JP3986788B2 - 機能性ポリペプチドおよびそれをコードするdna - Google Patents
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Description
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、脱水ストレスから細胞や酵素を保護する機能を有するポリペプチド、およびその遺伝子工学的手法による製造法に関する。
【0002】
背景技術
細胞にとっての代表的なストレスである乾燥、低温、冷凍、および塩ストレスは、細胞内に脱水(水欠乏)状態をもたらすという点で共通するものであり、一般的に、これらはまとめて脱水(水欠乏)ストレスと呼ばれている。通常、このような細胞が脱水ストレスを受けると、細胞の成長や活性が劣化し、さらには細胞が死滅することがある。
【0003】
「冷凍」処理は、微生物や動植物細胞の貯蔵または保存などを行う際に広く利用されている。例えば、優れた形質を有する微生物や動植物細胞の保存や、特定の遺伝子を導入された大腸菌等の保存等は、遺伝子工学上重要である。
しかしながら、冷凍処理を行うと、その過程で細胞が脱水ストレスを受け、このため細胞の生存率が低下してしまうという問題がある。特に、遺伝子工学の分野では、形質転換細胞の生存率を向上させることが課題となっている。
【0004】
細胞の凍結および融解後の生存率を向上させる方法としては、例えば、凍結保護剤を含む溶液で細胞を凍結処理する方法が研究されている。しかしながら、この方法では、凍結保護剤の種類によっては細胞と相性に問題のある場合がある。また、細胞の生存率を向上させる前記方法としては、例えば、細胞自体の冷凍耐性を向上させる研究も盛んに行われている。
このうち、酵母細胞に関しては、パン、しょうゆなどの発酵食品や、酒類などの製造に用いる重要な酵母が含まれるため、その細胞の冷凍耐性を向上させる研究が近年盛んに行われている。酵母については、酵母細胞内のトレハロース含量の高さが酵母の冷凍耐性を高めるという説が知られている。例えば、特開平10−117771号公報には、酵母のトレハロース分解系酵素を破壊して、細胞内に多量のトレハロースを蓄積させると、その酵母の冷凍耐性が高まることが開示されている。
【0005】
しかしがら、このような細胞の冷凍耐性等の脱水ストレス機構に関しては、その知見は依然として充分とはいえない。
このため、細胞を脱水ストレスから保護する手段が依然として望まれている。
【0006】
また、一般的にタンパク質は、凍結融解処理を施すと、その高次構造が変化することがあることが知られいる。このようなタンパク質の凍結に伴うタンパク質の変性(以下において凍結変性ということがある)が生じると、タンパク質の活性が低下もしくは完全に失活してしまうことがあり、タンパク質を保存する上で問題となっている。
【0007】
従来、このようなタンパク質の凍結変性を防止するために、ウシ血清アルブミン(BSA)、グリセロール、または糖類などを、凍結保存するタンパク質に添加してそれを保存する方法が慣用されている。
【0008】
しかしながら、上記した添加成分を用いる場合には、ウシ血清アルブミン(BSA)においては、その供給源に制限があり、一般的に非常に高価である。また動物由来の血清は、ウイルスによる感染の危険などもあり、安全性が充分に確保できない可能性がある。また、グリセロールや糖類などにおいては、20%程度の高濃度で添加する必要があり、目的タンパク質の活性に影響するという問題がある。さらにこの場合には、タンパク質の種類やその使用目的によっては、凍結融解後に前記添加成分を除去する操作が必要になり、除去操作の煩雑さや高コストとなる可能性があり、このような観点からもこれら添加成分の使用は望ましいものではなかった。
【0009】
このため、凍結融解処理によるタンパク質の凍結による活性低下もしくは失活を防止する手段が依然として望まれている。
【0010】
【発明の概要】
本発明者らは、今般、特定のアミノ酸配列を有するポリペプチドが細胞内に存在することにより、冷凍時における細胞の死滅を抑制することができるとの知見を得た。また 本発明者らは、特定のアミノ酸反復配列を有するポリペプチドが、酵素などのタンパク質の凍結変性に伴う活性の低下もしくは失活を防止する効果があるとの知見も得た。本発明はこれら知見に基づくものである。
したがって、本発明は、脱水ストレスから細胞を保護することができるポリペプチド、およびその遺伝子の提供をその目的としている。また、本発明は、凍結によるタンパク質の活性低下を防止するための手段の提供もその目的としている。
【0011】
本発明によるDNAは、下記アミノ酸配列(I)を含んでなるポリペプチドをコードするものである。
Ser-Ser-Thr-Gly-Ser-X1-Ser-X2-Thr-Asp-X3-X4-X5-X6-X7-X8-Gly-Ser-X9-Thr-Ser-Gly-Gly-Ser-Ser-Thr-Tyr-Gly-Tyr-Ser-Ser-X10-X11-X12-X13-Gly-X14-Val(I)(配列番号1)
(前記配列中、
X1は、Ser、またはThrを表し、
X2は、Asn、またはThrを表し、
X3は、Ser、またはAlaを表し、
X4は、Asn、またはSerを表し、
X5は、Ser、またはThrを表し、
X6は、Asn、Asp、またはLysを表し、
X7は、Ser、Asn、またはLysを表し、
X8は、Ala、Thr、またはValを表し、
X9は、Ser、またはArgを表し、
X10は、Asn、Ser、Asp、またはArgを表し、
X11は、Ser、Asn、His、またはCysを表し、
X12は、Arg、またはGlyを表し、
X13は、Asp、またはGlyを表し、
X14は、Ser、またはArgを表す)。
本発明はまた、アミノ酸配列(I)を含んでなるポリペプチドを含んでなる、凍結によるタンパク質の活性低下を防ぐ活性低下防止剤にも関する。
【0012】
本発明によるポリペプチドおよびそのDNAによれば、微生物、植物、または動物等の細胞を、脱水ストレスから有利に保護することができるので、細胞を凍結保存する用途において凍結保存可能な細胞種を広げることができ、また、細胞を貯蔵する際に生ずることがある細胞の乾燥の問題も回避することができる。さらに、本発明によるポリペプチドは、タンパク質、例えば酵素、における脱水ストレスの問題、すなわち酵素を凍結融解させた場合に起こることがある酵素の活性低下もしくは失活、を抑える効果も有するものであり、酵素の保存や酵素の適用範囲を広げる上でも有用である。このように本発明によるポリペプチドおよびそれをコードする遺伝子は、食品工業、および医薬品工業等の分野において極めて有用なものである。
【0013】
【発明の具体的説明】
本発明によるポリペプチドは、前記アミノ酸配列(I)を含んでなるものである。このとき、前記アミノ酸配列(I)中において、それぞれ独立して、
X1は、Ser、またはThr、好ましくはSer、を表し、
X2は、Asn、またはThr、好ましくはAsn、を表し、
X3は、Ser、またはAla、好ましくはAla、を表し、
X4は、Asn、またはSer、好ましくはAsn、を表し、
X5は、Ser、またはThr、好ましくはSer、を表し、
X6は、Asn、Asp、またはLys、好ましくはAsn、を表し、
X7は、Ser、Asn、またはLys、好ましくはAsn、を表し、
X8は、Ala、Thr、またはVal、好ましくはAla、を表し、
X9は、Ser、またはArg、好ましくはSer、を表し、
X10は、Asn、Ser、Asp、またはArg、好ましくはAsn、を表し、
X11は、Ser、Asn、His、またはCys、好ましくはSer、を表し、
X12は、Arg、またはGly、好ましくはArg、を表し、
X13は、Asp、またはGly、好ましくはAsp、を表し、
X14は、Ser、またはArg、好ましくはSer、を表す。
【0014】
本発明によるポリペプチドは、さらに前記アミノ酸配列(I)の相同体も包含することができる。ここで、「相同体」とは、前記アミノ酸配列(I)において、1以上(好ましくは1もしくは数個)のアミノ酸が欠失、置換、挿入もしくは付加されたアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、かつ、依然として脱水ストレス保護機能を有するものを意味する。
【0015】
本発明によるDNAは、前記アミノ酸配列(I)を含んでなるポリペプチドをコードするDNAである。したがって、前記したアミノ酸配列(I)の相同体をコードするDNAもここに包含することができる。
【0016】
一般的に、ポリペプチドのアミノ酸配列が与えられれば、それをコードする塩基配列は、いわゆるコドン表を参照して容易に決定することができる。よって、アミノ酸配列(I)をコードする種々の塩基配列を適宜選択することができる。従って、本発明による「アミノ酸配列(I)を含んでなるポリペプチドをコードするDNA」には、アミノ酸配列(I)をコードする塩基配列であって、その縮重関係にある全てのコドンを塩基配列として有するものが包含される。
なお、本明細書においては、「DNA」と「遺伝子」という語は、同じ意味で用いられることがある。
【0017】
本発明の好ましい態様によれば、前記アミノ酸配列(I)は下記アミノ酸配列(II)であること、すなわち、本発明によるポリペプチドが、下記アミノ酸配列(II)を含んでなるものであることが好ましい。
Ser-Ser-Thr-Gly-Ser-Ser-Ser-Asn-Thr-Asp-Ser-Asn-Ser-Asn-Ser-Ala-Gly-Ser-Ser-Thr-Ser-Gly-Gly-Ser-Ser-Thr-Tyr-Gly-Tyr-Ser-Ser-Asn-Ser-Arg-Asp-Gly-Ser-Val(II)(配列番号2)
【0018】
本発明によるポリペプチドは、典型的には、それが細胞内に存在すると、細胞の脱水に伴うストレスが細胞へ及ぼす影響を抑制することができるものである。すなわち該ポリペプチドによれば細胞をその脱水ストレスから保護することができる(本明細書において「脱水ストレス保護機能」ということがある)。換言すると、本発明によるポリペプチドは細胞に対して脱水ストレス耐性を付与する性能を有するものである。
よって、本発明によれば、アミノ酸配列(I)を含んでなるポリペプチドを標的細胞に導入して蓄積させることを含んでなる、標的細胞に脱水ストレス耐性を付与する方法も提供される。好ましくは、該方法は、アミノ酸配列(I)を含んでなるポリペプチドをコードするDNAを含んでなる組換えベクター(後述する)を用いて、標的細胞を形質転換することを含んでなる、標的細胞に脱水ストレス耐性を付与する方法である。なお、ここでいう細胞(または標的細胞)には、大腸菌、枯草菌、および酵母のような微生物、カビ類、昆虫類、動物、植物等の細胞が包含される。
さらに、本発明によるポリペプチドは、酵素における脱水ストレスの問題を回避することができるもの、すなわち凍結融解による酵素の失活を防止する性能を有するもの、であることが好ましい。なお、ここでいう酵素としては、例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、制限酵素、修飾酵素など、産業上重要な酵素が挙げられる。
【0019】
本発明の好ましい態様によれば、本発明によるポリペプチドは、前記アミノ酸配列(I)を少なくとも2回反復した反復配列として含んでなることが好ましい。このように反復配列を有するポリペプチドを使用することにより、細胞に対してより優れた脱水ストレス耐性を付与することが可能となり、また、脱水ストレスから酵素を保護する能力をより向上させることができる。
したがって、本発明によるポリペプチドにおけるアミノ酸配列(I)の反復回数は、少なくとも2回であり、前記効果をより顕著に発揮させる観点からは、その反復回数は多いほど好ましい。ただし、反復処理の煩雑によるコストの上昇、および細胞へ導入する際の適合性等の観点からは、前記反復回数は、2〜8回であることが好ましく、より好ましくは、2〜6回であり、さらに好ましくは、2〜4回である。
【0020】
前記アミノ酸配列(I)を少なくとも2回反復した反復配列を含んでなるポリペプチドは、例えば下記のようにして得ることができる。
先ず、アミノ酸配列(I)を2回反復する反復配列をコードするDNAを設計し、これを慣用のDNA合成機により合成する。このとき、前記配列の両端にベクターに連結するための制限酵素認識サイトを配置し、また3’−末端に翻訳終止コドンを配置しておくことが望ましい。また、このときDNA合成機やDNA精製法の信頼性や操作性から、全長DNA鎖として得ることが望ましくない場合には、分割したフラグメントとして得、これを後に結合させ、全長DNAを得てもよい。このようにして目的とする反復配列をコードするDNAが得られる。次いで、このようにして得られたDNAを、例えば後述するような手法を適用して、DNAを発現させてポリペプチドを得ることができる。以上のようにして、アミノ酸配列(I)を2回反復した反復配列を含んでなるポリペプチド(例えば、下記配列(III))を得ることができる。
【0021】
アミノ酸配列(III):
Ser-Ser-Thr-Gly-Ser-Ser-Ser-Asn-Thr-Asp-Ser-Asn-Ser-Asn-Ser-Ala-Gly-Ser-Ser-Thr-Ser-Gly-Gly-Ser-Ser-Thr-Tyr-Gly-Tyr-Ser-Ser-Asn-Ser-Arg-Asp-Gly-Ser-Val-Ser-Ser-Thr-Gly-Ser-Ser-Ser-Asn-Thr-Asp-Ser-Asn-Ser-Asn-Ser-Ala-Gly-Ser-Ser-Thr-Ser-Gly-Gly-Ser-Ser-Thr-Tyr-Gly-Tyr-Ser-Ser-Asn-Ser-Arg-Asp-Gly-Ser-Val (配列番号3)
【0022】
なお、以下において、前記したアミノ酸配列(I)の38アミノ酸からなる反復配列を「SP」と称し、また2回反復を成しているポリペプチドをSP2ということがある。
【0023】
本発明においてはさらに、所定のプライマーを使用したPCR法により、合成されたSP2をコードするDNAの両末端に、所定の制限サイトを付加したDNAを得、この制限サイトを制限酵素を利用して連結することにより、SPが4回反復するSP4をコードするDNAを得ることができる。以下、同様の手法を適用することによって、SP6をコードするDNA、SP8をコードするDNA等を順次得ることができ、必要に応じて、さらに多くの反復配列をコードするDNAを得ることもできる。このようにして得られたDNAは、上記したように、これらを発現させることにより、SP4、SP6、またはSP8のようなポリペプチドを得ることができる。
なお、以上のようにしてアミノ酸配列(I)を少なくとも2回反復した反復配列を含んでなるポリペプチドを得てもよいが、先ずアミノ酸配列(I)を有するポリペプチドを例えば後述するような手法により複数得て、これを互いに慣用の化学的手法を適用して結合させることにより、目的とする前記ポリペプチドを得てもよい。
【0024】
本発明によるポリペプチドは、慣用の各種合成法を利用することによって製造したものであっても、天然起源のものであってもよい。本発明によるこのポリペプチドは、そのアミノ酸配列が決定されていることから、その配列全てを合成することによって得てもよく、また、天然起源のものを一部利用してそれを基にさらに合成を行って得たものであってもよい。
本発明の一つの態様によれば、本発明によるポリペプチドは、天然のセリシンタンパク質由来のものであることができ、このセリシンタンパクから、慣用の工学的手法を用いて該ポリペプチドを得てもよい。なお、天然のセリシンタンパクは、例えばカイコ絹糸腺組織内、繭、または生糸から取得することができる。また本発明において、セリシンタンパクというときには、該セリシンタンパク質そのものの他に、該タンパク質の加水分解物をも包含するものとする。
【0025】
また、本発明によるポリペプチドは、それをコードするDNAを入手もしくは製造することができる場合には、そのDNAによって宿主細胞を形質転換させた形質転換細胞において、製造することができる。より具体的には、本発明によるポリペプチドは、本発明によるポリペプチドをコードするDNA断片を、宿主細胞内で複製可能でかつ同遺伝子が発現可能な状態で含むDNA、特に組換えベクター、の形態とし、それを用いて宿主細胞の形質転換を行い、得られた形質転換体を培養することによって製造することができる。すなわち、本発明においては、該ポリペプチドの製造に際し、所謂宿主−ベクター系を使用することができる。なお、本発明においては、このような宿主−ベクター系を適用するにあたっては、この技術分野において慣用されている各種の発現ベクター(組換えベクター)作成法および形質転換法を使用することができる。
従って、本発明の別の態様によれば、前記したような形質転換細胞を培養し、その細胞および/またはその培養物からポリペプチドを採取する工程を含んでなる、本発明によるポリペプチドの製造法が提供される。そして、本発明の別の好ましい態様によれば、本発明によるポリペプチドは、前記した製造法により製造されるポリペプチドである。
【0026】
本発明によれば、さらに本発明によるポリペプチドをコードする遺伝子を含んだDNA、特に組換えベクター、が提供される。
このようなDNA(特に組換えベクター)は、慣用のベクター系に、本発明によるポリペプチドをコードするDNA断片を組み込むことによって得ることができる。本発明においては、このベクターが、前記したように、それにコードされるDNA断片を反復した形式で含んでいることが好ましい。
【0027】
本発明において使用されるベクターは、使用する宿主細胞の種類を勘案しながら、宿主−ベクター系の確立されている慣用のベクター系、例えば、プラスミド、ウイルス、ファージ、コスミドベクターなど、から選択することができる。より具体的には、例えば、宿主細胞が大腸菌の場合にはpBR系、pUC系やpQE系のプラスミド、λファージ系のバクテリオファージ、枯草菌の場合にはpUB系のプラスミド、ならびに、酵母の場合にはYEp系やYCp系のベクター、等が挙げられる。本発明において使用されるベクターは、プラスミドであるのが好ましい。
【0028】
本発明において使用可能なプラスミドは、形質転換体の選択マーカーを含むのが好ましく、このような選択マーカーとしては、例えば、アンピシリンやカナマイシン等の薬剤耐性マーカーおよび栄養要求マーカー遺伝子等を使用することが出来る。また、本発明においては、プラスミド等のベクターDNAにより生成する特定のペプチドと宿主細胞中にコードされるペプチドとによるβ−ガラクトシダーゼ活性の回復を利用して選択マーカーとしてもよい。
さらに、本発明による組換えベクターとしてのDNAは、前記したアミノ酸配列(I)を含んでなるポリペプチドの発現に必要なDNA、例えばプロモーター、転写開始信号、翻訳停止シグナル、もしくは転写終結信号などの転写調節信号、翻訳調節信号などを有していることが好ましい。
【0029】
本発明によれば、さらに本発明による組換えベクターによって宿主細胞を形質転換されてなる形質転換細胞が提供される。
本発明において使用可能な宿主細胞としては、宿主−ベクター系が確立されているものであれば何れのものも使用可能である。このような宿主細胞としては、例えば、大腸菌、枯草菌、酵母、やカビ等が挙げられる。
宿主細胞が枯草菌、酵母もしくはカビの場合には、ベクターとして分泌型ベクターを使用して、菌体外に、本発明によるポリペプチドを分泌させてもよい。
【0030】
さらに本発明の別の態様によれば、本発明のポリペプチドは、前記アミノ酸配列(I)を含んでなるポリペプチドと異種のポリペプチド(例えば他の機能性タンパク質)とを、ハイブリッドさせたキメラタンパク質であることもできる。
キメラタンパク質は、前記アミノ酸配列(I)を含んでなるポリペプチドをコードするDNAと異種ポリペプチドをコードするDNAとを用い、これらDNAを融合させて、キメラタンパク質をコードするDNAを作成し、これを発現させて製造することができる。
【0031】
本発明によるポリペプチドは、前記したように、細胞内に存在する場合には、その細胞の脱水ストレス耐性の向上を図る効果があるものである。また、該ポリペプチドは、それ自体を酵素の使用時に併用することにより、酵素の脱水ストレスによる失活から酵素を保護する効果も有している。このため、該ポリペプチド自体の使用が望ましい場合には、前記したような形質転換細胞中に蓄積された該ポリペプチドを、慣用の抽出精製手段を適用することによって、分離回収し、これを利用することができる。
【0032】
本発明のさらに別の態様によれば、凍結させる目的タンパク質に、前記アミノ酸配列(I)を含んでなるポリペプチドを加えることを含んでなる、凍結によるタンパク質の活性低下を防ぐ方法が提供される。
【0033】
本発明において、「凍結によるタンパク質の活性低下を防止する」とは、目的とするタンパク質を凍結または凍結融解させた場合において起こることがあるタンパク質の活性低下もしくは失活を防ぐことを意味し、これには、該タンパク質の活性を維持すること、該タンパク質を安定化させること、または、タンパク質変性を防止することのような意味も包含するものとする。
したがって、本発明におけるポリペプチドは、それが凍結する目的タンパク質に加えられると、該目的タンパク質を凍結した場合に起こることがあるタンパク質の変性、典型的には凍結によるタンパク質の活性低下、を防止することができるものであることができる。
【0034】
本発明において、タンパク質を「凍結する」というときには、典型的には、タンパク質を慣用の凍結保存条件に維持することを意味するが、例えば、タンパク質を0℃以下に冷却する場合などが挙げられる。
本発明において、凍結させる目的のタンパク質としては、凍結によりその活性が低下もしくは失活することがあるタンパク質であれば特に制限されないが、本発明においては、そのようなタンパク質は酵素であることが好ましい。このとき、酵素としては、例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、制限酵素、修飾酵素など、産業上重要な酵素が挙げられる。
【0035】
また、本発明によれば、凍結によるタンパク質の活性低下を防ぐ活性低下防止剤を製造するための、前記アミノ酸配列(I)を含んでなるポリペプチドの使用も提供される。
ここで、「活性低下防止剤」とは、目的とするタンパク質を凍結または凍結融解させた場合において起こることがあるタンパク質の活性低下もしくは失活を防ぐことができるものをいい、その剤形および用量等は特に限定されない。
【0036】
【実施例】
以下本発明を以下の実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるれものではない。
脱水ストレス保護機能を有するポリペプチドをコードする遺伝子断片の化学合成
前記したSP2のアミノ酸配列(前記した配列(III)(配列番号3))からなるポリペプチドをコードする遺伝子DNA(以下serDと呼ぶ)を設計した。このとき、SP2のN末端には融合した別のポリペプチドを切り離すためのプロテアーゼ(Factor Xa)の認識サイト(Ile-Glu-Gly-Arg)を配置した。さらに、大腸菌のコドン使用頻度(Ikemura, T. and Ozeki,H., Cold Spring Harbor Symp.Quant. Biol., 47, 1087(1983))を考慮して、また、serDの両端 (5', 3'-末端側)にはベクターに連結するための制限酵素認識サイト (PstI, EcoRI)を配置し、また3'-末端側には2個の翻訳終止コドンを付加して、前記DNAを設計した。
【0037】
次に、設計した遺伝子DNAをDNA合成機(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて、ホスホアミダイト法により化学合成した。ただしこのとき、現在のDNA合成機やDNA精製法の信頼性および操作性等を考慮して、1本あたりのDNA鎖は60〜70塩基程度のフラグメントとなるように合成を分けて行った。
当該反復単位SPは 38アミノ酸残基、即ち114塩基から成るが、遺伝子産物の安定性を考慮して、この38アミノ酸残基の反復単位が2回繰返すSP2をコードするDNA(serD)を合成DNAの基本ユニットとする。このため、少なくとも228塩基の遺伝子が必要である。また2本鎖としてプラスミドに組み込む必要があるので、その2倍のDNAを合成する必要がある。
【0038】
実際には、終止コドンの導入や各断片のプラスミドへの連結のための制限酵素認識部位も必要なため、全長を4つのフラグメントに分け、4本表裏で合計8本のDNA鎖を合成した。
合成した8本のDNAフラグメントは以下に示すとおりであった。
【0039】
serDフラグメント(1)
5'-GTGATCAATCGAAGGTCGCTCGAGTACTGGTTCTTCTTCTAACACCGACTCTAACTCTAAC-3' (配列番号4)
serDフラグメント (2)
5'-TCTGCTGGTTCTTCTACCTCTGGTGGTTCTTCTACCTACGGTTACTCTTCTAACTCTCGTGACGGTTCT-3' (配列番号5)
serD フラグメント(3)
5'-GTTTCTTCTACCGGTTCTTCTTCTAACACCGACTCTAACTCTAACTCTGCTGGTTCTTCTACCTC-3'(配列番号6)
serDフラグメント(4)
5'-TGGTGGTTCTTCTACCTACGGTTACTCTTCTAACTCTCGTGACGGATCCGTTTAATAGCTGAGCG-3'(配列番号7)
serD フラグメント(1')
5'-CAGAGTTAGAGTTAGAGTCGGTGTTAGAAGAAGAACCAGTACTCGAGCGACCTTCGATTGATCACTGCA-3' (配列番号8)
serDフラグメント(2')
5'-AAACAGAACCGTCACGAGAGTTAGAAGAGTAACCGTAGGTAGAAGAACCACCAGAGGTAGAAGAACCAG-3' (配列番号9)
serD フラグメント(3')
5'-ACCAGAGGTAGAAGAACCAGCAGAGTTAGAGTTAGAGTCGGTGTTAGAAGAAGAACCGGTAGAAG-3'(配列番号10)
serDフラグメント(4')
5'-AATTCGCTCAGCTATTAAACGGATCCGTCACGAGAGTTAGAAGAGTAACCGTAGGTAGAAGAACC-3'(配列番号11)
【0040】
SP2をコードする遺伝子(serD)の構築
前記合成した8本のフラグメント(約70 bp)を、各々相補的な配列部分を有するフラグメントとのアニーリング操作により2重鎖として、serDを構成する4本の2重鎖DNAフラグメントを取得した。
また、化学合成によって得られるオリゴヌクレオチドをコードするDNAの5′末端にはリン酸が存在しないので、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて合成遺伝子断片の5′末端にリン酸を付加した。
【0041】
すなわち下記組成をエッペンドルフチューブに入れ、37℃で1時間反応させた後、70℃、5分間加熱することにより該酵素を失活させた。
各オリゴヌクレオチド100pmole (水中) 7.5μl
10 X バッファー ※ 1μl
10mM ATP 1μl
T4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒造社製) 0.5μl(5ユニット)10μl[ ※ 10 X バッファー: 650mM Tris-HCl(pH7.6) 100mM MgCl2 150mM ジチオスレイトール 10mM スペルミジン]
【0042】
このDNA各5μlをエッペンドルフチューブ内で混合し、takara ligation kit version II(宝酒造社製)を用いて16℃で、30分間連結反応させて、4本のDNAフラグメントの隣どうしを連結させた。反応させた後、アガロースゲル電気泳動を行なって、約270bpのDNAフラグメントをゲルから回収した。得られたDNAフラグメントの5’末端にはPstI認識部位があり、また該3’末端には EcoRI認識部位があることとなる。
さらに、該DNAフラグメントを、あらかじめ PstIとEcoRIで切断処理した適当量のプラスミド pUC19(Yanisch-Perron, C.等、Gene, 33, 103(1985))と混合し、takara ligation kit version II(宝酒造社製)を用いて、16℃で、1時間連結反応を行なった。
【0043】
次に、得られた反応混合物を、大腸菌JM109 株(recA1,Δlac-proAB, endA1, gryA96, thi-1, hsdR17, supE44, relA1, λ- , (F′traD36, proAB, lacI q Z ΔM15))に導入した。
なお、該大腸菌(E.coli) JM109株は、pUC系プラスミドDNAの形質転換やM13ファージベクターDNAの形質導入を行なう際に、ベクターDNAより生成するlacZαペプチドとJM109F′にコードされるlacZΔM15とによるβ−ガラクトシダーゼの活性回復を用いて、組換え体の選別を容易にすることができる菌株である。
したがって、IPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)とX−Gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドール−β−D−ガラクトシド)とを含む培地中においては、プラスミドpUC19を保持する該JM109 株は、β−ガラクトシダーゼ活性を示す青色のコロニーを形成することとなる。一方、外来DNA断片が挿入された組換えプラスミドを保持するJM109 株はβ−ガラクトシダーゼ活性が回復しないため、それが形成するコロニーは白色となる。これにより、組換えプラスミドを選択することができる。
【0044】
よって、形成された白色のコロニーから、プラスミドを調製して、そのDNAシークエンシング(Sanger,F. ら、J.Mol.Biol., 143, 161(1980))を行ない、設計した通りの正しいserDの塩基配列(フラグメント)を有するクローンを選択した。
このようにして得られたserD遺伝子を有する組換体プラスミドを、ここではpUC-serDと呼ぶこととする。
【0045】
SPの多量体化
SPの多量体化は以下のようにして行った。
pET-serD
前記pUC-serDをBcl1とBpu1102Iで切断処理して得られるserDを含む断片を、あらかじめ制限酵素BamH1とBpu1102Iで切断処理したベクターpET3a(novagen社製)と混合し、takara ligation kit version II(宝酒造社製)を用いて、16℃で、1時間連結反応を行なった。
次に、得られた反応混合物を、前記と同様に大腸菌JM109 株に導入した。得られた形質転換体からプラスミドを調製し、DNAシークエンシングを行ない、プラスミドがserDの配列を含むことを確認した。
このようにして得られたserD遺伝子を有する組換体プラスミドを、ここではpET-serDと呼ぶこととする。
【0046】
pET-serT
次に、合成したSP2の遺伝子serDの両末端に、PCR法によってXhoIサイトを付加したserD遺伝子を取得した。PCR反応はEx Taq(takara社製)を用いて常法により行った。このとき用いたプライマーは以下に示すとおりであった。
5'-AAGGTCGCTCGAGTACCGGT-3' (配列番号12)
5'-CGCTCAGACTCGAGACAGAT-3' (配列番号13)
次に、pET-serDのXhoIサイトに、制限酵素サイトを利用して、両末端にXhoIサイトを付加したserD遺伝子を連結して、SPが4反復するSP4をコードする遺伝子を有するプラスミドpET-serTを構築した。
【0047】
pET-serT
同様にして、PCR法によって5'末端にBamHIサイトを付加したserD遺伝子を取得した。
制限酵素サイトを利用して、pET-serTのBamHIサイトに取得したserDを連結し、SPが6反復するSP6をコードする遺伝子を有するプラスミドpET-serHを構築した。
なおここで、serD遺伝子へのBamHIサイトの導入に用いたプライマーは以下に示すとおりであった。
5'-GTTTTCCCAGTCACGAC-3' (配列番号14)
5'-ATCGGATCCGTCTCGAGTACT-3' (配列番号15)
【0048】
pET-serO
同様にして、PCR法によって3'末端にScaIサイトを付加したserD遺伝子を取得した。
制限酵素サイトを利用して、pET-serHのScaIサイトに取得したserDを連結し、SPが8反復するSP8をコードする遺伝子を有するプラスミドpET-serOを構築した。
なおここで、serD遺伝子へのScaIサイトの導入に用いたプライマーは以下に示すとおりであった。
5'-CAGGAAACAGATATGAC-3' (配列番号16)
5'-GCTAGTACTCGAAACGGATC-3' (配列番号17)
【0049】
大腸菌用発現プラスミドの構築
pQE-NHserD の構築
pUC-serDを制限酵素によりPstIとEcoRIで切断処理して得られるserDを含む断片を、あらかじめPstIとEcoRIで切断処理したプラスミドpBSIISK+と混合し、takara ligation kit version II(宝酒造社製)を用いて、16℃で、1時間連結反応を行なった。
次に、得られた反応混合物を、前記と同様に大腸菌JM109 株に導入した。
得られた形質転換体からプラスミドを調製し、これより、serD遺伝子(約270bp)が正しく挿入されたことを確認した。
このようにして得られたserD遺伝子を有する組換体プラスミドを、ここではpBS-serDと呼ぶこととする。
【0050】
次にpBS-serDを、BclIとHindIIIにより切断処理して得られるserDを含む断片を、あらかじめBclIとHindIIIで切断処理した大腸菌用高発現ベクターpQE30(Qiagen社)と混合し、takara ligation kit version II(宝酒造社製)を用いて、16℃、1時間連結反応を行なった。
次に、得られた反応混合物を、前記と同様に大腸菌JM109 株に導入した。
得られた形質転換体からプラスミドを調製し、これより、serD遺伝子(約270bp)が正しく挿入されたことを確認した。
このようにして得られたserD遺伝子を有する組換体プラスミドを、ここではpQE-NHserDと呼ぶこととする。
なおこのとき、SP2のN末端には6×Hisタグが位置するようにデザインした。
発現するポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号18に示されるとおりであった。
【0051】
pQE-NHLserT 、 pQE -NHLserH 、および pQE-NHLserO の構築
前記したプラスミドpET-serT、pET-serH、およびpET-serOをNheIで切断処理して得られるserT、serH、およびserOを含む断片を、それぞれpBSIISK+のXbaIサイトに連結し組換えプラスミドを構築した。さらにこれらの組換えプラスミドをScaIとHindIIIで切断処理し、SP4、SP6、およびSP8をそれぞれコードする遺伝子serT、serH、およびserOを含む断片を調製した。調製した遺伝子断片を大腸菌用高発現ベクターpQE30に連結して、それぞれの発現プラスミドpQE-NHLserT、pQE-NHLserH、およびpQE-NHLserOを構築した。
なおこのとき、SP4、SP6、およびSP8のN末端には6×Hisタグが位置するようにデザインした。
発現するポリペプチドのアミノ酸配列は、それぞれ配列番号19、配列番号20、および配列番号21に示されるとおりであった。
【0052】
pQE-NHserT の構築
pQE-NHLserTを鋳型としてPCR反応を行い、5'末端側にSphIサイト、および3'末端側にHindIIIサイトをそれぞれ付加したserTフラグメントを取得した。
このときPCR反応に用いたプライマーは以下に示されるとおりであった。
5'-ATCGGCATGCGTTCGAGTAC-3' (配列番号22)
5'-ATTAAGCTTCTATTAAACGG-3' (配列番号23)
次いで、取得したserTフラグメントを制限酵素によりSphIとHindIIIで処理し、あらかじめ同制限酵素で切断したpQE32ベクターに連結することによって、発現プラスミドpQE-NHserTを構築した。
該pQE-NHserTによる発現産物は、pQE-NHLserTの発現産物のN末端側を短くしたものであり、システイン残基が存在しないものであった。
発現するポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号24に示されるとおりであった。
【0053】
pQE-CHserT の構築
プラスミドpQE-NHserTを制限酵素によりSphIとBamHIで切断し、serTフラグメントを取得した。このフラグメントを、あらかじめ同制限酵素で切断したpQE70ベクターに連結することによって、発現プラスミドpQE-CHserTを構築した。
該pQE-CHserTによる発現産物は、ペプチドのC末端側に、精製と検出を容易にするためのヒスチジンタグが付加するようにデザインした。
発現するポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号25に示されるとおりであった。
【0054】
なお、ここで用いた大腸菌用高発現ベクターpQEは、ファージT5プロモーターとlacオペレーターを有しており、この下流に組み込まれた目的の遺伝子は、培地中へのIPTG(イソプロピルβ-D-チオガラクトピラノシド)の添加により、発現が誘導されるものである。
また、目的タンパク質をヒスチジンヘキサマー(6×His)タグを有する融合タンパク質として発現させ、6×Hisと高い親和性を有するNi-NTA[nitrilotriacetic acid](Qiagen)を用いて精製することができる。
【0055】
SPをコードする遺伝子の大腸菌での発現誘導と発現の確認
大腸菌形質転換体の取得
大腸菌JM109 株(recA1,Δlac-proAB, endA1, gryA96, thi-1, hsdR17, supE44, relA1, λ- , (F′traD36, proAB, lacI q Z ΔM15))に、SPをコードする遺伝子を組み込んだ発現用プラスミドpQE-NHserD、pQE-NHLserT、pQE-NHLserH、pQE-NHLserO、pQE-NHserT、pQE-CHserT、および対照としてpQEベクターのみをそれぞれ導入した。大腸菌用発現ベクターpQEは選択マーカーとしてアンピシリン耐性遺伝子を有するので、形質転換体はアンピシリン耐性コロニーとして選択した。
【0056】
発現誘導
SPをコードする遺伝子を組み込んだ発現用プラスミドを導入した大腸菌JM109株形質転換体を、アンピシリン50μg/mlを含むM9+2%カザミノ酸培地において、37℃で、一晩振盪培養した。そして、この培養液を、同培地に2%濃度で接種し、さらに37℃で振盪培養した。
得られた培養物に、610nmの吸光度が0.3〜0.5の時点で最終濃度1mMとなるようにIPTG(イソプロピルβ-D-チオガラクトピラノシド)を添加して、さらにそれを4時間培養を継続した。
【0057】
発現の確認
培養終了後、遠心分離により培養上清を除き、菌体を培養液の1/10量の緩衝液[50mM Na-phosphate(pH7.8), 300mM NaCl]に再懸濁させた。続いて、超音波処理(200W、約30分)により菌体を破砕して、無細胞抽出液を調製した。
該無細胞抽出液の一部を用いて、常法に従ってSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、それをCoomassie染色を行った結果、発現したSPが濃いバンドとして確認された。
また、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動パターンをニトロセルロースメンブランに転写した後、SPのN末端側に付加したヒスチジンヘキサマー(6×His)タグを、HRP標識Ni−NTA(nitrilotriacetic acid)(Qiagen社製)を用いて化学発色により検出したところ、目的のSPが生産されていることが確認された。
また、エドマン分解によるペプチドのN末端アミノ酸シークエンシングを行った結果、デザイン通りのアミノ酸配列を有していることを確認した。
前記Coomassie染色の結果と、Ni-NTAによるヒスチジンタグの検出の結果とは、図1に示されるとおりであった。
【0058】
SPの精製
発現産生されたペプチドは、親水性が高く、ほとんど高次構造を形成していないことから、100℃で10分間以上処理しても、沈殿しない性質を有している。この性質を利用して、超音波処理により調製した無細胞抽出液を、100℃で10分間処理後、6,500rpmで、5分間遠心することにより、大腸菌由来の変性したタンパク質を沈殿させ、一方、SPは可溶性画分として上清より回収した。
次に、QIAexpress Ni-NTA Protein purification System(Qiagen社製)を用いて、該無細胞抽出液の上清から、SPを精製した。このQIAexpress Ni-NTA Protein purification Systemは、ヒスチジンヘキサマー(6×His)タグを有するタンパク質を、Ni-NTA(nitrilotriacetic acid)との高いアフィニティーを利用して精製することができるものである。
【0059】
評価試験
冷凍耐性度の評価試験
SPをコードする遺伝子を組み込んだ発現用プラスミドpQE-NHserT、pQE-CHserT、および対照としてpQEベクターのみをそれぞれ保有する大腸菌JM109株を、アンピシリン50μg/mlを含むM9+2%カザミノ酸培地中で、37℃で、一晩振盪培養した。次いで、この培養液を、同培地に2%濃度で接種し、37℃でさらに振盪培養した。
得られた培養物に、610nmの吸光度が0.3〜0.5の時点で最終濃度1mMとなるようにIPTG(イソプロピルβ-D-チオガラクトピラノシド)を添加して、発現誘導を開始し、さらにそれを4時間培養を継続した。
培養終了後、培養液を100μlずつエッペンドルフチューブに分注し、−30℃の下で、3日間冷凍処理を施した。
冷凍処理後、エッペンドルフチューブを25℃に10分間静置することにより解凍した。解凍後の培養液を105、106、および107に希釈して、それぞれLB+2%グルコース寒天培地にプレーティングし、所定の培養を行った後、そのコロニー数を測定した。得られた結果と、冷凍処理前のコロニー数とを比較して、冷凍後の生存率を求めた。
【0060】
その結果、対照であるpQEベクターのみを保有する株の生存率38.5%であったのに対し、pQE-NHserT発現株では63.6%であり、またpQE-CHserT発現株では77.3%であった。したがって、SPを細胞内に有する細胞は、SPを有しない細胞に比べて、細胞の脱水ストレスに対する耐性能が約2倍以上に向上した。
これらの結果は、図2に示されるとおりであった。なお、該図において、冷凍耐性度として表されるものは、コントロール株の生存率を1としたときの、各発現株の相対的な生存率によって求められるものである。
【0061】
高浸透圧ストレス耐性評価試験
SPをコードする遺伝子を組み込んだ発現用プラスミドpQE-NHserT、pQE-CHserT、および対照としてpQE30ベクターのみをそれぞれ保有する大腸菌JM109株を、アンピシリン50μg/mlを含むM9+2%カザミノ酸培地中で、37℃で、一晩振盪培養した。次いで、この培養液を、同培地に2%濃度で接種し、37℃でさらに振盪培養した。
得られた培養物に、610nmの吸光度が0.3〜0.5の時点で最終濃度1mMとなるようにIPTGを添加して、さらにそれを4時間培養後、0.5M sorbitolを添加した高浸透圧M9CA液体培地に、610nmの吸光度が0.1となるように植菌した。
前記培地の培養を継続し、生育の指標として610nmの吸光度の変化を測定した。0.5M sorbitolを添加した高浸透圧M9CA培地では、浸透圧ストレスによって対照株の生育が阻害されていた。一方、pQE-NHserT、およびpQE-CHserT発現株では、0.5M sorbitol培地における移植後の生育が回復した。
したがって、細胞内にSPを蓄積させることにより、脱水ストレスの一つである浸透圧ストレスについても、緩和させることができた。
【0062】
酵素に対する凍結保護活性の評価試験
SPの取得
SPをコードする遺伝子を組み込んだ発現用プラスミド(pQE-NHserD)を導入した大腸菌JM109株形質転換体を、アンピシリン50μg/mlを含むM9+2%カザミノ酸液体培地中で、37℃で、一晩振盪培養した。次いで、この培養液を、同培地に2%濃度で再接種し、37℃でさらに振盪培養した。
610nmの吸光度が0.3〜0.5の時点で最終濃度1mMとなるようにIPTG(イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシド)を添加して遺伝子発現誘導を開始し、さらに4時間培養を継続した。
培養終了後、遠心分離により培養上清を除き、菌体を培養液の1/10量の緩衝液[50mMNa-phosphate(pH7.8)、300mM NaCl]に再懸濁させた。次いで、超音波処理(200W、約30分)により菌体を破砕し、無細胞抽出液を調製した。
無細胞抽出液の一部を用いて、常法に従ってSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動とCoomassie染色を行いSPの発現を確認した。
【0063】
前記した発現産生されたSPの性質を利用して、超音波処理により調製した無細胞抽出液を、100℃で10分間熱処理後、6,500rpm〜12,000rpm、5〜20分間遠心分離することにより、大腸菌由来の変性したタンパク質を沈殿させ、一方、SPは可溶性画分として上清より回収した。
次に、QlAexpress Ni-NTA Protein purification System(Qiagen社製)を用いて、熱処理後の上清に含まれるSPをさらに精製した。QlAexpress Ni-NTA Protein purification Systemでは、ヒスチジンヘキサマー(6×His)タグを有するタンパク質を、親和性を利用してNi−NTA(nitrilotriacetic acid)に吸着させた後、0.02M〜1.0Mイミダゾール溶液で溶出させる。
精製したSPは、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動とCoomassie染色によって確認した(図3)。また、SPの濃度の測定は、蛋白質定量法として広く用いられるBCA法によって行った。
【0064】
LDH凍結保護活性試験
大腸菌で発現産生されたSPについて、酵素の凍結融解による失活に対する保護活性を測定した。
モデル酵素としては乳酸脱水素酵素(LDH)を用いた。乳酸脱水酵素(LDH)は、解糖系でピルビン酸からL乳酸を生成する過程で働く酵素であり、凍結による脱水ストレスに対して感受性が高く、凍結融解処理によって失活し易いことが知られている(K.Goller, E.A.Galinski, Jounal of Molecular Catalysis B: Enzymatic 7(1999)pp37-45)。
【0065】
LDHの反応系を以下に示す。
【化1】
【0066】
市販のLDH[5,000U/ml](オリエンタル酵母社製、from Pig heart)を、50mMリン酸カリウムバッファーで希釈し、約250unitの酵素溶液を調製した。調製した酵素溶液を4℃で一晩透析し、市販の酵素液に含まれている硫酸アンモニウム等を完全に取り除いた。
透析後の酵素溶液を50mMリン酸カリウムバッファーで希釈し、約4unitのLDH溶液を調製した。
【0067】
リン酸カリウムバッファーとLDH溶液を混合し、25℃でプレインキュベーション後、ピルビン酸ナトリウムとNADHを素早く添加して、340nmにおける吸光度の変化を分光光度計[ベックマン社製、DU640]で5分間測定した。
LDH活性測定の反応液組成および分光光度計の測定条件を以下に示す。
(測定条件)
波長:340nm、 光路長:1cm、 温度:25℃
【0068】
LDHの活性は、NADHの変化量(340nmにおける吸光度変化量)から、以下の式(i)により求めた。
(ΔA/分・V・D)/(ε・d・v)=IU/ml (i)
[ただし、
ΔA/min = 340nmにおける1分間当たりの吸光度変化量
V = 最終液量(3.17ml)
D = 最終希釈率
ε = 340nmにおけるNADHの分子吸光係数(6.3×103l・モル−1・cm−1)
d = 光路長(1cm)
v = 酵素液量(0.02ml)]
【0069】
前記の方法で調製したLDH溶液[約4unit/ml]に、精製したSPを、0.01%および0.05%濃度となるように添加した。
比較対照として、蛋白質の凍結に対する活性低下防止剤として使用されるウシ血清アルブミン(BSA)[Sigma、Albumin bovine fraction V]を、0.01%および0.1%濃度となるように添加したもの、ならびに、添加しないもの(リン酸カリウムバッファーのみ)として各条件のLDH溶液を調製した。
調製したLDH溶液のサンプルを以下にまとめて示す。
LDH[4unit/ml]、
LDH[4unit/ml]+0.01%SP、
LDH[4unit/ml]+0.05%SP、
LDH[4unit/ml]+0.01%BSA、
LDH[4unit/ml]+0.05%BSA。
【0070】
次に、調製した各サンプルを、1.5mlテストチューブに100μlずつ分注し、液体窒素で1分間凍結した。その後、30℃で5分間融解させ、前述の方法でLDH活性を測定した。各サンプルについて、凍結前のLDH活性を100%とし、この凍結/融解処理を繰返した後のLDHの残存活性を求めた。
凍結/融解を繰返すことにより、SPを添加していないサンプルのLDH残存活性は著しく低下し、8回の凍結融解処理後では約3%となったのに対し、SPを添加したものでは約90%の残存活性を有していた。
以上の結果は図4に示されるとおりであった。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】SPの遺伝子の大腸菌における発現生産を確認したものであり、Coomassie染色の結果と、Ni-NTAによるヒスチジンタグの検出の結果を示す。
【図2】SP発現株の凍結耐性に対する評価試験の結果を示す。
【図3】大腸菌において発現産生されたSPの精製状態を確認した結果を示す。
【図4】SPの酵素に対する凍結保護活性を評価した試験の結果を示す。
Claims (9)
- 下記アミノ酸配列(I)を含んでなるポリペプチドを含んでなる、凍結によるタンパク質の活性低下を防ぐ活性低下防止剤:
Ser-Ser-Thr-Gly-Ser-X1-Ser-X2-Thr-Asp-X3-X4-X5-X6-X7-X8-Gly-Ser-X9-Thr-Ser-Gly-Gly-Ser-Ser-Thr-Tyr-Gly-Tyr-Ser-Ser-X10-X11-X12-X13-Gly-X14-Val(I)(配列番号1)
(前記配列中、
X1は、Ser、またはThrを表し、
X2は、Asn、またはThrを表し、
X3は、Ser、またはAlaを表し、
X4は、Asn、またはSerを表し、
X5は、Ser、またはThrを表し、
X6は、Asn、Asp、またはLysを表し、
X7は、Ser、Asn、またはLysを表し、
X8は、Ala、Thr、またはValを表し、
X9は、Ser、またはArgを表し、
X10は、Asn、Ser、Asp、またはArgを表し、
X11は、Ser、Asn、His、またはCysを表し、
X12は、Arg、またはGlyを表し、
X13は、Asp、またはGlyを表し、
X14は、Ser、またはArgを表す。) - 前記アミノ酸配列(I)が下記アミノ酸配列(II)である、請求項1に記載の活性低下防止剤:
Ser-Ser-Thr-Gly-Ser-Ser-Ser-Asn-Thr-Asp-Ser-Asn-Ser-Asn-Ser-Ala-Gly-Ser-Ser-Thr-Ser-Gly-Gly-Ser-Ser-Thr-Tyr-Gly-Tyr-Ser-Ser-Asn-Ser-Arg-Asp-Gly-Ser-Val(II)(配列番号2)。 - 前記ポリペプチドが、前記アミノ酸配列(I)を少なくとも2回反復した反復配列として含んでなる、請求項1または2に記載の活性低下防止剤。
- 目的タンパク質が酵素である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性低下防止剤。
- ポリペプチドが、キメラタンパク質である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性低下防止剤。
- 凍結させる目的タンパク質に、下記アミノ酸配列(I)を含んでなるポリペプチドを加えることを含んでなる、凍結によるタンパク質の活性低下を防ぐ方法:
Ser-Ser-Thr-Gly-Ser-X1-Ser-X2-Thr-Asp-X3-X4-X5-X6-X7-X8-Gly-Ser-X9-Thr-Ser-Gly-Gly-Ser-Ser-Thr-Tyr-Gly-Tyr-Ser-Ser-X10-X11-X12-X13-Gly-X14-Val(I)(配列番号1)
(前記配列中、
X1は、Ser、またはThrを表し、
X2は、Asn、またはThrを表し、
X3は、Ser、またはAlaを表し、
X4は、Asn、またはSerを表し、
X5は、Ser、またはThrを表し、
X6は、Asn、Asp、またはLysを表し、
X7は、Ser、Asn、またはLysを表し、
X8は、Ala、Thr、またはValを表し、
X9は、Ser、またはArgを表し、
X10は、Asn、Ser、Asp、またはArgを表し、
X11は、Ser、Asn、His、またはCysを表し、
X12は、Arg、またはGlyを表し、
X13は、Asp、またはGlyを表し、
X14は、Ser、またはArgを表す)。 - 前記アミノ酸配列(I)が下記アミノ酸配列( II )である、請求項6に記載の方法:
Ser-Ser-Thr-Gly-Ser-Ser-Ser-Asn-Thr-Asp-Ser-Asn-Ser-Asn-Ser-Ala-Gly-Ser-Ser-Thr-Ser-Gly-Gly-Ser-Ser-Thr-Tyr-Gly-Tyr-Ser-Ser-Asn-Ser-Arg-Asp-Gly-Ser-Val(II)(配列番号2)。 - 前記ポリペプチドが、前記アミノ酸配列(I)を少なくとも2回反復した反復配列として含んでなる、請求項6または7に記載の方法。
- 目的タンパク質が酵素である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
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