JP3984510B2 - 可逆熱変色性成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体 - Google Patents

可逆熱変色性成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は可逆熱変色性成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体に関する。更に詳細には、消色状態からの加熱により発色状態を呈し、前記発色状態からの降温により消色状態を呈する可逆的変色機能を備えた可逆熱変色性成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、生活環境温度域における、消色状態からの加熱により発色状態を呈し、発色状態からの降温により消色する、加熱発色型の可逆熱変色性組成物と成形用樹脂からなる成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体が特開2000−72972号公報に開示されている。
前記従来の成形用樹脂組成物とそれを用いた成形体は、図4に示す如く、発色濃度が完全発色温度(T)を境に、高温側(T)で激減し、消色開始温度(T)領域に至る低温側で激増する変色挙動を呈し、発色温度域における発色濃度の濃淡差が大きい特性を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、この種の加熱発色型の可逆熱変色性成形用樹脂組成物について検討を加え、発色温度域における発色濃度の濃淡差が小であると共に、(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)成分系によって消色開始温度を高温側にシフトさせて、発色状態の保持温度幅を狭めて、加熱手段による発色後にあって、特殊な冷却手段を適用することなく、速やかに元の消色状態に復帰させることが可能な可逆熱変色性成形用樹脂組成物(図2、図3参照)を構成でき、更には、耐熱性、耐圧性、経時保存性等に優れ、所期の熱変色機能を持続して発現できる加熱発色型の成形用樹脂組成物が得られ、又、前記成形用樹脂組成物により成形した各種形状の成形体は、示温材には勿論、玩具分野、装飾分野、デザイン分野等に新たな変色効果を付与できることを見出して本発明を完成させた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)没食子酸エステル類から選ばれる電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応を特定温度域で可逆的に生起させる融点が50℃未満のアルコール類、エステル類、ケトン類、及び炭化水素類から選ばれる反応媒体、(ニ)融点50℃以上の脂肪酸エステル又は融点50℃以上のエーテル化合物を含んでなり、前記(ハ)成分100重量部に対して(ロ ) 成分は20〜80重量部、(ニ)成分は0.4〜20重量部の使用割合であり、温度−色濃度曲線におけるΔH値(ヒステリシス温度幅)が、3〜25℃の範囲にある加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包させた、平均粒子径が0.5〜50μmのマイクロカプセル顔料と、成形用樹脂を含む可逆熱変色性成形用樹脂組成物を要件とする。
更には、前記成形用樹脂が熱可塑性樹脂であることを要件とする。
更には、前記可逆熱変色性成形用樹脂組成物により成形されてなる成形体、前記成形体がフィラメント或いはフイルムであること等を要件とする。
【0005】
前記(イ)電子供与性呈色性有機化合物としては、従来より公知のジフェニルメタンフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類等が挙げられ、以下にこれらの化合物を例示する。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−〔2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3,6−ジフェニルアミノフルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−キシリジノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−(3−メトキシ−4−ドデコキシスチリル)キノリン、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジエチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル−、スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−フェニル、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(1−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−ペンチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等を挙げることができる。
更には、蛍光性の黄色〜赤色の発色を発現させるのに有効な、ピリジン系、キナゾリン系、ビスキナゾリン系化合物等を挙げることができる。
【0006】
(ロ)没食子酸エステル類から選ばれる電子受容性化合物としては、没食子酸ドデシル、没食子酸トリデシル、没食子酸テトラデシル、没食子酸ペンタデシル、没食子酸ヘキサデシル、没食子酸オクタデシル、没食子酸エイコシル、没食子酸ベヘニル、等を例示でき、前記(イ)成分から選ばれる化合物との電子授受反応を行なう。
【0007】
(ハ)反応媒体は、前記電子授受反応を特定温度域で可逆的に生起させる反応媒体として機能するものであり、アルコール類、エステル類、ケトン類、及び炭化水素類から選ばれる。
【0008】
アルコール類としては、脂肪族一価の飽和アルコールとしては、例えば、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール等を、脂肪族不飽和アルコールとしては、例えば、アリルアルコール、オレイルアルコール等を、脂環式アルコールとしては、例えば、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール、シクロドデカノール、4−tert−ブチルシクロヘキサノール等を、芳香族アルコールとしては、例えば、4−メチルベンジルアルコール、ベンツヒドロール等を、多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール等を例示できる。
【0009】
エステル類としては、炭素数10以上のエステル類が有効であり、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類が挙げられ、具体的にはカプリル酸エチル、カプリル酸オクチル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸ミリスチル、カプリン酸セチル、カプリン酸ステアリル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸n−デシル、ミリスチン酸3−メチルブチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ネオペンチル、パルミチン酸ノニル、パルミチン酸シクロヘキシル、ステアリン酸n−ブチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリン酸n−ヘプチル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸ペンタデシル、ステアリン酸シクロヘキシルメチル、ベヘン酸イソプロピル、ベヘン酸ヘキシル、ベヘン酸ラウリル、安息香酸セチル、フタル酸ジミリスチル、シュウ酸ジミリスチル、シュウ酸ジセチル、マロン酸ジセチル、コハク酸ジラウリル、グルタル酸ジラウリル、アジピン酸ジウンデシル、アゼライン酸ジラウリル、セバシン酸ジ−(n−ノニル)、1,18−オクタデシルメチレンジカルボン酸ジネオペンチル、エチレングリコールジミリステート、プロピレングリコールジラウレート、1,5−ペンタンジオールジミリステート、1,4−シクロヘキサンジオールジデシル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジミリステート、キシレングリコールジカプリネート、等が例示できる。
又、飽和脂肪酸と分枝脂肪族アルコールのエステル、不飽和脂肪酸又は分枝もしくは置換基を有する飽和脂肪酸と分岐状であるか又は炭素数16以上の脂肪族アルコールのエステル、酪酸セチル、酪酸ステアリル及び酪酸ベヘニルから選ばれるエステル化合物も有効である。
具体的には、酪酸2−エチルヘキシル、ベヘン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−エチルヘキシル、カプリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、パルミチン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘキシル、カプロン酸2−メチルブチル、カプリル酸2−メチルブチル、カプリン酸2−メチルブチル、パルミチン酸1−エチルプロピル、ステアリン酸1−エチルプロピル、ベヘン酸1−エチルプロピル、ラウリン酸1−エチルヘキシル、ミリスチン酸1−エチルヘキシル、パルミチン酸1−エチルヘキシル、カプロン酸2−メチルペンチル、カプリル酸2−メチルペンチル、カプリン酸2−メチルペンチル、ラウリン酸2−メチルペンチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸2−メチルブチル、ステアリン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸2−メチルブチル、ベヘン酸3−メチルブチル、ステアリン酸1−メチルヘプチル、ベヘン酸1−メチルヘプチル、カプロン酸1−エチルペンチル、パルミチン酸1−エチルペンチル、ステアリン酸1−メチルプロピル、ステアリン酸1−メチルオクチル、ステアリン酸1−メチルヘキシル、ラウリン酸1,1−ジメチルプロピル、カプリン酸1−メチルペンチル、パルミチン酸2−メチルヘキシル、ステアリン酸2−メチルヘキシル、ベヘン酸2−メチルヘキシル、ラウリン酸3,7−ジメチルオクチル、ミリスチン酸3,7−ジメチルオクチル、パルミチン酸3,7−ジメチルオクチル、ステアリン酸3,7−ジメチルオクチル、ベヘン酸3,7−ジメチルオクチル、オレイン酸ステアリル、オレイン酸ベヘニル、リノール酸ステアリル、リノール酸ベヘニル、等を例示できる。
炭素数9以上の奇数の脂肪族一価アルコールと炭素数が偶数の脂肪族カルボン酸から得られる脂肪酸エステル化合物、n−ペンチルアルコール又はn−ヘプチルアルコールと炭素数10乃至16の偶数の脂肪族カルボン酸より得られる総炭素数17乃至23の脂肪酸エステル化合物も有効である。
具体的には、酢酸n−ペンタデシル、酪酸n−トリデシル、酪酸n−ペンタデシル、カプロン酸n−ウンデシル、カプロン酸n−トリデシル、カプロン酸n−ペンタデシル、カプリル酸n−ノニル、カプリル酸n−ウンデシル、カプリル酸n−トリデシル、カプリル酸n−ペンタデシル、カプリン酸n−ヘプチル、カプリン酸n−ノニル、カプリン酸n−ウンデシル、カプリン酸n−トリデシル、カプリン酸n−ペンタデシル、ラウリン酸n−ペンチル、ラウリン酸n−ヘプチル、ラウリン酸n−ノニル、ラウリン酸n−ウンデシル、ラウリン酸n−トリデシル、ラウリン酸n−ペンタデシル、ミリスチン酸n−ペンチル、ミリスチン酸n−ヘプチル、ミリスチン酸n−ノニル、ミリスチン酸n−ウンデシル、ミリスチン酸n−トリデシル、パルミチン酸n−ペンチル、パルミチン酸n−ヘプチル、パルミチン酸n−ノニル、パルミチン酸n−ウンデシル、パルミチン酸n−トリデシル、パルミチン酸n−ペンタデシル、ステアリン酸n−ノニル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン酸n−トリデシル、等が挙げられる。
【0010】
ケトン類としては、総炭素数が10以上の脂肪族ケトン類、例えば、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、2−ウンデカノン、3−ウンデカノン、4−ウンデカノン、5−ウンデカノン、6−ウンデカノン、2−ドデカノン、3−ドデカノン、4−ドデカノン、5−ドデカノン、2−トリデカノン、3−トリデカノン、2−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、8−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、2−ペンタデカノン、等。
総炭素数が12乃至18のアリールアルキルケトン類、例えば、n−ラウロフェノン、n−ウンデカノフェノン、n−ノナノフェノン、n−オクタノフェノン、等を例示できる。
【0011】
炭化水素類としては、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ヘンエイコセン、1−ドコセン、1−トリコセン、1−テトラコセン、1−ペンタコセン、等を例示できる。
【0012】
(ニ)成分を以下に具体的に例示する。
融点50℃以上の単分子有機化合物として用いられる脂肪酸エステル類としては、ラウリン酸エイコシル、ラウリン酸ベヘニル、ラウリン酸テトラコシル、ラウリン酸ヘキサコシル、ラウリン酸オクタコシル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、ミリシチン酸エイコシル、ミリスチン酸ベヘニル、ミリスチン酸テトラコシル、ミリスチン酸ヘキサコシル、ミリスチン酸オクタコシル、パルミチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸ステアリル、パルミチン酸エイコシル、パルミチン酸ベヘニル、パルミチン酸テトラコシル、パルミチン酸ヘキサコシル、パルミチン酸オクタコシル、ステアリン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸エイコシル、ステアリン酸ベヘニル、ステアリン酸テトラコシル、ステアリン酸ヘキサコシル、ステアリン酸オクタコシル、エイコ酸デシル、エイコ酸ウンデシル、エイコ酸トリデシル、エイコ酸ミリスチル、エイコ酸セチル、エイコ酸ステアリル、エイコ酸エイコシル、エイコ酸ドコシル、エイコ酸テトラコシル、エイコ酸ヘキサコシル、エイコ酸オクタコシル、ベヘン酸メチル、ベヘン酸ヘキシル、ベヘン酸オクチル、ベヘン酸デシル、ベヘン酸ウンデシル、ベヘン酸ラウリル、ベヘン酸トリデシル、ベヘン酸ミリスチル、ベヘン酸セチル、ベヘン酸ステアリル、ベヘン酸エイコシル、べへン酸ベヘニル、ベヘン酸テトラコシル、ベヘン酸ヘキサコシル、ベヘン酸オクタコシルを挙げることができる。
二塩基酸エステル類としては、シュウ酸ジステアリル、シュウ酸ジエイコシル、シュウ酸ベヘニル、コハク酸ジステアリル、コハク酸エイコシル、コハク酸ベヘニル、グルタル酸ジステアリル、グルタル酸ジエイコシル、グルタル酸ベヘニル、アジピン酸ジミリスチル、アジピン酸ジセチル、アジピン酸ジステアリル、アジピン酸エイコシル、アジピン酸ベヘニル、スベリン酸ジセチル、スベリン酸ジステアリル、スベリン酸ジエイコシル、スベリン酸ベヘニル、アゼライン酸ミリスチル、アゼライン酸ジセチル、アゼライン酸ジステアリル、アゼライン酸エイコシル、アゼライン酸ベヘニル、セバシン酸ジミリスチル、セバシン酸ジセチル、セバシン酸ジステアリル、セバシン酸ジエイコシル、セバシン酸ジベヘニル、1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸ジトリデシル、1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸ジミリスチル、1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸ジセチル、1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸ジパルミチル、1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸ジステアリル、1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸ジエイコシル、1−,14−テトラデカメチレンジカルボン酸ジベヘニル、1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジラウリル、1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジトリデシル、1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジミリスチル、1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジセチル、1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジパルミチル、1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジステアリル、1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジエイコシル、1−,16−ヘキサデカメチレンジカルボン酸ジベヘニル、1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジデシル、1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジラウリル、1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジトリデシル、1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジミリスチル、1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジセチル、1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジパルミチル、1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジステアリル、1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジエイコシル、1−,18−オクタデカメチレンジカルボン酸ジベヘニル、1−,20−エイコシルメチレンジカルボン酸ジデシル、1−,20−エイコシルメチレンジカルボン酸ジラウリル、1−,20−エイコシルメチレンジカルボン酸ジトリデシル、1−,20−エイコシルメチレンジカルボン酸ジミリスチル、1−,20−エイコシルメチレンジカルボン酸ジセチル、1−,20−エイコシルメチレンジカルボン酸ジパルミチル、1−,20−エイコシルメチレンジカルボン酸ジステアリル、1−,20−エイコシルメチレンジカルボン酸ジエイコシル、1−,20−エイコシルメチレンジカルボン酸ジベヘニル、トリミリスチン、トリパルミチン、トリステアリン、トリノナデカノイン、カプロン酸コレステロール、カプリル酸コレステロール、カプリン酸コレステロール、ウンデカン酸コレステロール、ラウリン酸コレステロール、ミリスチン酸コレステロール、パルミチン酸コレステロール、ステアリン酸コレステロール、エイコサン酸コレステロール、ベヘン酸コレステロール等を例示できる。
融点50℃以上の単分子有機化合物として用いられるエーテル化合物類としては、ペンタデシルエーエル、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、ジエイコシルエーテル、ジドコシルエーテル等が挙げられる。
【0013】
本発明の加熱発色機構について以下に説明する。
前記(イ)、(ロ)、(ハ)の三成分の均質相溶混合物は、加熱時にあっては、液相に転移して(イ)と(ロ)が接触状態となり、(ロ)の呈色力が(ハ)の減感力を上回って、発色状態を現出させ、温度降下時にあっては、(ロ)が析出して(イ)と(ロ)の結合が解離されて消色状態に復帰する可逆的変色挙動を示す。
前記(ロ)成分として、没食子酸エステル類から選ばれる化合物の適用により、発色温度域における発色濃度の濃淡差を小となし、視覚濃度の一様性を保持できる。
前記三成分の均質相溶混合物からなる加熱発色型可逆熱変色性組成物の変色挙動を図1の温度色濃度曲線の説明図について説明する。
ここで、温度Tは発色開始温度、Tは完全発色温度、Tは消色開始温度、Tは完全消色温度を示す。
ΔHは消色状態から発色状態に至る経路と、発色状態から消色状態に至る経路の温度差として下記の式より算出される。
ΔH=(T )/2−(T )/2
温度色濃度曲線において、色濃度の変化は矢印に沿って進行する。
以下の温度域で消色状態を呈し、加熱過程においてTの温度に達すると発色し始め、Tの温度に達すると完全発色状態となり、Tを越える温度まで昇温させて、降温する過程においてTの温度に達すると消色し始め、更に降温すると色濃度が薄くなり、Tの温度に達すると完全に消色する。
前記(イ)、(ロ)、(ハ)の三成分に第四成分の(ニ)融点50℃以上の脂肪酸エステル又は融点50℃以上のエーテル化合物を添加した系(図2、図3)では、前記(ニ)成分の作用により系内の結晶化を促進し、(ロ)没食子酸エステルの析出速度(白化)を早め、(ニ)成分が未添加の系(点線で示す)に比べて消色開始温度(T)及び完全消色温度(T)を高温側にシフトさせ、ΔH値を3〜25℃の範囲となして発色保持温度幅を狭小化できることから、加熱手段により発色させた後に特殊な冷却手段を適用することなく、速やかに元の消色状態への復帰が可能になる。よって、生活環境温度域での発色乃至消色の変色挙動を生起させ易くなり、変色操作も簡易になる。
例えば、体温(36℃)、風呂(40℃)の温度で発色させたものが、自然放置により直ちに元の消色状態に復帰するのに対して、(ニ)成分の未添加の三成分系では、ΔHの幅が広いために10〜15℃以下に冷却するまで発色状態が保持される。
図4は、従来の加熱発色型可逆熱変色性組成物の温度色濃度曲線の説明図であり、発色濃度がTを境に、高温側(T)で激減し、T領域に至る低温側で激減する変色挙動を呈し、発色温度域における発色濃度の濃淡差が大きい特性を示している。
これに対し、本発明に用いられる加熱発色型可逆熱変色性組成物は発色温度域における発色濃度の濃淡差が極めて小であり、略一様の発色濃度を保持しており、加えてTが、30〜50℃の系にあっては、T−Tの値が従来の系に較べて小さく,高濃度の発色挙動を呈する。
【0014】
前記各成分の配合割合について以下に説明する。
前記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)成分は、(イ)成分0.2〜20(好ましくは、0.5〜15)、(ロ)成分20〜80(好ましくは、20〜70)、(ハ)成分100、(ニ)成分0.4〜20(好ましくは、1〜10)の重量割合が有効である。
前記(ロ)成分の、(ハ)成分に対する割合が20重量%未満では、加熱発色時の発色濃度が実用的に不充分であり、一方、80重量%を超えると(ロ)成分が過剰に存在するため、(ハ)成分中での溶解−析出の可逆性が損なわれがちであり、可逆的な発消色性を示し難く、色消えも悪い。
前記(ニ)成分の、(ハ)成分に対する割合が、0.4未満では、低温側変色曲線の高温側へのシフトの効果が不充分であり、一方、20重量%を超えると発消色の適性バランスに欠ける。
前記(ハ)成分としては、前記した化合物の単独系であってもよいが、アルコール類とエステル類の併用系、アルコール類と炭化水素類の併用系が効果的であり、この点を以下に説明する。
前記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の必須四成分からなる組成物中において、(ロ)没食子酸エステルの性状変化、即ち、加温時(高温時)での溶解状態、降温時(低温時)での析出状態は、(ハ)成分の化学的性状、物性により影響を受ける。
特に、アルコール中においては、(ロ)没食子酸エステルの呈色力より、それを打ち消す力、即ち、アルコールの減感力が発揮されるため、内包組成物の発色濃度を低下させる特性を有する。
一方、エステル類の系では、加温時(高温時)での溶解状態では、その減感力がアルコールに較べて弱く、(ロ)没食子酸エステルの呈色力への影響が少ないため、良好な発色濃度を示すのに対し、降温時(低温時)においては、(ロ)没食子酸エステルの析出現象が起こり難く、消色状態に変位し難い特性を有する。 前記したように、アルコ−ル類とエステル類の両特性をバランスよく組み合わせることにより、加温時(高温時)の良好な発色状態、降温時(低温時)の消色状態を共に効果的に発現させる。
前記アルコール類−エステル類の併用系において、アルコール類/エステル類=80/20〜20/80〔好ましくは、70/30〜30/70、更に好ましくは、60/40〜40/60(重量比)〕である。
炭化水素類の系では、前記エステル類を使用する系に較べて、発色濃度が大きい特性を有している。アルコール類/炭化水素類=80/20〜20/80〔好ましくは、70/30〜30/70、更に好ましくは、60/40〜40/60(重量比)である。
又、紫外線吸収剤を全組成物に対し、1〜40重量%(好ましくは、1〜30重量%、更に好ましくは、5〜15重量%)配合することができる。1重量%未満では、耐光性の向上効果が不充分であり、40重量%を越えると熱変色機能に支障を来す。
【0015】
前記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の四成分系の均質相溶混合物は、マイクロカプセルに内包させて、加熱発色型可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を形成する。
前記マイクロカプセルは、平均粒子径0.5〜50μm、好ましくは1〜30μm、より好ましくは、1〜20μmの範囲が実用性を満たす。
前記マイクロカプセル(円形断面形状を含む)は、最大外径の平均値が、50μmを越える系では、インキ、塗料、或いは熱可塑性樹脂中へのブレンドに際して、分散安定性や加工適性に欠ける。
一方、最大外径の平均値が0.5μm以下の系では、高濃度の発色性を示し難く、好ましくは、最大外径の平均値が1〜30μmの範囲、当該マイクロカプセルの平均粒子径〔(最大外径+中央部の最小外径)/2〕が3〜20μmの範囲が好適である。
ここで、マイクロカプセルの形態は、真円形断面形状のものであってもよいが、非円形断面で窪みを有するものが、熱や圧力の負荷に対して、適宜に弾性変形して応力を緩和でき、壁膜の破壊が抑制されるので効果的である。
前記マイクロカプセルにおける、内包物/壁膜=7/1〜1/1(重量比)の範囲が有効であり、内包物の比率が前記範囲より大になると発色時の色濃度及び鮮明性の低下を免れず、好適には、内包物/壁膜=6/1〜1/1(重量比)である。
前記マイクロカプセル化は、従来より公知のイソシアネート系の界面重合法、メラミン−ホルマリン系等のin Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
なお、加熱発色型熱変色性顔料は、一般の染顔料(非熱変色性)を配合し、有色(1)から有色(2)への変色挙動を呈することができる。
【0016】
本発明においては、前記マイクロカプセル顔料を成形用樹脂中に分散して用いられる。
前記成形用樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中高密度ポリエチレン、超高密度ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリプロピレン、ポロイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニルエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルホン、フッ素樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−プロピレン共重合樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリル酸エステル−スチレン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系可塑性エラストマー、ウレタン系可塑性エラストマー、ポリステル系可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系可塑性エラストマー、塩化ビニル系可塑性エラストマー、石油系炭化水素樹脂、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリブテン、クマロン−インデン共重合物、フェノキシプラスチック等の熱可塑性樹脂。
エポキシ樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、エポキシアクリレート、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリ(p−ヒドロキシ安息香酸)、ポリウレタン、尿素樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0017】
更に、前記成形体上には、光安定剤および/または光遮蔽性顔料を含む層を積層することによって耐光性を向上させたり、或いは、トップコート層を設けて耐久性を向上させることもできる。
前記光遮蔽性顔料は、金属光沢顔料、透明二酸化チタン、透明酸化鉄、透明酸化セシウム、透明酸化亜鉛等の顔料類が挙げられる。
【0018】
前記成形体が適用される分野としては、被服、玩具、造花、文房具、日用品、台所用品、化粧用具、運動用具、屋内装飾品等が挙げられる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の可逆熱変色性成形用樹脂組成物は通常ペレットの形態に加工されており、各種成形機によりフイルム、シート、板、棒、パイプ、フィラメント、その他各種形状の造形物の成形に用いられる。成形用樹脂として熱可塑性樹脂を用いた場合は、カレンダロール加工又はインフレーション加工によってフイルムを成形することができる。又、押出成形機により板状体、棒状体、パイプ、フィラメント等を成形することができる。
又、射出成形により種々の形態の造形物を成形することができ、例えば、乗物玩具、人形等の玩具形象の造形物、生活関連用品、運動具、各種屋内装置品等が挙げられ、更に、前記造形物の部品を成形することもできる。
メルトスピニング等により得たフィラメントは、織物や編物に用いられるだけでなく、植毛に用いることもできる。
熱硬化性樹脂を適用する系では、所定形状寸法の金型に充填することにより、種々の成形体を成形することができる。
前記成形体は本発明成形用樹脂組成物と同様の可逆熱変色性を示す。
【0020】
【実施例】
本発明に用いられる可逆熱変色性組成物の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)成分と紫外線吸収剤、及び、各成分の割合を以下の表に示す。
表中の( )内の数字は重量部を示し、以下の配合量を示す数字はいずれも重量部である。
【0021】
【表1】
Figure 0003984510
【0022】
可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の調製方法は可逆熱変色性組成物1を内包したマイクロカプセル顔料の調製方法と同様である。
以下の表に適用される可逆熱変色性組成物の色変化、変色温度、ヒステリシス温度幅(ΔH)を示す。
【0023】
【表2】
Figure 0003984510
【0024】
実施例1
可逆熱変色性組成物を内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
6′−[エチル(4−メチルフェニル)アミノ]−2′−(メチルフェニルアミノ)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H) , 9′−(9H)キサンテン]−3−オン4.5部、没食子酸ドデシル8部、カプリン酸セチル12.5部、ミリスチルアルコール12.5部、ベヘン酸ベヘニル1部、紫外線吸収剤として2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール3部を含む可逆熱変色性組成物を、芳香族イソシアネートプレポリマーと水の反応で得られる、ポリ尿素膜からなる壁膜内に内包されるようマイクロカプセル化を行なって可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を得た。
前記カプセル顔料は、加温すると34℃で発色し始め(T)、43℃に達すると色の発色状態となり(T)、次に冷却すると、36℃で消色し始め(T)、24℃に達すると消色状態になる(T)熱変色挙動を示す。
なお、ヒステリシス温度幅(ΔH)は8.5℃であった。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
実施例
可逆熱変色性成形用樹脂組成物の調製
可逆熱変色組成物を内包したマイクロカプセル顔料30部、スチレン−ブタジエン共重合樹脂(メルトフローレート7.3)1000部、紫外線吸収剤10部、金属石鹸系滑剤0.5部をタンブラーミキサーで均一に分散した後、押出成形機を用いて可逆熱変色性スチレン−ブタジエン共重合樹脂ペレットを得た。
前記樹脂組成物は24℃以下では無色になり、43℃以上では緑色を呈し、再び24℃以下になると無色に変化した。
【0030】
成形体の作製
前記可逆熱変色性成形用樹脂組成物を用いてカメ型の金型を使用し射出成形機によりカメ形態の可逆熱変色性成形体を得た。
前記成形体は、24℃以下では無色であるが、43℃以上の温水中に浸漬すると緑色を呈し、温水から取り出して水(20℃)中に浸漬すると無色に戻った。
なお、この様相変化は温度変化により繰り返し行うことができた。
【0031】
実施例
可逆熱変色性成形用樹脂組成物の調製
可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料30部、ポリエステルエラストマー樹脂(メルトフローレート20.0)1000部、紫外線吸収剤10部、金属石鹸系滑剤0.5部をタンブラーミキサーで均一に分散した後、押出成形機を用いて可逆熱変色性ポリエステルエラストマー樹脂ペレットを得た。
前記樹脂組成物は30℃以下では無色になり、60℃以上では青色を呈し、再び24℃以下になると無色に変化した。
【0032】
成形体の作製
前記可逆熱変色性成形用樹脂組成物を用いてホットカーラー型の金型を使用し、射出成形によりホットカーラー型の可逆熱変色性成形体を得た。
前記成形体は、30℃以下では無色であるが、60℃以上に加温すると青色を呈し、室温(25℃)下で放置すると無色に戻った。
なお、この様相変化は温度変化により繰り返し行うことができた。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【発明の効果】
本発明の可逆熱変色性成形用樹脂組成物は、含有される加熱発色型の可逆熱変色性組成物の発色温度域における発色濃度の濃淡差が小であり、消色開始温度域を高温側にシフトさせ、ΔH値を狭め、発色保持温度幅を狭小化させて、加熱手段により発色させた後、特殊の冷却手段を適用することなく、速やかに元の消色状態に復帰させることができ、新たな熱変色材として多様な分野に応用展開が可能であり、実用性を満足させる。
又、前記可逆熱変色性成形用樹脂組成物を適用した成形体にあっても同様の熱変色特性を有し、示温材料、温度検出材料、偽造防止、教習要素、玩具、装飾品等、多様な分野に適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 加熱発色型可逆熱変色性組成物のうち、三成分系〔(イ)、(ロ)、(ハ)〕の温度−色濃度曲線の説明図である。
【図2】 本発明に用いられる加熱発色型可逆熱変色性組成物の温度−色濃度曲線の説明図である。
【図3】 (ニ)成分の配合により、低温側変色点を高温側にシフトさせた状態の説明図である。
【図4】 従来の加熱発色型可逆熱変色性組成物の温度−色濃度曲線の説明図である。
【符号の説明】
発色開始温度
完全発色温度
消色開始温度
完全消色温度
高温領域

Claims (4)

  1. (イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)没食子酸エステル類から選ばれる電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応を特定温度域で可逆的に生起させる融点が50℃未満のアルコール類、エステル類、ケトン類、及び炭化水素類から選ばれる反応媒体、(ニ)融点50℃以上の脂肪酸エステル又は融点50℃以上のエーテル化合物を含んでなり、前記(ハ)成分100重量部に対して(ロ ) 成分は20〜80重量部、(ニ)成分は0.4〜20重量部の使用割合であり、温度−色濃度曲線におけるΔH値(ヒステリシス温度幅)が、3〜25℃の範囲にある加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包させた、平均粒子径が0.5〜50μmのマイクロカプセル顔料と、成形用樹脂を含む可逆熱変色性成形用樹脂組成物。
  2. 前記成形用樹脂が熱可塑性樹脂である請求項1記載の可逆熱変色性成形用樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載の可逆熱変色性成形用樹脂組成物により成形されてなる成形体。
  4. 前記成形体がフィラメント或いはフイルムである請求項3記載の成形体。
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