JP2004116935A - 連結型給湯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数台の給湯器を連結して台数制御を適用する場合に、雰囲気温度の低下又は地震等の外的要因の発生を検出する手段により検出される検出情報を適切に判別して適切な台数制御を行い得る連結型給湯器を提供する。
【解決手段】個々の給湯器に設置された感震器が振動を受けて作動し、その作動信号がエラー信号の一種としてシステムコントローラに送出されたとき(S11)、その感震器作動が1台のみであるときは地震以外又は故障に起因する誤作動であると判別し、2台以上のときは現に地震が発生していると判別する(S13)。誤作動と判別したときはその感震器が設置されている給湯器を台数制御から外して残りの給湯器で台数制御する(S14)。現に地震発生と判別したときは全ての給湯器の燃焼を停止させる(S15)。凍結防止用に雰囲気温度を検出する温度センサの1台が故障したときには他の温度センサにより補完させるようにしてもよい。
【選択図】   図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数台の給湯器の各出湯路を連結し、これら複数の給湯器を制御対象として、給湯作動(燃焼作動)させる給湯器の台数を給湯使用時の要求能力に応じて変更するという台数制御が行われる連結型給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数台の温水ボイラーの各出側を湯供給先への共通の給湯経路に接続する一方、各入側を上記湯供給先からの共通の戻り経路に接続してこれら複数台の温水ボイラーを連結し、上記湯供給先で要求される負荷の如何に応じて温水ボイラーの稼働台数を変更制御(台数制御)するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
一方、ガス給湯器の分野でも、複数台のガス給湯器の各出湯側を上記と同様に湯供給先への共通の給湯経路に接続する一方、各入水側を上記湯供給先からの共通の戻り経路に接続してこれら複数台のガス給湯器を連結し、上記湯供給先での要求される熱負荷の如何に応じて燃焼作動させるガス給湯器の台数を変更制御(台数制御)するものも知られている(例えば特許文献2参照)。そして、このものでは、個々のガス給湯器内に流路内の温度を検出する温度センサを設け、この温度センサからの検出温度に基づいて、燃焼作動が停止しているガス給湯器、つまり流路内が非通流状態にあるガス給湯器に対し凍結防止運転を強制的に実行させる制御が行われるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特許第2704549号公報
【特許文献2】
特開2000−205653号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の台数制御においては、この台数制御の対象となる複数のガス給湯器のそれぞれから各種の検出信号の出力を受けてそれぞれの燃焼作動等が実行されるようになっているが、その検出信号が通常起こり得ない値(例えば予め設定された正常範囲外の値)等の場合には検出用センサ等に異常が発生したものと判定してそのガス給湯器はエラー状態に陥ったものと扱い、このガス給湯器を上記台数制御の対象から外し残りのガス給湯器を対象として台数制御が行われるようになっている。
【0006】
ところが、上記の凍結防止運転用の温度センサが故障し、これに起因してその故障した温度センサが設置されたガス給湯器がエラー状態に陥ったものと判定されると、そのガス給湯器が台数制御の対象から外されてしまい、凍結防止運転が必要な場合であっても凍結防止運転が行われない事態が生じ得る。特に上記ガス給湯器に代えて石油等の液体化石燃料により燃焼させるオイル給湯器を連結して台数制御の対象とする場合には、かかるオイル給湯器が寒冷地においてよく使用されるため著しい不都合が生じることになる。
【0007】
このような事態の発生を回避すべく、上記温度センサに故障等の異常が発生したと判断される場合には、凍結防止運転を強制的に実行させる制御を採用することも考えられる。しかしながら、このような制御を採用すると、凍結防止運転のための凍結予防ヒータ又は強制循環させる場合には循環ポンプ等の作動エネルギー(電力エネルギー等)の無駄な消費や、耐久性の早期低下を招くことになる。
【0008】
一方、連結使用又は単独使用の如何に拘わらずガス給湯器の場合では地震発生時にガスの供給元側(例えばガスメータ側等)でその地震発生を検知してガス供給を遮断する対策が採られているためガス給湯器自体には地震を検知する手段は設置されていないが、上記のオイル給湯器の場合では個別に燃料タンクが接続されているためオイル給湯器自体に振動発生を検出する感震器が設置され感震器の作動により燃料漏れ等に備えるべく燃焼を停止させるようになっている。
【0009】
このため、このようなオイル給湯器を複数台用いてガス給湯器のように連結し台数制御を適用しようとする場合、一部のオイル給湯器の感震器のみが作動してもそのオイル給湯器だけが台数制御の対象から外され、感震器が作動せずに正常と判定された残りのオイル給湯器は依然として台数制御の対象とされて燃焼が継続されてしまうことになる。単独使用の場合はともかくとして、連結使用の場合には一部のオイル給湯器の感震器のみが作動した場合に故障が生じたのか現実に地震が発生したのかの判定の困難性より、台数制御を如何に行えば最適化し得るのかの問題が生じる。
【0010】
以上のように、複数台の給湯器を連結して台数制御を行う場合には、給湯器自体の内的要因ではなくて上記の如き設置環境の温度低下もしくは地震等の外的要因の発生を検出する手段により異常が検出されたときの処理に種々の不都合が生じることになる。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数台の給湯器を連結して台数制御を適用する場合に、外的要因の発生を検出する手段により検出される検出情報を適切に判別して適切な台数制御を行い得る連結型給湯器を提供することにある。上記外的要因の発生を検出する手段としては、具体的には、地震発生を検出する地震検出手段あるいは凍結防止のために温度を検出する凍結要因検出手段を対象とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、給湯先に続く共通の給湯経路に対し複数台の給湯器の各出湯口が接続され、燃焼作動させる給湯器の台数を上記給湯先の熱負荷に応じて変更する台数制御が行われるように構成された連結型給湯装置を対象として、以下の種々の特定事項を備えることとした。
【0013】
すなわち、請求項1に係る発明では、上記各給湯器に個別に設置されて外的要因の発生を検出する外的要因検出手段と、一部の給湯器の外的要因検出手段が異常と判別されたとき、他の給湯器の外的要因検出手段からの検出情報に基づいてあるいはその検出情報を加味して、外的要因の発生により要対策状態に陥ったか否かを判別する外的要因判別手段と、この外的要因判別手段による判別結果が要対策状態のとき上記外的要因に対応した対策制御を実行する制御手段とを備えることとした。
【0014】
この請求項1に係る発明の場合には、各給湯器に個別に設置された外的要因検出手段の一部が故障したりあるいは異常と考えられるような検出情報を出力したりして異常と判別されても、他の外的要因検出手段からの検出情報に基づいてあるいはその検出情報を加味して、外的要因の発生により要対策状態に陥ったか否かを判別し得ることになる。そして、この判別結果に基づいて上記制御手段により対策制御が実行されて、その外的要因に対応した対策が適切かつ確実に行われることになる。ここで、上記の「外的要因」とは機器の制御上考慮する必要があるような外的な環境要因の変化を意味し、例えば地震又は凍結防止対策が必要なほどの温度低下が含まれる。また、上記の「検出情報に基づいて」とは上記異常と判別された外的要因検出手段からの検出情報を除いて他の外的要因検出手段からの検出情報に基づいて、という意であり、上記の「検出情報を加味して」とは上記異常と判別された外的要因検出手段からの検出情報をも考慮し他の外的要因検出手段からの検出情報をも加味して、という意である。
【0015】
請求項2以降に係る発明は請求項1に係る発明を個別具体化したものである。請求項2〜請求項4に係る各発明は上記の外的要因検出手段として地震の発生を検出するものを採用して具体化したものであり、請求項2に係る発明では、上記各給湯器に個別に設置されて地震の発生を検出する地震検出手段と、一部の給湯器の地震検出手段のみが地震の発生を検出したときにはその地震の発生を検出した地震検出手段が設置された給湯器の台数の多少如何によって地震検出手段の異常か、現に地震が発生したかの判別を行う地震判別手段と、この地震判別手段により現に地震が発生したと判別されたとき上記台数制御を停止して全ての給湯器を燃焼停止状態にする制御手段とを備えることとした。
【0016】
この請求項2に係る発明の場合、連結型給湯装置において地震の発生を適切に判別・検出して、地震発生時の対策を適切に実行し得ることになる。すなわち、上記地震判別手段においては、各給湯器に個別に設置された地震検出手段の内の一部が地震を検出しても、その台数が所定数よりも少なければ、その検出は何かがその給湯器に衝突したりした拍子に引き起こされたものであったりあるいは故障であったりして真の地震発生ではないと判断して検出異常(誤検出)であると判別する一方、上記台数が所定数よりも多ければこれらが同時に誤検出状態になる可能性は極めて薄いことから現に地震が発生したと判別することになる。このため、真の地震発生以外の要因に基づいて地震発生時の対策が実行される不都合を排して、真の地震発生を適切に判別・検出して地震発生時の対策を適切かつ確実に行い得ることになる。そして、真の地震発生時には上記制御手段により台数制御を停止して全給湯器が燃焼停止状態に強制的にされるため、例えばオイル給湯器で連結型給湯装置を構成したとした場合に燃料漏れ等が万一生じたとしても、火災発生等の危険を回避して安全性を担保し得ることになる。その一方、いずれかの地震検出手段のみが地震を検出しても、全給湯器の強制燃焼停止には至らずに台数制御の続行により燃焼が継続されるため、不用意な衝突等による誤検出に起因する給湯使用不能状態の発生を回避して使い勝手の向上に繋がる。
【0017】
請求項3に係る発明は請求項2に係る発明をより具体化したものであり、請求項3に係る発明では、上記各給湯器に個別に設置されて地震の発生を検出する地震検出手段と、いずれか1台の給湯器の上記地震検出手段のみが地震の発生を検出したときにはその地震検出手段は異常と判別する一方、いずれか2台以上の給湯器の各地震検出手段が地震の発生を検出したときには現に地震が発生したと判別する地震判別手段と、この地震判別手段により現に地震が発生したと判別されたとき上記台数制御を停止して全ての給湯器を燃焼停止状態にする制御手段とを備えることとした。
【0018】
この請求項3に係る発明の場合、連結型給湯装置において地震の発生をより一層適切に判別・検出して、地震発生時の対策を適切に実行し得ることになる。すなわち、各給湯器に個別に設置された地震検出手段の内の1つのみが地震を検出しても、それは何かがその給湯器に衝突したりした拍子に引き起こされたものであったりあるいは故障であったりして真の地震発生ではないと判断して検出異常(誤検出)であると判別する一方、2台以上の地震検出手段が地震発生を検出すれば現に地震が発生したと判別するため、真の地震発生以外の要因に基づいて地震発生時の対策が実行される不都合を排して、真の地震発生を適切に判別・検出して地震発生時の対策を適切かつ確実に行い得ることになる。そして、真の地震発生時には上記制御手段により台数制御を停止して全給湯器が燃焼停止状態に強制的にされるため、例えばオイル給湯器で連結型給湯装置を構成したとした場合に燃料漏れ等が万一生じたとしても、火災発生等の危険を回避して安全性を担保し得ることになる。その一方、1台の地震検出手段のみが地震を検出しても、全給湯器の強制燃焼停止には至らずに台数制御の続行により燃焼が継続されるため、不用意な衝突等に起因する給湯使用不能状態の発生を回避して使い勝手の向上に繋がる。
【0019】
上記請求項2又は請求項3の連結型給湯装置においては、上記制御手段として、上記地震判別手段が地震検出手段の異常と判別したときその異常と判別された地震検出手段が設置された給湯器のみを台数制御の対象から除外し、残りの給湯器を対象として台数制御を行う構成を採用するようにしてもよい(請求項4)。つまり、上記異常と判別された地震検出手段が設置された給湯器を、エラー状態に陥った給湯器として台数制御の対象から外す処理を行うようにしている。
【0020】
請求項5〜請求項7に係る各発明は上記の外的要因検出手段として凍結防止用の温度を検出するものを採用して具体化したものである。そして、請求項5に係る発明では、上記各給湯器に個別に設置されて凍結防止のために温度を検出する凍結要因検出手段と、いずれかの給湯器の凍結要因検出手段が異常であると判別したとき、他の給湯器の凍結要因検出手段からの検出温度に基づいて凍結防止運転が必要な状態に陥ったか否かを判別する凍結要因判別手段と、この凍結要因判別手段により凍結防止運転が必要と判別されたときにのみ上記凍結要因検出手段が異常と判別された給湯器に対する凍結防止運転を実行する制御手段とを備えることとした。
【0021】
この請求項5に係る発明の場合、連結型給湯装置において一部の給湯器の凍結要因検出手段に異常が生じたとしても、凍結防止運転が必要となる状態の発生を適切に判別・検出して、その給湯器に対する凍結防止のための対策を適切に実行し得ることになる。すなわち、各給湯器に個別に設置された凍結要因検出手段の1又は2以上に通常ではあり得ない値を検出したり検出自体が不能となるような異常(故障異常等)が生じて異常と判別されたとしても、他の給湯器の凍結要因検出手段からの検出温度に基づいて凍結防止運転が必要な状態か否かが判別され、必要と判別されるとその給湯器に対する凍結防止運転が制御手段により実行されることになる。これにより、ある給湯器に設置されている凍結要因検出手段が故障異常等に陥ったとしても、その給湯器に対する凍結防止運転の要・不要が凍結要因判別手段により確実に判別され、不要であれば凍結防止運転は実行されずに   無駄な作動エネルギーの消費が回避される。その一方、真に凍結防止運転が必要なときには凍結防止運転を適切かつ確実に行い得ることになる。このため、例えばオイル給湯器で連結型給湯装置を構成し、寒冷地に設置された場合であっても、不都合が生じることはない。なお、上記凍結要因検出手段としては、気温又は各給湯器内の配管内の水温等を検出する温度センサにより構成することができる。
【0022】
上記請求項5の連結型給湯装置においては、上記凍結要因判別手段での判別として、上記他の給湯器の凍結要因検出手段からの検出温度の内の最低検出温度に基づいて凍結防止運転が必要な状態に陥ったか否かを判別する構成を採用するようにしてもよい(請求項6)。この場合には、より安全側で凍結防止運転が必要な状態に陥ったか否かの判別を行うことが可能になり、より確実な凍結防止が図られる。さらに、この場合には、上記凍結要因判別手段での判別として、上記最低検出温度に対し、設置環境に起因するばらつきを含むばらつき要因に対応して設定された設定温度分だけ低くした想定温度に基づいて判別する構成を採用するようにしてもよい(請求項7)。連結される複数台の給湯器の設置環境が個々に違い(例えば屋外設置か屋内設置か、屋外設置でも小屋掛けの有無、外気の影響を受けやすい設置位置か否か等の違い)を有する場合にも、その違いを考慮に入れて凍結防止運転の要・不要の判別をより適切にかつより安全側に行い得ることになる。上記のばらつき要因としては、上記の設置環境の違いの他に、凍結要因検出手段自体の検出ばらつき等も含まれる。
【0023】
以上の請求項1〜請求項7のいずれかの連結型給湯装置においては、上記給湯器として、燃料タンクから液体化石燃料の供給を受けて燃焼されるオイル給湯器により構成することができる(請求項8)。オイル給湯器では上記燃料タンクから燃料供給管(ホース等)を介して石油等の液体化石燃料が供給されるようになっているため、地震発生時の上記燃料供給管の外れ等に対する対策として適切な制御が行われ、また、特に寒冷地で使用されることの多いオイル給湯器にとって凍結防止運転が適切に行われることになる。
【0024】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の連結型給湯装置によれば、連結型給湯装置を構成する各給湯器に個別に設置された外的要因検出手段の一部が故障したりあるいは異常と考えられるような検出情報を出力したりして異常と判別されても、他の外的要因検出手段からの検出情報に基づいてあるいはその検出情報を加味して、外的要因の発生により要対策状態に陥ったか否かを判別することができるようになる。そして、この判別結果に基づいて外的要因に対応した対策制御を適切かつ確実に行うことができることになる。
【0025】
請求項2〜請求項4及び請求項8のいずれかの連結型給湯装置によれば、真の地震発生以外の要因に基づいて地震発生時の対策が実行される不都合を排して真の地震発生を適切に判別・検出して地震発生時の対策を適切かつ確実に行うことができる。そして、真の地震発生時には安全性を担保することができる一方、不用意な衝突等に起因する給湯使用不能状態の発生を回避して使い勝手の向上を図ることができる。
【0026】
特に請求項3によれば、請求項2の場合よりも具体的かつより確実に上記の効果を得ることができる。
【0027】
請求項4によれば、請求項2又は請求項3の連結型給湯装置において、異常と判別された地震検出手段が設置された給湯器をエラー状態に陥った給湯器として台数制御の対象から外すことにより、確実な台数制御を実行することができる。
【0028】
請求項5〜請求項8のいずれかの連結型給湯装置によれば、連結型給湯装置を構成する複数台の給湯器の内のある給湯器に設置されている凍結要因検出手段が故障異常等に陥ったとしても、その給湯器に対する凍結防止運転の要・不要を凍結要因判別手段により確実に判別することができ、不要の判別により無駄な作動エネルギー消費を回避することができる一方、真に凍結防止運転が必要なときには凍結防止運転を適切かつ確実に行って凍結防止を確実に図ることができる。
【0029】
特に、請求項6によれば、凍結防止運転が必要な状態に陥ったか否かの判別をより安全側で行うことができ、より確実な凍結防止を図ることができる。
【0030】
請求項7によれば、連結される複数台の給湯器の設置環境が個々に違っていても、凍結防止運転の要・不要の判別をその設置環境等の違いやばらつきを考慮に入れてより適切にかつより一層安全側に行うことができるようになる。
【0031】
請求項8によれば、複数台のオイル給湯器を用いて連結型給湯装置を構成した場合に好適な制御を実現させることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る連結型給湯装置を示す。この連結型給湯装置は複数台(図例では3台)のガス給湯器1a,1b,1cを連結したものであり、上記各ガス給湯器1a,1b,1cはそれぞれ同じ構成を有し外的要因検出手段及び凍結要因検出手段として気温(外気温)を検出するF点サーミスタ(温度センサ)18a,18b,18cと、個別コントローラ19a,19b,19cとを個別に備えている。
【0034】
上記連結型給湯装置は、上流端が例えば水道管等の水道水供給源に接続され下流側がそれぞれ分岐されて各ガス給湯器1a,1b,1cの入水口120に給水する給水経路3と、上流端が各ガス給湯器1a,1b,1cの出湯口130に電磁式開閉弁5a,5b,5cを介して接続され下流端40が上記給水経路3に接続された給湯経路4とを備えている。そして、上記給湯経路4の途中位置から分岐した分岐管41の下流端に1又は2以上(同図には1つのみ図示)の給湯栓(給湯カラン)6が接続され、この給湯栓6が開かれると上記各給湯器1a,1b,1cからの湯が出湯されるようになっている。上記開閉弁5a,5b,5cは後述のシステムコントローラ7により開閉制御され、開作動されることにより対応するガス給湯器に対する給水経路3からの入水と、そのガス給湯器から給湯経路4への出湯とが可能となる。
【0035】
上記給湯経路4には、上記システムコントローラ7により作動制御される循環ポンプ42と、上記下流端40から上記給水経路3の水の流入を阻止する逆止弁43と、エアセパレータ44とが介装されるとともに、膨張タンク(又は圧逃がし弁)45が連通されている。上記給水経路3には上記下流端40の合流位置よりも上流側位置に逆止弁31が介装され、この逆止弁31により給湯経路4からの湯の逆流を阻止するようになっている。
【0036】
そして、上記給湯栓6が閉じられた状態で上記循環ポンプ42が作動されると、給湯経路4内の湯水が給水経路3に流送され、各ガス給湯器1a,1b,1c内を通して再び給湯経路4に流送されるという循環動作が行われるようになっている。このような循環ポンプ42による循環動作は、給湯経路4内の湯を保温しておくために間欠作動されたり、あるいは、後述の凍結防止運転の一環として作動されたりして行われる。また、上記循環ポンプ42には凍結防止用のヒータ421が設けられ、このヒータ421は循環ポンプ42と同様に上記システムコントローラ7により作動制御されて凍結防止(凍結予防)を行うようになっている。
【0037】
また、上記各個別コントローラ19a,19b,19cは通信線を通してシステムコントローラ7と双方向通信可能に接続され、このシステムコントローラ7による台数制御等に基づく各種指令を受けて各ガス給湯器1a,1b,1cの燃焼作動や燃焼停止等の制御を行うようになっている。なお、上記の双方向通信は有線ではなくて無線方式により行うようにしてもよい。
【0038】
上記各ガス給湯器1a,1b,1cは燃料ガスを燃焼させて上記各入水口120からの入水を加熱し、加熱後の湯を上記各出湯口130に出湯させるようになっている。このような機能を有するものであれば、上記の各ガス給湯器1a,1b,1cとしていずれのタイプのものを用いることができる。これら各給湯器1a,1b,1cとして適用されるものの詳細を図2に示す例に基づいて次に説明する。
【0039】
上記各ガス給湯器1a,1b,1cは、燃焼缶体10に配設された熱交換器11と、上記給水経路3からの水を入水口120から上記熱交換器11に入水させる入水管12と、上記熱交換器11で加熱された湯を出湯口130に出湯する出湯管13と、上記熱交換器11から出湯された湯に対し水を混合するためのバイパス管14と、上記熱交換器11を燃焼熱により加熱するバーナ15と、このバーナ15に燃料ガスを供給するガス供給管16とを備えている。
【0040】
上記入水管12には、上流側位置で上記バイパス管14の上流端が接続され、入水流量センサ121及び入水温度センサ122が介装されている。上記出湯管13には出湯温度センサ131、水量サーボ弁132、湯水混合弁133及び給湯温度センサ134が介装され、上記湯水混合弁133に上記バイパス管14の下流端がバイパス流量調整弁141を介して接続されている。
【0041】
上記湯水混合弁133を用いた湯水混合制御は必要に応じて上記各個別コントローラ19a,19b,19cにより制御されるようになっている。この湯水混合制御では、入水温度センサ122からの水温及びバイパス流量センサ142からの流量と、上記出湯温度センサ131からの湯温30及び入水流量センサ121からの流量との各検出値に基づいて湯水混合比が変更制御され、これにより、上記給湯温度センサ134での検出給湯温度が所定の設定温度(後述のメインリモコン71に設定された温度)になるように行われる。
【0042】
上記バーナ15は、元ガス電磁弁161を開くことによりガス供給管16を通して供給される燃料ガスを燃焼させるものであり、その燃焼量(能力)が変更調整可能となっている。すなわち、ガス比例弁162による供給量調整、及び、複数の燃焼制御弁163の作動制御による燃焼作動範囲の変更調整によって、燃焼量が可変とされている。この燃焼量の変更により熱交換器11での加熱量が変更され、出湯温度が変更されるようになっている。つまり、出湯能力が所定範囲で変更可能となっている。
【0043】
また、各ガス給湯器1a,1b,1cに設置されたF点サーミスタ18a,18b,18cは設置場所の雰囲気温度を検出して各個別コントローラ19a,19b,19cに出力するようになっており、各個別コントローラ19a,19b,19cはその検出温度をシステムコントローラ7に送出するようになっている。この検出温度に基づき凍結防止運転が必要と判断された場合には、システムコントローラ7からの指令を受けた各個別コントローラ19a,19b,19cにより入水管12や出湯管13等の各種配管に設置されたヒータ124,135が作動されるようになっている。つまり、上記F点サーミスタ18a,18b,18cは外的要因として凍結防止対策が必要なるような雰囲気温度の温度低下の発生を検出するようになっている。
【0044】
上記システムコントローラ7は、図3に示すようにメインリモコン71が接続され、台数制御部72及び凍結防止制御部73を備えている。なお、このシステムコントローラ7は各ガス給湯器1a,1b,1cとは別に設けてもよいが、コンパクト化の観点よりいずれか1つのガス給湯器(図1の例では1c)に内蔵させるのが好ましい。以下の説明においては3台のガス給湯器の内の符号1aのものを第1ガス給湯器、1bのものを第2ガス給湯器、1cのものを第3ガス給湯器とし、同様に対応する個別コントローラ19a,19b,19c及び開閉弁5a,5b,5cにもそれぞれ第1〜第3を付して用いる。
【0045】
上記台数制御部72は、給湯栓6での給湯使用時の給湯負荷(熱負荷)に応じて燃焼作動させるガス給湯器1a,1b,1cの台数を変更調整するものであり、いずれか1台をメイン給湯器(最初に着火させる給湯器)、1台を調整給湯器(調整のために最後に着火させる給湯器)、残りを目標給湯器(メイン給湯器では要求熱量を満たせないとき順次着火させる給湯器)として役割を割り付けるようになっている。このようなメイン給湯器、目標給湯器及び調整給湯器の3種の役割設定は所定期間(例えば24時間)毎に順次変更されるようにローテーション設定されており、燃焼頻度がほぼ均等になるようにされている。
【0046】
例えば、1台の出湯能力が50号(流量が50L/min)の場合、要求される出湯能力が45号未満であればメイン給湯器のみを燃焼作動させ、45号以上〜90号未満であればメイン給湯器に加えて目標給湯器を燃焼作動させ、90号以上であればさらに調整給湯器をも燃焼作動させるように燃焼作動させる台数を制御する。従って、要求される出湯能力が100号であると、メイン給湯器及び目標給湯器をそれぞれ45号分で燃焼させ、残りの10号分を調整給湯器の燃焼により満たすことになる。なお、以上の号数の数値自体は例示である。
【0047】
本実施形態では連結型給湯装置が3台のガス給湯器1a,1b,1cにより構成されているため、目標給湯器として割り付けられるのは1台となる。ここで、第1ガス給湯器1aがメイン給湯器に、第2ガス給湯器1bが目標給湯器に、第3ガス給湯器1cが調整給湯器にそれぞれ設定されている場合には、給湯使用が行われていない待機状態では第1開閉弁5aが常時開状態に、第2及び第2開閉弁5b,5cが閉状態に維持される。つまり、給水経路3と給湯栓6とは第1ガス給湯器1a及び第1開閉弁5aを介してのみ連通された状態に維持される。
【0048】
そして、給湯栓6が開かれると、第1ガス給湯器1aの入水管12に入水口120を通して給水経路3から入水され、この入水流量が最低作動流量以上(入水流量センサ121による検出)になるとバーナ15が燃焼作動され、熱交換器11で加熱された所定温度の湯が出湯管13,出湯口130及び開状態の開閉弁5aを通して給湯経路4に出湯され、この給湯経路4を通して上記給湯栓6に給湯されることになる。上記給湯栓6からの要求がメイン給湯器である第1ガス給湯器1aの最大設定出湯能力よりも大きくなれば、さらに第2開閉弁5bを開くことにより第2ガス給湯器1bにも入水させて上記と同様に燃焼作動させ、2台のガス給湯器1a,1bの合計最大設定出湯能力よりも大きくなれは、さらに加えて第3開閉弁5cを開くことにより第3ガス給湯器1cを燃焼作動させる。逆に上記給湯栓6からの要求が小さくなれば、それに応じて上記とは逆の順序で燃焼停止させて燃焼させるガス給湯器の台数を減らしていく。
【0049】
一方、この台数制御部72による台数制御においては、いずれかのガス給湯器1a,1b,1cからエラー信号(例えば各種センサからの異常な出力信号や燃焼不良等の検出信号)が出力されると、そのガス給湯器はエラー状態に陥ったと判断して上記台数制御の対象から除外して残りの台数のガス給湯器を対象として台数制御を続行させることになる。この際、メイン給湯器として設定されているガス給湯器1aがエラー状態に陥れば、他の正常なガス給湯器1b,1cのいずれか1台にメイン給湯器の役割を変更設定する。
【0050】
上記凍結防止制御部73は、外的要因判別手段及び凍結要因判別手段に加え凍結防止運転を実行する制御手段をも構成するものである。この凍結防止制御部73は、第1〜第3ガス給湯器1a,1b,1cにそれぞれ設置された3つのF点サーミスタ18a,18b,18cからの検出温度の出力を各個別コントローラ19a,19b,19cを介して受け、凍結防止運転が必要な温度(例えば5℃以下)になったか否かを判定し、該当するガス給湯器1a,1b,1c又は連結型給湯装置全体に対する凍結防止運転を実行するようになっている。
【0051】
上記凍結防止運転は、要対策状態と判別されたときに実行される対策制御のことであり、凍結防止運転が必要と判定されたガス給湯器のヒータ124,135を作動させる、開閉弁5a,5b,5cを開状態にして循環ポンプ42を作動させる、及び、循環ポンプ42用のヒータ421を作動させる各処理の1又は2以上を組み合わせて実施される。
【0052】
一方、いずれか1台のガス給湯器1a,1b又は1cのF点サーミスタ18a,18b又は18cから通常ではあり得ないような異常値(異常な抵抗値又は異常な変換電圧値)が検出信号として出力された場合には、そのF点サーミスタは故障であると判定して次のような制御が行われるようになっている。以下、故障と判定されたのがF点サーミスタ18bであると仮定して説明を行う。
【0053】
すなわち、台数制御部72では上述の如く第2ガス給湯器1bはエラー状態に陥ったものとして扱い、台数制御の対象から除外する。一方、凍結防止制御部73では、他のガス給湯器1a,1cのF点サーミスタ18a,18cからの検出温度に基づいて上記故障のF点サーミスタ18bが設置された第2ガス給湯器1bに対する凍結防止運転が必要か否かの判別を行う。
【0054】
以上の凍結防止制御部73による制御を図4のフローチャートにより説明すると、まず、いずれか1台のガス給湯器1bのF点サーミスタ18bが故障であるか否かを判定し、次に故障ではなければそのF点サーミスタ18bの検出温度が凍結予防のための設定温度(例えば5℃)以下であるか否かを判定する(ステップS1でNO、ステップS2)。検出温度が5℃以下であれば、凍結防止運転が必要であると判断して第2個別コントローラ19bに対しヒータ124,135を作動させる指令を出力し及びヒータ421を作動させ、かつ、第2開閉弁5bを開作動して循環ポンプ42を作動させる(ステップS2でYES、ステップS4,S5)。検出温度が5℃以下でなければリターンし(ステップS2でNO)。
【0055】
一方、上記ステップS1でF点サーミスタ18bが故障と判定されると、他のガス給湯器1a,1cのF点サーミスタ18a,18cからの検出温度を参照し、これらの検出温度の内の検出最低温度は上記設定温度(5℃)以下であるか否かを判定する(ステップS1でYES、ステップS3)。設定温度以下でなければ、上記第2ガス給湯器1bでの凍結防止運転は不要と判別してリターンし(ステップS3でNO)、設定温度以下であれば凍結防止運転が必要な状態にあると判別して上記ステップS4でのヒータ124,135,421の作動及びステップS5での循環ポンプ42の作動を指令して凍結防止運転を実行する(ステップS3でYES)。
【0056】
つまり、故障のF点サーミスタ18bがあれば、他のガス給湯器1a,1cのF点サーミスタ18a,18cの検出情報に基づいてF点サーミスタ18bが故障した第2ガス給湯器1bの状態(凍結防止運転が必要な状態にあるか否か)を判別するようになっている。
【0057】
なお、上記ステップS3での判別においては、他のF点サーミスタ18a,18cの両検出温度の内の低温側の温度(最低温度)が上記設定温度以下であるか否かによって凍結防止運転が必要な状態か否かを判別しているが、上記最低温度よりもさらに所定温度分低い想定温度が上記設定温度以下であるか否かによって判別するようにしてもよい。すなわち、ガス給湯器1a,1b,1cの設置環境のばらつきに起因するF点サーミスタ18a,18b,18cの検出温度のばらつき分(例えば3℃分)や、F点サーミスタ18a,18b,18cの機器自体のばらつきに起因するばらつき分(例えば2℃分)等に対応して設定した設定温度分(例えば3℃+2℃=5℃分)だけ低くした想定温度を用いて上記判別を行う。この場合には、凍結予防という観点においてより安全側の判別を行うことができ、より確実な凍結防止を図ることができる。
【0058】
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態に係る連結型給湯装置を示す。この連結型給湯装置は複数台(図例では3台)のオイル給湯器2a,2b,2cを連結したものであり、上記各オイル給湯器2a,2b,2cはそれぞれ同じ構成を有し外的要因検出手段及び地震検出手段として地震発生に伴う振動により作動してその振動の発生を検出する感震器28a,28b,28cと、個別コントローラ29a,29b,29cとを個別に備えている。
【0059】
上記連結型給湯装置は、上流端が例えば水道管等の水道水供給源に接続され下流側がそれぞれ分岐されて各オイル給湯器2a,2b,2cの入水口220に給水する給水経路3と、上流端が各ガス給湯器2a,2b,2cの出湯口230に電磁式開閉弁5a,5b,5cを介して接続され下流端が1又は2以上(同図には1つのみ図示)の給湯栓(給湯カラン)6に接続された給湯経路8とを備えている。上記開閉弁5a,5b,5cは第1実施形態と同様にシステムコントローラ9により開閉制御され、開作動されることにより対応するオイル給湯器に対する給水経路3からの入水と、そのオイル給湯器から給湯経路8への出湯とが可能となる。
【0060】
上記各オイル給湯器2a,2b,2cは燃料オイル(例えば灯油)を燃焼させて上記各入水口220からの入水を加熱し、加熱後の湯を上記各出湯口230に出湯させるようになっており、このような機能を有するものであれば後述の熱交換器21を用いない他のタイプのものを用いることができる。これら各オイル給湯器2a,2b,2cとして適用されるものの詳細を図6に示す例に基づいて次に説明する。
【0061】
上記各オイル給湯器2a,2b,2cは、燃焼缶体20に配設された熱交換器21と、上記給水経路3からの水を入水口220から上記熱交換器21に入水させる入水管22と、上記熱交換器21で加熱された湯を出湯口230に出湯する出湯管23と、上記熱交換器21から出湯された湯に対し水を混合するためのバイパス管24と、上記熱交換器21を燃焼熱により加熱するバーナ25と、このバーナ25に燃料タンク26からの燃料オイルを供給する燃料供給管27とを備えている。
【0062】
上記入水管22には入水温度センサ221及び入水流量センサ222が設けられる一方、上記出湯管23には上記バイパス管24の下流端との合流位置よりも上流側位置に燃焼缶体20で加熱された後の出湯温度を検出する出湯温度センサ231が設けられ、上記合流位置よりも下流側位置に水量サーボ弁232及び給湯温度センサ233が設けられている。また、上記バイパス管24には出湯管23からの出湯に対し入水管22からの水を所定の混合比で混合するための湯水混合弁241が介装されている。
【0063】
上記バーナ25はその火炎を下向きに噴射するように配設され、例えばリターン式噴霧ノズルを有するガンタイプバーナにより構成されている。このバーナ25は、電磁開閉弁251及び電磁供給ポンプ252が介装された燃料供給管27により供給された灯油を噴霧して燃焼させ、供給された一部の石油をリターン管253を通して上記電磁開閉弁251と電磁供給ポンプ252との間の燃料供給管27に対し戻すようになっている。上記リターン管253には、リターン油の油温を検出する油温検出センサ254、リターン油の流量を比例制御する流量制御弁255、及び、リターン油をリターン側にのみ流す逆止弁が介装されている。そして、上記流量制御弁255によるリターン油の流量を出湯号数に応じて変更調整することにより上記バーナ25からの噴霧量の変更調整が行われ、これにより、燃焼量が比例制御されるようになっている。
【0064】
また、各オイル給湯器2a,2b,2cに設置された感震器28a,28b,28cは外的要因として地震発生に伴う振動の発生を検出して各個別コントローラ29a,29b,29cに出力するようになっており、各個別コントローラ29a,29b,29cはその地震発生の検出をシステムコントローラ9に対しエラー信号の一種として送出するようになっている。この地震発生の検出に基づき現に地震が発生しこのため安全処理が必要と判断された場合には、システムコントローラ9からの指令を受けた各個別コントローラ29a,29b,29cにより全てのオイル給湯器2a,2b,2cが強制的に燃焼停止状態にされるようになっている。
【0065】
このような各感震器28a,28b,28cは、例えば図6に示すように、ボール281が振動を受けて上方に飛び跳ねたり又は側方に移動したりすると、その自重により下位置に保持されていたプランジャ282が上向きに飛び出し、このプランジャ282に連動してスイッチ283が支点284を中心に揺動し接点285をOFFにすることにより、作動信号を出力するようになっている。つまり、作動信号の出力により振動の発生が検出されるようになっている。
【0066】
上記システムコントローラ9は、図7に示すようにメインリモコン91が接続され、台数制御部92及び地震時制御部93を備えている。このシステムコントローラ9は各オイル給湯器2a,2b,2cとは別に設けも、いずれかのオイル給湯器(図1の例では2c)に内蔵させてもよい。以下の説明においては3台のオイル給湯器の内の符号2aのものを第1オイル給湯器、2bのものを第2オイル給湯器、2cのものを第3オイル給湯器とし、同様に対応する個別コントローラ29a,29b,29c、開閉弁5a,5b,5c及び感震器28a,28b,28cにもそれぞれ第1〜第3を付して用いる。
【0067】
上記台数制御部92は、対象がオイル給湯器2a,2b,2cである点を除き第1実施形態の台数制御部72と同様に構成されており、給湯栓6での給湯使用時の給湯負荷(熱負荷)に応じて燃焼作動させるオイル給湯器2a,2b,2cの台数を変更調整し、いずれかのオイル給湯器2a,2b,2cからエラー信号が出力されると、そのオイル給湯器はエラー状態に陥ったと判断して上記台数制御の対象から除外して残りの台数のガス給湯器を対象として台数制御を続行させるようになっている。
【0068】
上記地震時制御部93は、外的要因判別手段及び地震判別手段に加え地震発生と判別されたときの安全処理を実行する制御手段をも構成するものである。この地震時制御部93は、第1〜第3オイル給湯器2a,2b,2cにそれぞれ設置された3つの感震器28a,28b,28cからの作動信号の出力を各個別コントローラ29a,29b,29cを介して受け、現に地震が発生したか否かを判別し、現に地震発生と判別したときには連結型給湯装置全体に対する安全処理を実行するようになっている。この地震時制御部93により実行される安全処理が、要対策状態と判別されたときに実行される対策制御のことである。
【0069】
上記地震時制御部93による制御を図8のフローチャートにより説明すると、まず、いずれかのオイル給湯器2a,2b,2cからエラー信号が出力されると、そのエラーは感震器28a,28b,28cの作動信号出力によるエラー信号であるか否かを判別する(ステップS11でYES、ステップS12)。1台のみの感震器(例えば28a)の作動信号出力によるものであれば、さらにそれ以外の他の感震器28b又は/及び28cからの作動信号も出力されているか否かを判別する(ステップS12でYES、ステップS13)。
【0070】
このステップS13において、作動信号の出力が1台の感震器28aのみの場合にはそれは地震以外の不適切な取り扱い又は故障に起因する誤作動であると判別し、台数制御部92に対し上記感震器28aが設置された第1オイル給湯器2aはエラー状態に陥ったため台数制御から外し残りのオイル給湯器2b,2cで台数制御を続行する旨の指令を発してリターンする(ステップS13でYES、ステップS14)。一方、作動信号が2台以上の感震器28a及び28c等から出力されている場合には現に地震が発生していると判別し、たとえ現在燃焼中のものがあっても全てのオイル給湯器2a,2b,2cの燃焼を強制的に停止させて燃焼停止状態にさせる(ステップS13でNO、ステップS15)。これにより、地震動を受けて燃料タンク26がバーナ25までの燃料供給管27において外れ等がたとえ生じても、火災等の発生を確実に防止することができる。
【0071】
つまり、全感震器28a,28b,28cの内のいずれか1台のみが作動してもそれは誤作動と判別して燃焼停止の安全処理を非実行とすることで不要な燃焼停止による使い勝手の悪化を回避する一方、いずれか2台以上が作動すればそれは現に地震が発生していると判別して全ての燃焼を停止させる安全処理を行うことで安全性を担保することができる。
【0072】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、連結型給湯装置を第1実施形態では複数台のガス給湯器1a,1b,1cを連結して構成し、第2実施形態では複数台のオイル給湯器2a,2b,2cを連結して構成しているが、これに限らず、オイル給湯器を用いて第1実施形態の連結型給湯装置を、ガス給湯器を用いて第2実施形態の連結型給湯装置をそれぞれ構成するようにしてもよい。
【0073】
また、第1及び第2実施形態ではそれぞれ3台のガス給湯器又はオイル給湯器を連結して連結型給湯装置を構成した場合を示したが、台数は2台以上であればよく、例えば10台、20台あるいはそれ以上の台数のものを連結して本発明の連結型給湯装置を構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す模式図である。
【図2】第1実施形態を構成するガス給湯器の例を示す模式図である。
【図3】第1実施形態のシステムコントローラのブロック構成図である。
【図4】第1実施形態の凍結防止制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態を示す模式図である。
【図6】第2実施形態を構成するオイル給湯器の例を示す模式図である。
【図7】第2実施形態のシステムコントローラのブロック構成図である。
【図8】第2実施形態の地震時制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1a,1b,1c ガス給湯器(給湯器)
2a,2b,2c オイル給湯器(給湯器)
4,8      給湯経路
6        給湯栓(給湯先)
18a,18b,18c  F点サーミスタ(外的要因検出手段、凍結要因検出手段)
26       燃料タンク
28a,28b,28c  感震器(外的要因検出手段、地震検出手段)
72,92    台数制御部
73   凍結防止制御部(外的要因判別手段、凍結要因判別手段、制御手段)
93   地震時制御部(外的要因判別手段、地震判別手段、制御手段)
130,230  出湯口

Claims (8)

  1. 給湯先に続く共通の給湯経路に対し複数台の給湯器の各出湯口が接続され、燃焼作動させる給湯器の台数を上記給湯先の熱負荷に応じて変更する台数制御が行われるように構成された連結型給湯装置において、
    上記各給湯器に個別に設置されて外的要因の発生を検出する外的要因検出手段と、
    一部の給湯器の外的要因検出手段が異常と判別されたとき、他の給湯器の外的要因検出手段からの検出情報に基づいてあるいはその検出情報を加味して、外的要因の発生により要対策状態に陥ったか否かを判別する外的要因判別手段と、
    この外的要因判別手段による判別結果が要対策状態のとき上記外的要因に対応した対策制御を実行する制御手段と
    を備えていることを特徴とする連結型給湯装置。
  2. 給湯先に続く共通の給湯経路に対し複数台の給湯器の各出湯口が接続され、燃焼作動させる給湯器の台数を給湯先の熱負荷に応じて変更する台数制御が行われるように構成された連結型給湯装置において、
    上記各給湯器に個別に設置されて地震発生に伴う振動の発生を検出する地震検出手段と、
    一部の給湯器の地震検出手段のみが地震発生を検出したときにはその地震発生を検出した地震検出手段が設置された給湯器の台数の多少如何によって地震検出手段の異常か、現に地震が発生したかの判別を行う地震判別手段と、
    この地震判別手段により現に地震が発生したと判別されたとき上記台数制御を停止して全ての給湯器を燃焼停止状態にする制御手段と
    を備えていることを特徴とする連結型給湯装置。
  3. 給湯先に続く共通の給湯経路に対し複数台の給湯器の各出湯口が接続され、燃焼作動させる給湯器の台数を給湯先の熱負荷に応じて変更する台数制御が行われるように構成された連結型給湯装置において、
    上記各給湯器に個別に設置されて地震発生に伴う振動を検出する地震検出手段と、
    いずれか1台の給湯器の上記地震検出手段のみが地震発生を検出したときにはその地震検出手段は異常と判別する一方、いずれか2台以上の給湯器の各地震検出手段が地震発生を検出したときには現に地震が発生したと判別する地震判別手段と、
    この地震判別手段により現に地震が発生したと判別されたとき上記台数制御を停止して全ての給湯器を燃焼停止状態にする制御手段と
    を備えていることを特徴とする連結型給湯装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の連結型給湯装置であって、
    上記制御手段は、上記地震判別手段が地震検出手段の異常と判別したときその異常と判別された地震検出手段が設置された給湯器のみを台数制御の対象から除外し、残りの給湯器を対象として台数制御を行うように構成されている、連結型給湯装置。
  5. 給湯先に続く共通の給湯経路に対し複数台の給湯器の各出湯口が接続され、燃焼作動させる給湯器の台数を給湯先の熱負荷に応じて変更する台数制御が行われるように構成された連結型給湯装置において、
    上記各給湯器に個別に設置されて凍結防止のために温度を検出する凍結要因検出手段と、
    いずれかの給湯器の凍結要因検出手段が異常であると判別したとき、他の給湯器の凍結要因検出手段からの検出温度に基づいて凍結防止運転が必要な状態に陥ったか否かを判別する凍結要因判別手段と、
    この凍結要因判別手段により凍結防止運転が必要と判別されたときにのみ上記凍結要因検出手段が異常と判別された給湯器に対する凍結防止運転を実行する制御手段と
    を備えていることを特徴とする連結型給湯装置。
  6. 請求項5に記載の連結型給湯装置であって、
    上記凍結要因判別手段は、上記他の給湯器の凍結要因検出手段からの検出温度の内の最低検出温度に基づいて凍結防止運転が必要な状態に陥ったか否かを判別するように構成されている、連結型給湯装置。
  7. 請求項6に記載の連結型給湯装置であって、
    上記凍結要因判別手段は、上記最低検出温度に対し、設置環境に起因するばらつきを含むばらつき要因に対応して設定された設定温度分だけ低くした想定温度に基づいて判別するように構成されている、連結型給湯装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の連結型給湯装置であって、
    上記給湯器は燃料タンクから液体化石燃料の供給を受けて燃焼されるオイル給湯器により構成されている、連結型給湯装置。
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