JP6676326B2 - 止瀉用の漢方製剤 - Google Patents

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Description

本発明は、止瀉用の漢方製剤に関する。より具体的には、本発明は、柴胡桂枝湯エキスの止瀉作用を向上させた止瀉用の漢方製剤に関する。
漢方薬は、数千年にも及ぶ歴史がある東洋医学に基づいて、処方されている多成分系の薬剤である。現在使用されている漢方薬は、長年の治療経験によって効能が確認され、副作用が少ない処方が受け継がれており、西洋医学的にもその有効性が認められているものも多く存在している。
漢方薬の中でも、柴胡桂枝湯は、腹痛を伴う胃腸炎、神経痛、胆石、肝機能障害、膵臓炎、てんかん、関節痛等に効果があることが知られており、そのエキスはこれらの症状の改善に利用されている。また、柴胡桂枝湯には、止瀉作用もあり、そのエキスは下痢の治療にも有効であることが知られている。
しかしながら、柴胡桂枝湯が有する止瀉作用は、比較的緩和であり、強い効き目を期待できるものではない。そのため、止瀉作用を期待して柴胡桂枝湯エキスを服用する場合には、必ずしも満足できる効能が得られないのが現状である。
一方、従来、柴胡桂枝湯エキスを含む漢方製剤の製剤化技術については報告されている例はあるものの(特許文献1及び2)、柴胡桂枝湯エキスの止瀉作用を向上させる製剤化技術については報告されていない。
特開平9−286736号公報 特開平8−208465号公報
本発明の目的は、柴胡桂枝湯エキスが有する止瀉作用を向上させる製剤技術を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、痛止め剤には、副作用として下痢が知られているにも拘わらず、柴胡桂枝湯エキスと併用すると、当該柴胡桂枝湯の止瀉作用を向上させ得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより、完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の止瀉用の漢方製剤を提供する。
項1. (A)柴胡桂枝湯エキス及び(B)痛止め剤を含有することを特徴とする、止瀉用の漢方製剤。
項2. 前記(A)柴胡桂枝湯エキス(原生薬換算量)100重量部当たり、前記(B)痛止め剤を0.5〜50重量部含む、項1に記載の止瀉用の漢方製剤。
項3. 経口投与によって投与される、項1又は2に記載の止瀉用の漢方製剤。
項4. 固形状製剤である、項1〜3のいずれかに記載の止瀉用の漢方製剤。
本発明の漢方製剤によれば、柴胡桂枝湯の止瀉作用が飛躍的に向上しており、下痢を効果的に治療することができる。
ストレス誘発下痢モデルラットにおいて、柴胡桂枝湯及び痛止め剤の併用した際の糞便個数を計測した結果を示す図である。
1.止瀉用の漢方製剤
本発明の止瀉用の漢方製剤は、(A)柴胡桂枝湯エキス、及び(B)痛止め剤を含有することを特徴とする。以下、本発明の漢方製剤について詳述する。
(A)柴胡桂枝湯エキス
本発明の止瀉用の漢方製剤は、柴胡桂枝湯エキスを含有する。柴胡桂枝湯は、柴胡、半夏、桂枝又は桂皮、芍薬、黄ごん、大棗、人参、甘草、及び生姜からなる混合生薬である。
本発明において、柴胡桂枝湯に含まれる各生薬の混合比については、特に制限されないが、通常、柴胡5重量部、半夏4重量部、桂皮3重量部、芍薬3重量部、黄ごん2重量部、大棗2重量部、人参2重量部、甘草2重量部、及び生姜1重量部が挙げられる。
柴胡桂枝湯エキスは、柴胡桂枝湯処方に従った生薬を抽出処理することにより得られる浸出液を濃縮したもので、通常、乾燥エキス及び軟エキスの2種類がある。柴胡桂枝湯の抽出処理に使用される抽出溶媒としては、特に制限されないが、例えば、水;エタノール、アセトン、エーテル等の有機溶剤;これらの混合液が挙げられる。柴胡桂枝湯の抽出条件としては、特に制限されないが、例えば、柴胡桂枝湯に含まれる生薬の総重量(乾燥重量換算)に対して、5〜35倍量程度の抽出溶媒を加え、冷浸(15〜25℃程度)、温浸(35〜45℃程度)又はパーコレーション法(室温1〜30℃程度)法に準じて浸出させる方法などが挙げられる。抽出処理によって得られた柴胡桂枝湯抽出液について、濾過等により固形分を除去し、必要に応じて、濃縮処理や乾燥処理に供することによって柴胡桂枝湯エキスが得られる。
本発明で使用される柴胡桂枝湯エキスは、乾燥エキス末又は軟エキスのいずれであってもよい。
柴胡桂枝湯エキスは、商品名「柴胡桂枝湯エキス−A」(日本粉末薬品株式会社)、柴胡桂枝湯乾燥エキス−F」(アルプス薬品工業株式会社)等として市販されており、本発明ではこれらの市販品を使用してもよい。
本発明の止瀉用の漢方製剤において、柴胡桂枝湯エキスの含有量については、剤型等に応じて、後述する投与量を充足できるように適宜設定すればよいが、通常0.1〜98重量%、好ましくは0.5〜95重量%、更に好ましくは1〜90重量%が挙げられる。
(B)痛止め剤
本発明の止瀉用の漢方製剤では、前記柴胡桂枝湯エキスと共に、痛止め剤を含有する。このように、前記柴胡桂枝湯エキスと共に痛止め剤を組み合わせて使用することによって、柴胡桂枝湯エキスの止瀉作用を向上させることが可能になる。
痛止め剤とは、痛みを伝える痛覚伝導路の少なくとも1カ所において、痛覚の伝導を遮断することによって、大脳皮質の知覚領の感受性を低下し痛みを抑える薬物である。本発明で使用される痛止め剤の種類については、特に制限されないが、例えば、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロキソプロフェン、アスピリン、アスピリンアルミニウム、ジクロフェナク、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、サリチル酸、アミノピリン、アンチピリン、イソプロピルアンチピリン、ラクチルフェネジン、トルフェナム酸、メフェナム酸、オキシフェンブタゾン、クロフェゾン、スルピリン、フェニルブタゾン、メタミゾール、クロフェゾン、ナプロキセン、ケトプロフェン、インドメタシン、スルピリン、アセメタシン、トルメチンの解熱消炎鎮痛薬等が挙げられる。また、これらの化合物は、塩の形態をとり得る場合には、塩の形態で使用されてもよい。このような塩については、薬学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、ロキソプロフェン、ジクロフェナク、サリチル酸、トルメチン等の場合であれば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、好ましくはナトリウム塩が挙げられる。また、これらの化合物は、無水物の形態であってもよく、また水和物の形態であってもよい。
これらの痛止め剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの痛止め剤の中でも、柴胡桂枝湯エキスの止瀉作用をより一層効果的に向上させるという観点から、好ましくはアセトアミノフェン、ロキソプロフェン、イブプロフェン、及びこれらの塩、更に好ましくはアセトアミノフェン、ロキソプロフェンナトリウム水和物、及びイブプロフェンが挙げられる。
本発明の止瀉用の漢方製剤において、柴胡桂枝湯エキスと痛止め剤の比率は、通常、柴胡桂枝湯エキスの原生薬換算量100重量部当たり、痛止め剤を0.5〜50重量部となるように設定すればよい。柴胡桂枝湯エキスの止瀉作用をより一層効果的に向上させるという観点から、柴胡桂枝湯エキスと痛止め剤の比率として、柴胡桂枝湯エキスの原生薬換算量100重量部当たり、痛止め剤が好ましくは0.5〜40重量部、更に好ましくは1.0〜40重量部が挙げられる。
本発明の止瀉用の漢方製剤において、痛止め剤の含有量については、使用する痛止め剤の種類、剤型等に応じて、前述する柴胡桂枝湯エキスと痛止め剤の比率を充足できるように適宜設定すればよいが、通常0.01〜95重量%、好ましくは0.05〜90重量%、更に好ましくは0.05〜80重量%、特に好ましくは0.05〜70重量%が挙げられる。
その他の含有成分
本発明の止瀉用の漢方製剤には、前記柴胡桂枝湯エキス及び痛止め剤以外に、必要に応じて、他の薬理成分を含んでいてもよい。このような薬理成分の種類については、特に制限されないが、例えば、制酸剤、健胃剤、消化剤、整腸剤、鎮痙剤、粘膜修復剤、抗炎症剤、収れん剤、鎮吐剤、鎮咳剤、去痰剤、消炎酵素剤、鎮静催眠剤、抗ヒスタミン剤、カフェイン類、強心利尿剤、抗菌剤、血管収縮剤、血管拡張剤、局所麻酔剤、生薬、生薬エキス末、ビタミン類、メントール類等が挙げられる。これらの薬理成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの薬理成分の含有量については、使用する薬理成分の種類や止瀉用の漢方製剤の剤型等に応じて適宜設定すればよい。
本発明の止瀉用の漢方製剤には、所望の剤型に調製するために、必要に応じて、薬学的に許容される基剤や添加剤等が含まれていてもよい。このような基剤及び添加剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、等張化剤、可塑剤、分散剤、乳化剤、溶解補助剤、湿潤化剤、安定化剤、懸濁化剤、粘着剤、コーティング剤、光沢化剤、水、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、水溶性高分子、界面活性剤、金属石鹸、低級アルコール類、多価アルコール、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、防腐剤、矯味剤、香料、粉体、増粘剤、色素、キレート剤等が挙げられる。これらの基剤や添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの基剤や添加剤の含有量については、使用する添加成分の種類や止瀉用の漢方製剤の剤型等に応じて適宜設定すればよい。
投与形態・剤型・用途
本発明の止瀉用の漢方製剤の投与形態としては、経口投与(内服)又は経腸投与が挙げられるが、好ましくは経口投与である。
本発明の止瀉用の漢方製剤の剤型については、前記投与形態に適用可能であることを限度として特に制限されず、固形状、半固形状、又は液体状のいずれであってもよい。具体的には、本発明の止瀉用の漢方製剤の剤型として、錠剤、丸剤、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤)、散剤、顆粒剤(ドライシロップを含む)等の固体状製剤;ゼリー剤等の半固形状製剤;液剤、懸濁剤、シロップ剤等の液体状製剤が挙げられ、これらの剤型の中でも、含有成分の安定性や携帯性等の観点から、好ましくは固形状製剤が挙げられる。
本発明の止瀉用の漢方製剤を前記剤型に調製するには、柴胡桂枝湯エキス、痛止め剤、並びに必要に応じて添加される薬理成分、基剤、及び添加剤を用いて、医薬分野で採用されている通常の製剤化手法に従って製剤化すればよい。
本発明の止瀉用の漢方製剤は、下痢症状を緩和又は治癒させる目的で使用される。本発明の止瀉用の漢方製剤の投与量については、使用する痛止め剤の種類、剤型、患者の年齢、下痢症状の程度等に応じて適宜設定されるが、例えば、1日当たりの投与量として、前記、柴胡桂枝湯エキスの原生薬換算量で2400〜24000mg、好ましくは4800〜12000mgになる量が挙げられる。
2.医薬組成物
前述するように、痛止め剤には、副作用として下痢が知られているにも拘わらず、柴胡桂枝湯エキスと併用すると、柴胡桂枝湯エキスの止瀉作用を向上させることができる。また、柴胡桂枝湯エキスには、止瀉作用の他、かぜの諸症状、胃腸炎、神経症等を緩和する作用があることが知られている。更に、痛止め剤には、鎮痛作用だけでなく消炎作用や解熱作用があり、消化不良や食べ過ぎ飲みすぎによる胃腸の不快感;精神的なストレスによる胃腸の痛み;腸感染症などによる胃腸の痛み;筋肉の炎症;偏頭痛;及び腹痛、吐気、食欲不振、のどの痛み、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み等のかぜの諸症状等を緩和することもできる。そのため、柴胡桂枝湯エキス及び痛止め剤の併用は、消化不良、ストレス性胃炎、腸感染症、筋肉痛、偏頭痛、神経症、かぜに伴う諸症状等の緩和を目的とした医薬組成物において、優れた止瀉作用という付加的効果を備えさせることができる。
そこで、本発明の他の一態様として、(A)柴胡桂枝湯エキス、及び(B)痛止め剤を含有することを特徴とする医薬組成物を提供する。以下、本発明の医薬組成物について詳述する。
(A)柴胡桂枝湯エキス
本発明の医薬組成物は、柴胡桂枝湯エキスを含有する。柴胡桂枝湯は、柴胡、半夏、桂枝又は桂皮、芍薬、黄ごん、大棗、人参、甘草、及び生姜からなる混合生薬である。
本発明において、柴胡桂枝湯に含まれる各生薬の混合比については、特に制限されないが、通常、柴胡5重量部、半夏4重量部、桂枝3重量部、芍薬3重量部、黄ごん2重量部、大棗2重量部、人参2重量部、甘草2重量部、及び生姜1重量部が挙げられる。
柴胡桂枝湯エキスは、柴胡桂枝湯処方に従った生薬を抽出処理することにより得られる浸出液を濃縮したもので、通常、乾燥エキス及び軟エキスの2種類がある。柴胡桂枝湯の抽出処理に使用される抽出溶媒としては、特に制限されないが、例えば、水;エタノール、アセトン、エーテル等の有機溶剤;これらの混合液が挙げられる。柴胡桂枝湯の抽出条件としては、特に制限されないが、例えば、柴胡桂枝湯に含まれる生薬の総重量(乾燥重量換算)に対して、5〜35倍量程度の抽出溶媒を加え、冷浸(15〜25℃程度)、温浸(35〜45℃程度)又はパーコレーション法(室温1〜30℃程度)法に準じて浸出させる方法などが挙げられる。抽出処理によって得られた柴胡桂枝湯抽出液について、濾過等により固形分を除去し、必要に応じて、濃縮処理や乾燥処理に供することによって柴胡桂枝湯エキスが得られる。
本発明で使用される柴胡桂枝湯エキスは、乾燥エキス末又は軟エキスのいずれであってもよい。
柴胡桂枝湯エキスは、商品名「柴胡桂枝湯エキス−A」(日本粉末薬品株式会社)、柴胡桂枝湯乾燥エキス−F」(アルプス薬品工業株式会社)等として市販されており、本発明ではこれらの市販品を使用してもよい。
本発明の医薬組成物において、柴胡桂枝湯エキスの含有量については、剤型、用途等に応じて、後述する投与量を充足できるように適宜設定すればよいが、通常0.1〜98重量%、好ましくは0.5〜95重量%、更に好ましくは1〜90重量%が挙げられる。
(B)痛止め剤
本発明の医薬組成物では、前記柴胡桂枝湯エキスと共に、痛止め剤を含有する。このように、前記柴胡桂枝湯エキスと共に痛止め剤を組み合わせて使用することによって、柴胡桂枝湯エキスの止瀉作用を向上させるだけでなく、痛止め剤による効能(消化不良や食べ過ぎ飲みすぎによる胃腸の不快症状、精神的なストレスによる胃腸の痛み、腸感染症などによる胃腸の痛み、筋肉の炎症、偏頭痛、及びかぜの諸症状の緩和等)を備えさせることが可能になる。
痛止め剤とは、痛みを伝える痛覚伝導路の少なくとも1カ所において、痛覚の伝導を遮断することによって、大脳皮質の知覚領の感受性を低下し痛みを抑える薬物である。本発明で使用される痛止め剤の種類については、特に制限されないが、例えば、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロキソプロフェン、アスピリン、アスピリンアルミニウム、ジクロフェナク、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、サリチル酸、アミノピリン、アンチピリン、イソプロピルアンチピリン、ラクチルフェネジン、トルフェナム酸、メフェナム酸、オキシフェンブタゾン、クロフェゾン、スルピリン、フェニルブタゾン、メタミゾール、クロフェゾン、ナプロキセン、ケトプロフェン、インドメタシン、スルピリン、アセメタシン、トルメチン等の解熱消炎鎮痛薬が挙げられる。また、これらの化合物は、塩の形態をとり得る場合には、塩の形態で使用されてもよい。このような塩については、薬学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、ロキソプロフェン、ジクロフェナク、サリチル酸、トルメチン等の場合であれば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、好ましくはナトリウム塩が挙げられる。また、これらの化合物は、無水物の形態であってもよく、また水和物の形態であってもよい。
これらの痛止め剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの痛止め剤の中でも、柴胡桂枝湯エキスの止瀉作用をより一層効果的に向上させて、胃腸炎、神経症、かぜ等に伴う胃腸の不快症状(下痢等)を効果的に緩和させるという観点から、好ましくはアセトアミノフェン、ロキソプロフェン、イブプロフェン、及びこれらの塩、更に好ましくはアセトアミノフェン、ロキソプロフェンナトリウム水和物、及びイブプロフェンが挙げられる。
本発明の医薬組成物において、柴胡桂枝湯エキスと痛止め剤の比率は、通常、柴胡桂枝湯エキスの原生薬換算量算100重量部当たり、痛止め剤を0.5〜50重量部となるように設定すればよい。柴胡桂枝湯エキスの止瀉作用をより一層効果的に向上させて、胃腸炎、神経症、かぜ等に伴う胃腸の不快症状(下痢等)を効果的に緩和させるという観点から、柴胡桂枝湯エキスと痛止め剤の比率として、柴胡桂枝湯エキスと痛止め剤の比率として、柴胡桂枝湯エキスの乾燥重量換算100重量部当たり、痛止め剤が好ましくは0.5〜40重量部、更に好ましくは1.0〜40重量部が挙げられる。
本発明の医薬組成物において、痛止め剤の含有量については、使用する痛止め剤の種類、剤型等に応じて、前述する柴胡桂枝湯エキスと痛止め剤の比率を充足できるように適宜設定すればよいが、通常0.01〜95重量%、好ましくは0.05〜90重量%、更に好ましくは0.05〜80重量%、特に好ましくは0.05〜70重量%が挙げられる。
その他の含有成分
本発明の医薬組成物には、前記柴胡桂枝湯エキス及び痛止め剤以外に、必要に応じて、他の薬理成分を含んでいてもよい。このような薬理成分の種類については、特に制限されないが、例えば、制酸剤、健胃剤、消化剤、整腸剤、鎮痙剤、粘膜修復剤、抗炎症剤、収れん剤、鎮吐剤、鎮咳剤、去痰剤、消炎酵素剤、鎮静催眠剤、抗ヒスタミン剤、カフェイン類、強心利尿剤、抗菌剤、血管収縮剤、血管拡張剤、局所麻酔剤、生薬、生薬エキス末、ビタミン類、メントール類等が挙げられる。これらの薬理成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの薬理成分の含有量については、使用する薬理成分の種類や医薬組成物の剤型等に応じて適宜設定すればよい。
本発明の医薬組成物には、所望の剤型に調製するために、必要に応じて、薬学的に許容される基剤や添加剤等が含まれていてもよい。このような基剤及び添加剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、等張化剤、可塑剤、分散剤、乳化剤、溶解補助剤、湿潤化剤、安定化剤、懸濁化剤、粘着剤、コーティング剤、光沢化剤、水、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、水溶性高分子、界面活性剤、金属石鹸、低級アルコール類、多価アルコール、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、防腐剤、矯味剤、香料、粉体、増粘剤、色素、キレート剤、等が挙げられる。これらの基剤や添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの基剤や添加剤の含有量については、使用する添加成分の種類や医薬組成物の剤型等に応じて適宜設定すればよい。
投与形態・剤型・用途
本発明の医薬組成物の投与形態としては、経口投与(内服)又は経腸投与が挙げられるが、好ましくは経口投与である。
本発明の医薬組成物の剤型については、前記投与形態に適用可能であることを限度として特に制限されず、固形状、半形体状、又は液状のいずれであってもよい。具体的には、本発明の医薬組成物の剤型として、錠剤、丸剤、カプセル剤(軟カプセル剤、硬カプセル剤)、散剤、顆粒剤(ドライシロップを含む)等の固形状製剤;ゼリー剤等の半固形状製剤;液剤、懸濁剤、シロップ剤等の液状製剤が挙げられる。これらの剤型の中でも、含有成分の安定性や携帯性等の観点から、好ましくは固形状製剤が挙げられる。
本発明の医薬組成物を前記剤型に調製するには、柴胡桂枝湯エキス、痛止め剤、並びに必要に応じて添加される薬理成分、基剤、及び添加剤を用いて、医薬分野で採用されている通常の製剤化手法に従って製剤化すればよい。
本発明の医薬組成物は、柴胡桂枝湯エキス及び痛止め剤を含有しているので、これらの薬効に基づいて、下痢、腹痛、吐気、食欲不振、のどの痛み、悪寒、発熱、頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み等の胃腸炎、神経症、かぜ等の諸症状緩和目的で使用することができる。特に、本発明の医薬組成物では、柴胡桂枝湯エキスによる止瀉作用が向上し、胃腸の不快症状を効果的に緩和できることを鑑みれば、胃腸炎、胃腸の不快症状を伴う神経症、胃腸の不快症状を伴うかぜの諸症状の緩和の目的で好適に使用でき、とりわけ下痢を伴う胃腸炎、下痢を伴う神経症、下痢を伴うかぜの諸症状の緩和の緩目的で特に好適に使用できる。
本発明の医薬組成物は、下痢症状を緩和又は治癒させる目的で使用される。本発明の医薬組成物の投与量については、使用する痛止め剤の種類、剤型、患者の年齢、用途、症状の程度等に応じて適宜設定されるが、例えば、1日当たりの投与量として、前記、柴胡桂枝湯エキスの原生薬換算量で2400〜24000mg、好ましくは4800〜12000mgになる量が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
試験例:止瀉効果の検証
1.試験液の調製
表1に示す組成の試験液を調製した。具体的には、所定量のカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加して溶解させた水溶液に、所定量の柴胡桂枝湯エキス及び所定量の痛止め剤を添加することにより、試験液を調製した。
2.ストレス誘発下痢モデルラットに対する止瀉効果の評価方法
本試験では、ラット(SPF、Slc:SD、日本エスエルシー株式会社より入手)を用いた。6週齢で入手後、8日間の検疫・馴化期間を設け、体重推移及び一般状態に異常の認められない7週齢となったラットを試験に用いた。表1に示す各試験液を各ラットに対して5ml/kg-体重となるように、1mlのディスポーザブルシリンジ(株式会社JMS)及びディスポーザブル経口ゾンデ(有限会社フチガミ器械)を用いて経口投与し、投与60分後にラットをイソフルラン(商品名「エスカイン吸入麻酔液」、マイラン製薬株式会社製)で麻酔し、左右の上肢を含む胸部を粘着テープ(5cm×30cmを2枚使用)で包んで上半身を固定し拘束ストレスの負荷を与えた。粘着テープで固定したラットを直ちに観察用のケージに1匹ずつ入れ、その後1時間の糞便個数を測定した。本試験では、各群10匹のラットを用いて行い、糞便個数の平均値を算出した。
3.試験結果
得られた結果を図1に示す。この結果、柴胡桂枝湯エキスを単独で投与した場合(比較例1)に比べて、柴胡桂枝湯エキスと痛止め剤を併用した場合(実施例1〜5)では、ストレス誘発下痢モデルラットにおける糞便個数が減少しており、痛止め剤には、柴胡桂枝湯エキスの止瀉作用を向上させる作用があることが明らかとなった。また、柴胡桂枝湯エキスと痛止め剤を併用した場合(実施例1〜5)において、糞便の性状も正常化していることも確認された。
処方例
表2及び3に示す組成の錠剤(1錠当たり333mg)を常法に従って調製した。

Claims (5)

  1. (A)柴胡桂枝湯エキスと、(B)アセトアミノフェン、イブプロフェン、並びにロキソプロフェン及びその塩からなる群より選択される痛止め剤を含有することを特徴とする、ストレス誘発下痢の止瀉用の漢方製剤。
  2. (A)柴胡桂枝湯エキスと、(B)アセトアミノフェン、並びにロキソプロフェン及びその塩からなる群より選択される痛止め剤とを含有することを特徴とする、止瀉用の漢方製剤。
  3. 前記(A)柴胡桂枝湯エキス(原生薬換算量)100重量部当たり、前記(B)痛止め剤を0.5〜50重量部含む、請求項1又は2に記載の止瀉用の漢方製剤。
  4. 経口投与によって投与される、請求項1〜3のいずれかに記載の止瀉用の漢方製剤。
  5. 固形状製剤である、請求項1〜のいずれかに記載の止瀉用の漢方製剤。
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