JP2011247487A - 給湯装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】給湯装置1は、熱交換部11と、入水温度センサ27と、湯水側流量センサ28とを有し、設定された出湯温度を目標に、現在の入水温度及び通水流量に基づいて燃焼量が演算され、その燃焼量で燃焼制御されて熱交換部11を流れる湯水を加熱する機能を備えている。そして、燃焼中あるいは燃焼開始の際に、出湯要求があり、一定時間の範囲内で入水温度が所定値以上の温度幅の低下が認められた場合、所定の条件が満たされるまで現在の入水温度に代えて、特定の値を入水温度として燃焼制御が実行される。これにより、高温出湯異常や低温出湯異常などの不具合が抑制される。
【選択図】図1
Description
このような給湯装置には、熱交換器を流れる湯水を燃焼装置で生成された高温の燃焼ガスの熱エネルギーで加熱する構成を備えたものがある。そして、この種の給湯装置では、出湯要求があると、リモコンで設定された出湯温度を目標値として、まず熱交換器に入水される温度及び流量に基づいて、必要熱量が演算されてその熱量に基づく燃焼量で燃焼制御される(FF制御:フィードフォワード制御)。そしてその後、検知された出湯温度が必要熱量の演算条件に加えられ、燃焼制御される(FB制御:フィードバック制御)。
なお、循環回路内の加熱部は前記した燃焼装置とは別にヒータ等を備えたものがあるが、以下の説明においては、前記した燃焼装置により構成されたものとして説明する。
なお、このような現象は、本発明者らの実験により、前記した即湯式給湯装置に関わらず、別の形式(タンクを備えた貯湯式や太陽光を利用して湯水を加熱する太陽熱式など)の給湯装置においても発生することが確認されている。
従って、本発明によれば、特定の入水温度を用いた燃焼制御を実行することで、高温出湯異常や低温出湯異常が防止でき、さらにその制御を所定の条件が満たされるまでとすることで、出湯温度が乱れることを抑制できる。
給湯装置1は、即湯式の給湯装置であり、図1に示すように、燃料ガスを燃焼する燃焼装置2と、配管等により構成された湯水が流れる流水系統20と、燃焼装置2に燃料ガスの供給を行う燃料系統30と、燃焼装置2等の制御を行う制御手段50とを備えている。
元ガス電磁弁32は、燃焼部3で燃焼されている間は、常に開成され、燃焼が停止すると閉止される。
ガス比例弁35は、開度を調整して、図示しないガス供給源からの燃料ガスの供給量を調整することができるものである。
電磁弁34〜38は、互いに独立して制御されるものであって、燃料ガスが供給される燃焼領域を変更することができる。
通水路21は、大別して2流路あり、図2に示す出湯の際の出湯流路と、図3に示す即湯モードの待機時における循環流路とにより構成されている。本実施形態においては、それらの流路が、流入側配管22と、流出側配管23と、流入側配管22と流出側配管23とをバイパスするバイパス配管25と、流出側配管23側から流入側配管22側に湯水を流して両者の間を循環させることができる給湯戻り配管26によって構成されている。
湯水側流量センサ28は、熱交換部11に導入される湯水の量を検知するものである。
入水温度センサ27は、熱交換部11に導入される湯水の入水温度を検知するものである。
なお、湯水側流量センサ28及び入水温度センサ27は、流入側配管22におけるバイパス配管25の接続部より湯水の流れ方向下流側に配置され、後述する制御手段50と電気的に接続されている。
流出側配管23の中途であって、バイパス配管25の接続部よりも湯水の流れ方向上流側には湯量調整弁41が設けられ、その接続部よりも湯水の流れ方向下流側には出湯温度センサ(出湯温度検知手段)42が設けられている。
湯量調整弁41は、出湯温度が設定温度に比べて低温である場合等に、開度を閉止方向に調整して出湯温度を設定温度に近づけるため、給湯栓60から出湯される湯水の流量を調整するものである。
出湯温度センサ42は、出湯される湯水の温度を検知するものである。
バイパス配管25の中途には、図示しない給水源から供給される湯水の流量を検知する上水側流量センサ43と、バイパス水量調整弁44が設けられている。なお、バイパス水量調整弁44は、出湯温度センサ42が検知する湯水の温度に基づいて開度が調整される。
給湯戻り配管26の中途には、湯水を循環させる循環ポンプ45と、湯水を一方向にのみ流すことが可能な逆止弁46が設けられている。本実施形態の給湯装置1は、循環ポンプ45内蔵型の給湯装置であり、逆止弁46により、流出側配管23側から流入側配管22側にのみ湯水を流すことができる。なお、循環ポンプ45は、図示しないモータを駆動源として湯水を送水するもので、本実施形態では公知の渦巻きポンプが採用されている。
本実施形態では、出湯要求があれば燃焼を開始する通常の給湯動作と、出湯要求前に設定温度の湯水を予め生成しておくことができる即湯モードによる給湯動作を備えている。
本実施形態では、通常の給湯動作と即湯モードの給湯動作を図示しないリモコンにより選択可能である。
図示しないリモコンの即湯スイッチがオフの状態で、給湯栓60が操作されて出湯要求があると、図示しない給水源から流水系統20に対して湯水が供給される。そして、その給水源から供給された湯水は流入側配管22を介して熱交換部11に向かって流れる。なお、給湯戻り配管26の逆止弁46によって、流入側配管22側から給湯戻り配管26側に湯水の流れが発生することはない。
そして、熱交換部11を流れる湯水が加熱される。熱交換部11で加熱された湯水は、流出側配管23に吐出され、バイパス配管25を流通する湯水と混合されて、設定温度に調整された湯水が給湯栓60に向かって流れる(図2)。流出側配管23においては、流路の中途に配された出湯温度センサ42によって出湯温度が検知される。そして、制御装置51では、この出湯温度を加えて燃焼量が再演算される(FB制御:フィードバック制御)。なお、FB制御により、FF制御で決定されたガス比例弁33の開度や燃焼エリアが調整される。
以上は、通常の給湯動作の制御の流れである。
なお、以下の説明においては、現在の入水温度Ti、出湯温度To、設定温度Ts、特定の入水温度Tdとする。
なお、ステップ5において、循環ポンプ45を運転しているにも関わらず、循環回路39内の通水量がMOQ以上に達することがなければ、循環ポンプ45等に不具合があると判断して即湯モードの運転を停止する。
本実施形態では、低下直前の入水温度Tiからの低下幅が確認されると共に、入水温度Tiの低下速度が確認され、その低下速度が一定以上あれば、本実施形態の特徴的動作が実行される。逆に、ステップ5においては、入水温度Tiが一定時間の範囲内に所定値以上の温度幅の低下が確認されなければ、FB制御の反応が間に合い、過剰な燃焼状態が抑制されるため、FF制御によるオーバーシュートの発生はほぼないと判断されて、通常の給湯動作が実行される(ステップ10)。
先にも説明したように、熱交換部11において既に加熱された湯水が存在する場合に、図示しない給水源からの湯水の供給があれば、入水温度Tiは急激に低下する。一方、熱交換部11及びその上流側に存在する湯水は、給水源から供給される湯水より高温である。そのため、この入水温度Tiを用いて燃焼量が演算されると、燃焼量が過剰となり、既に熱交換部11に存在する湯水の温度が高温となり過ぎてオーバーシュートを発生する場合があった。
なお、本実施形態では、低下直前の入水温度Tiが基準温度以上であればいかなる温度であっても固定された値として第1特定入水温度Td1を用いるが、第2特定入水温度Td2は、低下直前の入水温度Tiが用いられ、低下直前の入水温度Tiによって変化するものとした。
また、他の方法としては、経過時間に対して入水温度Tiの減少する傾きが一定の傾き以上となった否かを確認して燃焼制御を行うことが挙げられる。
さらに、太陽熱により湯水を加熱するシステムを備えた給湯装置であっても、本発明は有効的である。特に、図9に示すように、太陽熱加熱部81と燃焼装置82を備えて、図示しない給水源からの湯水が太陽熱加熱部81又は燃焼装置82に供給される給湯装置80であれば、先に説明した高温出湯異常や低温出湯異常が発生する可能性が高いため、本発明は有効的となる。なお、給湯装置80は、給湯栓60が操作されたり、太陽熱加熱部81で加熱された湯水が設定温度Tsに満たない場合等に、湯水が燃焼装置81によって加熱される構成とされている。
2 燃焼装置
11 熱交換部(熱交換器)
27 入水温度センサ(入水温度検知手段)
28 湯水側流量センサ(流量検知手段)
42 出湯温度センサ(出湯温度検知手段)
45 循環ポンプ
Ti 入水温度
To 出湯温度
Ts 設定温度
Td 特定の値の入水温度
Claims (8)
- 燃焼装置と、熱交換器と、前記熱交換器に入水される湯水の温度を検知する入水温度検知手段と、前記熱交換器に通水される湯水の流量を検知する流量検知手段とを有し、設定された出湯温度を目標に、現在の入水温度及び通水流量に基づいて燃焼量が演算され、当該演算された燃焼量で燃焼制御されて熱交換器内を流れる湯水を加熱する機能を備えた給湯装置であって、
燃焼中あるいは燃焼開始の際に、一定時間の範囲内で入水温度が所定値以上の温度幅の低下が認められた場合、所定の条件が満たされるまで、現在の入水温度に代えて特定の値を入水温度に用いて燃焼制御が実行されることを特徴とする給湯装置。 - 前記所定の条件は、熱交換器に通水される単位時間あたりの流量をその通水時間で積算した積算流量値が、当該熱交換器における湯水を保有可能な容積値に到達するまでとしたことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
- 入水温度は常時監視されており、入水温度の低下が検知される直前の入水温度の値から一定時間の範囲内に所定値以上低下した場合に、入水温度が所定値以上の温度幅の低下があったと認められることを特徴とする請求項1又は2に記載の給湯装置。
- 入水温度は常時監視されてそれまでの平均入水温度が演算されており、入水温度が前記平均入水温度の値から一定時間の範囲内に所定値以上低下した場合に、入水温度が所定値以上の温度幅の低下があったと認められることを特徴とする請求項1又は2に記載の給湯装置。
- 入水温度は常時監視されており、経過時間に対して入水温度が低下する傾きが一定の傾き以上となった場合に、入水温度が所定値以上の温度幅の低下があったと認められることを特徴とする請求項1又は2に記載の給湯装置。
- 前記熱交換器より湯水の流れ方向下流側における湯水の温度を検知する出湯温度検知手段を有し、当該出湯温度検知手段の検知温度が一定値を超えると一時的に燃焼が停止されるものであって、
前記特定の値を入水温度として演算された燃焼量で燃焼制御された場合、前記熱交換器を通過した湯水の出湯温度は、前記一定値より低温であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の給湯装置。 - 一定時間の範囲内で入水温度が所定値以上の温度幅の低下が認められて、特定の値を入水温度として燃焼制御が実行されている最中であって、現在の入水温度が前記特定の値の入水温度を上回った場合は、現在の入水温度に基づいて燃焼量を演算して燃焼制御されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の給湯装置。
- 基準温度があり、燃焼中あるいは燃焼開始の際に、一定時間の範囲で入水温度が所定値以上の温度幅の低下が認められた場合であって、前記温度低下が前記基準温度を跨ぐものである場合の前記特定の値と、前記温度低下が前記基準温度を跨がない場合の前記特定の値との決定条件が異なることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の給湯装置。
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