に挿入される大きさに形成される。またセレクト用切換ピン55は両端が半球状に丸められた円柱状に形成される。この切換ピン55は、第2セレクト摺動体52に対する第1セレクト摺動体51の相対運動を阻止しかつ第3セレクト摺動体53の相対運動を許容する第1のセレクト摺動位置(図1及び図2に示すように、第1通孔51a及び第2通孔52aにかけて挿入される位置)と、第2セレクト摺動体52に対する第1セレクト摺動体51の相対運動を許容しかつ第3セレクト摺動体53の相対運動を阻止する第2のセレクト摺動位置(図3及び図4に示すように、第2通孔52a及び第3穴53aにかけて挿入される位置)とのいずれかに移動可能に構成される。
【0028】
セレクト用切換ピン駆動手段56は、上記切換ピン55をセレクト用押しピン56cを介して第1のセレクト摺動位置から第2のセレクト摺動位置に移動させるように付勢するセレクト用第1ばね56a(圧縮コイルばね)と、上記切換ピン55をセレクト用受けブロック56d及びセレクト用受けピン56eを介して第2のセレクト摺動位置から第1のセレクト摺動位置に移動させるように付勢するセレクト用第2ばね56b(圧縮コイルばね)とからなる。セレクト用受けブロック56dにはセレクトワイヤ59の一端が接続され、セレクトワイヤ59の他端は手動・自動切換レバー45に接続される。セレクト用第1ばね56aは第1セレクト摺動体51の下面に第1通孔51aに臨むように固着された第1ばね用ケース56fに収容され、セレクト用第2ばね56b及びセレクト用受けブロック56dは第3セレクト摺動体53の上面から所定の間隔をあけかつ第3通孔53bに臨むように設けられた第2ばね用ケース56gに収容される。なお、セレクト用第2ばね56bのばね定数はセレクト用第1ばね56aのばね定数より大きく設定される。
【0029】
一方、シフト切換機構49は、シフト用電動モータ19の回転運動を直線運動に変換する第2ボールねじ64の第2ナット64bに接続された第1シフト摺動体61と、第1シフト摺動体61に摺動可能に設けられた第2シフト摺動体62と、第2シフト摺動体62に摺動可能に設けられた第3シフト摺動体63と、後述する第1のシフト摺動位置(図1及び図2)と第2のシフト摺動位置(図3及び図4)とのいずれかに移動可能なシフト用切換ピン65と、この切換ピン65を第1のシフト摺動位置又は第2のシフト摺動位置のいずれかに移動させるシフト用切換ピン駆動手段66とを有する。
【0030】
第2ボールねじ64は第2ねじ棒64a及び第2ナット64bからなる。第2ねじ棒64aはシフト用電動モータ19の出力軸19aにカップリング67を介して接続され、第2ナット64bは第2ねじ棒64aに鋼球(図示せず)を介して螺合する。また第1シフト摺動体61の一端にはシフト用連結部材68が突設される。第2ナット64bはこのシフト用連結部材68に固着され、第1シフト摺動体61は第2ナット64bとともに直線運動するように構成される。第2シフト摺動体62の他端は第2ワイヤケーブル32のシフト用インナケーブル32aの一端に接続され、このケーブルの他端はシフト用ステー29の先端に接続される。また第3シフト摺動体63の一端は第4ワイヤケーブル34を介して非常時チェンジレバー47のレバー本体47bに接続される。上記第1〜第3シフト摺動体61〜63は図示しないケースに摺動可能に収容される。
【0031】
また第1及び第2シフト摺動体61,62の略中央には、互いに連通可能な第1及び第2通孔61a,62aがそれぞれ形成され、第3シフト摺動体63の略中央には、第2通孔62aに連通可能な第3穴63aと、この第3穴に連通しかつ第3穴より小径の第3通孔63bが形成される。上記第1通孔61a、第2通孔62a及び第3穴63aの内径はシフト用切換ピン65が摺動可能に挿入される大きさに形成される。またシフト用切換ピン65は両端が半球状に丸められた円柱状に形成される。この切換ピン65は、第2シフト摺動体62に対する第1シフト摺動体61の相対運動を阻止しかつ第3シフト摺動体63の相対運動を許容する第1のシフト摺動位置(図1及び図2に示すように、第1通孔61a及び第2通孔62aにかけて挿入される位置)と、第2シフト摺動体62に対する第1シフト摺動体61の相対運動を許容しかつ第3シフト摺動体63の相対運動を阻止する第2のシフト摺動位置(図3及び図4に示すように、第2通孔62a及び第3穴63aにかけて挿入される位置)とのいずれかに移動可能に構成される。
【0032】
シフト用切換ピン駆動手段66は、上記切換ピン65をシフト用押しピン66cを介して第1のシフト摺動位置から第2のシフト摺動位置に移動させるように付勢するシフト用第1ばね66a(圧縮コイルばね)と、上記切換ピン65をシフト用受けブロック66d及びシフト用受けピン66eを介して第2のシフト摺動位置から第1のシフト摺動位置に移動させるように付勢するシフト用第2ばね66b(圧縮コイルばね)とからなる。シフト用受けブロック66dにはシフトワイヤ69の一端が接続され、シフトワイヤ69の他端は手動・電動切換レバー45に接続される。シフト用第1ばね66aは第1シフト摺動体61の下面に第1通孔61aに臨むように固着された第1ばね用ケース66fに収容され、シフト用第2ばね66b及びシフト用受けブロック66dは第3シフト摺動体63の上面から所定の間隔をあけかつ第3通孔63bに臨むように設けられた第2ばね用ケース66gに収容される。なお、シフト用第2ばね66bのばね定数はシフト用第1ばね66aのばね定数より大きく設定される。また上記第3ワイヤケーブル33、セレクトワイヤ59、第4ワイヤケーブル34及びシフトワイヤ69は、アウタケーブル(図示せず)と、このアウタケーブルに摺動可能に挿通されたインナケーブル33a,34a,59a,69aとを有し、第3ワイヤケーブル33及び第4ワイヤケーブル34はプッシュプルケーブルである。
【0033】
このように構成された変速装置11の動作を説明する。
セレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19が正常であるときには、手動・電動切換レバー45は、通常時チェンジレバー37の操作によりセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19を駆動してセレクトレバー17及びシフトレバー16を切換え可能な通常位置に保たれ、非常時チェンジレバー47のレバー本体47bは伏せた状態に保たれる。即ち、手動・電動切換レバー45が通常位置にあるときには、セレクト切換機構48はセレクト用第2ばね56bの弾性力にてセレクト用切換ピン55を第1のセレクト摺動位置(図1)に保持することにより、セレクトレバー17及び非常時チェンジレバー47の連結を解除し、かつセレクトレバー17及びセレクト用電動モータ18を連結した状態に保ち、シフト切換機構49はシフト用第2ばね66bの弾性力にてシフト用切換ピン65を第1のシフト摺動位置(図1)に保持することにより、シフトレバー16及び非常時チェンジレバー47の連結を解除し、かつシフトレバー16及びシフト用電動モータ19を連結する状態に保つ。この状態で運転者が通常時チェンジレバー37を操作すると、コントローラ44は操作検出スイッチ38、車速センサ39、アクセルセンサ41、エンジン回転センサ42及び変速位置センサ43の各検出出力に基づいて、先ずセレクト用電動モータ18を作動させる。セレクト用電動モータ18が作動すると、このモータ18の出力軸18a(図1〜図4)の回転運動は第1ねじ棒54a及び第1ナット54bにより直線運動に変換され、この直線運動は第1セレクト摺動体51、セレクト用切換ピン55、第2セレクト摺動体52、第1ワイヤケーブル31及びセレクト用ステー27を介してセレクトレバー17(図5)に伝達される。このセレクトレバー17はシフトレバー16を保持軸23に沿って摺動させ、所定のフォークシャフト12〜15、例えばフォークシャフト14の一対の挟持片14a,14aに係合させる(図5)。
【0034】
次にコントローラ44はシフト用電動モータ19を作動させる。シフト用電動モータ19が作動すると、このモータ19の出力軸19a(図1〜図4)の回転運動は第2ねじ棒64a及び第2ナット64bにより直線運動に変換され、この直線運動は第1シフト摺動体61、シフト用切換ピン65、第2シフト摺動体62、第2ワイヤケーブル32及びシフト用ステー29を介してパワーシフト手段28のシフタロッド28c(図6及び図7)に伝達される。このシフタロッド28cはパワーシフト手段28による支援を受け、ストライカ28b、シフト用ブラケット24及び保持軸23を介してシフトレバー16を所定の方向に回転させる。これによりシフト用突起16bの係合したフォークシャフト14がその軸方向に摺動するので、変速装置が変速される。このように回転速度、回転位置及びトルクの制御を容易に行えるシフト用電動モータ19を用いることにより、シフトレバー16のシフトスピード、シフト位置及びシフト力を微妙にコントロールできるので、変速ギヤの破損を防止できる。またパワーシフト手段28がシフト用電動モータ19によるシフトレバー16の駆動力を支援するので、シフト用電動モータ19として比較的小出力のモータを用いることができ、これによりシフト用電動モータ19を小型化できる。
【0035】
一方、セレクト用電動モータ18又はシフト用電動モータ19のいずれか一方又は双方が故障すると、運転者は手動・電動切換レバー45を非常位置に切換える。これにより図2に示すように、セレクト用受けブロック56dがセレクト用第2ばね56bの弾性力に抗して第3セレクト摺動体53から離れ、シフト用受けブロック66dがシフト用第2ばね66bの弾性力に抗して第3シフト摺動体63から離れる。このためセレクト用切換ピン55がセレクト用第1ばね56aの弾性力により第1のセレクト摺動位置から第2のセレクト摺動位置に移動可能になるけれども、第2通孔52aと第3穴53aが一致していないので、セレクト用切換ピン55は第1のセレクト摺動位置に保持される。またシフト用切換ピン65がシフト用第1ばね66aの弾性力により第1のシフト摺動位置から第2のシフト摺動位置に移動可能になるけれども、第2通孔62aと第3穴63aが一致していないので、シフト用切換ピン65は第1のシフト摺動位置に保持される。
【0036】
この状態で非常時チェンジレバー47のレバー本体47bを起こした後に(図3)、このレバー本体47bをセレクト方向に一往復、シフト方向に一往復操作する。これにより第2セレクト摺動体52の第2通孔52aが第3セレクト摺動体53の第3穴53aに一致してセレクト用切換ピン55がセレクト用第1ばね56aの弾性力により第1のセレクト摺動位置(図2)から第2のセレクト摺動位置(図3)に移動するとともに、第2シフト摺動体62の第2通孔62aが第3シフト摺動体63の第3穴63aに一致してシフト用切換ピン65がシフト用第1ばね66aの弾性力により第1のシフト摺動位置(図2)から第2のシフト摺動位置(図3)に移動する。このため第2セレクト摺動体52に対する第1セレクト摺動体51の相対運動が許容されかつ第3セレクト摺動体53の相対運動が阻止される(セレクトレバー17及び非常時チェンジレバー47が連結される。)とともに、第2シフト摺動体62に対する第1シフト摺動体61の相対運動が許容されかつ第3シフト摺動体63の相対運動が阻止される(シフトレバー16及び非常時チェンジレバー47が連結される。)。
【0037】
この状態で運転者が非常時チェンジレバー47のレバー本体47bを図3の実線矢印の方向(セレクト方向)に操作すると、この操作力は第3ワイヤケーブル33、第3セレクト摺動体53、セレクト用切換ピン55、第2セレクト摺動体52、第1ワイヤケーブル31及びセレクト用ステー27を介してセレクトレバー17(図5)に伝達される(図4)。このセレクトレバー17はシフトレバー16を保持軸23に沿って摺動させ、所定のフォークシャフト12〜15、例えばフォークシャフト14の一対の挟持片14a,14aに係合させる(図5)。
【0038】
次に運転者が非常時チェンジレバー47のレバー本体47bを図3の一点鎖線矢印の方向(シフト方向)に操作すると、この操作力は第4ワイヤケーブル34、第3シフト摺動体63、シフト用切換ピン65、第2シフト摺動体62、第2ワイヤケーブル32及びシフト用ステー29を介してパワーシフト手段28のシフタロッド28c(図6及び図7)に伝達される(図4)。このシフタロッド28cはパワーシフト手段28による支援を受け、ストライカ28b、シフト用ブラケット24及び保持軸23を介してシフトレバー16を所定の方向に回転させる。これによりシフト用突起16bの係合したフォークシャフト14がその軸方向に摺動するので(図5)、変速装置が変速される。この結果、セレクト用電動モータ18又はシフト用電動モータ19のいずれか一方又は双方が故障しても、変速装置11の変速操作をセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19によらずに手動で行うことができ、車両は自走することができる。またパワーシフト手段28が非常時チェンジレバー47の操作力を支援するので、運転者は非常時チェンジレバー47を比較的小さい力で操作することができる。
【0039】
更に故障したセレクト用電動モータ18又はシフト用電動モータ19の修理が終了すると、運転者又は修理作業者は手動・電動切換レバー45を通常位置に切換える。これによりセレクト用受けブロック56dがセレクト用第2ばね56bの弾性力にて第3セレクト摺動体53から突出したセレクト用受けピン56eに圧接され、シフト用受けブロック66dがシフト用第2ばね66bの弾性力にて第3シフト摺動体63から突出したシフト用受けピン66eに圧接される。このためセレクト用切換ピン55がセレクト用第2ばね56bの弾性力により第2のセレクト摺動位置から第1のセレクト摺動位置に移動可能になるけれども、第2通孔52aと第1通孔51aが一致していないので、セレクト用切換ピン55は第2のセレクト摺動位置に保持される。またシフト用切換ピン65がシフト用第2ばね66bの弾性力により第2のシフト摺動位置から第1のシフト摺動位置に移動可能になるけれども、第2通孔62aと第1通孔61aが一致していないので、シフト用切換ピン65は第2のシフト摺動位置に保持される。
【0040】
この状態で通常時チェンジレバー37を操作すると、セレクト用電動モータ18により第1セレクト用摺動体51が往復動して第2セレクト摺動体52の第2通孔52aが第1セレクト摺動体51の第1通孔51aに一致するので、セレクト用切換ピン55がセレクト用第2ばね56bの弾性力により第2のセレクト摺動位置(図4)から第1のセレクト摺動位置(図1)に移動する。またシフト用電動モータ19により第1シフト用摺動体61が往復動して第2シフト摺動体62の第2通孔62aが第1シフト摺動体61の第1通孔61aに一致するので、シフト用切換ピン65がシフト用第2ばね66bの弾性力により第2のシフト摺動位置(図4)から第1のシフト摺動位置(図1)に移動する。このため第2セレクト摺動体52に対する第3セレクト摺動体53の相対運動が許容されかつ第1セレクト摺動体51の相対運動が阻止される(セレクトレバー17及びセレクト用電動モータ18が連結される。)とともに、第2シフト摺動体62に対する第3シフト摺動体63の相対運動が許容されかつ第1シフト摺動体61の相対運動が阻止される(シフトレバー16及びシフト用電動モータ19が連結される。)。この結果、運転者は通常時チェンジレバー37を操作することにより、変速装置11の変速操作をセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19を駆動源として行うことができる。
【0041】
なお、セレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19が故障していなくても、手動・電動切換レバー45を非常位置に切換えて非常時操作レバー47を操作することにより、変速装置11の変速操作をセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19によらずに手動で行うことができる。即ち、通常時であっても、非常時操作レバー47を操作することにより、いわゆるマニュアルシフトで変速装置11を変速することができる。
【0042】
図8〜図16は本発明の第2の実施の形態を示す。図8〜図11において図1〜図5と同一符号は同一部品を示す。
この実施の形態では、切換手段76が、第1の実施の形態と同様に、手動・電動切換レバー45と、セレクト切換機構78と、シフト切換機構79とを有する。上記セレクト切換機構78及びシフト切換機構79は単一の切換ハウジング80に収容され、この切換ハウジング80はパワーシフト手段28の下方のギヤケース22側面に取付けられる。セレクト切換機構78は、セレクト用電動モータ18の回転運動を直線運動に変換する第1ボールねじ84の第1ナット84bに接続されかつ第1セレクト軸87に回動可能に嵌入された第1セレクトアーム81と、第1セレクト軸87と一体的に設けられた第2セレクトアーム82と、第1セレクト軸87に回動可能に嵌入された第3セレクトアーム83と、後述する第1のセレクト回転位置(図13、図14及び図16)と第2のセレクト回転位置(図15)とのいずれかに移動可能なセレクト用切換ピン85(図13〜図16)と、この切換ピン85を第1のセレクト回転位置又は第2のセレクト回転位置のいずれかに移動させるセレクト用切換ピン駆動手段86(図13〜図16)とを有する。
【0043】
第1ボールねじ84は第1ねじ棒84a及び第1ナット84bからなる。第1ねじ棒84aはセレクト用電動モータ18の出力軸18a(図8〜図10)にカップリング57を介して接続され、第1ナット84bは第1ねじ棒84aに鋼球(図示せず)を介して螺合する(図8〜図10及び図13〜図16)。また第1セレクト軸87は第2セレクトアーム82の上部両面に突設される。第2セレクトアーム82の一方の面に突設された第1セレクト軸87は第1セレクトアーム81の上部及び切換ハウジング80の一方の側壁80aに回動可能に挿通され、第2セレクトアーム82の他方の面に突設された第1セレクト軸87は第3セレクトアーム83の上部に形成された挿入穴83bに回動可能に挿入される(図12〜図16)。第3セレクトアーム83の上部には挿入穴83bと軸心が一致する第2セレクト軸88が突設され、この第2セレクト軸88は切換ハウジング80の他方の側壁80bに回動可能に挿通される。
【0044】
また第1セレクトアーム81の下端には一対のセレクト用切欠き81b,81bが形成され、これらの切欠き81b,81bは第1ナット84bの外周面に突設された一対のセレクト用突起84c,84cに係合される。切換ハウジング80の一方の側壁80aから突出する第1セレクト軸87はリンク機構91を介してセレクト用ステー27の先端に接続され(図8〜図11)、切換ハウジング80の他方の側壁80bから突出する第2セレクト軸88はセレクト用アウタアーム93及び第3ワイヤケーブル33を介して非常時チェンジレバー47に接続される(図8〜図10及び図13〜図16)。上記リンク機構91は、下端が第1セレクト軸87の先端に嵌着された第1セレクト側リンク91aと、下端が第1セレクト側リンク91aの上端に接続され上端がベルクランク91dの下端に接続された第2セレクト用リンク91bと、一端がベルクランク91dの上端に接続され他端がセレクト用ステー27の先端に接続された第3セレクト用リンク91cとを有する(図8〜図11)。上記第1セレクト用リンク91aの上端と、第2及び第3セレクト用リンク91b,91cの各両端と、ベルクランク91dの両端は、ボールジョイントを介して各部材にそれぞれ接続される。
【0045】
また図13〜図16に詳しく示すように、第1セレクトアーム81の略中央には第1穴81aが形成され、第2セレクトアーム82の下部には第1穴81aに連通可能な第2通孔82aが形成され、第3セレクトアーム83の下部には、第2通孔82aに連通可能な第3穴83aと、この第3穴に連通しかつ第3穴より小径の第3通孔83cが形成される。上記第1穴81a、第2通孔82a及び第3穴83aの内径はセレクト用切換ピン85が摺動可能に挿入される大きさに形成される。またセレクト用切換ピン85は両端が面取りされた円柱状に形成される。この切換ピン85は、第2セレクトアーム82に対する第1セレクトアーム81の相対回転を阻止しかつ第3セレクトアーム83の相対回転を許容する第1のセレクト回転位置(図13、図14及び図16に示すように、第1穴81a及び第2通孔82aにかけて挿入される位置)と、第2セレクトアーム82に対する第1セレクトアーム81の相対回転を許容しかつ第3セレクトアーム83の相対回転を阻止する第2のセレクト回転位置(図15に示すように、第2通孔82a及び第3穴83aにかけて挿入される位置)とのいずれかに移動可能に構成される。
【0046】
セレクト用切換ピン駆動手段86は、図13〜図16に詳しく示すように、上記切換ピン85をセレクト用押しピン86bを介して第1のセレクト回転位置から第2のセレクト回転位置に移動させるように付勢するセレクト用第1ばね86a(圧縮コイルばね)と、上記切換ピン85をセレクト用受けアーム86c、セレクト用中間体86d及びセレクト用受けピン86eを介して第2のセレクト回転位置から第1のセレクト回転位置に移動させるように付勢するセレクト用第2ばね(ねじりコイルばね(図示せず))と、切換ハウジング80の外側面に沿って回動可能に取付けられセレクト用受けアーム86cを保持するセレクト用受けロッド86fとを有する。セレクト用第1ばね86aは第1セレクトアーム81の第1穴81aに収容され、セレクト用第2ばねはセレクト用受けロッド86fに嵌入される。またセレクト用中間体86dの一端は第3セレクトアーム83の第3通孔83cが第1セレクト軸87を中心にどの位置に回動しても常に第3通孔83cに対向するように円弧状に形成される。更にセレクト用中間体86dの他端は切換ハウジング80の他方の側壁80bから突出しかつセレクト用受けアーム86cの先端に対向して設けられ、セレクト用中間体86dの他端近傍には抜止め用のC型軸用止め輪86gが嵌着される。なお、セレクト用第2ばねのばね定数はセレクト用第1ばね86aのばね定数より大きく設定される。また図12の符号89は第1ねじ棒84aの軸方向に所定の隙間を設けて第1ねじ棒84aの軸方向への移動を最小限に抑えるベアリングホルダである。
【0047】
一方、シフト切換機構79は、シフト用電動モータ19の回転運動を直線運動に変換する第2ボールねじ104の第2ナット104bに接続されかつ第1シフト軸107に回動可能に嵌入された第1シフトアーム101と、第1シフト軸107と一体的に設けられた第2シフトアーム102と、第1シフト軸107に回動可能に嵌入された第3シフトアーム103と、後述する第1のシフト回転位置(図8)と第2のシフト回転位置(図9及び図10)とのいずれかに移動可能なシフト用切換ピン105(図13〜図16)と、この切換ピン105を第1のシフト回転位置又は第2のシフト回転位置のいずれかに移動させるシフト用切換ピン駆動手段106(図13〜図16)とを有する。
【0048】
第2ボールねじ104は第2ねじ棒104a及び第2ナット104bからなる。第2ねじ棒104aはシフト用電動モータ19の出力軸19a(図8〜図10)にカップリング67を介して接続され、第2ナット104bは第2ねじ棒104aに鋼球(図示せず)を介して螺合する(図8〜図10及び図12)。また第1シフト軸107は第2シフトアーム102の上部両面に突設される。第2シフトアーム102の一方の面に突設された第1シフト軸107は第1シフトアーム101の上部及び切換ハウジング80の一方の側壁80aに回動可能に挿通され、第2シフトアーム102の他方の面に突設された第1シフト軸107は第3シフトアーム103の上部に形成された挿入穴103bに回動可能に挿入される(図12〜図16)。第3シフトアーム103の上部には挿入穴103bと軸心が一致する第2シフト軸108が突設され、この第2シフト軸108は切換ハウジング80の他方の側壁80bに回動可能に挿通される。
【0049】
また第1シフトアーム101の下端には一対のシフト用切欠き101b,101bが形成され、これらの切欠き101b,101bは第2ナット104bの外周面に突設された一対のシフト用突起104c,104cに係合される。切換ハウジング80の一方の側壁80aから突出する第1シフト軸107はシフト用リンク112を介してシフト用ステー29の先端に接続され(図8〜図11)、切換ハウジング80の他方の側壁80bから突出する第2シフト軸108はシフト用アウタアーム113及び第4ワイヤケーブル34を介して非常時チェンジレバー47に接続される(図8〜図10及び図13〜図16)。上記シフト用リンク112の下端は第1シフト軸107の先端に嵌着され、上端はシフト用ステー29の先端に接続される(図8〜図11)。
【0050】
また図13〜図16に詳しく示すように、第1シフトアーム101の略中央には第1穴101aが形成され、第2シフトアーム102の下部には第1穴101aに連通可能な第2通孔102aが形成され、第3シフトアーム103の下部には、第2通孔102aに連通可能な第3穴103aと、この第3穴に連通しかつ第3穴より小径の第3通孔103cが形成される。上記第1穴101a、第2通孔102a及び第3穴103aの内径はシフト用切換ピン105が摺動可能に挿入される大きさに形成される。またシフト用切換ピン105は両端が面取りされた円柱状に形成される。この切換ピン105は、第2シフトアーム102に対する第1シフトアーム101の相対回転を阻止しかつ第3シフトアーム103の相対回転を許容する第1のシフト回転位置(図13、図14及び図16に示すように、第1穴101a及び第2通孔102aにかけて挿入される位置)と、第2シフトアーム102に対する第1シフトアーム101の相対回転を許容しかつ第3シフトアーム103の相対回転を阻止する第2のシフト回転位置(図15に示すように、第2通孔102a及び第3穴103aにかけて挿入される位置)とのいずれかに移動可能に構成される。
【0051】
シフト用切換ピン駆動手段106は、図13〜図16に詳しく示すように、上記切換ピン105をシフト用押しピン106bを介して第1のシフト回転位置から第2のシフト回転位置に移動させるように付勢するシフト用第1ばね106a(圧縮コイルばね)と、上記切換ピン105をシフト用受けアーム106c、シフト用中間体106d及びシフト用受けピン106eを介して第2のシフト回転位置から第1のシフト回転位置に移動させるように付勢するシフト用第2ばね(ねじりコイルばね(図示せず))と、切換ハウジング80の外側面に沿って回動可能に取付けられシフト用受けアーム106cを保持するシフト用受けロッド106fとからなる。シフト用第1ばね106aは第1シフトアーム101の第1穴101aに収容され、シフト用第2ばねはシフト用受けロッド106fに嵌入される。またシフト用中間体106dの一端は第3シフトアーム103の第3通孔103cが第1シフト軸107を中心にどの位置に回動しても常に第3通孔103cに対向するように円弧状に形成される。シフト用中間体106dの他端は切換ハウジング80の他方の側壁80bから突出しかつシフト用受けアーム106cの先端に対向して設けられ、シフト用中間体106dの他端近傍には抜止め用のC型軸用止め輪106gが嵌着される。なお、シフト用第2ばねのばね定数はシフト用第1ばね106aのばね定数より大きく設定される。また図12の符号109は第2ねじ棒104aの軸方向に所定の隙間を設けて第2ねじ棒104aの軸方向への移動を最小限に抑えるベアリングホルダである。
【0052】
図11に戻って、セレクト用受けロッド86fの上端は第1連結アーム121、連結リンク123及び第2連結アーム122を介してシフト用受けロッド106fの下端に連結され、シフト用受けロッド106fの上端にはメインアーム124の基端が固着される。またメインアーム124の先端は手動・電動切換ワイヤ126を介して手動・自動切換レバー45に連結される。なお、上記リンク機構に替えて、プッシュプルケーブルにより構成されるワイヤケーブルを用いてもよい。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
【0053】
このように構成された変速装置71の動作を説明する。
セレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19が正常であるときには、手動・電動切換レバー45は、通常時チェンジレバー37の操作によりセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19を駆動してセレクトレバー17及びシフトレバー16を切換え可能な通常位置に保たれ、非常時チェンジレバー47のレバー本体47bは伏せた状態に保たれる。即ち、手動・電動切換レバー45が通常位置にあるときには、セレクト切換機構78はセレクト用第2ばね(図示せず)の弾性力にてセレクト用切換ピン85を第1のセレクト回転位置(図8及び図13)に保持することにより、セレクトレバー17及び非常時チェンジレバー47の連結を解除し、かつセレクトレバー17及びセレクト用電動モータ18を連結した状態に保ち、シフト切換機構79はシフト用第2ばね(図示せず)の弾性力にてシフト用切換ピン105を第1のシフト回転位置(図8及び図13)に保持することにより、シフトレバー16及び非常時チェンジレバー47の連結を解除し、かつシフトレバー16及びシフト用電動モータ19を連結する状態に保つ。この状態で運転者が通常時チェンジレバー37を操作すると、コントローラ44は操作検出スイッチ38、車速センサ39、アクセルセンサ41、エンジン回転センサ42及び変速位置センサ43の各検出出力に基づいて、先ずセレクト用電動モータ18を作動させる。セレクト用電動モータ18が作動すると、このモータ18の出力軸18a(図8〜図10及び図12)の回転運動は第1ねじ棒84a及び第1ナット84bにより直線運動に変換され、この直線運動は第1セレクトアーム81、セレクト用切換ピン85、第2セレクトアーム82、第1セレクト軸87、リンク機構91及びセレクト用ステー27を介してセレクトレバー17(図11)に伝達される。このセレクトレバー17はシフトレバー16を保持軸23に沿って摺動させ、所定のフォークシャフト12〜15、例えばフォークシャフト14の一対の挟持片14a,14aに係合させる(図11)。
【0054】
次にコントローラ44はシフト用電動モータ19を作動させる。シフト用電動モータ19が作動すると、このモータ19の出力軸19a(図8〜図10及び図12)の回転運動は第2ねじ棒104a及び第2ナット104bにより直線運動に変換され、この直線運動は第1シフトアーム101、シフト用切換ピン105、第2シフトアーム102、第1シフト軸107、シフト用リンク112及びシフト用ステー29を介してパワーシフト手段28のシフタロッドに伝達される。このシフタロッドはパワーシフト手段28による支援を受け、ストライカ、シフト用ブラケット24及び保持軸23を介してシフトレバー16を所定の方向に回転させる(図11)。これによりシフト用突起16bの係合したフォークシャフト14がその軸方向に摺動するので、変速装置が変速される。このように回転速度、回転位置及びトルクの制御を容易に行えるシフト用電動モータ19を用いることにより、シフトレバー16のシフトスピード、シフト位置及びシフト力を微妙にコントロールできるので、第1の実施の形態と同様に変速ギヤの破損を防止できる。またパワーシフト手段28がシフト用電動モータ19によるシフトレバー16の駆動力を支援するので、第1の実施の形態と同様に、シフト用電動モータ19として比較的小出力のモータを用いることができ、これによりシフト用電動モータ19を小型化できる。
【0055】
一方、セレクト用電動モータ18又はシフト用電動モータ19のいずれか一方又は双方が故障すると、運転者は手動・電動切換レバー45を非常位置に切換える。これにより図14に示すように、シフト用受けアーム106cがシフト用第2ばねの弾性力に抗してシフト用中間体106dから離れ、セレクト用受けアーム86cの先端がセレクト用第2ばねの弾性力に抗してセレクト用中間体86dから離れる。このためシフト用切換ピン105がシフト用第1ばね106aの弾性力により第1のシフト回転位置から第2のシフト回転位置に移動可能になるけれども、第2通孔102aと第3穴103aが一致していないので、シフト用切換ピン105は第1のシフト回転位置に保持される。またセレクト用切換ピン85がセレクト用第1ばね86aの弾性力により第1のセレクト回転位置から第2のセレクト回転位置に移動可能になるけれども、第2通孔82aと第3穴83aが一致していないので、セレクト用切換ピン85は第1のセレクト回転位置に保持される。
【0056】
この状態で非常時チェンジレバー47のレバー本体47bを起こした後に(図9)、このレバー本体47bをセレクト方向に一往復、シフト方向に一往復操作する。これにより第2セレクトアーム82の第2通孔82aが第3セレクトアーム83の第3穴83aに一致してセレクト用切換ピン85がセレクト用第1ばね86aの弾性力により第1のセレクト回転位置(図8及び図14)から第2のセレクト回転位置(図9及び図15)に移動するとともに、第2シフトアーム102の第2通孔102aが第3シフトアーム103の第3穴103aに一致してシフト用切換ピン105がシフト用第1ばね106aの弾性力により第1のシフト回転位置(図8及び図14)から第2のシフト回転位置(図9及び図15)に移動する。このため第2セレクトアーム82に対する第1セレクトアーム81の相対運動が許容されかつ第3セレクトアーム83の相対運動が阻止される(セレクトレバー17及び非常時チェンジレバー47が連結される。)とともに、第2シフトアーム102に対する第1シフトアーム101の相対運動が許容されかつ第3シフトアーム103の相対運動が阻止される(シフトレバー16及び非常時チェンジレバー47が連結される。)。
【0057】
この状態で運転者が非常時チェンジレバー47のレバー本体47bを図9の実線矢印の方向(セレクト方向)に操作すると、この操作力は第3ワイヤケーブル33、セレクト用アウタアーム93、第2セレクト軸88、第3セレクトアーム83、セレクト用切換ピン85、第2セレクトアーム82、リンク機構91及びセレクト用ステー27を介してセレクトレバー17に伝達される(図10)。このセレクトレバー17はシフトレバー16を保持軸23に沿って摺動させ、所定のフォークシャフト12〜15、例えばフォークシャフト14の一対の挟持片14a,14aに係合させる(図11)。
【0058】
次に運転者が非常時チェンジレバー47のレバー本体47bを図9の一点鎖線矢印の方向(シフト方向)に操作すると、この操作力は第4ワイヤケーブル34、シフト用アウタアーム113、第2シフト軸108、第3シフトアーム103、シフト用切換ピン105、第2シフトアーム102、シフト用リンク112及びシフト用ステー29を介してパワーシフト手段28のシフタロッドに伝達される(図10)。このシフタロッドはパワーシフト手段28による支援を受け、ストライカ、シフト用ブラケット24及び保持軸23を介してシフトレバー16を所定の方向に回転させる。これによりシフト用突起16bの係合したフォークシャフト14がその軸方向に摺動するので、変速装置が変速される。この結果、セレクト用電動モータ18又はシフト用電動モータ19のいずれか一方又は双方が故障しても、変速装置71の変速操作をセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19によらずに手動で行うことができ、車両は自走することができる。またパワーシフト手段28が非常時チェンジレバー47の操作力を支援するので、第1の実施の形態と同様に、運転者は非常時チェンジレバー47を比較的小さい力で操作することができる。
【0059】
更に故障したセレクト用電動モータ18又はシフト用電動モータ19の修理が終了すると、運転者又は修理作業者は手動・電動切換レバー45を通常位置に切換える。これによりシフト用受けアーム106cがシフト用第2ばねの弾性力にて切換ハウジング80から突出したシフト用中間体106dに圧接され、セレクト用受けアーム86cがセレクト用第2ばねの弾性力にて切換ハウジング80から突出したセレクト用中間体86dに圧接される。このためシフト用切換ピン105がシフト用第2ばねの弾性力により第2のシフト回転位置から第1のシフト回転位置に移動可能になるけれども、第2通孔102aと第1穴101aが一致していないので、シフト用切換ピン105は第2のシフト回転位置に保持される。またセレクト用切換ピン85がセレクト用第2ばねの弾性力により第2のセレクト回転位置から第1のセレクト回転位置に移動可能になるけれども、第2通孔82aと第1穴81aが一致していないので、セレクト用切換ピン85は第2のセレクト回転位置に保持される。
【0060】
この状態で通常時チェンジレバー37を操作すると、セレクト用電動モータ18により第1セレクト用アーム81が往復動して第2セレクトアーム82の第2通孔82aが第1セレクトアーム81の第1穴81aに一致するので、セレクト用切換ピン85がセレクト用第2ばねの弾性力により第2のセレクト回転位置(図15)から第1のセレクト回転位置(図16)に移動する。またシフト用電動モータ19により第1シフト用アーム101が往復動して第2シフトアーム102の第2通孔102aが第1シフトアーム101の第1穴101aに一致するので、シフト用切換ピン105がシフト用第2ばねの弾性力により第2のシフト回転位置(図15)から第1のシフト回転位置(図16)に移動する。このため第2セレクトアーム82に対する第3セレクトアーム83の相対運動が許容されかつ第1セレクトアーム81の相対運動が阻止される(セレクトレバー17及びセレクト用電動モータ18が連結される。)とともに、第2シフトアーム102に対する第3シフトアーム103の相対運動が許容されかつ第1シフトアーム101の相対運動が阻止される(シフトレバー16及びシフト用電動モータ19が連結される。)。この結果、運転者は通常時チェンジレバー37を操作することにより、変速装置71の変速操作をセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19を駆動源として行うことができる。
【0061】
なお、セレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19が故障していなくても、手動・電動切換レバー45を非常位置に切換えて非常時操作レバー47を操作することにより、変速装置71の変速操作をセレクト用電動モータ18及びシフト用電動モータ19によらずに手動で行うことができる。即ち、通常時であっても、非常時操作レバー47を操作することにより、いわゆるマニュアルシフトで変速装置71を変速することができる。またセレクト切換機構78及びシフト切換機構79が単一の切換ハウジング80に収容されるので、第1の実施の形態より切換手段76の部品点数及び組付工数を低減できる。更に上記第1の実施の形態では第1〜第3セレクト摺動体及び第1〜第3シフト摺動体がそれぞれ直線運動するのに対し、第2の実施の形態では第1〜第3セレクトアーム81〜83及び第1〜第3シフトアーム101〜103が回転運動しかつこれらのアームにセレクト用切換ピン85及びシフト用切換ピン105を盛込むことにより、切換手段76をコンパクトに製作できる利点を有する。
【0062】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、セレクトレバーがシフトレバーを複数のフォークシャフトのいずれかに選択的に係合させ、コントローラが操作検出スイッチの検出出力に基づいてセレクト用電動モータ及びシフト用電動モータを制御し、通常位置又は非常位置に切換え可能な切換手段が手動・電動切換レバーとセレクト切換機構とシフト切換機構とを有するので、運転者が手動・電動切換レバーを非常位置に切換えて非常時チェンジレバーを操作すると、セレクト切換機構がセレクトレバー及びセレクト用電動モータの連結を解除してセレクトレバー及び非常時チェンジレバーを連結するとともに、シフト切換機構がシフトレバー及びシフト用電動モータの連結を解除してシフトレバー及び非常時チェンジレバーを連結する。この結果、運転者が非常時チェンジレバーをセレクト方向に操作すると、セレクトレバーが所定のフォークシャフトに係合し、非常時チェンジレバーを更にシフト方向に操作すると、シフトレバーがフォークシャフトをその軸方向に摺動するので、セレクト用電動モータ及びシフト用電動モータによらずに、手動により変速できる。
【0063】
また運転者が手動・電動切換レバーを通常位置に切換えて通常時チェンジレバーを操作すると、セレクト切換機構がセレクトレバー及び非常時チェンジレバーの連結を解除してセレクトレバー及びセレクト用電動モータを連結するとともに、シフト切換機構がシフトレバー及び非常時チェンジレバーの連結を解除してシフトレバー及びシフト用電動モータを連結する。この結果、運転者が通常時チェンジレバーを操作すると、コントローラが操作検出スイッチの検出出力に基づいてセレクト用電動モータ及びシフト用電動モータを制御するので、これらのモータによりセレクトレバー及びシフトレバーが切換わり、セレクト用電動モータ及びシフト用電動モータにより変速できる。従って、変速操作に要する動力源を電動モータから手動に切換える操作と、手動から電動モータに切換える操作のいずれも、運転席に着座したまま容易に行うことができる。
【0064】
またセレクト用電動モータに第1ボールねじを介して第1セレクト摺動体を接続し、第1セレクト摺動体に第2セレクト摺動体を介して摺動可能に設けられた第3セレクト摺動体を非常時チェンジレバーに接続し、シフト用電動モータに第2ボールねじを介して第1シフト摺動体を接続し、第1シフト摺動体に第2シフト摺動体を介して摺動可能に設けられた第3シフト摺動体を非常時チェンジレバーに接続し、セレクト用切換ピン駆動手段によりセレクト用切換ピンを第1のセレクト摺動位置又は第2のセレクト摺動位置に移動可能に構成し、更にシフト用切換ピン駆動手段によりシフト用切換ピンを第1のシフト摺動位置又は第2のシフト摺動位置に移動可能に構成すれば、手動・電動切換レバーを非常位置に切換えて非常時チェンジレバーを操作すると、セレクト用切換ピンがセレクト用切換ピン駆動手段により第1のセレクト摺動位置から第2のセレクト摺動位置に移動するとともに、シフト用切換ピンがシフト用切換ピン駆動手段により第1のシフト摺動位置から第2のシフト摺動位置に移動する。この結果、上記と同様に手動により変速できる。また手動・電動切換レバーを通常位置に切換えて通常時チェンジレバーを操作すると、セレクト用切換ピンがセレクト用切換ピン駆動手段により第2のセレクト摺動位置から第1のセレクト摺動位置に移動するとともに、シフト用切換ピンがシフト用切換ピン駆動手段により第2のシフト摺動位置から第1のシフト摺動位置に移動する。この結果、上記と同様にセレクト用電動モータ及びシフト用電動モータにより変速できる。
【0065】
また第2セレクトアームと一体的な第1セレクト軸に回動可能に嵌入された第1セレクトアームをセレクト用電動モータに第1ボールねじを介して接続し、第1セレクト軸に回動可能に嵌入された第3セレクトアームを非常時チェンジレバーに接続し、第2シフトアームと一体的な第1シフト軸に回動可能に嵌入された第1シフトアームをシフト用電動モータに第2ボールねじを介して接続し、第1シフト軸に回動可能に嵌入された第3シフトアームを非常時チェンジレバーに接続し、セレクト用切換ピン駆動手段によりセレクト用切換ピンを第1のセレクト回転位置又は第2のセレクト回転位置に移動可能に構成し、更にシフト用切換ピン駆動手段によりシフト用切換ピンを第1のシフト回転位置又は第2のシフト回転位置に移動可能に構成すれば、手動・電動切換レバーを非常位置に切換えて非常時チェンジレバーを操作すると、セレクト用切換ピンがセレクト用切換ピン駆動手段により第1のセレクト回転位置から第2のセレクト回転位置に移動するとともに、シフト用切換ピンがシフト用切換ピン駆動手段により第1のシフト回転位置から第2のシフト回転位置に移動する。この結果、上記と同様に手動により変速できる。また手動・電動切換レバーを通常位置に切換えて通常時チェンジレバーを操作すると、セレクト用切換ピンがセレクト用切換ピン駆動手段により第2のセレクト回転位置から第1のセレクト回転位置に移動するとともに、シフト用切換ピンがシフト用切換ピン駆動手段により第2のシフト回転位置から第1のシフト回転位置に移動する。この結果、上記と同様にセレクト用電動モータ及びシフト用電動モータにより変速できる。
【0066】
またセレクト切換機構及びシフト切換機構を単一の切換ハウジングに収容すれば、切換手段の部品点数及び組付工数を低減できる。
更にシフト用電動モータ又は非常時チェンジレバーによるシフトレバーの駆動力を圧縮エアを用いて支援するパワーシフト手段をシフト切換機構とシフトレバーとの間に介装すれば、シフト用電動モータとして比較的小出力のモータを用いることができ、シフト用電動モータを小型化できるとともに、非常時チェンジレバーを比較的小さい力で操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態の通常運転時の変速装置を示す構成図。
【図2】手動・電動切換レバーを操作して、セレクト用ブロックをセレクト用受けピンから離脱させ、かつシフト用ブロックをシフト用受けピンから離脱させた状態を示す図1に対応する構成図。
【図3】セレクト用切換ピンが移動して第2セレクト摺動体に対する第3セレクト摺動体の相対運動が阻止され、かつシフト用切換ピンが移動して第2シフト摺動体に対する第3シフト摺動体の相対運動が阻止された状態を示す図1に対応する構成図。
【図4】非常運転時の変速装置を示す図1に対応する構成図。
【図5】その変速装置のフォークシャフト、セレクトレバー及びシフトレバーを含む要部斜視図。
【図6】図5のA−A線断面図。
【図7】図6のB−B線断面図。
【図8】本発明の第2実施形態を通常運転時の変速装置を示す図1に対応する構成図。
【図9】セレクト用切換ピンが移動して第2セレクトアームに対する第3セレクトアームの相対運動が阻止され、かつシフト用切換ピンが移動して第2シフトアームに対する第3シフトアームの相対運動が阻止された状態を示す図8に対応する構成図。
【図10】非常運転時の変速装置を示す図8に対応する構成図。
【図11】その変速装置のフォークシャフト、セレクトレバー及びシフトレバーを含む要部斜視図。
【図12】図11のC−C線断面図。
【図13】通常運転時の切換手段を含む図12のD−D線断面図。
【図14】手動・電動切換レバーを操作して、セレクト用押えアームをセレクト用受けピンから離脱させ、かつシフト用押えアームをシフト用受けピンから離脱させた状態を示す図13に対応する断面図。
【図15】セレクト用切換ピンが移動して第2セレクトアームに対する第3セレクトアームの相対運動が阻止され、かつシフト用切換ピンが移動して第2シフトアームに対する第3シフトアームの相対運動が阻止された状態を示す図13に対応する断面図。
【図16】非常運転時の切換手段を含む図13に対応する断面図。
【符号の説明】
11,71 変速装置
12〜15 フォークシャフト
16 シフトレバー
17 セレクトレバー
18 セレクト用電動モータ
19 シフト用電動モータ
28 パワーシフト手段
37 通常時チェンジレバー
38 操作検出スイッチ
44 コントローラ
46,76 切換手段
47 非常時チェンジレバー
48,78 セレクト切換機構
49,79 シフト切換機構
51 第1セレクト摺動体
52 第2セレクト摺動体
53 第3セレクト摺動体
54,84 第1ボールねじ
54b,84b 第1ナット
55,85 セレクト用切換ピン
56,86 セレクト用切換ピン駆動手段
61 第1シフト摺動体
62 第2シフト摺動体
63 第3シフト摺動体
64,104 第2ボールねじ
64b,104b 第2ナット
65,105 シフト用切換ピン
66,106 シフト用切換ピン駆動手段
80 切換ハウジング
81 第1セレクトアーム
82 第2セレクトアーム
83 第3セレクトアーム
87 第1セレクト軸
101 第1シフトアーム
102 第2シフトアーム
103 第3シフトアーム
107 第1シフト軸

Claims (4)

  1. 変速ギヤの複数のフォークシャフト(12〜15)のいずれかに選択的に係合可能であって前記係合したフォークシャフト(12〜15)をその軸方向に摺動可能なシフトレバー(16)と、前記シフトレバー(16)を前記複数のフォークシャフト(12〜15)のいずれかに選択的に係合させるセレクトレバー(17)と、前記セレクトレバー(17)を駆動するセレクト用電動モータ(18)と、前記シフトレバー(16)を駆動するシフト用電動モータ(19)と、運転席に設けられ運転者が操作する通常時チェンジレバー(37)と、前記通常時チェンジレバー(37)の操作位置を検出する操作検出スイッチ(38)と、前記操作検出スイッチ(38)の検出出力に基づいて前記セレクト用電動モータ(18)及び前記シフト用電動モータ(19)をそれぞれ制御するコントローラ(44)とを備えた変速装置であって、
    前記通常時チェンジレバー(37)とは別に前記運転席に設けられ前記運転者が操作する非常時チェンジレバー(47)と、
    前記通常時チェンジレバー(37)の操作により前記セレクト及びシフト用電動モータ(18,19)を駆動して前記セレクト及びシフトレバー(17,16)を切換可能な通常位置と、前記非常時チェンジレバー(47)の操作により前記セレクト及びシフト用電動モータ(18,19)を介さずに前記セレクト及びシフトレバー(17,16)を切換可能な非常位置とのいずれかに切換え可能な切換手段(46)とを更に備え、
    前記切換手段(46)が、前記通常時及び非常時チェンジレバー(37,47)とは別に前記運転席に設けられ前記運転者の操作により前記通常位置又は前記非常位置に切換える手動・電動切換レバー(45)と、セレクト切換機構 (48) と、シフト切換機構 (49) を備え、
    前記セレクト切換機構 (48) は、前記セレクト用電動モータ (18) の回転運動が第1ボールねじ (54) により変換されて直線運動する第1セレクト摺動体 (51) と、前記第1セレクト摺動体 (51) に摺動可能に設けられかつ前記セレクトレバー (17) に接続された第2セレクト摺動体 (52) と、前記第2セレクト摺動体 (52) に摺動可能に設けられかつ前記非常時チェンジレバー (47) に接続された第3セレクト摺動体 (53) と、前記第2セレクト摺動体 (52) に対する前記第1セレクト摺動体 (51) の相対運動を阻止しかつ前記第3セレクト摺動体 (53) の相対運動を許容する第1のセレクト摺動位置と前記第2セレクト摺動体 (52) に対する前記第1セレクト摺動体 (51) の相対運動を許容しかつ前記第3セレクト摺動体 (53) の相対運動を阻止する第2のセレクト摺動位置とのいずれかに移動可能なセレクト用切換ピン (55) とを有し、
    前記シフト切換機構 (49) は、前記シフト用電動モータ (19) の回転運動が第2ボールねじ (64) により変換されて直線運動する第1シフト摺動体 (61) と、前記第1シフト摺動体 (61) に摺動可能に設けられかつ前記シフトレバー (16) に接続された第2シフト摺動体 (62) と、前記第2シフト摺動体 (62) に摺動可能に設けられかつ前記非常時チェンジレバー (47) に接続された第3シフト摺動体 (63) と、前記第2シフト摺動体 (62) に対する前記第1シフト摺動体 (61) の相対運動を阻止しかつ前記第3シフト摺動体 (63) の相対運動を許容する第1のシフト摺動位置と前記第2シフト摺動体 (62) に対する前記第1シフト摺動体 (61) の相対運動を許容しかつ前記第3シフト摺動体 (63) の相対運動を阻止する第2のシフト摺動位置とのいずれかに移動可能なシフト用切換ピン (65) とを有することを特徴とする非常時切換装置付き変速装置。
  2. 変速ギヤの複数のフォークシャフト(12〜15)のいずれかに選択的に係合可能であって前記係合したフォークシャフト(12〜15)をその軸方向に摺動可能なシフトレバー(16)と、前記シフトレバー(16)を前記複数のフォークシャフト(12〜15)のいずれかに選択的に係合させるセレクトレバー(17)と、前記セレクトレバー(17)を駆動するセレクト用電動モータ(18)と、前記シフトレバー(16)を駆動するシフト用電動モータ(19)と、運転席に設けられ運転者が操作する通常時チェンジレバー(37)と、前記通常時チェンジレバー(37)の操作位置を検出する操作検出スイッチ(38)と、前記操作検出スイッチ(38)の検出出力に基づいて前記セレクト用電動モータ(18)及び前記シフト用電動モータ(19)をそれぞれ制御するコントローラ(44)とを備えた変速装置であって、
    前記通常時チェンジレバー(37)とは別に前記運転席に設けられ前記運転者が操作する非常時チェンジレバー(47)と、
    前記通常時チェンジレバー(37)の操作により前記セレクト及びシフト用電動モータ(18,19)を駆動して前記セレクト及びシフトレバー(17,16)を切換可能な通常位置と、前記非常時チェンジレバー(47)の操作により前記セレクト及びシフト用電動モータ(18,19)を介さずに前記セレクト及びシフトレバー(17,16)を切換可能な非常位置とのいずれかに切換え可能な切換手段(76)とを更に備え、
    前記切換手段(76)が、前記通常時チェンジレバー(37)及び前記非常時チェンジレバー(47)とは別に前記運転席に設けられ前記運転者の操作により前記通常位置又は前記非常位置に切換える手動・電動切換レバー(45)と、セレクト切換機構 (78) と、シフト切換機構 (79) と備え、
    前記セレクト切換機構 (78) は、前記セレクト用電動モータ (18) の回転運動が第1ボールねじ (84) により変換されて第1セレクト軸 (87) を中心として回動運動する第1セレクトアーム (81) と、前記第1セレクト軸 (87) と一体的に設けられかつセレクトレバー (17) に接続された第2セレクトアーム (82) と、前記第1セレクト軸 (87) に回動可能に嵌入されかつ非常時チェンジレバー (47) に接続された第3セレクトアーム (83) と、前記第2セレクトアーム (82) に対する前記第1セレクトアーム (81) の相対回転を阻止しかつ前記第3セレクトアーム (83) の相対回転を許容する第1のセレクト回転位置と前記第2セレクトアーム (82) に対する前記第1セレクトアーム (81) の相対回転を許容しかつ前記第3セレクトアーム (83) の相対回転を阻止する第2のセレクト回転位置とのいずれかに移動可能なセレクト用切換ピン (85) とを有し、
    前記シフト切換機構 (79) は、前記シフト用電動モータ (19) の回転運動が第2ボールねじ (104) により変換されて第1シフト軸 (107) を中心として回動運動する第1シフトアーム (101) と、前記第1シフト軸 (107) に回動可能に嵌入されかつ前記シフトレバー (16) に接続された第2シフトアーム (102) と、前記第1シフト軸 (107) と一体的に設けられかつ前記非常時チェンジレバー (47) に接続された第3シフトアーム (103) と、前記第2シフトアーム (102) に対する前記第1シフトアーム (101) の相対回転を阻止しかつ前記第3シフトアーム (103) の相対回転を許容する第1のシフト回転位置と前記第2シフトアーム (102) に対する前記第1シフトアーム (101) の相対回転を許容しかつ前記第3シフトアーム (103) の相対回転を阻止する第2のシフト回転位置とのいずれかに移動可能なシフト用切換ピン (105) とを有することを特徴とする非常時切換装置付き変速装置。
  3. セレクト切換機構(78)及びシフト切換機構(79)が単一の切換ハウジング(80)に収容された請求項1又は2記載の非常時切換装置付き変速装置。
  4. シフト切換機構(49,79)とシフトレバー(16)との間に、シフト用電動モータ(19)又は非常時チェンジレバー(47)によるシフトレバー(16)の駆動力を圧縮エアを用いて支援するパワーシフト手段(28)が介装された請求項1ないしいずれか1項に記載の非常時切換装置付き変速装置。
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