JP3990586B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の変速制御装置に関し、特にアップシフト時のシフトクオリティーの向上を図るトルクダウン制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に搭載される自動変速機のシフトクオリティーの向上や、変速に関する摩擦材の耐久信頼性向上を図るために、変速過渡期にエンジンの出力トルクを減少させる、いわゆるトルクダウン制御が一般的に行われている。このトルクダウン制御は、エンジンの出力トルクを低下させた分だけ速度変化を起こすトルクが大きくなるため、短時間で変速を終了することができ、その分だけ負荷が少なくなり、耐久信頼性の向上も図ることができるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来のトルクダウン制御にあっては、適切なトルクダウンの開始タイミング、具体的には、図9のように、締結側の実際の油圧がトルクダウン開始前の入力トルクに対してトルクフェーズをちょうど終了できる油圧、すなわちイナーシャフェーズを開始できる最低油圧となったタイミングで、かつ締結側の油圧をイナーシャフェーズが進行せずかつ空吹きもしない最低油圧のままトルクダウンによりイナーシャフェーズを進行させることが好ましい。しかし、実際には、目標の油圧に対する実際の油圧の応答遅れや油圧特性のバラツキによるずれ、入力トルクの検出誤差、トルクダウンの開始指令から実際のトルクダウン開始までのラグのバラツキ等の要因により、目標の状態を実際に実現することは非常に困難であり、適切なタイミングでトルクダウンを実現できなかったときには、トルクの抜け感、変速の間延び、及び空吹き等などの副作用が大きくなるという問題があった。
【0004】
本発明は、上述のような従来技術の問題点に着目してなされたもので、自動変速機の変速制御装置において、トルクダウン制御の開始タイミングの最適化を図ることで、トルクの抜け感、変速の間延び、及び空吹き等を防止し、シフトクオリティーの向上や、変速に関する摩擦材の耐久信頼性向上を図ることができる自動変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、車両のスロットル開度と車速の関係が変速スケジュールの変速線を横切ると、少なくとも解放されている第1摩擦要素を締結することで変速を行う変速制御手段と、前記変速制御手段から変速開始指令を入力すると、イナーシャフェーズ開始前の所定のタイミングを基準にして該所定のタイミングからの経過時間に基づいて、一時的にエンジントルクを低下させるトルクダウン制御手段と、を備えた自動変速機の変速制御装置において、所定のギア比に到達したことを検出する所定ギア比到達検出手段と、前記トルクダウン制御手段によりトルクダウンが開始されてから、前記所定ギア比到達検出手段により所定のギア比に到達したことが検出されるまでの時間を計測するタイミングタイマと、該タイミングタイマにより計測された計測時間と、予め設定された設定時間とを比較するタイミング比較判定手段と、該比較判定結果に基づいて、トルクダウンの開始タイミングを補正する第1補正手段と、を備え、前記第1補正手段は、前記比較判定手段により計測時間が所定時間よりも短いと判定されたときは、前記所定のタイミングからトルクダウンを開始するまでの経過時間を、次回変速時は今回の変速時よりも予め設定された第1設定値分早くなるように補正する第1補正部と、前記比較判定手段により計測時間が所定時間よりも長いと判定されたときは、前記所定のタイミングからトルクダウンを開始するまでの経過時間を、次回の変速時は今回の変速時よりも予め設定された第2設定値分遅くなるように補正する第2補正部と
を有する手段としたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置において、前記第2設定値は、前記第1設定値よりも大きい値に設定されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の自動変速機の変速制御装置において、前記変速制御手段を、変速時に解放されている第1摩擦要素を締結するのに加え、少なくとも締結されている第2摩擦要素を解放することで変速を行う手段とし、前記所定ギア比到達検出手段により所定のギア比に到達したことが検出されていないときに、前記第1摩擦要素の締結力不足により自動変速機の出力軸回転に対する自動変速機の入力回転の過回転状態である空吹き状態を検出する空吹き状態検出手段と、該空吹き状態検出手段により空吹き状態が検出されたときは、前記所定のタイミングからトルクダウンを開始するまでの経過時間を、次回変速時は今回変速時よりも予め設定された第3設定値分早くなるように補正する第2補正手段と、を備え、前記第3設定値は前記第1設定値よりも大きな値に設定されていることを特徴とする。
【0009】
【発明の作用及び効果】
請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置では、タイミングタイマにおいて、トルクダウン制御手段によりトルクダウンが開始されてから所定ギア比に到達したことが検出されるまでの時間が計測され、タイミング比較判定手段において、計測された計測時間と、予め設定された所定時間とが比較される。そして、この比較判定結果に基づいて、トルクダウン制御の開始タイミングが補正される。具体的には、第1補正手段が有する第1補正部において、所定のタイミングからトルクダウンを開始するまでの経過時間が、次回の変速時は今回の変速時よりも第1設定値分早くなるよう補正されることで、トルクダウン開始タイミングが遅すぎることにより発生するイナーシャフェーズの終了遅れによっておきる変速の間延びを防止することができる。また、第2補正部において、所定のタイミングからトルクダウンを開始するまでの経過時間が、次回の変速時は今回の変速時よりも第2設定値分遅くなるよう補正されることで、トルクダウン開始タイミングが早すぎることにより発生するトルクフェーズ中における引きショックを防止することができる。
【0011】
請求項2に記載の自動変速機の変速制御装置では、第1設定値を第2設定値よりも小さく設定することによって、トルクダウン開始タイミングが早すぎることによって生じるショックを起こりにくくし、かつ、ショックが起きてしまった場合にはより早く解消することができる。すなわち、トルクダウンの開始タイミングが早すぎることによって生じるショックは、トルクフェーズ中の急激な出力軸トルクの低下であり、運転者にとって違和感のあるショックであるため、第2設定値を第1設定値よりも大きく設定することによって次の変速では同じショックが起きないよう、トルクダウン制御を最適なタイミングで開始することができる。また、第1補正手段が有する第1補正部において、所定のタイミングからトルクダウンを開始するまでの経過時間が、次回の変速時は今回の変速時よりも、少なくとも第2設定値よりも小さい第1設定値分早くなるように補正される。すなわち、トルクダウン開始タイミングが遅すぎる可能性があるが、既にトルクダウンは適正なタイミングで行われている可能性もある。また、トルクダウンを大きく早めすぎることは、上記のトルクダウン開始タイミングが早すぎることによって生じるショックを起こす虞があり、変更量を大きくすることは好ましくない。そこで、現状のタイミングを大きく変えず、かつ、徐々にトルクダウンの開始タイミングを早くする方向に探っていけるよう、トルクダウン開始タイミングの変更量を少なくとも第2設定値よりも小さな第1設定値とすることで、トルクダウン制御を最適なタイミングで開始することができる。
【0012】
請求項3に記載の自動変速機の変速制御装置では、空吹き状態検出手段により空吹きが検出されると、第2補正手段において、所定のタイミングからトルクダウンを開始するまでの経過時間について、次回の変速時は今回の変速時よりも、第1設定値よりも大きい第3設定値分早くなるように補正される。すなわち、空吹きは、第1摩擦要素の締結力の発生が遅い場合に起こりうるが、トルクダウン開始タイミングが遅すぎることも起因している。そこで、次の変速では確実に空吹きが抑えられるよう、トルクダウン開始タイミングの変更量を大きな第3設定値分早くすることで、空吹きを確実に防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は実施の形態のトルクダウン制御装置を示すシステム図であって、図中1は原動機としてのエンジン、2は自動変速機を示す。エンジン1の出力トルクは自動変速機2に入力され、自動変速機2は選択した変速段に応じたギア比で出力トルクを出力軸3に伝え、車両を走行させる。
【0015】
前記エンジン1は燃料を噴射する複数のインジェクタ4を有し、各インジェクタ4の燃料噴射は、エンジンコントロールユニット5により行われる。このエンジンコントロールユニット5は、基本的にはエンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ6からの信号と、エンジン冷却水温を検出する水温センサ7からの信号と、エンジン負荷に相当するスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ8からの信号とを入力して燃料噴射量を演算した後、これに対応する時間だけエンジン回転に調時して、各インジェクタ4を個別に作動させるもので、必要に応じてこれらインジェクタ4のうちで一部の気筒に燃料噴射するものの作動を停止させて出力トルクを低下させることができるように構成されている。
【0016】
すなわち、インジェクタ4並びにエンジンコントロールユニット5が、特許請求の範囲に記載のトルク変更手段に相当する。尚、トルク変更手段としては、点火タイミングを変更するリタードや、電子スロットル開度を用いてスロットル開度を変更する電子スロットル制御によりトルクダウン制御を行っても良い。
【0017】
前記自動変速機2は、図示を省略した摩擦要素を締結させたり解放させたりするアクチュエータに対して油圧を供給したり、或いは供給を停止させたりして変速をコントロールするコントロールバルブ9を有し、このコントロールバルブ9は、第1シフトソレノイド11,第2シフトソレノイド12,ライン圧ソレノイド13を内蔵している。前記シフトソレノイド11,12は図2に示すON・OFFの組み合わせにより各種摩擦要素を作動させて各変速段を形成する周知の構成となっている。なお、このときに、ライン圧ソレノイド13をデューティ制御して形成するライン圧を用いる。
【0018】
上述のシフトソレノイド11,12及びライン圧ソレノイド13の作動は、自動変速機コントロールユニット14により行う。この自動変速機コントロールユニット14は、周知のように基本的には、スロットル開度センサ8から得られるスロットル開度TVO並びに、出力軸3の回転数を検出する構造の車速センサ15から得られる車速に基づいて最適な変速段を決定し、上記シフトソレノイド11,12のON・OFFの切り換えを行う。また、自動変速機コントロールユニット14は、タービン回転数センサ16から得られるタービン回転数並びに、出力軸3の回転数を検出する車速センサ15から得られる車速とに基づいてギア比を算出し、変速過渡期には、ライン圧ソレノイド13やエンジンコントロールユニット5に対してトルクダウン作動させる信号を出力してシフトクオリティーの向上や、変速に関する摩擦材の耐久信頼性向上を図っている。
【0019】
図3はトルクダウン開始タイミングの学習制御の学習補正量の決定方法を表すフローチャートである。
【0020】
このうち、ステップ104がタイミング比較判定手段であり、ステップ107が第1補正手段の第1補正部、ステップ106が第1補正手段の第2補正部、ステップ105が空吹き状態検出手段、ステップ108が第2補正手段である。
【0021】
ステップ101では、アップシフトのトルクダウン開始かどうかを判断し、開始であればステップ102へ進み、それ以外は本制御を終了する。
【0022】
ステップ102では、トルクダウンの開始から、変速前の変速段のギア比より小さい所定ギア比に到達するまでの時間を測定する所定ギア比到達タイミングタイマのカウントアップを行う。
【0023】
ステップ103では、ギア比が所定ギア比に到達したかどうかを判断し、到達していればステップ104へ進み、それ以外はステップ105へ進む。
【0024】
ステップ104では、所定ギア比到達タイミングタイマが所定値以上かどうかを判断し、所定値以上であればステップ106へ進み、所定値未満であればステップ107へ進む。
【0025】
ステップ105では、変速機が空吹いているかどうかを判断し、空吹いていればステップ108へ進み、空吹いていなければ本制御を終了する。この空吹きの判断は、例えば、ギア比が所定値以上増加した場合に、空吹いたと判断する。
【0026】
ステップ106では、学習値として前回の学習値に補正量A(第2設定値)を加算する。
【0027】
ステップ107では、学習値として前回の学習値から補正量Aより小さい補正量B(第1設定値)を減算する。
【0028】
ステップ108では、学習値として前回の学習値から補正量Bより大きな補正量C(第3設定値)を減算する。
【0029】
ステップ109では、学習値の更新の終了を確認する。
【0030】
すなわち、アップシフト時のトルクダウン制御を開始するかどうかを判断し、開始する場合は、タイミングタイマによりトルクダウン開始から所定ギア比に到達するまでの時間をカウントする。ここで、基本的にはトルクダウンの開始をきっかけにしてイナーシャフェーズが進行するが、締結側の実際の油圧の立ち上がりが狙いより遅かったり締結側の容量が狙いより小さかったりすると、トルクダウンを開始するタイミングが遅い場合には、もともとトルクダウンをされた後の入力トルクを前提に設定されている締結側の締結力に対して実際の締結力が小さい上、入力されるトルクがトルクダウンがまだされていない分大きくなってしまい、結果的に容量不足となる。また、解放側要素を解放することが必要な変速においては、トルクダウンが遅れた場合は、トルクダウンがあることを前提とした油圧設定よりも更に締結力が弱いこのような状況では、容量不足となることが考えられ、自動変速機が空吹いてしまう可能性がある。よって、所定ギア比に到達したかどうかを判断すると共に、摩擦要素が締結されず空吹いているかどうかを判断し、空吹いていればトルクダウンの開始タイミングが遅過ぎると判断して、大きめの補正量Cによりトルクダウン開始タイミングを早める。
【0031】
一方、トルクダウン開始後に所定ギア比に到達したことを検出したときには、タイミングタイマによりカウントされた時間T1と、予め設定された所定値Tとを比較する。T≦T1であれば、補正量Aによりトルクダウン開始タイミングを遅くする。また、T>T1であれば補正量Bによりトルクダウン開始タイミングを早くする。
【0032】
補正量Aについては、トルクダウン開始タイミングが早すぎることにより発生するトルクフェーズ中における引きショックを防止するために、前回の学習値に対して加算する。すなわち、図10に示すように、トルクダウン開始タイミングが早すぎるような変速の場合には、ギア比の変化は所定ギア比に到達するまでの時間が比較的長くなり、かつ出力軸トルクの変化はトルクフェーズにおいて出力軸トルクが、トルクダウン前の入力トルクに応じた出力軸トルクからトルクダウン後の入力トルクに応じた出力軸トルクまで急激に下がってしまう。このため、運転者にとってかなり違和感のあるショックが発生するような変速となる。したがって、次回の変速ではこのようなショックが起きないよう、トルクダウン開始タイミングの変更量である学習量を比較的大きく設定することで、トルクダウンの開始を遅くする。
【0033】
補正量Bについては、トルクダウン開始タイミングが遅すぎる可能性があるが、既にトルクダウンは適正なタイミングで行われている可能性もある。すなわち、図11に示すように、トルクダウン開始タイミングが遅いような場合には、ギア比の変化は、トルクダウン開始前にイナーシャフェーズ初期の進行が進んでいると考えられため、所定ギア比に到達するまでの時間が所定時間Tよりも短くなるが、変速時間は間延びする。一方、図9に示すように、適切なタイミングでトルクダウンが行われた場合にも、所定ギア比に到達する時間T1は所定時間Tよりも短くなり、変速時間も適正な時間で終了する。そして、補正によりトルクダウンの開始タイミングを早くしすぎると、今度は上記のようにトルクフェーズ中の急激な出力軸トルクの低下というショックを招く可能性もある。したがって、現状のタイミングを大きく変えず、かつ、徐々にトルクダウンのタイミングを早くする方向に探っていけるよう、トルクダウン開始タイミングの変更量を極力小さく設定することで、トルクダウンの開始を徐々に早くしている。
【0034】
補正量Cについては、空吹きは、解放する要素が存在する変速における、締結側の実際の油圧の立ち上がりが狙いより遅かったり締結側の容量が狙いより小さかったりする条件で、トルクダウンの開始するタイミングが遅い場合に起こりうる。すなわち、図12に示すように、締結側の実際の油圧の立ち上がりが狙いより遅かったり、締結側の容量が狙いより小さかったりすると、トルクダウンを開始するタイミングが遅い場合には、もともとトルクダウンをされた後に入力トルクを前提に設定されている締結側の締結力に対して実際の締結力が小さい上、入力されるトルクがトルクダウンがまだ行われていない分大きくなってしまい、結果的に容量不足となる。解放要素を解放することが必要な変速においては、締結側と解放側を合わせた容量が入力トルクに対して不足すると、摩擦要素が滑って自動変速機の入力トルクが上昇してしまうといわゆる空吹きという状態になってしまうが、トルクダウンが遅れた場合も、トルクダウンがあることを前提とした油圧設定よりも更に締結力が弱いこのような状況では、容量不足となることが考えられ、自動変速機が空吹いてしまう可能性がある。そして、このような場合には、空吹きという体感上非常に問題となる状況をいち早く解消するために、実際の油圧の上昇度合いに応じたトルクダウン開始タイミングを早急に実現できるようにしたい。そこで、次の変速では確実に空吹きが抑えられるよう、トルクダウン開始タイミングの変更量を大きな補正量C分早くしている。
【0035】
ここで、トルクダウン開始タイミングの決め方について説明する。図4はトルクダウン開始タイミングの決め方を表すタイムチャートである。トルクダウンの開始タイミングを予め設定する方法としては、次の3つが挙げられる。
【0036】
図5は第1のトルクダウン開始タイミング設定方法を表すフローチャートである。このタイミング設定方法は、図4中▲1▼に示すものであり、ステップ201では、締結指令圧が、主にイナーシャフェーズ中を逆行させる目的で設定され比較的緩やかな勾配の油圧設定となっている、いわゆる棚圧に達してから、予め設定された所定時間に補正量を加減した値が経過したかどうかを判断し、経過していなければトルクダウンを実施せず、経過していれば、トルクダウン制御を実施する。
【0037】
図6は第2のトルクダウン開始タイミング設定方法を表すフローチャートである。このタイミング設定方法は、図4中▲2▼に示すものであり、ステップ301では、締結指令圧がトルクフェーズを開始し、前記棚圧に到達する目的で比較的急勾配で油圧を立ち上げる、いわゆる掛け換え制御に移行してから予め設定された所定時間に補正量を加減した値が経過したかどうかを判断し、経過していなければトルクダウンを実施せず、経過していれば、トルクダウン制御を実施する。
【0038】
図7は第3のトルクダウン開始タイミング設定方法を表すフローチャートである。このタイミング設定方法は、図4中▲3▼に示すものであり、ステップ401では、アップシフト変速制御を開始してから予め設定された所定時間に補正量を加減した値が経過したかどうかを判断し、経過していなければトルクダウンを実施せず、経過していれば、ステップ202においてトルクダウン終了判断を行い、トルクダウン制御を実施する。
【0039】
上述のように予め設定された所定時間に補正量A,B,Cを加減することで最適なトルクダウン開始タイミングを学習する。
【0040】
ここで、トルクダウン制御の一般的な技術背景について説明する。図8は同じ締結油圧で入力トルクが異なるときの出力軸トルクとギア比の変化の差を表すタイムチャートである。図中細線は入力トルクが100%の場合を表し、点線は入力トルクが50%の場合を表す。アップシフトのイナーシャフェーズ中の出力軸トルクは、自動変速機への入力トルクが締結要素となる摩擦要素を通って、出力軸トルクに伝わっており、その大きさは締結要素となる摩擦要素が伝達するトルクに比例する(実際にはパワートレイン内のイナーシャ変化分のトルクやフリクション等を考慮すると若干異なる)。
ここでの入力トルクには、
A:静的にエンジンが発生しているトルクによる成分
B:エンジン等の回転が変化することによって生じるイナーシャ変化分の成分
の2つが含まれる。
ここで、締結要素となる摩擦要素の油圧が同じであり、Aのみが変わったとする。締結要素となる摩擦要素が伝達するトルクは変わらないため、Aが変化した分のトルクと同じ量だけBのトルクも逆側に変化し、A+Bの値がほぼ一定になる。
最終的には、静的なエンジントルクが小さくなっても、締結要素となる摩擦要素の油圧が変わらなければ、出力軸トルクはほぼ変化せず、エンジンの回転変化率が大きくなった結果、イナーシャフェーズが短時間で終了することが分かる。
【0041】
図9は、上記現象を鑑み、本実施の形態のトルクダウン制御開始タイミング学習制御を用いた最適なトルクダウン開始タイミングにおけるエンジントルク、出力軸トルク、及びギア比を表すタイムチャートである。図中太線はトルクダウン制御を行う場合の出力軸トルク及びギア比である。図に示すように、入力トルクが100%の状態でイナーシャフェーズが始まると同時に、エンジントルクをある所定の割合で(例えば50%)ダウンすることで、イナーシャフェーズ中の出力軸トルクを、トルクフェーズからイナーシャフェーズに移行した瞬間のトルクとほとんど変わらないトルクとし、トルクフェーズからイナーシャフェーズ移行時のトルク段差を生じないようにしたまま、イナーシャフェーズを最適な時間で進行させ、終了させることができる。
【0042】
以上説明したように、本実施の形態における自動変速機の変速制御装置では、タイミングタイマにおいて、トルクダウンが開始されてからイナーシャフェーズの開始が検出されるまでの時間が計測され、ステップ104において、計測された計測時間と、予め設定された所定時間とが比較される。そして、この結果に基づいて、トルクダウン制御の開始タイミングが補正されることで、トルクダウン制御を最適なタイミングで開始することができる。
【0043】
また、ステップ106において、トルクダウンの開始タイミングが補正量A分遅く補正されることで、トルクダウン開始タイミングが早すぎることにより発生するトルクフェーズ中における引きショックを防止することができる。すなわち、トルクフェーズにおいて出力軸トルクが、トルクダウン前の入力トルクに応じた出力軸トルクからトルクダウン後の入力トルクに応じた出力軸トルクまで急激に下がってしまうショックは、かなり気になるショックであるため、次の変速では同じ不具合が起きないよう、トルクダウン開始タイミングの変更量を比較的大きく設定することで、トルクダウン制御を最適なタイミングで開始することができる。
【0044】
また、ステップ107において、トルクダウンの開始タイミングが、少なくとも補正量Aよりも小さい補正量B分早く補正される。すなわち、トルクダウン開始タイミングが遅すぎる可能性があるが、既にトルクダウンはジャストタイミングで行われている可能性もある。また、トルクダウンの開始タイミングを早くしすぎることによって、上記のようにトルクフェーズ中の急激な出力軸トルクの低下というかなり気になるショックを招く可能性もある。そこで、現状のタイミングを大きく変えず、かつ、徐々にトルクダウンの開始タイミングを早くする方向に探っていけるよう、トルクダウン開始タイミングの変更量を極力小さな補正量Bとすることで、トルクダウン制御を最適なタイミングで開始することができる。
【0045】
また、ステップ108において、空吹きが検出されると、ステップ108において、トルクダウンの開始タイミングが、補正量C分早くされる。すなわち、空吹きは、解放する要素が存在する変速における、締結側の実際の油圧の立ち上がりが狙いより遅かったり締結側の容量が狙いより小さかったりする条件で、トルクダウンを開始するタイミングが遅い場合に起こりうる。この場合は、空吹きという体感上非常に問題となる状況をいち早く解消するために、実際の油圧の上昇度合いに応じたトルクダウン開始タイミングを早急に実現できるようにした。そこで、次の変速では確実に空吹きが抑えられるよう、トルクダウン開始タイミングの変更量を大きな補正量C分早くすることで、空吹きを防止することができる。
【0046】
(実施の形態2)
図13は、トルクダウン開始タイミングの学習制御の学習補正量の決定方法を表すフローチャートの別の実施形態である。
【0047】
なお、実施の形態1と異なる部分についてのみ説明する。
【0048】
実施の形態1のフローチャートでは、ステップ104において、トルクダウン開始タイミングの良否を判断するにあたり、所定ギア比到達タイマT1が所定時間T以上か未満かを判断し、補正値Aを加算したり補正値Bを減算したりしていたが、本実施の形態の場合には、所定時間のヒステリシスを設けているところが異なる。すなわち、ステップ504において、トルクダウン開始後に所定ギア比に到達したことを検出したときには、タイミングタイマによりカウントされた時間T1と、予め設定された所定値Ta、Tb(Ta<Tb)とを比較する。Tb≦T1であれば、ステップ106へ進み、学習値として前回の学習値から補正量Aを加算する。また、T1≦Taであれば、ステップ107へ進み、学習値として前回の学習値から補正量Aを加算し、トルクダウン開始タイミングを早める。一方、Ta<T1<Tbの場合には、適正なタイミングでトルクダウンが行われたと判断して、学習値の補正は行わず、ステップ109へ進む。
【0049】
本実施の形態にあっても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の自動変速機の変速制御装置を表す全体構成図である。
【図2】実施の形態の自動変速機における各シフトソレノイドのON・OFFの組み合わせを表す図である。
【図3】実施の形態1の自動変速機におけるアップシフト時のトルクダウン開始タイミングの学習制御の学習補正量の決定方法を表すフローチャートである。
【図4】実施の形態の自動変速機におけるアップシフト時のトルクダウン開始タイミングの決め方を表すタイムチャートである。
【図5】実施の形態の自動変速機におけるアップシフト時のトルクダウン開始タイミング制御を表すフローチャートである。
【図6】実施の形態の自動変速機におけるアップシフト時のトルクダウン開始タイミング制御を表すフローチャートである。
【図7】実施の形態の自動変速機におけるアップシフト時のトルクダウン開始タイミング制御を表すフローチャートである。
【図8】実施の形態の自動変速機におけるアップシフト時であって、同じ締結油圧で入力トルクが異なる場合の出力軸トルクと、ギア比の変化を表すタイムチャートである。
【図9】実施の形態の自動変速機におけるアップシフト時であって、トルクダウン制御の開始タイミングが最適な場合の出力軸トルクと、ギア比の変化を表すタイムチャートである。
【図10】実施の形態の自動変速機におけるアップシフト時であって、トルクダウン制御の開始タイミングが早すぎる場合の出力軸トルクと、ギア比の変化を表すタイムチャートである。
【図11】実施の形態の自動変速機におけるアップシフト時であって、トルクダウン制御の開始タイミングが遅すぎる場合の出力軸トルクと、ギア比の変化を表すタイムチャートである。
【図12】実施の形態の自動変速機におけるアップシフト時であって、トルクダウン制御の開始タイミングが遅すぎ、かつ、掛け換え変速で締結側の油圧の立ち上がりが遅い場合の出力軸トルクと、ギア比の変化を表すタイムチャートである。
【図13】実施の形態2の自動変速機におけるアップシフト時のトルクダウン開始タイミングの学習制御の学習補正量の決定方法を表すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 自動変速機
3 出力軸
4 インジェクタ
5 エンジンコントロールユニット
6 エンジン回転数センサ
7 水温センサ
8 スロットル開度センサ
9 コントロールバルブ
11,12 シフトソレノイド
13 ライン圧ソレノイド
14 自動変速機コントロールユニット
15 車速センサ
16 タービン回転数センサ
Claims (3)
- 車両のスロットル開度と車速の関係が変速スケジュールの変速線を横切ると、少なくとも解放されている第1摩擦要素を締結することで変速を行う変速制御手段と、
前記変速制御手段から変速開始指令を入力すると、イナーシャフェーズ開始前の所定のタイミングを基準にして該所定のタイミングからの経過時間に基づいて、一時的にエンジントルクを低下させるトルクダウン制御手段と、
を備えた自動変速機の変速制御装置において、
所定のギア比に到達したことを検出する所定ギア比到達検出手段と、
前記トルクダウン制御手段によりトルクダウンが開始されてから、前記所定ギア比到達検出手段により所定のギア比に到達したことが検出されるまでの時間を計測するタイミングタイマと、
該タイミングタイマにより計測された計測時間と、予め設定された設定時間とを比較するタイミング比較判定手段と、
該比較判定結果に基づいて、トルクダウンの開始タイミングを補正する第1補正手段と、
を備え、
前記第1補正手段は、
前記比較判定手段により計測時間が所定時間よりも短いと判定されたときは、前記所定のタイミングからトルクダウンを開始するまでの経過時間を、次回の変速時は今回の変速時よりも予め設定された第1設定値分早くなるように補正する第1補正部と、
前記比較判定手段により計測時間が所定時間よりも長いと判定されたときは、前記所定のタイミングからトルクダウンを開始するまでの経過時間を、次回の変速時は今回の変速時よりも予め設定された第2設定値分遅くなるように補正する第2補正部と
を有する手段としたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置において、
前記第2設定値は、前記第1設定値よりも大きな値に設定されていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。 - 請求項1または2に記載の自動変速機の変速制御装置において、
前記変速制御手段を、変速時に解放されている第1摩擦要素を締結するのに加え、少なくとも締結されている第2摩擦要素を解放することで変速を行う手段とし、
前記所定ギア比到達検出手段により所定のギア比に到達したことが検出されていないときに、前記第1摩擦要素の締結力不足により自動変速機の出力軸回転に対する自動変速機の入力回転の過回転状態である空吹き状態を検出する空吹き状態検出手段と、
該空吹き状態検出手段により空吹き状態が検出されたときは、前記所定のタイミングからトルクダウンを開始するまでの経過時間を、次回の変速時は今回の変速時よりも予め設定された第3設定値分早くなるように補正する第2補正手段と、を備え、
前記第3設定値は前記第1設定値よりも大きな値に設定されていること
を特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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