JP3985874B2 - 感冒治療薬 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は感冒治療薬に関する。更に詳しくは、イブプロフェンと柴胡桂枝湯エキスとを有効成分とする感冒治療薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
イブプロフェンは抗炎症作用、鎮痛作用および解熱作用を有し、炎症性、疼痛性の疾患、例えば感冒等に用いられているが、経口投与した場合、副作用として胃腸障害をおこすことが知られている。
【0003】
イブプロフェンの経口投与による胃腸障害を軽減する方法として、坐剤としたり[応用薬理、24巻、549〜560頁(1982)]、イブプロフェンにアセトアミノフェンとマグネシウム系制酸剤を併用したり(特開平5-148139号)することが知られているが、必ずしも満足な結果は得られていない。
【0004】
イブプロフェン[化学名;2-(4-イソブチルフェニル)プロピオン酸]には、R(−)およびS(+)のエナンチオマー(以下、それぞれR体、S体という)が存在するが、活性本体はS体であることが知られている。また、イブプロフェンは、通常ラセミ体で投与(服用)されるが、投与後、R体は体内でS体に変換される[Br.J.Clin.Pharmac.、19巻、669〜674頁、(1985)]。
【0005】
柴胡桂枝湯は、腹痛を伴う胃腸炎、微熱、寒け、頭痛、吐き気等のある感冒、風邪の後期の症状に用いられているが、イブプロフェンとの併用効果については知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等はイブプロフェンを有効成分とする感冒治療薬において、イブプロフェンの抗炎症作用、鎮痛作用および解熱作用を増強させるとともにイブプロフェンの胃腸障害の軽減をはかることを目的として種々検討を行った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、種々検討を行った結果、柴胡桂枝湯エキスがイブプロフェンの抗炎症作用、鎮痛作用および解熱作用を増強させるとともにイブプロフェンの胃腸障害を軽減させることを見いだし、この知見に基づき本発明を完成した。
【0008】
以下、本発明のイブプロフェンと柴胡桂枝湯エキスとを有効成分とする感冒治療薬について詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる柴胡桂枝湯エキスは重量比で、柴胡2.5〜8.5、半夏1.3〜6.5、桂枝あるいは桂皮1.0〜4.0、芍薬1.0〜6.0、黄ごん1.0〜3.0、大棗1.0〜5.0、人参0.7〜3.0、甘草0.3〜2.2および生姜0.5〜2.0からなる混合生薬、または、好ましくは柴胡4.0〜6.0、半夏4.0〜5.0、桂枝あるいは桂皮1.5〜3.0、芍薬1.5〜3.0、黄ごん1.5〜2.5、大棗1.5〜2.5、人参1.5〜2.5、甘草1.0〜2.0および生姜0.5〜1.0からなる混合生薬、または、更に好ましくは柴胡5.0、半夏4.0、桂皮3.0、芍薬3.0、黄ごん2.0、大棗2.0、人参2.0、甘草2.0および生姜1.0からなる混合生薬から得られる。
【0010】
柴胡桂枝湯エキスは通常、濃縮エキスまたは乾燥エキス末として用いられ、これらの柴胡桂枝湯エキスは以下のようにして製造することができる。
【0011】
即ち、まず上記混合生薬に対して重量比で5〜25倍、好ましくは8〜20倍の水、水溶性有機溶剤あるいはこれらの混合溶剤を加え、これを通常80〜100℃で30分〜2時間加熱して柴胡桂枝湯を煎出する。上記水溶性有機溶剤としてはエタノ−ルが好ましい。
【0012】
次に、煎出終了後、煎出液を濾過あるいは遠心分離して煎出滓を除去し、次いで、通常の濃縮手段、例えば減圧濃縮により濃縮エキスとするか、あるいは通常の乾燥手段、例えば減圧乾燥、噴霧乾燥あるいは凍結乾燥により乾燥エキス末とする。
【0013】
本発明の感冒治療薬(以下、本発明薬剤という)は、イブプロフェン1重量部に対して、乾燥重量として2〜15重量部、または、好ましくは5〜7重量部の柴胡桂枝湯エキスを配合することによって製造される。
【0014】
本発明薬剤はイブプロフェンと柴胡桂枝湯エキスとを有効成分として含有するカプセル剤、錠剤、顆粒剤、細粒剤あるいは散剤等の各種固形製剤を包含する。
これら各種固形製剤は賦形剤、崩壊剤等の通常の医薬品添加物、例えば、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、トウモロコシでんぷん、結晶セルロ−ス、カルメロースカルシウム、無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等を適宜加えて常法により製造することができる。
【0015】
また、本発明薬剤においては、イブプロフェンが特有の苦みを有することから、該苦みをマスキングした製剤が服用上好ましい。
【0016】
マスキングの方法としては、薬物を被覆剤で被覆する方法(フィルムコーティング法)あるいは薬物を基剤中に分散させてマトリックス状にする方法(マトリックス法)等の公知のマスキング方法が用いられる。
【0017】
即ち、フィルムコーティング法は前記のようにして得られる錠剤、顆粒剤、細粒剤あるいは散剤に、例えば胃溶性、腸溶性ポリマーまたは水溶性、水不溶性ポリマー等の被覆剤を用いて皮膜を施すことによって容易に行うことができる。
【0018】
上記被覆剤の具体例としては、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、ポリビニルアセチルジエチルアミノアセテート、セルロースアセテートフタレート、メタアクリル酸コポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2910、メチルセルロース、エチルセルロース等が挙げられる。
【0019】
マトリックス法はイブプロフェンと柴胡桂枝湯エキスとを、水不溶性のポリマ−および/または水膨潤性のポリマ−よりなる基剤と練合し、造粒して、イブプロフェンと柴胡桂枝湯エキスとが、該ポリマ−よりなる基剤中に分散されたマトリックス状とした後、常法により錠剤、顆粒剤、細粒剤あるいは散剤に調製することによって行うことができる。
【0020】
上記水不溶性のポリマ−の具体例としては、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等が挙げられる。また、水膨潤性のポリマ−の具体例としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。
【0021】
また、上記基剤中にヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性のポリマ−、硬化油、ステアリン酸等の高級脂肪酸および/または蔗糖脂肪酸エステル等の医薬添加物を適宜、添加することができる。
【0022】
上記固形製剤の中で、苦みを効果的にマスキングし、かつ、薬効が速やかに発現する等の点で、イブプロフェンと柴胡桂枝湯エキスとを、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとエチルセルロースとに分散させてマトリックス状にして得られる顆粒剤が服用上特に好ましい。
【0023】
上記顆粒剤はイブプロフェン1重量部に対して、乾燥重量として2〜15重量部、または、好ましくは5〜7重量部の柴胡桂枝湯エキスを配合し、これらにイブプロフェン1重量部に対して、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、1〜1.5重量部およびエチルセルロース0.3〜0.4重量部を加えて混合した後、エタノールを添加して練合し、造粒、乾燥、篩過することにより製造することができる。
【0024】
本発明薬剤は、感冒治療薬として投与される。本発明薬剤の投与量は、患者の病態、年齢、体重等によって一定しないが、通常、成人に対して1日当たり有効成分として0.1〜10gであり、これを1度にまたは2〜3回に分けて経口投与する。
【0025】
【発明の効果】
本発明薬剤においては、イブプロフェンの血漿中濃度がイブプロフェン単独投与時に比して増加する(試験例1)ことから、イブプロフェンの抗炎症作用が増強される。本発明薬剤においては、イブプロフェンの鎮痛作用(試験例2)ならびに解熱作用(試験例3)がイブプロフェン単独投与時に比して増強される。
【0026】
また、柴胡桂枝湯エキスが抗潰瘍作用を有すること(試験例4)から、本発明薬剤においては、イブプロフェンの胃腸障害が軽減される。
【0027】
更に、本発明薬剤は、低毒性である(試験例5)。
【0028】
以下に試験例を挙げて本発明を説明する。
【0029】
以下の試験例において、イブプロフェンはラセミ体(R体/S体=55/45)を用いた。また、柴胡桂枝湯エキスは後記製造例1に準じて調製した乾燥エキス末を用いた。なお、本発明薬剤は上記、イブプロフェンと柴胡桂枝湯エキスとを適宜配合して用いた。
【0030】
試験例1
イブプロフェンの血漿中濃度:
(1)検体
▲1▼ 本発明薬剤(イブプロフェンと柴胡桂枝湯エキスの配合比は1対6.11)
▲2▼ イブプロフェン
(2)試験方法
一夜絶食したウイスター(Wistar)系雄性ラット(体重220〜250g、1群5匹)の右大腿動脈にエ−テル麻酔下カニュ−レを施し、随時採血できるようにした。各検体を蒸留水−5%アラビアゴムエマルジョンに溶解または懸濁させて、[本発明薬剤は106.7mg/kg(イブプロフェン15mg/kgに相当)、イブプロフェンは15mg/kg]経口投与し、投与後経時的に採血して、この血液を10000×g、10秒間遠心分離後、血漿を得た。
【0031】
このようにして得られた血漿50μlに1%塩酸50μl、ヘキサン/2-プロパノ−ル(9/1)180μlとヘキサン/2-プロパノ−ル(100/1)に溶解した内部標準物質(m-トルイル酸40μg/ml)20μlを加え、攪拌、遠心分離後、上清を試料溶液とした。これを以下の測定条件を用いた高速液体カラムクロマトグラフィー(HPLC)法によって測定し、内部標準物質に対するR体およびS体のピ−ク高さ比からR体およびS体の濃度をそれぞれ算出した。
【0032】
HPLC測定条件:
カラム:キラルセルTMOD(ダイセル化学工業社製、4.6mm × 250mm)
カラム温度:35℃
移動相:ヘキサン/2-プロパノ−ル/1%トリクロロ酢酸(100/1/0.01)
流速:1.0ml/min
検出:UV220nm
(3)試験結果
ラット血漿中S体(活性本体)の濃度推移を図1に、R体の濃度推移を図2に示した。
【0033】
図1から明らかなように、本発明薬剤投与群のS体(活性本体)の血漿中濃度は、イブプロフェン投与群のそれと比べて投与直後から増加傾向が認められ、特に投与10〜15分においては有意な増加が認められた。
【0034】
また、図2から明らかなように、本発明薬剤投与群のR体の血漿中濃度は、R体が体内でS体に変換されることから、S体に比べて低値を示したが、上記のS体の場合と同様に、イブプロフェン投与群のそれと比べて投与直後から増加傾向が認められ、特に投与10〜15分においては有意な増加が認められた。
【0035】
試験例2
鎮痛作用:
(1)検体
▲1▼ 本発明薬剤(イブプロフェンと柴胡桂枝湯エキスの配合比は1対6.67)
▲2▼ イブプロフェン
▲3▼ 柴胡桂枝湯エキス
(2)試験方法
一夜絶食した5週齢のddY系雄性マウス(体重20〜26g、1群11〜16匹)に、各検体を蒸留水−5%アラビアゴムエマルジョンに溶解または懸濁させて図3に示す用量(0.1ml/10g)を経口投与した。投与1時間後に、0.7%酢酸0.1ml/10gを腹腔内投与した。次に、酢酸投与5分後から20分後までの15分間のマウスのライシング(writhing)数を測定し、これと対照群[蒸留水−5%アラビアゴムエマルジョンのみを経口投与した群(検体非投与群)]のライシング数より次式に従って抑制率を算出した。また、対照群の平均ライシング数の50%以下の個体を有効とし、プロビット(Probit)法によってED50値を求めた。
【0036】
【数1】
(3)試験結果
結果を図3および表1に示した。
【0037】
【表1】
本発明薬剤のED50値は359.8mg/kgであるが、イブプロフェン量で比較すると、イブプロフェンのみを投与した場合よりも約1.3倍効力が増加した。
【0038】
試験例3
解熱作用:
(1)検体
試験例2に同じ。
(2)試験方法
ウイスター系雄性ラット(体重182〜222g)の背部皮下に20%乾燥酵母生理食塩液10ml/kgを注射した。酵母注射後一夜絶食し、17時間後に直腸温が1.2℃以上上昇したラット(1群6匹)に、各検体を蒸留水−5%アラビアゴムエマルジョンに溶解または懸濁させて、[本発明薬剤は11.5mg/kg(イブプロフェン1.5mg/kgに相当)、イブプロフェンは1.5mg/kg、柴胡桂枝湯エキスは12.5mg/kg]経口投与した。次いで、検体投与後1時間毎に5時間後まで直腸温を測定した。
【0039】
また、対照群[蒸留水−5%アラビアゴムエマルジョンのみを経口投与した群(検体非投与群)]について、上記と同様に直腸温を測定した。
(3)試験結果
結果を図4および図5に示した。
【0040】
図4から明らかなように、イブプロフェン投与群は投与1時間後に有意な直腸温の低下が見られたが、2時間目以降対照群との間で差は見られなかった。これに対し、本発明薬剤投与群は投与1〜3時間まで有意な直腸温の低下が見られ、イブプロフェンの解熱作用の増強が示された。
【0041】
また、図5に示す通り柴胡桂枝湯エキス投与群の直腸温はほとんど変化しなかった。
【0042】
試験例4−(1)
抗潰瘍作用:
(1)検体
▲1▼ 柴胡桂枝湯エキス
(2)試験方法
一夜絶食したSD系雄性ラット(体重174〜206g、1群8〜9匹)に、検体を蒸留水に懸濁させて、図6に示す用量を経口投与した。経口投与30分後にアスピリン200mg/kgを経口投与してアスピリン潰瘍を誘発させた。その4時間後にラットを屠殺し、直ちに胃を摘出し、ホルマリンで固定した。大湾部を切開した後、損傷の長さ(mm)を実体顕微鏡で測定し、一匹当りの損傷の長さの総計を潰瘍係数(ulcer index)とした。
【0043】
また、対照群[蒸留水−5%アラビアゴムエマルジョンのみを経口投与した群(検体非投与群)]について、上記と同様に潰瘍係数を求めた。
(3)試験結果
結果を図6に示した。
【0044】
図6から明らかなように、柴胡桂枝湯エキス投与によりアスピリンによる胃粘膜障害が抑制された。従って、イブプロフェンと柴胡桂枝湯エキスとを含有する本発明薬剤においては、イブプロフェンの胃腸障害が柴胡桂枝湯エキスによって軽減される。
【0045】
試験例4−(2)
抗潰瘍作用:
(1)検体
▲1▼ 柴胡桂枝湯エキス
(2)試験方法
一夜絶食したSD系雄性ラット(体重184〜208g、1群5〜6匹)に、検体を蒸留水に懸濁させて、図7に示す用量を経口投与した。経口投与30分後にイブプロフェン100mg/kgを経口投与してイブプロフェン潰瘍を誘発させた。その4時間後にラットを屠殺し、直ちに胃を摘出し、ホルマリンで固定した。大湾部を切開した後、損傷の長さ(mm)を実体顕微鏡で測定し、一匹当りの損傷の長さの総計を潰瘍係数(ulcer index)とした。
【0046】
また、対照群[蒸留水のみを経口投与した群(検体非投与群)]について、上記と同様に潰瘍係数を求めた。
(3)試験結果
結果を図7に示した。
【0047】
図7から明らかなように、柴胡桂枝湯エキス投与により、イブプロフェンによる胃粘膜障害が有意に抑制された。従って、イブプロフェンと柴胡桂枝湯エキスとを含有する本発明薬剤においては、イブプロフェンの胃腸障害が柴胡桂枝湯エキスによって軽減される。
【0048】
試験例5
急性毒性:
(1)検体
▲1▼ 本発明薬剤(イブプロフェンと柴胡桂枝湯エキスの配合比は1対6.44)
(2)試験方法
F344/Du Crj系雄性ラット(体重76〜81g、1群5匹)に検体を蒸留水に懸濁させて、2000mg/kgを経口投与し、7日間、死亡の有無、一般状態、体重の変化を観察した。また、観察期間終了時に全身諸臓器の異常の有無を肉眼的に観察した。
(3)試験結果
本発明薬剤2000mg/kgを経口投与しても死亡の発現は見られなかった(LD50値>2000mg/kg)。また、観察期間中、一般状態に異常はなく、体重も順調な増加を示した。
【0049】
観察期間終了時の剖検においても、主要臓器の肉眼的な変化は観察されなかった。
【0050】
【実施例】
以下に製造例および実施例を挙げて本発明を説明する。
【0051】
製造例1
柴胡桂枝湯エキス末の製造:
柴胡1.25kg、半夏1.0kg、桂皮0.75kg、芍薬0.75kg、黄ごん0.5kg、大棗0.5kg、人参0.5kg、甘草0.5kgおよび生姜0.25kgよりなる混合生薬に精製水60lを加えて約100℃で1時間加熱した。煎出液を濾過し、減圧濃縮後、噴霧乾燥して柴胡桂枝湯乾燥エキス末1.47kgを得た(収率;24.5% )。
【0052】
実施例1
顆粒剤:
(処方)
イブプロフェン 10重量部
柴胡桂枝湯乾燥エキス末 64重量部
乳糖 9重量部
低置換度ヒドロキシプロピルセルロ−ス 13重量部
エチルセルロース 3重量部
ステアリン酸マグネシウム 1重量部
イブプロフェン以下エチルセルロースまでの各成分を充分混合し、無水エタノ−ル30重量部を加えて練合し、湿式押し出し造粒法により造粒し、乾燥して整粒篩別し、造粒物を得る。この造粒物にステアリン酸マグネシウムを加えて混合し顆粒剤を得る。
【0053】
実施例2
顆粒剤:
(処方)
イブプロフェン 10重量部
柴胡桂枝湯乾燥エキス末 67重量部
乳糖 5重量部
低置換度ヒドロキシプロピルセルロ−ス 14重量部
ヒドロキシプロピルセルロース 3重量部
ステアリン酸マグネシウム 1重量部
イブプロフェン以下ヒドロキシプロピルセルロースまでの各成分を充分混合し、無水エタノ−ル30重量部を加えて練合し、湿式押し出し造粒法により造粒し、乾燥して整粒篩別し、造粒物を得る。この造粒物にステアリン酸マグネシウムを加えて混合し顆粒剤を得る。
【0054】
実施例3
顆粒剤:
(処方)
イブプロフェン 10重量部
柴胡桂枝湯乾燥エキス末 67重量部
乳糖 12重量部
低置換度ヒドロキシプロピルセルロ−ス 7重量部
ヒドロキシプロピルセルロース 3重量部
ステアリン酸マグネシウム 1重量部
イブプロフェン以下ヒドロキシプロピルセルロースまでの各成分を充分混合し、無水エタノ−ル30重量部を加えて練合し、湿式押し出し造粒法により造粒し、乾燥して整粒篩別し、造粒物を得る。この造粒物にステアリン酸マグネシウムを加えて混合し顆粒剤を得る。
【0055】
実施例4
顆粒剤:
(処方)
イブプロフェン 10重量部
柴胡桂枝湯乾燥エキス末 67重量部
乳糖 14重量部
カルメロースカルシウム 5重量部
ヒドロキシプロピルセルロース 3重量部
ステアリン酸マグネシウム 1重量部
イブプロフェン以下ヒドロキシプロピルセルロースまでの各成分を充分混合し、無水エタノ−ル30重量部を加えて練合し、湿式押し出し造粒法により造粒し、乾燥して整粒篩別し、造粒物を得る。この造粒物にステアリン酸マグネシウムを加えて混合し顆粒剤を得る。
【0056】
実施例5
細粒剤:
(処方)
イブプロフェン 12重量部
柴胡桂枝湯乾燥エキス末 72重量部
結晶セルロ−ス 7重量部
合成ケイ酸アルミニウム 7重量部
ステアリン酸マグネシウム 2重量部
上記の各成分を充分混合し、この混合物を圧縮成形機により板状物とした後、オシレ−タで破砕粒状とし、整粒篩別して細粒剤を得る。
【0057】
実施例6
錠剤:
(処方)
イブプロフェン 8重量部
柴胡桂枝湯乾燥エキス末 48重量部
乳糖 20重量部
トウモロコシでんぷん 6重量部
合成ケイ酸アルミニウム 8重量部
カルメロースカルシウム 6重量部
ステアリン酸マグネシウム 1重量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース
2910 3重量部
上記のイブプロフェン、柴胡桂枝湯乾燥エキス末、乳糖、トウモロコシでんぷんおよび合成ケイ酸アルミニウムに99%エタノール28重量部を加え充分練合した後、ハンマーミル型の破砕造粒機にて破砕造粒し、乾燥して造粒物を得る。この造粒物にカルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、この混合物を1錠300mgに打錠して錠剤を得る。次いで、この錠剤にヒドロキシプロピルメチルセルロース 2910からなる皮膜を施し、フィルムコーティング錠とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明薬剤あるいはイブプロフェンをラットに経口投与したときのS体の血漿中濃度の推移を示す図である。
【図2】本発明薬剤あるいはイブプロフェンをラットに経口投与したときのR体の血漿中濃度の推移を示す図である。
【図3】本発明薬剤、柴胡桂枝湯エキスおよびイブプロフェンをマウスに経口投与したときの酢酸ライシング抑制率の用量反応曲線を示す図である。
【図4】本発明薬剤、イブプロフェンを酵母投与発熱ラットに経口投与した時の直腸温の経時的な変化を示す図である。
【図5】柴胡桂枝湯エキスを酵母投与発熱ラットに経口投与した時の直腸温の経時的な変化を示す図である。
【図6】柴胡桂枝湯エキスをラットに経口投与した時の胃粘膜障害(アスピリン潰瘍)の用量反応曲線を示す図である。
【図7】柴胡桂枝湯エキスをラットに経口投与した時の胃粘膜障害(イブプロフェン潰瘍)の用量反応曲線を示す図である。
【符号の説明】
●:本発明薬剤投与群
○:イブプロフェン投与群
△:柴胡桂枝湯エキス投与群
□:対照群
* :対照群に対してp<0.05で有意差有り(Dunnett's test)
**:対照群に対してp<0.01で有意差有り(Dunnett's test)
# :イブプロフェン投与群に対してp<0.05で有意差有り(Dunnett's test)
##:イブプロフェン投与群に対してp<0.01で有意差有り(Dunnett's test)
Claims (5)
- イブプロフェンと柴胡桂枝湯エキスとを有効成分とする感冒治療薬。
- イブプロフェン1重量部に対して、乾燥重量として2〜15重量部の柴胡桂枝湯エキスを配合してなる請求項1に記載の感冒治療薬。
- イブプロフェン1重量部に対して、乾燥重量として5〜7重量部の柴胡桂枝湯エキスを配合してなる請求項1に記載の感冒治療薬。
- イブプロフェンと柴胡桂枝湯エキスとを、水不溶性のポリマーおよび水膨潤性のポリマー中に分散させてなる、イブプロフェンの苦味をマスキングした固形製剤である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の感冒治療薬。
- 固形製剤が顆粒剤である請求項4に記載の感冒治療薬。
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