JP3988637B2 - 給湯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リモコンとは別にコントローラに対し運転ON・OFFについての外部信号が予め定められた条件に従い自動入力されるように構成された給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リモコンとは別にコントローラに対し外部から運転指令信号を入力し得るものとしてテレコントローラが知られている(例えば特許文献1参照)。これは、外出先から電話機を用いて給湯装置等のコントローラに対し運転指令信号を入力させ得るようにしたものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−107185号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、給湯装置のコントローラは使用者の意思に基づく操作(例えばリモコンの運転スイッチのON操作)によって制御を開始するのが通常であるところ、使用者の操作によらずして予め決めた条件(例えば特定時間の到来もしくは経過あるいは特定の曜日の到来)で運転スイッチをON又はOFFに自動的に切換えさせたいという要請がある。特に業務用においてはかかる要請がある。
【0005】
その一方、このように運転ONが自動的に実行されると、例えば給湯装置に本来搭載されているコントローラが異常状態発生の検知(例えば感震器による地震検知)により燃焼停止等の安全動作を実行する機能を備え、異常状態発生の検知を受けて安全動作の実行により燃焼停止・燃焼再開禁止に制御されたとしても、上記の自動切換により運転ONされて燃焼再開が可能な状態にされてしまうという不都合が生じることになる。
【0006】
また、異常状態発生が検知されたとしても、その異常状態発生が例えばリモコンの故障もしくはリモコンとの接続異常等であれば、たとえ安全動作が実行されたとしても、燃焼再開を可能にしてもよいばかりでなく、上記の自動的な運転ONを積極的に許容した方が便宜な場合もある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、外部信号により自動的な運転のON・OFF切換を可能とする一方、給湯器本体の状態に応じて上記の外部信号による自動的な運転のON・OFFの許容又は禁止の調整を行い得る給湯装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、湯又は水を加熱して加熱後の湯を供給する給湯器本体と、この給湯器本体の運転を遠隔操作するリモコンとを備えた給湯装置を対象として次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記リモコンとは別に設置され予め定めた所定時間の経過又は所定時期の到来により上記給湯器本体の運転のON指令又はOFF指令についての外部信号を自動出力する外部信号出力器と、この外部信号出力器から自動出力される上記給湯器本体の運転のON・OFF指令に関する外部信号を受け入れる外部信号入力部と、この外部信号入力部に入力される上記外部信号を受けて上記給湯器本体の運転制御をその給湯器本体の状況に応じて実行する外部入力制御手段と、上記給湯器本体に設けられ異常発生の検知を受けて安全動作を実行する異常時制御手段とを備えることとした(請求項1)。
【0009】
この場合、外部信号出力器から自動出力されるON・OFF指令に関する外部信号が外部信号入力部に入力されると、この外部信号を外部入力制御手段が受けて給湯器本体の状況に応じてその給湯器本体の運転制御が実行されることになる。このため、リモコンを用いた使用者の意思に基づく人為操作以外に給湯器本体を予め定めた条件に従い自動運転させ得ることになる。しかも、自動運転といえども無条件に自動運転させるのではなくて例えば後述の如く給湯器本体のその時点の状況に応じてその自動運転が実行されるため不都合を生じさせることもない。なお、上記給湯器本体による加熱は例えば燃焼熱による加熱や電気ヒータによる加熱等を適用することができる。
【0010】
又、加えて、本発明では、上記外部入力制御手段は、上記外部信号の入力により上記給湯器本体の運転制御として上記給湯器本体の加熱動作を伴う運転のON・OFFの切換制御を実行する一方、上記異常時制御手段により安全動作が実行された状態では上記外部信号を受け入れないように構成することとした(請求項1)。ここで、「給湯器本体の加熱動作を伴う運転のON・OFFの切換制御」とは、給湯器本体の運転ON・OFF又は間欠的に加熱して出湯管路内の湯水を保温する即湯運転のON・OFFの各切換制御が挙げられる。このような構成を採用すると、上記外部信号出力器が予め定めた所定時間の経過又は所定時期の到来により上記給湯器本体の運転のON指令又はOFF指令についての外部信号を自動出力するものであるため、例えば朝の特定時刻になれば運転ON、夜の特定時刻になれば運転OFFの各外部信号を受け入れて使用者による人為操作を経ずして自動的に運転ON状態にあるいは運転OFF状態に切換えることが可能になる。特に業務用として好適な給湯装置となし得る。
【0012】
しかも、給湯器本体の各種の状況に応じて自動運転の実行を許可したり禁止したりすることにより、さらに実用的な給湯装置とし得る。すなわち、上記外部入力制御手段として上記異常時制御手段により安全動作が実行された状態では上記外部信号を受け入れない構成としているため、上記安全動作の実行により加熱動作が禁止された状態では、たとえ運転ONについての外部信号が入力されたとしても、その外部信号は受け入れられずに給湯器本体は加熱動作が禁止された状態に維持されることになる。従って、異常発生の検知に基づき安全動作が実行されたにも拘わらず、自動出力される外部信号に基づいて給湯器本体が運転可能な状態に復帰してしまうという不都合の発生を回避し得る。
【0013】
以上の本発明においては、以下に具体的に示す給湯器本体の各種の状況に応じて自動運転の実行を許可したり禁止したりすることにより、さらに実用的な給湯装置とし得る。第1には、上記外部入力制御手段として上記安全動作が実行された状態では所定のリセット操作信号の入力があるまでは上記外部信号を受け入れない構成としてもよい(請求項2)。この場合には、上記安全動作の実行により加熱動作が禁止された状態では、たとえ運転ONについての外部信号が入力されたとしても、使用者による人為操作、つまり使用者の意思に基づく上記安全動作のリセット操作信号が入力されない限り、上記外部信号は受け入れられずに給湯器本体は加熱動作が禁止された状態に維持されることになる。従って、異常発生の検知に基づき安全動作が実行されたにも拘わらず、自動出力される外部信号に基づいて給湯器本体が運転可能な状態に復帰してしまうという不都合の発生を確実に回避し得る上に、使用者の意思で安全動作が解除(リセット操作)されれば、再び上記外部信号の入力に基づく自動運転が実行されることになる。
【0014】
第2には、上記外部入力制御手段として、上記リモコンと給湯器本体との接続異常又は上記リモコンの故障異常のときであっても上記外部信号に基づく上記給湯器本体の運転制御を実行し得るように上記外部信号の受け入れを許可又は禁止に切換えるリモコン対応切換部を備えるものとしてもよい(請求項3)。ここで、上記の「接続異常」とは全くの未接続であるがゆえの異常や、接続されてはいてもコネクタ等の接続不良に起因する異常のことであり、「故障異常」とはリモコン自体の故障や、接続ライン等の不良に起因する異常のことである。上記の如きリモコン対応切換部を備えると、予め使用者の選択によりリモコン対応切換部を許可側か禁止側かに切換えておくことにより、リモコンの接続異常や故障異常のときにでも外部信号を受け入れて給湯器本体を自動運転させたり、逆に外部信号の受け入れを禁止させて自動運転を実行させないようにしたりすることが可能になる。このため、リモコンの接続異常や故障異常が発生してリモコン操作による給湯器本体の運転作動が不能になったとしても、使用者の選択に基づく切換により上記外部信号に基づく給湯器本体の自動運転を行わすことが可能になる。
【0015】
第3には、上記外部入力制御手段として、電源投入状態で人為操作に基づく初回の操作信号の入力を受けるまでは上記外部信号に基づく給湯器本体の運転制御の実行を禁止し得るように上記外部信号の受け入れを許可又は禁止に切換える人為操作対応切換部を備えるものとしてもよい(請求項4)。この場合には、給湯装置に対する電源投入が行われた後に、使用者による最初の人為操作が行われるまでは外部信号の入力に基づく自動運転の実行が禁止される一方、最初の人為操作(例えばリモコンの運転スイッチのON操作)が行われた後は外部信号の入力に基づく自動運転の実行が許可されることになる。これにより、上記人為操作が行われる前までに給湯器本体が万が一の異常状態が発生していた場合に外部信号に基づく自動運転の実行を禁止することが可能になる一方、人為操作が行われれば使用者が上記の異常状態の発生を認識した上で給湯器本体の運転を開始させていると判断して外部信号に基づく自動運転を実行させることが可能になる。
【0016】
さらに、以上の本発明の給湯装置は、加熱後の湯を共通の給湯管路に供給するように2台以上の給湯器本体を並列に連結したものとすることができる(請求項5)。これにより、業務用としてより一層好適なものを提供し得る。
【0017】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1〜請求項5のいずれかの給湯装置によれば、リモコンを用いた使用者の意思に基づく人為操作以外に給湯器本体を予め定めた条件に従い自動運転させることができる。しかも、自動運転といえども無条件に自動運転させるのではなく、給湯器本体のその時点の状況に応じて自動運転が実行されるため不都合の発生を防止することができる。
【0018】
又、給湯装置が特に業務用として用いられる場合にその業務時間帯に応じて外部信号に基づく自動運転を実行させることができ、特に業務用として好適な給湯装置を提供することができる。
【0019】
しかも、異常発生の検知に基づき安全動作が実行されたにも拘わらず、自動出力される外部信号に基づいて給湯器本体が運転可能な状態に復帰してしまうという不都合の発生を回避することができる。
【0020】
請求項2によれば、異常発生の検知に基づき安全動作が実行されたにも拘わらず、自動出力される外部信号に基づいて給湯器本体が運転可能な状態に復帰してしまうという不都合の発生を確実に回避することができる上に、使用者の意思で安全動作が解除されれば、上記外部信号の入力に基づく自動運転を実行させることができるようになる。
【0021】
請求項3によれば、リモコンの接続異常や故障異常が発生してリモコン操作による給湯器本体の運転作動が不能になったとしても、使用者の選択に基づくリモコン対応切換部の切換により外部信号に基づく給湯器本体の自動運転を行わすことができるようになる。
【0022】
請求項4によれば、給湯装置に対する電源投入が行われた後に、使用者による最初の人為操作が行われる前までに給湯器本体が万が一の異常状態が発生していた場合に外部信号に基づく自動運転の実行を禁止することができる一方、人為操作があれば使用者が上記の異常状態の発生を認識した上で給湯器本体の運転を開始させていると判断して外部信号に基づく自動運転を実行させることができる。
【0023】
さらに、請求項5によれば、業務用としてより一層好適なものを提供することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は本発明の実施形態に係る給湯装置を示す。本実施形態の給湯装置では液体燃料を燃焼させることにより加熱するものを例示する。この給湯装置は、ハウジング1内に給湯回路2と、この給湯回路2の途中に介装した缶体3内の熱交換器21を燃焼熱により加熱する燃焼系4と、この燃焼系4の燃焼制御等により給湯制御を行うコントローラ5と、このコントローラ5に接続された異常検知手段の一つとして地震発生に伴う振動を検知する感震器6と、同じくコントローラ5に接続されたリモコン51と、同じくコントローラ5に接続された外部信号出力器としての週間プログラムタイマ7とを備えて構成されている。上記の給湯回路2、缶体3及び燃焼系4等により給湯器本体が構成されている。
【0026】
上記給湯回路2は、水道管と接続され水道水を被加熱媒体として上記熱交換器21に入水する入水管路22と、上記熱交換器21で加熱されたお湯を出湯する出湯管路23と、この出湯管23の出湯に対し水道水を混合するためのバイパス管路24とを備えている。上記出湯管路23にはカラン8等への一般給湯管81が接続される。図示省略の浴槽側にも湯を注湯もしくは供給する場合には上記出湯管路23の途中から分岐管路が連通接続されることになる。
【0027】
そして、上記入水管路22には入水温度センサ25及び入水流量センサ26が設けられる一方、上記出湯管路23には燃焼缶体3で加熱された後の出湯温度を検出する出湯温度センサ27や、給湯量制御弁28及び給湯温度センサ29が設けられている。また、上記バイパス管路24には出湯管路23からの出湯に対し入水管路22からの水を所定比で混合するための水混合比例弁30が介装されている。
【0028】
一方、上記缶体3には、上部に燃焼系4を構成する燃焼バーナ41がその火炎を下向きに噴射するように配設され、上下方向中間位置に上記熱交換器21が横切るように配設され、下部には熱交換後の燃焼排ガスを排出処理する排煙筒31が開口されている。
【0029】
上記燃焼バーナ41は液体燃料として石油(灯油)を燃焼させるリターン式噴霧ノズルを有するガンタイプバーナにより構成されている。この燃焼バーナ41は、電磁開閉弁42及び電磁供給ポンプ43が介装された燃料供給管44により供給された石油を噴霧して燃焼させ、供給された一部の石油をリターン管45を通して上記電磁開閉弁42と電磁供給ポンプ43との間の燃料供給管44に対し戻すようになっている。上記リターン管45には、リターン油の流量を比例制御する流量制御弁46の他、リターン油の油温を検出する油温検出センサ及びリターン油をリターン側にのみ流す逆止弁が介装されている。そして、上記流量制御弁46によるリターン油の流量を変更調整することにより、上記燃焼バーナ41からの噴霧量の変更調整が行われ、これにより、燃焼バーナ41の燃焼量が変更制御されるようになっている。
【0030】
なお、図1中47は上記燃焼バーナ41から噴霧される石油に着火させる点火トランス、48は燃焼用空気を供給する送風ファンである。
【0031】
上記コントローラ5には外部信号入力部として接続端子52が設けられており、この接続端子52に対し上記週間プログラムタイマ7が当初から又は後付けにて接続されることにより週間プログラムタイマ7からの外部信号がコントローラ5に入力可能となっている。なお、週間プログラムタイマ7の設置位置としては図1ではハウジング1の外部(例えば近傍位置から100m程度の遠隔位置)に設置した場合を図示しているが、これに限らず、ハウジング1内の空所に設置するようにしてもよい。また、接続端子52の配設位置も、コントローラ5から延長してハウジング1の外表面近傍位置に設定してもよい。
【0032】
先に上記週間プログラムタイマ7について説明すると、この週間プログラムタイマ7はカレンダ機能を有し、使用者が特定の日時を指定してON指令又はOFF指令を入力設定しておけば、その日時が到来すればそのON指令又はOFF指令を外部信号として自動出力するようになっている。例えば、使用者が特定の曜日(例えば木曜日)から後の特定の曜日(例えば翌週の火曜日)までの各日において特定時刻(例えば午前9時)にON指令を後の特定時刻(例えば午後10時)にOFF指令をそれぞれ出力するように設定したり、特定の曜日だけ特定の時間帯の始めにON指令を終わりにOFF指令をそれぞれ出力するように設定したり、各日の特定時刻にON指令を特定の時間の経過後にOFF指令を出力するように設定したり、あるいは、各日の特定時刻にOFF指令だけ出力するように設定したりすれば、上記のON指令又はOFF指令が外部信号として自動出力されることになる。
【0033】
また、上記コントローラ5に接続される感震器6は、所定以上の振動を受けてスイッチが入り地震発生の検知信号、つまり給湯装置の設置されている環境に異常状態が発生していることの検知信号を上記コントローラ5に出力するようになっている。
【0034】
上記コントローラ5は、MPUやメモリー等を備え予め見込まれた各種プログラムや回路基板により給湯制御等を行うものであり、上記リモコン(リモートコントローラ)51を用いた使用者の人為操作による各種操作信号や設定入力信号を受ける他、上記の外部信号出力器としての週間プログラムタイマ7からの外部信号を接続端子52を介して受けるようになっている。そして、上記コントローラ5は、図2に示すように燃焼系4の燃焼制御等により給湯回路2を用いた給湯運転を行う給湯制御部53と、異常状態発生の検知信号を受けて燃焼系4の燃焼停止及び燃焼禁止並びに上記リモコン51での表示により報知等の安全動作を実行する異常時制御手段としての異常時制御部54と、リモコン51の状態や感震器6からの検知信号に基づく地震発生有無の状態等の給湯装置が現時点におかれた状態に応じて上記外部信号の入力に基づく自動運転を実行する外部入力制御手段としての外部入力制御部55とを備えている。加えて、上記コントローラ5(外部入力制御部55)はリモコン対応切換部としての第1ジャンパースイッチ56と、人為操作対応切換部としての第2ジャンパースイッチ57とを具備しており、使用者の選択により各ジャンパースイッチ56,57のジャンパーを許可側(導通側)又は禁止側(遮断側)に切換可能とされている。
【0035】
上記給湯制御部53による給湯制御を簡単に説明する。使用者が電源を投入しリモコン51の運転スイッチをON操作するとコントローラ5の内部運転スイッチがON状態に切換えられて制御状態となる。この状態において、使用者がカラン8を開いて入水流量センサ26が最低作動水量以上の流量を検出することにより、燃焼バーナ41を燃焼作動させて燃焼系4の燃焼制御を開始する。この燃焼制御は使用者がリモコン51に入力設定した設定給湯温度との関係で定められる号数の燃焼熱となるように行われる。これにより、熱交換器21が上記燃焼熱により加熱され、入水管路22からの入水が昇温されて出湯管路23に出湯される。この際、給湯量制御弁28が所定開度とされる一方、バイパス管路24から所定量の水が混合されて、給湯温度センサ29からの実際の給湯温度が上記設定給湯温度になるように制御するようになっている。そして、使用者がカラン8を閉じて上記入水流量センサ26が最低作動水量より低い流量を検出することにより上記燃焼バーナ41の燃焼及び燃焼系4の燃焼制御が停止される。
【0036】
以下、図3〜図5のフローチャートを参照しつつ上記外部入力制御部55による制御を中心にして全体の制御について説明する。なお、この制御は使用者が電源を投入することにより開始する。
【0037】
まず図3に示すように電源が投入状態(ON状態)であることを確認し(ステップS1でYES)、次に感震器6が作動(地震発生)したか否かを検知信号の出力の有無により判定し、作動していれば感震器作動を履歴として記憶した後に(ステップS2でYES,ステップS3)、作動していなければそのままステップS4に進む(ステップS2でNO)。なお、上記の感震器作動の履歴は不揮発性メモリに記憶され、電源がOFFにされてもその履歴は保持されている。従って、今回の電源投入前に生じた地震発生により安全動作が実行され、また地震発生に伴う停電発生により今回の電源投入に至り、上記安全動作の実行後の状態を維持しているケースもあり得る。
【0038】
ステップS4ではリモコン接続が正常に接続されているか異常かの判定を行い、正常に接続されていれば週間プログラムタイマ7(運転入力端子)から入力される外部信号の内容がOFF指令からON指令に今回変わったか否かを判定する(ステップS4でYES,ステップS5)。変化していなければ(ステップS5でNO)、リモコン51の運転スイッチが人為操作(使用者の意思に基づく手動操作)によりON操作されたか否かをON操作に伴い出力されるON操作信号の有無に基づいて判定し(ステップS6)、ON操作されたのであれば内部運転スイッチをON状態(制御状態)に切換えてからステップS8に進む(ステップS6でYES,ステップS7)。
【0039】
一方、上記のステップS5で外部信号の内容がOFF指令からON指令に変化していれば(ステップS5でYES)、今回の電源投入後にリモコン51の運転スイッチ等が人為操作により1回以上操作(運転スイッチであればON操作)されたか否かを判定する(ステップS9)。そして、電源投入後の初回の人為操作(運転スイッチの手動によるON操作)が既に行われていれば(ステップS9でYES)、上記内部運転スイッチをON状態に切換えてステップS8に進む(ステップS7)。
【0040】
逆に、初回の人為操作が未だに行われてはいない状態であれば(ステップS9でNO)、上記の第2ジャンパースイッチ57がON状態(禁止側へ切換えられた状態)であるか否かを判定し(ステップS10)、OFF状態(許可側に切換えられた状態)であればステップS9での人為操作がなくてもステップS7に進んで内部運転スイッチをON状態に切換える(ステップS10でNO)。上記第2ジャンパースイッチ57がON状態であればリモコン51の表示部に所定のエラー表示(故障表示)を行い(ステップS11)、週間プログラムタイマ(運転入力端子)7からON指令に関する外部信号(ステップS5)が入力していてもその外部信号を受け付けないようにする(ステップS12)。つまり、外部信号に基づく自動運転の実行を禁止する。これは、今回の電源投入以前の前回の運転中に感震器6が作動し、その結果、異常時制御部54により安全動作が実行されたままの状態になっている場合を想定し、使用者による何らかの人為操作による解除意思があるまでは自動運転を禁止しようとするものである。そして、その後、リモコン51の運転スイッチに対し使用者の人為操作(手動操作)によるON操作があれば、ステップS11での故障表示を解除して(ステップS13でYES,ステップS14)、ステップS7での内部運転スイッチのON状態への切換えに進む。
【0041】
以上のステップS5、ステップS9〜ステップS14の処理によって、外部信号としてON指令が入力した場合、電源投入後に初回の人為操作が行われていることを条件に運転ONの自動運転を実行させることができる。その一方、初回の人為操作が行われていない段階では、第2ジャンパースイッチ57が使用者の選択に基づき如何に切換設定されているかに応じて、初回の人為操作なしでも外部信号(ON指令)に基づく自動運転の実行を許可するか、あるいは、初回の人為操作がなされるまでは上記自動運転の実行を禁止するかを選択的に切換えることができる。
【0042】
上記ステップS7での内部運転スイッチのON切換の次に、感震器6が作動したか否かを検知信号の出力の有無に基づいて判定し(ステップS8)、もしも感震器6が作動していれば、週間プログラムタイマ(運転入力端子)7からON指令に関する外部信号(ステップS5)が入力していてもその外部信号を受け付けないようにし(ステップS8でYES,ステップS15)、異常時制御部54により安全動作を実行させる(ステップS16)。そして、リモコン51の運転スイッチをOFFに切換える人為操作があれば、上記の安全動作をリセット(解除)して(ステップS17でYES,ステップS18)、ステップS1に戻る。つまり、安全動作が実行されても、使用者による人為操作(OFF切換操作)があれば、安全動作が実行されていることを認識した上で操作を行っていると判断して、自動制御による安全動作の実行を解除するようにしているものである。なお、この処理においては使用者が電源をOFF(電源コンセントを抜く)にしても安全動作のリセットは実行しないようにしている。これは、地震発生に伴い停電が発生することがあることを考慮し、かかる停電発生により安全動作がリセットされないようにしているものである。
【0043】
一方、上記のステップS8で感震器6が作動していない場合には、図4に示すように、さらに感震器作動以外で安全動作が必要な異常発生があるか否かを判定し(ステップS19)、異常発生がなければ正常動作(給湯制御部53による給湯制御)を実行する(ステップS19でNO,ステップS20)。そして、リモコンの運転スイッチが使用者によりOFF操作されるか(ステップS21でYES)、外部信号がON指令からOFF指令に切換えられて入力されたか(ステップS22でYES)、電源がOFFにされたか(ステップS23でYES)すれば、燃焼中であればその燃焼を停止して(ステップS24)、リターンする。上記ステップS19で異常発生があれば(ステップS19でYES)、異常時制御部54により安全動作を実行し(ステップS25)、電源がOFFになっていれば(使用者の人為操作による電源OFF又は停電発生)そのままリターンする(ステップS26でYES)。電源がそのままON状態であれば(ステップS26でNO)、外部信号が入力しても自動運転の実行を禁止し(ステップS27)、使用者の人為操作による運転スイッチのOFF操作又は電源OFF操作により上記の安全動作をリセットして(ステップS28)、リターンする。
【0044】
また、上記のステップS4でリモコン51の接続異常(未接続又は断線等の異常)であれば(ステップS4でNO)、図5に示すように第1ジャンパースイッチ56の切換設定がON状態(許可側へ切換えられた状態)であるか否かを判定し(ステップS29)、OFF状態(禁止側に切換えられた状態)であれば(ステップS29でNO)、そのままリターンして外部信号の入力に基づく自動運転の実行を禁止する。
【0045】
上記第1ジャンパースイッチ56がON状態であれば(ステップS29でYES)、リモコン51を用いずにコントローラ5自体の本体操作に基づき正常動作(給湯制御部53による給湯制御)を行う(ステップS30,S31)。そして、感震器6が作動しているか否かの判定をステップS8と同様に行い(ステップS32)、感震器作動であれば(ステップS32でYES)、ステップS15〜S18の処理を経てステップS1に戻る。感震器作動がなければそれ以外の異常発生があるか否かをステップS19と同様に行い(ステップS33)、異常発生があれば(ステップS33でYES)、図4のステップS25〜S28の処理を経てリターンする。ステップS33で異常発生がなければ(ステップS33でNO)、上記の正常動作を継続して(ステップS34)、リモコン51の接続異常が正常に復帰すればリターンし(ステップS25でYES)、リモコン51の異常が継続していても電源がOFFにされればリターンする(ステップS36でYES)。上記のリモコン51の異常が継続しかつ電源がON状態を継続するときには(ステップS35及びS36で共にYES)、入力した外部信号がON指令からOFF指令に切換えられずに継続する限りステップS34に戻ってステップS35〜S37を繰り返し(ステップS37でNO)、OFF指令に切換えられて入力すれば(ステップS37でYES)燃焼を自動停止する(ステップS38)。この場合には、上記外部信号としてON指令が入力すれば(ステップS39でYES)、再びステップS32〜S39を繰り返す。
【0046】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、図1及び図6(a)に示すように1台の給湯装置を対象に本発明を適用した場合を示したが、これに限らず、図6(b)又は図6(c)に示すように連結型に構成した給湯装置に本発明を適用してもよい。連結型に本発明を適用する場合には、図6(b)の如く外部信号出力器7を1号機のコントローラ5に接続し外部信号をこの1号機のコントローラ5に入力させて、この外部信号を1号機のコントローラ5から双方向通信可能に接続した2号機のコントローラ5に入力させるようにしてもよいし、図6(c)の如く1つの外部信号入力部52aに外部信号出力器7を接続してその外部入力部52aに入力した外部信号を1号機〜3号機の各給湯器本体に配信するようにしてもよい。なお、図6(c)には3台を連結した例を示すが、これに限らず、例えば24台連結等の多数台を連結してもよい。
【0047】
また、上記実施形態では液体燃料を燃焼させて加熱する給湯装置を示したが、これに限らず、気体燃料(例えば都市ガス)を燃焼させて加熱する給湯装置や、電気ヒータ等により加熱する給湯装置に本発明を適用してもよい。
【0048】
出湯管路23の下流側と入水管路22の下流側(熱交換器21の入口側)とを結ぶバイパス管路を設けて強制循環可能とし、燃焼バーナ41を間欠作動させて出湯管路23内の湯水を所定温度以上に保温・維持させることにより、カラン8を開けば即座に湯が出湯されるという即湯運転が可能な構成を追加するようにしてもよい。そして、この即湯運転のON・OFF指令に関する外部信号を外部信号出力器から自動出力させて即湯運転の自動運転を実行させるようにしてもよい。
【0049】
上記実施形態では外部信号出力器として週間プログラムタイマ7を示したが、これに限らず、24時間タイマ機能、1ヶ月カレンダ機能(月間プログラムタイマ)又は1年間カレンダ機能(年間プログラムタイマ)を有し、予め設定した所定時間の経過や所定時刻の到来によりON指令又はOFF指令を自動出力するものであれば、外部信号出力器として適用することができる。
【0050】
さらに、給湯装置を1缶2回路式又は2缶2回路式に構成して浴槽側へも給湯可能な構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す模式図である。
【図2】コントローラの内容を示すブロック図である。
【図3】コントローラによる制御内容の一部を示す部分フローチャートである。
【図4】図3に連続する部分フローチャートである。
【図5】図4以外で図3に連続する部分フローチャートである。
【図6】給湯器本体として1台〜複数台連結のものを示し、図6(a)は1台のみで構成された場合、図6(b)は2台連結した場合、図6(c)は3台連結した場合をそれぞれ示す。
【符号の説明】
6 感震器
7 週間プログラムタイマ(外部信号出力器)
51 リモコン
52,52a 接続端子(外部信号入力部)
54 異常時制御部(異常時制御手段)
55 外部入力制御部(外部入力制御手段)
56 第1ジャンパースイッチ(リモコン対応切換部)
57 第2ジャンパースイッチ(人為操作対応切換部)
Claims (5)
- 湯又は水を加熱して加熱後の湯を供給する給湯器本体と、この給湯器本体の運転を遠隔操作するリモコンとを備えた給湯装置において、
上記リモコンとは別に設置され予め定めた所定時間の経過又は所定時期の到来により上記給湯器本体の運転のON指令又はOFF指令についての外部信号を自動出力する外部信号出力器と、この外部信号出力器から自動出力される上記給湯器本体の運転のON・OFF指令に関する外部信号を受け入れる外部信号入力部と、この外部信号入力部に入力される上記外部信号を受けて上記給湯器本体の運転制御をその給湯器本体の状況に応じて実行する外部入力制御手段と、上記給湯器本体に設けられ異常発生の検知を受けて安全動作を実行する異常時制御手段とを備え、
上記外部入力制御手段は、上記外部信号の入力により上記給湯器本体の運転制御として上記給湯器本体の加熱動作を伴う運転のON・OFFの切換制御を実行する一方、上記異常時制御手段により安全動作が実行された状態では上記外部信号を受け入れないように構成されている
ことを特徴とする給湯装置。 - 請求項1に記載の給湯装置であって、
上記外部入力制御手段は上記安全動作が実行された状態では所定のリセット操作信号の入力があるまでは上記外部信号を受け入れないように構成されている、
給湯装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の給湯装置であって、
上記外部入力制御手段は、上記リモコンと給湯器本体との接続異常又は上記リモコンの故障異常のときであっても上記外部信号に基づく上記給湯器本体の運転制御を実行し得るように上記外部信号の受け入れを許可又は禁止に切換えるリモコン対応切換部を備えている、給湯装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の給湯装置であって、
上記外部入力制御手段は、電源投入状態で人為操作に基づく初回の操作信号の入力を受けるまでは上記外部信号に基づく給湯器本体の運転制御の実行を禁止し得るように上記外部信号の受け入れを許可又は禁止に切換える人為操作対応切換部を備えている、給湯装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の給湯装置であって、
加熱後の湯を共通の給湯管路に供給するように2台以上の給湯器本体が並列に連結されてなる、給湯装置。
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