JP3894972B2 - 分岐鎖状ポリエン化合物の製造方法 - Google Patents

分岐鎖状ポリエン化合物の製造方法 Download PDF

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な分岐鎖状ポリエン化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ポリエン化合物とは、1分子中に炭素−炭素二重結合を2個以上有する炭化水素化合物をいい、従来、数多くのものが知られている。このようなポリエン化合物として、例えば、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等が知られている。
【0003】
このようなポリエン化合物と、例えば、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンとを共重合させることによって、加硫可能な不飽和性共重合体を得ることができ、このような不飽和性エチレン系共重合体は、耐候性、耐熱性、耐オゾン性等にすぐれているところから、自動車工業部品、工業用ゴム製品、電気絶縁材料、土木建材用品、ゴム引布等のゴム製品として、また、ポリプロピレン、ポリスチレン等へのポリマーブレンド用材料等として広く用いられている。
【0004】
このような不飽和性エチレン系共重合体のなかでも、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体は、その他の不飽和性エチレン系共重合体に比べて、加硫速度が速いので、特に広く用いられている。
しかしながら、従来、知られている不飽和性エチレン系共重合体は、例えば、上記エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体であっても、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム等の通常のジエン系ゴムに比べて、加硫速度が遅く、ジエン系ゴムとの共加硫性に劣っている。
【0005】
また、従来の不飽和性エチレン系共重合体は、加硫速度が遅いので、加硫時間を短く、或いは加硫温度を低くし、加硫時の消費エネルギー量を低減して、加硫ゴムを生産性よく製造することが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、従来の不飽和性エチレン系共重合体における上述した問題を解決するためになされたものであって、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンと共重合させて、不飽和性エチレン系共重合体とした場合に、耐候性、耐熱性及び耐オゾン性にすぐれ、しかも、加硫速度の速い不飽和性エチレン系共重合体ゴムを与える新規な分岐鎖状ポリエン化合物の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、エチレンと一般式(I)
【0008】
【化6】
Figure 0003894972
【0009】
(式中、fは1〜5の整数を示し、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R3は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基又は一般式(II)
【0010】
【化7】
Figure 0003894972
【0011】
(式中、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、nは1〜5の整数を示す。但し、R4、R5及びR6は同時に水素原子であることはない。)
で表わされるアルケニル基を示す。但し、R1、R2及びR3は同時に水素原子であることはない。)
で表わされる共役ジエン化合物を遷移金属のチオシアン酸塩と有機アルミニウムとを含む触媒の存在下に反応させることによって、一般式(III)
【0012】
【化8】
Figure 0003894972
【0013】
(式中、f、R1、R2及びR3は前記と同じである。)
で表わされる分岐鎖状ポリエン化合物を製造する方法が提供される。
特に、本発明によれば、前記一般式(I)で表わされる共役ジエン化合物において、R3が前記一般式(II)で表わされるアルケニル基であるときは、エチレンと一般式(I')
【0014】
【化9】
Figure 0003894972
【0015】
(式中、fは1〜5の整数を示し、n1〜5の整数を示し、R1、R2、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。但し、R4、R5及びR6は同時に水素原子であることはない。)
で表わされる共役ジエン化合物を遷移金属のチオシアン酸塩と有機アルミニウムとを含む触媒の存在下に反応させることによって、一般式(III')
【0016】
【化10】
Figure 0003894972
【0017】
(式中、f、n、R1、R2、R4、R5及びR6は前記と同じである。)
で表わされる分岐鎖状ポリエン化合物を製造する方法が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の方法において用いる共役ジエン化合物は、前記一般式(I)
【0019】
【化11】
Figure 0003894972
【0020】
(式中、fは1〜5の整数を示し、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R3は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基又は一般式(II)
【0021】
【化12】
Figure 0003894972
【0022】
(式中、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、nは1〜5の整数を示す。但し、R4、R5及びR6は同時に水素原子であることはない。)
で表わされるアルケニル基を示す。但し、R1、R2及びR3は同時に水素原子であることはない。)
で表わされる。
【0023】
上記一般式(I)において、R1、R2又はR3が炭素数1〜5のアルキル基であるとき、そのようなアルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基等を挙げることができる。本発明においては、R1、R2又はR3がアルキル基であるとき、そのようなアルキル基としては、特に、炭素数1〜3であることが好ましく、特に、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
【0024】
特に、本発明において、前記一般式(I)で表わされる共役ジエン化合物において、R3が前記一般式(II)で表わされるアルケニル基であるときは、共役ジエン化合物は、前記一般式(I')で表わされ、R1、R2、R4、R5又はR6が炭素数1〜5のアルキル基であるとき、そのようなアルキル基としても、上述したような具体例を挙げることができ、特に、炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、なかでも、メチル基であることが好ましい。
【0025】
このような一般式(I)で表わされる共役ジエン化合物の具体例として、例えば、次のような化合物を挙げることができる。
【0026】
【化13】
Figure 0003894972
【0027】
【化14】
Figure 0003894972
【0028】
【化15】
Figure 0003894972
【0029】
【化16】
Figure 0003894972
【0030】
これらのなかでは、特に、次式
【0031】
【化17】
Figure 0003894972
【0032】
で表わされる7−メチル−3−メチレン−1,6−オクタジエン(β−ミルセン)や、次式
【0033】
【化18】
Figure 0003894972
【0034】
で表わされる7,11−ジメチル−3−メチレン−1,6,10−ドデカトリエン(β−ファルネセン)等が実用上、好ましく用いられる。
本発明の方法によるエチレンと共役ジエン化合物との反応は、次式で示すことができる。
【0035】
【化19】
Figure 0003894972
【0036】
本発明の方法において、エチレンと上述したような共役ジエン化合物との反応は、共役ジエン化合物の種類によっても異なるが、遷移金属のチオシアン酸塩と有機アルミニウムとを含む触媒の存在下に、通常、30〜200℃、好ましくは、50〜150℃の範囲の温度で、エチレン圧0.5〜100kg/cm2 、好ましくは、2〜70kg/cm2 の圧力下に行なわれる。反応時間は、特に、限定されるものではないが、通常、0.5〜30時間の範囲である。但し、反応雰囲気は、エチレン単独の雰囲気でももよく、また、エチレンと共に窒素やアルゴン等の不活性ガスを含む雰囲気でもよい。
【0037】
上記エチレンと共役ジエン化合物との反応において、反応溶媒は、特に用いる必要はないが、しかし、用いてもよい。この場合、反応溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒を好ましく用いることができる。しかし、これらに限定されるものではない。
【0038】
本発明によれば、エチレンと前記共役ジエン化合物との反応は、遷移金属のチオシアン酸塩と有機アルミニウムとを含む触媒の存在下に行なわれる。
上記遷移金属のチオシアン酸塩としては、具体的には、鉄、ルテニウム等の鉄族、コバルト、ロジウム、イリジウム等のコバルト族、ニッケル、パラジウム等のニッケル族から選ばれる遷移金属のチオシアン酸塩を挙げることができる。これらのなかでは、コバルト(II)チオシアン酸塩又はニッケル(II)チオシアン酸塩等が好ましく、特に、コバルト(II)チオシアン酸塩が好ましく用いられる。
【0039】
このような遷移金属のチオシアン酸塩は、そのままでも、触媒の調製に用いることができるが、しかし、本発明によれば、触媒の調製のためには、遷移金属のチオシアン酸塩は、これに有機配位子が配位した遷移金属錯体として用いることが有利である。即ち、遷移金属のチオシアン酸塩と共に、上記遷移金属の配位子となり得る有機化合物、即ち、配位化合物を反応系に共存させるか、又は予め遷移金属のチオシアン酸塩と上記配位化合物とから遷移金属錯体を調製して、触媒の調製に用いることが好ましい。
【0040】
このような配位子となり得る化合物としては、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスファイト等を挙げることができる。
【0041】
また、予め遷移金属のチオシアン酸塩に有機配位子を配位させた遷移金属錯体としては、例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)コバルト(II)チオシアン酸塩(Ph3P)2Co(SCN)2 等を挙げることができる。
【0042】
有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、塩化ジメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、二塩化エチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等を挙げることができる。これらのなかでは、特に、トリエチルアルミニウムが好ましく用いられる。これらの有機アルミニウムは、そのまま用いることができるが、また、トルエン溶液やヘキサン溶液として用いることもできる。
【0043】
本発明において、用いる触媒の量は、通常、上記遷移金属のチオシアン酸塩が共役ジエン化合物に対して、0.001〜10モル%、好ましくは、0.01〜1モル%の範囲となるように用いられる。また、配位化合物は、遷移金属のチオシアン酸塩に対して、通常、20倍モル量以下、好ましくは、0.1〜10倍モル量の範囲で用いられる。他方、有機アルミニウム化合物は、遷移金属のチオシアン酸塩に対して、通常、1〜200倍モル、好ましくは、3〜100倍モルの範囲で用いられる。
【0044】
予め調製した遷移金属錯体を用いる場合、遷移金属錯体は、共役ジエン化合物に対して、0.001〜10モル%、好ましくは、0.01〜1モル%の範囲となるように用いられる。
【0045】
本発明において、遷移金属のチオシアン酸塩と有機アルミニウムとを含む触媒は、好ましくは、遷移金属のチオシアン酸塩と有機アルミニウムとを反応させることによって得ることができる。このような触媒は、エチレンと共役ジエンとを含む反応系において、遷移金属のチオシアン酸塩(又は遷移金属錯体)と有機アルミニウム化合物とをその場で反応させて、調製してもよく、また、予め、遷移金属のチオシアン酸塩(又は遷移金属錯体)と有機アルミニウム化合物とを反応させ、得られた反応生成物を触媒として用いてもよい。
【0046】
本発明によれば、このようなエチレンと共役ジエン化合物との反応によって、前記一般式(III)で表わされる新規な分岐鎖状ポリエン化合物が得ることができるが、この分岐鎖状ポリエン化合物は、通常、シス体とトランス体との混合物である。このような分岐鎖状ポリエン化合物は、その構造によっては、蒸留によって、シス体とトランス体とを分離することができる。しかし、シス体とトランス体との混合物のままでも、不飽和性エチレン系共重合体の製造に用いることもできることはいうまでもない。
【0047】
本発明によって得られる分岐鎖状ポリエン化合物の構造は、質量分析、赤外線吸収スペクトル、プロトンNMRスペクトル等を測定することによって決定することができる。
更に、エチレンと共役ジエン化合物との反応においては、場合によっては、前記一般式(III)で表わされる分岐鎖状ポリエン化合物と共に、次の一般式(IV)
【0048】
【化20】
Figure 0003894972
【0049】
(式中、f、R1、R2及びR3は前記と同じである。)
で表わされる直鎖状ポリエン化合物が生成することもある。また、共役ジエン化合物がR3として前記一般式(II)で表わされるアルケニル基を有するときは、場合によっては、前記一般式(III') で表わされる分岐鎖状ポリエン化合物と共に、次の一般式(V)
【0050】
【化21】
Figure 0003894972
【0051】
(式中、f、n、R1、R2、R4、R5及びR6は前記と同じである。)
で表わされる直鎖状ポリエン化合物が生成することもある。
【0052】
このような直鎖状ポリエン化合物は、場合によっては、蒸留によって、前記分岐鎖状ポリエン化合物と分離することができるが、しかし、本発明によって得られる分岐鎖状ポリエン化合物は、このような直鎖状ポリエン化合物を含む混合物のままで、不飽和性エチレン系共重合体の製造に用いてもよい。
【0053】
本発明によれば、原料として用いる共役ジエン化合物を適宜に選択することによって、次のような種々の分岐鎖状ポリエン化合物を得ることができる。
【0054】
【化22】
Figure 0003894972
【0055】
【化23】
Figure 0003894972
【0056】
【化24】
Figure 0003894972
【0057】
【化25】
Figure 0003894972
【0058】
【化26】
Figure 0003894972
【0059】
【化27】
Figure 0003894972
【0060】
【化28】
Figure 0003894972
【0061】
【化29】
Figure 0003894972
【0062】
【化30】
Figure 0003894972
【0063】
【化31】
Figure 0003894972
【0064】
【化32】
Figure 0003894972
【0065】
【化33】
Figure 0003894972
【0066】
【化34】
Figure 0003894972
【0067】
【化35】
Figure 0003894972
【0068】
【化36】
Figure 0003894972
【0069】
【化37】
Figure 0003894972
【0070】
【化38】
Figure 0003894972
【0071】
【化39】
Figure 0003894972
【0072】
【化40】
Figure 0003894972
【0073】
【化41】
Figure 0003894972
【0074】
特に、本発明によれば、エチレンと前述した7−メチル−3−メチレン−1,6−オクタジエン(β−ミルセン)とを反応させることによって、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエンを得ることができ、また、エチレンと前述した7,11−ジメチル−3−メチレン−1,6,10−ドデカトリエン(β−ファルネセン)とを反応させることによって、4−エチリデン−8,12−ジメチル−1,7,11−トリデカトリエンを得ることができる。
【0075】
本発明の方法によって得ることができる分岐鎖状ポリエン化合物は、これをエチレン、プロピレン等のα−オレフィンと共重合させることによって、高速加硫が可能であるのみならず、耐候性、耐熱性、耐オゾン性等にもすぐれている不飽和性エチレン系共重合体を得ることができる。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、新規な分岐鎖状ポリエン化合物の製造方法が提供される。このような新規な分岐鎖状ポリエン化合物をエチレン、プロピレン等のα−オレフィンと共重合させることによって、耐候性、耐熱性、耐オゾン性にすぐれ、しかも、加硫速度の速い不飽和性エチレン系共重合体を得ることができる。
【0077】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0078】
実施例1
(4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン(EMN)
【0079】
【化42】
Figure 0003894972
【0080】
の合成)
窒素雰囲気下、攪拌翼を備えた200ml容量のステンレス(SUS316)製オートクレーブに、トリフェニルホスフィン362mg(1.38ミリモル)、無水トルエン9g及びコバルト(II)チオシアン酸塩122mg(0.697ミリモル)を仕込み、室温で1時間攪拌した。次に、7−メチル−3−メチレン−1,6−オクタジエン(β−ミルセン)90.0g(512ミリモル)とトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.93モル/リットル)8.9ml(8.28ミリモル)を加えて、密閉した。
【0081】
この後、オートクレーブにエチレンボンベを直結してエチレンを導入し、オートクレーブ内を10kg/cm2 まで加圧し、80℃に加熱した。消費されたエチレンを間欠的に追加しながら、エチレン圧を7〜10kg/cm2 に維持し、80℃で4時間反応を行なった。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、開放し、得られた反応混合物を水100ml中に注いで、有機層を水層から分離した。この有機層の低沸点物をエバポレーターで除去した後、20段の蒸留塔で精密減圧蒸留を行なった。
【0082】
その結果、目的物であるEMNを40.5g(収率48%、β−ミルセン転化率71%)得た。また、反応副生物として、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン14.9g(収率18%)を得た。
【0083】
反応混合物のガスクロマトグラフ測定条件
カラム:J&Wサイエンティフィク社製キャピラリカラムDB−1701
0.25mm×30m
気化温度:250℃
カラム温度:40℃で5分間保持後、200℃まで5℃/分で昇温
沸点:103〜105℃/30mmHg
GC−MS(ガスクロマトグラフィー質量分析):
164(M+)、149、123、95、69、41、27
(ガスクロマトグラフ測定条件:
カラム:J&Wサイエンティフィク社製キャピラリカラムDB−1701
0.25mm×30m
気化温度:250℃
カラム温度:60℃で5分間保持後、200℃まで10℃/分で昇温)
【0084】
赤外線吸収スペクトル(ニート、cm-1
3080、2975、2925、2850、1670、1640、1440、1380、1235、1110、995、910、830
プロトンNMRスペクトル(溶媒CDCl3、ppm)
1.59(3H, doublet, J=7Hz)
1.60(3H, singlet)
1.68(3H, singlet)
2.00(2H, multiplet)
2.06(2H, multiplet)
2.80(2H, doublet, J=7Hz)
4.9〜5.2(3H, multiplet)
5.30(1H, quartet, J=7Hz)
5.75(1H, multiplet)
【0085】
実施例2
(4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン(EMN)の合成)
文献(Journal of Organic Chemistry、第60巻、第4255頁、1995年)の記載に従って、ビス(トリフェニルホスフィン)コバルト(II)チオシアン酸塩を調製した。
【0086】
実施例1において、上記ビス(トリフェニルホスフィン)コバルト(II)チオシアン酸塩484mg(1.38ミリモル)を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行なった。
その結果、目的物であるEMNを47.9g(収率57%、β−ミルセン転化率81%)得た。また、反応副生物として、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン16.8g(収率20%)を得た。
【0087】
実施例3
(4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン(EMN)の合成)
実施例1において、トリフェニルホスフィンに代えて、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン278mg(0.697ミリモル)を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行なった。
その結果、目的物であるEMNを52.9g(収率63%、β−ミルセン転化率89%)得た。また、反応副生物として、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンが18.5g(収率22%)を得た。
【0088】
実施例4
(4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン(EMN)の合成)
実施例1において、コバルト(II)チオシサン酸塩に代えて、ニッケル(II)チオシアン酸塩122mg(0.697ミリモル)を用いた以外は、実施例1と同様に反応を行なった。
その結果、目的物であるEMNを27.7g(収率33%、β−ミルセン転化率46%)得た。また、反応副生物として、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン6.7g(収率8%)を得た。
【0089】
実施例5
(4−エチリデン−8,12−ジメチル−1,7,11−トリデカトリエン(EDT)
【0090】
【化43】
Figure 0003894972
【0091】
の合成)
窒素雰囲気下、攪拌翼を備えた200ml容量のステンレス(SUS316)製オートクレーブに、予め調製したビス(トリフェニルホスフィン)コバルト(II)チオシアン酸塩351mg(1.00ミリモル)と無水トルエン6gとを仕込み、室温で1時間攪拌した。次に、7,11−ジメチル−3−メチレン−1,6,11−ドデカトリエン(β−ファルネセン)100.0g(489ミリモル)、トリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.93モル/リットル)10.8ml(10ミリモル)を加えて密閉した。
【0092】
この後、オートクレーブにエチレンボンベを直結してエチレンを導入し、オートクレーブ内を10kg/cm2 まで加圧し、100℃に加熱した。消費されたエチレンを間欠的に追加しながら、エチレン圧を7〜12kg/cm2 に維持し、100℃で4時間反応を行なった。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、開放し、得られた反応混合物を水100ml中に注いで、有機層を水層から分離した。この有機層の低沸点物をエバポレーターで除去した後、20段の蒸留塔で精密減圧蒸留を行なった。
【0093】
その結果、目的物であるEDTを48.9g(収率43%、β−ファルネセン転化率62%)得た。また、反応副生物として、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカトリエン13.6g(収率12%)を得た。
【0094】
沸点:116〜125℃/2mmHg(4−エチリデン−8,12−ジメチル−1,7, 11−トリデカトリエンと5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカトリエンの混合物としての沸点)
ガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS):
232(M+)、217、189、163、148、121、107、95、81、69
(ガスクロマトグラフ測定条件:
カラム:J&Wサイエンティフィク社製キャピラリカラムDB−1701
0.25mm×30m
カラム温度:40℃で5分保持後、5℃/分で200℃まで昇温
注入温度 :250℃
検出温度 :300℃(FID検出器)
【0095】
赤外線吸収スペクトル(ニート、cm-1
3070、2960、2920、2850、1670、1640、1440、1380、1235、1150、1105、995、960、910、830
プロトンNMRスペクトル(溶媒:CDCl3、ppm):
1.58(3H, doublet, J=7Hz)
1.60(6H, singlet)
1.69(3H, singlet)
2.01(8H, multiplet)
2.78(2H, doublet, J=7Hz)
4.9〜6.0(6H, multiplet)

Claims (7)

  1. エチレンと一般式(I)
    Figure 0003894972
    (式中、fは1〜5の整数を示し、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R3は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基又は一般式(II)
    Figure 0003894972
    (式中、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、nは1〜5の整数を示す。但し、R4、R5及びR6は同時に水素原子であることはない。)
    で表わされるアルケニル基を示す。但し、R1、R2及びR3は同時に水素原子であることはない。)
    で表わされる共役ジエン化合物をコバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル及びパラジウムから選ばれるいずれか1種の遷移金属のチオシアン酸塩と有機アルミニウムとを含む触媒の存在下に反応させることを特徴とする一般式(III)
    Figure 0003894972
    (式中、f、R1、R2及びR3は前記と同じである。)
    で表わされる分岐鎖状ポリエン化合物の製造方法。
  2. エチレンと一般式(I')
    Figure 0003894972
    (式中、fは1〜5の整数を示し、n1〜5の整数を示し、R1、R2、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。但し、R4、R5及びR6は同時に水素原子であることはない。)
    で表わされる共役ジエン化合物をコバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル及びパラジウムから選ばれるいずれか1種の遷移金属のチオシアン酸塩と有機アルミニウムとを含む触媒の存在下に反応させることを特徴とする一般式(III')
    Figure 0003894972
    (式中、f、n、R1、R2、R4、R5及びR6は前記と同じである。)
    で表わされる分岐鎖状ポリエン化合物の製造方法。
  3. 共役ジエン化合物が7−メチル−3−メチレン−1,6−オクタジエンである請求項1記載の分岐鎖状ポリエン化合物の製造方法。
  4. 共役ジエン化合物が7,11−ジメチル−3−メチレン−1,6,10−ドデカトリエンである請求項2記載の分岐鎖状ポリエン化合物の製造方法。
  5. 遷移金属のチオシアン酸塩がコバルトのチオシアン酸塩又はニッケルのチオシアン酸塩である請求項1又は2に記載の分岐鎖状ポリエン化合物の製造方法。
  6. 遷移金属のチオシアン酸塩がコバルト(II)チオシアン酸塩である請求項1又は2に記載の分岐鎖状ポリエン化合物の製造方法。
  7. 有機アルミニウムがトリエチルアルミニウムである請求項1又は2に記載の分岐鎖状ポリエン化合物の製造方法。
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