JP3988923B2 - エンジンの出力制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の変速に関与する複数の摩擦要素への締結圧を個々に制御するソレノイド油圧制御弁を設けた油圧回路構成を持つ自動変速機の変速制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動変速機を備えた車両におけるエンジンの出力制御装置としては、例えば、特開平6−101510号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この公報には、トルクコンバータの入力側羽根車と出力側羽根車の回転数差が大きいストール時に駆動系を保護するために、エンジンの出力トルクの上限値が自動変速機の許容トルク内になるようトルクダウン要求を行い、設定時間経過後、トルクコンバータ内の油温が上昇しているものと推定して、過熱防止のために更にトルクダウン要求量を増加するという技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のエンジンの出力制御装置にあっては、駆動系保護及びトルクコンバータ内の油温上昇を防止する目的で、ストール時にトルクダウン要求を行う場合、断続的にストール状態が発生すると、その都度設定時間が経過したかどうかを判断するため、加熱を十分に抑えることができない虞がある。
【0005】
尚、トルクコンバータ内の油温を直接検出することが考えられるが、温度センサを新たに設ける必要があり、部品点数の増加や、自動変速機自体の大型化を招く虞がある。また、一般に、自動変速機のコントロールバルブなどに温度センサが設けられているが、これは、オイルパン内の油温を検出しており、トルクコンバータ内の油温上昇を応答良く検出することができない。このため、オイルパン内に設けられた温度センサだけを用いてトルクコンバータ内の油温上昇を応答良く検出することは非常に困難であった。
【0006】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、頻繁にストール状態が発生したとしても、トルクコンバータ内の油温上昇の防止を図ることが可能なエンジンの出力制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明では、トルクコンバータと変速機構部を備えた自動変速装置を搭載する車両であって、少なくとも停車に近い所定以下の車速を検出できる車速検出手段と、自動変速装置のシフト位置が走行シフト位置にあることを検出できる走行シフト位置検出手段と、エンジン出力状態が、高出力状態であることを検出できる高出力状態検出手段と、検出された車速が前記所定以下の車速であり、検出されたシフト位置が走行シフト位置であり、かつ、検出されたエンジン出力状態がエンジン高出力状態のときは、ストール状態と判定するストール状態判定手段と、ストール状態となったと判定されてからのストール状態の継続時間を測定するストール継続時間測定手段と、ストール状態が予め設定された第1設定時間以上継続されているときは、エンジンに対して許容トルクを出力し、エンジン出力を減少補正するよう要求する出力減少補正要求手段と、を備えたエンジンの出力制御装置において、前記出力減少補正手段によるエンジン出力の減少補正要求が解除され、その解除後から第2設定時間経過前に再度ストール状態を判定したときは、少なくとも前記第1設定時間より短い時間のストール状態継続後に前記出力減少補正要求を出力することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のエンジンの出力制御装置において、
前記第1設定時間より短い時間のストール状態継続とは、ストール状態を判定した直後であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明では、トルクコンバータと変速機構部を備えた自動変速装置を搭載する車両であって、少なくとも停車に近い所定以下の車速を検出できる車速検出手段と、
自動変速装置のシフト位置が走行シフト位置にあることを検出できる走行シフト位置検出手段と、
エンジン出力状態が、高出力状態であることを検出できる高出力状態検出手段と、
検出された車速が前記所定以下の車速であり、検出されたシフト位置が走行シフト位置であり、かつ、検出されたエンジン出力状態がエンジン高出力状態のときは、ストール状態と判定するストール状態判定手段と、
ストール状態となったと判定されてからのストール状態の継続時間を測定するストール継続時間測定手段と、
ストール状態が予め設定された第1設定時間以上継続されているときは、エンジンに対して許容トルクを出力し、エンジン出力を更に減少補正するよう要求する出力減少補正要求手段と、
を備えたエンジンの出力制御装置において、
前記第1設定時間未満でストール状態が解除され、かつ、解除されてから予め設定された第3設定時間内に再度ストール状態を判定したときには、前記第1設定時間より短い時間の継続後に前記出力減少補正要求を出力することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明では、トルクコンバータと変速機構部を備えた自動変速装置を搭載する車両であって、少なくとも停車に近い所定以下の車速を検出できる車速検出手段と、
自動変速装置のシフト位置が走行シフト位置にあることを検出できる走行シフト位置検出手段と、
エンジン出力状態が、高出力状態であることを検出できる高出力状態検出手段と、
検出された車速が前記所定以下の車速であり、検出されたシフト位置が走行シフト位置であり、かつ、検出されたエンジン出力状態がエンジン高出力状態のときは、ストール状態と判定するストール状態判定手段と、
ストール状態と判定されたときは、エンジンに対して自動変速装置の第1許容トルクを出力し、エンジン出力を減少補正するよう要求する第1出力減少補正要求手段と、
ストール状態となったと判定されてからのストール状態の継続時間を測定する第1ストール継続時間測定手段と、
ストール状態が予め設定された第1設定時間以上継続されているときは、エンジンに対して少なくとも第1許容トルクより小さな第2許容トルクを出力し、エンジン出力を更に減少補正するよう要求する第2出力減少補正要求手段と、
を備えたエンジンの出力制御装置において、
前記第2出力減少補正要求手段によるエンジン出力の減少補正要求の解除後に、解除されてから予め設定された第2設定時間経過前にストール状態と判定したときは、第1出力減少補正要求手段を経ることなく第2出力減少補正要求を直接出力することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明では、トルクコンバータと変速機構部を備えた自動変速装置を搭載する車両であって、少なくとも停車に近い所定以下の車速を検出できる車速検出手段と、
自動変速装置のシフト位置が走行シフト位置にあることを検出できる走行シフト位置検出手段と、
エンジン出力状態が、高出力状態であることを検出できる高出力状態検出手段と、
検出された車速が前記所定以下の車速であり、検出されたシフト位置が走行シフト位置であり、かつ、検出されたエンジン出力状態がエンジン高出力状態のときは、ストール状態と判定するストール状態判定手段と、
ストール状態と判定されたときは、エンジンに対して自動変速装置の第1許容トルクを出力し、エンジン出力を減少補正するよう要求する第1出力減少補正要求手段と、
ストール状態となったと判定されてからのストール状態の継続時間を測定する第1ストール継続時間測定手段と、
ストール状態が予め設定された第1設定時間以上継続されているときは、エンジンに対して少なくとも第1許容トルクより小さな第2許容トルクを出力し、エンジン出力を更に減少補正するよう要求する第2出力減少補正要求手段と、
を備えたエンジンの出力制御装置において、
前記ストール継続時間測定手段は、前回のストール状態が第1設定時間未満で解除され、解除されてから第3設定時間内に再度ストール状態が判定されたときは、前回のストール状態の継続時間に基づいて決定された値を初期値としてストール状態の継続時間を測定する手段としたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載のエンジンの出力制御装置において、
前記ストール継続時間測定手段は、前回の継続時間を保持する継続時間保持手段を有し、第3設定時間内に再度ストール状態が判定されたときには、この保持された継続時間を初期値としてストール状態の継続時間を測定する手段としたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明では、請求項5に記載のエンジンの出力制御装置において、
前記ストール継続時間測定手段は、前回の継続時間を保持する継続時間保持手段を有し、第3設定時間内に再度ストール状態が判定されたときには、この保持された継続時間を、再度ストール状態が判定されるまでの時間または外気温に応じて補正し、補正された値を初期値としてストール状態の継続時間を測定する手段としたことを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明では、請求項1または請求項4に記載のエンジンの出力制御装置において、
前記第2設定時間を外気温が高いときは長く、低いときは短く設定する第2設定時間変更手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明では、請求項1または請求項4に記載のエンジンの出力制御装置において、
前記第2設定時間を自動変速装置内の油が劣化するほど長く設定する第2設定時間変更手段を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明では、請求項3または請求項5に記載のエンジンの出力制御装置において、
前記第3設定時間を外気温が高いときは長く、低いときは短く設定する第2設定時間変更手段を設けたことを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の発明では、請求項3または請求項5に記載のエンジンの出力制御装置において、
前記第3設定時間を自動変速装置内の油が劣化するほど長く設定する第2設定時間変更手段を設けたことを特徴とする。
【0018】
【発明の作用および効果】
請求項1に記載のエンジンの出力制御装置にあっては、出力減少補正手段によるエンジン出力の減少補正要求が解除され、その解除後から第2設定時間経過前に再度ストール状態を判定したときは、少なくとも第1設定時間より短い時間のストール状態継続後に出力減少補正要求が出力される。よって、ストール状態が連続するような状況では、第1設定時間の経過を待つことなく再度出力減少補正要求が出力されることで、トルクコンバータの発熱が防止され、これに伴い変速機構部の耐久性の低下を防止することができる。
【0019】
請求項2に記載のエンジンの出力制御装置にあっては、第1設定時間より短い時間のストール状態継続が、ストール状態を判定した直後とされたことで、更に素早くトルクコンバータの発熱を防止することができる。
【0020】
請求項3に記載のエンジンの出力制御装置にあっては、ストール状態解除後の時間を測定する第3設定時間を設け、この時間内に再度ストール状態が発生したときは連続してストール状態が発生していると判定する。このとき、第1設定時間の経過を待つことなく直ぐに出力減少補正要求が出力されることで、トルクコンバータの発熱が防止され、これに伴い変速機構部の耐久性の低下を防止することができる。
【0021】
請求項4に記載のエンジンの出力制御装置にあっては、第2出力減少補正要求手段による出力減少補正要求がストール状態解除により終了し、その後の時間を測定する第2設定時間を設け、この時間内に再度ストール状態が発生したときは連続してストール状態が発生していると判定する。このとき、第1設定時間の経過を待つことなく、更には第1出力減少補正要求手段による減少補正要求を経ることなく、より大きな減少補正要求を出力する第2出力減少補正要求が出力されることで、トルクコンバータの発熱が防止され、これに伴い変速機構部の耐久性の低下を防止することができる。
【0022】
請求項5に記載のエンジンの出力制御装置にあっては、ストール状態が連続して発生し、トルクコンバータの発熱が通常より高くなるような場合でも、前回のストール状態の継続時間に基づいて決定された値を初期値としてストール状態の継続時間を測定することで、第1出力減少補正を第1設定時間よりも短く行い、より大きな出力減少補正を出力する第2出力減少補正に素早く移行することが可能となり、トルクコンバータの発熱が防止され、これに伴い変速機構部の耐久性の低下を防止することができる。
【0023】
請求項6に記載のエンジンの出力制御装置にあっては、前回の継続時間を保持する継続時間保持手段が設けられたことで、より大きな出力減少補正を出力する第2出力減少補正に素早く移行することが可能となり、トルクコンバータの発熱が防止され、これに伴い変速機構部の耐久性の低下を防止することができる。
【0024】
請求項7に記載のエンジンの出力制御装置にあっては、第3設定時間内に再度ストール状態が判定されたときには、保持された継続時間を、再度ストール状態が判定されるまでの時間または外気温に応じて補正し、補正された値を初期値することで、トルクコンバータの発熱状態を更に正確に推定することが可能となり、走行状況に応じた出力減少補正要求を出力することができる。
【0025】
請求項8に記載のエンジンの出力制御装置にあっては、第2設定時間変更手段において、第2設定時間を外気温が高いときは長く、低いときは短く設定することで、トルクコンバータの発熱状態を更に正確に推定することが可能となり、走行状況に応じた出力減少補正要求を出力することができる。
【0026】
請求項9に記載のエンジンの出力制御装置にあっては、第2設定時間変更手段において、第2設定時間が自動変速装置内の油が劣化するほど長く設定される。すなわち、第2設定時間が長ければ、ストール状態が連続して発生していると判定しやすくなり、出力減少補正要求の頻度を増す。これにより、油の劣化によりトルクコンバータが発熱しやすい状態になったとしても、出力減少補正要求によりトルクコンバータの発熱を防止することができる。
【0027】
請求項10に記載のエンジンの出力制御装置にあっては、第3設定時間変更手段において、第3設定時間を外気温が高いときは長く、低いときは短く設定することで、トルクコンバータの発熱状態を更に正確に推定することが可能となり、走行状況に応じた出力減少補正要求を出力することができる。
【0028】
請求項11に記載のエンジンの出力制御装置にあっては、第3設定時間変更手段において、第3設定時間が自動変速装置内の油が劣化するほど長く設定される。
すなわち、第3設定時間が長ければ、ストール状態が連続して発生していると判定しやすくなり、出力減少補正要求の頻度を増す。これにより、油の劣化によりトルクコンバータが発熱しやすい状態になったとしても、出力減少補正要求によりトルクコンバータの発熱を防止することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明におけるエンジンの出力制御装置を実現する実施の形態を、第1実施例に基づいて説明する。
【0030】
(第1実施例)
図1は第1実施例のトルクダウン制御装置を示すシステム図である。図中1は原動機としてのエンジン、2,3は自動変速機を示す。自動変速機はトルクコンバータ2と、歯車式の変速機構部3から構成されている。エンジン1の出力トルクはトルクコンバータ2から変速機構部3に入力され、変速機構部3は選択した変速段に応じたギア比で出力トルクを出力軸3に伝え、駆動輪5に出力することで車両を走行させる。
【0031】
前記エンジン1は燃料を噴射する複数のインジェクタ6を有し、各インジェクタ6の燃料噴射は、ECU10により行われる。このECU10は、基本的にはブレーキ状態を検出するブレーキセンサ11と、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ12からの信号と、エンジン負荷に相当するスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ13からの信号とを入力して燃料噴射量を演算する。そして、演算された燃料噴射量に対応する時間だけエンジン回転に調時して、各インジェクタ6を個別に作動させる。この作動は、必要に応じて各インジェクタ6のうちで一部の気筒に燃料噴射するインジェンクタ6の作動を停止させて出力トルクを低下させることができるように構成されている。
【0032】
変速機構部3は、図示を省略した摩擦要素を締結させたり解放させたりするアクチュエータに対して油圧を供給したり、或いは供給を停止させたりして変速をコントロールするコントロールバルブ7を有し、このコントロールバルブ7は、複数のシフトソレノイドを内蔵している。これらのシフトソレノイドはON・OFFの組み合わせにより各種摩擦要素を作動させて各変速段を形成する周知の構成となっている。
【0033】
上述のシフトソレノイドの作動は、ATコントロールユニット20により行う。このATコントロールユニット20は、基本的には、運転者の選択した変速レンジを検出するレンジ検出手段21から得られるレンジ信号と、スロットル開度センサ13から得られるスロットル開度TVO、出力軸4の回転数を検出する車速センサ14及び変速機構部3の入力回転数を検出するタービン回転数センサ15から得られる車速に基づいて最適な変速段を決定し、最適なタイミングで上記シフトソレノイドのON・OFFの切り換えを行う。
【0034】
また、ATコントロールユニット20は、変速時には、ECU10に対してトルクダウン要求信号を出力してシフトクオリティーの向上や、変速に関する摩擦材の耐久信頼性向上を図っている。また、自動変速機の許容エンジントルクを算出し、この許容エンジントルクをトルクダウン要求量としてECU10に対して出力する。そして、ECU10において、エンジントルクが許容エンジントルク以上の場合は、予め減少補正することによって許容エンジントルクとなるよう制御する。
【0035】
すなわち、ECU10に対しATコントロールユニットから自動変速機の許容エンジントルクを出力し、この許容エンジントルクに基づきトルクダウン要求量を演算する構成が、特許請求の範囲に記載の出力減少補正手段に相当する。尚、出力減少補正手段としては、点火タイミングを変更するリタードや、電子スロットル開度を用いてスロットル開度を変更する電子スロットル制御によりトルクダウン制御を行っても良い。
【0036】
図2,3は第1実施例のATコントロールユニット20に設けられた、エンジンの出力制御を表すフローチャートである。
【0037】
ステップ101では、選択レンジ及び変速段を読み込む。
【0038】
ステップ102では、エンジン回転数Ne,タービン回転数Nt,エンジントルクTe,ブレーキ状態を読み込む。
【0039】
ステップ103では、図4に示すタービン回転数Nt−エンジントルクTeマップから第1トルクダウン領域にあるかどうかを判断し、第1トルクダウン領域の時はステップ104へ進み、それ以外はステップ105へ進む。尚、この判定は図4に示すヒス領域を有するマップにより判定する。タービン回転数Ntのヒス領域にあっては、制御開始タービン回転数が小さく、制御解除タービン回転数が大きく設定されている。また、エンジントルクTeのヒス領域にあっては制御開始エンジントルクが大きく、制御解除エンジントルクが小さく設定されている。
【0040】
ステップ104では、第1トルクダウン要求量を演算する。第1トルクダウン要求量の演算に関しては後で詳述する。
【0041】
ステップ104aでは、第1トルクダウン要求フラグFtd1を1にセットする。
【0042】
ステップ105では、第1トルクダウン要求フラグFtd1を0とする。
【0043】
ステップ106では、第1又は第2トルクダウン領域にあるかどうか、かつ、ブレーキセンサ11の信号からブレーキがONかどうかを判断し、第1又は第2トルクダウン領域で、かつ、ブレーキがONのときはステップ107へ進み、それ以外はステップ116へ進む。
【0044】
ステップ107では、第2トルクダウンフラグFtd2が0かどうかを判断し、Ftd2=0のときはステップ108へ進み、それ以外はステップ112へ進む。
【0045】
ステップ108では、第2トルクダウンを遅らせる第1タイマT1のカウントアップを行い、同時に第1トルクダウンの待機タイマT3のリセットを行う。
【0046】
ステップ109では、カウントされた第1タイマT1が予め設定された所定値STALL_TIM1より大きいかどうかを判定し、大きいと判定したときはステップ110へ進み、それ以外はステップ115へ進む。尚、この所定値STALL_TIM1は、ストール状態が連続発生しても、トルクコンバータ内の温度が過度に上昇しないような時間に設定されている。
【0047】
ステップ110では、第2トルクダウン領域にあるかどうか、かつ、ブレーキがONかどうかを判定し、第2トルクダウン領域でブレーキONのときにはステップ111へ進み、それ以外はステップ115へ進む。
【0048】
ステップ111では、第2トルクダウン要求フラグFtd2を1にセットし、第1タイマT1を0にセットする。
【0049】
ステップ112では、第2タイマT2を0にセットする。
【0050】
ステップ113では、第2トルクダウン要求量を演算する。
【0051】
ステップ114では、1制御周期分の時間(20msec)、第2トルクダウン要求量以上とならないようにECU10にトルクダウン要求を行う。
【0052】
ステップ115では、1制御周期分の時間(20msec)、第1トルクダウン要求量以上とならないようにECU10にトルクダウン要求を行う。
【0053】
ステップ116では、第2トルクダウンフラグFtd2が1かどうかを判定し、Ftd2=1のときはステップ117へ進み、それ以外はステップ123へ進む。
【0054】
ステップ117では、第2トルクダウンの斜め上げが終了したかどうかを判断し、終了していればステップ118へ進み、終了していなければステップ121へ進む。この斜め上げ終了判断は、例えば前回の第2トルクダウン要求量に所定ゲイン量を加算して、今回の第2トルクダウン要求量とし、この値が設定値以上となったことをもって、斜め上げ終了と判断する。
【0055】
ステップ118では、第2タイマT2をカウントアップする。尚、この第2タイマT2のカウント中は再度ストール状態に入るかどうかの待機状態である。
【0056】
ステップ119では、第2タイマT2が予め設定された第2の所定値であるSTALL_TIM2よりも大きいかどうかを判定し、大きいときはステップ120へ進み、それ以外は本制御を終了する。尚、この第2の所定値STALL_TIM2は、ある程度上昇したトルクコンバータ内の温度が適正な温度領域に低下するのにかかる時間に設定されている。
【0057】
ステップ120では、第2トルクダウン要求フラグFtd2及び第2タイマT2を0にセットする。
【0058】
ステップ121では、第2トルクダウン要求量を演算する。ここでは、前回の第2トルクダウン要求量に所定ゲイン量加算して今回の第2トルクダウン要求量とする。
【0059】
ステップ122では、1制御周期分の時間(20msec)、第2トルクダウン要求量以上とならないようにECU10にトルクダウン要求を行う。
【0060】
ステップ123では、タイマT1が0でないかどうかを判断し、T1≠0のときはステップ125へ進み、それ以外は本制御を終了する。
【0061】
ステップ125では、第3タイマT3をカウントアップする。この第3タイマT3のカウント中は、第2トルクダウンを遅らせる第1タイマT1の値をリセットせずに保持している状態である。
【0062】
ステップ126では、第3タイマT3が予め設定された第3の所定値であるSTALL_TIM3よりも大きいかどうかを判定し、大きいときはステップ127へ進み、それ以外はステップ128へ進む。
【0063】
ステップ127では、第1タイマT1及び第3タイマT3を0にリセットする。
【0064】
ステップ128では、第1トルクダウンフラグFtd1が1かどうかを判断し、Ftd1=1のときはステップ129へ進み、それ以外は本制御を終了する。
【0065】
ステップ129では、1制御周期分の時間(20msec)、第1トルクダウン要求量以上とならないようにECU10にトルクダウン要求を行う。
【0066】
図6は第1トルクダウン要求量演算を表すフローチャートである。
ステップ201では、エンジン回転数Neを読み込む。
ステップ202では、タービン回転数Ntを読み込む。
ステップ203では、速度比e(=Nt/Ne)の演算を行う。
ステップ204では、速度比−トルク比データテーブルから現在のトルク比を算出する。
ステップ205では、トルクダウン要求量Tdを下記の式より算出する。
Td1=(許容エンジントルク)×(ストールトルク比ts/現在のトルク比)
ステップ206では、第1トルクダウン要求量として上記Td1をセットする。
【0067】
図7は第2トルクダウン斜め下げ中及び第2トルクダウン中のトルクダウン要求量演算を表すフローチャートである。
ステップ301では、現在のエンジントルクTeを読み込む。
ステップ302では、現在のエンジントルクTeを斜め下げ用第2トルクダウン要求量Td3の初期値に設定する。
ステップ303では、斜め下げ用第2トルクダウン要求量Td3の斜め下げを演算する。これは、現在のエンジントルクに一定量のトルク△Tを減算したものであり、例えばTd3=Te-△Tで算出する。
ステップ304では、斜め下げ用第2トルクダウン要求量Td3が所定値Td2より小さいかどうかを判定し、小さいときはステップ305へ進み、大きいときはステップ306へ進む。
ステップ305では、第2トルクダウン要求量として予め設定された設定値Td2をセットする。
ステップ306では、ステップ303においてトルクダウン要求量として斜め下げ用第2要求量Td3をセットする。
【0068】
ここで、上述したトルクダウン要求量の演算について図8を用いて説明する。まず、ストール発進時を想定する。許容タービントルクがαであるとする。トルク比を考慮した場合、許容エンジントルクはβと考えられ(β=α/ストールトルク比)、ストール時においては、エンジントルクはβとなるようにトルクダウンを掛ける必要がある。
【0069】
また、制御中の目標エンジントルクは次式にて算出される。
(許容エンジントルク)×(ストールトルク比/現在のトルク比)
ストールトルク比を例えば2とすると、ストール時を想定した場合目標エンジントルクは上式より、β×2/2=βとなる。つまり、車両停止時はβまでしかエンジントルクが発生しない。
【0070】
車両が発進し図中の時間t=aの場合を考えると、速度比が上昇し、トルク比はγに減少する。このときの目標エンジントルクは
β×2/γ (γ<2,よってβ×(2/γ)<β)
となり、このエンジントルクになるようトルクダウン要求量が決定される。結果として、トルク比の減少分、許容エンジントルクを上げたので、タービントルクはストール時と同じαとなる。
【0071】
この制御を連続して行っていると、そのうち許容エンジントルクが実際に発生できるエンジントルクを上回り(▲1▼のライン)、トルクダウンが意味を為さなくなる。つまり、トルクダウン量が連続したものであり、急にトルクダウンを止める訳ではないので、ショックを発生するようなトルク段差は発生しない。
トルクダウンは、タービン回転が十分に上昇した時点、すなわち設定回転数より上回ったポイント(▲2▼のライン)で解除される。
【0072】
以下、上記制御の具体例をタイムチャートにより説明する。
(通常時の第1及び第2トルクダウン制御)
図9はブレーキがON状態で、ストール状態が継続した場合のタイムチャートである。
【0073】
図2,3のフローチャートでは、ステップ101→ステップ102→ステップ103→ステップ104→ステップ104a→ステップ106→ステップ107→ステップ108→ステップ109→ステップ115に進む制御が第1トルクダウン要求量出力制御に相当する。
【0074】
また、ステップ109→ステップ110→ステップ111→ステップ113→ステップ114に進む制御が第2トルクダウン要求量出力制御に相当する。
【0075】
(時刻t10〜t12)
時刻t10においてブレーキが踏み込まれ、時刻t11においてアクセルが踏み込まれる。これによりスロットル開度が大きくなる。一方、エンジントルクが図4及び図5に示す制御開始エンジントルク(閾値)以下であり、第1トルクダウン領域及び第2トルクダウン領域外であるため、第1トルクダウン及び第2トルクダウンは行われない。
【0076】
すなわち、図2,図3に示すフローチャート上では、ステップ101〜102において選択レンジ、変速段、エンジン回転数Ne、タービン回転数Nt、エンジントルクTe及びブレーキ状態を読み込む。そして、ステップ103において第1トルクダウン領域外であると判断し、ステップ105で第1トルクダウン要求フラグFtd1=0とし、ステップ106で再度第1又は第2トルクダウン領域外であると判断してステップ116へ進む。ステップ116において第2トルクダウンフラグFtd2=0であると判断し、ステップ123で第1タイマT1=0であると判断し、このフローチャートを終了する。時刻t12となり、エンジントルクTeが第1トルクダウン領域内であると判断されるまで、このステップを繰り返す。
【0077】
(時刻t12〜t13)
エンジントルクTeが図4の制御開始トルクダウンを超えた時刻t12においてATCU20からECU10トルクダウン要求が行われる。すなわち、許容エンジントルク値である第1トルクダウン要求量をECU10へ送る。しかしながら、この時刻t12〜t13では、減少補正前のエンジントルクTeは、許容エンジントルクである第1トルクダウン要求量よりも小さなトルクであるため、実際にはエンジントルクTeの減少補正は行われず、エンジントルクTeは増加し続ける。また、時刻t12において第1タイマT1のカウントアップを開始する。ストール状態が継続するため、カウントアップが続けられる。
【0078】
すなわち、図2,図3に示すフローチャート上では、ステップ101〜102において選択レンジ、変速段、エンジン回転数Ne、タービン回転数Nt、エンジントルクTe及びブレーキ状態を読み込む。そして、ステップ103において自動変速機に大きなトルクが入力される第1トルクダウンを行うべきストール状態と判定され、ステップ104において、図6に示す第1トルクダウン要求量の演算を行い、第1トルクダウン要求量をECU10に出力し、ステップ104aにおいて第1トルクダウンフラグFtd1を1にセットする。
【0079】
次に、ステップ106で再度第1トルクダウン領域で、かつ、ブレーキがONであると判定され、ステップ107において第2トルクダウンフラグが0かどうかを判定する。第2トルクダウンフラグは最初は0なのでステップ108へ進み、第1タイマT1をカウントアップすると共に、第3タイマT3を0にセットする。そして、第1タイマT1によって、予め設定された所定値STALL_TIM1以上になるまでカウントし、ステップ109において第1タイマT1が所定値STALL_TIM1以上と判定されるまでステップ115において第1トルクダウン要求量をECU10に出力する。これにより、エンジントルクが第1トルクダウン要求量以上とならないようにする。
【0080】
(時刻t13〜t14)
エンジントルクが許容エンジントルクである第1トルクダウン要求量に達したため、トルクダウン要求に基づきエンジントルクの減少補正が行われ、本来であれば点線で示すようなエンジントルクとなるが、実際には第1エンジントルク要求量で一定状態となる。また、第1タイマT1のカウントアップが継続される。
【0081】
フローチャートの説明は、t12〜t13と同様のため、省略する。
【0082】
(時刻t14〜t15)
時刻t14にて第1タイマT1が閾値であるSTALL_TIM1となったため、第2トルクダウン制御を開始する。時刻t14以降、トルク低減によるトルク変動ショックが出ないように、時刻t15まで所定ゲイン量△Tで減少させる。
【0083】
すなわち、図2,図3に示すフローチャート上では、ステップ109にて、第1タイマT1が所定値STALL_TIM1以上と判定されると、ステップ110において、第2トルクダウン領域にあり、かつ、ブレーキがON状態にあると判定され、ステップ111に進み、第2トルクダウンフラグFtd2を1にセットすると共に、第1タイマT1を0にリセットする。
【0084】
更に、ステップ113において図7に示すステップ301,302,303にて現在のエンジントルクから斜め下げ用第2トルクダウン要求量Td3を演算し、ステップ304において斜め下げ用第2トルクダウン要求量Td3と設定値Td2とを比較し、斜め下げ用第2トルクダウン要求量として斜め下げ用第2トルクダウン要求量Td3にセットする。そして、ステップ114において第2トルクダウン要求量をATCU20からECU10に対して出力する。そして、トルク変動ショックがでないように、エンジントルクを徐々に減少補正し、算出される斜め下げ用第2トルクダウン要求量Td3が設定値Td2より小さくなる時刻t15まで、上記ステップを繰り返す。
【0085】
(時刻t15〜)
時刻t15にてエンジントルクが予め設定された第2トルクダウン要求量Td2まで低下し、エンジントルクは、これ以降、制御解除条件が成立するまで第2トルクダウン要求量Td2に減少補正が継続される。
【0086】
すなわち、図2,図3に示すフローチャート上では、時刻t15でステップ304にて斜め下げ用第2トルクダウン要求量Td3が設定値Td2よりも小さくなるため、ステップ306で第2トルクダウン要求量をTd2にセットし、図4,図5に示す制御解除条件が成立するまで上記ステップを繰り返す。
【0087】
(第1トルクダウン制御中にブレーキ解除発進)
図10は第1トルクダウン中にブレーキ解除発進した場合のタイムチャートである。時刻t21〜t23までは、時刻t12〜t14と同様であるため省略する。
【0088】
(時刻t23〜t25)
時刻t23においてブレーキが解除されたため、車両が発進する。このとき、タービン回転数Ntが上昇し始めるため、トルク比が徐々に小さくなると共に、これに反比例して第1トルクダウン要求量は大きな値となり、その結果、滑らかな第1トルクダウン制御の解除が行われる。また、時刻t24において、第1トルクダウン要求量が減少補正前のエンジントルクを上回り、実質的にはエンジントルク減少補正は行われなくなる。
そして、時刻t25にてタービン回転数Ntが、図4に示す第1トルクダウン制御解除タービン回転数を上回り、第1トルクダウン制御が解除される。また、第1タイマT1は、ブレーキ解除された時刻t23においてカウントアップが中止され、第1タイマT1は中止された時点の値が保持される。そして、時刻t23から第3タイマT3のカウントアップが開始され継続される。
【0089】
すなわち、図2,図3に示すフローチャート上では、ステップ101,ステップ102を経て随時第1トルクダウン要求量を演算すると共に、ステップ104aにてトルクダウン要求フラグFtd1=1にセットする。更に、時刻t23にてブレーキがオフであるため、ステップ116を介してステップ123へ進む。ステップ123にて第1タイマT1は0ではないため、ステップ125へ進んで第3タイマT3をカウントアップする。
【0090】
そして、ステップ126へ進み、時刻t23〜t25では、第3タイマT3はSTALL_TIM3よりも小さいため、ステップ128へ進む。ここで、第1トルクダウン要求フラグFtd1が1であるため、ステップ129へ進み、ステップ104で演算された第1トルクダウン要求量を許容エンジントルクとしてATCU20からECU10に送り、エンジントルクが第1トルクダウン要求量以上とならないようにする。以後、タービン回転数が図4に示す第1トルクダウン制御解除タービン回転数になる時刻t25までこのステップを繰り返す。
【0091】
(時刻t25〜t26)
時刻t25にてタービン回転数が図4の第1トルクダウン制御解除タービン回転数を上回り、第1トルクダウン制御が行われなくなる。一方、時刻t25〜t26の間、第3タイマT3はカウントアップされ続け、第1タイマT1の値も保持され続ける。そして、時刻t26において第3タイマT3がSTALL_TIM3を上回り、第1タイマT1及び第3タイマT3はリセットされる。
【0092】
すなわち、図2,図3に示すフローチャート上では、時刻t26では、ステップ126にてSTALL_TIM3よりも大きいと判断して、ステップ127へ進み、第1タイマT1及び第3タイマT3を0にリセットする。
【0093】
(断続的第1トルクダウン制御)
図11は第1トルクダウン制御中に、一旦ストール状態から脱し、再度ストール状態になった場合のタイムチャートである。時刻t300〜t340までは、時刻t10〜t14と同様であるため省略する。
【0094】
(時刻t340〜t350)
時刻t340にてスロットル開度が減少に転じ、これに伴い点線で示す減少補正前エンジントルクも減少し始める。そして、時刻t341にて減少補正前のエンジントルクが第1トルクダウン要求量Td1よりも小さくなり、第1トルクダウン要求量はATCU20からECU10に送られるが、実際にはエンジントルクの減少補正は行われなくなる。その後、時刻t341にてスロットル開度が減少し、エンジントルクも減少し続け、時刻t350にて図4に示す第1トルクダウン制御解除トルクまで低下する。第1タイマT1は、時刻t320からカウントアップが開始継続される。
【0095】
すなわち、図2,図3に示すフローチャート上では、ステップ101→ステップ102を経て、ステップ103にて第1トルクダウン領域であると判断し、ステップ104へ進んで第1トルクダウン要求量を演算し、ステップ105にて第1トルクダウン要求フラグFtd1=1にセットする。そして、ステップ106にて第1トルクダウン領域かつブレーキオンであると判断し、ステップ108にて第1タイマT1をカウントアップすると共に、第3タイマT3を0にリセットする。
【0096】
そして、時刻t340〜t350の間、第1タイマT1がSTALL_TIM1以下であるため、ステップ115に進み、ATCU20からECU10へ許容トルクである第1トルクダウン要求量を出力する。エンジントルクが第1トルクダウン領域外となる時刻t350まで、本ステップを繰り返す。
【0097】
(時刻t350〜t370)
時刻t350にてエンジントルクが図4に示す第1トルクダウン制御解除トルクまで低下し、第1トルクダウン制御が解除される。時刻t350において第3タイマT3のカウントアップが開始されるとともに、第1タイマT1のカウントアップは中断され、時刻t350時点の値が保持が継続される。時刻t360にて再びスロットル開度が増加し、エンジントルクが増加し始める。
【0098】
すなわち、図2,図3に示すフローチャート上では、ステップ103において第1トルクダウン領域外であると判断し、ステップ105で第1トルクダウン要求フラグFtd1=0とし、ステップ106で第1トルクダウン領域外であると判断して、ステップ116を経てステップ123に進む。時刻t350〜t370は、第1タイマT1はカウントアップされているので、ステップ125へ進み、第3タイマT3をカウントアップする。
【0099】
ステップ126では、第3タイマT3は閾値であるSTALL_TIM3以下であるのでステップ128へ進み、第1トルクダウン要求フラグFtd1=0であるため、トルクダウン要求を行うことなく、フローチャートを終了する。以後、再びエンジントルクが第1トルクダウン制御開始トルクとなる時刻t370まで、このステップを繰り返す。
【0100】
(時刻t370〜t380)
時刻t370にてエンジントルクが第1トルクダウン制御開始エンジントルクを上回り、第1トルクダウン制御が開始される。時刻t370において第3タイマT3がリセットされると共に、第1タイマT1は、保持されている値から継続してカウントアップが再開され閾値を超える時刻t390まで継続される。従って、短時間で第2トルクダウン制御が開始されることとなる。
【0101】
すなわち、図2,図3に示すフローチャート上では、ステップ108にて第1タイマT1のカウントアップが保持されていた値から再開されると共に、第3タイマT3をリセットして、ステップ109へ進む。時刻t370〜t380では第1タイマT1は閾値STALL_TIM1以下であるので、ステップ115へ進み、ステップ104で算出した第1トルクダウン要求量をECU10に出力する。
【0102】
(時刻t380〜)
時刻t13〜の説明と重複するため省略する。
【0103】
(第2トルクダウン中からのブレーキ解除発進)
図12は第2トルクダウン制御中に、ブレーキを解除し発進した場合のタイムチャートである。時刻t40〜t41までは、時刻t15〜の説明と重複するので省略する。
【0104】
(時刻t41〜t43)
時刻t41にてブレーキがオフとなり車両が発進する。これに伴いタービン回転数Ntが上昇し始め、トルク比が徐々に小さくなる。一方、エンジントルクは、予め設定された最大エンジントルクと等しくなる時刻t43まで第2トルクダウン要求量は所定ゲイン量で斜め上げ(増加)が継続されるため、これに伴い増加し続ける。そして、時刻t42において第2トルクダウン要求量よりも減少補正前エンジントルクが小さくなり、ATCU20からECU10へトルクダウン要求は行われるものの、実際にはエンジントルクの減少補正は行われなくなる。
【0105】
すなわち、図2,図3に示すフローチャート上では、時刻t41〜t42の間は、ステップ101及びステップ102を介して、ステップ103へ進み、第1トルクダウン領域であると判断して、ステップ104にて第1トルクダウン要求量を演算すると共にステップ104aにて第1トルクダウン要求フラグFtd1=1としてステップ106に進む。ステップ106では、ブレーキがオフ状態であるため、ステップ116へ進み、第2トルクダウン要求フラグFtd2=1であるので、ステップ117へ進む。
【0106】
ステップ117では前回の第2トルクダウン要求量に所定トルクを加算して今回の第2トルクダウン要求量を演算し、ステップ122にて、この第2トルクダウン要求量をECU10に出力する。第2トルクダウン要求量の斜め上げが終了する時刻t43までこのステップを繰り返す。
【0107】
(時刻t43〜t44)
時刻t43にて、第2トルクダウン要求量が予め設定された値を上回り、第2トルクダウン制御が解除される。また、時刻t43から第2タイマT2のカウントアップが開始され、時刻t44にて第2タイマT2が閾値であるSTALL_TIM2を超えて、第2タイマは0にリセットされる。
【0108】
すなわち、図2,図3に示すフローチャート上では、ステップ117までは、時刻t42〜t43までと同様であるので省略する。第2トルクダウン要求量の斜め上げ終了と判断した時刻t43以降、ステップ117からステップ118へ進み、第2タイマT2をカウントアップする。そして、第2タイマT2がSTALL_TIM2を超える時刻t44以前はそのまま本制御を終了し、第2タイマT2がSTALL_TIM2を超える時刻t44にてステップ120へ進み、第2トルクダウン要求フラグFtd2=0,第2タイマT2=0にリセットし、本制御を終了する。
【0109】
(第2トルクダウン待機制御)
図13は第2トルクダウン制御中にブレーキを解除して発進し、第2トルクダウン待機中に再度ストール領域にはいる場合のタイムチャートである。時刻t50〜t51までは、時刻t15〜の説明と重複するので省略する。
【0110】
(時刻t51〜t55)
時刻t51にてブレーキがオフ状態となり車両が発進する。これに伴いタービン回転数Ntが上昇し始め、トルク比が徐々に小さくなる。また、エンジントルクは、第2トルクダウン要求量が所定ゲイン量で斜め上げ(増加)が開始継続されるため、エンジントルクは時刻t53以降低下し続け、ATCU20からECU10へトルクダウン要求は行われるものの、点線で示す減少補正前のエンジントルクが第2トルクダウン要求量よりも小さくなるため、実際にはエンジントルクの減少補正は行われなくなる。その後、時刻t54にてタービン回転数が図4に示す制御解除タービン回転数を上回り、時刻t55にて第2トルクダウン要求量の斜め上げを終了する。
【0111】
すなわち、図2,図3に示すフローチャート上では、時刻t51〜t54の間は、ステップ101及びステップ102を介して、ステップ103へ進み、第1トルクダウン領域であると判断して、ステップ104にて第1トルクダウン要求量を演算すると共に、ステップ104aにて第1トルクダウン要求フラグFtd1=1にセットしてステップ106へ進む。ステップ106では、ブレーキがオフ状態であるため、ステップ116へ進む。
【0112】
そして、第2トルクダウン要求フラグFtd2=1であるか判断するが、この時刻以前は、第2トルクダウン制御を行っていたため、第2トルクダウン要求フラグFtd2=1であるので、ステップ117へ進む。
【0113】
ステップ117において第2トルクダウン要求量の斜め上げの終了判断を行い、終了していないので、ステップ121にて前回の第2トルクダウン要求量に所定のゲイン量を加算して今回の第2トルクダウン要求量とし、ステップ122において、この第2トルクダウン要求量をECU10に出力する。
【0114】
第1トルクダウン領域を抜けた時刻t54〜t55では、上記ステップのステップ103からステップ104,ステップ104aと進むかわりに、ステップ103からステップ105にて第1トルクダウン要求フラグFtd1=0にリセットして、ステップ106へ進み、以後時刻t51〜t54と同様のステップを進む。尚、第2トルクダウン要求量の斜め上げが終了する時刻t55までこのステップを繰り返す。
【0115】
(時刻t55〜t59)
第2トルクダウン制御が完全に解除された時刻t55から第2タイマT2のカウントアップが開始される。そして、時刻t56にてブレーキがオンとなると共に、時刻t57にてスロットル開度が増加し、エンジントルクが再び増加に転じる。その結果、時刻t58にてエンジントルクが図5に示す制御開始エンジントルクを上回ることになり、第2タイマT2が閾値であるSTALL_TIM2となる前に、再度ストール状態であると判断されるため、時刻t58以降第1トルクダウンを介することなく第2トルクダウン制御が実行される。
【0116】
すなわち、図2,図3に示すフローチャート上では、ステップ117までは、時刻t42〜t43までと同様であるので省略する。第2トルクダウン要求量の斜め上げ終了と判断した時刻t55以降、ステップ117からステップ118へ進み、第2タイマT2をカウントアップする。時刻t58までこのステップを繰り返す。
【0117】
また、時刻t56にてブレーキがオンとなり、時刻t58において、エンジントルクが制御開始エンジントルクを超えるため、時刻t58以降は、ステップ101,ステップ102,ステップ103,ステップ104にて第1トルクダウン要求量を演算すると共に、ステップ104aで第1トルクダウン要求フラグFtd1=1としてステップ106からステップ107へ進む。この時刻t58では、第2タイマT2がSTALL_TIM2以前であるため、第2トルクダウン要求フラグFtd2=1であり、ステップ112へ進んで、第2タイマT2をリセットすると共に、ステップ113にて第2トルクダウン要求量を演算し、ステップ114においてECU10へ第2トルクダウン要求量を出力する。
【0118】
尚、第2トルクダウン要求量の演算では、現在のエンジントルクに所定量減算して算出した斜め下げ用第2トルクダウン要求量Td3と、設定値であるトルクダウン要求量Td2とを比較して、大きい値を第2トルクダウン要求量に設定するため、現在のエンジントルクが小さい時刻t58では、第2トルクダウン要求量として設定値Td2を設定することとなる。以後、上記ステップを繰り返す。
【0119】
(第2トルクダウン待機制御)
図14は第2トルクダウン制御中にブレーキを解除して発進し、第2トルクダウン待機後、再度ストール領域に入り第1トルクダウン制御が行われる場合のタイムチャートである。時刻t60〜t66までは、時刻t15〜の説明と重複するため省略する。
【0120】
(時刻t66〜t69)
時刻t66でブレーキがオンされるが、時刻t68まではスロットル開度が低くエンジントルクも制御開始エンジントルク以下であるため、第2タイマT2のカウントアップが継続し、その結果、第2タイマT2は時刻t67にてSTALL_TIM2を上回り、リセットされ、カウントアップを終了する。その後、時刻t68にてスロットル開度が大きくなり、エンジントルクが増加し、時刻t69にて制御開始エンジントルクを上回るため、第1トルクダウン制御が行われる。
【0121】
すなわち、図2,図3に示すフローチャート上では、ステップ117までは、時刻t42〜t43までと同様であるため省略する。第2トルクダウン要求量の斜め上げ終了と判断した時刻t65以降、ステップ117からステップ118に進み、第2タイマT2をカウントアップする。
【0122】
そして、時刻t66にてブレーキがオン状態となるが、エンジントルクが低いままであるため、時刻t67までこのステップを繰り返す。時刻t67にて、第2タイマT2がSTALL_TIM2を超えるため、ステップ119からステップ120へ進み、第2タイマT2及び第2トルクダウン要求フラグFtd2=0にリセットする。
【0123】
その後、エンジントルクが制御開始エンジントルクを上回る時刻t69以降、ステップ101,ステップ102を経て、ステップ103にて第1トルクダウン領域であると判断し、ステップ104へ進んで第1トルクダウン要求量を演算し、ステップ105にて第1トルクダウン要求フラグFtd1=1にセットし、ステップ106にて第1トルクダウン領域、かつブレーキオン状態であると判断し、ステップ108にて第1タイマT1をカウントアップすると共に、第3タイマT3を0にリセットする。そして、第1タイマT1がSTALL_TIM1以下であるため、ステップ115に進み、ATCU20からECU10へ許容トルクである第1トルクダウン要求量を送り、第1トルクダウン制御を実行することとなる。
【0124】
(第1実施例の作用及び効果)
以上説明したように、第1実施例のエンジンの出力制御装置にあっては、第2トルクダウン制御によるトルクダウン要求がストール状態解除により終了し、その後の時間を測定する第2タイマT2を設け、所定値STALL_TIM2内に再度ストール状態が発生したときは連続してストール状態が発生していると判定する。このとき、所定値STALL_TIM1の経過を待つことなく、更には第1トルクダウン制御によるトルクダウン要求を経ることなく、より大きなトルクダウン要求を出力する第2トルクダウン要求が出力されることで、トルクコンバータの発熱が防止され、これに伴い変速機構部の耐久性の低下を防止することができる。
【0125】
また、ストール状態が連続して発生し、トルクコンバータ2の発熱が通常より高くなるような場合でも、第1トルクダウンが解除されてからの時間を測定する第3タイマを設け、所定値STALL_TIM3内に再度ストール状態となったときには、前回のストール状態の継続時間を第1タイマT1の初期値としてストール状態の継続時間を測定することで、再ストール状態での第1トルクダウン制御を所定値STALL_TIM1よりも短く行い、より大きな出力減少補正を出力する第2トルクダウン制御に短時間で移行することが可能となり、トルクコンバータ2の発熱が防止され、これに伴い変速機構部の耐久性の低下を防止することができる。
【0126】
(第2実施例)
図15は第2実施例におけるトルクダウン制御装置を示すシステム図である。基本的な構成は第1実施例と同様であるが、外気温を検出する外気温センサ22が設けられ、この外気温センサ22からの信号はATCU20に送られている点が異なる。
【0127】
また、第1トルクダウン要求量及び第2トルクダウン要求量の演算方法、図2,3,6,7のフローチャートに基づいてトルクダウンを行うところについても第1実施例と同様であるが、ステップ119,ステップ126における所定値STALL_TIM2,STALL_TIM3の決定方法が図16のフローチャートに基づいて決定する点が異なる。
【0128】
すなわち、ステップ401では、外気温センサの値を読み込む。そして、ステップ402では、図17に示すマップを参照し、第2タイマT2の閾値である所定値STALL_TIM2,第3タイマT3の閾値であるSTALL_TIM3を決定する。そして、図3のステップ119,ステップ126の判定では、この所定値STALL_TIM2,STALL_TIM3を用いて第2タイマT2,第3タイマT3の判定を行う。
【0129】
図17のマップは、外気温が高くなるほどSTALL_TIM2,STALL_TIM3が長くなるように設定されている。つまり、外気温が高く、なかなかトルクコンバータの油温が低下しにくいような状況では、第2トルクダウン要求量によるエンジントルクの低減補正が行われやすくなる。尚、STALL_TIM2及びSTALL_TIM3は同一のマップから決定しても良いし、それぞれ別のマップから異なる値を決定しても良い。
【0130】
一方、外気温が低く、比較的短時間でトルクコンバータの油温が低下しやすいような状況では、第2トルクダウン要求量によるエンジントルクの低減補正が実行されにくくなる。このように、外気温に応じて所定値STALL_TIM2,STALL_TIM3を適切な時間に設定することで、過剰なトルクダウン制御による運転性の悪化や、トルクダウン制御の遅延によるトルクコンバータの発熱といったことが、第1実施例に比べて更に防止できるようになる。
【0131】
(第3実施例)
図18は第3実施例におけるトルクダウン制御装置を示すシステム図である。基本的な構成は第1実施例と同様であるが、ATCU20内に総変速回数を記憶する変速回数記憶部が設けられている点が異なる。
【0132】
また、第1トルクダウン要求量及び第2トルクダウン要求量の演算方法、図2,3,6,7のフローチャートに基づいてトルクダウンを行うところについても第1実施例と同様であるが、ステップ119,ステップ126における所定値STALL_TIM2,STALL_TIM3の決定方法が図19のフローチャートに基づいて決定する点が異なる。
【0133】
すなわち、ステップ501において変速回数記憶部の値を読み込み、ステップ502において図20に示すマップを参照し、第2タイマT2の閾値である所定値STALL_TIM2及び第3タイマT3の閾値である所定値STALL_TIM3を決定する。そして、図3のステップ119,ステップ126の判定では、この所定値STALL_TIM2,STALL_TIM3を使って、第2タイマT2,第3タイマT3の判定を行う。
【0134】
図20のマップは、総変速回数が多くなるほど、STALL_TIM2,STALL_TIM3が長くなるよう設定されている。つまり、総変速回数が多く自動変速機内の油の劣化が進み、トルクコンバータの油温が上昇しやすいような状況では、第2トルクダウン要求量によるエンジントルクの低減補正が行われやすくなる。尚、STALL_TIM2及びSTALL_TIM3は同一のマップから決定しても良いし、それぞれ別のマップから異なる値を決定しても良い。
【0135】
一方、総変速回数が少なく自動変速機内の油の劣化が進んでいない、比較的トルクコンバータの油温が上昇しにくい状況では、第2トルクダウン要求量によるエンジントルクの低減補正が実行されにくくなる。このように、総変速回数、言い換えれば自動変速機内の油の劣化状況に応じて所定値STALL_TIM2,STALL_TIM3を適切な時間に設定することで、過剰なトルクダウン制御による運転性の悪化や、トルクダウン制御の遅延によるトルクコンバータの発熱といったことが、第1実施例に比べて更に防止できるようになる。
【0136】
(その他の実施例)
以上第1,第2及び第3実施例について説明したが、本発明は上述の各実施例に限られるものではなく、例えば、所定値STALL_TIM3内に再度ストール状態が判定されたときには、保持された継続時間を、再度ストール状態が判定されるまでの時間または外気温に応じて補正し、補正された値を初期値としてもよい。これにより、トルクコンバータの発熱状態を更に正確に推定することが可能となり、走行状況に応じた出力減少補正要求を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例におけるエンジンの出力制御装置が適用された車両の全体構成を表すシステム図である。
【図2】第1実施例におけるエンジンの出力制御装置の制御内容を表すフローチャートである。
【図3】第1実施例におけるエンジンの出力制御装置の制御内容を表すフローチャートである。
【図4】エンジントルクとタービン回転数に基づいて第1トルクダウン領域かどうかの判定を行うマップである
【図5】エンジントルクとタービン回転数に基づいて第2トルクダウン領域かどうかの判定を行うマップである。
【図6】エンジンの出力制御装置の制御内容であって、第1トルクダウン要求量を演算するフローチャートである。
【図7】エンジンの出力制御装置の制御内容であって、第2トルクダウン要求量を演算するフローチャートである。
【図8】トルクダウン要求量の演算内容を説明するタイムチャートである。
【図9】エンジンの出力制御装置の制御であって、第1トルクダウン制御から第2トルクダウン制御への移行を表すタイムチャートである。
【図10】エンジンの出力制御装置の制御であって、第1トルクダウン制御中のブレーキ解除発進を表すタイムチャートである。
【図11】エンジンの出力制御装置の制御であって、断続的な第1トルクダウン制御を表すタイムチャートである。
【図12】エンジンの出力制御装置の制御であって、第2トルクダウン制御中からのブレーキ解除発進を表すタイムチャートである。
【図13】エンジンの出力制御装置の制御であって、第2トルクダウン制御解除からの待機制御を表すタイムチャートである。
【図14】エンジンの出力制御装置の制御であって、第2トルクダウン制御解除からの待機制御後、再度第1トルクダウン制御を表すタイムチャートである。
【図15】第2実施例におけるエンジンの出力制御装置が適用された車両の全体構成を表すシステム図である。
【図16】第2実施例におけるタイマの閾値を決定する制御を表すフローチャートである。
【図17】第2実施例における外気温とタイマの閾値の関係を表すマップである。
【図18】第3実施例におけるエンジンの出力制御装置が適用された車両の全体構成を表すシステム図である。
【図19】第3実施例におけるタイマの閾値を決定する制御を表すフローチャートである。
【図20】第3実施例における総変速回数とタイマの閾値の関係を表すマップである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 自動変速機
4 出力軸
5 駆動輪
6 インジェンクタ
7 コントロールバルブ
10 エンジンコントロールユニット(ECU)
11 ブレーキセンサ
12 エンジン回転数センサ
13 スロットル開度センサ
14 車速センサ
15 タービン回転数センサ
20 ATコントロールユニット(ATCU)
21 レンジ検出手段
22 外気温検出手段
22a 変速回数記憶部
Claims (11)
- トルクコンバータと変速機構部を備えた自動変速装置を搭載する車両であって、
少なくとも停車に近い所定以下の車速を検出できる車速検出手段と、
自動変速装置のシフト位置が走行シフト位置にあることを検出できる走行シフト位置検出手段と、
エンジン出力状態が、高出力状態であることを検出できる高出力状態検出手段と、
検出された車速が前記所定以下の車速であり、検出されたシフト位置が走行シフト位置であり、かつ、検出されたエンジン出力状態がエンジン高出力状態のときは、ストール状態と判定するストール状態判定手段と、
ストール状態となったと判定されてからのストール状態の継続時間を測定するストール継続時間測定手段と、
ストール状態が予め設定された第1設定時間以上継続されているときは、エンジンに対して許容トルクを出力し、エンジン出力を減少補正するよう要求する出力減少補正要求手段と、
を備えたエンジンの出力制御装置において、
前記出力減少補正手段によるエンジン出力の減少補正要求が解除され、その解除後から第2設定時間経過前に再度ストール状態を判定したときは、少なくとも前記第1設定時間より短い時間のストール状態継続後に前記出力減少補正要求を出力することを特徴とするエンジンの出力制御装置。 - 請求項1に記載のエンジンの出力制御装置において、
前記第1設定時間より短い時間のストール状態継続とは、ストール状態を判定した直後であることを特徴とするエンジンの出力制御装置。 - トルクコンバータと変速機構部を備えた自動変速装置を搭載する車両であって、
少なくとも停車に近い所定以下の車速を検出できる車速検出手段と、
自動変速装置のシフト位置が走行シフト位置にあることを検出できる走行シフト位置検出手段と、
エンジン出力状態が、高出力状態であることを検出できる高出力状態検出手段と、
検出された車速が前記所定以下の車速であり、検出されたシフト位置が走行シフト位置であり、かつ、検出されたエンジン出力状態がエンジン高出力状態のときは、ストール状態と判定するストール状態判定手段と、
ストール状態となったと判定されてからのストール状態の継続時間を測定するストール継続時間測定手段と、
ストール状態が予め設定された第1設定時間以上継続されているときは、エンジンに対して許容トルクを出力し、エンジン出力を更に減少補正するよう要求する出力減少補正要求手段と、
を備えたエンジンの出力制御装置において、
前記第1設定時間未満でストール状態が解除され、かつ、解除されてから予め設定された第3設定時間内に再度ストール状態を判定したときには、前記第1設定時間より短い時間の継続後に前記出力減少補正要求を出力することを特徴とするエンジンの出力制御装置。 - トルクコンバータと変速機構部を備えた自動変速装置を搭載する車両であって、
少なくとも停車に近い所定以下の車速を検出できる車速検出手段と、
自動変速装置のシフト位置が走行シフト位置にあることを検出できる走行シフト位置検出手段と、
エンジン出力状態が、高出力状態であることを検出できる高出力状態検出手段と、
検出された車速が前記所定以下の車速であり、検出されたシフト位置が走行シフト位置であり、かつ、検出されたエンジン出力状態がエンジン高出力状態のときは、ストール状態と判定するストール状態判定手段と、
ストール状態と判定されたときは、エンジンに対して自動変速装置の第1許容トルクを出力し、エンジン出力を減少補正するよう要求する第1出力減少補正要求手段と、ストール状態となったと判定されてからのストール状態の継続時間を測定する第1ストール継続時間測定手段と、
ストール状態が予め設定された第1設定時間以上継続されているときは、エンジンに対して少なくとも第1許容トルクより小さな第2許容トルクを出力し、エンジン出力を更に減少補正するよう要求する第2出力減少補正要求手段と、
を備えたエンジンの出力制御装置において、
前記第2出力減少補正要求手段によるエンジン出力の減少補正要求の解除後に、解除されてから予め設定された第2設定時間経過前にストール状態と判定したときは、第1出力減少補正要求手段を経ることなく第2出力減少補正要求を直接出力することを特徴とするエンジンの出力制御装置。 - トルクコンバータと変速機構部を備えた自動変速装置を搭載する車両であって、
少なくとも停車に近い所定以下の車速を検出できる車速検出手段と、
自動変速装置のシフト位置が走行シフト位置にあることを検出できる走行シフト位置検出手段と、
エンジン出力状態が、高出力状態であることを検出できる高出力状態検出手段と、
検出された車速が前記所定以下の車速であり、検出されたシフト位置が走行シフト位置であり、かつ、検出されたエンジン出力状態がエンジン高出力状態のときは、ストール状態と判定するストール状態判定手段と、
ストール状態と判定されたときは、エンジンに対して自動変速装置の第1許容トルクを出力し、エンジン出力を減少補正するよう要求する第1出力減少補正要求手段と、ストール状態となったと判定されてからのストール状態の継続時間を測定する第1ストール継続時間測定手段と、
ストール状態が予め設定された第1設定時間以上継続されているときは、エンジンに対して少なくとも第1許容トルクより小さな第2許容トルクを出力し、エンジン出力を更に減少補正するよう要求する第2出力減少補正要求手段と、
を備えたエンジンの出力制御装置において、
前記ストール継続時間測定手段は、前回のストール状態が第1設定時間未満で解除され、解除されてから第3設定時間内に再度ストール状態が判定されたときは、前回のストール状態の継続時間に基づいて決定された値を初期値としてストール状態の継続時間を測定する手段としたことを特徴とするエンジンの出力制御装置。 - 請求項5に記載のエンジンの出力制御装置において、
前記ストール継続時間測定手段は、前回の継続時間を保持する継続時間保持手段を有し、第3設定時間内に再度ストール状態が判定されたときには、この保持された継続時間を初期値としてストール状態の継続時間を測定する手段としたことを特徴とするエンジンの出力制御装置。 - 請求項5に記載のエンジンの出力制御装置において、
前記ストール継続時間測定手段は、前回の継続時間を保持する継続時間保持手段を有し、第3設定時間内に再度ストール状態が判定されたときには、この保持された継続時間を、再度ストール状態が判定されるまでの時間または外気温に応じて補正し、補正された値を初期値としてストール状態の継続時間を測定する手段としたことを特徴とするエンジンの出力制御装置。 - 請求項1または請求項4に記載のエンジンの出力制御装置において、
前記第2設定時間を外気温が高いときは長く、低いときは短く設定する第2設定時間変更手段を設けたことを特徴とするエンジンの出力制御装置。 - 請求項1または請求項4に記載のエンジンの出力制御装置において、
前記第2設定時間を自動変速装置内の油が劣化するほど長く設定する第2設定時間変更手段を設けたことを特徴とするエンジン出力制御装置。 - 請求項3または請求項5に記載のエンジンの出力制御装置において、
前記第3設定時間を外気温が高いときは長く、低いときは短く設定する第2設定時間変更手段を設けたことを特徴とするエンジンの出力制御装置。 - 請求項3または請求項5に記載のエンジンの出力制御装置において、
前記第3設定時間を自動変速装置内の油が劣化するほど長く設定する第2設定時間変更手段を設けたことを特徴とするエンジン出力制御装置。
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