JP3987865B2 - 分岐鎖状ポリエン化合物及びその製造方法 - Google Patents

分岐鎖状ポリエン化合物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規な分岐鎖状ポリエン化合物及びその製造方法に関する。
一般に、ポリエン化合物とは、1分子中に炭素−炭素二重結合を2個以上有する炭化水素化合物をいい、従来、数多くのものが知られている。このようなポリエン化合物として、例えば、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等が知られている。
このようなポリエン化合物と、例えば、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンとを共重合させることによって、加硫可能なエチレン性二重結合を有する不飽和共重合体を得ることができ、このようなエチレン性不飽和共重合体は、耐候性、耐熱性、耐オゾン性等にすぐれているところから、自動車工業部品、工業用ゴム製品、電気絶縁材、土木建材用品、ゴム引布等のゴム製品として、また、ポリプロピレン、ポリスチレン等へのポリマーブレンド用材料等として広く用いられている。
このような不飽和エチレン性共重合体のなかでも、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体は、その他の不飽和エチレン性共重合体に比べて、加硫速度が速いので、特に広く用いられている。しかしながら、従来、知られている不飽和エチレン性共重合体は、例えば、上記エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体であっても、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム等の通常のジエン系ゴムに比べて、加硫速度が遅く、ジエン系ゴムとの共加硫性に劣っている。
また、従来の不飽和エチレン性共重合体は、加硫速度が遅いので、加硫時間を短く、或いは加硫温度を低くし、加硫時の消費エネルギー量を低減して、加硫ゴムを生産性よく製造することが困難である。
そこで、本発明は、従来の不飽和エチレン性共重合体における上述した問題を解決するためになされたものであって、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンと共重合させて、不飽和エチレン性共重合体とした場合に、耐候性、耐熱性及び耐オゾン性にすぐれ、しかも加硫速度の速い不飽和エチレン性共重合体ゴムを与えるポリエン化合物、詳しくは、分岐鎖状ポリエン化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明による分岐鎖状ポリエン化合物は、一般式(I)
Figure 0003987865
(式中、fは1〜5の整数を示し、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R3は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基又は一般式(II)
Figure 0003987865
(式中、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、nは1〜5の整数を示す。但し、R4、R5及びR6は同時に水素原子であることはない。)
で表されるアルケニル基を示す。但し、R1、R2及びR3が同時に水素原子であることはない。)
で表される。
上記一般式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が炭素数1〜5のアルキル基であるとき、そのようなアルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec −ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基等を挙げることができる。本発明においては、R1、R2、R3、R4、R5及びR6がアルキル基であるとき、そのようなアルキル基としては、特に、炭素数1〜3であることが好ましく、特に、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
本発明による新規な分岐鎖状ポリエン化合物は、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンと共重合させることによって、耐候性、耐熱性及び耐オゾン性にすぐれ、しかも、加硫速度の速い不飽和性エチレン系共重合体を得ることができる。
本発明による分岐鎖状ポリエン化合物の好ましい第1は、一般式(I)
Figure 0003987865
(式中、fは1〜5の整数を示し、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。但し、R1、R2及びR3が同時に水素原子であることはない。)
で表される。
特に、本発明によれば、R1及びR2がそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキルであり、R3が炭素数1〜5のアルキル基であるのが好ましい。
更に、本発明によれば、R1、R2及びR3がアルキル基であるとき、そのようなアルキル基は、好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基であり、特に好ましくは、メチル基又はエチル基である。また、fは、好ましくは、2〜5の整数である。従って、本発明による第1の分岐鎖状ポリエン化合物の具体例として、次のような化合物を挙げることができる。
Figure 0003987865
Figure 0003987865
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次に、本発明による分岐鎖状ポリエン化合物の好ましい第2は、一般式(I')
Figure 0003987865
(式中、fは1〜5の整数を示し、nは1〜5の整数を示し、R1、R2、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。但し、R4、R5及びR6は同時に水素原子であることはない。)
で表される。
ここに、R1、R2、R4、R5及びR6がアルキル基であるときは、そのようなアルキルは、好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基であり、特に好ましくは、メチル基又はエチル基である。また、fは、好ましくは、1〜3の整数であり、nは、好ましくは、2〜4の整数である。
従って、本発明による第2の分岐鎖状ポリエン化合物の具体例として、次のような化合物を挙げることができる。
Figure 0003987865
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このような本発明による第1及び第2の分岐鎖状ポリエン化合物の構造は、いずれも、質量分析、赤外線吸収スペクトル、プロトンNMRスペクトル等を測定することによって決定することができる。
このような本発明による分岐鎖状ポリエン化合物は、通常、立体異性構造、即ち、トランス体とシス体とを有する。本発明による化合物は、これを不飽和エチレン性共重合体ゴムの製造に用いる場合は、そのような立体異性構造の混合物を用いることができる。しかし、いずれかの立体異性体を単独で用いてもよい。
本発明による分岐鎖状ポリエン化合物は、本発明に従って、エチレンと一般式(III)
Figure 0003987865
(式中、fは1〜5の整数を示し、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R3は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基又は一般式(II)
Figure 0003987865
(式中、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、nは1〜5の整数を示す。但し、R4、R5及びR6は同時に水素原子であることはない。)
で表されるアルケニル基を示す。但し、R1、R2及びR3が同時に水素原子であることはない。)
で表される共役ジエン化合物とを反応させることによって得ることができる。
特に、本発明によれば、前記第1の分岐鎖状ポリエン化合物は、エチレンと一般式(III)
Figure 0003987865
(式中、fは1〜5の整数を示し、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。但し、R1、R2及びR3が同時に水素原子であることはない。)
で表される共役ジエン化合物とを反応させることによって得ることができる。
このような共役ジエン化合物としては、具体的には、例えば、次のようなものを挙げることができる。
Figure 0003987865
Figure 0003987865
Figure 0003987865
また、本発明によれば、前記第2の分岐鎖状ポリエン化合物も、同様にして、エチレンと一般式(IV)
Figure 0003987865
(式中、fは1〜5の整数を示し、R1、R2、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。但し、R4、R5及びR6は同時に水素原子であることはない。)
で表される共役ジエン化合物とを反応させることによって得ることができる。
このような共役ジエン化合物としては、具体的には、例えば、次のようなものを挙げることができる。
Figure 0003987865
本発明による分岐鎖状ポリエン化合物を製造するための上述したような反応においては、分岐鎖状ポリエン化合物は、通常、トランス体とシス体との混合物として得られる。これらは、場合によっては、蒸留によって分離することができる。また、場合によっては、トランス体とシス体のいずれか一方のみが得られることもある。
本発明による第1の分岐鎖状ポリエン化合物の製造においては、上記反応によれば、目的とする分岐鎖状ポリエン化合物と共に、一般式(V)
Figure 0003987865
(式中、fは1〜5の整数を示し、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。但し、R1、R2及びR3が同時に水素原子であることはない。)
にて表される鎖状ポリエン化合物が副生することもある。また、本発明による第2の分岐鎖状ポリエン化合物の製造においても、前記反応によれば、目的とする分岐鎖状ポリエン化合物と共に、一般式(VI)
Figure 0003987865
(式中、fは1〜5の整数を示し、nは1〜5の整数を示し、R1、R2、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。但し、R4、R5及びR6が同時に水素原子であることはない。)
にて表される鎖状ポリエン化合物が副生することもある。
これらの副生物は、必要に応じて、蒸留によって目的とする分岐鎖状ポリエン化合物から分離することができる。しかし、本発明による分岐鎖状ポリエン化合物を不飽和エチレン性共重合体ゴムの製造に用いるに際しては、本発明による分岐鎖状ポリエン化合物とそのような副生物との混合物を用いても、実用上、何ら支障はない。
本発明による分岐鎖状ポリエン化合物の製造のためのエチレンと上記共役ジエン化合物との反応は、用いる共役ジエン化合物によっても異なるが、好ましくは、密閉した反応容器に共役ジエン化合物を仕込み、必要に応じて、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下に、50〜200℃、好ましくは、70〜150℃の範囲の温度にて、エチレンを0.5〜100kg/cm2 、好ましくは、1〜50kg/cm2 の圧力下に反応容器に加え、0.5〜30時間程度、反応させることによって行われる。エチレンは、反応容器に連続して加えてもよく、また、間欠的に加えてもよい。
上記エチレンと共役ジエン化合物との反応において、反応溶媒は、特に用いる必要はないが、しかし、用いてもよい。この場合、反応溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒を好ましく用いることができる。しかし、これらに限定されるものではない。
本発明によれば、上記エチレンと共役ジエン化合物との反応は、好ましくは、遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物とを反応させて得られる触媒の存在下に行われる。上記遷移金属化合物としては、例えば、鉄、ルテニウム等の鉄族、コバルト、ロジウム、イリジウム等のコバルト族、ニッケル、パラジウム等のニッケル族の金属の塩化物、臭化物、アセチルアセトナート塩、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトナート塩、ジピバロイルメタン塩等を挙げることができる。これらのなかでは、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム又はパラジウムの化合物が好ましく、特に、コバルトの化合物が好ましい。最も好ましい触媒として、塩化コバルトを挙げることができる。
このような遷移金属化合物は、そのままでも、触媒の調製のための反応に用いることができるが、しかし、触媒の調製に際しては、遷移金属化合物は、これに有機配位子が配位した遷移金属錯体として用いることが有利である。即ち、この遷移金属化合物と共に、遷移金属の配位子となり得る有機化合物、即ち、配位化合物を反応系に共存させるか、又は予め遷移金属化合物と配位化合物とから遷移金属錯体を調製して用いるのが好ましい。
このような配位子となり得る化合物としては、例えば、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、シクロオクタジエン、シクロオクタテトラエン等を挙げることができる。
また、予め遷移金属化合物に有機配位子を配位させた遷移金属錯体としては、例えば、〔1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン〕コバルト(II)クロリド、〔1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン〕ニッケル(II)クロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)クロリド等を挙げることができる。
有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、塩化ジメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、二塩化エチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等を挙げることができる。これらのなかでは、特に、トリエチルアルミニウムが好ましく用いられる。これらの有機アルミニウムは、そのまま用いることができるが、また、トルエン溶液やヘキサン溶液として用いることもできる。
本発明において、用いる触媒の量は、通常、上記遷移金属化合物が共役ジエン化合物に対して、0.001〜10モル%、好ましくは、0.01〜1モル%の範囲となるように用いられる。また、配位化合物は、遷移金属化合物に対して、通常、20倍モル量以下、好ましくは、0.1〜5倍モル量の範囲で用いられる。他方、有機アルミニウム化合物は、遷移金属化合物に対して、1〜200倍モル、好ましくは、3〜100倍モルの範囲で用いられる。予め調製した遷移金属錯体を用いる場合、遷移金属錯体は、共役ジエン化合物に対して、0.001〜10モル%、好ましくは、0.01〜1モル%の範囲となるように用いられる。
本発明によれば、触媒は、エチレンと共役ジエンとを含む反応系において、遷移金属化合物(又は遷移金属錯体)と有機アルミニウム化合物とをその場で反応させて、調製してもよいが、しかし、予め、遷移金属化合物(又は遷移金属錯体)と有機アルミニウム化合物とを反応させ、得られた反応生成物を触媒として用いることが好ましい。
即ち、触媒は、例えば、不活性雰囲気下、前記反応溶剤と同じ溶剤中、例えば、デカン中で遷移金属化合物と配位化合物とを室温で混合した後、これに有機アルミニウム化合物を加え、室温で攪拌することによって、調製することができる。勿論、同様にして、遷移金属錯体に有機アルミニウム化合物を反応させてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
A.第1の分岐鎖状ポリエン化合物の製造
実施例1
(触媒の調製)
アルゴン雰囲気下、磁気攪拌子を入れた50mL容量のフラスコ中に、無水塩化コバルト(II)43mg(0.33ミリモル)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン263mg(0.66ミリモル)及び無水デカン23mLとを仕込み、25℃で2時間、攪拌した。次いで、この温度において、濃度1モル/Lのトリエチルアルミニウムのトルエン溶液17mL(トリエチルアルミニウム17ミリモル)を加え、更に、2時間攪拌して、触媒を調製した。
(4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエンの合成)
300mL容量のステンレス(SUS316)製オートクレーブにアルゴン雰囲気下、7−メチル−3−メチレン−1,6−オクタジエン(β−ミルセン)100g(734ミリモル)と上記触媒全量を仕込み、密閉した。次いで、オートクレーブ内に圧力が35kg/cm2 になるまでエチレンを導入し、この後、95℃に加熱して、反応を行った。この間、消費されたエチレンを間欠的に5回補充して、合計で15時間、反応を行った。
反応終了後、オートクレーブ内を冷却した後、開放し、得られた反応混合物を水100mL中に注いで、有機層と水層とを分離させた。そこで、この有機層を分液し、エバポレータにて低沸点成分を除去した後、20段の充填塔で精密減圧蒸留を行って、目的とする4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン83gを得た(収率69%、β−ミルセン転化率90%)。反応副生物として、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン16gが得られた(収率13%)。
沸点:103〜105℃/30mmHg
GC−MS(ガスクロマトグラフィー質量分析):164(M+)、149、123、95、69、41、27
(ガスクロマトグラフィー測定条件:
カラム:J&Wサイエンティフィク社製キャピラリカラムDB−1701
0.25mm×30m
気化温度:250℃
カラム温度:60℃で5分間保持後、200℃まで10℃/分で昇温)
赤外線吸収スペクトル(ニート、cm-1):3080、2975、2925、2850、1670、1640、1440、1380、1235、1110、995、910、830
プロトンNMRスペクトル(溶媒CDCl3、ppm)
1.59(3H, doublet,J=7Hz)
1.60(3H, singlet)
1.68(3H, singlet)
2.00(2H, multiplet)
2.06(2H, multiplet)
2.80(2H, doublet,J=7Hz)
4.9〜5.2(3H, multiplet)
5.30(1H, quartet,J=7Hz)
5.75(1H, multiplet)
実施例2
実施例1と同様のフラスコにアルゴン雰囲気下に〔1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン〕コバルト(II)クロリド174mg(0.33ミリモル)と無水デカン23mLとを仕込み、25℃で2時間、攪拌した。次いで、この温度において、濃度1モル/Lのトリエチルアルミニウムのトルエン溶液17mL(トリエチルアルミニウム17ミリモル)を加え、更に、2時間攪拌して、触媒を調製した。
実施例1において、上記触媒を用いた以外は、実施例1と同様にして、反応を行なって、β−ミルセン転化率88%にて、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエンを収率65%にて得ると共に、副生物として、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンを収率12%で得た。
実施例3
実施例1と同様のフラスコにアルゴン雰囲気下に〔1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン〕ニッケル(II)クロリド174mg(0.33ミリモル)と無水デカン23mLとを仕込み、25℃で2時間、攪拌した。次いで、この温度において、濃度1モル/Lのトリエチルアルミニウムのトルエン溶液17mL(トリエチルアルミニウム17ミリモル)を加え、更に、2時間攪拌して、触媒を調製した。
実施例1において、上記触媒を用いた以外は、実施例1と同様にして、反応を行って、β−ミルセン転化率57%にて、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエンを収率41%にて得ると共に、副生物として、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンを収率10%で得た。
実施例4
実施例1と同様のフラスコにアルゴン雰囲気下に鉄(III)アセチルアセトナト塩117mg(0.33ミリモル)と無水デカン23mLとを仕込み、25℃で2時間、攪拌した。次いで、この温度において、濃度1モル/Lのトリエチルアルミニウムのトルエン溶液17mL(トリエチルアルミニウム17ミリモル)を加え、更に、2時間攪拌して、触媒を調製した。
実施例1において、上記触媒を用いた以外は、実施例1と同様にして、反応を行って、β−ミルセン転化率35%にて、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエンを収率17%にて得ると共に、副生物として、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンを収率8%で得た。
実施例5
(4−エチリデン−10,11−ジメチル−1,10−トリデカジエンの合成)
300mL容量のステンレス(SUS316)製オートクレーブに窒素雰囲気下、9,10−ジメチル−3−メチレン−1,9−ドデカジエン103g(500ミリモル)と〔1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン〕コバルト(II)クロリド174mg(0.33ミリモル)と濃度1モル/Lのトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液15mL(トリエチルアルミニウム15ミリモル)とを仕込み、室温で30分間、攪拌して、触媒を調製した後、密閉した。
次いで、オートクレーブ内に圧力が10kg/cm2 になるまでエチレンを導入し、この後、徐々に80℃まで加熱して、反応を行った。この間、消費されたエチレンを間欠的に2回補充して、合計で2時間、反応を行った。
反応終了後、オートクレーブ内を冷却した後、開放し、得られた反応混合物を水100mL中に注いで、有機層と水層とを分離させた。そこで、この有機層を分液し、エバポレータにて低沸点成分を除去した後、20段の充填塔で精密減圧蒸留を行って、目的とする4−エチリデン−10,11−ジメチル−1,10−トリデカジエン84gを得た(収率72%、原料転化率95%)。反応副生物として、目的物の異性体である5,11,12−トリメチル−1,4,11−テトラデカトリエン18gが得られた(収率15%)。
沸点:123〜125℃/2mmHg
電界脱離質量分析(FD−MS):234(M+
プロトンNMRスペクトル(溶媒CDCl3、ppm)
1.00(3H, triplet,J=7Hz)
1.3〜1.5(6H, multiplet)
1.58(3H, doublet,J=7Hz)
1.60(3H, singlet)
1.63(3H, singlet)
1.9〜2.1(6H, multiplet)
2.80(2H, doublet,J=7Hz)
4.9〜5.1(2H, multiplet)
5.30(1H, quartet,J=7Hz)
5.75(1H, multiplet)
B.第2の分岐鎖状ポリエン化合物の製造
実施例1
(触媒の調製)
アルゴン雰囲気下、磁気攪拌子を入れた300mL容量のフラスコ中に、予め調製した〔1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン〕コバルト(II)クロリド1.05g(2.00ミリモル)と無水デカン100mLとを仕込み、25℃で30分間、攪拌した。次いで、この温度において、濃度1モル/Lのトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液100mL(トリエチルアルミニウム100ミリモル)を加え、更に、2時間攪拌して、触媒を調製した。
(4−エチリデン−8,12−ジメチル−1,7,11−トリデカトリエンの合成)
1リットル容量のステンレス(SUS316)製オートクレーブにアルゴン雰囲気下、7,11−ジメチル−3−メチレン−1,6,10−ドデカトリエン(β−ファルネセン、東京化成工業(株)製)204.3g(1.00モル)と上記触媒全量を仕込み、密閉した。次いで、オートクレーブ内に圧力が10kg/cm2 になるまでエチレンを導入し、この後、95℃に加熱して、反応を行った。この間、消費されたエチレンを間欠的に8回補充して、合計で15時間、反応を行った。
反応終了後、オートクレーブ内を冷却した後、開放し、得られた反応混合物を水300mL中に注いで、有機層と水層とを分離させた。そこで、この有機層を分液し、エバポレータにて低沸点成分を除去した後、20段の充填塔で減圧蒸留を行って、目的とする4−エチリデン−8,12−ジメチル−1,7,11−トリデカトリエン153gを無色液体として得た(収率66%、β−ファルネセン転化率90%)。反応副生物として、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカトリエン26gが得られた(収率11%)。
沸点:116〜125℃/2mmHg(4−エチリデン−8,12−ジメチル−1,7,11−トリデカトリエンと5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカテトラエンの混合物としての沸点)
ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS):232(M+)、217、189、163、148、121、107、95、81、69
(ガスクロマトグラフィー測定条件:
カラム:J&Wサイエンティフィク社製キャピラリカラムDB−1701 0.25mm×30m
カラム温度:40℃で5分保持後、5℃/分で200℃まで昇温
注入温度:250℃
検出温度:300℃(FID検出器)
赤外線吸収スペクトル(ニート、cm-1):3070、2960、2920、2850、1670、1640、1440、1380、1235、1150、1105、995、960、910、830
プロトンNMRスペクトル(溶媒:CDCl3、ppm):
1.58(3H, doublet,J=7Hz)
1.60(6H, singlet)
1.69(3H, singlet)
2.01(8H, multiplet)
2.78(2H, doublet,J=7Hz)
4.9〜6.0(6H, multiplet)
実施例2
実施例1と同様のフラスコ中、アルゴン雰囲気下に無水塩化(II)コバルト0.26g(2.00ミリモル)を無水デカン100mL中に25℃で縣濁させ、これに1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン1.59g(4.00ミリモル)を加え、25℃で2時間攪拌し、次いで、これにトリエチルアルミニウムの1モル/L濃度のヘキサン溶液100mL(トリエチルアルミニウム100ミリモル)を25℃で加え、更に、2時間攪拌して、触媒を調製した。
このようにして調製した触媒を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行って、β−ファルネセン転化率87%にて、4−エチリデン−8,12−ジメチル−1,7,11−トリデカトリエンを収率60%にて得ると共に、副生物として、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカテトラエンを収率8%で得た。
実施例3
実施例1において、遷移金属錯体として、〔1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン〕ニッケル(II)クロリド1.05g(2.00ミリモル)を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行った。その結果、β−ファルネセン転化率61%にて、4−エチリデン−8,12−ジメチル−1,7,11−トリデカトリエンを収率43%にて得ると共に、副生物として、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカテトラエンを収率7%で得た。
実施例4
(4−エチリデン−6,12−ジメチル−1,6,12−テトラデカトリエンの合成)
300mL容量のステンレス(SUS316)製オートクレーブに窒素雰囲気下、無水の5,11−ジメチル−3−メチレン−1,5,11−トリデカトリエン44g(200ミリモル)と〔1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン〕コバルト(II)クロリド53mg(0.10ミリモル)と濃度1モル/Lのトリエチルアルミニウムのトルエン溶液5mL(トリエチルアルミニウム5ミリモル)とを仕込み、室温で30分間、攪拌して、触媒を調製した後、密閉した。
次いで、オートクレーブ内に圧力が10kg/cm2 になるまでエチレンを導入し、この後、徐々に70℃まで加熱して、反応を行った。この間、消費されたエチレンを間欠的に3回補充して、合計で6時間、反応を行った。反応終了後、オートクレーブ内を冷却した後、開放し、得られた反応混合物を水100mL中に注いで、有機層と水層とを分離させた。そこで、この有機層を分液し、エバポレータにて低沸点成分を除去した後、20段の充填塔で精密減圧蒸留を行って、目的とする4−エチリデン−6,12−ジメチル−1,6,12−テトラデカトリエン37gを得た(収率75%、原料転化率95%)。反応副生物として、目的物の異性体である5,7,13−トリメチル−1,4,7,13−ペンタデカテトラエン6gが得られた(収率12%)。
沸点:125〜127℃/1mmHg
電界脱離質量分析(FD−MS):246(M+
プロトンNMRスペクトル(溶媒CDCl3、ppm)
1.3〜1.4(4H, multiplet)
1.58(6H, doublet,J=7Hz)
1.60(3H, singlet)
1.65(3H, singlet)
1.9〜2.1(4H, multiplet)
2.7〜2.8(4H, multiplet)
4.9〜5.2(4H, multiplet)
5.32(1H, quartet,J=7Hz)
5.77(1H, multiplet)
実施例5
(4−エチリデン−9,14−ジメチル−1,8,13−ペンタデカトリエンの合成)
300mL容量のステンレス(SUS316)製オートクレーブに窒素雰囲気下、無水の8,13−ジメチル−3−メチレン−1,7,12−テトラデカトリエン46g(200ミリモル)と〔1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン〕コバルト(II)クロリド106mg(0.20ミリモル)と濃度1モル/Lのトリエチルアルミニウムのトルエン溶液5mL(トリエチルアルミニウム5ミリモル)とを仕込み、室温で30分間、攪拌して、触媒を調製した後、密閉した。
次いで、オートクレーブ内に圧力が10kg/cm2 になるまでエチレンを導入し、この後、徐々に80℃まで加熱して、反応を行った。この間、消費されたエチレンを間欠的に3回補充して、合計で6時間、反応を行った。反応終了後、オートクレーブ内を冷却した後、開放し、得られた反応混合物を水100mL中に注いで、有機層と水層とを分離させた。そこで、この有機層を分液し、エバポレータにて低沸点成分を除去した後、20段の充填塔で精密減圧蒸留を行って、目的とする4−エチリデン−9,14−ジメチル−1,8,13−ペンタデカトリエン40gを得た(収率77%、原料転化率100%)。反応副生物として、目的物の異性体である5,10,15−トリメチル−1,4,9,14−ヘキサデカテトラエン6.8gが得られた(収率13%)。
沸点:133〜136℃/1mmHg
電界脱離質量分析(FD−MS):260(M+
プロトンNMRスペクトル(溶媒CDCl3、ppm)
1.3〜1.4(4H, multiplet)
1.58(3H, doublet,J=7Hz)
1.60(6H, singlet)
1.68(3H, singlet)
1.9〜2.2(8H, multiplet)
2.77(2H, doublet,J=7Hz)
4.9〜5.2(4H, multiplet)
5.30(1H, quartet,J=7Hz)
5.74(1H, multiplet)

Claims (2)

  1. 4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン。
  2. 4−エチリデン−10,11−ジメチル−1,10−トリデカジエン。
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