JP3987217B2 - 外装用建材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候性、耐水性、耐アルカリ性に優れる外装用建材及びその製造方法に関し、更に詳しくは、窯業系外装建材に塗布した塗布層の層間剥離が無く、該窯業系外装建材からのエフロの析出が少なく、耐候性、耐水性及び耐久性に優れ、長期にわたって美観を保持することができる外装用建材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
外装用建材は、多様な環境に常時暴露されているため、耐候性、耐水性等の物性が高い水準で要求される。さらに、最近の建築様式では、品質の安定化や工期短縮のためプレハブ化が一段と進み、サイディングボードや新生瓦等の窯業系外装建材が多く用いられるようになってきている。これらの窯業系外装建材としては、工場ラインで塗装されるものや建築現場で塗装されるものがある。これらの内、建築現場で塗装されるものは、塗装前の養生や周辺への配慮が必要であるという欠点がある。その一方、工場ラインで塗装されるものは、そのような欠点がない上、品質が安定しており高耐候性塗料が塗工できるという利点がある。このため、近時、窯業系外装建材としては、工場ラインで塗装されるものの比率が増している。
【0003】
前記工場ラインで塗装される窯業系外装建材に用いられる塗料としては、溶剤系塗料と、水性塗料とがあるが、これらの中でも、水性の塗料、特に合成樹脂エマルジョン系塗料は、溶剤系塗料に比べて作業時の安全性が高い、ポリマーの分子量が高く耐候性が期待できる、等の点で注目されてきている。
しかしながら、合成樹脂エマルジョン系塗料の場合、乳化剤を含有していること、エマルジョン粒子の融着を経て造膜がなされること、等の点から、その塗布層の耐候性、耐水性及び耐久性が、市場の要求に対して不十分であるという問題があった。
【0004】
この問題を改善するするため、疎水性が高く、耐候性の高い単量体を使用する、等の工夫もなされてきている。
しかし、このような単量体を使用した場合、以下の問題がある。即ち、工場ラインでの塗装の場合、使用する塗料、特にトップコートの物性を最大限に発揮させるため、その下に、下塗り塗料やシーラーを塗装しておくのが一般的であるが、疎水性が高く、耐候性の高い単量体による塗料の塗布層は、下塗り塗料による塗布層との密着性が弱く、両層間で剥離が生じ易く、窯業系外装建材とその表面の塗布層とが強固に一体化した外装用建材が得られないという問題がある。また、基材となる窯業系外装建材がセメント系建材である場合には、そこからエフロが析出して、これが塗布層間(上塗り層と下塗り層との間)に侵入して塗布層間の密着性を更に弱めたり、塗布層の最表面まで析出して美観が損なわれるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。本発明は、窯業系外装建材に塗布した塗布層の層間剥離が無く、該窯業系外装建材からのエフロの析出が少なく、耐候性、耐水性及び耐久性に優れ、長期にわたって美観を保持することができる外装用建材の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。即ち、<1> シクロヘキシル基を有するポリマーを含有する水性塗料の塗布層を窯業系外装建材の表面に少なくとも2層有してなり、該塗布層における、最表層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量が、該最表層の直下層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量の0.1〜50倍(モル比)であり、かつ、最表層直下層用の水性塗料を塗布して乾燥させた後、最表層用の水性塗料を塗布して乾燥させることによって、少なくとも2層の層を形成することを特徴とする外装用建材である。
<2> 塗布層における、最表層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量が、該最表層の直下層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量の1〜15倍(モル比)である前記<1>に記載の外装用建材である。
<3> 水性塗料が、(メタ) アクリル酸シクロヘキシルを少なくとも乳化重合して得た合成樹脂エマルジョンを含有する前記<1>又は<2>に記載の外装用建材である。
<4> シクロヘキシル基を有するポリマーを含有する水性塗料の塗布層を窯業系外装建材の表面に少なくとも2層塗工することを含む外装用建材の製造方法であって、該塗布層における、最表層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量が、該最表層の直下層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量の0.1〜50倍(モル比)であり、かつ、最表層直下層用の水性塗料を塗布して乾燥させた後、最表層用の水性塗料を塗布して乾燥させることによって、少なくとも2層の層を形成することを特徴とする外装用建材の製造方法である。
<5> 塗布層における、最表層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量が、該最表層の直下層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量の1〜15倍(モル比)である前記<4>に記載の外装用建材の製造方法である。
<6> 水性塗料が、(メタ) アクリル酸シクロヘキシルを少なくとも乳化重合して得た合成樹脂エマルジョンを含有する前記<4>又は<5>に記載の外装用建材の製造方法である。
【0007】
前記<1>に記載の外装用建材は、シクロヘキシル基を有するポリマーを含有する水性塗料の塗布層を窯業系外装建材の表面に少なくとも2層有してなり、該塗布層における、最表層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量が、該最表層の直下層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量の0.1〜50倍(モル比)であり、かつ、最表層直下層用の水性塗料を塗布して乾燥させた後、最表層用の水性塗料を塗布して乾燥させることによって、少なくとも2層の層を形成することにより、層間密着性に優れかつ耐候性の高い塗布層に表面が保護されており、基材である窯業系外装建材からのエフロが該外装用建材の表面に露出するこがなく、また、耐候性、耐水性及び耐久性に優れる。
【0008】
本発明の好ましい態様による外装用建材は、塗布層における、最表層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量が、該最表層の直下層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量の1〜15倍(モル比)であるので、塗布層の層間密着性により優れる。
【0009】
本発明の別の好ましい態様による外装用建材は、水性塗料が、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルを少なくとも乳化重合して得た合成樹脂エマルジョンを含有するので、高耐候性で透湿度の低い塗布層が、基材である窯業系外装建材の表面に一体形成されており、基材である窯業系外装建材からのエフロが該外装建材の表面に露出することがなく、また、耐候性、耐水性及び耐久性に優れる。
【0010】
前記<4>に記載の外装用建材の製造方法は、シクロヘキシル基を有するポリマーを含有する水性塗料の塗布層を窯業系外装建材の表面に少なくとも2層塗工することを含む外装用建材の製造方法であって、該塗布層における、最表層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量が、該最表層の直下層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量の0.1〜50倍(モル比)であり、かつ、最表層直下層用の水性塗料を塗布して乾燥させた後、最表層用の水性塗料を塗布して乾燥させることによって、少なくとも2層の層を形成するので、得られる外装用建材は、層間密着性に優れかつ耐候性の高い塗布層に表面が保護されており、基材である窯業系外装建材からのエフロが該外装用建材の表面に露出するこがなく、また、耐候性、耐水性及び耐久性に優れる。
【0011】
本発明の好ましい態様による外装用建材の製造方法は、塗布層における、最表層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量が、該最表層の直下層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量の1〜15倍(モル比)であるので、得られる外装用建材における塗布層の層間密着性により優れる。
【0012】
本発明の別の好ましい態様による外装用建材の製造方法は、水性塗料が、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルを少なくとも乳化重合して得た合成樹脂エマルジョンを含有するので、得られる外装用建材において、高耐候性で透湿度の低い塗布層が、基材としての窯業系外装建材の表面に一体形成されており、基材である窯業系外装建材からのエフロが該外装用建材の表面に露出することがなく、また、耐候性、耐水性及び耐久性に優れる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の外装用建材は、水性塗料の塗布層を窯業系外装建材の表面に少なくとも2層有してなり、必要に応じて、プライマー、シーラーによる層等の下地処理層を前記窯業系外装建材と前記塗布層との間などに更に有してなる。本発明の外装用建材は、本発明の外装用建材の製造方法により好適に製造される。
本発明の外装用建材の製造方法は、水性塗料の塗布層を窯業系外装建材の表面に少なくとも2層塗工することを含み、必要に応じて、プライマー、シーラー等の下地処理層用塗料を前記窯業系外装建材と前記塗布層との間などに更に塗工することを含む。
以下、本発明の外装用建材及びその製造方法について説明する。
【0014】
(窯業系外装建材)
前記窯業系外装建材としては、特に制限はなく、屋根瓦、外壁材等の公知のものの中から適宜選択することができる。なお、本発明においては、該窯業系外装建材のことを「基材」と称することがある。
【0015】
(水性塗料の塗布層)
前記水性塗料の塗布層の数としては、少なくとも2層(2層以上)であり、積層した塗布層間の結合強度の制御が容易な点で、2層が好ましい。
なお、本発明において、前記塗布層の内、表面に露出する最表層を「上塗り層」と称し、該最表層の直下層を「下塗り層」と称することがある。前記塗布層の数が2層の場合、前記下塗り層は前記窯業系外装建材に直接、接している。
【0016】
前記塗布層は、前記水性塗料を2層以上に積層塗布し、乾燥することによって形成される。
【0017】
前記水性塗料としては、シクロヘキシル基を有するポリマーを含有する限り、その組成は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記シクロヘキシル基を有するポリマーを含有する合成樹脂エマルジョンに、体質顔料、着色顔料、増粘剤、消泡剤、防腐剤、高沸点溶剤などの添加剤を配合したものなどが好ましい。
【0018】
−合成樹脂エマルジョン−
前記合成樹脂エマルジョンは、例えば、界面活性剤等の公知の乳化剤などを含有する単量体組成物を乳化重合することにより得られる。
【0019】
前記単量体組成物は、(メタ) アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、シクロヘキシル基を有する(メタ) アクリル酸アルキルエステルを少なくとも含有する。
なお、該単量体組成物を乳化重合すると、疎水性が高く、耐候性に優れる、シクロヘキシル基を有するポリマーが形成される。
【0020】
前記シクロヘキシル基を有する(メタ) アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチルシクロヘキシル、アクリル酸メチルシクロヘキシル等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0021】
前記シクロヘキシル基を有する(メタ) アクリル酸アルキルエステルの前記単量体組成物における含有量としては、全モノマーに対し、1重量%以上が好ましく、5〜80重量%がより好ましい。
前記シクロヘキシル基を有する(メタ) アクリル酸アルキルエステルの前記単量体組成物における含有量が、1重量%未満であると、前記上塗り層と前記下塗り層との層間密着性が不良となり、該上塗り層が厳しい外環境に曝された時、剥離し、塗布層の性能が不十分になることがあり、80重量%より多いと、前記上塗り層と前記下塗り層との層間密着性が不十分になることがある。
【0022】
前記(メタ) アクリル酸アルキルエステルとしては、前記シクロヘキシル基を有さず、アルキル基を有していれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、該アルキル基の炭素数が1〜12のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルが好ましい。
前記(メタ) アクリル酸アルキルエステルは、前記合成樹脂エマルジョンのポリマーにおける骨格を形成する単量体として機能する。
【0023】
前記(メタ) アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−,t−,iso−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐候性、耐水性、共重合性の点で、メチルメタクリレート、ブチルアクリレートが好ましい。
【0024】
前記単量体組成物は、前記(メタ) アクリル酸アルキルエステルの外、これに共重合可能な単量体、架橋性単量体などを含有していてもよい。
【0025】
前記共重合可能な単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、具体的には、エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル分枝カルボン酸のビニルエステル(ベオバ)等のビニルエステル類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸ビニルホスフェート、アクリロニトリル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、グリシジルメタアクリレート、2−ヒドロキシアルキルアクリレート、アクリル酸アルコキシエチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0026】
前記架橋性単量体としては、例えば、重合性不飽和基を2個以上有する単量体などが好適に挙げられる。
前記重合性不飽和基を2個以上有する単量体としては、例えば、ジビニル化合物、ジ(メタ)アクリレート化合物、トリ(メタ)アクリレート化合物、テトラ(メタ)アクリレート化合物、ジアリル化合物、トリアリル化合物、テトラアリル化合物などが挙げられ、より具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルアジペート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリットトリ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルジシアヌレート、テトラアリルオキシエタンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0027】
−界面活性剤−
前記界面活性剤は、乳化重合の際の乳化剤として機能し、具体的には、通常のアニオン性又はノニオン性界面活性剤が挙げられ、更に耐水性を向上させる観点から、分子内にラジカル重合可能な不飽和基を1個以上有する界面活性剤を併用するのが好適に挙げられる。
【0028】
前記界面活性剤の使用量としては、全モノマーに対し、0.3〜10重量%であり、1.0〜5.0重量%が好ましい。
前記界面活性剤の使用量が、0.3重量%未満であると、反応系が凝集したり、反応が完結しないことがあり、10重量%より多いと、反応系の粘度が高くなりすぎたり耐水性が低下することがある。
【0029】
前記単量体組成物は、更に、重合開始剤、重合促進剤、連鎖移動剤、水性媒体等を含有していてもよい。
【0030】
−重合開始剤−
前記重合開始剤は、熱又は還元性物質によって、ラジカル分解して前記単量体組成物の付加重合を行わせる機能を有し、水溶性又は油溶性の過硫酸塩、過酸化物及びアゾビス化合物などが挙げられ、具体的には、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、t一ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、アゾビスイゾブチロニトリル(AIBN)、ロンガリット、メタ重亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0031】
−重合促進剤−
前記重合促進剤としては、遷移金属イオンが挙げられ、硫酸第二鉄、塩化第二銅、塩化第二鉄等が好適に挙げられる。
【0032】
−連鎖移動剤−
前記連鎖移動剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択すればよく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、アセトフェノン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド等の炭素数2〜8のカルボン酸類、ドデシルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、ノルマルメルカプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸オクチル、チオグリセロール等のメルカプタン類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0033】
−水性媒体−
前記水性媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、アルコール系水溶液などが挙げられる。
これらの中でも、取扱面、コスト面等の点で、水が好ましい。前記水としては、水道水、イオン交換水などのいずれであってもよい。
【0034】
−乳化重合−
前記単量体組成物の乳化重合の手法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜決定することができるが、例えば、重合缶に、例えば、前記水性媒体としての水、前記乳化剤としての界面活性剤、モノマー成分を仕込み、昇温して、適宜、前記重合開始剤等を加えて重合を進行させるバッチ重合方式や、重合缶に、水、乳化剤としての界面活性剤を仕込み、昇温して、モノマー成分を滴下するモノマー滴下法、あるいは、前記モノマー滴下法において、滴下する前記モノマー成分を予め乳化剤として界面活性剤と水とで乳化させた後、滴下する乳化モノマー滴下法などが挙げられる。さらには、多段重合法、シード重合法などを活用してもよい。
【0035】
以上により得られた合成樹脂エマルジョンは、前記シクロヘキシル基を有するポリマーを含有するが、本発明においては、該ポリマーが、耐候性などの物性を向上させる観点から、オルガノアルコキシシラン、ラジカル重合性の光安定剤(HALS)、ラジカル重合性の紫外線吸収剤(UVA)などにより変性されていてもよい。また、前記合成樹脂エマルジョンは、2種以上をブレンドしたものであってもよいし、必要に応じて、更に水溶性樹脂などの他の成分を目的に応じて適宜配合したものであってもよい。
【0036】
前記水性塗料における前記合成樹脂エマルジョン以外の成分としては、体質顔料、着色顔料、増粘剤、消泡剤、防腐剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、高沸点溶剤などの添加剤が挙げられるが、これらは、一般の水性塗料に使用されるものであれば、特に制限はない。これらを適宜含有した水性塗料を用いると、塗工性に優れ、効率的である上、その塗布層(皮膜)における、耐候性、耐水性、耐凍結融解安定性等が改善されるので好ましい。
【0037】
本発明においては、前記水性塗料の組成は、シクロヘキシル基の含有量を除き、上塗り層用の水性塗料と下塗り層用の水性塗料との間で、同じであってもよいし、異なっていてもよく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0038】
但し、前記シクロヘキシル基の含有量は、以下の関係を満たすことが必要である。即ち、本発明においては、最表層(上塗り層)用の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量が、該最表層(上塗り層)の直下層(下塗り層)用の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量の0.1〜50倍(モル数)である必要があり、1〜15倍(モル数)であるのが好ましい。
前記最表層(上塗り層)用の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量が、該最表層(上塗り層)の直下層(下塗り層)用の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量の、0.1倍未満であると、塗布層の耐候性、耐水性、耐凍結融解安定性などの諸物性が低下し、50倍より多いと、上塗り層と下塗り層との層間密着性が不十分になることがある。
【0039】
前記シクロヘキシル基の含有量は、塗布層における最表層(上塗り層)とその直下層(下塗り層)の各水性塗料中の合成樹脂エマルジョンに含有されるシクロヘキシル基のモル数として表されるが、前記上塗り層と前記下塗り層とにおける水性塗料中の合成樹脂エマルジョンに使用されるシクロヘキシル基含有(メタ) アクリル酸アルキルエステルが同一のものである場合は、単量体の使用量から該モル数を算出できる点で簡便である。
【0040】
前記水性塗料の積層塗布は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した公知の手法により行うことができ、例えば、プライマー処理、シーラー処理等をした前記窯業系外装建材に、予め調製しておいた前記下塗り層用の水性塗料を塗布し、乾燥ラインで乾燥させ、続いて、予め調製しておいた前記上塗り層用の水性塗料を塗布し、乾燥させることにより行うことができる。
なお、前記水性塗料の塗布により形成される塗布層は、乾燥後は水に不溶な被膜となり、前記塗布層を構成する。
【0041】
前記塗布は、例えば、公知の塗布装置を用いて行うことができる。前記塗布装置としては、例えば、カーテンフローコーター、スプレー、ロールコーター、バーコーター、ニーダーコーター、スピンコーター、などが挙げられる。
【0042】
以上により、本発明の外装用建材が製造される。次に、得られた外装用建材の塗布層における、下塗り層及び上塗り層の作用、機能等について説明する。
【0043】
前記下塗り層は、前記最表層(上塗り層)の直下層であり、2層の塗布の場合には、該下塗り層がプライマー層と中塗り層とを兼ねる。3層以上の塗布の場合には、通常、プライマー層やシーラー層などの下地処理層の上に配置される。
前記下塗り層は、前記上塗り層の性能を十分に発揮させるために非常に重要な層である。基材である前記窯業系外装建材から浸透してくるエフロなどの悪影響物質の析出を効果的に抑制し、前記上塗り層の物性を維持するのに貢献する。また、前記上塗り層が多少劣化しても前記基材に悪影響を及ぼさないように該基材を保護する役目も担う。
【0044】
前記下塗り層が、上述したような機能を発揮するためには、第一に前記上塗り層との層間密着性に優れることが重要であり、前記上塗り層と強固に一体化した塗布層を形成する必要がある。このような下塗り層は、下塗り層用の水性塗料におけるシクロヘキシル基の含有量が、上塗り層用の水性塗料におけるシクロヘキシル基の含有量と上述したような関係にある、下塗り層用の水性塗料を用いることにより形成可能である。
【0045】
前記上塗り層は、塗布層の最表に位置する層であり、外部環境から前記基材を保護する役目を担う。
【0046】
【実施例】
以下、本発明の外装用建材及びその製造方法の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、以下において、「部」は総て「重量部」を意味する。
【0047】
−合成樹脂エマルジョンの製造例1−
500mlの4つ口フラスコに、脱イオン水91.9部と、ニューコール707SF(日本乳化剤製、固形分30%)12.3部とを加え、窒素置換後、80℃に保った。
下記組成の単量体組成物を滴下する直前に、過硫酸アンモニウム0.2部を脱イオン水2部に溶かした溶液を加え、単量体組成物を3時間かけて滴下した。
滴下終了30分後、過硫酸アンモニウム0.1部を脱イオン水1部に溶かした溶液を滴下し、さらに2時間80℃に保持した。その後、40℃に降温した後、アンモニア水でpHを8〜9に調整した。そして、テキサノール9.7部を脱イオン水9.7部で希釈した溶液を滴下し、最低造膜温度を約10℃に調整し、合成樹脂エマルジョンA−1を調製した。
得られた合成樹脂エマルジョンA−1は、不揮発分48.1%(105℃×1hr乾燥)、pH8.3であった。
【0048】
<単量体組成物>
シクロヘキシルメタクリレート・・・・・・・・・・・49.8部
メチルメタクリレート・・・・・・・・・・・・・・・25.1部
2−エチルヘキシルアクリレート・・・・・・・・・・25.1部
80% アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
メタクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
【0049】
−合成樹脂エマルジョンの製造例2−
単量体組成物を下記組成とした以外は、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様にした。また、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様に、テキサノールにて最低造膜温度を調整し、合成樹脂エマルジョンA−2を調製した。
得られた合成樹脂エマルジョンA−2は、不揮発分48.0%、pH8.2であった。
【0050】
<単量体組成物>
シクロヘキシルメタクリレート・・・・・・・・・・・40.1部
メチルメタクリレート・・・・・・・・・・・・・・・34.8部
2−エチルヘキシルアクリレート・・・・・・・・・・25.1部
80% アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
メタクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
【0051】
−合成樹脂エマルジョンの製造例3−
単量体組成物を下記組成とした以外は、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様にした。また、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様に、テキサノールにて最低造膜温度を調整し、合成樹脂エマルジョンA−3を調製した。
得られた合成樹脂エマルジョンA−3は、不揮発分47.9%、pH8.2であった。
【0052】
<単量体組成物>
メチルメタクリレート・・・・・・・・・・・・・・・70.0部
ブチルアクリレート・・・・・・・・・・・・・・・・30.0部
80% アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
メタクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
【0053】
−合成樹脂エマルジョンの製造例4−
単量体組成物を下記組成とした以外は、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様にした。また、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様に、テキサノールにて最低造膜温度を調整し、合成樹脂エマルジョンA−4を調製した。
得られた合成樹脂エマルジョンA−4は、不揮発分48.2%、pH8.0であった。
【0054】
<単量体組成物>
シクロヘキシルアクリレート・・・・・・・・・・・・50.0部
メチルメタクリレート・・・・・・・・・・・・・・・39.9部
2−エチルヘキシルアクリレート・・・・・・・・・・10.1部
80% アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
メタクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
【0055】
−合成樹脂エマルジョンの製造例5(多段重合法による製造例)−
500mlの4つ口フラスコに,脱イオン水91.9部と、ニューコール707SF(日本乳化剤製、固形分30%)12.3部とを加え、窒素置換後、80℃に保った。
下記組成の一段目の単量体組成物を滴下する直前に、過硫酸アンモニウム0.18部を脱イオン水1.8部に溶かした溶液を加え、単量体組成物を3時間かけて滴下した。
一段目滴下終了60分後、過硫酸アンモニウム0.02部を脱イオン水0.2部に溶かした溶液を加え、二段目の単量体組成物を15分間かけて滴下した。
【0056】
二段目の滴下終了後、過硫酸アンモニウム0.1部を脱イオン水1部に溶かした溶液を滴下し、さらに2時間80℃に保持した。その後、40℃に降温した後、アンモニア水でpHを8〜9に調整した。そして、テキサノール9.7部を脱イオン水9.7部で希釈した溶液を滴下し、最低造膜温度を約10℃に調整し、合成樹脂エマルジョンA−5を調製した。
得られた合成樹脂エマルジョンA−5は、不揮発分48.0%、pH7.9であった。
【0057】
<一段目単量体組成物>
メチルメタクリレート・・・・・・・・・・・・・・・65.0部
ブチルアクリレート・・・・・・・・・・・・・・・・20.0部
2−エチルヘキシルアクリレート・・・・・・・・・・11.6部
80% アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
メタクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
<二段目単量体組成物>
シクロヘキシルアクリレート・・・・・・・・・・・・ 3.4部
【0058】
−合成樹脂エマルジョンの製造例6−
単量体組成物を下記組成とした以外は、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様にした。また、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様にテキサノールにて最低造膜温度を調整し、合成樹脂エマルジョンA−6を調製した。
得られた合成樹脂エマルジョンA−6は、不揮発分48.1%、pH8.2であった。
【0059】
<単量体組成物>
シクロヘキシルメタクリレート・・・・・・・・・・・39.8部
メチルメタクリレート・・・・・・・・・・・・・・・20.0部
n−ブチルメタクリレート・・・・・・・・・・・・・20.0部
ブチルアクリレート・・・・・・・・・・・・・・・・10.0部
2−エチルヘキシルアクリレート・・・・・・・・・・10.1部
80% アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
メタクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
【0060】
−合成樹脂エマルジョンの製造例7−
単量体組成物を下記組成とした以外は、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様にした。また、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様に、テキサノールにて最低造膜温度を調整し、合成樹脂エマルジョンA−7を調製した。
得られた合成樹脂エマルジョンA−7は、不揮発分48.1%、pH8.0であった。
【0061】
<単量体組成物>
シクロヘキシルメタクリレート・・・・・・・・・・・70.2部
メチルメタクリレート・・・・・・・・・・・・・・・ 6.9部
2−エチルヘキシルアクリレート・・・・・・・・・・22.9部
80% アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
メタクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
【0062】
−合成樹脂エマルジョンの製造例8−
単量体組成物を下記組成とした以外は、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様にした。また、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様に、テキサノールにて最低造膜温度を調整し、合成樹脂エマルジョンA−8を調製した。
得られた合成樹脂エマルジョンA−8は、不揮発分48.2%、pH8.0であった。
【0063】
<単量体組成物>
シクロヘキシルメタクリレート・・・・・・・・・・・45.1部
メチルメタクリレート・・・・・・・・・・・・・・・30.0部
ブチルアクリレート・・・・・・・・・・・・・・・・20.0部
2−エチルヘキシルアクリレート・・・・・・・・・・ 4.9部
80% アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
メタクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
【0064】
−合成樹脂エマルジョンの製造例9−
単量体組成物を下記組成とした以外は、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様にした。また、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様に、テキサノールにて最低造膜温度を調整し、合成樹脂エマルジョンA−9を調製した。
得られた合成樹脂エマルジョンA−9は、不揮発分48.1%、pH8.3であった。
【0065】
<単量体組成物>
シクロヘキシルメタクリレート・・・・・・・・・・・40.0部
メチルメタクリレート・・・・・・・・・・・・・・・30.0部
ブチルアクリレート・・・・・・・・・・・・・・・・30.0部
80% アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
メタクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
【0066】
−合成樹脂エマルジョンの製造例10−
単量体組成物を下記組成とした以外は、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様にした。また、前記合成樹脂エマルジョンの製造例1と同様に、テキサノールにて最低造膜温度を調整し、合成樹脂エマルジョンA−10を調製した。
得られた合成樹脂エマルジョンA−10は、不揮発分47.9%、pH8.2であった。
【0067】
<単量体組成物>
シクロヘキシルメタクリレート・・・・・・・・・・・ 0.6部
メチルメタクリレート・・・・・・・・・・・・・・・69.4部
ブチルアクリレート・・・・・・・・・・・・・・・・30.0部
80% アクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
メタクリル酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7部
【0068】
(実施例1)
−水性塗料の調製−
下塗り層用の水性塗料を、合成樹脂エマルジョンA−1を用い、下記処方にて調製した。、また、上塗り層用の水性塗料を、合成樹脂エマルジョンA−1を用い、下記処方にて調製した。
−−下塗り層用の水性塗料の調製−−
合成樹脂エマルジョン(48 %)・・・・・・・・・・100.0部
造膜助剤(BCA)・・・・・・・・・・・・・・・・ 6.0部
黒色着色ペースト(コラニール ブラック GR 130)・・・・・・ 0.5部
−−上塗り層用の水性塗料の調製−−
合成樹脂エマルジョン(48 %)・・・・・・・・・・100.0重量部
造膜助剤(BCA)・・・・・・・・・・・・・・・・ 6.0重量部
黄色着色ペースト(コラニール イエロー 10G30 )・・・・・・ 0.5 重量部
【0069】
−外装用建材の製造−
アクリル系水性エマルジョンシーラー(4倍希釈)をスレート板(窯業系外装建材)に刷毛塗りし、60℃×20分間乾燥し、その後室温で24hr養生して、該ストレート板上に下地処理層を形成した。
次に、該下地処理層の表面に、前記下塗り層用の水性塗料を、0.2mmの厚みになるようにアプリケーターを用いて塗布し、80℃×30分間乾燥させ、その後24hr養生して、該下地処理層上に下塗り層を形成した。
更に、該下塗り層の表面に、前記上塗り層用の水性塗料を、0.2mmの厚みになるようにアプリケーターを用いて塗布し、80℃×30分間乾燥させ、その後24hr養生して、該下塗り層上に上塗り層を形成した。
以上により、窯業系外装建材であるストレート板上に、下地処理層(シーラー層)、下塗り層、上塗り層をこの順に有してなる外装用建材を製造した。
【0070】
(実施例2〜4)
実施例1において、表1に示す合成樹脂エマルジョンをベースにした水性塗料を用いた外は、実施例1と同様にして、外装用建材を製造した。
【0071】
(比較例1〜2)
実施例1において、表1に示す合成樹脂エマルジョンをベースにした水性塗料を用いた外は、実施例1と同様にして、外装用建材を製造した。
【0072】
得られた外装用建材につき、以下の評価を行い、その結果を表2に示した。
<評価>
−層間密着性試験−
下塗り層及び上塗り層を形成したスレート板を、60℃の温水に24時間浸漬した後、取り出し、室温にて24時間再乾燥した。次に、塗装面に、カッターナイフにて碁盤目(5mm幅、5×5)の切り目を入れ、ガムテープにより碁盤目カット部分を強制剥離して、剥離していない塗膜の数を目視にて数え、以下の基準にて評価した。
剥離無し(25/25)・・・・・・・・・・・・・・・・・◎
カット線近辺のみ剥離(25/25)・・・・・・・・・・・○
部分剥離(15〜24/25)・・・・・・・・・・・・・・△
顕著に剥離(<15/25)・・・・・・・・・・・・・・・×
【0073】
【表1】
Figure 0003987217
【0074】
【表2】
Figure 0003987217
【0075】
【発明の効果】
本発明によると、前記従来における諸問題を解決することができる。また、本発明によると、窯業系外装建材に塗布した塗布層の層間剥離が無く、該窯業系外装建材からのエフロの析出が少なく、耐候性、耐水性及び耐久性に優れ、長期にわたって美観を保持することができる外装用建材及びその製造方法を提供することができる。

Claims (6)

  1. シクロヘキシル基を有するポリマーを含有する水性塗料の塗布層を窯業系外装建材の表面に少なくとも2層有してなる、外装用建材であって、該塗布層における、最表層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量が、該最表層の直下層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量の0.1〜50倍(モル比)であり、かつ、最表層直下層用の水性塗料を塗布して乾燥させた後、最表層用の水性塗料を塗布して乾燥させることによって、少なくとも2層の層を形成することを特徴とする外装用建材。
  2. 塗布層における、最表層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量が、該最表層の直下層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量の1〜15倍(モル比)である請求項1に記載の外装用建材。
  3. 水性塗料が、(メタ) アクリル酸シクロヘキシルを少なくとも乳化重合して得た合成樹脂エマルジョンを含有する請求項1又は2に記載の外装用建材。
  4. シクロヘキシル基を有するポリマーを含有する水性塗料の塗布層を窯業系外装建材の表面に少なくとも2層塗工することを含む外装用建材の製造方法であって、該塗布層における、最表層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量が、該最表層の直下層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量の0.1〜50倍(モル比)であり、かつ、最表層直下層用の水性塗料を塗布して乾燥させた後、最表層用の水性塗料を塗布して乾燥させることによって、少なくとも2層の層を形成することを特徴とする外装用建材の製造方法。
  5. 塗布層における、最表層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量が、該最表層の直下層の水性塗料のシクロヘキシル基の含有量の1〜15倍(モル比)である請求項4に記載の外装用建材の製造方法。
  6. 水性塗料が、(メタ) アクリル酸シクロヘキシルを少なくとも乳化重合して得た合成樹脂エマルジョンを含有する請求項4又は5に記載の外装用建材の製造方法。
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